JP3145046U - かかと用貼付材 - Google Patents

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Abstract

【課題】起立時や歩行時にかかと部分に大きな負荷がかかってもあかぎれや縦方向にのびるひび割れが開いてしまうのを防いで、かかとにできたあかぎれやひび割れを効果的に改善・治癒することのできるかかと用貼付材を提供する。
【解決手段】透湿フィルムと不織布を積層した支持体に粘着剤層を設けて基布3を形成する。この基布3全体を平面視略楕円形状に設け、外縁側方から内方に向かって延びる切欠部9を形成する。この基布3の10%引張応力を、かかとの縦方向に沿う方向では1〜3N/25mmとし、これに直交する横方向では35〜55N/25mmとする。
【選択図】図5

Description

本発明は、かかとに貼付して角質の荒れを改善し、かかとを保護するための貼付材に関する。
一般に、健康な皮膚は充分な水分を含み、潤いと張りを有しているが、空気の乾燥などによって皮膚の保湿性が低下すると、露出している手の甲や指先、かかとなどの角質が荒れ、あかぎれやひび割れが生じることがある。
中でもかかとに生じるひび割れは、特に治癒するのが難しい。かかとに生じるひび割れは、地面に対して垂直な縦方向にできることが多いが、立ったり歩いたりするときに、かかと部分には全体重の約70%もの重みがかかると言われており、かかと部分は上下方向(縦方向)に強く押し潰され、ひび割れは横方向に押し拡げられるようになる。こうしたひび割れは、かかとをついていないときには閉塞しようとするものの、かかとをついたときには上記の如く横方向に拡開され、閉塞しようとしてもこのような拡開作用が繰り返されるので、ひび割れはなかなか塞がらず、悪化するばかりである。
だからといって、日常生活において、立ったり歩いたりしない訳にもいかないし、さらに、靴やパンプス、ヒール、ミュール、サンダルなどを履かなければならず、上記の如く常に体重がかかるので強い痛みを感じると共に更にかかと部分の角質を硬く厚くしてしまうので、水分が一層行き渡らなくなって症状が益々悪化してしまうことも多い。
従来から、かかとの角質の荒れを改善することを目的として、化粧水、クリーム、乳液等が使用されてきた。これらの塗布剤は、皮膚に対してある程度の保湿性の向上効果は得られるものの、外部との接触、乾燥、摩擦などによって皮膚上から消失するので保湿性の持続効果も十分ではなかった。
こうした点を改善するために、かかとを被覆保護することによりあかぎれやひび割れを改善するための貼付材が提供されるようになった。例えば、貼付材をかかとを覆う形状に予め形成しておき、その内面に創傷治癒促進剤を設けたもの(特許文献1)や、乾燥防止用のラテックスシートの上にこれより大きな可撓性粘着シートを貼り付け、ラテックスシートの周囲に形成された粘着部でかかと部に貼付け固定するようにしたもの(特許文献2)が知られている。しかし、こうしたものでも、立ったり歩いたりしたときにかかと部分に大きな負荷がかかり、かかと部分が押し潰されてひび割れが開いてしまうことに変わりはなく、あかぎれやひび割れの改善・治癒には未だ満足のいくものではない。
特開2006−141929号公報(特許請求の範囲、段落0007、図面) 特開2000−24026号公報(特許請求の範囲、図面)
本考案は、上記の如く起立時や歩行時にかかと部分に大きな負荷がかかってもひび割れが開いてしまうのを防ぎ、靴やパンプス、ヒール、ミュール、サンダルなどを履いて歩くときにも痛みなどを緩和すると共に角質の厚化を防いで、かかとにできたあかぎれやひび割れを効果的に改善・治癒することのできるかかと用貼付材を提供しようとするものである。
本考案によれば、透湿フィルムと不織布を積層した支持体を設け、この支持体の不織布の表面に粘着剤層を設けて基布を形成し、この基布をかかとの底面から背面に沿わせて貼付したときに側面を含めてかかと部分全体を覆うことができるよう上記基布の外縁両側から内方に向かって延びる切欠部を設ける。上記基布は、その10%引張応力を上記かかとの底面から背面に沿う縦方向では1〜3N/25mmとし、これと直交する横方向では35〜55N/25mmとしたことを特徴とするかかと用貼付材が提供され、上記課題が解決される。
また、好ましくは、上記透湿フィルムの表面に、動摩擦係数(μ)が0.35〜1.00と低くなるようなコーティング層を設けて基布を形成する。
本考案のかかと用貼付材は、上記したようにかかと部分の全体を覆うように貼付することができ、こうして貼付した状態で立ったり歩いたりすると、この貼付材はかかとの縦方向には伸縮しやすいから、かかと部分の皮膚が縦方向に自由に伸びたり縮んだりして足の動きを規制せず、立ったり、座ったり、歩いたりするときに何の妨げにもならない。一方、この貼付材は横方向に伸縮性が少ないので、立ったり歩いたりしたとき、特に靴やパンプス、ヒール、ミュール、サンダルなどを履いて歩いたときにかかと部分に大きな荷重がかかって、かかと部分が押し潰されそうになっても横方向にはしっかりと締め付け状態を保っているから、ひび割れを拡げてしまうことがなく、塞いだままの状態を維持することができ、痛みを緩和させると共にあかぎれやひび割れを早期に治癒させることができる。また、この貼付材は、上記の如くかかと部分全体を密閉的に覆うので、外気との接触を遮断しつつ透湿状態が維持され、かかと部分の角質の乾燥を防ぐことができる。
さらに、上記透湿フィルムの表面にコーティング層を形成したものでは、外部との摩擦が大幅に低減され、足の動きが激しくても貼付剤を剥がすことなく確実に貼り付けておくことができるので、治癒が速められる。また、この貼付材を貼付した場合、休息中や睡眠中は勿論、日中も含め日常生活全般を通じて継続的にかかとを被覆保護し続けることができるから、あかぎれの改善、治癒効果がより一層促進される。
図1ないし図4を参照しながら説明すると、透湿フィルム4に不織布5を積層した支持体2の不織布5側に粘着剤層6を設けた基布3によってかかと用貼付材1が形成されている。
上記透湿フィルムは、透湿性を有し、かかとのあかぎれ部分が摩擦による刺激を受けないよう適度の伸縮性、弾力性及び強靭性を有するフィルムであって、フィルムの透湿度は、JIS−L−1099のA1法で約2000〜4000g/m・24hrレベルのものが好ましく、厚さを約50μm以下、好ましくは約10〜30μmに形成すると、必要以上に蒸れることなく適度な透湿性を維持することができる。
図示する透湿フィルム4は、エーテル系のポリウレタンフィルムを用いたものである。
上記不織布5としては、適宜の不織布を用いることができるが、ポリエステル不織布を用いるとよい場合が多い。下記する伸縮性、強度等の観点から、目付けは約20〜40g/mで、厚さは、約500μm以下、好ましくは約300〜400μmのものを用いるのがよい。
上記透湿フィルム4と不織布5は積層し、ヒートシール等により一体化されて支持体2としているが、接着剤によりラミネートして一体化することもできる。接着剤としては、ポリウレタン、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、アクリル、アミド、ゴム系、デンプン、カゼイン酢酸ビニルエマルジョン等適宜の接着剤を用いることができる。
また、この支持体の透湿フィルムの表面には、不織布表面の凹凸が転写されているのが好ましく、この凹凸の高低差は約4μm〜35μm程度になるようにするとよい。このように、透湿フィルムの表面に不織布の凹凸が転写されていると、外部(例えば、靴や靴下、ストッキングなど)と支持体の表面との接触面積が減少して滑り性が良くなるから、例えば摩擦を原因とするストッキングの伝線や貼付剤の剥がれなどを効果的に防ぐことができる。
粘着剤層6の粘着剤は、痒み、発赤等皮膚への一次刺激などを起こさず、確実に皮膚に密着できる非水系粘着剤を用いるのが好ましい。この非水系粘着剤としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体、ポリウレタン系重合体などが挙げられ、重合性成分としては、アクリル酸アルキルエステル等のモノマー、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルピロリドン、酢酸ビニルなどの単量体が挙げられる。この場合、かかとは角質が厚いこと、上記の如くかかとには全体重の約70%の重量がかかることなどを考慮すれば、通常の歩行時の使用に耐えうるように、適度に硬く、負荷がかかってもずれにくい性質の粘着剤を使用するのが好ましい。具体的には、架橋程度に応じて硬さが調整可能で患部のひび割れを閉塞し続けることができ、かつ、使用者が感じる痛みなどに応じて皮膚への粘着力を調整することができるアクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。このアクリル系粘着剤としては、炭素数1〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸から得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを1種または2種以上使用したものと、例えばアクリル酸のような官能基モノマーとの共重合体などを用いるのがよい。
また、皮膚への粘着力を向上させるために、上記粘着剤に加え粘着付与樹脂を配合することもできる。このような粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン,水添ロジン,水添ロジンエステルなどのロジン系樹脂、テルペン樹脂,水添テルペン樹脂,テルペンフェノール樹脂,芳香族変性テルペン樹脂,水添芳香族変性テルペン樹脂などのテルペン系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂環族系水添石油樹脂、クマロン・インデン樹脂などが挙げられる。これらの粘着付与樹脂の中でも、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂などのテルペン系樹脂が好ましい。この場合には、アクリル系粘着剤100重量部に対して、約10〜30重量部の範囲で配合される。本実施例の上記粘着剤には、テルペンフェノール樹脂が約20部配合されている。
さらに、粘着剤の硬さ(凝集力)を増大させるために、各種架橋剤を配合することもでき、このような架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多価金属塩などが挙げられる。アクリル系粘着剤に架橋剤を添加する場合、その使用割合は、アクリル系粘着剤100重量部に対して、好ましくは約0.01〜3重量部、より好ましくは約0.02〜2重量部、最適なのは約0.1〜0.5重量部である。本実施例の上記粘着剤には、エポキシ系架橋剤のテトラッドX 0.2部が配合されている。
この粘着剤には、上記成分の他、皮膚への接着性を妨げない程度に、高吸水性高分子化合物、可塑剤、粘着付与剤等や抗炎症剤、皮膚軟化剤等の角質改善成分、保湿成分、血流促進成分等の薬効成分、香料、酸化防止剤、防腐剤などを含有させることができる。防腐剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン、パラベン、安息香酸塩、ビタミンE、ヒノキチオール等があげられ、その含有量としては、粘着剤組成物中に約0.0001〜3質量%にするのが好ましい。なお、必要に応じて適宜の成分を配合することにより、あかぎれ以外にも、例えば、肌荒れ、角質肥厚化、乾燥肌、乾皮症などの治癒に用いることができる。
上記支持体に粘着剤層を形成する方法は特に限定されるものではないが、上記支持体にナイフコータ、リバースコータ、コンマコータ等にて粘着剤を直接塗布し、溶媒を乾燥してから剥離シートを重ね合わせたり、剥離シート上に同様に塗布し、乾燥後、これを支持体に貼り合わせるのが一般的である。粘着剤の乾燥後の厚さは、通常約10〜200μm、好ましくは約20〜100μmである。
上記基布は、かかと部分に貼付したときかかとの底面から背面に向かう縦方向では10%引張応力を1〜3N/25mmとしているのに対し、この縦方向と直交する横方向では10%引張応力を35〜55N/25mmとしており、縦方向の伸縮性よりも横方向の伸縮性の方がはるかに小さくなっている。なお、この10%引張応力は、JIS Z2037に基づいて測定したものである。
この基布の縦方向と横方向のモジュラスバランスを上記のような範囲にする方法は特に限定されるものではないが、上記基布を構成する透湿フィルム、不織布、粘着剤層のうち、主として不織布の縦横のモジュラスバランスを調整して上記の如き基布にするとよい。
図示する基布3においては、10%引張応力を縦方向で1.8N/25mmとしているのに対し、横方向で44.9N/25mmとしている。
上記基布は、患者のかかと部分の全体を覆うことができるような大きさに形成される。この大きさは、患者の足の大きさによって多少の差が生じるものの、一般的には、縦が約80〜100mm、横が約60〜80mm程度の略楕円形状に形成するとよい。上記基布の形状は略楕円形状に限られるものではないが、かかと部分に貼付したときに角部や突出部ができない、滑らかに湾曲する形状にすると、剥がれのきっかけとなることが少ないので好ましい。
この基布には、かかとの底面から背面に沿わせて貼付したとき側面を含めてかかと部分全体を重なり部分が少なくスムーズに覆うことができるよう、上記基布の外縁両側から内方に向かって延びる切欠部が設けられている。この切欠部は、上記基布の縦方向を上部と下部で約1:2〜1:3に内分する位置に、基布の外縁両側から約12mm〜25mm程度内方に切り込む略V字状に形成するとよいが、場合によってはスリット状にすることもできる。
図示するものでは、縦(L)が約95mm、横(W)が約76mmの略楕円形状に形成し、縦方向を約1:2に分けるように下辺から約65mm程度の位置に、外縁8の両側から内方に向かって約15mm程度に延びる略V字状の切欠部9が左右対称に形成されている。この切欠部9は、直線部10と湾曲部11と直線部12により角部の少ない形状にされている。
概略、この切欠部9の直線部10を境にして、下部がかかとの底面ないし側面に沿って貼付される底面被覆部13、上部がかかとの背面ないし側面に沿って貼付される背面被覆部14となっている。
上記粘着剤層の表面には、通例、これを被覆保護するために剥離シートを被せるとよい。
この剥離シートとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、樹脂コーティング上質紙、樹脂コーティンググラシン紙などを使用することができる。また、所望により、剥離シートの片面あるいは両面に、コロナ処理、シリコン処理など離型処理を施したり、エンボス加工により剥離シートの表面に凹凸を形成してもよい。剥離シートの厚さは、取り扱い性の観点から、約500μm以下、好ましくは約10〜200μmにするのがよい。この剥離シートは、1枚で粘着剤層を覆うようにすることもできるが、複数に分割して覆うようにしてもよい。
図示の剥離シート7は、略直線状の分割切線16によって、背面被覆部14を覆う小シート片17と略底面被覆部13を覆う大シート片18に二分割され、それぞれに摘み片19、20が設けられており、この摘み片20を上記摘み片19と並行した状態に折り畳んでいる。
このかかと用貼付材1を使用する際は、まず、上記摘み片19を摘んで上記大シート片18を剥ぎ取り、露出された上記底面被覆部13の粘着剤層6をかかと15の底面部に軽く接着させ、次いで、上記摘み片20を摘んで上記小シート片17をめくりながら、上記背面被覆部14をかかとの湾曲部に沿うように貼付する。次いで、底面被覆部13の側面側をかかと15の側面に貼り付け(図4、図5)、
上記切欠部9のスペースを閉じるようにしつつ、上記背面被覆部14を上記底面被覆部13に重ね合わせるようにしながら、かかと15の側面側をしっかりと覆うように貼付すれば(図6)、側方への皮膚の拡張を規制することができる。
このかかと用貼付材は、かかと部にできた角質が入浴時に最も除去されやすいことから、毎日入浴後に貼り替えるようにすると改善・治癒効果を促進することができる。
上記した透湿フィルムの表面には、コーティング層を設けて、表面の動摩擦係数を低くして滑り性をよくするようにすることができる。
具体的には、JIS P 8157に基づいて測定したとき、動摩擦係数(μ)が約0.35〜1、好ましくは約0.4〜0.85となるようコーティングするのが好ましい。コーティングの処理剤としては、例えば、顔料、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはメジュームなどの処理剤を使用し、印刷やスプレー法などにより、処理面積率が上記透湿フィルムの約3〜100%になるようコーティングするのがよい。塗布量としては、10〜20wetg/mが好ましい。コーティング層の厚みは約5〜200μmとするのがよく、好ましくは約10〜100μm、さらに好ましくは約15〜50μmである。処理剤は、平面状に塗布することもできるが、ドットや線状などにして塗布してもよい。
下記実施例1、2及び比較例1、2を用意して、評価試験を行った。
(実施例1)
アクリル系粘着剤(アクリル酸2−エチルヘキシルエステル/酢酸ビニル/アクリル酸=80/16/4重量比の共重合体)100部に、テルペンフェノール樹脂20部、エポキシ系架橋剤(テトラッドX、三菱瓦斯化学社製)0.2部を配合した有機溶剤溶液を、剥離シートの片面に乾燥後の厚さが50μmとなるように塗布し、その後乾燥して粘着剤層を形成した。ポリウレタンフィルムとポリエステル不織布の積層体(ST1030 AQY(クラレ社製))を支持体として、その不織布側に上記剥離シート上に形成した粘着剤層を転写して基布を形成し、縦95mm、横76mmの略楕円形状(図1参照)にして、両側から切欠部を設けてかかと用貼付材とした。この貼付材の透湿度は、JIS−L−1099のA1法で測定したところ、約630g/m・24hrであった。

(実施例2)
上記実施例1の支持体のポリウレタンフィルム表面に、メジュームを含むウレタン系グラビアインキ(メチルエチルケトン、酸化チタン(IV)、合成樹脂類、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、酢酸プロピル、メチルイソブチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール、顔料、助剤の混合物)をグラビア方式で15wetg/m塗布した以外は実施例1と同様にしてかかと用貼付材とした。

(比較例1)
支持体をウレタン不織布(FHO−90(KBセーレン製))単体とした以外は実施例1と同様にしてかかと用貼付材を得た。
(比較例2)
支持体をウレタン不織布(R−739(ユニセル製))単体とした以外は実施例1と同様にしてかかと用貼付材を得た。
(性状試験)
実施例1及び比較例1、2について、貼付材の厚さ、坪量及び10%引張荷重を測定した。10%引張荷重の数値は、JIS Z0237に基づいて、各貼付材を縦75mm×横25mmに裁断し、インストロン型引張試験機により、つかみ間隔を50mmとして、この裁断片を縦方向に10%引き伸ばし、その際の応力(N)を測定した。また横方向については、各貼付材を縦25mm×横75mmに裁断し、つかみ間隔を50mmとして、縦方向に準じて測定した。
各性状は、表1に示すとおりである。

Figure 0003145046
上記の実施例1及び比較例1、2を用いて、下記するように、(1)貼付性、(2)粘着剤表面へのゴミの付着状況、(3)入浴時におけるテープの貼付状況に関する評価試験を行った。
(1)貼付性
かかとにあかぎれ症状の見られる20代から30代の6〜7人の男女による使用テストを行った。貼付剤は、図1に示す形状に形成した貼付材を使用した。夜、入浴後に貼付材をかかとに貼り、使用中に剥がれたか否かを翌日の夜の入浴前に、貼付したままの状態で調べた。
評価は以下の4段階評価基準にしたがい、その割合(%)を求めた。
A:全くはがれていない
B:一部剥がれたが問題ではない
C:剥がれて問題であった
D:完全に剥がれた
(評価基準:使用中に剥がれが生じていない方が好ましい)
(2)粘着剤表面へのゴミの付着状況
上記(1)に関連して、剥がれが生じたものについて、その粘着剤表面へのゴミの付着状況を調べた。
評価は以下の5段階評価基準にしたがい、その割合(%)を求めた。
A:全くゴミがつかなかった
B:一部にゴミがついていたが問題ではない
C:ゴミがついて問題であった
D:ゴミが全面についていた
E:わからなかった
(評価基準:ゴミの付着が見られない方が高評価である)
(3)入浴時におけるテープの貼付状況
上記(1)及び(2)の状況を観察後、貼付材を貼ったまま入浴し、入浴後の貼付材の状況を調べた。
評価は以下の6段階評価基準にしたがい、その割合(%)を求めた。
A:剥がれなかった
B:一部剥がれた
C:徐々に剥がれた
D:すぐに剥がれた
E:すでに剥がれていた
F:わからなかった
(評価基準:剥がれが生じていない方がよい)
上記(1)、(2)、(3)の試験の結果は、表2に示すとおりである。

Figure 0003145046
上記の実施例1、2及び比較例1、2を用いて、下記するように、(4)自背面粘着力、(5)動摩擦値測定に関する評価試験を行った。
(4)自背面粘着力
JIS−Z−0237に基づいて測定した。具体的には貼付材を縦75mm×横18mmに裁断し、これを縦75mm×横25mm幅に裁断した貼付材の支持体(自背面)に貼付して、インストロン型引張試験機により、引きはがし速度を300±30mm/minとして、180°剥離力(N)を測定した。
(5)動摩擦値測定
JIS P8147に基づき測定した。
上記(4)、(5)の試験の結果は、表3に示すとおりである。

Figure 0003145046
上記の実施例2を用いて、下記するように、(6)連続貼付性に関する評価試験を行った。
(6)連続貼付性
実施例2の貼付材を、かかとのあかぎれ症状を伴う20代から60代の42人の男女に貼付して使用テストを行った。貼付剤は、図1に示すような形状に形成した貼付材を使用した。このテストは、夜、入浴後又は就寝前に貼付材をかかとに貼り、翌日の夜の入浴前に剥がれの状況を調べた後で新しい貼付材を入浴後又は就寝前にかかとの同部位に貼付するという操作を、連続7日間実施し、(i)剥がす直前の付着状態、(ii)剥がした後の皮膚(かかと背面)のふやけ状態、(iii)患部の症状、(iv)貼付中の患部の痛みの四項目につき、前日と比較して、次の評価基準により確認した。
上記(6)(i)の「剥がす直前の付着状態」について、以下の4段階評価基準に従い、割合(%)を示した。
A:全く剥がれていない
B:一部剥がれたが問題ではない
C:剥がれて問題であった
D:完全に剥がれた
(評価基準:剥がれが生じていない方が好ましい)
上記(6)(i)の試験の結果は、表4に示すとおりである。

Figure 0003145046
上記(6)(ii)の「剥がした後の皮膚(かかと背面)のふやけ状態」について、以下の5段階評価基準に従い、割合(%)を示した。
A:より乾燥している
B:まったく変わらない
C:程よく潤っている
D:蒸れて白くなっている
E:ジュクジュクになっている
(評価基準:乾燥しすぎず、蒸れすぎず、程よく潤っているのがよい)
上記(6)(ii)の試験の結果は、表5に示すとおりである。
Figure 0003145046
上記(6)(iii)の「患部の症状の前日との比較」は以下の4段階評価基準に従い、割合(%)を示した。
A:完治
B:かなり改善
C:少し改善
D:変化なし
E:悪化した
結果は、表6に示すとおりである。

Figure 0003145046
上記(6)(iv)の「貼付中の患部の痛み」に関して、前日と比較し、以下の4段階評価基準に従い、割合(%)を示した。
A:痛みが大いに軽減された
B:痛みが軽減された
C:痛みが若干軽減された
D:変化なし
E:痛みが増した
結果は、表7に示すとおりである。

Figure 0003145046
(考察)
表1に示すように、実施例1では、比較例1、2の貼付剤と異なり、支持体がポリウレタンフィルムと不織布の積層体で、その横方向の伸縮性が縦方向の伸縮性よりはるかに小さくなるように形成されており、表2を見ると、実施例1は、比較例1、2に比べ、貼付性に優れており、剥がれた粘着剤表面にゴミが付着しにくく、その後貼ったまま入浴しても剥がれにくいことが分かる。
また、表3から明らかなように、実施例1及びこれにコーティング層を設けた実施例2は、比較例1、2に比べ、いずれも自背面粘着力が強く重ね貼り部分からの捲れ防止の効果に有効である。特に実施例2は、動摩擦係数が他のものと比べて格段に低いので、外部との摩擦を原因とする貼付剤の剥がれを効果的に防ぐのに有効であることが判る。さらに、実施例2は、長時間貼付しても、剥がれにくく(表4)、適度な透湿性を有し(表5)、本発明の目的である一定の改善・治癒効果が認められると共に(表6)、痛みを一定程度和らげる(表7)ことが確認できた。以上の実験結果より、本発明の実施例に係る貼付剤は、かかとのあかぎれを改善・治癒するのに、実用上充分に有効であるとの評価が得られた。
本考案の一実施例を示す平面図である。 図1の貼付剤の一部を拡大して示す側面図である。 図1の貼付剤の剥離シート側を示す斜視図である。 図1に示す貼付剤の使用状態(使用手順)の一例を示し、かかと底面部に底面被覆部を貼付した状態の説明図である。 図4に続いてかかと背面部に背面被覆部を貼付した状態の説明図である。 図5に続いて底面被覆部と背面被覆部を重ね合わせて貼付した状態(貼付完了時)の説明図である。
符号の説明
1 貼付剤
2 支持体
3 基布
4 透湿フィルム
5 不織布
6 粘着剤層
7 剥離シート
9 切欠部
13 底面被覆部
14 背面被覆部
16 分割切線
17 小シート片
18 大シート片
19、20 摘み片

Claims (5)

  1. 透湿フィルムと不織布を積層した支持体を設け、該支持体の不織布の表面に粘着剤層を設けて基布を形成し、該基布をかかとの底面から背面に沿わせて貼付したとき側面を含めてかかと部分全体を覆うことができるよう上記基布の外縁両側から内方に向かって延びる切欠部を設け、上記基布の10%引張応力を上記かかとの底面から背面に向かう縦方向では1〜3N/25mmとし、これと直交する横方向では35〜55N/25mmとしたことを特徴とするかかと用貼付材。
  2. 上記支持体の透湿フィルムはポリウレタンフィルムで形成され、不織布はポリエステル不織布で形成されている請求項1に記載のかかと用貼付材。
  3. 上記透湿フィルムは、厚さ50μm以下、透湿度がJIS−L−1099のA1法で2000〜4000g/m2・24hrレベルであり、上記不織布は、厚さ500μm以下、目付が20〜40g/m2である請求項1または請求項2に記載のかかと用貼付材。
  4. 上記基布は、かかとの底面から背面に向かう縦方向が80〜100mm、これと直交する横方向が60〜80mmの略楕円形状であり、上記切欠部は上記縦方向に上部と下部を1:2〜1:3に内分する位置に、基布の外縁両側から12mm〜25mm内方に略V字状の切込み状態に設けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のかかと用貼付材。
  5. 上記透湿フィルムの表面に、動摩擦係数(μ)が0.35〜1と低くなるようコーティング層を設けて上記基布を形成した請求項1〜請求項4のいずれかに記載のかかと用貼付材。
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