JP3176911U - 横型連続蒸煮装置における生蒸し防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続蒸煮開始直後の醸造原料先端部分における生蒸しおよび定常状態での連続蒸煮中に突発的に発生する生蒸しを解消できる横型連続蒸煮装置を提供する。
【解決手段】水に浸漬した醸造原料7を投入する醸造原料投入口に、醸造原料の堆積厚を2段階に制御するスライドシャッター8を有する。
【選択図】図3
Description
本考案は酒類・味噌・醤油などを製造する際に使用する醸造原料を横型連続式蒸煮装置を用いて蒸煮する際に発生する生蒸しを防止する装置に関する。特に、蒸煮開始後の醸造原料の堆積厚を薄く設定し、一定時間後に厚くすることにより先端部分の生蒸しを解消する、または、醸造原料が付着水過多な状態であることを感知し、それが解消されるまでの間醸造原料の堆積厚を薄く設定し、付着水過多状態が解消されたら定常時の堆積厚に再調整する装置を提供するものである。
醸造原料を蒸煮する工程を一般的な蒸米を造る工程に従って説明すると、
1)洗米、2)浸漬(吸水させる)、3)水きり(付着した余分な水分を除く)、4)蒸煮(蒸気を通気することにより蒸す)、5)放冷(蒸米に送風するなどして目的温度にする)の諸工程からなっている。
1)洗米、2)浸漬(吸水させる)、3)水きり(付着した余分な水分を除く)、4)蒸煮(蒸気を通気することにより蒸す)、5)放冷(蒸米に送風するなどして目的温度にする)の諸工程からなっている。
上述の4)蒸煮工程では醸造原料層の底面から上面へ蒸気が均等に通過しない場合があり、その結果醸造原料のα化が不十分な部分が生じる。このような状態を生蒸しと呼ぶ。
横型連続蒸煮装置を用いる場合、図1に示すように、特に蒸煮を開始した際のコンベア上の醸造原料先端部分において生蒸しが発生しやすい。これは先端部分では発生した蒸気が、醸造原料で覆われていないコンベア部分から逃げ出してしまうためである。
また、醸造原料の水きりが充分に行えていない状態では醸造原料の付着水が障害となって蒸気の抜けが悪くなり、上層部分の醸造原料に生蒸しが発生することが知られているが、連続蒸煮中にそのような状態が発生しても解決する方法はなかった。
横型連続蒸煮装置を用いる場合、図1に示すように、特に蒸煮を開始した際のコンベア上の醸造原料先端部分において生蒸しが発生しやすい。これは先端部分では発生した蒸気が、醸造原料で覆われていないコンベア部分から逃げ出してしまうためである。
また、醸造原料の水きりが充分に行えていない状態では醸造原料の付着水が障害となって蒸気の抜けが悪くなり、上層部分の醸造原料に生蒸しが発生することが知られているが、連続蒸煮中にそのような状態が発生しても解決する方法はなかった。
生蒸しの解決方法としては特許文献1に記載されているように、醸造原料の上方に保温材を配置し、米の温度を維持することが提示されているが、該方法は本質的に使用蒸気量の削減を目的としたものであった。
前述のように、連続蒸煮開始直後の醸造原料先端部分における生蒸しを解決する方法はなかった。醸造原料の移送速度を遅くすることにより生蒸しを解消することも考えられるが、先端部分の生蒸しは単純な蒸気供給量の問題ではなく、醸造原料底面から上部へ抜ける蒸気の圧力の問題であるため、単にコンベアの速度を遅くすることでは解決しない。また、速度を遅くすることにより、逆に過剰な蒸しによって粥状の部分が発生するという問題もある。
また、醸造原料の水きりが充分に行えていない状態では醸造原料の付着水が障害となって蒸気の抜けが悪くなり、上層部分の醸造原料に生蒸しが発生することが知られているが、連続蒸煮中にそのような状態が発生しても解決する方法はなかった。
連続蒸煮開始直後の醸造原料先端部分における生蒸しを予防するという課題および連続蒸煮中に醸造原料に付着している水分が過多状態になることで発生する生蒸しを予防するという課題を解決するために、本考案者らは蒸煮開始後の醸造原料の堆積厚を薄く設定し、一定時間後に厚くすることにより先端部分の生蒸しを解消できることおよび、連続蒸煮中に醸造原料に付着している水分が過多状態であることをあらかじめ感知することにより、醸造原料の堆積厚を一時的に薄く調整し、生蒸しの発生を予防することも可能であることを見出し、本方法を用いた横型連続蒸煮装置を完成するに至った。
具体的には、水に浸漬した醸造原料を横型連続蒸煮装置本体内で搬送しつつ、連続的に蒸煮して醸造原料の蒸煮物を取得する蒸煮方法において、蒸煮開始直後は通常の醸造原料堆積厚の半分程度になるよう調整し、一定時間経過後に通常の醸造原料堆積厚になるよう再調整する。あるいは醸造原料供給部分に水分センサーを設けることなどにより付着水分過多状態をあらかじめ検知し、それに応じて自動的に醸造原料の堆積厚を調製する。
「通常の醸造原料堆積厚」は使用する横型連続蒸煮装置の蒸気供給能力とコンベアの速度により適宜決定されるものであるが、薄層時の醸造原料堆積厚は「通常の醸造原料堆積厚」の4分の3以下、より好ましくは3分の2以下、より好ましくは2分の1以下もしくは5分の1以下であることが望ましい。
上記のような、連続蒸煮開始直後の醸造原料先端部分における生蒸しを解決するという課題を解決する方法を実施するための装置としては、醸造原料を蒸煮装置内へ供給するホッパー出口にスライド式シャッターを設け、蒸煮開始直後一定時間は通常の醸造原料堆積厚の半分程度になるよう開口幅を調整し、先端部分が充分蒸煮された時点で通常の醸造原料堆積厚になるようシャッターの開口幅を広げるように構成する。あるいはホッパー入り口に水分センサーを設置するなどして付着水過多状態をあらかじめ検知し、それに応じてスライド式シャッターを自動的あるいは手動で作動させて醸造原料の堆積厚を調整するように構成する。
水に浸漬した醸造原料を横型連続蒸煮装置本体内で搬送しつつ、連続的に蒸煮して醸造原料の蒸煮物を取得する蒸煮方法において、本考案では蒸煮開始直後一定時間、通常の醸造原料堆積厚の半分程度になるよう調整し、先端部分が充分蒸煮された時点で通常の醸造原料堆積厚になるよう再調整することで、従来の装置では解決できなかった先端部分の生蒸しを解消することが出来る。
また、醸造原料の付着水過多状態をあらかじめ感知することにより、従来の装置では解決できなかった連続蒸煮中の生蒸し発生を予防することが出来る。
また、醸造原料の付着水過多状態をあらかじめ感知することにより、従来の装置では解決できなかった連続蒸煮中の生蒸し発生を予防することが出来る。
以下に、上述した本考案に係る横型連続蒸煮装置の実施の形態を図面とともに説明する。
図3は本考案の全体を示した構成図であって、図3中、5はネットコンベアを示し、本コンベア上に投入された浸漬米が蒸気缶内を移動することにより蒸米を製造することが出来る。コンベアの移動速度は蒸気の供給量に応じて調整すれば良いが、速度が速すぎると全体的に生蒸しが発生しやすくなり、逆に遅すぎると粥状部分が発生するので細心の注意が必要である。
図3中、6は浸漬米ホッパー部分であり、浸漬米を浸漬タンクからベルトコンベア、空気輸送などの機械的手段で投入しても良く、手作業で投入しても良い。投入後の浸漬米の山(図3中、7)を均すためにロールスクリューを間欠動作させてもよいし、櫂棒などをもちいて手作業で均しても良い。
また、ホッパーへ浸漬米を投入する際、浸漬米の付着水分過多状態をセンサーにより検知しても良いし、目視、手触りによって検知しても良い。
連続蒸煮中に付着水分過多状態を検知した場合は自動的にスライドシャッターを作動させて堆積層厚を薄くしても良いし、過多の程度に応じて手動で堆積層厚を薄くしても良い。
また、ホッパーへ浸漬米を投入する際、浸漬米の付着水分過多状態をセンサーにより検知しても良いし、目視、手触りによって検知しても良い。
連続蒸煮中に付着水分過多状態を検知した場合は自動的にスライドシャッターを作動させて堆積層厚を薄くしても良いし、過多の程度に応じて手動で堆積層厚を薄くしても良い。
図3中、8は可動式シャッターである。通常の横型連続蒸煮装置では装置の蒸気供給量とコンベアの運搬速度から必然的に浸漬米の最適堆積厚が算出されるため、当該部分は固定されている。本考案では浸漬米投入直後は図3のようにわずかにシャッターを開くことにより浸漬米堆積厚を薄くする。一定時間経過後、図4中、8’のように可動式シャッターを引き上げ、浸漬米供給量を増加させる。一定時間経過後とは蒸米先端部分がむらなく蒸された状態になった時点でも良いし、先端部分が蒸煮装置出口に達した時点でむらなく蒸された状態になるようあらかじめ試験することによって設定した時点でも良い。シャッターは手動で操作しても良く、自動的に上下させても良い。また、シャッターの作動はコンベアを運転したままでも良く、停止して行っても良い。
このようにすると図3のような状態になり、生蒸しの発生しやすい先端部分はむらなく蒸され、その後の部分は通常通り最適な状態で蒸米を製造することが出来る。
蒸米投入直後の堆積厚は特に限定されるものではないが、図5以降の通常の状態でのその装置における最適な堆積厚をもとにすると、4分の3以下、より好ましくは3分の2以下、より好ましくは2分の1以下もしくは5分の1以下であることが望ましい。また、堆積厚は2段階にして行っても良いし、3段階あるいはそれ以上にして行っても良いが、操作の簡便性と効果を考えると2段階、すなわち堆積厚の切り替えを1回にすることが望ましい。
または、スライドシャッターを自動的に一定あるいは可変速度で移動させることにより、浸漬米の堆積厚を無段階で変化させることも可能である。
また、先に述べたように定常状態で連続蒸煮中に浸漬米の付着水分過多状態をあらかじめ検知することにより、それに応じて浸漬米の堆積厚を変化させて生蒸しの発生を予防することも出来る。
蒸米投入直後の堆積厚は特に限定されるものではないが、図5以降の通常の状態でのその装置における最適な堆積厚をもとにすると、4分の3以下、より好ましくは3分の2以下、より好ましくは2分の1以下もしくは5分の1以下であることが望ましい。また、堆積厚は2段階にして行っても良いし、3段階あるいはそれ以上にして行っても良いが、操作の簡便性と効果を考えると2段階、すなわち堆積厚の切り替えを1回にすることが望ましい。
または、スライドシャッターを自動的に一定あるいは可変速度で移動させることにより、浸漬米の堆積厚を無段階で変化させることも可能である。
また、先に述べたように定常状態で連続蒸煮中に浸漬米の付着水分過多状態をあらかじめ検知することにより、それに応じて浸漬米の堆積厚を変化させて生蒸しの発生を予防することも出来る。
本考案の横型連続式蒸煮装置は蒸煮開始直後および定常状態での連続蒸煮中の生蒸しを解消し、原料を効率よく利用し、醸造製品の品質を向上させる点で非常に有用である。
1、7 醸造原料
2 生蒸し部分
3 先端部分
4、5 ネットコンベア
6 ホッパー
8、8’可動式シャッター
9 排気ダンパー
10 排気ファン
2 生蒸し部分
3 先端部分
4、5 ネットコンベア
6 ホッパー
8、8’可動式シャッター
9 排気ダンパー
10 排気ファン
Claims (2)
- 醸造原料投入口から投入された水に浸漬した醸造原料がコンベアに堆積された状態で搬送されながら加熱蒸気により連続的に蒸煮される横型連続蒸煮装置であって、前記醸造原料投入口に前記醸造原料の堆積厚調節用の可動式スライドシャッターを有することを特徴とする横型連続蒸煮装置。
- 可動式スライドシャッターが前記醸造原料の堆積厚を自動的に多段階又は無段階に制御するスライドシャッターである請求項1に記載の横型連続蒸煮装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012001498U JP3176911U (ja) | 2012-03-19 | 2012-03-19 | 横型連続蒸煮装置における生蒸し防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012001498U JP3176911U (ja) | 2012-03-19 | 2012-03-19 | 横型連続蒸煮装置における生蒸し防止装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008055725A Continuation JP2009207451A (ja) | 2008-03-06 | 2008-03-06 | 横型連続蒸煮装置における生蒸し防止方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3176911U true JP3176911U (ja) | 2012-07-12 |
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ID=48003806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012001498U Expired - Lifetime JP3176911U (ja) | 2012-03-19 | 2012-03-19 | 横型連続蒸煮装置における生蒸し防止装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3176911U (ja) |
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2012
- 2012-03-19 JP JP2012001498U patent/JP3176911U/ja not_active Expired - Lifetime
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