JP3182543B2 - 耐熱ゼリー食品及びその製造法 - Google Patents

耐熱ゼリー食品及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルコマンナンの特性
を活用した耐熱ゼリー食品及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゼリー食品は、粘性質の非消化性
多糖類を主原料とするため、低カロリー繊維性食品とし
ての指向が高まっている。その主原料は、通常、ゼラチ
ン、カンテン、ペクチンなどの多糖類で、その水溶液は
温度変化に対しては可逆性であって、溶解した熱水溶液
を冷却すると弾性ゲルとなり、これを加熱すると融解す
る。因みに、このゲル形成を活用した食品にゼリー、よ
うかん、寄せ物などがある。また、これらゼリー食品の
原料は、これに砂糖を加えるとゲル化しやすくなり、酸
味が強くなると軟化しやすい。
【0003】即ち、ゼリー食品は、加熱溶解した原料溶
液を冷却するとゲル化するが、このゲルは加熱すると融
解するため、食用方法が限られており、冷菓の域を出な
い食品である。
【0004】近時、健康志向の関心が高まり、低カロリ
ー食品が注目を集めるようになり、ノンカロリーである
蒟蒻のイメージを利用した蒟蒻入りゼリーが市販される
ようになった。然しながら、この冷菓は蒟蒻入りという
曖昧なもので、蒟蒻入りの定義もなく、仮にこんにゃく
原料(精粉)をゼリー食品の原料に使用した場合であっ
ても、現状の蒟蒻入りゼリーには判定し得る量のこんに
ゃく原料は使用されていない。従って、蒟蒻ゼリーと称
しながら、そのものを加熱すると融解して形状が崩れる
製品は、全て、不当表示と指摘されているのが現状であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、こんにゃく原
料を主原料とする蒟蒻ゼリーの実現が求められている。
即ち、蒟蒻ゼリーが従来のゼリー食品と同様の食感で、
加熱しても融解しない不可逆的物性であって食物繊維と
して健康志向に有用な食品に改良する技術開発が求めら
れている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、夏季の冷菓
であるゼリー食品を、加熱食用する食材にも適するよう
改良すべく鋭意研究の結果、多糖類の原料からなる製品
であって耐熱性を有し、加熱によっても融解しないゼリ
ー成形物は、こんにゃく精粉であるグルコマンナンの水
和特性を活用することにより作成することができるとの
知見を得、このような知見に基いて本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち、本発明は、グルコマンアンを主
原料とし、これに適当な副原料を加えて作成したグルコ
マンナン水和ゲルを加圧下に加熱することを特徴とする
耐熱性ゼリー食品の製造法、及びこのような方法によっ
て製造されたことを特徴とする耐熱性ゼリー食品に関す
る。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】先ず、グルコマンナン水和ゲルの作成につ
いて述べる。
【0010】グルコマンナン(以下、マンナンと略記す
ることがある)の代表例は、周知のごとく、コンニャク
マンナンである。本発明においても、マンナンは、コン
ニャク芋から製造されるものとすることのできることは
もちろんで、その種類、製造法、品質等級、その他の区
別なく使用することができる。
【0011】マンナンとしては、特に本発明者の発明に
係る即溶解性グルコマンナン組成物(特開平5-38263 )
を好ましいものとして挙げることができる。例えば、こ
んにゃくを製造するには、通常、、マンナンは水中攪拌
の後、(1) マンナン粒子が完全に溶解(膨潤または目開
きともいう)するための放置時間を凡そ60〜120分
間程度必要とし、(2) 次に、凝固剤を添加して十分に混
練し、(3) その後成形し、加熱して不可逆的ゲルを得る
一連の必須工程が存在する。これらの工程のうち、(1)
および(2) の必須工程が工程短縮や工法改善の検討上支
障となっているが、即溶解性グルコマンナン組成物によ
れば前記(1) および(2) の工程が解消され得る。即ち、
(1) の放置時間及び(2) の凝固剤混練が(凝固剤を予め
適量混合しておけば)解消されるため、次に水和攪拌す
ればよく、作業性が改善され、作業が簡便となるが、本
発明の耐熱ゼリー食品の製造法においても、後の説明か
ら理解されるように、同様のメリットが得られる。
【0012】周知のごとく、コンニャクマンの水溶液に
凝固剤として消石灰を加えると、カルシウムイオンの架
橋ができてゲル化し、これを成形し、加温すると不可逆
性の弾性ゲルとなり、食用のこんにゃくができる。本発
明の耐熱ゼリー食品の製造法も、方法自体としては、後
に説明する加温の条件を除けば、食用のこんにゃくの製
造法に準じて行なうことができる。
【0013】因みに、凝固剤とその使用法について付言
すると、凝固剤としては、ゲル形成に有効かつ必要なア
ルカリ剤の中から1種を単独に、又は2種以上を別々に
添加しもしくは2種以上を組み合わせて使用することが
できる。この場合、凝固剤は、主原料と粉体混合して、
または主原料の水和後に乳白液として使用してもよい。
【0014】副原料としては、凝固剤の外に、デキスト
リン、くず粉などの(加工)デンプン、砂糖などの甘味
料、酒石酸やクエン酸などの酸味料、果汁(粉末果汁を
含む)、等の従来のゼリー食品の副原料として使用され
ているものなどを挙げることができ、これらの副原料
は、本発明の工程上支障なく、希求するゲルを完成する
範囲内においては、適宜必要に応じて又所望により使用
することができる。また、従来のゼリー食品の主原料で
あるゼラチン、寒天、ペクチンなどの増粘多糖類も、同
様の範囲内において少量使用することができる(後出実
施例2)。
【0015】上に説明した主原料及び副原料を使用して
グルコマンナン水和ゲルを作成するには、もちろん、水
が必要である。そして、マンナン1重量部に対する水の
使用量は40〜65重量部、好ましくは45〜60重量
部である。水の使用量が多過ぎると成形不能となり、少
な過ぎるとこんにゃく様となり、共に好ましくない。
【0016】凝固剤の使用量には特別の制限はなく、こ
んにゃくの製造の場合に準ずることができ、マンナン1
重量部当り0.01〜0.05重量部とすることができ
る。その他の副原料の使用量についても、先に説明した
範囲内であれば特別の制限はなく、マンナン1重量部当
り、例えば、0.3〜2.5重量部とすることができ
る。
【0017】これらの主原料、副原料及び水は、これら
を混合攪拌することでグルコマンナン水和ゲルとするこ
とができる。
【0018】次に、このようにして作成したグルコマン
ナン水和ゲルの加圧下での加熱について説明する。
【0019】先に述べたように、グルコマンナン水和ゲ
ルは、(成形後)加温すると、不可逆性の弾性ゲルとな
る。しかしながら、この加温をこんにゃく製造の際の8
0〜100℃の範囲の通常の加熱方法によれば、上記の
原料組成では、製品は膨脹して品形が維持されずバラけ
ることを実験において確認した。すなわち、従来のこん
にゃくの製造方法では、マンナン1重量部に対する水の
使用量45重量部が、水分包括ゲル食品(成形、食感お
よび食味を含む)としての限界である。
【0020】これに対し、グルコマンナン水和ゲルを加
圧下に加熱すると、得られる不可逆ゲルのテクスチャー
は顕著に好ましいものとなるのである。これは、加圧下
加熱の場合、膨張圧が内容物相互を強い圧力で架橋する
ものと思われ、製品の膨張を押圧する強制的成形方法で
従来にないテクスチャーが完成するものと思われる。グ
ルコマンナン水和ゲルの加圧下の加熱は、例えば、次の
ようにして行なうことができる。すなわち、樹脂袋など
の容器に充填して密封した後、これを凹型の金枠に並
べ、金蓋をしてバンド締め具で固定して80〜130
℃、好ましくは100〜120℃で10〜40分、好ま
しくは15〜30分加熱する。レトルト処理による場合
は、例えばF0 4(120℃)により不可逆的ゲルを完
成することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0022】実施例1 180メッシュパスの微粉末に粉砕したマンナン24
g、デキストリン6g、砂糖20g及びCa(OH)2
0.53g(合計50.53g)の粉体を十分混合した
(粉体原料)。次に、水(20℃)1.2kgにパイン
果汁(缶詰)30gを混合して攪拌する中に、前記粉体
原料50.53gを投入し、攪拌を約12分間続ける
と、攪拌物が透明化して粘度が平衡状態となった(グリ
コマンナン水和ゲル)。
【0023】このようにして作成したグルコマンナン水
和ゲルを樹脂製の透明ラミネート袋に1袋当り120g
充填し、これを10袋作成した。次いで、これを金型枠
の凹形の受け皿に並べ、金蓋をしてバンド締め具で固定
し、レトルト釜でF0 4(120℃)の加熱殺菌処理を
した後、放冷した。
【0024】このものは、従来のゼリー食品に風味、食
感、品様共に劣らず、しかも耐熱特性を有するので、汁
もの、煮物、または冷食デザートにも適合した。
【0025】実施例2 市販のマンナン(コンニャク精粉)17g、くず粉4
g、寒天1g及び砂糖8gの合計30gを、水(27
℃)700gに市販のみかん果汁80gを混合したもの
に投入して攪拌を約10分間続け、これを3時間放置し
て膨潤を図った後、Ca(OH)2 の0.5%懸濁液8
0mlを添加して平衡状態となるまで混練した。得られ
たグルコマンナン水和ゲル約890gを、実施例1にお
けると同様の成形方法及び加熱方法により、1袋当り1
20g充填した袋7個の耐熱ゼリー食品を収得した。
【0026】本実施例は、実施例1に比較して製造時間
を余分に2時間以上、さらに凝固剤の添加工程を要した
が、収得したゼリー食品は、実施例1で得られたものに
比較してなんらの遜色もなかった。
【0027】
【発明の効果】多糖類を主原料とするゼリー食品は、食
物繊維性食品の特徴である低カロリーが健康志向のトレ
ンドから注目されている今日、本発明によれば、これま
での様に狭い食用範囲の冷菓から、和、洋、中華料理に
及ぶ広範囲で、加熱しても、冷やしても、ゼリー特有の
食感と食味で透明な爽やかさを合わせ持つ、新規な耐熱
ゼリー食品が提供されるところとなった。
【0028】また、従来のゼリー食品製造における殺菌
工程は、原料の溶解時に行われるために以後の副原料添
加などに特別の技術を要して複雑困難であり、これを避
ける場合は得られる製品は画一的な製品にとどまざるを
得ないが、本発明の製造法は加熱をもって製品処理を終
了するため、食品としての殺菌処理が完全であり、その
ため様々な副食材の活用も可能になった。
【0029】食生活の富栄養化が健康管理の面から問題
視されているとき、本発明によれば幼児から高齢者まで
幅広く、低カロリーの満腹感が得られるにいたり、蛋白
資源の調整にも有効であり、本発明の経済的効果は大で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/05 - 1/09 A23L 1/212 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルコマンナンを主原料とし、これとその
    1重量部当り40〜65重量の水およびグルコマンナン
    の凝固剤ならびに適宜の副原料使用して作成したグ
    ルコマンナン水和ゲルを加圧下に加熱することを特徴と
    する耐熱性ゼリー食品の製造法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法によって製造されたこ
    とを特徴とする耐熱性ゼリー食品。
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月刊フードケミカル、1988、Vol.4,No.9,p.64−70

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