JP3129640B2 - 壁下地材 - Google Patents

壁下地材

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JP3129640B2 JP07301041A JP30104195A JP3129640B2 JP 3129640 B2 JP3129640 B2 JP 3129640B2 JP 07301041 A JP07301041 A JP 07301041A JP 30104195 A JP30104195 A JP 30104195A JP 3129640 B2 JP3129640 B2 JP 3129640B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石の吸引力を利
用して物品を保持できる掲示用壁に用いられる板状の壁
下地材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁石の吸引力を利用して物品を保
持できる掲示用壁に関する発明として、「掲示用壁」
(実開平6−78983号)、「鉄板と薄板で構成した
壁材」(実開昭 57−199024号)および 「表面
シート材」(実開平6−33177号)が提案されてい
る。
【0003】上記の「掲示用壁」(実開平6−7898
3号)には、壁面全面の壁紙と非磁性ボードとの間に薄
い鉄板を介在させ、磁石の吸引力を利用して壁面全面の
希望の場所に自由に物品を保持できるようにした掲示用
壁が記載されている。
【0004】また、上記の「鉄板と薄板で構成した壁
材」(実開昭 57−199024号)には、鉄板の片
面もしくは両面に薄板を貼り付けて、磁石の吸引力を利
用して物品を保持する掲示用壁を構成できるようにした
下地材あるいは装飾材等の壁材が開示されている。ま
た、上記には上記鉄板に小穴を開けてもよいことが記
載されている。この従来例は、予め非磁性ボードに鉄板
を貼付けて壁下地材とすることによって、施工現場で壁
下地材に鉄板を貼付ける手間を省略できるようにしたも
のである。
【0005】また、上記の「表面シート材」(実開平
6−33177号)は、薄い鉄板の表面に表装シートを
一体に貼着し、裏面に補強シートを一体に貼着した壁紙
であり、磁石の吸引力を利用して物品を保持できる掲示
用壁の下地面に貼着して使用される。この従来例は、壁
紙側に予め鉄板を設けておくことにより、施工現場で壁
下地材に鉄板を貼付ける手間を省略できるようにしたも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の
「掲示用壁」(実開平6−78983号)では、壁面の
一部に鉄板を介在させた場合は、段差ができるので、壁
紙を貼り付けたとき壁面に鉄板の厚み分の段差を生じて
仕上げが見苦しく美観を損ねるという問題がある。鉄板
を壁面全面に介在させる場合(つまり、非磁性ボード(下
地材)全面に鉄板を設けた場合)は、下地材表面に鉄板に
よる段差ができないが、壁面全面を掲示スペースにする
必要がない場合には、鉄板材料を無駄に消費することに
なる。
【0007】また、上記の「鉄板と薄板で構成した壁
材」(実開昭57−199024号)においても、鉄板表
面全面に薄板を貼付ければ段差を生じないが、鉄板表面
の一部に薄板を貼り付けたものは薄板との間に鉄板厚さ
の段差ができる。従って、これを下地材として用いる
と、上記段差が壁紙を貼り終えた壁仕上面に残って美観
を損ねる問題がある。
【0008】また、ベニヤ合板、木毛セメント板、ケイ
酸カルシウム板、石膏ボード等の下地材に用いられる材
料の熱膨張率は薄鉄板の熱膨張率より小さい。したがっ
て、薄鉄板を下地材に貼り付けた時、熱膨張による薄鉄
板の非磁性ボード(下地部材)に対する相対移動量は、周
辺部に近づくほど大きくなる。したがって、「壁面全面
に薄鉄板を貼付ける場合」または「薄板全面に薄鉄板を
貼付けた壁材料を下地材として壁面に密に貼り詰める場
合」には、薄鉄板の周囲に熱膨張によって薄鉄板の広が
る余裕がないから、薄鉄板が浮上がって壁が破損した
り、壁仕上面にしわが寄って美観を損ねる問題がある。
さらには、薄鉄板を下地材(あるいは薄板面)に貼付けた
接着面間では接着むらを生じ、鉄板が浮上がって壁が破
損したり、壁仕上面にしわが寄って美観を損ねる問題が
ある。
【0009】また、薄鉄板は、表面が平滑であるので非
磁性ボード(または薄板面)に貼付けたときの付着力が弱
い。従って、薄鉄板が非磁性ボード(または薄板面)か
ら剥離して浮上がり仕上が見苦しく美観を損ねる問題が
ある。その上、薄鉄板は釘や画鋲を通しにくいので、薄
板全面に薄鉄板を貼付けた壁材料を下地材として用い、
この下地材を壁骨組みまたは壁下地に釘やビスで取り付
ける際に薄鉄板が障害になったり、掲示用壁として使用
する際に画鋲が使用できないという不便さがある。
【0010】また、上記の「表面シート材」(実開平
6−33177号)は、壁紙内に薄鉄板を積層して設け
ているので、壁下地材面上には鉄板による段差は生じな
い。しかし、壁紙が硬い鉄板と一体であるので、鉄板を
有さない壁紙に比べて施工性が悪く作業に手間が掛かる
欠点がある上に、壁紙が一度折れ曲がったら修復できに
くいから、その折れじわが壁紙表面上に表れて仕上が見
苦しく美観を損ねる問題がある。
【0011】そこで、この発明の目的は、磁石で掲示物
を壁に貼り付けることができて、しかも、無駄な鉄板材
を要することなく、壁紙を貼り付けたときに段差が生じ
ることを防止できて壁面を美しく仕上げることができる
壁下地材を提供することにある。
【0012】また、この発明のもう1つの目的は、非磁
性ボードと鉄板との熱膨張率の差に起因して、壁仕上げ
面にしわ,歪みが発生することを防止できる壁下地材を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、非磁性ボードに設けた凹部に鉄
板を埋設してなり、上記鉄板の表面と上記ボードの表面
とが略同一平面上にあり、上記鉄板の周囲と上記凹部の
側壁との間に所定の空隙を形成していることを特徴とし
ている。
【0014】この請求項1の発明によれば、鉄板が非磁
性ボードに没入されていて、鉄板の表面とボードの表面
とが略同一平面上にある。したがって、請求項1の発明
によれば、磁石で掲示物を壁に貼り付けることができ
て、しかも、無駄な鉄板材を要することなく、壁紙を貼
り付けたときに段差が生じることを防止できて壁面を美
しく仕上げることができる。
【0015】また、この請求項1の発明は、上記鉄板の
周囲と上記凹部の側壁との間に所定の空隙を形成してい
るから、非磁性ボードと鉄板との熱膨張率の差に起因し
て、非磁性ボードに対して鉄板の外周部分が膨張したと
きに、この膨張した部分を鉄板の周囲と非磁性ボードの
凹部の側壁との間に存する空隙に収容することができ
る。したがって、請求項1の発明によれば、鉄板の熱膨
張によって壁面が浮き上がることを防止でき、しわが発
生することを防止できる。
【0016】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の壁下地材において、上記空隙を伸縮自在な弾性部材で
埋めていることを特徴としている。
【0017】従って、請求項2の発明によれば、上記鉄
板は、上記弾性部材を圧縮させながら、熱膨張すること
ができる。したがって、請求項2の発明によれば、上記
空隙に弾性部材を配置することによって、鉄板の熱膨張
を吸収できる上に、空隙に起因する段差を上記弾性部材
でもって解消することができる。
【0018】また、請求項3の発明は、請求項1または
2に記載の壁下地材において、上記鉄板をアンカーでも
って上記ボードに固着していることを特徴としている。
【0019】したがって、請求項3の発明によれば、ア
ンカーが鉄板を非磁性ボードに固着するから、熱膨張時
に鉄板が非磁性ボードから剥離することを防止できる。
【0020】また、請求項4の発明の壁下地材は、非磁
性ボードに金網を、この金網の表面を上記ボードの表面
に一致するように埋設してなることを特徴としている。
【0021】請求項4の発明によれば、鉄板に替えて金
網を非磁性ボードに没入させている。金網は鉄板と異な
り表面が凹凸形状であるから、鉄板を非磁性ボードに固
定するのに比べて、金網を非磁性ボードへ固定するのが
容易である。また、金網は、熱膨張時に金網の延びが網
間で処理されて中央部の延びと周辺部の延びとが略均一
になるから、非磁性ボードと鉄との熱膨張率の違いに起
因する金網の浮き上がりを抑制できる。また、請求項4
の発明によれば、鉄板に替えて金網を用いているから、
釘やビスを上記金網を貫通させて壁下地材を壁骨組みな
どの他の部材に固定させることができる。さらには、請
求項4の発明の壁下地材で構成した掲示用壁によれば、
掲示物を画鋲でもって留めることができる。
【0022】また、請求項5の発明は、請求項4に記載
の壁下地材において、上記金網の網目を弾性部材で埋め
たことを特徴としている。
【0023】したがって、請求項5の発明によれば、上
記金網は、上記金網の隙間に埋設された弾性部材を圧縮
させながら、熱膨張することができる。したがって、請
求項5の発明によれば、金網の中央部は上記弾性部材を
収縮させながらより容易に膨張することができるから、
周辺部での膨張をより抑制することができる。したがっ
て、金網の浮き上がりを一層抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態に基づいて詳細に説明する。
【0025】図3(A)および図3(B)に、参考例として
の第1の実施の形態を示す。この第1の形態の壁下地材
10は、薄鉄板1と非磁性ボード2を備えている。薄鉄
板1は非磁性ボード2に形成された矩形の凹部3に嵌合
されて固定されている。この薄鉄板1の表面1Aと非磁
性ボード2の表面2Aとが略同一平面上にある。なお、
J1は掲示方向を示している。
【0026】上記第1形態の壁下地材10は、図1(A)
に示すように、鉄板1の表面1Aと非磁性ボード2の表
面2Aの全体に壁紙5が貼り付けられ、さらに、非磁性
ボード2の裏面は鉄骨組み6にビスまたはボルトでもっ
て固定される。上記壁紙5と壁下地材10と鉄骨組み6
とが掲示用壁7を構成している。なお、この図1(A)に
示すように、壁体としての鉄骨組み6に直接に壁下地材
10を固定してもよいが、図1(B)に示すように、上記
第1形態の壁下地材10をもう1つの壁下地材8を介し
て鉄骨組み6に固定してもよい。また、図1(C)に示す
ように、鉄筋コンクリート製の壁体12に貼付モルタル
13でもって上記第1形態の壁下地材10の非磁性ボー
ド2を固定して、掲示用の壁11を構成してもよい。
【0027】また、図1(A)の鉄骨組み6への非磁性ボ
ード2の固定は、ビス,ボルトに替えて釘,タッカーを
用いてもよい。また、図1(B)の鉄骨組み6への壁下地
材8の固定は、釘,ビス,タッカー(二股釘)を使用す
る。一方、この壁下地材8への非磁性ボード2の固定は
接着剤を用いてもよい。
【0028】この第1の形態の壁下地材10によれば、
鉄板1が非磁性ボード2に没入されていて、鉄板1の表
面1Aのレベルと非磁性ボード2の表面2のレベルとが
略一致している。従って、図3(B)に示した第1形態に
よれば、図1(A)や図1(B)や図1(C)に示した掲示用
の壁を構成することができ、壁紙5を貼り付けたときに
段差が生じることを防止できて壁面を美しく仕上げるこ
とができる。図2に、図1(C)に示した掲示用の壁11
に磁石14でもって掲示物15を固定した様子を示す。
なお、図2において、19は壁紙5の下端に固着された
幅木である。
【0029】このように、この壁下地材10によれば、
磁石14で掲示物15を壁11に貼り付けることができ
て、しかも、無駄な鉄板材を要することなく、壁紙5を
貼り付けたときに段差が生じることを防止できて壁面1
1Aを美しく仕上げることができる。
【0030】尚、上記第1形態の壁下地材10では、非
磁性ボード2としてベニヤ合板や木毛セメント板やケイ
酸カルシウム板や石膏ボードが使用される。ここで、上
記非磁性ボード2を木毛セメント板,石膏ボードで作製
する場合には、液体状のセメント,石膏を固めて板状成
型物に製造する過程で、液体状のセメントの中に薄鉄板
1を埋設して固化成形することによって、薄鉄板1を非
磁性ボード2に埋設して固定するようにしてもよい。
【0031】また、図3(C)に示すように、図3(B)に
示した壁下地材10の外周表面に補強用の紙16が貼り
付けられていてもよい。この補強用の紙16は、薄鉄板
1に予め貼り付けられている台紙であってもよい。この
場合、上記台紙に液体状のセメントや石膏を流し込むこ
とによって、非磁性ボード2が製造される。
【0032】また、図3(D)に示すように、ベニヤ合板
や成型された木毛セメント板もしくは、ケイ酸カルシウ
ム板もしくは、石膏ボードのような固形板を非磁性ボー
ドに使用する場合は、非磁性ボード21を板状基材22
と板状基材の表面に一体的に積層して設けられる充填部
材23とで構成してもよい。この場合には、薄鉄板24
を充填部材23に埋設して、壁下地材25を製造する。
この図3(D)に示したように、非磁性ボード21に固形
板を使用する場合は、薄鉄板24の周囲に充填部材23
を配置して板状基材22上に薄鉄板24と充填部材23
との二つの層を配置することになる。また、図3(E)に
示すように、板状基材22上に充填部材23を積層し、
薄鉄板24の下に充填部材23が残るように、薄鉄板2
4を充填部材23に埋設してもよい。なお、上記充填部
材23としては、石膏パテを使用すればよい。
【0033】また、上記壁下地材10や25は、工場や
現場作業所敷地内で生産されてもよく、また、壁体とし
ての鉄骨組み6,鉄筋コンクリート壁体12への取付け
時に製造されてもよい。壁下地材10や25を、壁体6
や12への取付け時に製造する場合は、図3(D)に示す
ように、ベニヤ合板,木毛セメント板,ケイ酸カルシウム
板,石膏ボード等で作製されている板状基材22の表面
に所定幅の縁部を残して予め薄鉄板1を貼り付ける。次
に、図1(A)または(B)に示すように、この薄鉄板1が
貼り付けられている板状基材22を壁体の鉄骨組み6ま
たは壁下地材8に取付ける。次に、薄鉄板2が貼り残し
た板状基材22の表面にパテ等の充填部材23を薄鉄板
1の表面1Aに至るまで一体的に塗り付ける。これによ
り、図3(D)に示すような壁下地材25を製造できる。
このように、本発明の実施形態の壁下地材10や25
は、作業現場で簡単に製造できるから、運搬が楽な上に
施工が容易である。
【0034】次に、図4(A)と(B)にこの発明としての
壁下地材の第2の実施の形態を示す。この第2の実施の
形態は、非磁性ボード31と薄鉄板32とを備えてい
る。この非磁性ボード31は、表面31Aに矩形の凹部
33が形成されている。この凹部33の深さは上記薄鉄
板32の厚さと略等しい寸法である。そして、上記薄鉄
板32は、上記非磁性ボード31の凹部33に埋設され
ている。上記薄鉄板32の表面32Aは上記非磁性ボー
ド31の内の上記凹部33の周囲の部分の表面31Aと
略同一レベルである。上記凹部33は、上記鉄板32よ
りも1まわり大きな矩形である。したがって、上記鉄板
32の外周面32Bと上記凹部33の側壁33Bとの間
には所定寸法の額縁形状の溝35が形成される。この所
定寸法は、熱膨張時に鉄板32の膨張寸法よりも大きな
寸法に設定することが望ましい。なお、J2は掲示方向
を示している。
【0035】この第2形態によれば、非磁性ボード31
と鉄板32との熱膨張率の差に起因して、非磁性ボード
31に対して鉄板32の外周部分が膨張したときに、こ
の膨張した部分を溝35に収容することができる。した
がって、第2形態によれば、鉄板32の熱膨張によって
壁面が浮き上がることを防止でき、壁の掲示面にしわが
発生することを防止できる。
【0036】次に、図4(C)にこの発明としての第3形
態を示す。この第3形態は、図4(B)に示した壁下地材
の額縁形状の溝35に額縁形状の伸縮自在な弾性部材3
7を充填したものである。この第3形態によれば、上記
鉄板32は、上記弾性部材37を圧縮させながら、熱膨
張することができる。したがって、第3形態によれば、
鉄板32の熱膨張を吸収できる上に、上記弾性部材37
でもって溝35に起因する段差を解消することができ
る。なお、図4(D)に示すように、図4(C)に示した額
縁形状の溝35よりも深い溝39を非磁性ボード31に
形成して、この深い溝39に弾性部材40を充填しても
よい。この場合には、熱膨張で延びた鉄板32に圧縮さ
れた弾性部材40は溝39の深さ方向に圧縮歪みを逃が
すことができるから、膨張時に掲示方向J2へ向かって
膨らむことを抑制できる。したがって、掲示面のフラッ
ト化に寄与することができる。更には、図4(F)に示す
ように、上記深い溝39を鉄板32の周縁部32Cの背
面にまで回り込んだ溝41とし、この溝41に弾性部材
42が充填されている構成にしてもよい。この場合に
は、弾性部材42は薄鉄板32が広がる方向およびこの
方向と直角な方向に伸縮することができる。すなわち、
鉄板32に圧縮された弾性部材42の変形歪みを逃がす
領域を、図4(G)に示した構成に比べて、さらに大きく
することができるから、鉄板32の熱膨張時に弾性部材
42が掲示面方向へ膨らむことをより抑制することがで
きる。なお、上記弾性部材42としては、伸縮性の良い
スポンジ状のものが良いが、これに限定されるものでは
なく、熱膨張による薄鉄板の伸縮に追従できるものであ
ればなんでもよい。
【0037】また、図4(E)に示すように、この鉄板3
2の中央部裏面に複数のアンカー45を固定して、この
アンカー45でもって鉄板32を非磁性ボード31に固
定するようにしてもよい。この場合には、熱膨張時に鉄
板32が非磁性ボード31から剥離することを確実に防
止できる。
【0038】次に、図5(A)および図5(B)に、参考例
としての壁下地材の第4形態を示す。この第4形態は、
図3に示した第1形態の鉄板1に替えて、図5(A)に示
した鉄板51を備えたものである。この鉄板51は、図
5(A)に示すように、縦3すじ,横4すじの格子形状に
形成されたスリット53を有している。このスリット5
3は、上記格子形状の交点部分55,55…には切れ込
んでいない。この第4形態の壁下地材によれば、鉄板5
1が熱膨張したときに、この膨張した部分の一部を上記
スリット53で吸収することによって、鉄板51の外周
部分が外方に膨張する寸法を減少させることができる。
したがって、第4形態によれば、鉄板51の熱膨張によ
って壁面が浮き上がることを防止でき、壁面にしわが発
生することを防止できる。また、この第4形態は、クギ
やビスを上記スリット53を貫通させて壁骨組みなどの
他の部材に固定することができる。
【0039】なお、スリット53の幅は、少なくとも膨
張による薄鉄板51の広がりを吸収できる程度にすれば
よく、スリット53の深さを少なくとも薄鉄板51の厚
み以上にすればよい。
【0040】また、この第4形態の壁下地材において、
上記スリット53を伸縮自在な弾性部材(図示せず)で埋
めて、この弾性部材の表面レベルを、鉄板51の表面レ
ベルに略一致させてもよい。この場合には、上記鉄板5
1は、上記スリット53に埋設された弾性部材を圧縮さ
せながら、熱膨張することができる。したがって、上記
鉄板51の熱膨張を吸収できる上に、スリット53に起
因する段差を弾性部材でもって解消することができる。
【0041】また、図5(C)に示すように、上記第4形
態の壁下地材において、鉄板51のスリット53で囲ま
れた矩形部の略中央にアンカー57を固定し、このアン
カー57でもって鉄板51を非磁性ボード2に固定して
もよい。この場合には、熱膨張時に鉄板51が非磁性ボ
ード2から剥離することを確実に防止できる。なお、こ
のアンカー57は、スリット53で囲まれた矩形部のす
べてに設ける必要はない。
【0042】次に、図6(A)および図6(B)にこの発
明としての第5形態を示す。この第5形態は、長方形の
板状の非磁性ボード61に四角形の金網62を埋め込ん
だ壁下地材である。上記金網62は、金網62の表面6
2Aと非磁性ボード61の表面61Aとが略同一平面上
にあるように、非磁性ボード61に埋設されている。こ
の第5形態によれば、鉄板に比べて非磁性ボード61に
固定し易い金網62を用いたから、第1形態に比べて製
造が容易になる利点がある。また、金網62は熱膨張時
にその延びが網間で処理されて中央部の延びと周辺部の
延びとが略均一になるから、非磁性ボード61と鉄との
熱膨張率の違いに起因する金網62の浮き上がりを抑制
できる。また、上記金網62は、釘やビスを貫通させる
ことができるから、この第5形態の壁下地材を壁骨組み
等の他の部材に固定させる際に、釘やビスを自由に使用
することができる。また、上記金網62は画鋲を貫通さ
せることができるから、この壁下地材で構成した掲示用
壁によれば、掲示物を画鋲でもって留めることができ
る。
【0043】また、図6(C)に示すように、上記非磁性
ボード61に上記金網62の外形と略同形の四角形の凹
部65を形成し、この凹部65に充填したゴムなどの弾
性部材66に上記金網62を埋設してもよい。上記弾性
部材66の表面66Aと、上記非磁性ボード61の面6
1Aとは略同一平面上にある。この図6(C)に示した壁
下地材によれば、上記金網62は、上記金網62の隙間
に埋設されている弾性部材66を圧縮させながら熱膨張
することができる。従って、金網62の中央部は上記弾
性部材66を収縮させながらより容易に膨張することが
できるから、周辺部での膨張を一層抑制することができ
る。したがって、金網62の浮き上がりを一層抑制する
ことができる。なお、金網62は薄鉄板に比べて伸縮量
が小さいので、弾性部材66としてはゴム状の物が良い
もののこれに限定されるものではない。要は、熱膨張に
よる金網62の伸縮に追従できる材料で弾性部材66を
作製すればよい。
【0044】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明は、非磁性ボードに設けた凹部に鉄板を埋設してな
り、上記鉄板の表面と上記ボードの表面とが略同一平面
上にあり、上記鉄板の周囲と上記凹部の側壁との間に所
定の空隙を形成している。
【0045】したがって、請求項1の発明によれば、磁
石で掲示物を壁に貼り付けることができて、しかも、無
駄な鉄板材を要することなく、壁紙を貼り付けたときに
段差が生じることを防止できて壁面を美しく仕上げるこ
とができる。また、磁石で掲示物を壁に貼り付けること
ができるから、壁面に傷や汚れが残らない利点を有して
いる。
【0046】また、上記鉄板の周囲と上記凹部の側壁と
の間に所定の空隙を形成しているから、非磁性ボードと
鉄板との熱膨張率の差に起因して非磁性ボードに対して
鉄板の外周部分が膨張したときに、この膨張した部分を
鉄板の外周面と非磁性ボードの内周面との間に存する空
隙に収容することができる。したがって、請求項1の発
明によれば、鉄板の熱膨張によって壁面が浮き上がるこ
とを防止でき、しわが発生することを防止して、壁面の
美観を維持することができる。
【0047】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の壁下地材において、上記空隙を伸縮自在な弾性部材で
埋めている。
【0048】従って、請求項2の発明によれば、上記鉄
板は、弾性部材を圧縮させながら、熱膨張することがで
きる。したがって、請求項2の発明によれば、鉄板の熱
膨張を吸収できる上に、空隙に起因する段差を上記弾性
部材でもって解消することができる。したがって、壁下
地材の表面上に凹部が無くなり、壁紙が貼り易く、仕上
げ面も平滑で見栄えが良くなる。また、熱膨張による鉄
板の広がりを弾性部材で吸収でき、鉄板が浮き上がるこ
とを防いで壁の破損を防止でき、さらには、壁紙面にし
わがよることも防止できる。したがって、請求項2の発
明によれば、熱膨張時にも壁面の美観を常に維持するこ
とができる。
【0049】また、請求項3の発明は、請求項1または
2に記載の壁下地材において、上記鉄板をアンカーでも
って上記ボードに固着している。
【0050】したがって、請求項3の発明によれば、熱
膨張時に鉄板が非磁性ボードから剥離することを確実に
防止できる。
【0051】また、請求項4の発明は、非磁性ボードに
金網を、この金網の表面を上記ボードの表面に一致する
ように埋設してなる。
【0052】金網は鉄板と異なり表面が凹凸形状である
から、鉄板を非磁性ボードに固定するのに比べて、金網
を非磁性ボードへ固定するのが容易である。また、金網
は、熱膨張時に金網の延びが網間で処理されて中央部の
延びと周辺部の延びとが略均一になるから、非磁性ボー
ドと鉄との熱膨張率の違いに起因する金網の浮き上がり
を抑制できる。また、請求項4の発明によれば、鉄板に
替えて金網を用いているから、釘やビスを上記金網を貫
通させて壁下地材を壁骨組みなどの他の部材に固定させ
ることができる。さらには、請求項4の発明の壁下地材
で構成した掲示用壁によれば、掲示物を画鋲でもって留
めることができる。
【0053】また、請求項5の発明は、請求項4に記載
の壁下地材において、上記金網の網目を弾性部材で埋め
た。
【0054】したがって、請求項5の発明によれば、上
記金網は、上記金網の隙間に埋設された弾性部材を圧縮
させながら、熱膨張することができる。したがって、請
求項5の発明によれば、金網の中央部は上記弾性部材を
収縮させながらより容易に膨張することができるから、
周辺部での膨張をより抑制することができる。したがっ
て、金網の浮き上がりを一層抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は参考例としての壁下地材の第1の
形態を備えた掲示用の壁の断面図であり、図1(B)は上
記掲示用の壁の別の例を示す断面図であり、図1(C)は
上記掲示用壁のもう1つの例を示す断面図である。
【図2】 図1(C)に示した掲示用壁に磁石で掲示物を
貼り付けた状態を示す斜視図である。
【図3】 図3(A)は上記第1形態の平面図であり、図
3(B)は上記第1形態の断面図であり、図3(C)は上記
第1形態の変形例の断面図であり、図3(D)は上記第1
形態のもう1つの変形例の断面図であり、図3(E)は上
記第1形態のさらにもう1つの変形例の断面図である。
【図4】 図4(A)はこの発明としての第2形態の平面
図であり、図4(B)は上記第2形態の断面図であり、図
4(C)はこの発明の第3形態の断面図であり、図4(D)
は上記第3形態の変形例の断面図であり、図4(E)は上
記第3形態のもう1つの変形例の断面図であり、図4
(F)は上記第3形態のさらにもう1つの変形例の要部断
面図であり、図4(G)は上記第3形態の要部拡大断面図
である。
【図5】 図5(A)は参考例としての第4形態の平面図
であり、図5(B)は上記第4形態の断面図(図5(A)の
I−I断面図)であり、図5(C)は上記第4形態の変形
例の断面図である。
【図6】 図6(A)はこの発明としての第5形態の平面
図であり、図6(B)は上記第5形態の断面図であり、図
6(C)は上記第5形態の変形例の断面図である。
【符号の説明】
1,24,32,51…薄鉄板、1A,24A,32A…表
面、2,21,31,61…非磁性ボード、2A,21A,
31A…表面、3,33…凹部、5…壁紙、6…鉄骨組
み、7…掲示用壁、10…壁下地材、11…掲示用壁、
14…磁石、15…掲示物、16…紙、22…板状基
材、23…充填部材、35…額縁形状の溝、37…弾性
部材、39…深い溝、40,42,66…弾性部材、4
5,57…アンカー、53…スリット、55…交差部
分、62…金網、J1,J2,J3…掲示方向。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G09F 19/22 G09F 19/22 D (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 13/08 - 13/18 E04B 2/74 541 G09F 7/18 G09F 15/00 G09F 19/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性ボードに設けた凹部に鉄板を埋設
    してなり、上記鉄板の表面と上記ボードの表面とが略同
    一平面上にあり、 上記鉄板の周囲と上記凹部の側壁との間に所定の空隙を
    形成していることを特徴とする壁下地材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の壁下地材において、 上記空隙を伸縮自在な弾性部材で埋めていることを特徴
    とする壁下地材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の壁下地材にお
    いて、 上記鉄板をアンカーでもって上記ボードに固着している
    ことを特徴とする壁下地材。
  4. 【請求項4】 非磁性ボードに金網を、この金網の表面
    を上記ボードの表面に一致するように埋設してなる壁下
    地材。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の壁下地材において、 上記金網の網目を弾性部材で埋めたことを特徴とする壁
    下地材。
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