JP3107317B2 - 自転車用変速装置 - Google Patents

自転車用変速装置

Info

Publication number
JP3107317B2
JP3107317B2 JP03228955A JP22895591A JP3107317B2 JP 3107317 B2 JP3107317 B2 JP 3107317B2 JP 03228955 A JP03228955 A JP 03228955A JP 22895591 A JP22895591 A JP 22895591A JP 3107317 B2 JP3107317 B2 JP 3107317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
clutch
cam
claw
sun
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03228955A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0565093A (ja
Inventor
正士 長野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimano Inc filed Critical Shimano Inc
Priority to JP03228955A priority Critical patent/JP3107317B2/ja
Priority to DE69202657T priority patent/DE69202657T4/de
Priority to EP92104800A priority patent/EP0531608B1/en
Priority to DE69202657A priority patent/DE69202657D1/de
Publication of JPH0565093A publication Critical patent/JPH0565093A/ja
Priority to US08/112,976 priority patent/US5322487A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3107317B2 publication Critical patent/JP3107317B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力側回転体の回動力
を出力側回転体に伝達する伝動爪を、前記入力側回転体
と前記出力側回転体の一方に対して係合する起立伝動状
態と、外れる倒伏非伝動状態とに起伏自在に前記入力側
回転体と前記出力側回転体の他方に付設し、前記伝動爪
に対する操作カムを、前記伝動爪を前記倒伏非伝動状態
に押圧操作する倒伏操作位置と、前記伝動爪を前記起立
伝動状態に操作する起立操作位置とに摺動自在に有し、
前記操作カムの摺動操作による前記伝動爪の起伏切換え
によって速度切換えする変速操作機構を備えた自転車用
変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記自転車用変速装置において、従来例
えば実公昭57−42792号公報に示されるように、
操作カムの伝動爪を倒伏操作するためのカム面が円錐面
で成っていた3すなわち、操作カムがその摺動方向に伝
動爪に対して移動することによるカム作用のみによって
伝動爪が倒伏変化するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、変速に必要な操
作カムの摺動操作ストロークが比較的小で済むようにす
ると、操作カムの摺動操作ストロークの割には伝動爪が
大幅に倒伏変化するように、操作カムのカム面の操作カ
ム摺動軸芯に対する傾斜角を急角度にする必要が生じ、
この結果、伝動爪の倒伏操作時に操作カムに作用する操
作反力が大になり、変速に必要な操作力が重くなってい
た。また、駆動操作をしながら変速しようとしても、伝
動爪には駆動操作のために伝動負荷が作用して伝動爪の
回転体からの外れ抵抗が大になり、伝動爪自体の倒伏切
換えに必要な操作力も大になることに起因して操作カム
の摺動操作に必要な操作力が一層重くなり、変速操作が
不能になり易くなっていた。本発明の目的は、操作カム
を比較的小ストローク、摺動させるだけで、しかも、比
較的軽く変速操作できるようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による自転車用変
速装置にあっては、目的達成のために、冒頭に記したも
のにおいて、前記操作カムの前記伝動爪を倒伏操作する
カム面を、前記入力側回転体の回転軸芯方向及び回転方
向のいずれもの方向における前記操作カムと前記伝動爪
の相対摺動によって前記伝動爪が倒伏作動する傾斜面に
て形成してある。その作用及び効果は次の通りである。
【0005】
【作用】操作カムがその摺動軸芯方向に摺動し、かつ、
伝動爪が回転体と共に回動することに起因して操作カム
のカム面が伝動爪に対して操作カムの軸芯方向及び周方
向のいずれにも摺接作用することと、カム面が前記傾斜
面でなることとのために、操作カムが摺動軸芯方向と周
方向のいずれもの方向のカム作用によって伝動爪を倒伏
切換えする。すなわち、伝動爪が起立伝動状態から所定
ストロークを倒伏側に切換わるに当たり、操作カムの摺
動操作によって付与する倒伏操作だけではなく、伝動爪
が回転体との共回りのために自ら備える作動及び動力が
操作カムを用いての姿勢切換えに必要な作動や操作力に
なって切換わる。
【0006】
【発明の効果】伝動爪の回動を倒伏切換えに有効利用す
るから、操作カムを比較的わずかに摺動させるだけで、
かつ、伝動爪に作用する伝動負荷の割には、操作カムの
摺動操作に必要な操作力が小で済むとか、伝動爪の比較
的大きな外れ抵抗に抗しての倒伏切換えが可能になり、
操作カムに備えさせる必要のある摺動ストロークの面か
ら装置全体を比較的コンパクトにできるようになり、か
つ、軽操作力で楽に変速できるとか、駆動操作しながら
でも変速できるようにすることが可能になった。
【0007】
【実施例】次に、例示図を参照しながら、本発明の第1
実施例を説明する。図1に示すように、本発明の内装変
速機は、大略、自転車フレームに固定される固定軸1に
対し、チエンホイール2aをもった駆動体2とスポーク
を支持するハブ3a,3aをもったハブ胴3とを枢支
し、駆動体2からハブ胴3に至る動力伝達系に増速用の
第1遊星ギヤ列4と減速用の第2遊星ギヤ列5を設け、
駆動体2とは反対側にコースターブレーキ6を設けてな
る。また、後述するように、動力伝達系を切り換えるク
ラッチ入切機構7の操作をし、且つ、太陽ギヤの回動可
否選択用の制御部を操作するための筒状の操作体8を、
前記固定軸1に回動自在に外嵌して設けてある。尚、本
実施例は、後述するように7段変速が可能である。
【0008】前記各遊星ギヤ列4,5は互いに相対回転
不能に嵌合される第1、第2のギヤ枠4a,5aを各別
に備え、第1ギヤ枠4aにはコースターブレーキ6側か
ら中継体9を相対回転不能に嵌合してある。第1遊星ギ
ヤ列4の第1、第2太陽ギヤ11a,12a及び第2遊
星ギヤ列5の第3、第4太陽ギヤ13a,14aは、固
定軸1に対し夫々が独立して回転自在且つ軸方向移動不
能となるように支持してあり、第1、第2太陽ギヤ11
a,12aに各々噛合する第1、第2遊星ギヤ11b,
12bは一体形成され、第3、第4太陽ギヤ13a,1
4aに各々噛合する第3、第4遊星ギヤ13b,14b
も同様に一体形成されている。また、第2遊星ギヤ12
bには第1リングギヤ15を、第4遊星ギヤ14bには
第2リングギヤ16を各別に噛合させてある。尚、固定
軸1に対する各太陽ギヤ11a,12a,13a,14
aの回動可否は、後述の操作体8によって選択可能であ
る。
【0009】第1リングギヤ15は中継体9と選択的に
ハブ胴3への出力用として用いられ、また、第2リング
ギヤ16は第2ギヤ枠5aと選択的に駆動体2からの入
力用として用いられる。そして、これらの各部材間で動
力を伝達するために、ワンウエイクラッチを用いてあ
る。かかるワンウエイクラッチは、中継体9または第1
リングギヤ15とハブ胴3との間に設けた出力伝達用の
第1、第2伝動クラッチ17,18と、第2ギヤ枠5a
または第2リングギヤ16と駆動体2との間に設けた第
3、第4伝動クラッチ19,20とよりなる。これら各
クラッチはラチェット爪たる第1〜第4伝動爪17a,
18a,19a,20aと複数のラチェット歯たる第1
〜第4伝動歯17b,18b,19b,20bとよりな
り、各伝動爪17a,18a,19a,20aは各伝動
歯17b,18b,19b,20b側にばねにより常時
付勢してある。第1〜第4伝動爪17a,18a,19
a,20aは各々中継体9、第1リングギヤ15、駆動
体2に取り付けてあり、各伝動爪17a,18a,19
a,20aを取り付けた部材が駆動方向Kに回転する場
合にのみ、それぞれの爪に対応するハブ胴3、第2ギヤ
枠5aまたは第2リングギヤ16が従動する方向に爪を
配向してある。尚、第3伝動爪19aは前記第3伝動歯
19bの前幅にわたって噛み合い、第3伝動クラッチ1
9は、後述するクラッチ入切機構7により入切可能であ
る。
【0010】図1及び図9〜図16に示すように、前記
第1〜第4太陽ギヤ11a,12a,13a,14aと
固定軸1との間には、ワンウエイクラッチとしての第1
〜第4太陽クラッチ21,22,23,24を設けてあ
る。これら第1〜第4太陽クラッチ21,22,23,
24は、第1〜第4太陽ギヤ11a,12a,13a,
14aの内周に取り付けた第1〜第4太陽爪21a,2
2a,23a,24aを固定軸1に向かって常時付勢す
る状態で設け、これら第1〜第3太陽爪21a,22
a,23aに係合して固定軸1に対する回動を一方向に
のみ規制する第1、第2規制突起21b,22bを固定
軸1に一体形成してなる。これらのうち第2規制突起2
2bは、第2、第3太陽爪22a,23aに共通して用
いてある。ここで、第1、第2太陽クラッチ21,22
は固定軸1に対する駆動方向Kとは反対回りの回転を許
容し、第3太陽クラッチ23は固定軸1に対する駆動方
向K回りの回転を許容するように構成してある(図9〜
図15を対比して参照すれば、その理由を容易に理解で
きる。)。尚、第1太陽ギヤ11aは小径であることか
ら、その一部を左側に延出させて第1太陽クラッチ21
を設けてある。図中24bは、図4に示す如き爪取付け
部材であり、固定軸1に回動不能に付設して、固定軸1
に第4太陽爪24aの取付け部を形成するものである。
【0011】前記操作体8は、図1及び図4に示すよう
に、固定軸1に対してコースターブレーキ6側から順次
回転自在に外嵌される第1、第2スリーブ25,26
と、操作ワイヤCのニップルを係止するための図6の如
きワイヤ掛け27とよりなる。第1スリーブ25は右側
に向かって延出する第1フォーク部25aを備え、第2
スリーブ26は左右に向かって各々延出する第2、第3
フォーク部26a,26bを備えている。両スリーブ2
5,26は,図8に示す如き第2フォーク部26aと2
6aの間のスリーブ周方向隙間と、第1フォーク部25
aのスリーブ周方向太さとの差のために設定角Dだけは
相対回転し、それ以上は第1フォーク部25aと第2フ
ォーク部26aとの接当で一体に回転するように同芯状
に係合する状態に組付くように構成してある。第1フォ
ーク部25aに係合することのために第1スリーブ25
と一体回動するように構成したカム体41に、ばね取付
け孔41bを利用して第1スプリングS1の一端側が係
止し、この第1スプリングS1の他端側が第2スリーブ
26にばね取付け孔26cを利用して係止しており、第
2スリーブ26が駆動方向Kとは反対方向に回動する際
には第1スリーブ25が第2スリーブ26に追随回動す
るように、かつ、第1スリーブ25に設定以上の回動抵
抗が作用する際には、第2スリーブ26が第1スリーブ
25に対して設定角Dだけ先行回動することを許容する
状態で、第1スプリングS1がスリーブ25を26に連
動させるように構成してある。さらに、第3フォーク部
先端部26bは、ワイヤ掛け27の中央部に向かって突
出する突出部27aに設けた溝27bと嵌合しているこ
とにより、操作体8は全体として固定軸1に対し一体回
転可能となっている。前記爪取付け部材24bにばね取
付け孔53を利用して一端側を係止させた第2スプリン
グS2の他端側を、ばね受け板54にばね取付け切欠き
54aを利用して係止させると共に、ばね受け板54
は、これのばね取付け孔54bに前記第1スプリングS
1が係止していることに起因して第1スプリングS1お
よびカム体41を介してスリーブ25に係止しているこ
とにより、第2スプリングS2は、操作体8が駆動方向
Kとは反対方向に回動するに伴ってスリーブ25によっ
て巻上げ操作され、スリーブ25を駆動方向Kと同一の
回転方向に復帰付勢するように構成してある。スプリン
グS1およびS2は、ねじりによる弾性復元力を付勢力
として発揮するようにねじりコイルスプリングに形成し
てあり、そして、変速装置の内部に位置するように固定
軸1に外嵌して配置してある。
【0012】前記各太陽クラッチ21,22,23は前
記第1スリーブ25の回転によって入切可能である。す
なわち、図4に示す如き第1スリーブ25における第1
〜第3制御部31,32,33は、図10〜図16に示
すように、前記第1、第2規制突起21b,22bに符
合させることにより、第1〜第3太陽爪21a,22
a,23aを第1〜第3太陽ギヤ11a,12a,13
a側に倒伏して固定軸1から離脱する状態に操作し、各
規制突起21b,22bと前記第1〜第3太陽爪21
a,22a,23aとの係合を防いで、第1〜第3太陽
ギヤ11a,12a,13aの自由回転を許容する。そ
して、第1〜第3制御部31,32,33は、第1、第
2規制突起21b,22bとの符号を解除させることに
より、第1〜第3太陽爪21a,22a,23aをその
付勢力により起立して固定軸1に係合する状態に操作
し、各規制突起21b,22b,23bと前記第1〜第
3太陽爪21a,22a,23aとを係合させて、第1
〜第3太陽ギヤ11a,12a,13aを回転不能にロ
ックする。尚、第4太陽クラッチ24の制御は不要であ
る。
【0013】ワイヤ掛け27の左右には、図1に示すよ
うに、図5の如き玉押し34と、前記突出部27aに接
当してその回動角度を所定範囲内に規制する図7の如き
回動規制体35とを、各々固定軸1に対しこれに形成し
た固定溝1aを介して回動不能に外嵌してある。尚、図
中36は、各部材の抜け止め用ナットである。また、玉
押し34と駆動体2との間、及び、駆動体2とハブ胴3
との間には回転を許容するためのボールをそれぞれ介装
してある。
【0014】前記クラッチ入切機構7は、図1に示すよ
うに、大略、第3伝動爪19aを付勢力で起立してギヤ
枠5aに係合する状態にすることによって第3伝動クラ
ッチ19を入りにし、かつ、第3伝動爪19aを駆動体
2側に倒伏操作してギヤ枠5aから離脱させることによ
って第3伝動クラッチ19を切るためのクラッチ入切体
40と、このクラッチ入切体40を軸方向移動自在に支
持する固定板42と、前記第1フォーク部25aに回動
不能に嵌合し、かつ、固定板42に回転自由に内嵌する
前記カム体41とよりなる。固定板42は前記固定溝1
aを介して固定軸1に回転不能に支持してあり、クラッ
チ入切体40の内周部を嵌合させてクラッチ入切体40
の固定軸1に対する回転を防止してある。カム体41
は、図4の如きカムであり、フォーク部41aによりク
ラッチ入切体40の固定板42から内側に突出するピン
43を鋏んでこのピン43に操作体8の回動力を伝達す
ることによってクラッチ入切体40を回動操作するよう
に構成してある。このカム体41は、固定板42を介し
て前記玉押し34に接当することにより右方向への移動
を規制され、クラッチ入切体40に圧入したピン43の
頭部をカムフォロアとして押圧することによりクラッチ
入切体41を左側へ移動させる。クラッチ入切体40の
左側には、第3伝動爪19aに接当してこの爪19aを
倒伏状態になるようクラッチ入切体40の外周部に持ち
上げるための図22〜図24の如きカム面40Kを形成
してある。クラッチ入切体40は圧縮ばね44によって
右側に復帰付勢してある。
【0015】前記コースターブレーキ6は、駆動体2の
逆転時、駆動体2と第2ギヤ枠5aとの間に設けたワン
ウエイクラッチとしてのブレーキクラッチ47を介して
前記ギヤ枠4a,5aが逆転することにより作動する。
このコースターブレーキ6は、ハブ胴3内面の制動面3
bに対向して環状にブレーキシュー48を配設し、ブレ
ーキシュー内面にローラー49を複数個配設し、且つ、
逆転時にローラー49を拡径方向に押し出すカム面50
を前記第1ギヤ枠4aに形成してなる。
【0016】前記ブレーキクラッチ47は、図1、図2
及び図3に示すように、ラチェットたるブレーキ爪47
aと前記第3伝動歯19bとよりなり、ブレーキ爪47
aは第3伝動歯19b側にばねにより常時付勢すると共
に、前記第3伝動クラッチ19とは反対側にブレーキ爪
47aを配向してある。第4伝動爪20aは、環状の爪
ケージ51に形成した切欠部51aから第4伝動歯20
b側に突出させてあり、爪ケージ51の一部をブレーキ
爪47aの基部側まで延出させてある。このブレーキ爪
47aは、第3伝動歯19bとの係合時においてその基
部を駆動体2に対して移動可能に支持してあり、かかる
基部の移動によって爪ケージ51の切欠部51aを駆動
体2に対し相対移動させ、前記第4伝動爪20aを倒伏
させて第4伝動クラッチ20を切るように構成してあ
る。したがって、駆動体2の逆転時には、ブレーキクラ
ッチ47及びギヤ枠4a,5aを介してコースターブレ
ーキ6が作動し、第4伝動クラッチ20とブレーキクラ
ッチ47との干渉は防止される。尚、図中52は、第4
伝動クラッチ20が作動可能状態となる側に爪ケージ5
1を復帰付勢するための捩じりばねである。
【0017】次に、表1と各図を参照しながら、動力伝
達系の切換及び太陽ギヤ11a,12a,13a,14
aの制御について、第1遊星ギヤ列4と第2遊星ギヤ列
5とに分けて基本的な動作を説明した後、1〜7段位の
切換について説明する。尚、表1において、「−」はワ
ンウエイクラッチ17〜20,21〜24が作動せずそ
の相対回転が許容される状態を示し、以下、「非作動状
態」と称する。「〇」はワンウエイクラッチが作動して
その相対回転が阻止された状態を示し、以下、「入り状
態」と称する。「×」はワンウエイクラッチの係合を強
制的に阻止してその相対回転を許容する状態を示し、以
下、「切り状態」と称する。「×」の無いクラッチは、
制御が不要であることを意味している。また、理解の容
易のために、図16に上記構成を簡略化した線図を示
す。
【0018】
【表1】
【0019】増速用の第1遊星ギヤ列4において、第
1、第2太陽クラッチ21,22のいずれかが入り状態
となった場合には、第1リングギヤ15の角速度は中継
体9の角速度よりも必ず大となるため、第2伝動クラッ
チ18は入り状態となる一方、第1伝動クラッチ17は
非作動状態となり、動力伝達系は第1リングギヤ15か
ら第2伝動クラッチ18を介してハブ胴3に至る増速系
となる。これに対し、第1、第2太陽クラッチ21,2
2の双方を切り状態とした場合には、第2伝動クラッチ
18は非作動状態となり、動力伝達系は中継体9から第
1伝動クラッチ17を介してハブ胴3に至る等速系とな
る。したがって、第1遊星ギヤ列4においては、第1、
第2太陽クラッチ21,22の制御のみによって動力伝
達系を切り換えることができ、表1の第1、第2伝動ク
ラッチ17,18欄に「×」が無いことからわかるよう
に、これら第1、第2伝動クラッチ17,18の制御は
不要である。
【0020】減速用の第2遊星ギヤ列5において、第3
伝動クラッチ19が入り状態となっている場合には、動
力伝達系は、駆動体2、第3伝動クラッチ19を介して
ギヤ枠5aに至る等速系となる。これに対し、前記クラ
ッチ入切機構7を介して第3伝動クラッチ19を切り状
態とした場合には、動力伝達系は、駆動体2、第4伝動
クラッチ20及び第2リングギヤ16を介してギヤ枠5
aに至る減速系となる。したがって、第2遊星ギヤ列5
においては、クラッチ入切機構7の操作によって動力伝
達系を切り換えることができる。
【0021】変速操作を行うために前記操作ワイヤCを
牽引し、操作体8を駆動方向Kとは反対方向にステップ
的に所定角度ずつ回転させると、前記第1〜第3制御部
31〜33、及びクラッチ入切機構7の作動に伴う各太
陽クラッチ21,22,23及び第3伝動爪19aの制
御を行うことができる。そして上記規則に基づいて、最
低速の低速3段L3から最高速の高速3段H3まで順次
7段階にわたって、増速側の変速操作をすることができ
る。これに対し、操作ワイヤCを弛緩させることによっ
て、前記第2スプリングS2の復原力により操作体8は
駆動方向Fと同一方向に復動し、最高速の高速3段H3
から最低速の低速3段L3に至るまでの減速側の変速操
作をすることができる。最高速の高速3段H3から最低
速の低速3段L3に至るまでのそれぞれの状態に対応す
る第1〜第3太陽クラッチ21,22,23の状態を、
図9〜15に示す。
【0022】つまり、変速操作装置Rの揺動レバー式の
人為変速操作具60による操作ワイヤCを介しての操作
体8の回動操作と、この回動操作によるクラッチ入切体
40の摺動操作とにより、第3伝動クラッチ19および
第2太陽クラッチ22を入りで、第1および3太陽クラ
ッチ21,23を非作動状態に操作すると、第4太陽ク
ラッチ24、第1および4伝動クラッチ17,20が非
作動状態で、第2伝動クラッチ18が入りになって、高
速3段H3になり、駆動体2の回動力が第3伝動クラッ
チ19、ギヤ枠5a、ギヤ枠4a、第1リングギヤ1
5、第2伝動クラッチ18を介してハブ胴3に伝達する
のである。第3伝動クラッチ19および第1太陽クラッ
チ21を入りで、第2太陽クラッチ22を切りで、第3
太陽クラッチ23を非作動状態に操作すると、第4太陽
クラッチ24、第1および4伝動クラッチ17、20が
非作動状態で、第2伝動クラッチ18が入りになって、
高速2段H2になり、駆動体2の回動力が第3伝動クラ
ッチ19、ギヤ枠5a、ギヤ枠4a、第1リングギヤ1
5、第2伝動クラッチ18を介してハブ胴3に伝達する
のである。第3伝動クラッチ19を切りで、第2および
3太陽クラッチ22、23を入りで、第1太陽クラッチ
21を非作動状態に操作すると、第4太陽クラッチ2
4、第1伝動クラッチ17が非作動状態で、第2および
4伝動クラッチ18、20が入りになって、高速1段H
1になり、駆動体2の回動力が第4伝動クラッチ20、
第2リングギヤ16、ギヤ枠5a、ギヤ枠4a、第1リ
ングギヤ15、第2伝動クラッチ18を介してハブ胴3
に伝達するのである。第3伝動クラッチ19および第3
太陽クラッチ23を切りで、第1太陽クラッチ21を非
作動状態で、第2太陽クラッチ22を入りに操作する
と、第4太陽クラッチ24、第2および4伝動クラッチ
18,20が入りで、第1伝動クラッチ17が非作動状
態になって、中速段位Mになり、駆動体2の回動力が第
4伝動クラッチ20、ギヤ枠5a、ギヤ枠4a、第2伝
動クラッチ18を介してハブ胴3に伝達するのである。
第3伝動クラッチ19、第2および3太陽クラッチ2
2,23を切りで、第1太陽クラッチ21を入りに操作
すると、第4太陽クラッチ24、第2および4伝動クラ
ッチ18,20が入りで、第1伝動クラッチ17が非作
動状態になって、低速1段L1になり、駆動体2の回動
力が第4伝動クラッチ20、第2リングギヤ16、ギヤ
枠5a、ギヤ枠4a、第1リングギヤ15、第2伝動ク
ラッチ18を介してハブ胴3に伝達するのである。第3
伝動クラッチ19、第1および2太陽クラッチ21,2
2を切りで、第3太陽クラッチ23を入りに操作する
と、第4太陽クラッチ24、第2伝動クラッチ18が非
作動状態で、第1および4伝動クラッチ17,20が入
りになって、低速2段L2になり、駆動体2の回動力が
第4伝動クラッチ20、第2リングギヤ16、ギヤ枠5
a、ギヤ枠4a、中継体9、第1伝動クラッチ17を介
してハブ胴3に伝達するのである。第3伝動クラッチ1
9、第1,2および3太陽クラッチ21,22,23を
切りに操作すると、第4太陽クラッチ24、第1および
4伝動クラッチ17、20が入りで、第2伝動クラッチ
18が非作動状態になって、低速3段L3になり、駆動
体2の回動力が第4伝動クラッチ20、第2リングギヤ
16、ギヤ枠5a、ギヤ枠4a、中継体9、第1伝動ク
ラッチ17を介してハブ胴3に伝達するのである。
【0023】図17〜図19に示すように、前記クラッ
チ入切体40の第3伝動爪19aを操作するカム面40
Kは、伝動爪19aの倒伏切換えをすると共にクラッチ
入切体40の周方向に並ぶ複数個の第1カム面40a
と、伝動爪19aの倒伏維持をすると共にクラッチ入切
体40の周方向に連なる第2カム面40bとによって構
成してある。前記第1カム面40aは、クラッチ入切体
40の摺動軸芯Xに対する図18の如き第1傾斜角A、
及び図17の如き第2傾斜角Bを有することに起因し、
駆動体2の回転軸芯方向及び回転方向のいずれもの方向
におけるクラッチ入切体40と伝動爪19aの相対摺動
によって伝動爪19aが倒伏作動することになる平坦な
傾斜面によって形成してある。すなわち、クラッチ入切
体40が起立操作位置から摺動して伝動爪19aに接触
するに伴い、第1傾斜角Aによるカム作用による倒伏作
用、伝動爪19aが駆動回転体2と共に回動してクラッ
チ入切体40に対して回動していることと、第2傾斜角
Bによるカム作用とに起因する倒伏作用の両倒伏作用に
よって伝動爪19aが倒伏作動し、クラッチ入切体40
の摺動ストローク及び摺動操作力の割には伝動爪19a
が迅速に倒伏非伝動状態に切換わるように配慮してあ
る。
【0024】〔別実施例〕次に本発明の第2実施例を説
明する。図20に示すように、車体フレーム(図示せ
ず)に回動不能に締付固定するように構成した筒車軸6
1に、ボール押え62及びボール63を介して駆動体2
およびハブ胴3を回動自在に取付けると共に、駆動体2
にチェンホイル2aによって駆動力を導入し、駆動体2
の回動力を、第1〜第4伝動爪66〜69及び遊星ギア
70等を備える変速装置本体により高・中・低速の3段
階に変速してハブ胴3に伝達するように構成して、3段
変速が可能な自転車用の内装変速装置を構成してある。
この変速装置は、第1操作カム71、第2操作カム72
及び操作ロッド73等を備える変速操作機構Eによる変
速装置本体の切換え操作によって変速操作するように構
成してあり、詳しくは次の如く構成してある。
【0025】変速装置本体は、筒車軸61や駆動体2に
回動可能に外嵌する第1伝動回転体74、キャリア75
及び第2伝動回転体76、前記駆動体2と第1伝動回転
体74の間に位置する前記第1伝動爪66、駆動体2と
第2伝動回転体66の間に位置する前記第2伝動爪6
7、第1伝動回転体74とハブ胴3の間に位置する前記
第3伝動爪68、キャリア75に付設の前記遊星ギア7
0、キャリア75とハブ胴3の間に位置する前記第4伝
動爪69等によって構成してある。第1伝動爪66は、
図23に明示する如く駆動体2の外周側に駆動体2と一
体に回動するように、かつ、起伏揺動するように取付け
てあるとともに、爪先部が第1伝動回転体74の受動用
ラチェット歯部74aに係合するように爪ばね66aに
よって起立付勢したラチェット爪に構成してある。すな
わち、駆動体2と第1伝動回転体74との回転速度差に
よって、第1伝動爪66が起立付勢のためにラチェット
歯部74aに係合して駆動体2の回動力を第1伝動回転
体74に伝達する起立伝動状態と、ラチェット歯部74
aによる押圧揺動操作のために第1伝動回転体74から
退避して第1伝動回転体74の駆動体2に対する先行回
動を許容する倒伏非伝動状態とに自動的に切換わるよう
に構成してある。第2伝動爪67は、図23に明示する
如く駆動体2の内周側に駆動体2と一体回動し、かつ、
起伏揺動するように取付けてあり、起伏することによ
り、爪先部が第2伝動回転体76の受動歯部76aに係
合して駆動体2の回転動力を第2伝動回転体76に伝達
する起立伝動状態と、爪先部が第2伝動回転体76から
外れて駆動体2から第2伝動回転体76への伝動を断つ
倒伏非伝動状態とに切換わるように構成してあると共
に、起立伝動状態に自動復帰できるように爪ばね67a
によって起立付勢してある。第2伝動回転体76は筒車
軸61に回動可能に外嵌してあり、かつ、前記受動歯部
76aが位置する方とは反対側の端部に備える伝動歯部
76bによって前記キャリア75に一体回動可能に係合
させてある。遊星ギア70はキャリア75の回動に伴っ
て取付軸77の軸芯周りで自転回動しながらキャリア7
5の回動軸芯周りで公転回動するように、キャリア75
に枢着してあると共に筒車軸61の太陽ギア部7aに咬
合させてある。第1伝動回転体74は前記ラチェット歯
部74aが位置する方とは反対側の端部に備える内歯式
ギア部74bによって前記遊星ギア70に咬合させてあ
る。つまり、第2伝動爪67が起立伝動状態になると、
駆動体2の回動力が第2伝動回転体76によってキャリ
ア75に伝わり、キャリア75が回動すると共に、キャ
リア75の回動力が遊星ギア70により増速されて第1
伝動回転体74に伝わるように構成してある。この時、
遊星ギア70による増速作用と、第1伝動爪66による
先行回動許容とのために、第1伝動回転体74が駆動体
2に対して先行回動するように構成してある。第2伝動
爪67が倒伏非伝動状態になると、駆動体2の回動力が
第1伝動爪66によって第1伝動回転体74に伝わり、
第1伝動回転体74の回動力が遊星ギア70により減速
されてキャリア75に伝わるように構成してある。第3
伝動爪68は、図24に明示する如く第1伝動回転体7
4を枢着軸78によって一体回動し、かつ、起伏揺動す
るように取付けてあり、起伏することにより、爪先部が
ハブ胴3の受動歯部3aに係合して第1伝動回転体74
の回動力をハブ胴3に伝達する起立伝動状態と、爪先部
がハブ胴3から外れて第1伝動回転体74からハブ胴3
への伝動を断つ倒伏非伝動状態とに切換わるように構成
してあると共に、起立伝動状態に自動復帰できるように
爪ばね68aによって起立付勢してある。第3伝動爪6
9は、キャリア75に一体回動するように、かつ、起伏
揺動するように取付けてあると共に、爪先部がハブ胴3
の受動用ラチェット歯部3bに係合するように爪ばね6
9aによって起立付勢したラチェット爪に構成してあ
る。すなわち、キャリア75とハブ胴3との回転速度差
によって、第4伝動爪69が起立付勢のためにラチェッ
ト歯部3bに係合してキャリア75の回動力をハブ胴3
に伝達する起立伝動状態と、ラチェット歯部3bによる
押圧揺動操作のためにハブ胴3から退避してハブ胴3の
キャリア75に対する先行回動を許容する倒伏非伝動状
態とに自動的に切換わるように構成してある。つまり、
第2伝動爪67と第3伝動爪68の起伏切換えをするこ
とにより、第1及び第4伝動爪66,69の伝動や先行
回動を可能にする作用と、遊星ギア70の変速作用とに
起因して駆動体2からハブ胴3への伝動状態が次の表2
に示す如く高・中・低速の3段階に切換わるのである。
すなわち、第2伝動爪67及び第3伝動爪68のいずれ
もが起立伝動状態になると、駆動体2の回動力が第2伝
動爪67、第2伝動回転体76、キャリア75、遊星ギ
ア70、第1伝動回転体74及び第1伝動爪68を介し
てハブ胴3に伝わり、高速状態になるのである。第2伝
動爪67が倒伏非伝動状態で第3伝動爪68が起立伝動
状態になると、駆動体2の回動力が第1伝動爪66、第
1伝動回転体74及び第3伝動爪68を介してハブ胴3
に伝わり、中速状態になるのである。第2伝動爪67及
び第3伝動爪68のいずれもが倒伏非伝動状態になる
と、駆動体2の回動力が第1伝動爪66、第1伝動回転
体74、遊星ギア70、キャリア75及び第4伝動爪6
9を介してハブ胴3に伝わり、低速状態になるのであ
る。
【0026】変速操作機構Eは、第2伝動爪67の操作
のための前記第1操作カム71、第3伝動爪68の操作
のための前記第2操作カム72、第1操作カム71とボ
ール押え62の間に位置するコイル式の送りスプリング
79、第2操作カム72と前記太陽ギア部61aとの間
に位置するコイル式の戻しスプリング80、筒車軸61
の内部に位置する前記操作ロッド73、この操作ロッド
73に連動機構81及び変速ワイヤ82を介して連動す
る変速操作部83によって成り、変速操作部83が備え
る変速レバー84の揺動操作による操作ロッド73の摺
動操作により、所定段階の速度状態を現出するように構
成してある。すなわち、第1操作カム71は、筒車軸6
1に対して回止め具85によって回止めされながら車軸
芯方向に摺動するように筒車軸61に外嵌してあると共
に、この摺動により、図20に示す如く駆動体2のスト
ッパー部2bに接当し、図26の如きカム面86が第2
伝動爪67から離れて第2伝動爪67の爪ばね67aに
よる起立作動を許容することによって第2伝動爪67を
起立伝動状態に操作する起立操作位置と、図21及び図
22に示す如く起立操作位置から第2伝動爪67の方に
移動し、前記カム面86をして第2伝動爪67を倒伏非
伝動状態に押圧操作する倒伏操作位置とに切換わるよう
に構成してある。回止め具85は筒車軸61の回止め具
挿通孔61bの長孔形状の作用によって筒車軸61に対
して摺動することにより、第1操作カム71の摺動を可
能にするように構成してある。第2操作カム72は、第
2伝動回転体76の大径部によって形成してあり、第2
伝動回転体76のキャリア75に係合しながらの筒車軸
61に対する摺動のために筒車軸61に対して車軸芯方
向に摺動するように構成すると共に、この摺動により、
図20及び図21に示す如く筒車軸61のストッパーリ
ング88に接当し、図29の如きカム面87が第3伝動
爪68から離れて第3伝動爪68の爪ばね68aによる
起立作動を許容することによって第3伝動爪68を起立
伝動状態に操作する起立操作位置と、図22に示す如く
起立操作位置から第3伝動爪68の方に移動し、前記カ
ム面87をして第3伝動爪68を倒伏非伝動状態に押圧
操作する倒伏操作位置とに切換わるように構成してあ
る。戻しスプリング80は、第2操作カム72を起立操
作位置に切換え付勢することによって第2操作カム72
の起立操作位置への自動復帰を可能にするように構成す
ると共に、送りスプリング79は、変速装置本体が高速
状態から中速状態に切換わるまでは第1操作カム71の
みを倒伏操作位置に切換え付勢し、変速装置本体が中速
状態に切換わってからは、第2操作カム72に接当する
第1操作カム71を介して第2操作カム72を起立操作
位置から倒伏操作位置に切換え付勢するように構成して
ある。図20ないし図22に示すように、変速レバー8
4を揺動操作するに伴い、レバー操作力が変速ワイヤ8
2及び連動機構81を介して操作ロッド73に伝わり、
操作ロッド73が筒車軸1に対して突入側に摺動して回
止め具85を送りスプリング79に抗して押し摺動操作
することにより、第1操作カム71を切換え操作した
り、第2操作カム72を戻しスプリング80による付勢
力によって切換え操作するとか、あるいは、操作ロッド
73が筒車軸61に対して突出側に摺動して送りスプリ
ング79による切換え操作を許容することにより、第1
操作カム71及び第2操作カム72の切換え操作をする
ように構成してある。操作ロッド73は変速操作部83
の変速レバー保持作用のために所定の摺動位置に保持さ
れて第1操作カム71を倒伏操作位置や起立操作位置に
送りスプリング79に抗して受止め保持するように構成
してある。つまり、変速レバー84を高速位置Hに操作
すると、操作ロッド73が図20に示す操作位置になり
第1操作カム71が操作ロッド73の操作力により起立
操作位置になって第2伝動爪67を起立伝動状態に操作
し、第2操作カム72が戻しスプリング80の操作力に
より起立操作位置になって第3伝動爪68を起立伝動状
態に操作することにより、高速状態を現出するのであ
る。変速レバー84を中速位置Mに操作すると、操作ロ
ッド73が図21に示す操作位置になり、第1操作カム
71が送りスプリング79の弾性復元力による摺動操作
と操作ロッド73のストッパー作用とのために倒伏位置
になって第2伝動爪67を倒伏非伝動状態に操作し、第
2操作カム72が戻しスプリング80の操作力により起
立操作位置になって第3伝動爪68を起立伝動状態に操
作することにより、中速状態を現出するのである。変速
レバー84を低速位置Lに操作すると、操作ロッド73
が図22に示す操作位置になり、第1操作カム71が送
りスプリング79の弾性復元力による摺動操作と第2操
作カム72のストッパー作用のために倒伏操作位置にな
って第2伝動爪67を倒伏非伝動状態に操作し、第2操
作カム72が送りスプリング79の弾性復元力による摺
動操作力によって倒伏操作位置になって第3伝動爪68
を倒伏非伝動状態に操作することにより、低速状態を現
出するのである。
【0027】
【表2】
【0028】前記第1操作カム71の前記カム面86、
及び、前記第2操作カム72の前記カム面87は、伝動
爪67または68の倒伏切換えをすると共に操作カム7
1または72の周方向に並ぶ複数個の第1カム面86a
または87aと、伝動爪67または68の倒伏維持をす
ると共に操作カム71または72の周方向に連なる第2
カム面86bまたは87bとによって構成してある。前
記第1カム面86aまたは87aは、操作カム71また
は72の摺動軸芯Hに対する図26または図29の如き
第1傾斜角A、及び図25または図28の如き第2傾斜
角Bを有することに起因し、駆動体2または第1伝動回
転体74の回転軸芯方向及び回転方向のいずれもの方向
における操作カム71または72と伝動爪67または6
8の相対摺動によって伝動爪67または68が倒伏作動
することになる平坦な傾斜面によって形成してある。す
なわち、第1操作カム71及び第2操作カム72が起立
操作位置から摺動して伝動爪67または68に接触する
に伴い、第1傾斜角Aによるカム作用による倒伏作用、
伝動爪67または68が駆動体2または第1伝動回転体
74と共に回動して操作カム71または72に対して回
動していることと、第2傾斜角Bによるカム作用とに起
因する倒伏作用の両倒伏作用によって伝動爪67または
68が倒伏作動し、操作カム71または72の摺動スト
ローク及び摺動操作力の割には伝動爪67または68が
迅速に倒伏非伝動状態に切換わるように配慮してある。
第1操作カム71の第1カム面86a、及び、第2操作
カム72の第1カム面87a夫々の前記第1傾斜角A及
び前記第2傾斜角Bを次の表3の如く形成することによ
り、第1操作カム71の摺動力が第2伝動爪67に対し
て倒伏操作力として作用する効率と、第2操作カム72
の摺動力が第3伝動爪68に対して倒伏操作力として作
用する効率とが相違するように、第1カム面86aと8
7aの形状を相違させ、走行駆動操作をしながら変速操
作をしても、クランク(図示せず)が上死点や下死点ま
たはその付近に位置するところの低駆動負荷箇所に位置
することによってのみ変速が実行されるように構成して
ある。
【0029】
【表3】
【0030】すなわち、変速操作をして第1操作カム7
1や第2操作カム72に送りスプリング79による摺動
操作力が作用しても、クランクが前記低駆動負荷箇所以
外に位置して第2伝動爪67や第3伝動爪68に作用す
る伝動負荷が設定負荷より大であると、この伝動負荷に
よる第2伝動爪67や第3伝動爪68の第2操作カム7
2またはハブ胴3からの外れ抵抗のために送りスプリン
グ79が所定位置まで弾性復元せず、第1操作カム71
や第2操作カム72が倒伏操作位置に切換わらないので
ある。そして、クランクが前記低駆動負荷箇所に位置
し、第2伝動爪67や第3伝動爪68に作用する伝動負
荷が前記設定負荷に低下して第2伝動爪67や第3伝動
爪68の第2操作カム72またはハブ胴3からの外れ抵
抗が低下するに伴い、送りスプリング79が所定どおり
弾性復元して第1操作カム71また第2操作カム72が
倒伏操作位置に切換わるのである。
【0031】操作カムによる起伏切換え自在な伝動爪を
更に付加したり、複数個の太陽ギアを択一的に作用状態
に切換え操作することによって伝動変速する遊星ギア式
変速部を更に付加し、5段や8段等、4段階以上の速度
切換えを可能に構成する変速装置にも本発明は適用でき
る。また、伝動爪を連動させる一対の回転体のうち、伝
動下手側に位置する方の回転体に起伏自在に取付けて構
成してもよい。さらに、伝動爪の配置箇所は入力回転体
やハブ胴から離れた箇所にしてもよい。したがって、駆
動体2、第1伝動回転体74を入力側回転体2,74と
称し、ギヤ枠5a、第2伝動回転体76、ハブ胴3を出
力側回転体5a,76,3と称する。変速操作を可能に
するに、操作カム71及び72を摺動操作するカム筒を
車軸に回動自在に取付けると共に、このカム筒をスプリ
ングを介して変速レバーに連動させ、変速レバーを操作
すると、スプリングが弾性変形してこの変形に伴う弾性
復元力によりカム筒を回動操作することにより、操作カ
ムの摺動操作を行うように、かつ、伝動爪の外れ抵抗に
起因するスプリングの変形による操作カムの一次停止を
可能にする構成を採用して実施してもよい。また、変速
レバーの操作力を、スプリング等、弾性変形可能な伝動
部材を介しないで操作カムに剛的に伝達する構成を採用
して実施してもよい。
【0032】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】7段内装変速機の縦断面図
【図2】ブレーキクラッチと第4伝動爪との関係を示す
固定軸直交方向断面図
【図3】第4伝動爪と爪ケージとの関係を示す固定軸直
交方向断面図
【図4】操作体およびスプリングの斜視図
【図5】玉押しの斜視図
【図6】ワイヤ掛けの斜視図
【図7】回動規制体の斜視図
【図8】操作体の断面図
【図9】各太陽クラッチの高速3段状態を示す固定軸直
交方向断面図
【図10】各太陽クラッチの高速2段状態を示す固定軸
直交方向断面図
【図11】各太陽クラッチの高速1段状態を示す固定軸
直交方向断面図
【図12】各太陽クラッチの中速段位状態を示す固定軸
直交方向断面図
【図13】各太陽クラッチの低速1段状態を示す固定軸
直交方向断面図
【図14】各太陽クラッチの低速2段状態を示す固定軸
直交方向断面図
【図15】各太陽クラッチの低速3段状態を示す固定軸
直交方向断面図
【図16】7段内装変速機の線図
【図17】クラッチ入切体の正面図
【図18】クラッチ入切体の側面図
【図19】クラッチ入切体の段面図
【図20】3段変速装置高速状態の断面図
【図21】3段変速装置中速状態の断面図
【図22】3段変速装置低速状態の断面図
【図23】第2伝動爪配設部の断面図
【図24】第3伝動爪配設部の断面図
【図25】第1操作カムの正面図
【図26】第1操作カムの平面図
【図27】第1操作カムの断面図
【図28】第2操作カムの正面図
【図29】第2操作カムの一部切欠き平面図
【図30】スプリング付勢力の説明図
【符号の説明】
2,74 入力側回転体 5a,72,3 出力側回転体 19a,67,68 伝動爪 40,71,72 操作カム 40a,86a,87a カム面 E 操作機構

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力側回転体(2),(74)の回動力を
    出力側回転体(5a),(72),(3)に伝達する伝動爪
    (19a),(67),(68)を、前記入力側回転体
    (2),(74)と前記出力側回転体(5a),(72),
    (3)の一方に対して係合する起立伝動状態と、外れる
    倒伏非伝動状態とに起伏自在に前記入力側回転体(2),
    (74)と前記出力側回転体(5a),(72),(3)の
    他方に付設し、 前記伝動爪(19a),(67),(68)に対する操作カ
    ム(40),(71),(72)を、前記伝動爪(19a),
    (67),(68)を前記倒伏非伝動状態に押圧操作する
    倒伏操作位置と、前記伝動爪(19a),(67),(6
    8)を前記起立伝動状態に操作する起立操作位置とに摺
    動自在に有し、前記操作カム(40),(71),(72)
    の摺動操作による前記伝動爪(19a),(67),(6
    8)の起伏切換えによって速度切換えをする変速操作機
    構(E)を備えた自転車用変速装置であって、 前記操作カム(40),(71),(72)の前記伝動爪
    (19a),(67),(68)を倒伏操作するカム面(4
    0a),(86a),(87a)を、前記入力側回転体
    (2),(74)の回転軸芯方向及び回転方向のいずれも
    の方向における前記操作カム(40),(71),(72)
    と前記伝動爪(19a),(67),(68)の相対摺動に
    よって前記伝動爪(19a),(67),(68)が倒伏作
    動する傾斜面にて形成してある自転車用変速装置。
JP03228955A 1991-09-09 1991-09-09 自転車用変速装置 Expired - Fee Related JP3107317B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03228955A JP3107317B2 (ja) 1991-09-09 1991-09-09 自転車用変速装置
DE69202657T DE69202657T4 (de) 1991-09-09 1992-03-19 Selbstständige Fahrradgangschaltung.
EP92104800A EP0531608B1 (en) 1991-09-09 1992-03-19 Self-contained change speed apparatus for a bicycle
DE69202657A DE69202657D1 (de) 1991-09-09 1992-03-19 Selbstständige Fahrradgangschaltung.
US08/112,976 US5322487A (en) 1991-09-09 1993-08-30 Self-contained change speed apparatus with shaped pawls to equalize a shifting spring force for a bicycle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03228955A JP3107317B2 (ja) 1991-09-09 1991-09-09 自転車用変速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0565093A JPH0565093A (ja) 1993-03-19
JP3107317B2 true JP3107317B2 (ja) 2000-11-06

Family

ID=16884482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03228955A Expired - Fee Related JP3107317B2 (ja) 1991-09-09 1991-09-09 自転車用変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3107317B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7062980B2 (en) 2003-03-11 2006-06-20 Shimano, Inc. Bicycle shift control device with decreased stress during shifting
US9521090B2 (en) 2007-06-04 2016-12-13 Qualcomm Incorporated Authorizing stations into a centrally managed network

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4346103B2 (ja) 2006-10-10 2009-10-21 本田技研工業株式会社 磁歪式トルクセンサ
KR100954300B1 (ko) * 2010-02-09 2010-04-22 (주)엠비아이 자전거 속도변환 보조장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7062980B2 (en) 2003-03-11 2006-06-20 Shimano, Inc. Bicycle shift control device with decreased stress during shifting
US9521090B2 (en) 2007-06-04 2016-12-13 Qualcomm Incorporated Authorizing stations into a centrally managed network

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0565093A (ja) 1993-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3184230B2 (ja) 内装変速機
US5322487A (en) Self-contained change speed apparatus with shaped pawls to equalize a shifting spring force for a bicycle
JP4121977B2 (ja) 変速ハブ
US8684122B2 (en) Power assisted bicycle with regenerative function
US8992375B2 (en) Bicycle transmission, particularly in form of a multi-speed gear hub
JP2914909B2 (ja) 自転車用変速装置内装ハブ
US20080252036A1 (en) Manually driven wheelchair
US6641500B2 (en) Bicycle hub transmission with a power control mechanism for a shift assist mechanism
US7682283B2 (en) Bicycle hub transmission with a power control mechanism for a shift assist mechanism
EP2586694A1 (en) Electrically assisted bicycle
JP3146138U (ja) 自転車用内装変速ハブ
JPH07301292A (ja) 内装変速機
JP3157205B2 (ja) 自転車用変速装置
JP3457688B2 (ja) 内装変速ハブ
US6325739B1 (en) Bicycle hub transmission with a mechanism for stopping rotation of one or more sun gears relative to another member
JP3107317B2 (ja) 自転車用変速装置
JP3140265B2 (ja) 自転車用内装変速ハブ
US5896969A (en) Switchable ratchet freewheel for multiple-gear hubs for bicycles
JPH0344037B2 (ja)
JP2012046007A (ja) 電動補助自転車
JPH0140795Y2 (ja)
JP2012066653A (ja) 電動補助自転車
JPH07172203A (ja) 四輪駆動車のトランスファ装置
KR19990012023A (ko) 차량용 수동변속기의 후진 아이들기어 장치

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080908

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080908

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees