JP3160996U - コンクリート畦際残土処理農具 - Google Patents
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Abstract
【課題】単独でトラクタの車体後部に取り付けることができ、トラクタの走行によりコンクリート畦際の土を耕すことができるコンクリート畦際残土処理農具を提供する。【解決手段】四角形の枠を構成する鉄骨の対角線上に枠用バネ21を付け、各枠の交点を回転自在とし、略平行四辺形とした鉄骨の前枠をトラクタ7の進行方向に対し略垂直に、トラクタに取り付け、相対する後枠の左右いずれかの端の外側下方に、耕土鋤4を付け、耕土鋤を土中に入れ、トラクタの走行による土の耕土鋤への抵抗力で、四角形の枠を構成する鉄骨の対角線上のバネが伸びて、略四角形となり、トラクタ車幅より外側に耕土鋤が突出して、コンクリート畦際の土を耕すことができる。【選択図】図3
Description
本考案は、コンクリート畦際の残土を処理する農機具に関する。
道路際等のコンクリート製の畦を土地の区画として設けている田畑も多い。このコンクリート製の畦際(以下コンクリート畦際とする。)は、耕運機やトラクタでは耕すことが困難である。例えば、トラクタでは車体後部に横接したロータリ軸に多数の鋤刃を有するロータリ軸を付けてトラクタの走行によって耕すようになっているが、ロータリ軸の両端にはこれを支えるブランケットがあり、回転鋤刃はコンクリート畦際までは届いていない。このように、コンクリート畦際の土は耕運機等では、耕すことが困難であるため,その部分は傾斜して、他の土面より高くなり、田んぼに水を張っても、水面から出てしまい、雑草が生える原因となっている。そのため、耕運機等で田畑を耕やす前あるいは耕した後に、コンクリート畦際の土地はシャベル等で耕すが、かなり手間のかかる作業となる。
そのために、コンクリート畦際を耕すあるいは整地する農機具が提案されている。ロータリ耕耘部を支持するサイドフレームに、残耕土を掘り起こして耕耘爪の耕耘範囲内に案内する排土板を固定してなるコンクリート畦畔際残耕処理装置(特許文献1)、支承ブラケットの軸受部の外側へ、縦方向にして走行方向の姿勢に、着脱自在にボルト締め固定する縦刃板からなり、水平方向に突出する上部水平刃と下部水平刃から回転鋤刃側へ押し出す耕土寄せ板を傾斜状に備えた構造の畦際耕起鋤(特許文献2)、ロータリ機構のサイドに固定した水平方向の取付けパイプの先端に垂直方向のメインパイプを取付け、メインパイプの下端にスキ部と、スキ部の先端下部に円板状のディスクと、メインパイプの途中に垂直ローラ及び水平ローラを各々取付け、畦畔の上面と側面を垂直ローラと水平ローラで倣いながらトラクタで畦畔際を耕耘する装置(特許文献3)、コンクリート畦畔側への接近動を規制する移動規制板とコンクリート畦畔際の残耕土を耕耘する縦耕耘爪及び横耕耘爪が設けられ、これらの耕耘爪は基部に対して先端側が外側に偏心し、移動規制板の外側端面、縦耕耘爪及び横耕耘爪の各外側面及び畦立て機の右側面は略同一平面上に配置された畦立て作業装置(特許文献4)がある。
さて上記各先行技術において、特許文献1ないし3は、トラクタの車体後部に取り付けたロータリ機構の外側にコンクリート畦際の土を耕すための装置を付けるものであり、コンクリート畦際の土を耕すための単独の装置ではない。各装置は、ロータリ機構の外側に取り付ける必要があり、その手間がかかり、さらにロータリ機構がコンクリート製の畦と接触し破損する可能性がある。また、特許文献4は、耕運機のロータリ軸に移動規制板とコンクリート畦畔際の残耕土を耕耘する縦耕耘爪及び横耕耘爪を取り付けるものであり、前記と同様に耕運機がコンクリート畦に接触し破損する恐れもある。
会社勤務のかたわら、農業を営む本考案者は、短時間で農作業を行う必要があり、コンクリート畦際の土の処理には手間がかかり、解決したい課題であった。しかし、回転鋤刃のロータリ機構の外側にコンクリート畦際の土を耕すための装置をつけると、ロータリ機構までもコンクリート畦と接触し破損する恐れもあり、破損した場合には、大きな出費となることもある。そこで、単独でコンクリート畦際の土を耕す簡単な農機具について検討してきたが、試行錯誤の末に、以下のようなコンクリート畦際残土処理農具を考案した。
すなわち、本考案は、単独でトラクタの車体後部に取り付けることができ、トラクタの走行によりコンクリート畦際の土を耕すことができ、構造が簡単なコンクリート畦際残土処理農具を提供するものである。
先ず、第1考案は、トラクタの車体後部に取り付け、トラクタの取付支持部で上下運動ができるコンクリート畦際の土を耕すコンクリート畦際残土処理農具であって、四角形の枠を構成する鉄骨の対角線上に枠用バネを付け、各枠の交点を回転自在とし、枠用バネにより、略平行四辺形とした鉄骨の前枠をトラクタの進行方向に対し略垂直にトラクタに取り付け、相対する後枠の左右いずれかの端の外側下方に、耕土鋤を付け、トラクタの取付支持部を下げて、耕土鋤を土中に入れ、トラクタの走行による土の耕土鋤への抵抗力で、四角形の枠を構成する鉄骨の対角線上のバネが伸びて、略長方形となり、トラクタ車幅より外側に耕土鋤が突出し、コンクリート畦際の土を耕し、トラクタの取付支持部を上げて、枠用バネにより略平行四辺形の枠となってトラクタの回転運動を容易にするコンクリート畦際残土処理農具である。
図1に第1考案の原理図を示す。四角形枠2の各枠の交点12は、回転自在となっている。枠用バネ21により四角形枠2は平行四辺形あるいは菱形となっている。この四角形枠2の後枠26の右端下方には耕土鋤4が付けられている。この四角枠2が、土31に入り、トラクタの走行により前方に進むと、土31と耕土鋤4の抵抗力により、枠用バネ21が伸びて各枠の交点の角度は略直角になる。そのために、トラクタ車幅より外側に耕土鋤4が突出し、耕土鋤4はコンクリート壁3に近づき、コンクリート畦際の土31を耕すことができる。
コンクリート畦際の土を耕すものとして耕土鋤としたが、これは必ずしも櫛状のものである必要はなく、平面状の鉄板であってもよい。
続いて、第2考案は、トラクタの車体後部に取り付け、トラクタの取付支持部で上下運動ができるコンクリート畦際の土を耕すコンクリート畦際残土処理農具であって、四角形の枠を構成する鉄骨に支柱を立てて、同じ四角形の枠の鉄骨をその上に平行に重ね、上部の四角形の前枠又は上部と下部の四角形の前枠をトラクタに取り付け、下部の四角形の後枠の左右いずれかの端の外側下方に、耕土鋤を付けた第1考案のコンクリート畦際残土処理農具である。
第1考案の1重の四角形枠だけでは、トラクタ後部に取り付けてコンクリート畦際を耕しながら、走行するには、強度が不足する場合もある。そこで、四角形枠を2重としたものである。
図2に第2考案の原理図を示す。図1と重複する符号は、略省略してある。
支柱25は、同じ長さとし、上部の四角形枠26と下部の四角枠27とを平行にし、枠用バネ21や耕土鋤4と土31の抵抗により上下四角形枠26,27が円滑に動くようにしている。
図2に第2考案の原理図を示す。図1と重複する符号は、略省略してある。
支柱25は、同じ長さとし、上部の四角形枠26と下部の四角枠27とを平行にし、枠用バネ21や耕土鋤4と土31の抵抗により上下四角形枠26,27が円滑に動くようにしている。
図2では、枠用バネ21を下部の四角形枠27に付けているが、上下部四角形枠26,27の両方に付ける、あるいは上部の四角枠26に付けることもできる。
図1及び図2では、枠用バネ21を前枠23の左から後枠24の右に張り、耕土鋤4を後枠24の右下に付けている。しかし、これとは対照に枠用バネ21を張ることにより、耕土鋤4を後枠24の左下に付けることもできる。
続いて、第3考案は、耕土鋤に移動制御ローラを付設した第1考案又は第2考案のいずれかのコンクリート畦際残土処理農具である。
第1考案あるいは第2考案において、耕土鋤刃はトラクタの走行により耕土鋤は、コンクリート壁に近づき、コンクリート畦際の土を耕すことができる。しかし、コンクリート壁と耕土鋤が接触し、どちらも破損する恐れがある。そこで、耕土鋤あるいはこれらを構成する部品を保護するため、コンクリート壁に沿って移動し、コンクリート壁と耕土鋤等の間隔を常においておくことが必要である。そこで、耕土鋤に移動制御ローラを付設して、移動制御ローラをコンクリート壁に接触させ、コンクリート壁と間隔をおきながら、耕土鋤をトラクタ走行に沿って移動するものである。移動制御ローラについては、実施例で示す。
続いて、第4考案は、耕土鋤の高さを調整する高さ調整冶具を付けた第3考案のコンクリート畦際残土処理農具である。
本考案のコンクリート畦際残土処理農具は、トラクタの車体後部に取り付けられ、トラクタの取付支持部で、上下移動を行い、耕土鋤を土中に入れ、また土中から上げることができる。しかし、土の状態によっては、耕土鋤と四角形枠との高さの調整が必要な場合がある。そこで、耕土鋤の高さを調整する高さ調整冶具を付けることにしたものである。
第1考案では、土と耕土鋤の抵抗力を利用して、簡単な構造で、耕土鋤をコンクリート壁に近づけ、コンクリート畦際の土を容易に耕すことができ、第2考案では、第1考案の農機具の構造をより強化したものである。第3考案では、耕土鋤がコンクリート壁に接触しないようにして、相互の破損を避けるものであり、第4考案は、耕土鋤の作業をより行いやすくするものである。
本考案の実施例を以下に示す。
図3は、収納時と使用時の四角形枠2の状態を示す平面図である。使用しない場合には、破線の状態で保管されている。四角形枠2は、略平行四辺形となっている。コンクリート畦際残土処理農具1は、トラクタとの接合具262でトラクタ7に取り付けられ、トラクタの取付支持部を下げて、耕土鋤4が土中に入り、トラクタ7を走行させると、土と耕土鋤4の抵抗力により、四角形枠2の枠用バネ21が伸び、各枠の交点22は略直角になり、四角形枠2は略長方形となり、耕土鋤4は、移動制御ローラ6とともに、トラクタ7の車幅より外側に出る。移動制御ローラ6がコンクリート壁3に接触しながら、トラクタ7の車幅より外側に出た耕土鋤4がコンクリート畦際の土を耕すことになる。
図4に、第2考案の試作品を示す。上下部の四角形枠は、各枠の交点22が回転自在となっていて、枠用バネ21により、上下部の四角形枠は平行四辺形となっている。使用しない場合にはこの形状で保管されている。上下四角形枠26,27は、支柱25により連結されている。支柱25と上下部四角形枠は、溶接により連結されているが、連結手段は問わない。上部の四角形の後枠右端と下部四角形の後枠271右端を連結する支柱には、高さ調整冶具5が付けられ、その下端に耕土鋤4が付けられ、耕土鋤4の右側上部には移動制御ローラ6が付設されている。上部四角形の前枠261中央には、コンクリート畦際残土処理農具1をトラクタに取り付ける接合具262があり、トラクタ7とつながれている。
図5は、第2考案の試作品の耕土鋤4が土31に入り、トラクタ7走行により、耕土鋤4と土31の抵抗力により、四角形枠の枠用バネ21が伸び、上下部の四角形枠26,27の前枠261、272と後枠263,271がやや移動したときの図である。
図5は、第2考案の試作品耕土鋤4が土に入り、トラクタ7の走行により、耕土鋤4と土31の抵抗力により、枠用バネ21が伸び、各枠の交点が略直角になり、上部の四角形枠26、下部の四角形枠27略長方形となった図である。耕土鋤4は、トラクタ7の車幅より外側に出ている。
図7は、移動制御ローラ6と耕土鋤4等の試作品である。移動制御ローラ6には、コンクリート壁に沿って円滑に移動するための移動制御ローラ用の車輪61が両端に付いている。また、移動制御ローラ用のバネ62と移動制御ローラ用のワイヤ63により、移動制御ローラ6はコンクリート壁に常に接することができる。移動制御ローラ6の下には、耕土鋤4が付けられ、また高さ調整冶具5が支柱25に付けられている。
図8は高さ調整冶具5の概略図である。止めピン52を外し、高さ調整用カラー51の取り外しあるいは取り換えにより、耕土鋤4の高さを調整する。なお、高さ調整冶具5の試作品を図9に示す。
本考案のコンクリート畦際の土を耕すコンクリート畦際残土処理農具は構造が簡単であり、製造費が安く、耕土鋤と土との抵抗力よりコンクリート壁に沿って耕土鋤を移動させ、容易にコンクリート畦際の土を耕すことができるため、大いに利用が期待できる。
1 コンクリート畦際残土処理農具
2 四角形枠 21 枠用バネ 22 各枠の交点 23 前枠 24 後枠25 支柱 26 上部位の四角形枠 261 上部の四角形枠の前枠
262 トラクタとの接合具 263 上部の四角形枠の後枠
27 下部の四角形枠 272 下部の四角形枠の前枠
3 コンクリート壁 31 土
4 耕土鋤
5 高さ調整冶具 51 高さ調整用カラー 52 止めピン
6 移動制御ローラ 61移動制御ローラ用の車輪
62移動制御ローラ用のバネ 63 移動制御ローラ用のワイヤ
7 トラクタ
2 四角形枠 21 枠用バネ 22 各枠の交点 23 前枠 24 後枠25 支柱 26 上部位の四角形枠 261 上部の四角形枠の前枠
262 トラクタとの接合具 263 上部の四角形枠の後枠
27 下部の四角形枠 272 下部の四角形枠の前枠
3 コンクリート壁 31 土
4 耕土鋤
5 高さ調整冶具 51 高さ調整用カラー 52 止めピン
6 移動制御ローラ 61移動制御ローラ用の車輪
62移動制御ローラ用のバネ 63 移動制御ローラ用のワイヤ
7 トラクタ
Claims (4)
- トラクタの車体後部に取り付け、トラクタの取付支持部で上下運動ができるコンクリート畦際の土を耕すコンクリート畦際残土処理農具であって、四角形の枠を構成する鉄骨の対角線上に枠用バネを付け、各枠の交点を回転自在とし、枠用バネにより、略平行四辺形とした鉄骨の前枠をトラクタの進行方向に対し略垂直にトラクタに取り付け、相対する後枠の左右いずれかの端の外側下方に、耕土鋤を付け、トラクタの取付支持部を下げて、耕土鋤を土中に入れ、トラクタの走行による土の耕土鋤への抵抗力で、四角形の枠を構成する鉄骨の対角線上のバネが伸びて、略長方形となり、トラクタ車幅より外側に耕土鋤が突出し、コンクリート畦際の土を耕し、トラクタの取付支持部を上げて、枠用バネにより略平行四辺形の枠となってトラクタの回転運動を容易にするコンクリート畦際残土処理農具。
- トラクタの車体後部に取り付け、トラクタの取付支持部で上下運動ができるコンクリート畦際の土を耕すコンクリート畦際残土処理農具であって、四角形の枠を構成する鉄骨に支柱を立てて、同じ四角形の枠の鉄骨をその上に平行に重ね、上部の四角形の前枠又は上部と下部の四角形の前枠をトラクタに取り付け、下部の四角形の後枠の左右いずれかの端の外側下方に、耕土鋤を付けた請求項1のコンクリート畦際残土処理農具。
- 耕土鋤に移動制御ローラを付設した請求項1又は請求項2のいずれかのコンクリート畦際残土処理農具。
- 耕土鋤の高さを調整する高さ調整冶具を付けた請求項3のコンクリート畦際残土処理農具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010002914U JP3160996U (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | コンクリート畦際残土処理農具 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010002914U JP3160996U (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | コンクリート畦際残土処理農具 |
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JP (1) | JP3160996U (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110999584A (zh) * | 2020-01-19 | 2020-04-14 | 李殿奎 | 荒沙治理用智能土壤分离机 |
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2010
- 2010-04-30 JP JP2010002914U patent/JP3160996U/ja not_active Expired - Fee Related
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