JP3164413U - 滑り止め成形体 - Google Patents

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秀久 小川
秀久 小川
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Abstract

【課題】ズボンやスカートなどの腰裏布地に貼着して、すべり止め効果を高めた滑り止め成形体を提供する。【解決手段】ホットメルトシート1を下側に熱接着した基布2と、基布2上面に形成され、基布2から頭部までの高さが0.1mm〜2.0mmであり、基布2側に固着した幅よりも頭部の幅が広いシリコーンゴム製の多数の突起3とを有し、ホットメルトシート1、基布2と突起3を貫通した1.0mm〜3.0mm径の小孔を設ける。【選択図】図1

Description

本考案は、ズボンやスカート等の腰裏布、上衣の肩パット等の衣料に適宜付けて使用する衣服類に対する滑り止め成形体に関するものである。
ズボンやスカート等の腰部に取り付ける滑り止め成形体として、円錐状、半球状の突起を有したものが特許文献1に示されている。
実登3007977号公報 特開2002−125705号公報
特許文献1に示される円錐状、半球状の突起では、専ら突起を形成する素材の摩擦係数による滑り止め効果によるものであり、突起の形状変化によるさらなる滑り止め効果については多くは期待できない。
一方、特許文献2によれば、靴底に設けたものであるが、逆台形の形状を持つすべり止めが知られている。この突起は、水あるいは油に濡れた床に対しても摩擦力を発揮するものとされており、特に頭部が広い面積で床面に接触する一方で、歩行の際に突起の屈曲度が増してエッジが床面に強く圧接して摩擦を高めている。
滑り止め成形体は、ズボンやスカート、上着の肩の内側に設けるものであり、数ミリ程度の厚さでないと、使用者に対して厚さを感じさせて違和感を与えるものになる。従って、靴底と例と比較すると、薄すぎて突起の屈曲度が増加するという効果には期待できない。また、着衣の間の摩擦を大きくしなければならない一方で、発汗への対応を行う必要がある。
本考案の滑り止め成形体は、下面にホットメルトシートを貼った基布と、前記基布上面に形成され、基布側から頭部までの高さが0.1mm〜1.5mmであり、基布側に接続した幅よりも頭部の幅が広いシリコーンゴム製の多数の突起とを有することを特徴とする。
本考案によれば、基布に接着した根元よりも、頭部が側の周囲が大きいため、限られた体積の中で、シリコーンゴムの柔軟性により、頭部のエッジ部がめくられて、ズボン・スカートの内側の布地(シャツ等)に、鋭角にエッジを立てることにより、滑り止めの効果を発揮する。また、発汗に対しては、突起を貫通した小孔を通して行われることにより通気性が確保される。
図1は、本実施例に係る滑り止め成形体10の斜視図である。基布2は、織物や不織布などからなり、縦1cm〜4cm、横2cm〜5cmの長方形状である。基布2の下面には、ホットメルトシート1が熱接着されている。基布2上面の周囲には、シリコーンゴムを用いて枠4が設けられている。そして、枠4に取り囲まれた領域R内には、行列状に多数の並行四辺形状の突起3が形成されている。突起3の頭部は平坦である。突起3及び枠4は、同一材料で形成されており、同じ高さとなっている。突起3も枠4と同様にシリコーンゴムである。ここで用いられるシリコーンゴムは、シリコーン樹脂に対して適切な顔料、触媒と共に少量のチキソ剤(0.1%〜0.5%)を混合させたものである。
突起3、基布2、ホットメルトシート1を貫通する小孔5が、各突起3の中央に穿設されている。小孔5は径が1.0mm〜3.0mmであり、着用時の腰部における通気性を持たせるものである。
図2は、図1におけるX-X断面を示した図である。突起3は、高さtが0.1mm〜1.5mmである。図2Aの突起3は、基布2側に接続している箇所の幅w1が頭部の幅w2よりも狭く、幅w1の下底、幅w2の上底を持つ台形状の断面をしている。小孔5は、幅w1内において、これもより狭い径w3である。突起2は、母型や鋳型を使用して、基布2にシリコーンゴムをモールド加工することにより形成される。突起3の一つに着目した場合、図1のY−Y断面においても、同じように台形状となっている。以下、他の突起においても同じである。
図2Bの突起3は、幅が狭い根元部3aの上に幅の広い頭部3bが載った断面形状をしている。このような、キノコ状の突起3は、基布2に根元部3aの形を抜いて工業用でんぷん糊材6を印刷した後、根元部より大きく抜かれたスクリーンを重ねてシリコ−ンを印刷する。シリコーンは糊材6には接着しないため、糊材は除去してもしなくても良い。図2Cにおいては、糊材が除去された状態が示されており、糊材6が存在していた箇所が脱落し、頭部3bが根元部3bに対してオーバーハングした状態になっている。
また、滑り止め成形体10の厚さをさらに薄くする場合には、図2Dの突起3のように、糊材6の代わりに、シリコーンの付着を抑止するレジン8を、突起3が基布2に接続する範囲を除いて印刷した後、当該範囲より大きく抜かれたスクリーンを重ねてシリコ−ンを印刷する。この場合、レジン8は極めて薄く、基布2に非接着性を付与するのみと考えて良いので、先の突起3とは異なり、根元部3aに相当する部位に高さが殆どなく、突起3の周囲が基布2から剥がれているような状態となる。図3は、一つの突起3を平面から見て、根元部3a、頭部3b、小孔5の配置の関係を示している。示された突起3は、並行4辺形をしており、根元部3aが基布2に接続している範囲の形状が頭部3bの形状の相似形でかつ頭部3bの形状の内側に内包されており、かつ小孔5は、並行四辺形の中心位置であって、根元部3aの範囲内に穿設されている。
このように構成された滑り止め成形体10を利用したズボンやスカートに対して図4の矢印イに示すような右向きのずれが発生すると、シリコーンゴムの柔軟性により、頭部3bの周り(図においては、左側)がめくられ、これが内側に着られたシャツ等の衣服に押し当てられることにより、滑り止め効果が発揮される。図において、めくれ上がった突起3の一部をmとして示した。また、小孔5により通気性が確保されるので、滑り止め成形体10に汗が溜まることもない。
図5は、滑り止め成形体10をズボンPの腰部内側に取り付けた上体を示す図である。滑り止め成形体10は、腰周り全周に距離をおいて取り付けられている。腰部の表側は通常、ベルトにより、滑り止め成形体10が強固に内側のシャツに押し付けられる。
本実施例においては、突起3の頂上面は平面であったが、これに凹凸のテクスチャを付けても良い。また、枠4と突起3の高さは同じにしたが、突起2の高さを高くしても良い。滑り止め成形体10の外形も長方形のみならず、楕円形、長円或いは円形等の形状であってもよい。
本考案に係る滑り止め成形体の斜視図である。 滑り止め成形体の断面図である。 突起の平面図である。 滑り止め成形体の機能説明図である。 滑り止め成形体の使用状態図である。
1 ホットメルトシート
2 基布
3 突起
4 枠
5 小孔
6 糊材
8 レジン

Claims (5)

  1. 下面にホットメルトシートを貼った基布と、
    前記基布上面に形成され、基布側から頭部までの高さが0.1mm〜1.5mmであり、基布側に接続した幅よりも頭部の幅が広いシリコーンゴム製の多数の突起とを有することを特徴とする滑り止め成形体。
  2. 請求項1において、前記突起は、基布側の根元部を有し、前記根元部が前記基布に接続される形状が頭部の形状に内包されることを特徴とする滑り止め成形体。
  3. 請求項1において、前記突起は、その周囲が前記基布から剥がれていることを特徴とする滑り止め成形体。
  4. 請求項1において、前記ホットメルトシートと前記基布と前記突起とを貫通した1.0mm〜3.0mm径の小孔が設けられていることを特徴とする滑り止め成形体。
  5. 請求項1、2、3又は4の滑り止め成形体を熱圧着された衣類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112303471A (zh) * 2019-07-29 2021-02-02 富泰华工业(深圳)有限公司 防滑件及其制造方法

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