JP3193179B2 - 金属製触媒担体およびその製造方法 - Google Patents
金属製触媒担体およびその製造方法Info
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Description
ン排ガス系に設置し、排ガスを浄化するための金属製担
体およびその製造方法に関するものである。
担体は、セラミックス製ハニカム体に触媒を担持させた
ものが用いられていたが、近時、金属製箔によって構成
されたハニカム体を金属製外筒に収納固定して形成され
た金属製触媒担体を用いたものに代わりつつある。
特開昭65−14747号公報の如く、金属製の平板と
波板を重ね合わせ渦巻状に巻回して円筒形、楕円形ある
いはレーストラック形のハニカム体を形成し、これを金
属製の外筒に挿入した後、ハニカム体およびハニカム体
と外筒をろう付け等により接合して得られるものであ
る。
来のセラミックス製ハニカム体を使用した触媒担体に比
べ、冷始動期における触媒作動温度までの加熱が促進さ
れ、有害物質の排出を減少させる効果が増大してきた。
しかし、さらに触媒の応答を促進させるために、触媒担
体をよりエンジンに近接して配設したり、主触媒より小
さな容積の始動触媒を主触媒の前方に配設併用すること
が行われている。また、図5に示すように、排ガス入り
側に輪切り状にした小型のハニカム体を配置するいわゆ
るタンデム形触媒担体が提案されている。
触媒担体は、自動車エンジンの排ガス系に搭載した場合
には、排ガスの高温にさらされると共に、エンジンの始
動−停止、高速走行および停車等により急熱−急冷の熱
サイクルを繰り返し受けることになる。繰り返し熱サイ
クルによって金属製ハニカム体には熱応力による膨張、
収縮が生じ、特に外筒と固定しているハニカム体の外周
部近傍は、半径方向の熱応力が重畳して大きくなり、接
合部剥離が生じて、外筒よりハニカム体がずれるという
不都合が生じることがある。前記タンデム形触媒担体の
場合のように複数個の小型のハニカム体を金属製外筒内
に形成する場合、それぞれのハニカム体毎に金属製外筒
とろう付け等により接合されているため、より不都合が
生じ易くなる。
平箔と波箔を巻回する前に事前に平箔と波箔をハニカム
体の長さに合わせて加工する処理が必要となる。また、
平箔と波箔を巻回するときも、ハニカム体の長さに合わ
せた位置決め処理等が必要となり、生産性を阻害すると
いう問題がある。
媒担体における外筒とハニカム体との接合部における上
述したような不都合を解消するものであって、ハニカム
体に特殊な形状の切込空間を施すことにより個々のハニ
カム体と外筒の接合を柔軟にする金属製触媒担体および
その製造方法を提供することを目的とする。
に本発明は以下の構成を要旨とする。すなわち、 (1) 金属箔製の平板および波板を重ね合わせて渦巻
状に巻回し、この平板と波板との接触部位を接合してな
るハニカム体を金属製外筒に収納、固定して形成される
金属製触媒担体において、前記外筒に収納したハニカム
体に、その中心部に非切断部を残し外周面側から内方に
切り込んで形成される環状の切込空間を周方向に1列ま
たは複数列配列し、ハニカム体は切込位置より排ガス流
の下流側の一部で外筒と接合されていることを特徴とす
るエンジン冷始動時に触媒作動温度までの加熱を促進す
る金属製触媒担体であり、 (2) 金属箔製の平板および波板を重ね合わせて渦巻
状に巻回し、この平板と波板との接触部位を接合してな
るハニカム体を金属製外筒に収納、固定して形成される
金属製触媒担体の製造方法において、ハニカム体を金属
製外筒に収納、固定した後、該金属製外筒の外筒の外部
からビームパワーを調整しながら電子ビームを照射し
て、ハニカム体の中心部を残してハニカムの外周面から
内方に切り込んで形成される環状の切込空間を、周方向
に1列または複数列配列することを特徴とするエンジン
冷始動時に触媒作動温度までの加熱を促進する金属製触
媒担体の製造方法である。
体にその外周面から内方に切込空間を形成しているため
これを触媒担体に用いた場合において、エンジン冷始動
時の触媒作動温度までの加熱を促進すると共に、ハニカ
ム体と金属外筒の接合部間に発生する熱応力を緩和し、
その耐久性を充分に確保することができる。なお、本発
明においては、ハニカム体への切込空間の形成について
は、ハニカム体を金属外筒へ収納固定した後、該外筒の
外面から電子ビームを照射して、ハニカム体のみを切断
して形成する場合とハニカム体を金属外筒に収納する前
に後述するような加工手段によって予め形成する場合あ
るいは、これらを併用して形成する場合があるが、ハニ
カム体の金属外筒への収納(圧入)時にハニカム体が変
形して、収納不能になったり、ハニカム構造体としての
品質を低下するといった不都合を生ずる心配があるよう
な切込空間を形成する場合には、ハニカム体を金属外筒
に収納、固定後外筒の外部から電子ビームで切込空間を
形成する。この場合は生産性も充分に確保することがで
きる。
いて説明する。図1,2に示すように、ハニカム体1は
耐熱耐食性金属よりなる平箔2と波箔3とを重ね合わせ
渦巻状に巻回しこの平箔2と波箔3との接触部の所定部
位を接合してなるものであり、同様な耐熱耐食性金属よ
りなる金属外筒4内に収納(圧入)、固定して金属製触
媒担体を形成する。その際、ハニカム体1に予め、カッ
ティング・ソー、放電加工、ウォータージェット、レー
ザ切断、電子ビーム切断等の加工手段によって、切込空
間5を形成する。この例では該切込空間5は軸方向に2
列何れもハニカム体1の排ガス流入側端面から内方にお
いて外周面から内方すなわち軸方向と交叉する方向に環
状に形成している。このように切込空間5を環状に形成
する場合は、ハニカム体1を回転しながら同じ条件で切
断加工すればよく、切込空間形成は容易である。ただ
し、この切込空間は、規則的な環状に形成することが不
可欠ではなく切断深さを変化させることにより、中心部
に非切断部を残し、あるいは偏心させて異形環状に形成
したり、周方向に断続的にあるいは千鳥状に形成しても
よく、さらに間隔をあけて1列乃至複数列形成すること
もできる。
方法により固定する場合、外筒4とハニカム体1の外周
面との接合部6は軸方向全面に形成する必要はなく、図
示のように1部で接合されていればよい。また、切込空
間5形成部には接合部6を形成する必要はない。なお、
ハニカム体の外筒への固定はろう付けに限らず外筒両端
部に支持部材を設けこの支持部材を介してハニカム体1
を支承する等の機械的手段で行ってもよい。
る製造方法例を、説明用に1部を切欠いた斜視図を図2
に、および外筒4とハニカム体の切込空間5とを展開し
た説明図を図3に示す。図に示すように、ハニカム体1
を外筒4に挿入して、ハニカム体1の平箔2と波箔3の
所定の接点およびハニカム体と外筒をろう付け等により
接合し金属製触媒担体を形成する。その後、外筒4の外
からこの外筒の外周面に電子銃8によって電子ビーム9
を照射しながら、該電子ビーム9の照射位置を移動す
る。照射位置の移動は、外筒4あるいは電子銃8を回転
することにより行うことができる。これにより外筒の電
子ビーム照射部7は半溶融状態になるが切断されずに、
ハニカム体のみが溶融切断されここに切込空間5が形成
される。その際、ハニカム体1への電子ビームの到達深
さはビームパワーを調整することで選択でき、中心部を
残して環状の切込空間5を形成することができる。
子ビーム照射による切込空間形成後にろう付け等により
接合してもよい。
巻回ハニカム体は真円状のみならず、オーバル型、レー
ストラック型の断面形状のものにも適用できることは言
うまでもない。なお、ハニカム体と外筒との接合部およ
びハニカム体の切込空間も本例に限定することなく、適
当な箇所に適当な形状で、所要数、規則的または不規則
的に配設するものである。
よびこれを波形に加工した波板に、C<0.01%(重
量、以下に同じ)、Cr:15%、Al:4.5%を含
むフェライト系ステンレス鋼を厚さ50μm、幅120
mmの圧延箔を用いた。
巻状に巻いてハニカム体1を形成し、該ハニカム体を、
厚さ1.5mm、外径80mm、軸方向長さ120mmのステ
ンレス製外筒4に収納して形成された金属製触媒担体の
軸方向断面であって、このハニカム体1およびハニカム
体1と外筒4の接合状態を模式的に示したものである。
すなわち、ハニカム体1はその両端面10,11からほ
ぼ10mmの軸方向深さまで平箔と波箔がろう付けされて
いる端面接合部14を形成しているが、この端面接合部
14の外筒4に対応する面はろう付けをしていない。ま
た、ハニカム体1の外周部には、その最外周より半径方
向6mm深さまで軸方向中間部(端面接合部14,14
間)全長に亘ってろう付けされている外周強化層13を
設けている。外周強化層13の最外周側面と外筒4の内
面とは軸方向接合長さ60mmの範囲で全周面をろう付け
している。12はハニカム体内部で接合されていない部
分である。
を回転台(図示省略)にセットし、回転速度16rpm で
1回転しながら図4に示すように排ガス入り側に相当す
る上端面10から軸方向深さ15mmの位置と30mmの位
置にそれぞれ外筒4外面より電子ビームを軸方向に直交
するように照射した。この時の電子ビームの照射条件は
加速電圧:150kV、ビーム電流:20mA、焦点位置:
外筒4外周面から内部へ5mmとした。この電子ビーム照
射によってハニカム体1のみがその外周面から内方に約
30mm切断され中心部20mm径の非切断部分を残して環
状の切込空間5を形成した。この時、外筒4の電子ビー
ム照射部(通過部:図3の7)は半溶融状態になった
が、溶落することはなかった。上記方法で得られた金属
製触媒担体に触媒を担持した後に2000ccのエンジン
に搭載し入り側のガス温度850℃の条件で300時間
の耐久試験を行ったが、異常は認められず、良好な耐久
性を示した。
外周面から内方に切込空間を形成しているため金属製触
媒担体に用いた場合に、エンジン冷始動時の加熱を促進
し、触媒応答を促進することができると共にハニカム体
と外筒の間に発生する熱応力を緩和し、金属製触媒担体
全体の耐久性を充分に確保することができる等の効果を
奏するものである。
ームを用いれば、ハニカム体を外筒に収納後、外筒を切
断することなくできるので、工程の簡略化とハニカム体
外筒への収納、作業性を損う心配はなく生産性を損うこ
とはない。
明図である。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 金属箔製の平板および波板を重ね合わせ
て渦巻状に巻回し、この平板と波板との接触部位を接合
してなるハニカム体を金属製外筒に収納、固定して形成
される金属製触媒担体において、前記外筒に収納したハ
ニカム体に、その中心部に非切断部を残し外周面側から
内方に切り込んで形成される環状の切込空間を周方向に
1列または複数列配列し、ハニカム体は切込位置より排
ガス流の下流側の一部で外筒と接合されていることを特
徴とするエンジン冷始動時に触媒作動温度までの加熱を
促進する金属製触媒担体。 - 【請求項2】 金属箔製の平板および波板を重ね合わせ
て渦巻状に巻回し、この平板と波板との接触部位を接合
してなるハニカム体を金属製外筒に収納、固定して形成
される金属製触媒担体の製造方法において、ハニカム体
を金属製外筒に収納、固定した後、該金属製外筒の外筒
の外部からビームパワーを調整しながら電子ビームを照
射して、ハニカム体の中心部を残してハニカムの外周面
から内方に切り込んで形成される環状の切込空間を、周
方向に1列または複数列配列することを特徴とするエン
ジン冷始動時に触媒作動温度までの加熱を促進する金属
製触媒担体の製造方法。
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- 1993-03-12 JP JP05261693A patent/JP3193179B2/ja not_active Expired - Fee Related
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