JP3179885U - 耐摩耗性ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】ロールの材料に制限されることがなく、製造コストの安価な耐摩耗性ロールを提供することを課題としている。
【解決手段】ロール状基材1と、ロール状基材1の表面に積層された有機樹脂層2aと有機樹脂層2aの硬化前に有機樹脂層2aの表面に単層付着された略球状無機粒子2bとからなる単層粒子樹脂層2と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本考案は、耐摩耗性に優れるロールに関する。詳しくは、物品の搬送等に使用される耐摩耗性ロールに関する。
ロール表面の耐摩耗性を向上させる方法として、溶射やメッキ等がある(例えば、特許文献1参照。)。
一方、カーボンにTiNやTiC粒子を混ぜて押し出し、焼成した耐摩耗性ロールが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−169173号公報 特開平7−90355号公報
溶射では処理できるロールの材料が溶射温度に耐える材料に限られる。また、メッキではメッキ材料との密着性や線膨張係数などによる割れ等から処理できるロールの材料に制限がある。
一方、従来の上記耐摩耗性ロールは、カーボンにTiNやTiC粒子を混ぜて押し出し焼成するもので、ロールの材料に制限があり、材料コスト、製造コストが高くなる問題を有している。
本考案は、上記の問題に鑑みてなされたもので、ロールの材料に制限されることがなく、材料コスト及び製造コストの安価な耐摩耗性ロールを提供することを課題としている。
上記の課題を解決するためになされた本考案の耐摩耗性ロールは、ロール状基材と、前記ロール状基材表面に積層された有機樹脂層と前記有機樹脂層の硬化前に該有機樹脂層表面に単層付着された略球状無機粒子とからなる単層粒子樹脂層と、を有することを特徴とする。
耐摩耗性ロールは、ロール状基材の表面に単層粒子樹脂層が積層されてなるのでロール状基材の材質は金属、樹脂、ゴム等、なんでもよい。ロールの使用目的、使用環境に合った材料を任意に選定することができる。また、耐摩耗性ロールは、略球状無機粒子が有機樹脂層の硬化前に付着されてなるだけであるので、製造コストが安価である。また、搬送される物品が略球状無機粒子に接するので、耐摩耗性が良好である。また、無機粒子が略球状であるので、搬送される物品を傷つけることが抑制される。
ロール状基材は、軸心がない円筒状基材及び軸心がある円柱状基材等を含むものとする。
上記の耐摩耗性ロールにおいて、前記単層粒子樹脂層は、少なくとも1層以上積層された複数層の前記単層粒子樹脂層をもつものとすることができる。
略球状無機粒子が複数層固定されているので、耐摩耗性を長期間維持することができる。
また、前記ロール状基材の前記有機樹脂層が積層される表面の平均表面粗さ(Ra)は0.2〜20μmであるとよい。これにより、ロール状基材と有機樹脂層との接着性が向上する。
また、前記略球状無機粒子の硬度が前記ロール状基材の硬度より約2倍以上高いとよい。これにより、ロール状基材に硬度の低い材料を使用することができる。その結果、物品を二つのロールで挟持して搬送するタイプのロールの場合、搬送時の応力によりロール状基材が弾性変形するので硬度の高い無機粒子の損傷が抑制される。
また、前記ロール状基材のハードビッカース硬度(Hv)が130以下であるとよい。略球状無機粒子の硬度Hvが200以上であるので、ロール状基材のHvが130以下であると、基材より略球状無機粒子の硬度を約2倍以上にすることができる。
また、前記略球状無機粒子の平均粒径は10〜200μmであるとよい。前記略球状無機粒子の平均粒径は、好ましくは20〜150μm、より好ましくは30〜60μmである。
粒径を10μm以上とする理由は、10μm以上にすると、粒子がロール状基材表面に積層された有機樹脂層に埋もれない割合が増えるからである。粒径を200μm以下とする理由は、200μm以下にすると、有機樹脂層から剥離する割合が減るからである。
また、前記略球状無機粒子はガラス粒子を除くとよい。略球状無機粒子がガラス粒子を含まないので、ガラス粒子の割れ等により搬送される物品を傷つけることが一層抑制される。
本考案の耐摩耗性ロールの表面にオイルやワックス等の潤滑剤単体或いは混合物をコートするとよい。搬送する物品との間の潤滑性が向上し耐摩耗性が一層向上する。
耐摩耗性ロールは、ロール状基材の表面に単層粒子樹脂層が積層されてなるのでロール状基材の材質は金属、樹脂、ゴム等、なんでもよい。ロールの使用目的、使用環境に合った材料を任意に選定することができる。また、耐摩耗性ロールは、略球状無機粒子が有機樹脂層の硬化前に付着されてなるだけであるので、製造コストが安価である。また、搬送される物品が略球状無機粒子に接するので、耐摩耗性が良好である。また、無機粒子が略球状であるので、搬送される物品を傷つけることが抑制される。
本考案に係る実施形態の耐摩耗性ロールの断面模式図である。 図1の点線円内の拡大模式図である。 変形態様の耐摩耗性ロールの断面模式図である。 図3の点線円内の拡大模式図である。 実施例1の耐摩耗性ロールの拡大断面写真である。 実施例3の耐摩耗性ロールの拡大断面写真である。 比較例6の耐摩耗性ロールの拡大断面写真である。
本考案の耐摩耗性ロールは、図1に示すように、ロール状基材1と、ロール状基材1の表面に積層された有機樹脂層2aと有機樹脂層2aの表面に単層固定された略球状無機粒子2bとからなる単層粒子樹脂層2と、を有する。
ロール状基材1としては金属材料、高分子材料、ゴム材料などを用いることができる。
金属材料としては、アルミニウム及びその合金、銅及びその合金、マグネシウム及びその合金、軟鉄等のハードビッカース硬度(Hv)が130以下の低硬度金属材料が好ましい。物品を二つのロールで挟持して搬送するタイプのロールの場合、搬送時の応力によりロール状基材1が弾性変形するので硬度の高い無機粒子2bの損傷が抑制される。
後述の略球状無機粒子2bの多くがHv200程度であるので、ロール状基材1のHvが130以下であると、略球状無機粒子2bの硬度をロール状基材1の硬度の約2倍にすることができる。
ロール状基材1が高分子材料の場合、Hv130以下を満たす高分子材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、酢酸セルロース(MS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリスチレン(PS)、スチレン・アクリルニトリル共重合体(AS)、スチレン・ブタジエン・アクリルニトリル共重合体(ABS)、ポリエチレン(PE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、結晶性ポリマー(LCP)、ポリアリエート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、フェノール(PF)、ユリア(UF)、メラミン(MF)、エポキシ(EP)、フラン(FF)、アルキド、不飽和ポリエステル(UP)、ジアリフタレート(PDAP)、シリコーン等のプラスチック、及び、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM・EPM)、クロロピレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、エチレン・酢酸ビニルゴム(EVA)、エピクロルヒドリンゴム(CO・ECO)、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM・ANM)、ウレタンゴム(U)、多硫化ゴム(T)、シリコーンゴム(Si)、フッ素ゴム(FKM)等のゴム材料が好ましい。
上記材料のロール状基材1に例えばエポキシ樹脂をスプレー塗装して有機樹脂層2aを形成し、ウエットな有機樹脂層2aの上に略球状無機粒子を降り掛け付着させ、余分な(有機樹脂層2aに付着しない)略球状無機粒子を除去し、乾燥・焼成すると、図1、2に示すように略球状無機粒子2bが単層となるように固定される。
上記工程を繰り返すことにより図3、4に示すような単層粒子樹脂層2が2と2の2層からなる耐摩耗性ロールが製造される。
略球状無機粒子を降り掛けて付着させる代わりに静電植毛等で用いられる静電付着を用いて付着させてもよい。
有機樹脂層2aを形成する有機樹脂としては、汎用樹脂、熱硬化性樹脂、エンジニアリング樹脂単独及び無機充填材添加やFRPなどの複合物を用いることができる。
有機樹脂層2aを形成する具体的な有機樹脂は、上記エポキシ樹脂の他にポリイミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリビスマレイド・トリアジン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いることができる。
有機樹脂層2aの厚さは1〜200μmの範囲、好ましくは5〜30μmの範囲である。厚さを1μm以上とする理由は、1μm以上にすると略球状無機粒子2bの固定力が増すからである。厚さを200μm以下とする理由は、厚さを200μm以下にすると、ロール状基材1の反りや変形が抑制されるからである。
有機樹脂バインダーとしては、熱硬化性樹脂が好ましい。有機樹脂バインダーが熱硬化性樹脂の場合、ロール状基材1が低耐熱性でも或いは摩擦熱や加温による樹脂の変形と軟化があっても、略球状無機粒子2bの離脱や重なり等が抑制される。
有機樹脂バインダーを塗装する前に、ロール状基材1を化学処理やサンドブラスト等で粗面化するとよい。粗面化されたロール状基材1の表面粗さ(Ra)は0.2〜20μmであるとよい。これにより、有機樹脂層2aとロール状基材1の結合を強固にすることができる。ここで、表面粗さ(Ra)は、JIS B0601:2001の中心線平均粗さを示す。
略球状無機粒子2bの例として、セラミックビーズや無機材料の溶射粒子が挙げられるが、無機材料の溶射粒子が機能的(耐摩耗性・高硬度性)、経済的に好ましい。ガラスビーズは衝撃により割れやすく、搬送する物品を傷つけるため好ましくない。ここで、略球状粒子とは、角張った部位のない球状粒子、非球状粒子或いは球状粒子が複数個連結した繭状粒子、瓢箪状粒子、楕円体状粒子を含むものとする。
溶射無機材料としては、金属(アルミ及びその合金、コバルト合金、銅及びその合金、鉄合金、モリブデン及びその合金、ニッケル及びその合金、チタン、タンタル、タングステン等)、サーメット(クロムカーバイト系、タングステンカーバイト系、チタンカーバイト系)、セラミック(Al2O3、SiO2、TiO2、Cr2O3、MgO、ZrO2、Y2O3の単体及び混合物)等から選ばれたロール状基材1より硬度が高いものを1種類又は複数選択して使用することができる。
以下、実施例を挙げて本考案を更に詳しく説明する。
(実施例1)
JIS規格A5052(アルミニウムの純度:99.52%、硬度:Hv55)の60mm(外径)×200mm(長さ)×10mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをロール状基材とした。このロール状基材の外周面にポリイミド(宇部興産(株)製、U−ワニスA)を12μm塗装し、その上に全面に亘って略球状NiCrBSiFe粒子(日本ユテク(株)製、1275H、硬度:Hv544、粒径:20〜53μm)を振り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、80℃で30分乾燥した。このポリイミドを塗装しその上に全面に亘って略球状NiCrBSiFe粒子を降り掛けて付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均し、その後、80℃で30分乾燥する工程を3回繰り返し、350℃×30分焼成した。これを実施例1の耐摩耗性ロールとする。
この実施例1の試料の場合、図5に示すように略球状NiCrBSiFe粒子が3層に積層されている。
(実施例2)
CFRP(不飽和ポリエステル)の60mm(外径)×180mm(長さ)×0.7mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをロール状基材とした。このロール状基材の外周面にエポキシ(ナガセケムテック(株)製、AV138)を25μm塗装し、その上に全面に亘って略球状NiFeCo粒子(日本ユテク(株)製、10680、硬度:Hv213、粒径:45〜150μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、常温で24時間乾燥した。これを実施例2の耐摩耗性ロールとする。
(実施例3)
PVC(ポリ塩化ビニル)の76mm(外径)×200mm(長さ)×2.2mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをロール状基材とした。このロール状基材の外周面にエポキシ(ナガセケムテック(株)製、AV138)を25μm塗装し、その上に全面に亘って略球状NiCrBSiFe粒子(日本ユテク(株)製、1275H 、硬度:Hv544、粒径:20〜53μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、常温で24時間乾燥した。これを実施例3の耐摩耗性ロールとする。
この実施例3の耐摩耗性ロールは、図6に示すように、略球状NiCrBSiFe粒子はエポキシ表面を介して埋設されること無く、表面に単層となるように個々に分散固定されている。
(実施例4)
PC(ポリカーボネート)の60mm(外径)×200mm(長さ)×4mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをロール状基材とした。このロール状基材の外周面にエポキシ(ナガセケムテック(株)製、AV138)を25μm塗装し、その上に全面に亘って略球状NiFeCo粒子(日本ユテク(株)製、10680、硬度:Hv213、粒径:45〜150μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、常温で24時間乾燥した。これを実施例4の耐摩耗性ロールとする。
(実施例5)
天然ゴムの48mm(外径)×210mm(長さ)の円柱(心材無)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをロール状基材とした。このロール状基材の外周面にエポキシ(ナガセケムテック(株)製、AV138)を25μm塗装し、その上に全面に亘って略球状NiCrBSiFe粒子(日本ユテク(株)製、1275H 、硬度:Hv544、粒径:20〜53μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、常温で24時間乾燥した。これを実施例5の耐摩耗性ロールとする。
(実施例6)
発泡ウレタンゴムの60mm(外径)×100mm(長さ)×3mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをロール状基材とした。なお、この基材には厚さ12mmのアルミ芯材が嵌装されている。このロール状基材の外周面にエポキシ(ナガセケムテック(株)製、AV138)を25μm塗装し、その上に全面に亘って略球状NiFeCo粒子(日本ユテク(株)製、10680、硬度:Hv213、粒径:45〜150μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、常温で24時間乾燥した。これを実施例6の耐摩耗性ロールとする。
(比較例1)
実施例1と同じJIS規格A5052(アルミニウムの純度:99.52%、硬度:Hv55)の60mm(外径)×200mm(長さ)×10mm(厚さ)を380℃×30分空焼き脱脂して、その表面を#36ブラストで0.4MPaの圧力で粗面化した。これを比較例1の耐摩耗性ロールとする。
(比較例2)
実施例2と同じCFRP(不飽和ポリエステル)の60mm(外径)×180mm(長さ)×0.7mm(厚さ)の表面に溶射を行い粗面化した。これを比較例2の耐摩耗性ロールとする。
(比較例3)
実施例2と同じCFRP(不飽和ポリエステル)の60mm(外径)×180mm(長さ)×0.7mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをロール状基材とした。このロール状基材の外周面に実施例2と同じエポキシ(ナガセケムテック(株)製、AV138)を25μm塗装し、その上に全面に亘って略角状NiAl粒子(日本ユテク(株)製、29029、硬度:Hv150、粒径:35〜130μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、実施例2と同じように常温で24時間乾燥した。これを比較例3の耐摩耗性ロールとする。
(比較例4)
比較例3の「略角状NiAl粒子(日本ユテク(株)製、29029、硬度:Hv150、粒径:35〜130μm)」を「SiCパウダー(昭和電工(株)製、A-4、硬度:Hv2150、粒径:5μm未満)」に変更した以外は比較例3と同じである。これを比較例4の耐摩耗性ロールとする。
(比較例5)
比較例3の「略角状NiAl粒子(日本ユテク(株)製、29029、硬度:Hv150、粒径:35〜130μm)」を「ZrSiO4粒子(不二製作所製、不二ジルコンビーズFZS-300、硬度:Hv1250、粒径:300〜425μm)に変更した以外は比較例3と同じである。これを比較例5の耐摩耗性ロールとする。
(比較例6)
実施例2と同じCFRP(不飽和ポリエステル)の60mm(外径)×180mm(長さ)×0.7mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをロール状基材とした。このロール状基材の外周面にエポキシ(ナガセケムテック(株)製、AV138)に略球状NiCrBSiFe粒子(日本ユテク(株)製、1275H、硬度:Hv544、粒径:20〜53μm)を100部添加してスプレー塗装した。その後、常温で24時間乾燥した。これを比較例6の耐摩耗性ロールとする。
この比較例6の耐摩耗性ロールは図7に示すように、塗膜中の球状NiCrBSiFe粒子は不均一で隣り合う粒子と粒子の間隔も広い。しかも、搬送する物品と当接する最表面は粒子でなく塗膜樹脂である。
上記実施例1〜6の耐摩耗性ロール及び比較例1〜6の耐摩耗性ロールの耐摩耗性及び相手材への傷つき性を次のようにして評価した。
耐摩耗性は、2種類のサンドペーパでの研磨後と研磨前の粗さの変化量で評価した。すなわち、研磨前の中心線平均粗さRaと♯400及び♯180サンドペーパ(KOVAX社製、ABRASIVE PAPER ♯400、♯180)での20回研磨後の中心線平均粗さRaを、表面粗さ測定器(東京精密機器(株)、表面粗さ形状測定機、HANDY-SURF E-35A)で測定することで評価した。
相手材への傷つき性は、JIS規格A5052(アルミニウムの純度:99.52%)の100mm×100mm×1mm(厚さ)を1Kgの荷重を掛けて押し付け、20回擦り付けた後の表面粗さRaを、表面粗さ測定器(東京精密機器(株)、表面粗さ形状測定機、HANDY-SURF E-35A)で測定することで評価した。
各測定結果、評価結果を表1に示す。
実施例1の耐摩耗性ロール(図5)、実施例3の耐摩耗性ロール(図6)及び比較例6の耐摩耗性ロール(図7)を比較すると、次のことがわかる。すなわち、本考案の耐摩耗性ロールの場合、略球状無機粒子は有機樹脂層に均一且つ高密度に分散されており、最表面の略球状無機粒子は有機樹脂に覆われることがないのに対し、比較例6の耐摩耗性ロールの場合、塗膜中の略球状無機粒子は不均一で隣り合う粒子と粒子の間隔も広く、搬送する物品と当接する最表面は粒子でなく塗膜樹脂であることがわかる。
また、表1からわかるように、例えば♯180ペーパテストのように、実施例の耐摩耗性ロールの研磨前後の変化量が0.5μm未満であるのに対し、比較例の耐摩耗性ロールのそれが1〜3μm程度である。したがって、実施例の耐摩耗性ロールは耐摩耗性に優れていることがわかる。そして、その理由は、略球状無機粒子が本考案の耐摩耗性ロールの場合、表面に露出しており、比較例6の耐摩耗性ロールの場合、樹脂で覆われているためであると云うことができる。また、比較例3の耐摩耗性ロールの場合、無機粒子が略角状をしているためである。また、比較例4の耐摩耗性ロールの場合、無機粒子の粒径が小さすぎるためである。また、比較例5の耐摩耗性ロールの場合、無機粒子の粒径が大きすぎて研磨テストで欠落するためである。
また、相手材への傷つき性は、相手材の粗さRaが実施例の耐摩耗性ロールの場合、0.7〜0.8μmであるのに対し、比較例の耐摩耗性ロールの場合、1.5〜2μmと約2倍或いは約3倍大きい。したがって、実施例の耐摩耗性ロールは相手材への傷つき性に優れていることがわかる。
1・・・・・・ロール状基材
2・・・・・・単層粒子樹脂層
2a・・・・有機樹脂層
2b・・・・略球状無機粒子

Claims (7)

  1. ロール状基材と、
    前記ロール状基材表面に積層された有機樹脂層と前記有機樹脂層の硬化前に該有機樹脂層表面に単層付着された略球状無機粒子とからなる単層粒子樹脂層と、を有することを特徴とする耐摩耗性ロール。
  2. 前記単層粒子樹脂層は少なくとも1層以上積層された複数層の前記単層粒子樹脂層をもつ請求項1に記載の耐摩耗性ロール。
  3. 前記ロール状基材の前記有機樹脂層が積層される表面の平均表面粗さ(Ra)は0.2〜20μmである請求項1又は2のいずれか1項に記載の耐摩耗性ロール。
  4. 前記略球状無機粒子の硬度が前記ロール状基材の硬度より約2倍以上高い請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐摩耗性ロール。
  5. 前記ロール状基材のハードビッカース硬度(Hv)が130以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐摩耗性ロール。
  6. 前記略球状無機粒子の平均粒径は10〜200μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐摩耗性ロール。
  7. 前記略球状無機粒子はガラス粒子を除く請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐摩耗性ロール。
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