JP3124068B2 - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JP3124068B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬物の経皮投与に用い
られる貼付剤に関し、より詳細には、製剤としての安定
性及び貼付性に優れた貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】薬物の経皮投与に用いられる剤型として
は、軟膏剤、ローション剤または硬膏剤等が以前から使
用されていたが、近年、テープ剤あるいはパッチ剤と称
されている貼付剤が注目されてきている。貼付剤は、合
成樹脂フィルムや不織布等の柔軟性を有する材料からな
る支持体の一方面に薬物や添加物を含有する粘着性膏剤
層を形成することにより構成されている。
【0003】貼付剤を用いた場合、薬物等の持続的投与
が可能であり、しかも必要に応じて貼付剤を剥離するこ
とにより、投与を容易に中止することができる。従っ
て、全身作用を目的とする薬物の投与量を容易にコント
ロールすることができ、急激な薬物吸収による副作用を
軽減したり、薬物の投与回数を減らしたりすることも可
能であるという利点を有する。また、貼付剤は、軟膏剤
に比べて取扱いが簡便であり、貼付時の衣服の汚れも生
じ難い。
【0004】上記のような種々の長所を有する貼付剤に
おいて、これらの長所を充分に発揮させるには、支持体
には以下のような条件を満たすことが求められている。
まず、支持体は、粘着性膏剤層中の薬物や添加物を安定
に保ち得るものであることが要求される。また、支持体
自体も、形状の変化や変色を生じないものが望ましい。
さらに、充分な柔軟性を有するものが要求される。たと
え安定性に優れていても柔軟性に欠ける場合には、貼付
に際して患者に違和感を与えたり、皮膚への密着性が損
なわれて充分な薬物投与が行われなかったりする。ま
た、薬物や添加物等の種類に応じて適切な支持体を選定
することも必要である。
【0005】従来、貼付剤を構成するための支持体とし
ては、前述したように合成樹脂フィルムや不織布等の柔
軟性を有する材料が用いられている。合成樹脂フィルム
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート等からなるものが用いられている。ま
た、特開昭62−82967号には、炭化水素系エラス
トマー及びポリオレフィンからなる樹脂組成物から成形
される支持体、特開昭62−153215号には、塩化
ビニル−エチレン共重合体とエチレン−一酸化炭素−酢
酸ビニル共重合体と含水アルミノケイ酸塩からなる樹脂
組成物から成形される支持体、特開平1−224313
号には、塩化ビニル重合体及びエチレン−酢酸ビニル共
重合体からなる樹脂組成物から成形される支持体、特開
平1−249719号には、塩化ビニル樹脂フィルムと
ポリエチレンテレフタレートフィルムを接着した支持
体、特開平2−247118号には、軟質ポリウレタン
−ポリ塩化ビニルグラフト共重合体フィルムにポリエチ
レンテレフタレートを接着した支持体等も開示されてい
る。しかしながら、従来の貼付剤に用いられている支持
体には、上記のような種々の条件を充分に満たすものは
未だ存在しなかった。
【0006】また、粘着性膏剤層中に含有されている薬
物または添加物が、支持体に浸透し易く膨潤し易いよう
な場合、経時的に薬物または添加物が支持体側に移行し
がちであった。その結果、経時により貼付剤にカール、
特に粘着性膏剤層側が内面となるようなカールが発生し
がちであり、皮膚面への貼付が困難となることがあっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、支持
体に浸透し、膨潤し易い薬物または添加物を含有させた
粘着性膏剤層を設けた場合であっても、上記のようなカ
ールの発生を防止することができ、従って貼付性に優
れ、かつ形状安定性においても優れた貼付剤を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記課
題を解決すべく鋭意検討した結果、支持体として、粘着
性膏剤層に含有されている薬物または添加物に対して非
膨潤性の第1の層の両面に、直接または間接的に該薬物
または添加物に対して膨潤性の第2,第3の層を設ける
ことにより支持体を構成すれば、経時的に発生する内向
きのカールを防止し得ること、並びに形状安定性及び柔
軟性の双方において優れ、従って良好な貼付性を実現し
得ることを見出し、本発明を成すに至った。
【0009】すなわち、本発明の貼付剤は、溶解パラメ
ーターが7〜11の範囲にある薬物または添加物を含有
する粘着性膏剤層と、上記溶解パラメーターが7〜11
の範囲にある薬物または添加物に対して非膨潤性の第1
の層、及び該第1の層の両面に直接または間接的に設け
られており、かつ上記溶解パラメーターが7〜11の範
囲にある薬物または添加物に対して膨潤性の第2,第3
の層を有し、その一方面に上記粘着性膏剤層が設けられ
た支持体とを備えることを特徴とする。
【0010】本発明の、薬物または添加物に対して膨潤
性の層とは、薬物または添加物が支持体中へ浸透するこ
とまたは薬物または添加物が支持体の一部を溶解するこ
とによって、支持体の体積が増加される層のことを意味
する。また、非膨潤性の層とは、薬物または添加物によ
る支持体への浸透または溶解が起こらないか、または起
きても体積の増加がほとんどない層のことを意味する。
以下、本発明の構成の詳細を説明する。
【0011】支持体 本発明は、支持体が薬物または添加物に対して非膨潤性
の第1の層の両面に直接または間接的に薬物または添加
物に対して膨潤性の第2,第3の層を積層した構造を有
することに特徴を有する。なお、第1の層の両面に間接
的に薬物または添加物に対して膨潤性の第2,第3の層
を設けた構造とは、第1の層の両面に他の1以上の層を
介して第2,第3の層を積層したものを意味する。
【0012】また、本発明において支持体が、上記第1
の層の両面に第2,第3の層を設けた少なくとも3層以
上の積層構造とされているのは、中央の第1の層により
形状安定性を与え、薬物または添加物を含有する粘着性
膏剤層が積層される部分を該薬物または添加物に対して
膨潤性の材料で構成することにより粘着性膏剤層と保形
性に優れた第1の層との間のひずみを緩和し、それによ
って経時による薬物の支持体側への移行によるカールの
発生を抑制するためである。
【0013】上記第1の層を構成する薬物または添加物
に対して非膨潤性の材料としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリアミド、ポリフッ化エチレン、ポリ塩化
ビニリデン、ポリビニルアルコールまたはポリアクリロ
ニトリル等の樹脂よりなるフィルムが挙げられる。これ
らの樹脂フィルムは、いずれも結晶性を有し、従って形
状安定性に優れており、かつガスバリアー性も高い。
【0014】第2,第3の層を構成する薬物または添加
物に対して膨潤性の材料としては、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系重合体、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリブテ
ン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、
ポリビニルホルマール、塩化ビニル−エチレン共重合体
等の樹脂よりなるフィルムが挙げられる。これらの樹脂
は、非晶性または結晶化度の低い樹脂であり、柔軟性に
優れかつ一般にガスバリアー性も低い。
【0015】上記第1の層と、第2,第3の層との間に
は、両者への親和性に優れた樹脂層を設けてもよい。こ
のように第1の層と第2,第3の層との間に両者への親
和性に優れた樹脂を設けることにより、第2,第3の層
の薬物または添加物による膨潤を遅らせることができ、
それによって支持体内のひずみをより一層効果的に緩和
させることができる。このような例としては、ポリエチ
レンテレフタレートからなる第1の層と、エチレン−酢
酸ビニル共重合体からなる第2,第3の層との間にポリ
エチレン層を介在させた構造が挙げられる。
【0016】支持体の全体の厚みは、粘着性膏剤層の厚
みとのバランスや使用感によっても異なるが、30〜1
00μmの範囲で用いられ、好ましくは、40〜80μ
m程度のものが用いられる。また、支持体を構成してい
る第1〜第3の層の各層の厚みは、粘着性膏剤層との厚
みとのバランス及び要求されるコシを付与し得る範囲で
適宜選択される。もっとも、前述した内向きのカールを
抑制するには、粘着性膏剤層に接する側の層を第2の層
とした場合、反対側の薬物または添加物に対して膨潤性
の第3の層の厚みは第2の層と同等か、第2の層よりも
やや薄く設定される。
【0017】上述した第1〜第3の層を積層し支持体を
構成する場合、接着剤を用いて各層を貼り合わせる方法
や、第1の層の両面に第2,第3の層を溶融することに
よりラミネートする方法等が用いられる。
【0018】薬物または添加物 本発明において上記支持体の一方面に設けられる粘着性
膏剤層には、溶解パラメーターが7〜11の範囲である
薬物または添加物が含有される。この溶解パラメーター
は、Solubility Parameters/A
llan F.M.Barton;Chemical
Reviews,Vol.75,No.6p731〜
(1975)に記載されているものであり、具体的に
は、A Method for Estimating
Both the Solubility Para
meters and Molar Volumes
ofLiquids/Robert F.Fedor
s;POLYMER ENGINEERING AND
SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vo
l.14,No.2 p147〜に記載の計算方法に従
って算出したものである。
【0019】上記のように溶解パラメーターが7〜11
の比較的脂溶性に優れた薬物または添加物を含有させる
のは、溶解パラメーターが11を超える薬物または添加
物の場合には、本来、支持体との相互作用が少なく、製
剤の劣化現象が生じ難いからである。他方、溶解パラメ
ーターが11以下の薬物あるいは添加物の場合には、従
来の支持体を用いた場合には、薬物または添加物の浸透
や支持体の溶解が生じ易く、それによって製剤の劣化が
生じ易いのに対し、本発明の上記支持体と組み合わせた
場合にはこのような劣化が生じ難く、本発明の効果を得
られるからである。
【0020】本発明において粘着性膏剤層に含有される
薬物の例としては、抗炎症剤、鎮痛剤、抗ヒスタミン
剤、ホルモン剤、血管拡張剤、抗高血圧剤、抗生物質、
抗菌剤、筋弛緩剤、抗うつ剤、麻酔剤またはビタミン剤
等が挙げられる。具体的には、L−メントール、グリチ
ルレチン酸、アミノピリン、ジフェンヒドラミン、ペン
タエリスリトールテトラニトレート、ミアンセリン等が
挙げられる。これらの薬物は、粘着性膏剤層中に1〜3
0重量%の範囲で配合される。1重量%未満では、薬物
を添加した効果が得られないからであり、30重量%を
超えると、貼付性に悪影響を及ぼすからである。
【0021】また、添加物としては、溶解剤、可塑剤、
粘着付与剤、吸収促進剤または安定剤等として、高級脂
肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステルまたはアルキル
アミン等が含有される。具体的には、ステアリン酸、ミ
リスチン酸、オレイン酸、リノレン酸、ベヘニルアルコ
ール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、酢酸
セチル、ミリスチン酸イソプロピル、(モノ)ラウリン
酸ソルビタン、(モノ)オレイン酸グリセリン、流動パ
ラフィンまたはジイソプロピルアミン等が挙げられる。
これらの添加物は、粘着性膏剤層中に1〜50重量%の
範囲で配合される。1重量%未満では、添加物を添加し
た効果が得られないからであり、50重量%を超える
と、添加物を添加したことによる効果が飽和し、他方、
貼付性等の機能が劣化するからである。
【0022】粘着性膏剤層には、上記溶解パラメーター
が7〜11の範囲にある比較的脂溶性の高い液状の薬物
または添加物が、粘着性基剤中に溶解または分散されて
いる。粘着性基剤としては、従来より貼付剤を構成する
のに用いられている適宜の材料からなるものを用いるこ
とができる。このような粘着性基剤の例としては、アク
リル系粘着剤、ウレタン系粘着剤またはゴム系粘着剤等
が挙げられる。
【0023】上記薬物または添加物の粘着性膏剤層中の
配合量は、通常、粘着性膏剤層中に、それぞれ、ほぼ飽
和溶解度未満の範囲で含有される。一般に、飽和溶解度
またはそれ以上の量の薬物または添加物を含有させた場
合には、粘着性膏剤層中から支持体側へ薬物または添加
物の移行が生じ易くなる。もっとも、このような場合で
あっても、本発明の支持体を用いれば、経時的なカール
や変形を効果的に防止することができる。従って、本発
明の貼付剤では、上記薬物または添加物は、経時的なカ
ールその他の変形が生じない限り、飽和溶解度を超える
範囲で粘着性膏剤層中に配合されていてもよい。
【0024】本発明が適用される製剤構成 本発明の貼付剤における支持体以外の製剤構成は、皮膚
を介して薬物を効果的に体内に供給することを可能とす
るものである限り、特に限定されない。例えば、粘着性
基剤に薬剤を分散または溶解させた単一の粘着性膏剤層
系、薬剤を微小粒子に封入して粘着性基剤に分散させた
系、薬剤貯蔵層に放出制御膜及び粘着性基剤層を必要に
応じて組み合わせた多層系、皮膚への接触面が薬物貯蔵
域と粘着域とに区分されている系等が挙げられる。
【0025】また、薬物の他に、溶解剤、可塑剤、粘着
付与剤、吸収促進剤、安定剤等が、必要に応じて、薬物
と共に配合されてもよく、あるいは薬物と異なる層とし
て配置されてもよい。通常、粘着性膏剤層の支持体に接
触されている面と反対側の面には、皮膚に適用するまで
の粘着性膏剤層の保護のために、離型処理等を施した剥
離紙が貼り合わされる。
【0026】また、必要に応じて、支持体と上記粘着性
膏剤層との間に、プライマー層を設けることにより、粘
着性膏剤層と支持体との接着性を高めることも可能であ
る。プライマーは、支持体と粘着性膏剤層との両方に親
和性を有し、製剤の安定性を損なわないものであれば任
意の材料からなるものを用いることができ、このような
プライマーを構成する材料としては、アクリル系ポリマ
ー、ゴム系ポリマー、ウレタン系ポリマーまたはエポキ
シ樹脂等が挙げられる。
【0027】製法 本発明の貼付剤は、上述した支持体の一方面に、薬物等
を溶解または分散させた粘着性基剤溶液または分散液を
塗布し、乾燥することにより得ることができる。また、
他のベース部材上において、薬物等を含有する粘着性基
剤溶液または分散液を塗工して粘着性膏剤層を形成し、
該粘着性膏剤層を上記支持体上に転写することによって
構成してもよい。また、上記のような溶剤塗工法の他
に、ホットメルト塗工法によって塗工することもでき
る。
【0028】
【作用】本発明の貼付剤では、支持体の中央に薬物また
は添加物に対して非膨潤性の第1の層が設けられている
ため、形状安定性が高められる。また、第1の層の両面
に直接または間接的に薬物または添加物に対して膨潤性
の第2,第3の層が設けられているため、例え溶解パラ
メーターが11以下の範囲であり、支持体への浸透性が
高い薬物または添加物を含有する粘着性膏剤層を積層し
たとしても、薬物または添加物の支持体側への移行によ
るひずみが緩和される。
【0029】その理由は、支持体への浸透性が高い薬物
または添加物を含有する粘着性膏剤層が積層された場
合、薬物または添加物の浸透が第2の層で起こり、第2
の層を膨潤させようとする応力が第2の層に発生するこ
とにより、支持体を内向きにカールさせようとする力が
生じても、形状安定性の良い第1の層及び第3の層が存
在することにより、その応力が緩和される方向に働き、
内向きのカールを生じ難くさせるものと考えられる。
【0030】また、薬物または添加物が第2の層に浸透
するだけでなく、第1の層も通過して第3の層にまで達
する場合には、第3の層にも膨潤させようとする力が働
くので、第2の層におけるカールを発生しようとする力
とバランスがとられるので、より一層カールを生じ難く
させせるものと考えられる。従って、本発明の支持体を
用いると、経時により貼付剤がカールすることを効果的
に抑制することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明することによ
り、本発明をより一層明らかにする。まず、後述の実施
例および比較例の貼付剤を作製するために、下記の材料
を用意した。
【0032】支持体 支持体を構成する材料として、実施例1,2及び比較例
1〜4において、下記の表1に示すフィルムを用意し
た。
【0033】
【表1】
【0034】なお、表1における多層型のフィルムにつ
いては、最初に記載した層を粘着性膏剤層が設けられる
側の層とした。
【0035】粘着剤 粘着性膏剤層を構成するための粘着剤として、下記の2
種類の粘着剤を用意した。 粘着剤A(アクリル系粘着剤)…2−エチルヘキシルメ
タクリレート180g、2−エチルヘキシルアクリレー
ト60g及び酢酸エチル100gを1リットルのコルベ
ンに入れ、80℃に加熱した後、ラウロイルパーオキサ
イド0.2gを、シクロヘキサン100gに溶解したも
のを6時間かけて添加し、重合した。その結果、重量平
均分子量が105万、固形分58%の粘着剤溶液を得
た。 粘着剤B(ゴム系粘着剤)…スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体(シェル化学社製、商品名:T
R1107)を用いた。
【0036】薬物 下記の3種の薬物を用意した。 インドメタシン(溶解パラメーター=12.9) サルチル酸グリコール(溶解パラメーター=15.3) L−メントール(溶解パラメーター=7.8)
【0037】可塑剤 ミリスチン酸イソプロピル(溶解パラメーター=8.
5) 流動パラフィン(溶解パラメーター=7.0〜8.5)粘着付与剤 脂環族飽和炭化水素(荒川化学社製、商品名:アルコン
P80、溶解パラメーター=8.0〜9.0)
【0038】実施例1 薬物、及び添加物としての可塑剤並びに粘着剤溶液を、
不揮発分の重量比が下記の表2の通りとなるように配合
し、酢酸エチルで全不揮発分濃度を30重量%に調整し
た後、混合機で攪拌・混合し、組成物を均一に溶解させ
た。この溶液を、表面が離型処理を施された厚さ50μ
mのポリエステルフィルム上に均一に塗工し、乾燥後、
表1に示した実施例1の支持体をラミネートし、粘着性
膏剤層の厚みが80μmの貼付剤を得た。
【0039】
【表2】
【0040】比較例1〜4 表1に示した比較例1〜4の支持体に代えたこと以外
は、実施例1と同様にして比較例1〜4の各貼付剤を得
た。
【0041】実施例2 薬物、可塑剤、粘着付与剤及び粘着剤を、不揮発分の重
量比が下記の表3に示す通りとなるように配合し、15
0℃で均一に溶融混合した。しかる後、この混合物を、
表面が離型処理を施された厚み50μmのポリエステル
フィルム上に均一にホットメルト塗工し、表1の実施例
2の支持体をラミネートして粘着性膏剤層の厚みが80
μmの貼付剤を得た。
【0042】
【表3】
【0043】評価 上記のようにして得た実施例1,2及び比較例1〜4の
貼付剤について以下の要領で評価した。苛酷試験時の外観観察 実施例1,2及び比較例1〜4の貼付剤を、それぞれ、
6×6cm2 に切断し、アルミ包材に入れてヒートシー
ル包装を施した。各包材を60℃で1週間保存し、開封
し、剥離紙を取り除き貼付剤の外観を目視により観察し
た。結果を下記の表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】なお、表4における判定基準記号の意味
は、以下の通りである。 −…カール発生せず。 ±…カールがわずかに認められた。 +…貼付剤の一辺が円周の1/8〜1/4を形成する程
度のカールが発生。 ++…貼付剤の一辺が円周の1/4〜1/2を形成する
程度のカールが発生。 +++…一辺が円周の1/2以上を形成する大きなカー
ルが発生。
【0046】苛酷試験時の形状変化 上述した苛酷試験時に用いた実施例1及び比較例1〜4
の貼付剤について60℃で2週間後における縦横の長さ
を測定し、製造直後の縦横の長さに対する変化率を求め
た。結果を下記の表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】表4及び表5の結果から明らかなように、
実施例1,2及び比較例3の貼付剤では、製造直後に外
向きのカールが幾分か発生していたものの、経時による
内向きのカールの発生を抑制し得ることが分かる。これ
に対して、比較例1の貼付剤では、経時により内向きの
カールが大きくなることが、比較例2,4では外向きの
カールが経時によりかなり大きくなることが分かる。
【0049】また、表5から明らかなように、実施例1
及び比較例1,2の貼付剤では、経時による寸法変化が
非常に小さいのに対し、比較例3,4の貼付剤では経時
による形状変化がかなり大きいことが分かる。従って、
本発明の実施例によれば、経時によるカールの発生を抑
制し得るだけでなく、形状の安定性も高められることが
分かる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、支持体
が薬物または添加物に対して非膨潤性の第1の層の両面
に直接または間接的に薬物または添加物に対して膨潤性
の第2,第3の層を設けた構造を有するため、経時によ
る貼付剤のカールの発生を効果的に抑制することがで
き、かつ貼付剤の形状安定性も高められる。従って、本
発明によれば、溶解パラメーターが7〜11である脂溶
性に優れた薬物または添加物を粘着性膏剤層中に含有さ
せた場合であっても、製剤としての安定性及び貼付性の
いずれにおいても優れた貼付剤を提供することが可能と
なる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解パラメーターが7〜11の範囲にあ
    る薬物または添加物を含有する粘着性膏剤層と、前記溶
    解パラメーターが7〜11の範囲にある薬物または添加
    物に対して非膨潤性の第1の層、及び前記第1の層の両
    面に直接または間接的に形成されており、かつ前記溶解
    パラメーターが7〜11の範囲にある薬物または添加物
    に対して膨潤性の第2,第3の層を有し、かつその一方
    面に前記粘着性膏剤層が設けられた支持体とを備えるこ
    とを特徴とする、貼付剤。
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