JP3117466B2 - ベンゼン誘導体 - Google Patents

ベンゼン誘導体

Info

Publication number
JP3117466B2
JP3117466B2 JP09520357A JP52035797A JP3117466B2 JP 3117466 B2 JP3117466 B2 JP 3117466B2 JP 09520357 A JP09520357 A JP 09520357A JP 52035797 A JP52035797 A JP 52035797A JP 3117466 B2 JP3117466 B2 JP 3117466B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
pharmaceutically acceptable
formula
hydrogen atom
benzene derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09520357A
Other languages
English (en)
Inventor
雅一 長谷川
巧 竹安
直樹 土屋
直樹 長谷
克史 高橋
孝 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP3117466B2 publication Critical patent/JP3117466B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C235/00Carboxylic acid amides, the carbon skeleton of the acid part being further substituted by oxygen atoms
    • C07C235/02Carboxylic acid amides, the carbon skeleton of the acid part being further substituted by oxygen atoms having carbon atoms of carboxamide groups bound to acyclic carbon atoms and singly-bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton
    • C07C235/32Carboxylic acid amides, the carbon skeleton of the acid part being further substituted by oxygen atoms having carbon atoms of carboxamide groups bound to acyclic carbon atoms and singly-bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton the carbon skeleton containing six-membered aromatic rings
    • C07C235/38Carboxylic acid amides, the carbon skeleton of the acid part being further substituted by oxygen atoms having carbon atoms of carboxamide groups bound to acyclic carbon atoms and singly-bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton the carbon skeleton containing six-membered aromatic rings having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/185Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
    • A61K31/19Carboxylic acids, e.g. valproic acid
    • A61K31/195Carboxylic acids, e.g. valproic acid having an amino group
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C323/00Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups
    • C07C323/50Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C323/62Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having the sulfur atom of at least one of the thio groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring of the carbon skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
    • C07C2601/14The ring being saturated

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は新規なベンゼン誘導体、その医薬上許容され
る塩、若しくはそれらの医薬上許容される溶媒和物、そ
れらを有効成分として含有する医薬組成物、並びにそれ
らの医薬的使用に関するものである。詳しくは述べるな
らば、本発明は、3つのベンゼン骨格が、特定結合基に
より結合されている新規なベンゼン誘導体、その医薬上
許容される塩、若しくはそれらの医薬上許容される溶媒
和物、それらを有効成分として含有する医薬組成物、並
びにそれらの医薬的使用に関するものである。本発明に
係る新規ベンゼン誘導体、その塩、並びにこれらの溶媒
和物は、優れたIgE抗体産生抑制作用を有し、アレルギ
ー疾患の予防または治療用薬剤として有用なものであ
る。
背景技術 喘息およびアトピー性皮膚炎などにより代表されるア
レルギー疾患において、マスト細胞から放出される、ロ
イコトリエンおよびトロンボキサンなどにより代表され
る種々のケミカルメディエーターがアレルギー反応に対
し大きな役割を果たしていることが知られている。そし
てこのアレルギー反応は、免疫グロブリンE(IgE)抗
体のFc部分が細胞膜上の受容体に結合すること(感作)
がその原因となっている。このような感作状態において
アレルゲンが体内に侵入したとき、これが細胞膜上のIg
Eに結合することによりケミカルメディエーターが放出
され、アレルギー疾患を引き起す。事実アレルギー疾患
の患者の血清中または組織中のIgE抗体の濃度は、健常
人の当該濃度に比較して高い値を示すことが知られてい
る。さらにアレルギー疾患の患者ではインターロイキン
4(IL−4)のメッセンジャーRNAがリンパ球で発現し
ており、これがIgE抗体の産生に重要な役割を果たすこ
とが知られている。このIL−4を介してIgE抗体産生の
亢進が病態の悪化に深く関与していると考えられる。従
ってIgE抗体の産生を抑えることができるならば、それ
によってアレルギー疾患の予防および/または治療に効
果を発揮するものと考えられる。しかしながら、現在、
アレルギー疾患の治療薬としてはケミカルメディエータ
ーの一種であるヒスタミンの拮抗薬、およびケミカルメ
ディエーターの細胞からの遊離抑制剤(クロモグリク酸
ナトリウム等)が主流として用いられており、IgE抗体
の産生抑制によってアレルギー疾患を予防、又は治療す
る薬剤は未だ実用に供されていない。すなわち新規なIg
E抗体産生抑制剤を得ることができるならば、ケミカル
メディエーターの遊離より前の段階を遮断することが可
能になり、それによって、より原因療法的にアレルギー
疾患を予防および/または治療することが可能になる。
特開平1−287066号公報には、ナフタレン骨格とアン
トラニル酸骨格との両方を有する化合物、例えばN−
(2−ナフトイル)アントラニル酸等の化合物が抗アレ
ルギー活性、または5−リポキシゲナーゼ阻害活性を有
することが記載されている。しかしながら、上記公報に
記載されている化合物はナフタレン構造を有することを
特徴とするものである。また上記公報には、この化合物
がIgE抗体産生抑制作用を有するか否かについて全く記
載も示唆もなされていない。
また、特開昭63−270634号公報には、ナフタレン骨格
とアントラニル酸骨格との両方を有する化合物が、リポ
キシゲナーゼ阻害活性、および抗SRS−A活性を有する
ことが記載されている。しかしながら、上記公報に記載
されている化合物は、ナフタレン骨格とアントラニル酸
骨格がアルキル鎖を介して結合していることを特徴とす
る化合物である。しかも上記公報にはこれらの化合物の
IgE抗体産生抑制作用については全く言及もなされてい
ない。
さらに、特開平1−106818号公報および国際出願WO90
/12001号明細書および特開平7−285858号公報には、ナ
フタレン骨格とアントラニル酸骨格との両方を有し、抗
アレルギー活性、IgE抗体産生抑制作用を有する化合物
が記載されている。しかしこれら公報に開示された化合
物のすべては、その不可欠構造としてナフタレン環また
はヒドロ化ナフタレン環を有することを特徴とするもの
である。しかも特開平1−106818号に開示された化合物
は、シクロプロパン環を有するという構造上の特徴を有
している。また国際出願WO90/12001号明細書の化合物群
は、ナフタレン環上の水素が二つの酸素原子と一つの硫
黄原子に置換されているという特徴を有しており、これ
らの化合物は明らかに本発明の化合物群とは異なってい
る。さらに特開平7−285858号公報の化合物群におい
て、そのナフタレン環とアントラル酸とは鎖状の炭素原
子群により連結されており、この化合物群は明らかに本
発明の化合物群とは異なるものである。
また、マクロモレキュラーケミストリー(Makromol.C
hem)130巻、103頁〜144頁(1969年)には、三つのベン
ゼン環が、エーテル結合とアミド結合を介して連結され
ている化合物が記載されている。これらの化合物は末端
にニトロ基を有するという構造的特徴を有しており、従
って、本発明の化合物とは明らかに異なっている。しか
も、上記文献にはこれらの化合物のIgE産生抑制作用に
ついては記載は全くなされていない。
さらに特開昭60−116657号公報にはロイコトリエン拮
抗作用を有するアニリン誘導体が報告されているが、こ
の公開公報に記載されているアニリン誘導体は明らかに
本発明の化合物群とは異なるものである。上記公開公報
の実施例に報告されている化合物は全てベンゼン骨格と
アントラニル酸骨格が二重結合を介して結合しているシ
ンナモイルアントラニル酸の誘導体である。
発明の開示 本発明の目的は、医薬品として有用な新規なベンゼン
誘導体、その医学上許容される塩、又はこれらの医学上
許容される溶媒和物、および前記ベンゼン誘導体、塩、
又は溶媒和物を主要成分として含有する医薬組成物、並
びに、この医薬組成物を含むアレルギー疾患の予防、又
は治療用薬剤を提供することにある。
本発明に係るベンゼン誘導体は、下記式(I): 〔但し、上式(I)中、R1は水素原子、C1〜C12環状、
直鎖状、又は分岐鎖状アルキル基(但し、1個以上のC6
〜C10アリールオキシ基により置換されていてもよ
い)、C7〜C12アラルキル基(但し、そのアリール基が
ハロゲン原子、メチル基およびメトキシ基の1個以上に
より置換されていてもよい)又はC3〜C10アルケニル基
(但し、1個以上のフェニル基により置換されていても
よい)を表わし、 Aは−O−、−S−、又は−CH2−基を表わし、 Bは−CO−、又は−CZ2CO−基を表わし、Zは水素原子
又はフッ素原子を表し、 R2は水素原子、又はC1〜C4低級アルキル基を表わし、 Xは水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基を表わし、 Yは水素原子、ニトロ基又はニトリル基を表わす。〕 により示されるものであり、このベンゼン誘導体、その
医薬上許容される塩、又はそれらの医薬学上許容される
溶媒和物であってもよい。
本発明の医薬組成物は、前記式(I)のベンゼン誘導
体、その医薬学上許容される塩、又はそれらの医薬学上
許容される溶媒和物と、製薬学的に許容される担体とを
含むものである。
また本発明のアレルギー疾患の予防又は治療剤は、前
記医薬組成物を有効成分として含み、IgE抗体産生抑制
作用を有することを特徴とするものである。
発明を実施するための最良の形態 本発明のベンゼン誘導体を表す前記式(I)におい
て、R1が水素原子、C1〜C12環状、直鎖状、又は分岐鎖
状アルキル基(但し、1個以上のC6〜C10アリールオキ
シ基により置換されていてもよい)、C7〜C12アラルキ
ル基(但し、そのアリール基が1個のハロゲン原子、メ
チル基及びメトキシ基の1個以上により置換されていて
もよい)、又はC3〜C10アルケニル基(但し、1個以上
のフェニル基により置換されていてもよい)を表わすも
のである。
式(I)において、R1は、C1〜C12環状、直鎖状、ま
たは分岐鎖状アルキル基を表わす。
このようなアルキル基は、例えば、メチル、エチル、
プロピル、2−プロピル、(1−、または2−)メチル
プロピル、2,2−ジメチルプロピル、(n−、またはter
t−)ブチル、2−エチルブチル、(2−、または3
−)メチルブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル、デシル、ドデシル、シクロプロピル、シクロプ
ロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロオクチル、シ
クロヘプチル、シクロドデシル、2−フェノキシエチ
ル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、
などから選ぶことが出来る。
R1は、またC7〜C12のアラルキル基も表わす。このア
ラルキル基のアリール基に置換してもよいハロゲン原子
としては、フッ素、塩素、臭素などが挙げられる。
R1により表されるアラルキル基は例えば、ベンジル、
(2−,3−、または4−)クロロベンジル、(2−,3
−,4−)メトキシベンジル(2−,3−,4−)メチルベン
ジル、(α−、またはβ)フェネチル、3−フェニルプ
ロピル、2−フェニル−2−プロピル、2−フェニル−
1−シクロヘキシル、(1−フェニルシクロプロピル)
メチル、(1−フェニルシクロペンチル)メチル、(1
−、または2−)ナフチルメチル、などから選ぶことが
出来る。
R1は、またC3〜C10のアルケニル基も表わす。
このようなアルケニル基は、例えば、アリル、メタリ
ル、クロチル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘ
キセニル、7−オクテニル、ゲラニル、シンナミル、2
−シクロヘキセニル、(3−シクロヘキセニル)メチ
ル、1,4−ペンタジエン−3−イル、などから選ぶこと
が出来る。
また、R1は水素原子も表わす。
R1により表される原子および基のなかで、好ましいも
のとして、水素原子、メチル、エチル、プロピル、2−
プロピル、(1−、または2−)メチルプロピル、2,2
−ジメチルプロピル、(n−、またはtert−)ブチル、
2−エチルブチル、(2−、または3−)メチルブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシ
ル、ドデシル、シクロプロピルメチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロオ
クチル、シクロヘプチル、シクロドデシル、2−フェノ
キシエチル、3−フェノキシプロピル、ベンジル、4−
クロロベンジル、4−メチルベンジル、4−メトキシベ
ンジル、(α−、またはβ−)フェネチル、3−フェニ
ルプロピル、(1−、または2−)ナフチルメチル、ア
リル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニ
ル、7−オクテニル、などを挙げることが出来る。
これらのなかでも、R1基が水素原子、C1〜C12の鎖状
若しくは環状の飽和炭化水素基またはC7〜C12のアラル
キル基であるものが好ましく、より好ましくは、C5〜C
12の環状飽和炭化水素基、例えばシクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロペンチル
基、シクロドデカニル基;またはC3〜C8の分岐鎖状の飽
和炭化水素基が用いられ、特に好ましくは酸素原子の隣
接炭素から分岐を生じているアルキル基、例えばイソプ
ロピル基、3−ペンチル基;またはベンジル基が用いら
れる。
式(I)において、Aは−O−,−S−、または−CH
2−基を表す。これらのなかでもAは−O−、または−
S−結合であることが好ましい。
式(I)において、RはCO、または−CZ2CO−基(Z
は水素原子又はフッ素原子を表す)である。これらのな
かでも、Bは−CH2CO−基であることが好ましい。
式(I)において、R2は水素原子またはC1〜C4の低級
アルキル基を表す。R2により表される低級アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、(n−,iso−)プロピル
基、(n−,iso−,tert−)ブチル基等が挙げられる。R
2は、水素原子、メチル基、またはエチル基が好まし
い。特にR2は、水素原子であることが好ましい。
式(I)において、Xは水素原子、ハロゲン原子また
はメチル基を表す。これらの中でもXは水素原子、フッ
素原子または塩素原子であることが好ましい。
さらに式(I)において、Yは水素原子、ニトロ基ま
たはニトリル基を表す。これらの中でYは水素原子、ニ
トロ基であることが好ましい。
式(I)により表される本発明のベンゼン誘導体にお
いて、R1が素原子、C1〜C12アルキル基、又はC7〜C12
ラルキル基を表し、Aが−O−結合を表し、Bが−CO−
基、又は−CH2CO−基を表すものであることが好まし
い。このような化合物は高いin vitro IgE抗体産生抑制
活性を示すという利点を有する。
また、式(I)により表される本発明のベンゼン誘導
体において、R1が水素原子、C5〜C12環状アルキル基、C
3〜C8分岐鎖状アルキル基、又はベンジル基を表し、A
が−O−を表し、Bが−CH2CO−基を表し、R2が水素原
子を表すものであってもよい。このような化合物は、さ
らに強いin vitro IgE抗体産生抑制活性を示すという利
点を有する。
さらに式(I)により表される本発明のベンゼン誘導
体において、R1がC5〜C12環状アルキル基、下記式: 〔但し、R3およびR4は、それぞれ互に独立に、メチル、
エチル、又はn−プロピル基を表す〕 により表される基、又はベンジル基を表すものであって
もよい。このような化合物は、高いin vitro及びin viv
o IgE抗体産生抑制活性を示すとい利点を有する。
式(I)において、Xがハロゲン原子又はメチル基を
表す場合、この置換基は、それが結合しているベンゼン
環の、−COOR2基に関して4位又は5位に位置している
ことが好ましい。このような4位又は5位に位置するX
基は、代謝による式(I)の化合物の不活性化を阻止
し、薬効を持続させるという利点を生ずる。
また式(I)において、R1Oにより表される置換基
は、それが結合しているベンゼン環の、A基に関して4
位に位置していることが好ましい。このように4位に位
置しているA基は、2位又は3位に位置している場合に
比し、より高いin vitro IgE抗体産生抑制活性を示すと
いう利点を有する。
式(I)において、R2が水素原子を表す場合、すなわ
ち−COOR2により表される基が−COOH基である場合、こ
のカルボン酸基は、必要により、その医薬学的に許容さ
れる非毒性塩に変換されていてもよい。このようなカル
ボン酸塩の、無毒性塩形成カチオンは、アルカリ金属イ
オン、例えばNa+およびK+イオン、アルカリ土類金属イ
オン、例えばMg2+,Ca2+、他の無毒性等価金属イオン、
例えばAl3+およびZn2+、並びにアンモニウムおよび有機
塩基、例えば、トリエチルアミン、エチレンジアミン、
プロパンジアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジ
ン、ピリジン、リシン(Lysine)、コリン、エタノール
アミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、4−ヒドロ
キシピペリジン、グルコサミン、およびN−メチルグル
カミンなどを包含する。これらの塩形成カチオンの中で
も、Na+,Ca2+、並びにリシン、コリン、N,N−ジメチル
エタノールアミン、およびN−メチルゲルカミンなどの
有機塩基を用いることが好ましい。
式(I)のベンゼン誘導体、又はその無毒性塩は、そ
れらの医薬学上許容される溶媒和物を形成していてもよ
い。このような溶媒和物を形成する溶媒は水、メタノー
ル、エタノール(n−、およびiso−)プロピルアルコ
ール、(n−およびtert−)ブタノール、アセトニトリ
ル、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、酢
酸エチル、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエー
テル、ベンゼン、トルエン、DMF、およびDMSO等から選
ぶことができる。これら溶媒の中でも、特に、水、メタ
ノール、エタノール、(n−、およびiso−)プロピル
アルコール、又はアセトニトリルを用いることが好まし
い。
本発明の式(I)で示されるベンゼン誘導体は、既存
のIgE産生抑制剤との比較において、下記のような効果
が期待できる。
即ち、 (1)比較的低分子量であるめ、経口投与において腸管
膜から高い吸収性が期待される。
(2)良好な2−オクタノール−水分配比(logP)を有
しているため、高い吸収性と良好な薬物血中動態が期待
できる。
(3)3つのベンゼン誘導体のカップリング反応により
製造されるから、このベンゼン誘導体は安価であり、か
つ容易に入手できる。従って、製造コストの低減が期待
できる。
本発明の式(I)で示されるベンゼン誘導体の好適な
具体例として、例えば下記の化合物を挙げられる。
上記の化合物は、その医薬的に許容される塩になって
いてもよいし、式はこれらの医薬的に許容される溶媒和
物になっていてもよい。
本発明による前記式(I)で示されるベンゼン誘導体
は、例えば下記のスキームに従って製造することができ
る。すなわち、2個のベンゼン骨格を有する式(II)の
カルボン酸化合物と、式(III)のアニリン誘導体と縮
合させることにより、式(I)の目的化合物を得ること
ができる。
なお、上記各式中のR1,R2,A,B,XおよびYは前記定義
に同じである。式(II)のカルボン酸化合物の製造方法
には限定はなく、既知方法のいずれによって製造された
ものであってもよいが、通常は2つのベンゼン誘導体の
カップリング反応によって製造される。この場合、ベン
ゼン誘導体という入手が容易であり、かつ安価の原料を
使用できることが、式(II)の化合物、およびそれから
得られる式(I)の化合物の合成における特徴の一つと
なっている。
式(II)のカルボン酸化合物と式(III)のアニリン
化合物との縮合反応は、従来公知の方法によって行うこ
とができる。このような既知縮合法は、酸ハライドを経
由する方法と酸ハライドを経由しない活性化法とがあ
る。
酸ハライドを経由する縮合法において、式(II)のカ
ルボン酸化合物に、DMF等の添加剤の存在下または非存
在下で塩化オキザリル、塩化チオニルなどのハロゲン化
剤を作用させて、式(II)のカルボン酸化合物を、それ
に対応する酸ハライド化合物に変換し、これを塩基の存
在下あるいは非存在下において、式(III)のアニリン
化合物と縮合反応させて、式(I)の化合物を得ること
ができる。
一方、酸ハライドを経由しない活性化縮合法では、混
合酸無水物類、カルボジイミド類、イミダゾール化剤、
ハロリン酸エステル類、シアノリン酸エステル類などさ
まざまな活性化剤を用いて式(II)のカルボン酸化合物
を活性化し、これと式(III)のアニリン化合物とを反
応させることにより、式(I)の化合物を得ることがで
きる。
また、前記式(I)で示される本発明のベンゼン誘導
体において、R1O−基がヒドロキシル基である場合に
は、例えば下記のスキームに従って式(I)の化合物製
造することができる。すなわち、式(IV)により表され
るカルボン酸化合物(但し、式(IV)において、R5O−
は、ヒドロキシル基(OH−基)が適宜の保護処理によっ
て保護されている置換基を表す)と、式(V)のアニリ
ン誘導体とを縮合させて、式(VI)の化合物を合成し、
この化合物に脱保護基処理を施すことにより式(I)の
目的化合物(−OR1=−OH)を得ることができる。
なお、上記各式中のR1,R2,A,B,X,Yは前記定義に同じ
である。また−OR5はヒドロキシル基に適宜な保護処理
を施して形成された不活性置換基を表す。
上記保護処理法および脱保護処理の組み合わせとして
は、ヒドロキシル基のメチル化処理およびMe3Sil,Et Si
Na、又はBBr3等による脱保護処理、ヒドロキシル基のア
リルオキシ化およびパラジウム触媒等による脱保護処
理、並びにヒドロキシル基のベンジルオキシ化処理と、
水素添加等による脱保護処理などを代表例として挙げる
ことができる。式(IV)の保護処理されたカルボン酸化
合物の製造方法には、限定はなく、いずれの既知方法に
よって製造されたものであってもよい。
式(IV)の化合物と式(V)の化合物との縮合法とし
ては、前述の式(II)の化合物と式(III)の化合物と
の縮合方法と同様の方法を用いることができる。
さらに、得られた式(I)(但し、−OR1=−OH)の
化合物は、アルキル化反応、アラルキル化反応、又はア
ルケニル化反応によってそのヒドロキシル基の水素原子
を、所望の置換基、すなわち、式(I)において定義さ
れているアルキル基、アラルキル基、又はアルケニル基
に変換することができる。この変換化反応には、一般的
に、所望置換基に対応するハライド化合物を用い、これ
を塩基の存在下あるいは非存在下に、ヒドロキシル基に
反応させることができる。或は、前記ハライド化合物に
よる変換反応の代りに、−OH基に対して、所望置換基
(−OR1において、R1は、式(I)において定義されて
いるアルキル基、アラルキル基、又はアルケニル基)に
対応するアルコール(R1−OH)と、トリフェニルホスフ
ィン、およびアゾジカルボン酸ジエステルとを反応させ
てもよい。
式(I)の本発明ベンゼン誘導体において、そのR2
がC1〜C4低級アルキル基を表す場合、必要に応じてこの
ベンゼン誘導体に、酸性もしくは塩基性条件下で加水分
解を施し、前記低級アルキル基を水素原子に変換するこ
ともできる。
さらに、式(I)の本発明ベンゼン誘導体(R1=H)
は必要に応じて前述のような医薬上許容される塩、に変
換することができ、また、式(I)の本発明ベンゼン誘
導体(R2=H又はC1〜C4アルキル基)、およびその塩
は、医薬上許容できる溶媒和物に変換することができ
る。
本発明のベンゼン誘導体、その医薬上許容される塩、
またはそれらの医薬上許容される溶媒和物は、必要によ
り製薬学上許容される所望量の担体とともに医薬組成物
を形成することができ、この医薬組成物は、経口的投与
方法、非経口的投与方法、例えば静脈内、皮下、又は筋
肉内注射法、経皮投与、直腸内投与、経鼻投与、又は点
眼等、或は吸入法によって投与することができる。
上記担体とは、本発明の式(I)のベンゼン誘導体
は、塩、又は溶媒和物と混合使用されるあらゆる添加剤
を包含するものであって、製薬学上許容されるものから
選ばれる。
経口投与に用いる剤型としては、例えば錠剤、丸剤、
顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、カプセル剤
などが挙げられる。
錠剤の形態にするには、所望医薬組成物を例えば乳
糖、デンプン、結晶セルロースなどの賦形剤;カルボキ
シメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドンなどの結合剤;アルギン酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどの崩壊剤等
を用いて通常の方法により成型することができる。
丸剤、顆粒剤、散剤も上記の賦形剤等を用いて通常の
方法により成型することができる。
液剤、懸濁剤、およびシロップ剤は、所望薬剤に、例
えば、トリカプリリン、トリアセチン等のグリセリンエ
ステル類;エタノール等のアルコール類;水;トウモロ
コシ油、綿実油、ココナッツ油、アーモンド油、落花生
油、オリーブ油等の植物油等を混合して通常の方法によ
り調製することができる。
カプセル剤は、所望医薬組成物の顆粒剤、散剤、ある
いは液剤などをゼラチンなどからなるカプセル中に充填
することによって形成される。
静脈内、皮下、筋肉内投与の剤型としては、無菌の水
性あるいは非水性溶液剤などの形態にある注射剤があ
る。水性溶液剤には、例えば溶媒として、生理食塩水な
どが用いられる。非水性溶液剤には、溶媒として例えば
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリ
ーブ油等の植物油、オレイン酸エチル等の注射しうる有
機エステルなどが用いられる。これらの製剤には必要に
応じて等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安
定剤などが添加され、またバクテリア保留フィルターを
通す濾過、殺菌剤の配合、加熱、照射等の処置を適宜施
すことによって無菌化することができる。また、無菌の
固形製剤を製造し、使用直前に無菌水または無菌の注射
用溶媒に溶解して使用することもできる。
経皮投与の剤型としては、例えば軟膏剤、クリーム剤
などが挙げられ、軟膏剤はヒマシ油、オリーブ油などの
油脂類;ワセリン等を用いて、クリーム剤は脂肪油;ジ
エチレングリコール;ソルビタンモノ脂肪酸エステルな
どの乳化剤等を用いて通常の方法によって成型される。
直腸投与のためには、ゼラチンソフトカプセルなどの
通常の坐剤が用いられる。
経鼻による投与の製剤は、液状または粉末状の組成物
として供与される。液状経鼻剤の基剤としては水、食塩
水、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液等が用いられ、さらに界
面活性剤、酸化防止剤、安定剤、保存剤、粘性付与剤を
含んでいてもよい。粉末状経鼻剤の基剤としては、水吸
収生のものが好ましく、例えば、水易溶性のポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリ
ル酸アンモニウムなどのポリアクリル酸塩類、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウムなどのセルロース低級アルキルエーテル類、ポリエ
チレングリコール、ポリビニルピロリドン、アミロー
ス、プルランなど、水難溶性の結晶セルロース、α−セ
ルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム
などのセルロース類、ヒドロキシプロピル澱粉、カルボ
キシメチル澱粉、架橋澱粉、アミロース、アミロペクチ
ン、ペクチンなどの澱粉類、ゼラチン、カゼイン、カゼ
インナトリウムなどのタンパク類、アラビアガム、トラ
ガントガム、グルコマンナンなどのガム類、ポリビニル
ポリピロリドン、架橋ポリアクリル酸のおよびその塩、
架橋ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタ
アクリレートなどの架橋ビニル重合体類などが挙げら
れ、これらを単独に、又はその2種以上を混合して用い
てもよい。
さらに粉末状経鼻剤には、酸化防止剤、着色剤、保存
剤、防腐剤、矯腐剤等を添加してもよい。このような液
状又は粉末状経鼻剤は、例えばスプレー器具等を用いて
投与することができる。
点眼剤の剤型としては、水性あるいは非水性点眼剤が
ある。水性点眼剤は溶剤として滅菌精製水、生理食塩
水、あるいは適当な水性溶剤を用いるものであり、この
ような水性点眼剤は水性溶剤として滅菌精製水のみを用
いた水性点眼液;水性溶剤にカルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン等の粘漿剤を加えた粘性点眼
液;水性溶剤に界面活性剤や高分子増粘剤等の懸濁剤を
加えた水性懸濁点眼液;および水性溶剤に非イオン性界
面活性剤などの可溶化剤を加えた可溶化点眼液等を包含
する。非水性点眼剤は溶剤として点眼溶非水性溶剤を用
いたものであり、このような非水性点眼剤は、非水性溶
剤として植物油、流動パラフィン、鉱物油、プロピレン
グリコール等を用いた非水性点眼液;および非水性溶剤
にモノステアリン酸アルミニウムなどの揺変膠質を添加
して有効成分を懸濁した非水性懸濁点眼液等を包含す
る。これらの製剤には必要に応じて等張化剤、保存剤、
緩衝剤、乳化剤、安定剤などが添加することができる。
またバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配
合、加熱、照射等の処置を適宜行うことによって無菌化
できる。また、無菌の固形製剤を製造し、これを使用直
前に適当な無菌溶液に溶解あるいは懸濁して使用するこ
ともできる。
また、点眼剤以外の眼に投与する剤型として、ワセリ
ン等を用いて成型した眼軟膏剤;希ヨードチンキ、硫酸
亜鉛溶液、塩化メチルロザニリン液等を用いた塗布液
剤;有効成分の微粉末を直接投与する散布剤;有効成分
を適当な基剤または素材に配合あるいは含浸させ、これ
を眼瞼内などに挿入して用いるインサート剤などがあ
る。
また吸入のためには、有効成分と慣用の製薬賦形剤と
の溶液または懸濁液が用いられ、例えば吸入用エアゾル
スプレーとして使用される。また乾燥粉末状の有効成分
を吸入器または他の装置によって肺に直接接触できるよ
うに投与することができる。
上記のような本発明の医薬組成物は、IgE抗体産生抑
制作用を特徴とするアレルギー疾患の治療剤として有効
なものである。従って、本発明のベンゼン誘導体、その
医薬上許容される塩、またはそれらの医薬上許容される
溶媒和物を有効成分として含有し、かつ優れたIgE抗体
産生抑制作用を有する医薬組成物は、アレルギー疾患の
予防または治療剤が本発明によって、提供される。
本発明における化合物の式(I)のベンゼン誘導体を
含有する薬剤の投与量は、疾患の種類、投与経路、患者
の状態、年令、性別、体重等に応じて適宜に定められ
る。経口投与の場合は、0.1〜1000mg/日/人程度で、好
ましくは1〜300mg/日/人であり、静脈内、皮下、筋肉
内、経皮、直腸内、経鼻、点眼、吸入などの非経口的投
与の場合は0.1〜1000mg/日/人程度で、好ましくは0.1
〜30mg/日/人であり、このような投与量を満足するよ
うに製材することが好ましい。また本発明化合物を予防
剤として用いる場合には、その投与方法に格別の制限は
なく、一般的な予防剤の投与法を用いることができる。
本発明化合物は、後記実施例に具体的に示すように、
例えば抗原非特異的な刺激(IL−4+IL−10(インター
ロイキン10)+antiCD40Ab(抗CD40抗体))によるヒト
リンパ球からのIgE抗体産生を、細胞毒性を示さない濃
度で抑制する。従って、本発明化合物は、例えば気管支
喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピ
ー性皮膚炎、アナフィラキシーショック、ダニアレルギ
ー、花粉症、食物アレルギー、蕁麻疹、腫瘍性大腸炎、
好酸球性胃腸炎および薬剤性発疹などのように、IgE抗
体産生に起因するアレルギー疾患などに対する予防剤お
よび/または治療剤として有用なものである。
これらのアレルギー疾患のなかでも、本発明の医薬組
成物は、特に気管支喘息、アレルキー性鼻炎、アレルギ
ー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーショ
ック、ダニアレルギー、花粉症、食物アレルギー等に有
効なものである。
本発明の化合物は、IgE抗体に対し抑制作用を示す。
従って、アレルギー疾患の原因となる望ましくない免疫
反応を抑制することができ、従って、アレルギー疾患の
予防剤および/または治療剤として有用である。
実施例 下記参考例および実施例によって本発明をさらに詳細
に説明する。なお、本発明の範囲は、これら実施例によ
り限定されるものではない。
参考例1 4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)フェニル酢酸の
合成 ハイドロキノンモノベンジルエーテル(8.01g,40mmo
l)にベンゼン(100ml)およびメタノール(25ml)を加
え、さらに28%ナトリウムメチラート(7.3ml,38mmol)
のゆっくり滴下し、室温で1時間撹拌した。この反応液
を濃縮した後、ピリジン(100ml)、4−プロモフェニ
ル酢酸メチルエステル(9.16g,40mmol)、および塩化第
一銅(CuCl,1.25g,12mmol)を加え、この混合物を120℃
でで30時間加熱撹拌した。得られた反応混合物を塩酸で
中和し、生成物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を乾燥、
濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルクロマトグラフ
ィーで精製した。目的化合物のメチルエステル(4.76g,
13.7mmol)を得た。収率36%。
このメチルエステル化合物(4.76g,13.7mmol)を、TH
F(10ml)に溶解し、これにメタノール(5ml)と4規定
水酸化リチウム水溶液(5ml)を加え、この反応混合液
を室温で4時間撹拌した。反応完了後、得られた反応液
を塩酸で中和し、液量が半分になるまで濃縮した。生成
した結晶を濾取し、乾燥し、目的化合物(4.31g,12.9mm
ol)を得た。収率94%。
実施例1 2−(4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)フェニル
アセタミド)安息香酸メチルエステル(化合物No.3)の
合成 窒素ガス雰囲気下、参考例1で得られた4−(4−ベ
ンジルオキシフェノキシ)フェニル酢酸メチルエステル
(4.30g,12.9mmol)に塩化メチレン(70ml)を加え、更
に、塩化オキザリル(2.13g,16.8mmol)を加え、この反
応混合液を50℃で3時間加熱撹拌した。得られた反応液
を濃縮し、濃縮物を乾燥塩化メチレン(60ml)に溶解し
た。得られた溶液を氷冷し、これに安息香酸メチルエス
テル(1.80g,12.3mmol)を添加し、さらにトリエチルア
ミン(1.80g,18.1mmol)を添加し、50℃において1時間
撹拌し、さらに室温で一夜撹拌した。得られた反応液を
水洗し、反応生成物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を乾
燥、濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー
によって精製して、目的化合物(4.29g,9.2mmol)を得
た。収率75%。この化合物のNMR測定結果を下記に示
す。1 H−NMR(CDCl3):δ 3.72(2H,s),3.87(3H,s),5.04(2H,s),6.91−7.02
(6H,m),7.06(1H,td,J=8.6Hz,1.6Hz),7.24−7.46
(7H,m),7.52(1H,td,J=8.0Hz,1.6Hz),7.99(1H,dd,
J=8.2Hz,1.6Hz),8.71(1H,dd,J=8.6Hz,1.3Hz),11.0
3(1H,brs) 実施例2 下記表1に記載の化合物(化合物No.1,33,36,38およ
び45を実施例1同様の方法によって合成した。表1にこ
れらの化合物の収率およびNMR測定結果を示す。
実施例3 2−(4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)フェニル
アセトアミド)安息香酸(化合物No.4)の合成 実施例1で得られた4−(4−ベンジルオキシフェノ
キシ)フェニルアセトアミド安息香酸メチルエステル
(278mg,0.59mmol)をTHF(5ml)に溶解し、この溶液に
メタノール(5ml)と4規定水酸化リチウム水溶液(2m
l)を加え室温で2時間撹拌した。反応完了後、得られ
た反応液を塩酸で中和し、その液量が半分になるまで濃
縮した。濃縮液中に生成した結晶を濾取し乾燥した。さ
らに、この結晶をアセトニトリルより再結晶して、目的
化合物(130mg,0.29mmol)を得た。収率49%。1 H−NMR(CDCl3):δ 3.74(2H,s),5.00(2H,s),6.87−6.99(6H,m),7.08
(1H,t,J=7.5Hz),7.24−7.43(7H,m),7.57(1H,t,J
=7.5Hz),8.07(1H,d,J=8.0Hz),8.75(1H,d,J=8.0H
z),10.77(1H,brs). 実施例4 2−(4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニルアセ
トアミド)安息香酸メチルエステル(化合物N.5)の合
窒素ガス雰囲気下、実施例1で得られた2−(4−
(4−ベンジルオキシフェノキシ)フェニルアセトアミ
ド)安息香酸メチルエステル(4.20g,9.0mmol)を酢酸
エチル(17ml)に溶解し、この溶液に10%パラジウム炭
素(800mg)を加えて反応混合物を調製した。前記窒素
ガスを水素ガスにより置換し、反応混合物を室温で32時
間撹拌した。得られた反応液をセライト上で濾過し濃縮
した。得られた濃縮物を酢酸エチルより再結晶して目的
化合物(2.26g,6.0mmol)を得た。収率66%。1 H−NMR(DMSO−d6):δ 3.70(2H,s),3.78(3H,s),6.76(2H,d,J=8.9Hz),6.
88(4H,d−like,J=8.6Hz),7.18(1H,t,J=7.5Hz),7.
30(2H,d,J=8.6Hz),7.59(1H,t,J=7.8Hz),7.89(1
H,dd,J=7.9Hz,1.7Hz),8.29(1H,d,J=7.6Hz),9.31
(1H,s),10.61(1H,brs). 実施例5 実施例4と同様の方法により、化合物No.29を合成し
た。収率93%。1 H−NMR(CDCl3):δ 3.98(s,3H),6.92(d,2H,J=8.91Hz),7.01−7.15(m,
4H),7.32(t,1H,J=8.24Hz),7.76(t,1H,J=8.56H
z),8.02(d,2H,J=8.59Hz),8.10(dd,1H,J=1.32,7.9
1Hz),8.65(d,1H,J=8.26Hz),9.57(s,1H),11.63
(s,1H). 実施例6 2−(4−(4−シクロヘキシルオキシフェノキシ)フ
ェニルアセトアミド)安息香酸メチルエステル(化合物
No.7)の合成 窒素ガス雰囲気下、実施例4で得られた2−(4−
(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニルアセトアミド)
安息香酸メチルエステル(250mg,0.66mmol)のN−メチ
ルモルホリン(4ml)溶液に、トリフェニルホスフィン
(350mg,1.3mmol)、シクロヘキサノール(0.13mL,1.3m
mol)、およびアゾジカルボン酸ジエチル(230mg,1.3mm
ol)を加え、室温で2時間撹拌した。この混合液に、さ
らにトリフェニルホスフィン(350mg,1.3mmol)、シク
ロヘキサノール(0.13mL,1.3mmol)、およびアゾジカル
ボン酸ジエチル(230mg,1.3mmol)を加え、得られた混
合液を室温で2時間撹拌した。このエーテル化反応の完
了後反応混合液中に生成した白色の沈澱物を濾過で除
き、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
して、目的化合物(241mg,0.53mmol)を得た。収率81
%。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.1−1.6(6H,m),1.79−1.87(2H,br m),1.96−2.04
(2H,m br),3.72(2H,s),3.87(3H,s),4.10−4.19
(1H,m),6.86(2H,d,J=9.2Hz),6.96(4H,d,J=8.3H
z),7.06(1H,t,J=8.3Hz),7.30(2H,d,J=8.6Hz),7.
52(1H,td,J=8.6Hz,1.7Hz),7.99(1H,dd,J=8.3Hz,1.
7Hz),8.71(1H,dd,J=8.6Hz,1.0Hz),11.03(1,br
s). 実施例7 2−(4−(4−シクロヘキシルオキシフェノキシ)フ
ェニルアセトアミド)安息香酸(化合物No.8)の合成 実施例6で得られた2−(4−(4−シクロヘキシル
オキシフェノキシ)フェニルアセトアミド)安息香酸メ
チルエステル(240mg,0.53mmol)をTHF(8ml)に溶解
し、この溶液にメタノール(5ml)および4規定水酸化
リチウム水溶液(2ml)を加え、得られた反応混合液を
室温で3時間撹拌した。この加水分解反応完了後、得ら
れた反応液を塩酸で中和し、その液量が半分になるまで
濃縮した。この濃縮液から、反応生成物を酢酸エチルで
抽出し、抽出液を乾燥、濃縮した。得られた油状濃縮物
をアセトニトリルにより再結晶し、目的化合物(121m
g)を得た。収率51%。
1H−NMR(DMSO−6d):δ 1.24−1.55(6H,m),1.65−1.75(2H,br m),1.85−1.9
5(2H,br m),3.75(2H,s),4.20−4.28(1H,m),6.89
−6.96(6H,m),7.13(1H,t,J=8.5Hz),7.32(2H,d,J
=8.6Hz),7.56(1H,t,J=8.0Hz),7.95(1H,dd,J=7.9
Hz,1.7Hz),8.51(1H,d,J=8.3Hz),11.16(1H,sbr). 実施例8 表2〜5に示す化合物を実施例6と同様の方法によっ
て合成した。各化合物の収率は、それに対応する原料ヒ
ドロキシ体(R1O=OH,R1は前記定義に同じ)のモル量を
基準にして算出した。
実施例9 実施例7と同様の方法によって、表6〜表11に示す化
合物を合成した。各化合物の収率はそれに対応する原料
のメチルエステル(R2=Me,R2は前記定義に同じ)化合
物のモル量に基いて算出した。
実施例10 ヒトin vitro IgE抗体産生抑制作用の測定 ザ ジャーナル オブ イミュノロジー(J.Immuno
l.)146巻、1836〜1842頁、1991年;ザ ジャーナル
オブ イミュノロジー(J.Immunol.)147巻、8頁〜13
頁、1991年に記載の方法に準拠する下記の方法により、
表12に記載の本発明に係る化合物を用いた場合のIgE及
びIgG抗体濃度を測定した。
健常人より採取した末梢静脈血から密度勾配遠心分離
法によりリンパ球を分離した。得られたリンパ球を洗浄
し、これを培養液(RPMI−1640(Gibco社製)+10%hea
t−inactivated FCS(Whittaker社製)+100μg/mlスト
レプトマイシン+100U/mlペニシリンG+2mM L−グル
タミン)に懸濁した。被験化合物として表12に記載の化
合物を用い、この化合物の存在下、または非存在下に、
インターロイキン4(IL−4,GENZYME社製)(0.1mg/m
l)、抗CD40抗体(antiCD40Ab,BIOSOURCE社製、クロー
ンB−B20)(2mg/ml)、およびインターロイキン10(U
L−10,GENZYME社製)(0.2mg/ml)の共存下、前記懸濁
液中のリンパ球を一週間培養した。この培養系に前記培
養液を追加して、さらに一週間培養した後、上清中のIg
EおよびIgG抗体の濃度をサンドイッチELISA法により測
定した。
このELISA法による測定において、IgE抗体濃度につい
ては、一次抗体:家兎 抗ヒトIgE(ε)抗体(ICN社
製)、二次抗体:ビオチン・抗ヒトIgEモノクローナル
抗体(G7−26,PharMingen社製)を用い、またIgG抗体濃
度については、一次抗体:抗ヒトIgGモノクローナル抗
体(G18−145,PharMingen社製)、二次抗体:ビオチン
−ロバ−抗ヒトIgG抗体(H+L)(Jackson社製)を用
いた。またIgE抗体濃度、およびIgG抗体濃度測定におい
て、酵素としてアビジン−ビオチン−HRP(Avidin−Bio
tin−Horse Radish Peroxidase;ABC kit,Vector Lab.社
製)を用い、基質としてTMB(3,3′、5,5′−tetrameth
ylbenzidine)Microwell Peroxidase Substrate System
(Kirkegaard & Perry Laboratories Inc.社製)を用
いた。
本発明化合物の非存在の場合の各抗体濃度を基準にし
て、被験薬濃度0.1μMにおける各抗体産生抑制率
(%)を算出した。さらに、供試化合物の一部につい
て、被験薬濃度を変化させて、抗体産生抑制率を測定
し、IC50値を算出した。(参考:上嶋ら アメリカン
アカデミー オブ アレルギー アンド イミュノロジ
ー(American Academy of Allergy & Immunology)199
5年度年会、プログラムNo.818) 測定結果を表12に示す。
表12に示された結果より、本発明の化合物が抗体産生
抑制作用を示し、その抑制作用は、IgEに関して、より
強いことが認められた。
従ってIgE抗体産生に起因する、気管支喘息、アレル
ギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、
アナフィラキシーショック、ダニアレルギー、花粉症、
食物アレルギー、蕁麻疹、潰瘍性大腸炎、好酸球性胃腸
炎、薬剤性発疹などのアレルギー疾患などに対して、本
発明の化合物は、予防剤および/または治療剤として有
用であることが認められた。
実施例11 TNP感作マウスに対するIgE抗体産生抑制作用の測定 8週齢の雄性マウスの腹腔内にTNP−KLH(2μg/hea
d)およびAlum(1mg/head)を投与して感作した。
5%アラビアゴム水溶液液中に、化合物No.14を、1.0
mg/ml,3.0mg/ml,又は10.0mg/mlの濃度になるように懸濁
し、3群の薬物投与マウス群に各薬液を10ml/kgの投与
量(すなわち、10mg/kg,30mg/kg又は100mg/kg)で、感
作当日から10日間、一日一回、連続して経口投与した。
ベヒクル(vehicle)マウス群に対しては、前記と同量
のアラビアゴム溶液を上記の同様に投与した。
最終投与日の翌日(第11日目)に、マウスの心臓か
ら、採血し、この血液から得られた血清中のTNP特異的
な抗体価を、ELISAにより測定した。この測定結果を表1
3に示す。
表13に示されているように、本発明の化合物の投与に
よって、30mg/kg投与群においては、クラス選択的に抗T
NP IgE抗体の抑制作用が認められた。また、100mg/kg投
与群においては、クラス非選択的TNP抗原特異的な抗体
産生抑制作用が認められた。なお、本実験に使用した動
物は薬剤投与後vehicle群と比較して体重増加抑制作用
や脾臓重量抑制作用は認められなかった。すなわち、本
発明の化合物の投与によって、強力な免疫抑制作用によ
る毒性を発現することなく、血清中の抗原特異的な抗体
産生を、IgEクラス選択的に抑制する事が認められた。
実施例12 錠剤の製造 下記成分を有する錠剤を製造した。
成 分 1錠当り含有重量 化合物No.4 250mg 乳糖 230mg じゃがいもデンプン 80mg ポリビニルピロリドン 11mg ステアリン酸マグネシウム 5mg すなわち、本発明の化合物No.4と、乳糖及びジャガイ
モデンプンとを混合し、この混合物をポリビニルピロリ
ドンの20%エタノール溶液で均等に湿潤させ、20nmメッ
シュのふるいを通し、45℃で乾燥し、再び15nmメッシュ
のふるいを通した。このようにして得られた顆粒をステ
アリン酸マグネシウムと混和し、この混和物を錠剤に圧
縮して、錠剤を成形した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 235/56 C07C 235/56 323/62 323/62 (72)発明者 長谷 直樹 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝 人株式会社 東京研究センター内 (72)発明者 高橋 克史 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝 人株式会社 東京研究センター内 (72)発明者 上村 孝 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝 人株式会社 東京研究センター内 (56)参考文献 特開 昭60−116657(JP,A) 英国特許1276359(GB,B) 国際公開96/34851(WO,A1) 国際公開93/15043(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 231/00 - 381/14 A61K 31/00 - 31/277 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I): 〔但し、上式(I)中、R1は水素原子、C1〜C12環状、
    直鎖状、又は分岐鎖状アルキル基(但し、1個以上のC6
    〜C10アリールオキシ基により置換されていてもよ
    い)、C7〜C12アラルキル基(但し、そのアリール基が
    ハロゲン原子、メチル基およびメトキシ基の1個以上に
    より置換されていてもよい)、又はC3〜C10アルケニル
    基(但し、1個以上のフェニール基により置換されてい
    てもよい)を表わし、 Aは−O−、−S−、又は−CH2−基を表わし、 Bは−CO−、又は−CZ2CO−基を表わし、Zは水素原子
    又はフッ素原子を表し、 R2は水素原子、又はC1〜C4低級アルキル基を表わし、 Xは水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基を表わし、 Yは水素原子、ニトロ基、又はニトリル基を表わす。〕 により示されるベンゼン誘導体、その医薬上許容される
    塩、又はそれらの医薬上許容される溶媒和物。
  2. 【請求項2】前記式(I)において、R1が水素原子、C1
    〜C12アルキル基、又はC1〜C12アラルキル基を表わし、
    Aが−O−結合を表わし、Bが−CO−基、又はCH2CO−
    基を表す、請求の範囲第1項に記載のベンゼン誘導体、
    その医薬上許容される塩、又はそれらの医薬上許容され
    る溶媒和物。
  3. 【請求項3】前記式(I)において、R1が水素原子、C5
    〜C12環状アルキル基、C3〜C8分岐鎖状アルキル基、又
    はベンジル基を表わし、Aが−O−を表し、BがCH2CO
    −基を表し、R2が水素原子を表す、請求の範囲第2項に
    記載のベンゼン誘導体、その医薬上許容される塩、又は
    それらの医薬上許容される溶媒和物。
  4. 【請求項4】前記式(I)において、R1がC5〜C12環状
    アルキル基、下記一般式: (但し、R3およびR4はそれぞれ互いに独立にメチル、エ
    チル又はn−プロピル基を表す)により表される基、又
    はベンジル基を表す、請求の範囲第2項に記載のベンゼ
    ン誘導体、その医薬上許容される塩、又はそれらの医薬
    上許容される溶媒和物。
  5. 【請求項5】前記式(I)において、Bが−CH2CO−基
    を表わす、請求の範囲第1項又は第2項に記載のベンゼ
    ン誘導体、その医薬上許容される塩、又はそれらの医薬
    上許容される溶媒和物。
  6. 【請求項6】前記式(I)において、R2が水素原子、又
    はメチル基を表わす、請求の範囲第1項に記載のベンゼ
    ン誘導体、その医薬上許容される塩、又はそれらの医薬
    上許容される溶媒和物。
  7. 【請求項7】前記式(I)において、Xにより表される
    置換基が、それが結合しているベンゼン環の、−COOR2
    基に関して、4位又は5位に位置している、請求の範囲
    第1項に記載のベンゼン誘導体、その医薬上許容される
    塩、又はそれらの医薬上許容される溶媒和物。
  8. 【請求項8】前記式(I)において、R1Oにより表され
    る置換基が、それが結合しているベンゼン環の、A基に
    関して4位に位置している、請求の範囲第1項〜第4項
    のいずれか1項に記載のベンゼン誘導体、その医薬上許
    容される塩、又はそれらの医薬上許容される溶媒和物。
  9. 【請求項9】請求の範囲第1項に記載のベンゼン誘導
    体、その医薬上許容される塩、又はそれらの医薬上許容
    される溶媒和物と、製薬学的に許容される担体とを含
    む、医薬組成物。
  10. 【請求項10】請求の範囲第9項に記載の医薬組成物を
    有効成分として含み、IgE抗体産生抑制作用を有するこ
    とを特徴とするアレルギー疾患の予防又は治療剤。
  11. 【請求項11】前記アレルギー疾患が、気管支喘息、ア
    レルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚
    炎、アナフィラキシーショック、ダニアレルギー疾患、
    花粉症および食物アレルギー疾患を含有する、請求の範
    囲第10項に記載の、アレルギー疾患予防又は治療剤。
JP09520357A 1995-11-27 1996-11-26 ベンゼン誘導体 Expired - Fee Related JP3117466B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30722295 1995-11-27
JP7-307222 1995-11-27
JP22836796 1996-08-29
JP8-228367 1996-08-29
PCT/JP1996/003456 WO1997019910A1 (en) 1995-11-27 1996-11-26 Benzene derivatives

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3117466B2 true JP3117466B2 (ja) 2000-12-11

Family

ID=26528211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09520357A Expired - Fee Related JP3117466B2 (ja) 1995-11-27 1996-11-26 ベンゼン誘導体

Country Status (12)

Country Link
US (1) US5808144A (ja)
EP (1) EP0806412B1 (ja)
JP (1) JP3117466B2 (ja)
KR (1) KR100309754B1 (ja)
CN (1) CN1081623C (ja)
AT (1) ATE191458T1 (ja)
AU (1) AU703092B2 (ja)
CA (1) CA2210579C (ja)
DE (1) DE69607597T2 (ja)
ES (1) ES2144786T3 (ja)
TW (1) TW346483B (ja)
WO (1) WO1997019910A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2230864T3 (es) * 1998-07-24 2005-05-01 Teijin Limited Derivados del acido antranilico.
US6627743B1 (en) * 1999-12-03 2003-09-30 Abbott Laboratories 6-O-methylerythromycin A crystal form III
CA2400264A1 (en) * 2000-02-15 2001-08-23 Teijin Limited Cancer remedy comprising anthranilic acid derivative as active ingredient
GB0319124D0 (en) * 2003-08-14 2003-09-17 Smithkline Beecham Corp Chemical compounds
WO2020252195A1 (en) * 2019-06-11 2020-12-17 The Wistar Institute Of Anatomy And Biology Telomerase reverse transcriptase degraders and methods of use thereof

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE736787A (fr) * 1968-08-02 1970-01-30 Roussel Uclaf Dérivés de l'acide anthranilique et procédé de préparation
JPS60116657A (ja) * 1983-11-30 1985-06-24 Ono Pharmaceut Co Ltd アニリン誘導体
WO1993015043A1 (en) * 1992-01-24 1993-08-05 Yoshitomi Pharmaceutical Industries, Ltd. Arylalkananilide compound and pharmaceutical use thereof
US5783593A (en) * 1993-11-04 1998-07-21 Abbott Laboratories Inhibitors of squalene synthetase and protein farnesyltransferase

Also Published As

Publication number Publication date
DE69607597D1 (de) 2000-05-11
CN1081623C (zh) 2002-03-27
WO1997019910A1 (en) 1997-06-05
CN1173169A (zh) 1998-02-11
TW346483B (en) 1998-12-01
CA2210579A1 (en) 1997-06-05
CA2210579C (en) 2003-03-11
EP0806412B1 (en) 2000-04-05
ES2144786T3 (es) 2000-06-16
KR19980701699A (ko) 1998-06-25
EP0806412A4 (ja) 1997-11-12
KR100309754B1 (ko) 2002-05-30
ATE191458T1 (de) 2000-04-15
AU703092B2 (en) 1999-03-18
AU7590296A (en) 1997-06-19
DE69607597T2 (de) 2000-08-24
EP0806412A1 (en) 1997-11-12
US5808144A (en) 1998-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4008498B2 (ja) 新規パラテルフェニル化合物
WO1991001306A1 (fr) Derive oxoindole
TW201018667A (en) Compounds for inflammation and immune-related uses
JPH0912560A (ja) 改良された抗ウイルス化合物
JPH06500071A (ja) 新規化合物類
JPS63165380A (ja) 新規化合物、その製法及びそれを含む医薬組成物
JP3668494B2 (ja) ナフタレン誘導体
JPH03501477A (ja) 置換キノリン類
JP2649507B2 (ja) オキシム誘導体、その製造方法およびそれを含有する医薬品
JPH0717589B2 (ja) 新規1,3―ジカルボニル化合物およびその組成物
JP3117466B2 (ja) ベンゼン誘導体
JP2856548B2 (ja) チオナフタレン誘導体およびその製法並びにそれを含む抗アレルギー剤
JPH05221980A (ja) アセチレン化合物
JP3839071B2 (ja) クロマン誘導体
JPH055829B2 (ja)
JP2567593B2 (ja) イミダゾリジントリオン誘導体及び該化合物を有効成分として含有するアレルギ−性疾患治療剤
JPS6216469A (ja) 2−置換シクロヘプトイミダゾ−ル誘導体、抗潰瘍剤及びその製造方法
JPH0892216A (ja) 含窒素二環性複素環誘導体およびこれを含有する医薬製剤
JPS604170A (ja) キノロン誘導体
JPH05500060A (ja) 置換キノリン類
JPS62205043A (ja) 9,10−ジヒドロ−フエナントレン誘導体およびその製法
JPH0558885A (ja) 抗潰瘍剤
JPH08505148A (ja) ロイコトリエンアンタゴニストとして有用な置換ピリジル化合物
JPH0625092B2 (ja) 安息香酸誘導体
JPH02115182A (ja) 光学活性ピリドンカルボン酸化合物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees