JP3163169U - 錨用フックおよびそれを備えた錨 - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて少ない部品点数と極めて簡単な構造によって、より確実な抜錨を実現し得ると共に、使用に際する組み付けを優れた作業性をもって、繰り返し行なうことを可能となし得る、新規な構造の錨用フックを提供する。【解決手段】錨の基端部に連結される取付環状部34と、錨の爪部側端部に連結されたロープ部材を挿通する挿通リング部36と、挿通リング部36の周上に形成されて開放可能とされた閉鎖部38と、閉鎖部38を開放する開放操作部40とが一本の連続する金属線材31から形成されたフック本体30を備え、ロープ部材に所定の引張力が及ぼされた場合には閉鎖部38が開放されてロープ部材が挿通リング部36から離脱せしめられるようにした。【選択図】図7
Description
本考案は、主に船舶を係留するための錨に用いられて、より確実な抜錨を可能とする錨用フックに関するものである。
従来から、漁猟や海上の輸送手段等として多くの船舶が使用されている。特に近年では、海洋レジャーの普及に伴い、レジャーボートやヨット、釣り船などを娯楽のために個人で所有する人も増加しつつあり、より多くの船舶が使用されている。
ところで、良く知られているように、例えば海上の所定の場所で釣りを楽しむ等のために、船舶を海上の一定の場所に停留させる際には、錨が用いられる。錨としては、例えば特許文献1(特許3046816号公報)や特許文献2(特開2003−54485号公報)等に記載されているダンフォース型の他、ストックレス型(ネイビー型)、ストック型、ホールディング型、マッシュルーム型など様々なものが、船舶の種類や用途に応じて適宜に採用されている。
それらの錨は、一般的には、支柱の一方の端部に爪部が設けられた構造とされており、支柱の他方の端部がロープやチェーンで船舶と連結されて海中に投じられる(投錨される)ことによって、爪部が海底に突き刺さり、船舶を所定の場所に留めることが可能とされている。
そして、再び船舶の航行を開始する際には、錨を海底から引き上げる(抜錨する)ことになるが、抜錨に際して、錨が海底の岩礁や流木などの障害物に引っ掛かって引き上げられなくなる、所謂根掛かりが度々生じていた。このような根掛かりが発生した場合には、より強い力で錨を引っ張ってみたり、船舶を前後左右の様々な方向に移動させて錨を引き上げる向きを変えて抜錨を試みるなど多大な労力を要した。更に、それでも錨を引き上げられない場合には、ロープを切断して錨を海中に廃棄しなければならず、経済的な損失を被ると共に、廃棄された錨は海中のゴミとなって、海中環境を汚染する原因になるという問題もあった。
そこで、抜錨をより確実なものとするために、錨の引き上げが困難な場合には、錨における爪部と反対側の端部(以下、適宜、基端部とする)に及ぼされるロープの引張力を解除して、代わりに錨の爪部側にロープの引張力を及ぼすことによって、爪部側から引き上げようとする錨が、幾つか提案されている。
先ず、特許文献3(特開平9−202290号公報)には、コイルスプリングによって錨の基端部とロープとの連結状態を維持して、ロープがコイルスプリングに抗して強く引っ張られた場合にはかかる連結状態が解除されて、爪部側にロープの引張力を及ぼすようにした錨が提案されている。しかし、かかる錨では、コイルスプリング等の組み込みが必要となって、構造が複雑でコスト高を招くばかりか、構造が複雑な分だけメンテナンスが面倒で、作動の安定性や信頼性に欠けるという問題があった。
また、特許文献4(実開昭64−22697号公報)には、ロープが強く引っ張られた場合には、錨の基端部とロープとの連結部分が破壊されて、錨を爪部側から引き上げることが出来るようにした錨が提案されている。しかし、かかる錨においては、ロープとの連結部分が破壊可能とされていることから脆弱となって、安定した把駐力が得られなくなるおそれがあった。また、破壊可能とされた連結部材をリングやロープを介して支柱の両端とそれぞれ連結する複雑な連結構造を有することから、製造に手間を要した。更に、破壊された部材は交換しなければならないことから、繰り返しの使用にも不向きであった。
さらに、特許文献5(特開昭63−284092号公報)や、特許文献6(特開昭63−31892号公報)には、錨の基端部とロープとの連結部分に、複雑なリンク作動などをする係止具が設けられた錨が提案されている。しかし、これらの錨においては、係止具の構造が複雑であることから、製造が難しくコスト高を招く。特に、海水中での使用が多い当該部品では、小型の係止具において構造が複雑なものは、腐食や異物の付着等で作動不良が発生し易く、作動安定性に欠けるという問題があった。加えて、特許文献5においては係止具が、特許文献6においては係止具の作動を発現するための錘がロープに対して自由に移動可能とされていることから、係止具を連結部分に係止したり、錘を所定位置に移動させたりするに際して、これらの係止具や錘を見つけてそれを所定位置に移動させる作業も面倒で時間がかかるという問題もあった。
更にまた、特許文献7(特開平8−40353号公報)には、錨の基端部に外嵌固定される嵌着構造の係止具も提案されている。しかし、かかる嵌着構造も、相互に螺合される部材の一方に更にリングを設け、このリングに対してロープを結び付ける構造であるが故に、複数の部品の製造や組み付けが面倒で実用的ではないし、係止具が嵌着される支柱端部の外周面が海水で濡れていたり、海中の異物が付着することで外嵌固定力を安定して確保することが困難なことは、容易に予想される。
以上のように、従来から提案されている何れの錨においても、多数の部品を組み込んだ複雑な構造が必要であったり、ロープの連結作業が面倒である等の問題があって、実用に耐えるものではなかった。事実、これら特殊な構造が採用された錨が実用化されているのを、未だ見たことが無いのである。
ここにおいて、本考案は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、極めて少ない部品点数と極めて簡単な構造によって、より確実な抜錨を実現し得ると共に、使用に際する組み付けを優れた作業性をもって、繰り返し行なうことを可能となし得る、新規な構造の錨用フックを提供することにある。
さらに、本考案は、そのような錨用フックを備えた新規な構造の錨を提供することも、目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本考案の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本考案の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る考案思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、錨用フックに関する本考案の第一の態様は、支柱の一方の端部に爪部が設けられた錨に用いられる錨用フックにおいて、一本の連続した金属線材を湾曲加工して形成されたフック本体を有しており、該フック本体には、該金属線材の中央部分を用いて環状に一周以上巻回された取付環状部と、該取付環状部から延び出した該金属線材の両側部分を用いて形成されて周上の一箇所で開放可能に交差された閉鎖部を有する挿通リング部と、該金属線材の両端部分に形成されて、該閉鎖部から相互に離隔する方向に突出して形成された一対の操作片からなる開放操作部とが一体的に形成されており、該取付環状部が、前記錨における前記爪部と反対側の端部に連結せしめられると共に、該開放操作部を操作して該閉鎖部を開放することによって、該錨における該爪部側の端部に連結されたロープ部材を該挿通リング部に挿通可能とされている一方、該ロープ部材に所定の引張力が及ぼされた場合には、該閉鎖部が開放されて該ロープ部材が該挿通リング部から離脱せしめられるようになっていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた錨用フックは、取付環状部を介して、錨における爪部と反対側の端部(基端部)に連結される。そして、錨における爪部側の端部に連結されたロープ部材が挿通リング部に挿し通された状態で、海中等に投錨される。かかる錨は、従来の錨と同様に、爪部が海底等に突き刺さることによって、船舶を係留することとなる。
そこにおいて、本考案に従う構造とされた錨用フックを用いた錨は、ロープ部材が爪部側端部に連結されていることから、安定した把駐力が発揮され得る。また、ロープ部材からの引張力は、錨用フックの挿通リング部にも作用することがあり得るが、特に本考案においては、一周以上巻回された環状の取付環状部によってコイルスプリングが構成されていることから、かかる取付環状部から延び出す閉鎖部の閉鎖状態が、より高度に維持されるようになっている。これにより、挿通リング部からのロープ部材の不要な抜け出しも防止され得る。
そして、抜錨の際には、船上からロープ部材を引っ張ると、ロープ部材が錨用フックの挿通リング部に引っ掛かって、ロープ部材の引張力が、挿通リング部を上方に引っ張る力として作用する。ここにおいて、挿通リング部に設けられた閉鎖部は、金属線材自身の弾性や取付環状部のコイルスプリングの弾性によって、通常の抜錨に際して及ぼされる程度の引張力では閉鎖状態が維持されるようになっている。従って、ロープ部材と錨の基端部が、錨用フックを介した連結状態に維持されており、ロープ部材の引張力は、錨用フックを介して、錨用フックが連結された錨の基端部に及ぼされる。これにより、通常の抜錨に際しては、従来の錨と同様に、錨の爪部と反対側の端部にロープ部材の引張力が及ぼされて、錨は基端部から引き上げられる。
一方、根掛かり等が発生して、通常の引張力では抜錨出来ない状態となった場合には、更に強い力でロープ部材を引っ張る。すると、ロープ部材の引張力によって閉鎖部の閉鎖状態が解除されて、ロープ部材が挿通リング部から離脱する。その結果、錨用フックによる錨の基端部とロープ部材との連結状態が解除されて、ロープ部材の引張力は、ロープ部材が連結された錨の爪部側端部に及ぼされる。これにより、錨を爪部側から引き上げることが出来て、より確実な抜錨を行なうことが出来る。
そして、特に本考案に従う構造とされた錨用フックを用いれば、従来構造では成し得なかった、数々の効果を何れも有効に発揮し得るのである。
先ず、上述のように、本考案に従う構造とされた錨用フックによる、錨の基端部から爪部側端部へのロープ部材の作用点の変換作動は、ロープ部材を挿通リング部から離脱させるのみという、極めて簡易な作動によって実現される。従って、極めて信頼性の高い作動を実現することが可能とされているのであり、水上からでは様子が分かり難い水中において、より容易且つ確実な抜錨を行なうことが可能となる。
そこにおいて、閉鎖部を閉状態に維持する閉鎖力の調節も、閉鎖部の交差角度や形状、金属線材の両側部分の相互の隙間寸法の設定等によって容易に対応することが出来る。何よりも、金属線材自体の物性である弾性を利用して閉鎖部の閉鎖力が調節されることから、安定した閉鎖力が高い信頼性の元で発揮され得る。
さらに、本考案に従う構造とされた錨用フックは、ロープ部材の作用点の錨の基端部から爪部側端部への変換作動に際して、閉鎖部が一時的に開放されるのみで、ロープ部材が挿通リング部から離脱した後は、金属線材の復元力や取付環状部のコイルスプリングの復元力によって元の閉鎖状態が復元するようになっており、破損する部位や部材を有さない。従って、根掛かり等が発生してロープ部材を挿通リング部から離脱せしめて、錨を爪部側から引き上げた後には、開放操作部を操作して、ロープ部材を挿通リング部に挿通し直すという極めて簡易な組み付け作業によって、何度でも繰り返して使用することが出来る。そして、ロープ部材が挿通リング部から離脱せしめられた後でも、錨用フックは取付環状部によって錨の基端部に連結されたままであることから、再びロープ部材を挿通リング部に挿通する組み付け作業に際して、錨用フックを探すような手間も不要とされて、再使用時の組み付けも極めて容易且つ速やかに行なうことが出来る。
更にまた、本考案に従う構造とされた錨用フックのフック本体は、金属線材を湾曲加工して形成されたものであることから、細く小さい。従って、投錨や抜錨に際して、錨用フックが不要な抵抗を生ずるおそれも軽減されており、安定した投錨や抜錨を行なうことが出来ると共に、より安定した把駐力を得ることも出来る。また、錨の重量や大きさを増加させることも殆ど無く、取扱いも容易である。
加えて、本考案に従う構造とされた錨用フックは、従来の錨に適用することが可能である。即ち、従来の錨の基端部に取付環状部を連結して錨用フックを取り付けると共に、従来では錨の基端部に連結されるロープ部材の端部を、錨の爪部側端部に連結する。そして、かかるロープ部材を挿通リング部に挿通すれば、組み付けが完了する。このようにすれば、既に錨を所有している人も、本考案に従う錨用フックを購入するのみで、既に所有している錨を用いて、より確実な抜錨を実現し得る錨を手に入れることが出来るのである。更に、上述のように、錨用フックの組み付け作業は非常に簡易なものであることから、工作等に関する特別な技術を有さない一般的な人でも容易に組み付けることが出来る。
そして、本考案に従う構造とされた錨用フックのフック本体は、金属線材を湾曲加工するという極めて簡易な構造とされている。これにより、極めて少ない部品点数と極めて簡易な構造をもって、容易に製造可能であり且つ安価に、上述の如き数々の効果を、何れも有効に発揮することを可能となし得たのである。
錨用フックに関する本考案の第二の態様は、前記第一の態様に係る錨用フックにおいて、前記取付環状部と前記閉鎖部が、前記挿通リング部において互いに反対側に形成されていることを、特徴とする。
本態様によれば、錨泊時において、取付環状部と閉鎖部を、取付環状部が取り付けられる錨の基端部と挿通リング部に挿通されたロープ部材とを結ぶ直線上に位置せしめることが出来る。これにより、ロープ部材を閉鎖部における金属線材の交差部分に位置せしめることが出来て、ロープ部材の引張力を閉鎖部に安定して及ぼし、ロープ部材の離脱をより安定して行なうことが出来る。なお、本態様において、挿通リング部における互いに反対側とは、挿通リング部を挟んだ両外側に限定されるものではなく、例えば後述する第三の態様のように、取付環状部を挿通リング部の内側に形成して、挿通リング部においてかかる取付環状部が形成された部位と反対側に閉鎖部を形成する等しても良い。
錨用フックに関する第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る錨用フックにおいて、前記取付環状部と前記挿通リング部が重ね合わされて形成されていることを、特徴とする。
本態様によれば、錨用フックの大きさをよりコンパクトにすることが出来る。また、このようにすれば、取付環状部から延び出した金属線材の両端部分を交差させることで閉鎖部を形成すると同時に、取付環状部から閉鎖部に至る金属線材によって挿通リング部を形成することが出来て、製造もより容易となって、更なる製造コストの低減を図り得る。
錨用フックに関する第四の態様は、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に係る錨用フックにおいて、前記金属線材の両端部分がそれぞれ湾曲せしめられることによって前記一対の操作片が形成されていることを、特徴とする。
本態様によれば、操作片もフック本体を形成する金属線材で一体形成されることから、部品点数をより少なくすることが出来て、製造コストの更なる低減を図ることが出来る。なお、本態様において、より好適には、金属線材の両端部分がそれぞれ環状に湾曲せしめられることによって一対の操作片が形成されている態様が採用され得る。このようにすれば、操作片が適当な広がりをもって形成されることから、指で押したり摘んだりすることがより容易とされて、開放操作部の操作をより容易にすることが出来る。
錨用フックに関する第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に係る錨用フックにおいて、開閉可能な環状連結部を有する連結金具が前記フック本体における前記環状取付部に設けられており、該環状連結部が前記錨に対して取り外し可能に連結されることによって、該連結金具を介して前記錨に対して取り外し可能とされていることを、特徴とする。
本態様によれば、錨用フックをより容易に錨に取り付けることが可能となることから、特に既存の錨に本考案に従う構造とされた錨用フックを組み付ける場合に有利に用いることが出来る。なお、現在用いられている殆どの錨は、基端部にアンカーリングが設けられていることから、かかるアンカーリングに連結金具を連結すれば容易に取り付けることが出来る。また、錨に対する取り外しも容易であることから、何等かの原因で錨用フックが損傷したような場合には、錨用フックの交換も容易に行なうことが出来る。
錨用フックに関する第六の態様は、前記第五の態様に係る錨用フックにおいて、前記連結金具には、前記環状連結部を前記フック本体の前記取付環状部に対する捻れ方向に回転可能とする撚り取り部が設けられていることを、特徴とする。
本態様によれば、錨用フックの向きを、ロープ部材に倣わすことが出来ることから、錨用フックでロープ部材が不要に屈曲せしめられるおそれを軽減することが出来て、錨泊時における把駐力を安定して得ることが出来ると共に、抜錨に際するロープ部材の挿通リング部からの離脱もより安定して行うことが出来る。
錨用フックに関する第七の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に係る錨用フックにおいて、前記取付環状部が、前記支柱に対して直接に連結されていることを、特徴とする。このようにすれば、錨用フックと錨との連結状態をより強固に発現せしめて、錨用フックが錨から外れるようなおそれをより確実に防止出来ると共に、抜錨に際してロープ部材の引張力を錨用フックを介してより安定して錨に及ぼすことが出来る。
錨に関する本考案の第一の態様は、支柱の一方の端部に爪部が設けられた錨において、前記第一乃至第七の何れか一つの態様に係る錨用フックを備えたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた錨によれば、上述の如き錨用フックによる数々の効果を得ることが出来て、極めて簡易な構造によって、より確実な抜錨を実現することが出来る。そして、本態様の錨の組み付けは、錨の爪部側端部にロープ部材の端部を連結して、かかるロープ部材を錨用フックの挿通リング部に挿通するのみで良いことから、従来の錨をロープ部材に連結する手間と殆ど変わることが無く、容易に組み付けを行うことが出来る。
錨に関する本考案の第二の態様は、前記第一の態様に係る錨において、前記爪部が、前記支柱の一方の端部に対して、該支柱の軸方向に直交して延びる回動軸回りに所定の回動可能範囲内で回動可能に取り付けられていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた錨は、支柱が爪部に対して回動可能とされていることから、爪部が海底に突き刺された状態において、支柱を上方に回動せしめることが出来る。これにより、支柱の延びる方向を、ロープ部材の延びる方向に近づけることが出来る。従って、錨用フックにおけるロープ部材の屈曲量を軽減することが出来て、通常の錨泊状態下で閉鎖部に及ぼされるロープ部材の引張力、即ち、閉鎖部を開放しようとする力を軽減することが出来る。これにより、僅かな力で不用意にロープ部材が挿通リング部から離脱してしまうおそれを軽減することが出来る。
以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考案の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1乃至図6に、本考案の第一の実施形態に係る、錨用フックとしてのフック10および錨としてのアンカー12を示す。なお、これらアンカー12の各図において、図1は斜視図、図2は上面図、図3は下面図、図4は左側面図、図5は正面図、図6は背面図であり、右側面図は図4と対称に現れる。また、図2乃至図6においては、後述する係留ロープ72を省略して図示する。更に、以下の説明において、基端部とは、図2中の下方向端部を言い、先端部とは、図2中の上方向端部を言う。また、左右方向とは、図2中の左右方向を言い、上下方向とは、図5中の上下方向を言うものとする。
本考案におけるアンカー12としては、ストック型、ストックレス型(ネイビー型)、ホールディング型、マッシュルーム型等、従来公知の各種のアンカーが採用可能である。本実施形態においては、アンカー12として、従来公知のダンフォース型アンカーが採用されている。アンカー12は、支柱としてのシャンク14の一方の端部に、シャンク14を挟んで一対の爪部としてのフレーク16が設けられた構造とされている。
より詳細には、シャンク14は、所定寸法に亘って延びる平板形状とされている。シャンク14の左右両側には、シャンク14の延出方向と同じ方向に延びる一対の支持基板18がシャンク14を挟んで配設されている。そして、これら支持基板18のそれぞれに、左右に突出すると共に、シャンク14の延出方向と同じ方向に延びる先鋭の平板状のフレーク16が溶接されている。また、これら一対の支持基板18は、先端部の上下両側に設けられた一対の案内板20によって互いに連結されている。なお、案内板20における先端部には、厚さ方向に貫通する連結孔22が形成されている。
さらに、これら一対の支持基板18における先端部には、支持基板18の対向方向で両側に突出する円柱状の回動軸24が設けられており、かかる回動軸24の支持基板18からの突出部分のそれぞれによって一対のストック26が構成されている。そして、シャンク14が、一対の支持基板18の間に配設されると共に、シャンク14の先端部に対して、シャンク14の軸方向(図2中、上下方向)に直交して延びる回動軸24が挿通されている。これにより、シャンク14は、一対の支持基板18と連結されると共に、これら支持基板18の間の間隙を通る平面上で所定角度に亘って回動軸24回りで上下両方向に回動可能とされており、換言すれば、一対のフレーク16は、シャンク14に対して回動可能に取り付けられている。かかるシャンク14の回動範囲は、シャンク14が案内板20の縁部に当接せしめられることによって制限されるようになっている。
このように、アンカー12は、シャンク14の軸方向に関して左右対称であり、フレーク16の広がる平面に関して上下対称形状とされている。なお、シャンク14の基端部には、左右方向に貫通するリング挿通孔27が形成されており、かかるリング挿通孔27にアンカーリング28が遊挿状態で設けられている。
そして、かかるアンカーリング28に、本考案の第一の実施形態に係る錨用フックとしてのフック10が連結されている。図7に、フック10を示す。フック10は、フック本体30と連結金具32を含んで構成されている。
図8乃至図11に、フック本体30を示す。これらフック本体30の各図において、図8は正面図、図9は左側面図、図10は上面図、図11は下面図であり、背面図は図8と同様に、右側面図は図9と同様に現れる。なお、フック本体30について、上下方向とは、図8中の上下方向をいうものとする。
フック本体30は、一本の連続した金属線材31を湾曲加工して形成されている。金属線材31としては、錆や海水腐食等に強く、適当な弾性を有するものが好適に採用され、例えばステンレス鋼等の鉄系合金や、ニッケル系合金、銅系合金、アルミニウム系合金、チタン等の耐食合金が例示される。なお、ばね鋼等からなる線材も好適に採用されるが、線材の断面積が大きくされる等して後述する開放操作部40において係留ロープ72の離脱後の閉鎖状態への復元が実現される程度の弾性変形領域が確保される限り、特別なばね材の採用は本考案において必須ではない。また、耐食層を外表面に形成して更なる耐食性を得るなどしても良い。
フック本体30には、取付環状部としての取付リング部34が設けられている。かかる取付リング部34は、金属線材31の中央部分を環状に所定回数だけ巻回して形成されている。ここにおいて、取付リング部34を構成する金属線材31の巻回数は何等限定されるものではなく、要求される把駐力や後述する閉鎖部38の閉鎖力等を考慮して適宜に設定することが可能である。本実施形態においては、取付リング部34は、金属線材31が2周弱に巻回された略円環形状に形成されている。これにより、取付リング部34によってコイルスプリングが形成されており、かかるコイルスプリングの復元力によって、後述する閉鎖部38の閉鎖状態が安定して維持されるようになっている。そして、本実施形態においては、金属線材31の巻き数を調節することによって、閉鎖部38の閉鎖力が容易に調節可能とされている。
また、フック本体30には、挿通リング部36が設けられている。挿通リング部36は、取付リング部34から延び出した金属線材31の両側部分が、正面視において互いに交差せしめられた後に、互いに接近する方向に湾曲せしめられて、再び交差されることによって形成された略円環形状とされている。これにより、挿通リング部36の周上には金属線材31の交差部分が2箇所形成されており、取付リング部34との接続部分に位置せしめられた交差部分が中間交差部37とされている一方、金属線材31の両端部の近くに位置せしめられた交差部分が閉鎖部38とされている。更に、特に本実施形態においては、これら中間交差部37と閉鎖部38が挿通リング部36の径方向で互いに反対側に形成されており、閉鎖部38は、挿通リング部36の周上における取付リング部34と上下方向で反対側に位置せしめられている。
なお、フック本体30の大きさは、アンカー12の大きさや後述する係留ロープ72の太さ、要求される係留ロープ72の離脱力等を考慮して適当な大きさに適宜に設定可能であるが、特に本実施形態においては、フック本体30は、アンカー12におけるシャンク14の上下方向寸法よりも僅かに大きい上下方向寸法をもって形成されている。また、取付リング部34と挿通リング部36それぞれの大きさや具体的な形状、およびそれらの相対的な大きさ等も適宜に設定可能であるが、特に本実施形態においては、挿通リング部36は、取付リング部34より僅かに小さい略円環形状とされている。また、特に本実施形態においては、挿通リング部36の略円環形状と、取付リング部34の略円環形状が、互いに略同一平面上に形成されている。更にまた、特に本実施形態においては、閉鎖部38において交差せしめられる金属線材31は、閉鎖部38の閉鎖状態において互いに接触状態とされている。
さらに、フック本体30には、開放操作部40が設けられている。開放操作部40は一対の操作片42から形成されており、かかる操作片42は、挿通リング部36の閉鎖部38から互いに離隔する方向に更に延び出された金属線材31の両端部に形成されている。操作片42は、金属線材31の両端部を樹脂やゴム等で覆ってそれら樹脂やゴム等で形成しても良いが、特に本実施形態においては、閉鎖部38から延び出した金属線材31自体で操作片42が形成されている。これにより、本実施形態におけるフック本体30は、取付リング部34、挿通リング部36、および開放操作部40が金属線材31で一体形成されている。また、特に本実施形態における操作片42は、閉鎖部38から互いに離隔する方向に延び出された金属線材31が、上面視において互いに離隔する方向(図10中、上下方向)に更に屈曲せしめられて延び出された形状とされている。
そして、これら一対の操作片42を指で摘んだり押圧することによって、閉鎖部38において互いに交差せしめられている金属線材31を互いに離隔せしめることが可能とされており、挿通リング部36を閉鎖部38において開放することが可能とされている。また、操作片42への押圧力を解除すれば、閉鎖部38は金属線材31の復元力や取付リング部34に形成されたコイルスプリングの復元力によって再び閉鎖状態に戻るようになっている。
なお、閉鎖部38において交差せしめられた一対の操作片42、42の交差位置は、後述する係留ロープ72によって閉鎖部38が開放される場合には、操作片42,42が係留ロープ72で押されることによって次第に金属線材31の端部側に移動せしめられる。その際、図12に示すように、係留ロープ72が金属線材31の端部側への移動を許容されるためには、係留ロープ72の張力で操作片42,42に及ぼされる作用力:F1によって、操作片42,42が拡開方向、即ち各操作片42に直交する分力:Faの作用方向に変形変位せしめられることが必要となる。要するに、係留ロープ72の張力が同じ大きさであり、操作片42,42に及ぼされる作用力:F1が同じ大きさであると仮定すると、操作片42,42を拡開する分力:Faが大きくされて、操作片42,42が拡開方向に変形され易い程、係留ロープ72が金属線材31の端部側に移動し易くなって、金属線材31の閉鎖部38から係留ロープ72が離脱し易くなる。
そして、かかる作用力:F1に対する分力:Faの大きさの比は、閉鎖部38において交差せしめられた一対の操作片42,42の交角:αの大きさによって適宜に調節することが出来るのである。具体的には、図12に示すように、作用力:F1に対する分力:Faの大きさは、操作片42,42の交角:αによって下式で表される。
Fa=(F1/2)/Sin(α/2)
Fa=(F1/2)/Sin(α/2)
ここにおいて、操作片42、42の交角:αは、0<α<180度であるから、係留ロープ72の張力が同じで作用力:F1が一定とすると、交角:αの値が小さい程、操作片42,42に作用する拡開変形力である分力:Faが大きくなる。従って、図12(a)に示されているように交角:αを小さく設定することによって係留ロープ72を閉鎖部38から離脱し易くすることが出来るのであり、一方、図12(b)に示されているように交角:αを大きく設定することによって係留ロープ72を閉鎖部38から離脱し難くすることが出来るのである。
なお、係留ロープ72の閉鎖部38からの離脱の難易度は、係留ロープ72の張力に基づく作用力:F1の要素だけでなく、フック本体30の変形剛性や、フック本体30と係留ロープ72の摩擦力などによっても異なる。それ故、それらの他の要素を調節することで、係留ロープ72の閉鎖部38からの離脱の難易度を調節することも可能である。
このような構造とされたフック本体30の取付リング部34には、連結金具32が連結されている。図13乃至図18に、連結金具32を示す。なお、これら連結金具32の各図において、図13は左側面図、図14は右側面図、図15は正面図、図16は背面図、図17は上面図、図18は下面図である。
連結金具32は、開操作可能とされた環状連結部としての開閉連結部44と、環状の連結リング部46を備えた構造とされている。開閉連結部44は、略半周に亘って延びる環状部48、50をそれぞれ有する第一の金具52と第二の金具54が連結軸56で互いに相対回動可能に連結されて構成されている。これら環状部48,50の延出方向の先端部は次第に薄肉となるように形成されており、両先端部が互いに重ね合わされることによって、開閉連結部44は、全体として略一定の太さ寸法を有する略円環形状となるようにされている。
また、第一の金具52には、環状部48の基端部において外方に突出する板状の操作板部58が一体形成されている。一方、第二の金具54には、環状部50の基端部から延び出す軸部60が一体形成されている。
さらに、第一の金具52と第二の金具54の間にはコイルスプリング62が収容状態で配設されており(図16参照)、かかるコイルスプリング62の付勢力によって、開閉連結部44の閉状態が維持されるようになっている。そして、コイルスプリング62の付勢力に抗して操作板部58を操作することによって、図13に示すように、開閉連結部44が開放可能とされている。
ここにおいて、開閉連結部44は、アンカー12と連結されることによって、錨泊時にはアンカー12から引張力が及ぼされることとなるが、かかる引張力は、開閉連結部44を開操作する方向に作用することの無いようにされることが好ましい。本実施形態においては、図13において、アンカー12の引張力は開閉連結部44に対して下方に及ぼされるようになっている一方、開閉連結部44を開操作する方向は操作板部58に対する時計回り方向とされて、アンカー12からの引張力が作用する方向と開閉連結部44を開操作する作用方向が異ならされており、開閉連結部44にアンカー12の引張力が及ぼされた場合でも、開閉連結部44が容易に開放されないようになっている。
一方、連結リング部46は、略U字状に屈曲形成されたアーチ状部64の開口端部に、略厚肉円板形状を有する回転板部66が連結された一体成形品とされており、全周に亘って閉じた環形状を有している。
さらに、図13に示すように、回転板部66の中央部分には、厚さ方向に貫通する挿通孔67が形成されており、かかる挿通孔67に、第二の金具54の軸部60から突出形成された挿通軸68が挿通されている。そして、挿通軸68における回転板部66からの突出先端部に形成された係止部69で抜け出しが阻止されることによって、開閉連結部44と連結リング部46が互いに連結されている。ここにおいて、挿通軸68は挿通孔67に対して僅かな空隙を隔てて挿通されており、開閉連結部44と連結リング部46は、軸部60の中心軸回りで全周に亘って相対回転可能とされている。これにより、後述するフック本体30との連結状態において、開閉連結部44が、連結リング部46に連結されたフック本体30の取付リング部34に対する捻れ方向に回転可能とされている。このように、本実施形態においては、回転板部66と軸部60を含んで撚り取り部が構成されている。
このような構造とされた連結金具32の連結リング部46が、図7にも示したように、フック本体30の取付リング部34に連結されている。なお、本実施形態においては、連結リング部46は閉じた環形状とされていることから、フック本体30の連結は、湾曲加工前の金属線材31を連結リング部46に挿通した後に、フック本体30を形成する湾曲加工を施すことによって実現される。このようにして、フック本体30と連結金具32を備えたフック10が形成されている。
そして、連結金具32の開閉連結部44が開操作されてアンカー12のアンカーリング28に対して取り外し可能に連結されることによって、フック10の取付リング部34が、連結金具32を介してアンカー12のシャンク14の基端部に対して取り外し可能に連結されている。これにより、フック10を備えたアンカー12が構成されている。
このような構造とされたアンカー12は、以下のようにして、船舶から延び出されたロープ部材としての係留ロープ72と連結される。先ず、図1に示したように、案内板20に設けられた連結孔22に、船舶から延び出された係留ロープ72の端部が結び付けられる等して連結される。なお、係留ロープ72は、一対の連結孔22の何れか一方にのみ挿し通して連結しても良いが、特に本実施形態においては、より有効な連結強度を得るために、係留ロープ72が一対の連結孔22の両方に挿し通された上で結び付けられている。なお、ロープ部材としては、船舶と錨を連結するために従来から用いられているものが適宜に採用可能であり、例えばロープに代えて金属製のチェーン等を用いることも勿論可能である。
次に、フック本体30の操作片42を操作して、閉鎖部38を開状態に維持しつつ、アンカー12に連結された係留ロープ72を、開放された閉鎖部38を通じて挿通リング部36内に挿通する。そして、操作片42の操作を終了して、閉鎖部38を再び閉状態とする。これにより、アンカー12の船舶との連結およびフック10の係留ロープ72への組みつけが完了する。
かかるアンカー12を用いて、例えば海上などの適当な場所で船舶74(図19参照)を係留する場合には、上述の如き組み付け状態とされたアンカー12を海中に投げ入れる。すると、アンカー12は自重によって沈降し、フレーク16が略水平面上に広がる向きで、海底に到達する。特に本実施形態においては、フレーク16の左右両側に突出するストック26が設けられており、例えばフレーク16が略鉛直方向に広がる向きで着底した場合には、何れか一方のストック26の先端部が最初に海底に接触して、アンカー12はかかるストック26の先端部を中心に倒れることから、アンカー12をフレーク16が略水平面上に広がる向きでより確実に着底せしめることが出来る。
そして、海底に到達したアンカー12は、船舶74が移動することによって、シャンク14の基端部が前方となる向きで移動せしめられる。これにより、フレーク16の先端部が海底に突き刺さり、海底の砂や泥に食い込む。その結果、図19(a)にモデル的に示すように、アンカー12が海底で固定されて、船舶74を係留することが可能となる。
ここにおいて、図20(a)に示すように、係留ロープ72は、フック10で屈曲せしめられることから、係留ロープ72には、船舶74との連結点:P1とアンカー12との連結点:P2とを結ぶ直線状に延びようとする復元力が生じる。これにより、フック10には、かかる復元力に基づく引張力:F2の分力としての上向きに作用する分力:Fbが及ぼされる。そこにおいて、特に本実施形態におけるアンカー12によれば、シャンク14がフレーク16に対して回動可能とされていることから、かかる上向きに作用する分力:Fbを小さくすることが出来る。
すなわち、図20(b)に示すように、例えばシャンク14がフレーク16に対して回動可能とされていない場合には、シャンク14の延出方向が海底で略水平方向となることから、係留ロープ72のフック10における屈曲量が大きくなる。その結果、係留ロープ72の復元力に基づく引張力:F2が大きくなって、これに基づいてフック10に及ぼされる、上向きに作用する分力:Fbも大きくなる。一方、本実施形態によれば、図20(a)に示すように、シャンク14が上方に回動せしめられることによって、係留ロープ72の屈曲量を小さくすることが出来る。その結果、分力:Fbを小さくすることが出来る。
これにより、錨泊時において係留ロープ72によってフック10、特に挿通リング部36の閉鎖部38に対して及ぼされる上方への作用力を小さくすることが出来て、僅かな力が加わったのみで係留ロープ72が容易に挿通リング部36から離脱してしまうようなおそれを軽減することが出来る。また、例えば図20(c)に示すように、シャンク14の回動可能範囲を調節すると共に、係留ロープ72を充分に長く伸ばす等すれば、係留ロープ72の屈曲量を略零に近づけることも出来て、錨泊時においてフック10が把駐力に影響を与えるおそれを実質的に回避することも可能とされ得る。
そして、抜錨の際には、船舶74からウィンチや人力等で係留ロープ72を引っ張る。ここにおいて、挿通リング部36には、係留ロープ72によって、上方に持ち上げられる力、換言すれば、閉鎖部38を開く方向に作用する力が及ぼされるが、閉鎖部38は、通常の抜錨に際して及ぼされる程度の力では閉状態が維持されるように、その部材強度や形状、取付リング部34によって形成されたコイルスプリングの弾性力等が調節されている。特に本実施形態においては、フック本体30自体の物性である弾性を利用して閉鎖部38の閉鎖力が調節されることから、安定した閉鎖力が高い信頼性の下に発揮され得る。従って、通常の抜錨時には、係留ロープ72とフック10との連結状態が維持されて、係留ロープ72の引張力は、フック10を介してシャンク14の基端部を上方へ持ち上げる力として及ぼされる。これにより、通常の抜錨においては、アンカー12は、従来公知の錨と略同様に、シャンク14の基端部から引き上げられる。
一方、図19(b1)に示すように、根掛かり等によってアンカー12の抜錨が困難である場合には、通常よりも更に強い力で係留ロープ72を引っ張る。すると、係留ロープ72の引張力が閉鎖部38の閉鎖力に抗して、閉鎖部38が開放される。その結果、係留ロープ72が挿通リング部36から離脱せしめられる。これにより、図19(b2)に示すように、アンカー12の基端部と係留ロープ72との連結状態が解除されて、係留ロープ72の引張力が、アンカー12の爪部側端部に作用する。これにより、アンカー12には、爪部側端部から引き上げられる力、換言すれば、フレーク16を引き抜く方向の力が及ぼされる。その結果、アンカー12をより確実に引き上げることが出来る。
なお、抜錨が困難な場合において、より好適には、図19(c)に示すように、フック10から係留ロープ72を離脱せしめた状態で、船舶74を前進させる等して、アンカー12をフレーク16の延び出し方向と反対方向に引っ張る。このようにすれば、抜錨をより確実に行なうことが出来る。なお、ここにおいて、係留ロープ72のフック10からの離脱は、船舶74を前進させる前に予め行なっても良いし、或いは、船舶74を前進させる過程で離脱せしめる等しても良い。
上述のように、このような構造とされたアンカー12によれば、抜錨が困難な場合でも、係留ロープ72の作用点をアンカー12の基端部から爪部側端部に変化せしめることによって、より確実な抜錨を行なうことが出来る。これにより、抜錨が困難で錨を廃棄せざるを得なくなるようなことも少なくされて、ユーザに経済的な損失を与えるおそれを軽減できるのみならず、海中環境の保全にも資する。そこにおいて、特に本実施形態においては、作用点の変換作動が、挿通リング部36から係留ロープ72を離脱せしめるのみという極めて簡易な作動によって実現される。これにより、より安定した作用点変換作動を行なうことが可能とされている。
さらに、本実施形態においては、閉鎖部38と取付リング部34が、挿通リング部36を挟んで互いに反対側に形成されている。これにより、アンカー12が投錨されて係留ロープ72の引張力がフック10に及ぼされた場合には、係留ロープ72を閉鎖部38の位置に案内することが出来る。その結果、係留ロープ72の引張力を閉鎖部38に安定して及ぼすことが出来て、係留ロープ72の離脱操作をより安定して行なうことが可能とされている。
また、挿通リング部36から係留ロープ72を離脱せしめた後に、再度係留ロープ72を挿通リング部36に挿通する際には、操作片42を操作して閉鎖部38を開放して、開放された閉鎖部38から係留ロープ72を挿通リング部36内に入れるのみという極めて簡易な操作で済み、再セットの手間も極めて少ない。且つ、閉鎖部38は、係留ロープ72が離脱せしめられた後には、金属線材31自体の復元力や取付リング部34に形成されたコイルスプリングの復元力によって元の閉鎖状態に戻ることから、フック10において破損する部材や部位もなく、繰り返して何度でも使用することが出来て、非常に経済的である。
更にまた、本実施形態におけるフック10は、連結金具32を介してアンカー12と連結されるようになっており、極めて簡易な操作でフック本体30とアンカー12を連結することが可能とされている。そして、従来から用いられているアンカーの殆どはアンカーリングを有することから、本実施形態と同様にして連結金具32をアンカーリングに連結することによって、従来から用いられている各種のアンカーと本実施形態におけるフック10を容易に連結することも出来る。従って、例えば、既にアンカーを所有しているユーザに対して、連結金具32を備えたフック10のみを提供して、各ユーザにおいて自己の所有するアンカーにフック10を連結することも出来る。そこにおいて、かかる連結作業も極めて容易であることから、特別な工作技術を有さないユーザでも容易に実施することが出来る。
また、本実施形態においては、連結金具32に撚り取り部が設けられていることから、フック本体30の向きを係留ロープ72に応じて回転せしめることが可能とされており、係留ロープ72の不要な屈曲が軽減されている。これにより、係留ロープ72のフック本体30からの離脱をより安定して行うことが可能とされていると共に、より安定した把駐力を得ることも出来る。
さらに、本実施形態におけるフック本体30は、金属線材31から形成されて、細く小さい。それ故、フック本体30が抵抗となるおそれも非常に小さく、投錨や抜錨を円滑に行えると共に、安定した把駐力を得ることも出来る。
そして、本実施形態におけるフック本体30は、金属線材31を湾曲加工するという極めて簡易な構造をもって形成されている。従って、非常に優れたコスト効率をもって製造することが可能であり、上述の如き数多くの優れた効果を奏するフック10を、安価に提供することが出来る。
なお、錨用フックの具体的な形状は、上述の如き形状に限定されるものではない。以下に、好適に採用され得る実施形態の錨用フックを構成するフック本体を幾つか例示するが、本考案が、以下に記載の如き態様に限定されるものではないことが、理解されるべきである。なお、以下の説明において、上述の第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
先ず、図21および図22に、本考案の第二の実施形態としての錨用フックにおけるフック本体80を示すと共に、図23および図24に、本考案の第三の実施形態としての錨用フックにおけるフック本体90を示す。これらフック本体80、90は、前記第一の実施形態としてのフック本体30における取付リング部34と挿通リング部36の相対的な大きさが異ならされたものである。即ち、前記フック本体30においては、取付リング部34と挿通リング部36は、取付リング部34が挿通リング部36より僅かに大きい互いに略同じ大きさの略円環形状とされていたが、フック本体80は、取付リング部34が挿通リング部36よりも小さな略円環形状とされている一方、フック本体90は、取付リング部34が挿通リング部36よりも大きな略円環形状とされている。このように、取付リング部34と挿通リング部36の相対的な大きさは何等限定されるものではない。
また、取付環状部および挿通リング部は、円環形状に限定されるものではなく、例えば、長円形状、三角形状、四角形状、六角形状、八角形状など、様々な形状が適宜に採用可能であるし、取付環状部と挿通リング部を、互いに異なる形状とする等しても良い。そのような例として、図25および図26に、本考案の第四の実施形態としての錨用フックにおけるフック本体100を示すと共に、図27および図28に、本考案の第五の実施形態としての錨用フックにおけるフック本体110を示す。
フック本体100は、前記第一の実施形態におけるフック本体30における挿通リング部36が、略角丸四角形状とされている。一方、フック本体110は、かかるフック本体100における取付リング部34と挿通リング部36の相対的な大きさが異ならされたものであり、フック本体100に比して、取付リング部34が小さく形成されていると共に、角丸四角形状とされた挿通リング部36の縦横比がより大きくされて、挿通リング部36の縦寸法(図27中、上下方向寸法)がフック本体100における挿通リング部36に比してより大きくされている。このように、取付環状部と挿通リング部を互いに異なる形状とすることも可能である。
さらに、操作片の具体的な形状についても、取扱いの容易性等を考慮して、例えば円形や長円形、四角形や六角形等の多角形状、任意の曲線の組み合わせ等、任意の形状に適宜に設定することが可能である。例えば、図29および図30に、前記各実施形態とは異なる形状の操作片を有する、第六の実施形態としての錨用フックにおけるフック本体120を示す。フック本体120は、前記第一の実施形態におけるフック本体30と略同様の形状とされており、閉鎖部38から互いに離隔する方向に延び出した金属線材31の両端部分がそれぞれ湾曲加工されることによって、略円環形状の操作片122が形成されている。本実施形態によれば、操作片122が適当な広がりを有することから、指で摘んだり押圧することが容易となって、閉鎖部38の開操作をより容易に行うことが出来る。
なお、本実施形態においても、操作片122は、取付リング部34や挿通リング部36を形成する金属線材31によってこれらリング部34,36と一体形成されているが、かかる操作片122を板状の樹脂やゴムで覆うなどして、それら樹脂やゴムによって所定の広がりを有する操作片を形成する等しても良い。或いは、例えば前記第一の実施形態において操作片42を形成する金属線材31の両端部分に、円板形状等の所定の広がりを有する樹脂やゴムを取り付けることによって操作片を形成する等しても良い。
また、図31および図32に、本考案の第七の実施形態としての錨用フックにおけるフック本体130を示す。フック本体130は、前記第一の実施形態において取付リング部34と挿通リング部36の接続部分に形成された中間交差部37を有さないものであり、取付リング部34から延び出された金属線材31の両側部分が、互いに同方向に延び出された後に交差されて、かかる交差部分が閉鎖部38とされている。これにより、特に本実施形態においては、取付リング部34から同方向に延び出された金属線材31の両端部分によって挿通リング部36が形成されている。従って、フック本体130は、正面視において、取付リング部34と挿通リング部36が重なり合って位置せしめられており、取付リング部34の略全体が挿通リング部36内に位置せしめられるようになっている。このようにすれば、フック本体のコンパクト化を図ることが出来る。
さらに、かかるフック本体130によれば、取付リング部34から延び出された金属線材31の両側部分を交差させることなく互いに同方向に所定距離だけ延び出させて閉鎖部38を形成すれば、閉鎖部38を形成すると同時に挿通リング部36も形成することが出来る。これにより、製造工数の更なる軽減を図り得る。
なお、特に本実施形態においては、取付リング部34が正面視において挿通リング部36の内側で、挿通リング部36における閉鎖部38と反対側に形成されている。即ち、図31中の上下方向において、閉鎖部38は挿通リング部36の上側に形成されている一方、取付リング部34は、挿通リング部36の内側で、閉鎖部38と反対の下側に形成されている。従って、本実施形態におけるフック本体130によっても、前記第一の実施形態等と同様に、係留ロープ72の引張力が及ぼされた場合には、係留ロープ72を閉鎖部38の位置に案内することが出来る。これにより、係留ロープ72による閉鎖部38の開放作動を安定して発現せしめることが出来る。
また、錨用フックを錨に連結する際には、連結金具は必ずしも必要ではなく、フック本体を錨に直接連結しても良い。そのような例として、図33に、錨に関する本考案の第二の実施形態としてのアンカー150を示す。アンカー150は、前記第一の実施形態におけるアンカー12において、アンカーリング28を挿通するために設けられたリング挿通孔27に、フック本体30の取付リング部34が遊挿状態で直接に連結されたものである。このようにすれば、フック本体30をシャンク14に対してより強固に連結することが出来る。なお、このようなアンカー150を得るには、例えば、リング挿通孔27に金属線材31を挿通した後に湾曲加工を施してフック本体30を成形すれば良い。また、アンカー150においてはアンカーリングが取り除かれているが、例えばアンカーリングを備えたアンカーに金属線材31を挿通して湾曲加工することによって、アンカーリングに対してフック本体の取付環状部を連結することも勿論可能である。
以上、本考案の幾つかの実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本考案は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、連結金具の具体的な形状についても、特に限定されるものではなく、図34に例示する連結金具160や、図35に例示する連結金具180を用いる等しても良い。これら連結金具160、180は、従来からロープやリングに着脱可能に連結する等のために様々な分野で広く用いられている金具であることから、以下に概略を説明する。
連結金具160は、前記連結金具32と略同様の構造とされた連結リング部46に対して、本体金具162が回転可能に連結された構造とされている。本体金具162は、ストレートに延びる軸状部164を有すると共に、軸状部164の一方の端部には、周方向の一部に開口部166が形成された略C字形状の環状連結部としての環状部168が形成されている。かかる本体金具162は、前記連結金具32と略同様に、軸状部164における環状部168と反対側の端部が連結リング部46の回転板部66に挿通されることによって、連結リング部46に対して軸状部164の中心軸回りで回転可能に連結されている。これにより、連結リング部46と本体金具162との連結部分が撚り取り部とされている。
そして、本体金具162の内部には、操作部170が一体形成された開閉部材172が、開口部166において対向する一方の端面から他方の端面に向けて突出変位可能に配設されている。かかる開閉部材172は、本体金具162の内部に配設された図示しないコイルスプリングによって、開口部166を閉状態とする突出方向(図34中、下方)に付勢されている。これにより、開口部166は閉状態に維持されており、そして、操作部170を操作して、コイルスプリングの付勢力に抗して開閉部材172を開方向(図34中、上方向)に変位せしめることによって、開口部166が開放されるようになっている。
このような連結金具160は、例えば前記第一の実施形態における連結金具32と同様に、連結リング部46がフック本体の取付環状部に連結されると共に、環状部168がアンカーリングに連結されることによって、フック本体とアンカーを連結する。そこにおいて、かかる連結金具160によれば、環状部168において、アンカーからの引張力が及ぼされる作用部174が単一の本体金具162で形成されていることから、作用部174の強度をより強固に確保することが出来る。また、アンカーからの引張力が開閉部材172を開操作することの無いようにされている。
一方、連結金具180は、正面視において、略C字形状の第一環状部182と、第一環状部182よりも大きな曲率半径を有する半円形状の第二環状部184が、略直線状に延びる一対の直線状部186,188で接続された、全周に亘って連続する環形状とされている。
かかる連結金具180は、環状連結部としての本体金具190と開閉部材192によって形成されている。本体金具190は、一方の直線状部186の中間部分にあたる部位で断続せしめられており、かかる部位が開口部191とされている。そして、開口部191を跨ぐように開閉部材192が配設されており、開閉部材192によって、直線状部186の中間部分が構成されるようになっている。
開閉部材192はロッド状の部材とされており、一方の端部が回動軸194回りで回動可能に本体金具190に取り付けられることによって、開口部191が開閉可能とされている。更に、開閉部材192は、回動軸194の近くに配設された図示しない板ばねによって閉方向(図35中、回動軸194を中心とする時計回り)に付勢されている。そして、開閉部材192における回動軸194の反対側の端部と、本体金具190のそれぞれに形成された係合部196,198が互いに係合することによって、開閉部材192が開口部191を閉状態とする位置で維持されるようになっており、板ばねの付勢力に抗して開閉部材192を回動せしめることによって、開口部191が開状態とされるようになっている。
このような連結金具180を用いて錨用フックと錨を連結する場合には、前記第一の実施形態におけるフック10とアンカー12を例にすれば、開閉部材192を開操作して、開口部191からフック本体30の取付リング部34と、アンカーリング28の両方を連結金具180内に挿し入れる。これにより、フック本体30とアンカー12が連結金具180を介して連結される。かかる連結金具180は、錨泊時には、第一環状部182および第二環状部184の何れか一方がフック本体30の取付リング部34と係合されると共に、他方がアンカーリング28と係合されることとなる。
かかる連結金具180においても、取付リング部34やアンカーリング28の係止力が及ぼされる第一環状部182および第二環状部184が単一の本体金具190で形成されていることから、連結状態を強固に維持することが出来る。また、錨泊時における取付リング部34やアンカーリング28の引張力が開閉部材192を開操作することの無いようにされている。そして、連結金具180から明らかなように、本考案における連結金具において、撚り取り部は必ずしも必要ではない。
また、フック本体の閉鎖部において交差される金属線材は、少なくともフック本体の正面視において交差されていれば良いのであって、必ずしも上面視や側面視においてまでも交差されている必要はない。そのような例として、図36乃至図38に、異なる態様のフック本体200を示す。フック本体200は、前記第一の実施形態におけるフック本体30と略同様の正面視形状を有している。そして、特にフック本体200においては、中間交差部37から延び出した金属線材31の両側部分が、上面視および側面視において交差することなく延び出されて挿通リング部36が形成されていると共に、正面視において交差されることによって、閉鎖部38が形成されている。このようにしても、前記第一の実施形態におけるフック本体30と同様の効果を得ることが出来る。なお、上記においては、前記第一の実施形態と略同様の形状を有するフック本体を例に説明したが、上述の各実施形態の何れについても、金属線材を上面視や側面視で交差させること無しに正面視において交差させることによって閉鎖部を形成しても良いことは、言うまでもない。更に、フック本体の閉鎖部は、必ずしも交差される金属線材が互いに接触状態とされる必要は無く、例えば要求される把駐力や金属線材の弾性、ロープ部材の太さ等を考慮して、多少の隙間を隔てた状態で交差させる等しても良い。
更にまた、一つの錨に複数の錨用フックを取り付ける等しても良い。このようにすれば、錨用フックの個数を調節することによって、ロープ部材の離脱力を調節することが出来る。
その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本考案の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本考案の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10:フック、12:アンカー、14:シャンク、16:フレーク、30:フック本体、31:金属線材、34:取付リング部、36:挿通リング部、38:閉鎖部、40:開放操作部、42:操作片、72:係留ロープ
Claims (9)
- 支柱の一方の端部に爪部が設けられた錨に用いられる錨用フックにおいて、
一本の連続した金属線材を湾曲加工して形成されたフック本体を有しており、該フック本体には、該金属線材の中央部分を用いて環状に一周以上巻回された取付環状部と、該取付環状部から延び出した該金属線材の両側部分を用いて形成されて周上の一箇所で開放可能に交差された閉鎖部を有する挿通リング部と、該金属線材の両端部分に形成されて、該閉鎖部から相互に離隔する方向に突出して形成された一対の操作片からなる開放操作部とが一体的に形成されており、該取付環状部が、前記錨における前記爪部と反対側の端部に連結せしめられると共に、該開放操作部を操作して該閉鎖部を開放することによって、該錨における該爪部側の端部に連結されたロープ部材を該挿通リング部に挿通可能とされている一方、該ロープ部材に所定の引張力が及ぼされた場合には、該閉鎖部が開放されて該ロープ部材が該挿通リング部から離脱せしめられるようになっていることを特徴とする錨用フック。 - 前記取付環状部と前記閉鎖部が、前記挿通リング部において互いに反対側に形成されている請求項1に記載の錨用フック。
- 前記取付環状部と前記挿通リング部が重ね合わされて形成されている請求項1又は2に記載の錨用フック。
- 前記金属線材の両端部分がそれぞれ湾曲せしめられることによって前記一対の操作片が形成されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の錨用フック。
- 開閉可能な環状連結部を有する連結金具が前記フック本体における前記環状取付部に設けられており、該環状連結部が前記錨に対して取り外し可能に連結されることによって、該連結金具を介して前記錨に対して取り外し可能とされている請求項1乃至4の何れか一項に記載の錨用フック。
- 前記連結金具には、前記環状連結部を前記フック本体の前記環状取付部に対する捻れ方向に回転可能とする撚り取り部が設けられている請求項5に記載の錨用フック。
- 前記取付環状部が、前記支柱に対して直接に連結されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の錨用フック。
- 支柱の一方の端部に爪部が設けられた錨において、前記請求項1乃至7の何れか一項に記載の錨用フックを備えたことを特徴とする錨。
- 前記爪部が、前記支柱の一方の端部に対して、該支柱の軸方向に直交して延びる回動軸回りに所定の回動可能範囲内で回動可能に取り付けられている請求項8に記載の錨。
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JP2019105043A (ja) * | 2017-12-11 | 2019-06-27 | 前田工繊株式会社 | 汚濁防止用フェンスの係留構造及び係留方法 |
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