JP3139299U - 植物栽培システム - Google Patents

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Abstract

【課題】作業スペースを確保しつつ、より栽培密度を高めることができる植物栽培システムを提供する。
【解決手段】複数の移動架台11が、水平方向に伸びて並列に配置され、互いの間隔を変更可能に、それぞれ幅方向に移動可能に設けられている。各移動架台11は、その幅方向の両側部に、それぞれ上下動可能に設けられた1対の栽培棚23を有している。各移動架台11ごとに棚用回転シャフト25と棚用回転モータ26と棚用ワイヤ27とを有している。棚用回転シャフト25は各移動架台11にその長さ方向に伸びて回転可能に設けられている。棚用回転モータ26は棚用回転シャフト25を正転および反転可能に各移動架台11に設けられている。棚用ワイヤ27は両端にそれぞれ栽培棚23が吊り下げられ、棚用回転モータ26の回転により一方の栽培棚23が上昇するとき他方の栽培棚23が下降するよう棚用回転シャフト25に巻き付けられている。
【選択図】図1

Description

本考案は、植物栽培システムに関する。
従来、イチゴなどの植物をハウス内で水耕栽培するための装置として、水耕栽培用の栽培槽を支持する支持台を、軌道上で自在に移動可能に構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。この水耕栽培装置によれば、支持台を順次移動させることにより、任意の栽培槽の脇に、葉かきや摘果などを行うための作業スペースを確保することができる。また、このため、各栽培槽の脇に作業スペースを設ける場合に比べて、栽培面積を拡げることができ、栽培密度を高めることができる。
特公平4−79615号公報
しかしながら、特許文献1記載の水耕栽培装置は、支持台を移動させて作業スペースを確保するために、少なくとも一つ分の作業スペースが必要であり、そのスペースには栽培することができないという課題があった。
本考案は、このような課題に着目してなされたもので、作業スペースを確保しつつ、より栽培密度を高めることができる植物栽培システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本考案に係る植物栽培システムは、複数の移動架台と複数の栽培棚とを有し、各移動架台は水平方向に伸びて並列に配置され、それぞれ幅方向に移動可能に設けられ、各栽培棚は各移動架台の幅方向の両側部に上下動可能に設けられていることを、特徴とする。
本考案に係る植物栽培システムは、ハウスなどに設置され、イチゴなどの植物を植えた栽培槽を各栽培棚の上に載せて、植物を栽培するのに使用される。本考案に係る植物栽培システムは、各移動架台の両側部に設けられた各栽培棚を上下動させて、隣り合う移動架台の、相対する栽培棚の高さをずらし、その相対する栽培棚が上下に配置されるよう、各移動架台を幅方向に移動させることができる。このため、ハウスなどの敷地いっぱいに栽培棚を敷き詰めるよう各移動架台を設置しても、栽培棚および移動架台を移動させることにより、各栽培棚の間に作業スペースを設けることができる。このため、作業スペースを確保しつつ、敷地を最大限に利用して栽培面積を拡げることができ、より栽培密度を高めることができる。また、栽培密度を高めることにより、イチゴなどの植物の生産性を向上させることができる。
各移動架台の幅方向の移動および各栽培棚の上下動は、モータなどによる電動であってもよく、手動であってもよい。また、任意の位置に作業スペースを出現させるよう、各移動架台および各栽培棚の動きを自動で制御可能な制御部を有していてもよい。太陽の位置を検出し、各栽培棚に載せられた栽培槽に効率よく日光が当たるよう、各移動架台および各栽培棚を自動で移動させる自動制御手段を有していてもよい。この場合、効率的な日光の照射がイチゴなどの植物の生長を促し、より生産性を高めることができる。
本考案に係る植物栽培システムで、各移動架台ごとに棚用回転シャフトと棚用回転モータと棚用ワイヤとを有し、
前記棚用回転シャフトは各移動架台にその長さ方向に伸びて回転可能に設けられ、前記棚用回転モータは前記棚用回転シャフトを正転および反転可能に各移動架台に設けられ、前記棚用ワイヤは両端にそれぞれ前記栽培棚が吊り下げられ、前記棚用回転モータの回転により一方の栽培棚が上昇するとき他方の栽培棚が下降するよう前記棚用回転シャフトに巻き付けられていることが好ましい。この場合、棚用回転モータの回転により、棚用回転シャフトに巻き付けられた棚用ワイヤの一端側が棚用回転シャフトに巻き取られ、巻き付けられた棚用ワイヤが棚用回転シャフトから他端側に繰り出される。これにより、一端に吊り下げられた栽培棚を上昇させ、他端に吊り下げられた栽培棚を下降させることができる。また、棚用回転モータを反転させることにより、一端に吊り下げられた栽培棚を下降させ、他端に吊り下げられた栽培棚を上昇させることができる。この場合、1つの棚用回転モータで、各栽培棚を効率よく上下動させることができる。
本考案に係る植物栽培システムで、各移動架台ごとに1対の棚用移動手段を有し、各棚用移動手段は各移動架台の幅方向の両側部にそれぞれ設けられ、棚用回転シャフトと棚用回転モータと棚用ワイヤとを有し、前記棚用回転シャフトは各移動架台にその長さ方向に伸びて回転可能に設けられ、前記棚用回転モータは前記棚用回転シャフトを正転および反転可能に各移動架台に設けられ、前記棚用ワイヤは一端が前記棚用回転シャフトに取り付けられ、他端に前記栽培棚が前記棚用回転モータの回転により昇降可能に吊り下げられていてもよい。この場合、棚用回転モータの回転により、棚用ワイヤが棚用回転シャフトに巻き取られ、他端に吊り下げられた栽培棚を上昇させることができる。また、棚用回転モータを反転させることにより、巻き取られた棚用ワイヤが棚用回転シャフトから繰り出され、他端に吊り下げられた栽培棚を下降させることができる。この場合、各栽培棚を独立して任意に上下動させることができる。
本考案に係る植物栽培システムは、架台移動レールと架台用ワイヤとを有し、前記架台移動レールは水平に設けられ、前記架台用ワイヤは両端が前記架台移動レールの両端に固定され、各移動架台ごとに架台用回転シャフトと架台用回転モータと移動用キャスターとを有し、前記架台用回転シャフトは各移動架台にその長さ方向に伸びて回転可能に設けられ、回転により前記架台用ワイヤに沿って移動可能に前記架台用ワイヤが巻き付けられ、前記架台用回転モータは前記移動架台用回転シャフトを正転および反転可能に各移動架台に設けられ、前記移動用キャスターは各移動架台に取り付けられ、前記架台移動レールに沿って移動可能に前記架台移動レールと係合していることが好ましい。この場合、架台用回転モータの回転により、架台用回転シャフトに巻き付けられた架台用ワイヤの一端側が架台用回転シャフトに巻き取られ、巻き付けられた架台用ワイヤが架台用回転シャフトから他端側に繰り出される。これにより、移動架台を、移動用キャスターにより架台移動レールに沿って幅方向に移動させることができる。
本考案によれば、作業スペースを確保しつつ、より栽培密度を高めることができる植物栽培システムを提供することができる。
以下、図面に基づき、本考案の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は、本考案の第1の実施の形態の植物栽培システムを示している。
図1乃至図3に示すように、植物栽培システム10は、ハウス1の内部に設けられ、複数の移動架台11と架台移動レール12と架台用ワイヤ13とを有している。
図1乃至図3に示すように、各移動架台11は、スチール製で、架台本体21と移動用キャスター22と1対の栽培棚23と中央吊下棚24と棚用回転シャフト25と棚用回転モータ26と棚用ワイヤ27と架台用回転シャフト28と架台用回転モータ29とを有している。図2および図3に示すように、架台本体21は、複数の枠体31と、各枠体31を連結する複数の連結梁材32とを有している。図2に示すように、各枠体31は、所定の間隔を開けて互いに平行に垂直に配置された1対の側方枠材33と、各側方枠材33の上端を連結して水平に設けられた上枠材34と、各側方枠材33の下端を連結して水平に設けられた下枠材35とを有している。下枠材35は、両端が各側方枠材33より外側に突出するよう設けられている。図3に示すように、各枠体31は、各側方枠材33、上枠材34および下枠材35を含む面が互いに平行になるよう、所定の間隔を開けて配置されている。各連結梁材32は、各枠体31を一体的に連結するよう設けられている。各連結梁材32は、隣り合う各枠体31の、対応する各側方枠材33と下枠材35との接続部同士を連結して水平に設けられている。
図2および図3に示すように、各枠体31は、上枠材34の両端上部に、1対の棚用ローラ36を有している。各棚用ローラ36は上枠材34の長さ方向に沿って回転するよう取り付けられている。また、架台本体21は、各連結梁材32の各枠体31に近い両端部に、移動用ガイドローラ37を有している。各移動用ガイドローラ37は、各枠体31の下枠材35の長さ方向に沿って回転するよう取り付けられている。
移動用キャスター22は、各枠体31の下枠材35の両端下部に取り付けられている。移動用キャスター22は、下枠材35の長さ方向に沿って回転するよう取り付けられ、各移動架台11を幅方向に移動させるようになっている。
図2および図3に示すように、各栽培棚23は、各枠体31を連結した方向、すなわち各移動架台11の長さ方向に沿って、各移動架台11の両側部に設けられている。各栽培棚23は、各枠体31の対応する各側方枠材33を連結するよう設けられている。各栽培棚23は、各側方枠材33の外側に向かって突出するよう、各側方枠材33に上下動可能に設けられている。各栽培棚23は、イチゴなどの植物を植えた栽培槽2を上載可能になっている。
中央吊下棚24は、各移動架台11の長さ方向に沿って、各枠体31の上枠材34を連結するよう設けられている。中央吊下棚24は、各枠体31の上枠材34から吊り下げられた状態で取り付けられている。中央吊下棚24は、イチゴなどの植物を植えた栽培槽2を上載可能になっている。
図2および図3に示すように、棚用回転シャフト25は、各移動架台11の長さ方向に伸びて、各枠体31の上枠材34の中央上部に架け渡されている。棚用回転シャフト25は、その中心軸回りに回転可能に、ベアリング(図示せず)を介して各上枠材34に取り付けられている。棚用回転モータ26は、棚用回転シャフト25の一端に接続され、棚用回転シャフト25をその中心軸まわりに正転および反転可能に設けられている。棚用回転モータ26は、棚用回転シャフト25の一端側に位置する枠体31の上枠材34の中央上部に設けられている。なお、棚用回転モータ26は、回転の駆動や回転方向を制御するためのリモコンスイッチ(図示せず)を有している。
棚用ワイヤ27は、各枠体31に対応して複数設けられている。棚用ワイヤ27は、中央部が棚用回転シャフト25に2回巻き付けられて、各棚用ローラ36を介して、一端に一方の栽培棚23が吊り下げられ、他端に他方の栽培棚23が吊り下げられている。これにより、図2に示すように、各移動架台11は、棚用回転モータ26の回転により、一方の栽培棚23が上昇するとき、他方の栽培棚23が下降するよう構成されている。なお、各移動架台11は、手動でも各栽培棚23を上下動可能になっている。
図2および図3に示すように、架台用回転シャフト28は、各移動架台11の長さ方向に沿って、各枠体31の下枠材35の中央上部に架け渡されている。架台用回転シャフト28は、その中心軸回りに回転可能に、ベアリング38を介して各下枠材35に取り付けられている。架台用回転モータ29は、架台用回転シャフト28の一端に接続され、架台用回転シャフト28をその中心軸まわりに正転および反転可能に設けられている。架台用回転モータ29は、架台用回転シャフト28の一端側の棚用回転モータ26が設けられているのと同じ枠体31の下枠材35の中央上部に設けられている。なお、架台用回転モータ29は、回転の駆動や回転方向を制御するためのリモコンスイッチ(図示せず)を有している。
図2および図3に示すように、架台移動レール12は、複数本から成り、ハウス1の床に、各移動架台11の幅方向に伸びて設けられている。各架台移動レール12は、各移動架台11の各枠体31の間隔に合わせて、互いに平行に設けられている。各架台移動レール12は、凹型の断面形状を有するC型鋼から成り、溝12aを上に向けて設置されている。架台用ワイヤ13は、各架台移動レール12に対応して複数から成り、各架台移動レール12に沿って設けられている。各架台用ワイヤ13は、両端が各架台移動レール12の両端に固定されている。
図1に示すように、植物栽培システム10は、ハウス1内で、各移動架台11が水平方向に伸びて並列に配置されている。図2および図3に示すように、各移動架台11は、各移動用キャスター22を各架台移動レール12の溝12aに係合させ、架台用回転シャフト28に各架台用ワイヤ13を2回巻き付けて配置されている。これにより、図1に示すように、各移動架台11は、架台用回転モータ29の回転により、互いの間隔を変更可能に、架台移動レール12に沿って幅方向に移動するよう構成されている。なお、各移動架台11は、手動でも幅方向に移動可能になっている。
次に、作用について説明する。
植物栽培システム10は、イチゴなどの植物を植えた栽培槽2を各栽培棚23および中央吊下棚24の上に載せて、植物を栽培するのに使用される。図2に示すように、植物栽培システム10は、棚用回転モータ26の回転により、棚用回転シャフト25に巻き付けられた棚用ワイヤ27の一端側が棚用回転シャフト25に巻き取られ、巻き付けられた棚用ワイヤ27が棚用回転シャフト25から他端側に繰り出される。これにより、一端に吊り下げられた栽培棚23を上昇させ、他端に吊り下げられた栽培棚23を下降させることができる。また、棚用回転モータ26を反転させることにより、一端に吊り下げられた栽培棚23を下降させ、他端に吊り下げられた栽培棚23を上昇させることができる。
また、架台用回転モータ29の回転により、架台用回転シャフト28に巻き付けられた架台用ワイヤ13の一端側が架台用回転シャフト28に巻き取られ、巻き付けられた架台用ワイヤ13が架台用回転シャフト28から他端側に繰り出される。これにより、移動架台11を、移動用キャスター22により架台移動レール12に沿って幅方向に移動させることができる。
これにより、図1に示すように、各移動架台11の両側部に設けられた各栽培棚23を上下動させて、隣り合う移動架台11の、相対する栽培棚23の高さをずらし、その相対する栽培棚23が上下に配置されるよう、各移動架台11を幅方向に移動させることができる。このため、ハウス1などの敷地いっぱいに栽培棚23を敷き詰めるよう各移動架台11を設置しても、栽培棚23および移動架台11を移動させることにより、各栽培棚23の間に作業スペースを設けることができる。このため、作業スペースを確保しつつ、敷地を最大限に利用して栽培面積を拡げることができ、より栽培密度を高めることができる。また、栽培密度を高めることにより、イチゴなどの植物の生産性を向上させることができる。
なお、図1に示す具体的な一例では、植物栽培システム10は、イチゴの水耕栽培に使用され、ハウス1の間口が5.5〜6m、移動架台11は、3台から成っている。栽培槽2は、防水性で、発泡スチロール製の箱をビニールで包み込んで形成されている。この場合、各栽培棚23および各移動架台11を移動させることにより、80〜90cmの作業スペースを確保することができ、各栽培槽2の脇に作業スペースを設ける場合に比べて、2〜2.3倍の栽培面積を確保することができる。
図4乃至図6は、本考案の第2の実施の形態の植物栽培システムを示している。
なお、以下の説明では、本考案の第1の実施の形態の植物栽培システム10の構成と同一の部材には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図4乃至図6に示すように、植物栽培システム50は、ハウス1の内部に設けられ、複数の移動架台51と架台移動レール12と架台用ワイヤ13とを有している。
図4乃至図6に示すように、各移動架台51は、スチール製で、架台本体61と移動用キャスター22と1対の栽培棚23と中央載置棚62と1対の棚用移動手段63と架台用回転シャフト28と架台用回転モータ29とを有している。図5および図6に示すように、架台本体61は、複数の枠体71と、各枠体71を連結する複数の連結梁材32とを有している。図5に示すように、各枠体71は、所定の間隔を開けて互いに平行に垂直に配置された1対の側方枠材72と、各側方枠材72の下端を連結して水平に設けられた下枠材73とを有している。下枠材73は、両端が各側方枠材72より外側に突出するよう設けられている。各枠体71は、各側方枠材72および下枠材73を含む面が互いに平行になるよう、所定の間隔を開けて配置されている。各連結梁材32は、各枠体71を一体的に連結するよう設けられている。各連結梁材32は、隣り合う各枠体71の、対応する各側方枠材72と下枠材73との接続部同士を連結して水平に設けられている。
図5および図6(b)に示すように、架台本体61は、各連結梁材32の各枠体71に近い両端部に、移動用ガイドローラ37を有している。各移動用ガイドローラ37は、各枠体71の下枠材73の長さ方向に沿って回転するよう取り付けられている。
図5に示すように、中央載置棚62は、各枠体71の各側方枠材72の間に、各側方枠材72を連結するよう水平方向に伸びて設けられている。中央載置棚62は、所定の高さに設けられ、イチゴなどの植物を植えた栽培槽2を上載可能になっている。
図5および図6(a)に示すように、各棚用移動手段63は、各栽培棚23に対応して設けられ、棚用回転シャフト74と棚用回転モータ75と複数の棚用ワイヤ76とをそれぞれ有している。各棚用回転シャフト74は、各側方枠材72の外側上部に、各移動架台11の長さ方向に沿って各枠体71に架け渡されるよう配置されている。各棚用回転シャフト74は、その中心軸回りに回転可能に、ベアリング77を介して各側方枠材72に取り付けられている。
各棚用回転モータ75は、各棚用回転シャフト74の一端に接続され、各棚用回転シャフト74をその中心軸まわりに正転および反転可能に設けられている。各棚用回転モータ75は、各棚用回転シャフト74の一端側に位置する枠体71の各側方枠材72の上部に設けられている。なお、各棚用回転モータ75は、回転の駆動や回転方向を制御するためのリモコンスイッチ(図示せず)を有している。
棚用ワイヤ76は、各側方枠材72に対応して複数設けられている。各棚用ワイヤ76は、一端が棚用回転シャフト74に取り付けられ、他端に対応する栽培棚23が吊り下げられている。各棚用ワイヤ76は、棚用回転モータ75の回転により、一端が棚用回転シャフト74に巻き取り可能になっている。これにより、図5に示すように、各移動架台51は、棚用回転モータ75の回転により、各棚用ワイヤ76が棚用回転シャフト74に巻き取られ、他端に吊り下げられた栽培棚23を上昇させるよう構成されている。
次に、作用について説明する。
植物栽培システム50は、イチゴなどの植物を植えた栽培槽2を各栽培棚23および中央載置棚62の上に載せて、植物を栽培するのに使用される。図5に示すように、植物栽培システム50は、棚用回転モータ75の回転により、各棚用ワイヤ76が棚用回転シャフト74に巻き取られ、他端に吊り下げられた栽培棚23を上昇させることができる。また、棚用回転モータ75を反転させることにより、巻き取られた各棚用ワイヤ76が棚用回転シャフト74から繰り出され、他端に吊り下げられた栽培棚23を下降させることができる。植物栽培システム50は、各栽培棚23を独立して任意に上下動させることができる。
また、架台用回転モータ29の回転により、架台用回転シャフト28に巻き付けられた架台用ワイヤ13の一端側が架台用回転シャフト28に巻き取られ、巻き付けられた架台用ワイヤ13が架台用回転シャフト28から他端側に繰り出される。これにより、移動架台51を、移動用キャスター22により架台移動レール12に沿って幅方向に移動させることができる。
これにより、図4に示すように、各移動架台51の両側部に設けられた各栽培棚23を上下動させて、隣り合う移動架台51の、相対する栽培棚23の高さをずらし、その相対する栽培棚23が上下に配置されるよう、各移動架台51を幅方向に移動させることができる。このため、ハウス1などの敷地いっぱいに栽培棚23を敷き詰めるよう各移動架台51を設置しても、栽培棚23および移動架台51を移動させることにより、各栽培棚23の間に作業スペースを設けることができる。このため、作業スペースを確保しつつ、敷地を最大限に利用して栽培面積を拡げることができ、より栽培密度を高めることができる。また、栽培密度を高めることにより、イチゴなどの植物の生産性を向上させることができる。
なお、図4に示す具体的な一例では、植物栽培システム50は、イチゴの水耕栽培に使用され、ハウス1の間口が5.5〜6m、移動架台51は、3台から成っている。栽培槽2は、防水性で、発泡スチロール製の箱をビニールで包み込んで形成されている。この場合、各栽培棚23および各移動架台51を移動させることにより、80〜90cmの作業スペースを確保することができ、各栽培槽2の脇に作業スペースを設ける場合に比べて、2〜2.3倍の栽培面積を確保することができる。
なお、植物栽培システム10および植物栽培システム50は、任意の位置に作業スペースを出現させるよう、各移動架台11または各移動架台51、および、各栽培棚23の動きを自動で制御可能な制御部を有していてもよい。また、太陽の位置を検出し、各栽培棚23に載せられた栽培槽2に効率よく日光が当たるよう、各移動架台11または各移動架台51、および、各栽培棚23を自動で移動させる自動制御手段を有していてもよい。この場合、効率的な日光の照射がイチゴなどの植物の生長を促し、より生産性を高めることができる。
本考案の第1の実施の形態の植物栽培システムの(a)栽培中の使用状態を示す正面図、(b)右端に作業スペースを設けたときの使用状態を示す正面図、(c)移動架台と移動架台との間に作業スペースを設けたときの使用状態を示す正面図である。 図1に示す植物栽培システムの移動架台を示す正面図である。 図1に示す植物栽培システムの移動架台を示す側面図である。 本考案の第2の実施の形態の植物栽培システムの(a)栽培中の使用状態を示す正面図、(b)右端に作業スペースを設けたときの使用状態を示す正面図、(c)移動架台と移動架台との間に作業スペースを設けたときの使用状態を示す正面図である。 図4に示す植物栽培システムの移動架台を示す正面図である。 図4に示す植物栽培システムの移動架台を示す(a)一方の端部の上部の拡大側面図、(b)一方の端部の下部の拡大平面図である。
符号の説明
1 ハウス
2 栽培槽
10 植物栽培システム
11 移動架台
12 架台移動レール
13 架台用ワイヤ
21 架台本体
22 移動用キャスター
23 栽培棚
24 中央吊下棚
25 棚用回転シャフト
26 棚用回転モータ
27 棚用ワイヤ
28 架台用回転シャフト
29 架台用回転モータ
31 枠体
32 連結梁材
33 側方枠材
34 上枠材
35 下枠材
36 棚用ローラ
37 移動用ガイドローラ

Claims (4)

  1. 複数の移動架台と複数の栽培棚とを有し、
    各移動架台は水平方向に伸びて並列に配置され、それぞれ幅方向に移動可能に設けられ、
    各栽培棚は各移動架台の幅方向の両側部に上下動可能に設けられていることを、
    特徴とする植物栽培システム。
  2. 各移動架台ごとに棚用回転シャフトと棚用回転モータと棚用ワイヤとを有し、
    前記棚用回転シャフトは各移動架台にその長さ方向に伸びて回転可能に設けられ、
    前記棚用回転モータは前記棚用回転シャフトを正転および反転可能に各移動架台に設けられ、
    前記棚用ワイヤは両端にそれぞれ前記栽培棚が吊り下げられ、前記棚用回転モータの回転により一方の栽培棚が上昇するとき他方の栽培棚が下降するよう前記棚用回転シャフトに巻き付けられていることを、
    特徴とする請求項1記載の植物栽培システム。
  3. 各移動架台ごとに1対の棚用移動手段を有し、
    各棚用移動手段は各移動架台の幅方向の両側部にそれぞれ設けられ、棚用回転シャフトと棚用回転モータと棚用ワイヤとを有し、
    前記棚用回転シャフトは各移動架台にその長さ方向に伸びて回転可能に設けられ、
    前記棚用回転モータは前記棚用回転シャフトを正転および反転可能に各移動架台に設けられ、
    前記棚用ワイヤは一端が前記棚用回転シャフトに取り付けられ、他端に前記栽培棚が前記棚用回転モータの回転により昇降可能に吊り下げられていることを、
    特徴とする請求項1記載の植物栽培システム。
  4. 架台移動レールと架台用ワイヤとを有し、
    前記架台移動レールは水平に設けられ、
    前記架台用ワイヤは両端が前記架台移動レールの両端に固定され、
    各移動架台ごとに架台用回転シャフトと架台用回転モータと移動用キャスターとを有し、
    前記架台用回転シャフトは各移動架台にその長さ方向に伸びて回転可能に設けられ、回転により前記架台用ワイヤに沿って移動可能に前記架台用ワイヤが巻き付けられ、
    前記架台用回転モータは前記移動架台用回転シャフトを正転および反転可能に各移動架台に設けられ、
    前記移動用キャスターは各移動架台に取り付けられ、前記架台移動レールに沿って移動可能に前記架台移動レールと係合していることを、
    特徴とする請求項1、2または3記載の植物栽培システム。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116762598A (zh) * 2023-08-02 2023-09-19 惠州风调雨顺智能科技有限公司 一种提高土地利用率的植物旋转种植方法

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