JP3195460B2 - 弾球遊技装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、弾球遊技機、例えば
雀球遊技機、パチンコ機、或いはアレンジボール等にお
いて、特に発射レール上を戻ってきたパチンコ球を外部
に排除するための戻球排除口を設けるようにした、発射
レール装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の発射レール装置、例えば
パチンコ機に用いられている発射レールは、パチンコ機
本体の下部に一体として固定されていた。そして、パチ
ンコ球を遊技盤に発射する際には、発射レールの一端側
に供給されたパチンコ球は、ハンマー等により打ち出さ
れて、発射レール上を進み、発射レールの他端である自
由端から遊技盤の周囲に固定された案内レールに入り、
この案内レールに沿って遊技盤に導かれるようなってい
る。

【０００３】一方、一旦案内レールに入ったが案内レー
ルの途中で失速した場合、そのパチンコ球は案内レール
を逆に転げ落ち、この案内レールと上記発射レールとの
間に下方に開けて設けられたファール孔に投入されて、
ファール球として処理されるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の発射レール装置では、打ち出されたパチンコ球が発射
レール上で失速する場合、或いは一旦案内レールに入っ
たが案内レールの途中で失速し、本来前記ファール孔に
落ち込むはずが、発射レールの案内レールに対する位置
調整が充分でない等の理由により、発射レールの自由端
を乗り越えて発射レール上に戻ってくる場合があり、こ
のような事態が発生すると、スムーズな遊技が行えない
といった問題点があった。

【０００５】すなわち、次の発射においては、発射レー
ル上に戻ってきた戻り球により邪魔されて、発射しよう
とするパチンコ球を期待した勢いで遊技盤に投入できな
い、或いは遊技盤に投入できずに無駄打ちとなってしま
うことがあった。さらに、パチンコ球が発射レール上に
残ってしまうこともあり、この場合に発射レール上に残
ったパチンコ球はファール球として処理することができ
ないために、特に１球づつ管理しながら遊技を進行させ
る遊技装置においては、遊技そのものに支障をきたして
いた。

【０００６】そこで、請求項１記載の弾球遊技装置は、
上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、一旦打ち出された
パチンコ球が発射レール上を戻ってくる毎に、その戻り
球を１球づつ発射レールの外部に排除することで、戻り
球により次の発射が邪魔されることなくスムーズな遊技
が行える弾球遊技装置を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためのものであり、以下にその内容を図面に示し
た実施例を用いて説明する。請求項１記載の弾球遊技装
置は、発射レール(40)には、発射レール(40)上を戻って
きた戻り球を発射レール(40)上から外部に排除するため
の一対の戻球排除口(46)を備えることを特徴とする。

【０００８】また、請求項１記載の弾球遊技装置は、上
記発射レール(40)は、幅方向の断面がその中央部を落ち
込ませた略Ｖ字状に形成され、前記発射レール(40)に
は、発射レール(40)上を戻ってきたパチンコ球を発射レ
ール(40)上から外部に排除するための一対の戻球排除口
(46)を備え、、前記一対の戻球排除口(46)は、パチンコ
球の発射方向の左右両側から発射レール(40)の幅中央に
向かって切り欠くとともに、発射レール(40)の幅中央を
残すことにより、該発射レール(40)の幅中央をパチンコ
球の通過路としたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】発射レール(40)上で失速し、或いは一旦案内レ
ール(50)に打ち出されたがその途中で失速して、発射レ
ール(40)の自由端を飛び越えて発射レール(40)上に戻っ
てきた戻り球は、発射レール(40)上を発射時と逆に転げ
落ちていく。このような場合に、請求項１記載の弾球遊
技装置によれば、当該戻り球が発射レール(40)に設けら
れた戻球排除口(46)に達すると、この戻り球は、戻球排
除口(46)から発射レール(40)の外部に排除される。

【００１０】また、請求項１記載の弾球遊技装置によれ
ば、上記戻り球は、戻球排除口(46)から排除される前
に、まず、発射レール(40)の一端側に供給されて待機し
ている別のパチンコ球と衝突する。この衝突位置付近の
発射レール(40)の部分は、その左右に戻球排除口(46,4
6)を設けたことにより発射レール(40)の通過路が細く形
成されているため、衝突後の戻り球は、その衝撃により
細い発射レール(40)の通過路上でバランスを失って発射
レール(40)上から離脱し、左右の何れかの戻球排除口(4
6,46)に落ち込むこととなる。

【００１１】

【実施例】図１〜４は、本発明の一実施例を示すもので
あり、図１は発射レール装置の正面図、図２はパチンコ
機の概略正面図、図３は発射レール装置の要部を拡大し
た動作説明正面図、図４は発射レール装置の要部を拡大
した動作説明平面図をそれぞれ示す。

【００１２】図２中、10は、パチンコ機を示すものであ
り、このパチンコ機10は、その前カバー11の中央正面に
位置する窓枠内奥側のパチンコ機本体12に設けられ、種
々の入賞口（図示せず）を配置して、上方からパチンコ
球（図示せず）が落下することにより遊技を実施するこ
とができる遊技盤20と、この遊技盤20の向かって右角下
方の前カバー11の奥側に配置され、パチンコ球（図示せ
ず）を打ち出すためのハンマー30と、このハンマー30に
近接した一端から遊技盤20に向かって斜めに登り勾配を
つけて配置され、ハンマー30により打ち出されたパチン
コ球（図示せず）を他端から発射させる発射レール40
と、遊技盤20の周囲に配置され、発射レール40の他端か
ら発射されたパチンコ球（図示せず）を遊技盤20に案内
する案内レール50とを備えている。

【００１３】上記案内レール50と発射レール40との間に
は、図２に示すように、下方に開けられ、遊技盤20に投
入されずに戻ってきたファール球（図示せず）が落ち込
むファール孔60が形成されている。そして、このファー
ル孔60に落ち込んだファール球（図示せず）は、球通路
（図示せず）を経由して遊技者に戻される。前記ハンマ
ー30は、図１に示すように、その打球面にスプリング31
を有しており、このスプリング31の先端側に供給されて
次に発射するパチンコ球を、若干下から押し上げた状態
で停止している。

【００１４】上記発射レール40は、金属等からなる弾性
材料であって、図１に示すようにその正面視がＬ状を成
している。具体的に、発射レール40は、ハンマー30の打
球方向に沿って斜め上方に傾斜させた、帯板状のレール
部41と、このレール部41の一端から遊技盤20側に直角に
延びた帯板状の支持部42とからなる。上記レール部41
は、その長手中心付近から他端までは平板状であるのに
対し、長手中心付近から一端側に向かっては、その断面
が徐々に深いＶ字形を成して形成されている。また、レ
ール部41の下部からは、図２に示すように、下方に延び
た舌状の固定片43…が３個設けられており、これら固定
片43…の舌頭中央に各々設けられたネジ穴44…を介し
て、当該レール部41はパチンコ機本体12にネジ45…で固
定されている。さらに、レール部41の一端側には、レー
ル部41を戻ってきた戻り球（図示せず）を落とし込む戻
球排除口46,46が、発射レール40の左右に設けられてい
る。

【００１５】上記戻球排除口46,46は、図３及び図４に
も示すように、発射レール40の一部を、発射方向の左右
両側からコの字状に切り欠いて形成している。別の言い
方をすると、戻球排除口46,46の間隔内の発射レール40
の中央部分は細くくびれて形成されており、上記パチン
コ球は、その先端球面を、この発射レール40の中央部分
の上方に、一端側から若干突き出すようにして待機して
いる。また、戻球排除口46,46の長さは、少なくともパ
チンコ球の直径よりやや長く、直径の１．５倍程度が望
ましい。そして、このように形成された戻球排除口46,4
6に落ち込んだ戻り球（図示せず）は、球通路（図示せ
ず）を経由して遊技者に戻される。

【００１６】前記支持部42の先端部には、図１に示すよ
うに、舌状の固定片43がハンマー30側に延びて設けら
れ、前記レール部41と同様に、当該支持部42は、固定片
43を介してパチンコ機本体12にネジ45で固定されてい
る。また、正面視が台形を成す箱枠状のストッパー47
が、支持部42の反ハンマー30側の面に隣接して設けられ
ている。このストッパー47は、パチンコ球を押し上げて
待機していたハンマー30が発射レール40から離れて打球
動作に入ったときに、そのパチンコ球を、当該ストッパ
ー47の下部付近に当接させて発射レール40上の所定位置
に停止させるためのものである。

【００１７】次に、上記戻球排除口46,46により、戻り
球が排除される動作について説明する。発射レール40か
ら離れて打球動作に入ったハンマー30は、再度発射レー
ル40の一端に臨み、所定位置に停止しているパチンコ球
Ａを打ち出す。この打ち出されたパチンコ球Ａは、その
初速に近い状態で上記戻球排除口46,46の間を通過する
ため、この戻球排除口46,46により減速させられたり、
或いは方向を変えられたりすることなく、案内レール50
に向かって進む。

【００１８】そして、発射レール40の一端側に戻って停
止したハンマー30の先端側には、図３及び図４に示すよ
うに、その後別のパチンコ球Ｂが供給され、このパチン
コ球Ｂは、前にも述べたように、戻球排除口46,46間隔
内の発射レール40の中央部分の上方に、先端球面を一端
側から若干突き出すようにして待機する。一方、打ち出
されたパチンコ球Ａは、発射レール40上で失速する場
合、或いは一担案内レール50に発射されたがその途中で
失速し、本来前記ファール孔60に落ち込むはずが、発射
レール40の案内レール50に対する位置調整が充分でない
等の理由により、発射レール40の自由端を乗り越えて発
射レール40上に戻ってくる場合がある。この戻ってきた
パチンコ球Ａは、発射レール40上を発射時と逆に転げ落
ち、待機中のパチンコ球Ｂに衝突することとなる。する
と、パチンコ球Ａは、この衝撃でバランスを失って発射
レール40上から離脱し、図３及び図４に矢印で示した軌
跡を描いて、衝突位置の左右に設けられた当該戻球排除
口46,46の何れかに落ち込む。

【００１９】この様にして、戻り球であるパチンコ球Ａ
は、発射レール40上から排除され、次に発射されるパチ
ンコ球Ｂにとっては、正常な発射状態が整えられた。な
お、前記戻球排除口46,46の説明において、戻球排除口4
6,46は、発射レール40の一部を、発射方向の両側からコ
の字状に切り欠いて形成するとしたが、これに限らず、
半円形に切り欠いても、また他の形状に切り欠いてもよ
い。

【００２０】これに加えて、発射方向の片側のみに戻球
排除口46を設けることとし、この戻球排除口46に戻り球
が落ち込み易いように、前記レール部41を、その幅方向
に、戻球排除口46に向かって若干低く傾斜させて形成す
ることもできる。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。請求項１
記載の弾球遊技装置によれば、発射レール上を戻ってき
たパチンコ球を発射レール上から排除することができ、
この戻り球により次の発射が邪魔されることなくスムー
ズな遊技が行える。

【００２２】また、請求項１記載の弾球遊技装置によれ
ば、一旦発射されたパチンコ球が発射レール上を戻って
くる毎に、そのパチンコ球を、一球づつ確実かつ迅速に
発射レールの外部に排除できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】発射レール装置の正面図である。

【図２】パチンコ機の概略正面図である。

【図３】発射レール装置の要部を拡大した動作説明正面
図である。

【図４】発射レール装置の要部を拡大した動作説明平面
図である。

【符号の説明】

10 パチンコ機 11 前カバー 12 パチンコ機本体 20 遊技盤 30 ハンマー 31 スプリング 40 発射レール 41 レール部 42 支持部 43 固定片 44 ネジ穴 45 ネジ 46 戻球排除口 47 ストッパー 50 案内レール 60 ファール孔 Ａ パチンコ球 Ｂ パチンコ球

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遊技盤と、パチンコ球を打ち出すハンマ
   ーと、このハンマーが一端に臨み、ハンマーにより打ち
   出されたパチンコ球を他端から発射させる発射レール
   と、この発射レールの他端から発射されたパチンコ球を
   遊技盤に案内する案内レールとを備えた弾球遊技装置に
   おいて、上記発射レールは、幅方向の断面がその中央部を落ち込
   ませた略Ｖ字状に形成され、 前記 発射レールには、発射レール上を戻ってきたパチン
   コ球を発射レール上から外部に排除するための一対の戻
   球排除口を備え、 前記一対の戻球排除口は、パチンコ球の発射方向の左右
   両側から発射レールの幅中央に向かって切り欠くととも
   に、発射レールの幅中央を残すことにより、該発射レー
   ルの幅中央をパチンコ球の通過路としたことを特徴とす
   る弾球遊技装置。