JP3116372B2 - 酸化防止法 - Google Patents

酸化防止法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、タンパク質食品の酸化防止法に関し、詳し
くは酸化防止効果のあるカルノシン、アンセリン、バレ
ニン又はこれらの酸付加物を有効成分としてなるタンパ
ク質食品の酸化防止法に関する。
[従来の技術] 近年、畜産副生産物を利用し、ホエータンパク質濃縮
物(WPCいわゆるラクトアルブミン)や血漿タンパク質
濃縮物(プラズマパウダー)等の新規なタンパク質素材
が生産されるようになっている。これらの素材は、溶解
性にすぐれ、高いゲル形成能や乳化能をもつため、食品
素材として優れたものである。そのため、その用途は拡
大しつつある。しかし、WPCやプラズマパウダーなどで
は、貯蔵条件によりゲル形成能が急激に低下する場合が
ある。特に、プラズマパウダーでは、製品中に混在する
ヘム色素から遊離した鉄により酸化反応が触媒させるた
めか、ゲル強度の低下が著しい。
人工乳のような食品では、微量栄養素の強化のため
に、銅強化剤として硫酸銅や酢酸銅の添加が推奨されて
いるが、これらの銅塩の添加は、酸化反応を促進するた
めに、人工乳の品質に及ぼす影響が大きい。また、タン
パク質に富んだ飲料では、アスコルビン酸塩や果汁など
を配合した場合、微量に存在する金属の作用によりアス
コルビン酸から過酸化水素やヒドロキシラジカルが生成
し、それらの作用により、タンパク質の低分子化がおこ
り、品質を変化させることがある。
タンパク質は酸化作用を受けると、その分子が分解し
たり、逆に高分子化を引き起こす。この時、その構成成
分であるアミノ酸のうち、ヒスチジン、トリプトファ
ン、メチオニン、チロシンなどが特異的に損傷を受ける
ことも報告されいる。タンパク質の酸化反応は食品素材
としての機能特性の低下を引き起こすばかりでなく、栄
養価の低下をも招く結果となっている。それ故、タンパ
ク質の酸化による品質の低下を防止することができれば
食品加工上極めて有意義である。
しかし、酸化防止方法についての発明の多くは、脂質
を対象としてなされたものであり、例えば、トリプトフ
ァンよりなるペプチドを用いて酸化を防止する方法(特
公昭47−22250)等があるが、タンパク質の酸化防止に
関するものは見当らない。
[発明が解決しようとする課題] それ故、これらタンパク質食品にあっては、品質の劣
化や栄養価の低下を引き起こす酸化反応を防止する有効
な方法の開発が望まれている。このような実状に鑑み、
本発明者らは、安全性が高く、有効性の高いタンパク質
食品に対する酸化防止方法を提供すべく鋭意研究を行っ
た。その結果、カルノシン、アンセリン、バレニンに優
れた酸化防止効果を見いだし、これら化合物を用いるこ
とによりタンパク質食品の酸化防止が可能となり、本発
明を完成するに至った。
[課題を解決するための手段] 本発明の要旨は、カルノシン、アンセリン、バレニン
又はこれらの酸付加塩を酸化防止剤として加えるところ
にある。
ここで酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝
酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などが好まし
いものとして挙げられる。
カルノシン(β−アラニル−L−ヒシチジン)、アン
セリン(β−アラニル−L−1−メチルヒスチジン)、
バレニン(β−アラニル−L−3−メチルヒスチジン)
は、哺乳類、鳥類、は虫類、両生類などの筋肉組織中に
存在するジペプチドであり、既に公知の物質である。こ
れらペプチドが今世紀はじめ発見されて以来、多くの研
究がなされ、カルノシンやアンセリンは脊椎動物の骨格
筋中に1〜20mMの濃度範囲で存在することが報告されて
おり、その含量は筋肉の種類や動物の年齢とともに変化
する。カルノシン、アンセリン、バレニン等の物質は筋
肉や脳中でなんらかの生理的な役割を演じていると考え
られているが、それらの役割を充分に説明できる説はま
だない。これらの物質は神経伝達物質であるとも、ま
た、嫌気的な解糖作用により筋肉中に生成する乳酸を中
和するための緩衝剤として作用する物質であるともいわ
れているが明かではない。
ところが、発明者らが、カルノシン、アンセリン、バ
レニンのタンパク質に対する酸化防止効果について実験
を行なったところ予想外にも優れた効果を有することを
見いだした。
これらの物質は、元来生体内に存在する物質であるた
め、低毒性で安全性も高いこと、また、水に対する溶解
性が良好であり、苦味等も少ないことから酸化防止剤と
しての意義も大きいと考えられる。更に、タンパク質食
品において、ヒスチジンが制限アミノ酸となる場合に
は、酸化防止剤としてばかりでなく、アミノ酸の強化の
面からも非常に有意義である。
本発明に使用するカルノシン、アンセリン、バレニン
としては、天然物、例えばカツオ節あるいは煮干の製造
時に排出する煮汁、マグロ缶詰製造時に排出する煮汁、
あるいは、廃鶏の肉等の安価な原料から抽出精製された
ものが用いられるが、化学的合成品あるいは酵素合成品
を使用することも出来る。
本発明において、カルノシン、アンセリン、バレニン
をタンパク質食品に用いる場合には、カルノシン、アン
セリン、バレニンをそれぞれ単独あるいは組み合わせて
用いてもよいが、酸化防止効果の認められている他の抗
酸化剤やシネルギストと組み合わせて用いてもよい。
抗酸化剤としては、BHA、BHT等の抗酸化剤が、また、
シネルギストとしてはアスコルビン酸、クエン酸、燐酸
塩、フィチン酸等があげられる。
また、本発明でいうタンパク質食品の形態としては、
粉末状、固形状、半固形状、ペースト状あるいは液状ど
のような形態であってもよい。粉末状食品には、カゼイ
ン、ラクトアルブミン、プラズマパウダー、卵白のよう
な動物タンパク質、大豆蛋白、小麦蛋白等の植物タンパ
ク質や、これらの分解物、すなわち、全卵粉酵素分解
物、卵白のオリゴペプチド、大豆や小麦の加水分解物等
をあげることが出来るが、これら以外にも上記タンパク
質素材等に糖類、脂肪類、ビタミン類、ミネラル等の微
量栄養成分、乳化剤、香料等を配合した栄養補給食品等
をあげることができる。
また、固形状、半固形状、ペースト状あるいは液状の
食品として、高野豆腐等の農産食品、醤油、味噌等の調
味料、チーズ、ヨーグルト、生ハム、ドライソーセージ
等の畜産食品、魚貝類の半乾燥品、塩蔵品等の水産食
品、タンパク質を主成分とする牛乳、豆乳等の飲料が挙
げられる。
これら食品の製造方法としては、食品製造における通
常の方法を使用することができる。また、その配合量は
食品の形態性状により異なるが、一般には0.01〜50%が
好ましいが、特に限定されるものではない。
[実施例] 以下実験例、実施例により本発明を説明するが、これ
らは本発明を制限するものではない。
実験例1 0.1Mリン酸緩衝液17.5mlに、0.1M硫酸銅溶液2.5mlを
混ぜた混液に牛血清アルブミン0.01g及び各種アミノ酸
等を最終濃度が10mMになるように溶解して調製したタン
パク質試料液20mlに、10mMアスコルビン酸ナトリウム溶
液5mlを加えよく混合後、室温で24時間反応させた。反
応後、反応液4.5mlを採取し、0.4mMエチレンジアミン四
酢酸四ナトリウム溶液0.5mlを加え、反応を停止させ
た。
次に、この液に電気泳動用試料調製液5mlを加えた
後、さらに8M尿素5mlを加え電気泳動用試料とした。こ
の試料液を第一化学(株)製のグラジエントゲルを用い
て電気泳動した。電気泳動の後、クマシブリリアントブ
ルーR−250を用いて染色を行なった。タンパク質の酸
化に対するカルノシンの効果を調べるために牛血清アル
ブミンの主バンドについて(株)島津製作所製クロマト
スキャナCS−9000を用いて濃度の測定を行った。そのチ
ャート上の面積及び最大吸光度の比較により酸化防止効
果を実験した。その結果を下表に示した。
カルノシン及びヒスチジンに優れた酸化防止効果が認
められたが、ヒスチジンでは反応液の着色が著しいこと
から、ヒスチジンよりもカルノシンの方が好ましかっ
た。
実験例2 実験例1と同様の実験を、反応液中のカルノシンを濃
度をかえて行い、酸化防止効果の変化について調べた。
その結果を下表に示した。
カルノシンの添加量の増加とともに酸化が抑制された
が、その効果は、10mM以上ではほぼ同じであった。
実験例3 実験例1のタンパク質試料液のうち、タンパク質を牛
血清アルブミンからβ−ラクトグロブリンにかえて同様
な実験を行なった。その結果を下表に示した。
実施例1 成豚より採取した新鮮かつ衛生的な血液10Lにクエン
酸ナトリウム50gを添加した後、これを6000rpm,20分間
遠心分離して血球画分と血漿画分に分離した。上清を更
に4℃に冷却し、生成す沈澱物を遠心分離により除いて
得た上清を脱イオン水に対して透析後、限外濾過膜装置
を用いて血漿をタンパク質濃度15%まで濃縮した。この
濃縮物にカルノシン1g及びアスコルビン酸ナトリウム1g
を加え凍結乾燥してプラズマパウダーを得た。
この粉末とカルノシン及びアスコルビン酸ナトリウム
を加えずに製造したものを2ケ月間貯蔵した後、粉末を
水に溶解し、加熱したところカルノシン及びアスコルビ
ンナトリウムを添加した粉末では弾力性のある良好な加
熱ゲルを形成したが、無添加のものではゲルを形成しな
かった。
実施例2 ホエー蛋白濃縮物1kgを食塩20gを含有する水7Lに分散
させた。この分散液のpHを水酸化ナトリウムの添加によ
り7に調節し、容量を8.5Lにした。その後、アンセリン
10g及びカルノシン10gを加え、55℃に加熱した。攪拌
下、55℃に予備加熱した植物油1.46kgを加え乳化液を調
製した。ついでホモジナイザーを用い、150kg/cm2で均
質化した。この均質化乳化液を噴霧乾燥し、粉末油脂を
得た。
得られた製品について40日間貯蔵後、カルノシン及び
アンセリンを添加せずに製造した製品と官能検査により
比較した結果、香り、味ともに優れていた。
実施例3 ホエータンパク質濃縮物26.7gを250mlの水に溶解し、
これに別に調製した硫酸銅の水溶液5mlを加えて攪拌し
た。得られた混合液のpHを8に調整した後、30分間攪拌
したホエイタンパク質と銅を結合させた。得られたこの
結合体の溶液を透析処理して溶液中の無機塩を除去し
た。ついで透析溶液にキモトリプシン100mgを添加し、4
0℃で2時間反応させた。反応後生成物を85℃に加熱し
て酵素を失活させた後、この液にカルノシン0.1gを加え
よく溶解させた後、乾燥させて銅強化ペプチドを得た。
実施例4 15℃の飽和食塩水1Lにカツオ節製造時に排出する煮汁
を濃縮後、除タンパク処理及びイオン交換樹脂処理して
得たアンセリン及びカルノシンを含有する乾燥粉末1gを
溶解し、1時間カナダ産白鮭のスジコ300gを浸漬した
後、よく水切りし、これに食塩3%をふりかけ室温に放
置して塩蔵品を製造した。
実施例5 室温で20時間浸漬した丸大豆を浸漬時吸水した水を含
め10倍量の水で磨砕抽出した。この磨砕物を加熱し、沸
騰後5分間保持した後、濾過して豆乳を得た。この豆乳
100部に対し、トコフェロール0.1部、バレニン1部を加
えよく溶解した後、均質化し製品とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23L 1/20 (56)参考文献 Byull.Eksp.Biol.M ed.,Vol.107,Vol.2, (1989),p.144−147 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/00 - 3/54 A23B 4/00 - 4/32 A23C 21/08 A23L 1/03 A23L 1/20 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルノシン、アンセリン、バレニン又はこ
    れらの酸付加塩を配合することを特徴とするタンパク質
    食品の酸化防止法。
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