JP3106222B2 - 写真処理廃液の再利用方法 - Google Patents

写真処理廃液の再利用方法

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JP3106222B2 JP04171245A JP17124592A JP3106222B2 JP 3106222 B2 JP3106222 B2 JP 3106222B2 JP 04171245 A JP04171245 A JP 04171245A JP 17124592 A JP17124592 A JP 17124592A JP 3106222 B2 JP3106222 B2 JP 3106222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真処理廃液の再利用方
法に関し、更に詳しくは自動現像機から排出された写真
処理廃液を効率良く蒸発濃縮処理し、有効に再利用する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ハロゲン化銀写真感光材料(以
後単に感光材料と記す場合もある)の写真処理は、黒白
感光材料の場合には現像、定着、水洗等の処理工程、カ
ラー感光材料の場合には発色現像、漂白定着(または漂
白、定着)、水洗、安定化等の処理工程によって行われ
る。そして、多量の感光材料を処理する写真処理におい
ては、通常、処理によって消費された成分を補充すると
ともに、感光材料から処理液中に溶出してくる成分を除
去し、処理液成分を一定に保つことによって処理液の性
能を一定に維持する手段がとられている。具体的には、
上記補充のために補充液が処理液に補充され、溶出成分
の除去のために処理液の一部が系外に混合廃液として廃
棄される。
【0003】ところが、このような写真処理廃液は極め
て公害負荷が高く、近年の環境公害規制の強化とあわせ
て、下水道や河川への廃棄は実質的に不可能な状態にあ
る。このため、現在は回収処理形態をとっており、専門
の業者がこれにあたっている。しかしながら、廃液処理
業者に廃液処理を委託する方法は、廃液を貯めておくの
にかなりのスペースを必要とし、回収費用も高価である
という欠点を有する。また、回収した廃液を無害化処理
するためには極めて大がかりな設備が必要であり、この
ような処理設備の設置には膨大な費用がかかり、処理費
用も高価になる。このため、回収した廃液は海洋投棄さ
れているものもあり、世界的な環境保護の動きから海洋
投棄全面禁止が迫ってきている現状では、廃液の処理は
切実な問題となってきている。
【0004】上記問題を解決するために、廃液量をなる
べく減らす努力がなされてきており、例えば、低補充処
理、再生処理などが盛んに研究開発されている。しかし
ながら、いまだ廃液量の減少には不十分であり、革新的
な別の方法が望まれていた。
【0005】さらに、別の問題として、処理剤を溶解す
るために、あるいは、蒸発分を補うために必要な水の問
題がある。すなわち、写真処理用の処理剤は運搬および
取扱い性を考慮して濃厚溶液の状態で供給されており、
使用時には水で薄める必要がある。処理剤がいわゆる濃
厚液の状態、粉剤、顆粒剤として供給される場合にはよ
り多くの水が必要となる。また、処理液は室温より高い
温度に維持され処理が行われているため、必然的に蒸発
が起こり処理液の濃縮、処理液面の低下を引き起こす。
こうなると、処理性能を一定に維持することができなく
なるため、一般的に蒸発分に相当する水を蒸発補正と称
して補給している。このように、写真処理を行う上では
必ず水が必要となるが、近年のミニラボ、マイクロラボ
の普及にともない、水道が近くにない場所で写真処理を
行わざるを得ない場合が増えており、水の確保が極めて
切実な問題になってきている。
【0006】廃液の処理及び水の確保という問題を解決
するための方法として、特開昭62-201442号公報には、
廃液を常圧で加熱蒸発させ、得られた蒸留液を再利用す
る方法が開示され、また、この蒸留液を漂白定着液にそ
のまま使える旨の記載があるが、この方法で得られた蒸
留液を発色現像液、安定液等の溶解水に利用するには何
らかの二次処理をすることが必要であった。また、蒸発
濃縮時に悪臭が発生し、作業環境衛生上好ましくないこ
とも判明した。
【0007】又、蒸発濃縮時に悪臭が発生する欠点を補
う目的で特開平3-229688号公報に消泡剤を添加してガス
発生を防ぐ方法が開示されているが蒸留液を再利用する
方法は開示されていない。
【0008】従ってこの方法では廃液を濃縮液と留出液
に分けることは可能であるが、留出液を公共の河川や下
水道に排出することになり、処理剤の溶解水及び蒸発補
正水としての再利用はできないし、下水道等への廃棄費
用も負担しなくてはならない欠点を有している。
【0009】上記問題点について本発明者が鋭意検討し
た所、前記の様な蒸発濃縮処理した溜出液中には好まし
くない成分が蓄積し、何回も再利用すると処理される感
光材料の未露光部にステインが発生するという欠点があ
り、特にカラーペーパーではシアンステインの発生が大
きいことが分かった。特に発色現像液の補充量を低減し
ていくと更にステインが増加したり、発色現像槽循環フ
ィルターの目詰まりが発生することも分かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は第1に、写真処理廃液を再利用して環境への排出を無
くすること、第2に、写真処理に問題を起こすことなく
処理剤の溶解水や蒸発補正水として使用する水を確保す
ること、第3に、写真処理廃液を蒸発濃縮して得られた
蒸留液を繰返し再利用でき、かつ低補充化が図られ、ラ
ンニングコストを低減できる写真処理廃液の再利用方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、以下により本発明の目的を達成することを見
出した。
【0012】(1)写真処理廃液を700mmHg以下の減圧
下及び加熱温度90℃以下で蒸発濃縮処理することによっ
て得られた蒸留液を用いて発色現像液を調製する際に、
該発色現像液中に下記一般式〔I〕で示される化合物の
少なくとも一種及び又は単糖類の少なくとも一種を存在
させることを特徴とする写真処理廃液の再利用方法。
【0013】
【化2】
【0014】〔式中、R1,R2はそれぞれ置換されても
よいアルキル基、アリール基、R3CO−基または水素
原子を表す。ただしR1及びR2の両方が同時に水素原子
であることはない。R3はアルキル基、アルコキシ基ま
たはアリール基を表す。〕 (2)前記発色現像液により処理されるハロゲン化銀写
真感光材料の支持体上に塗布されたハロゲン化銀乳剤の
塩化銀含有率が80モル%以上であることを特徴とする
(1)記載の写真処理廃液の再利用方法。
【0015】(3)前記ハロゲン化銀写真感光材料を連
続処理する自動現像機において前記発色現像液への補充
量がハロゲン化銀写真感光材料1m2当たり120cc.以下で
あることを特徴とする(1)又は(2)記載の写真処理
廃液の再利用方法。
【0016】以下本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明において用いられる写真処理廃液
は、特に制限はなく、写真処理工程の如何なる工程で生
じたものであってもよい。また、写真処理工程の一つの
工程から生じた廃液であっても、複数の工程から生じた
廃液を集めたものであってもよい。
【0018】廃液を蒸発濃縮する際の減圧条件は、蒸発
効率を考えると200mmHg以下が好ましく、より好ましく
は5〜100mmHgの範囲である。
【0019】蒸発温度は、廃液成分の分解、揮発を起こ
さない90℃以下であることが必要であり、好ましくは70
℃以下であり、最も好ましくは10〜60℃の範囲である。
蒸発濃縮する際には加熱手段表面に写真処理廃液を触れ
させる方法により効率良く処理することができるが廃液
中にガス、気泡等が発生することがあり、この気泡発生
を極力抑えるにはシリコン系及びフッ素系消泡剤の添加
が好ましく、とりわけ下記化学式で示されるシリコン系
消泡剤の添加が好ましい。
【0020】
【化3】
【0021】消泡剤の添加量は好ましくは0.001g/リ
ットル〜10g/リットルであり、更に好ましくは0.01g
/リットル〜2g/リットルである。この消泡剤は一般
にダウコーニング社、信越シリコーン社、トーレシリコ
ーン社、日本ユニカー社より購入できる。
【0022】本発明の方法により得られた蒸留液を用い
て調製された発色現像液中に、一般式〔I〕で示される
ヒドロキシルアミン系化合物及び又は単糖類を添加する
ことは発色現像主薬の酸化防止効果が大きく好ましい態
様である。
【0023】一般式〔I〕においてR1及びR2で表され
る置換されてもよいアルキル基は炭素数1〜3の置換さ
れてもよいアルキル基が好ましく、同一でも異なっても
よい。これらアルキル基の置換基としては水酸基、スル
ホン基、ホスホン酸基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0024】一般式〔I〕で示される化合物は米国特許
3,287,125号、同3,293,034号及び同3,287,124号等に記
載されているが以下に特に好ましい具体的例示化合物を
示す。
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】これら一般式〔I〕で示される化合物は、
通常遊離のアミン、塩酸塩、硫酸塩、p-トルエンスルホ
ン酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、酢酸塩等の形で用いら
れる。
【0030】発色現像液中の前記一般式〔I〕で示され
る化合物の濃度は、通常0.4〜100g/リットル、好まし
くは1.0〜60g/リットル、さらに好ましくは2〜30g
/リットルである。
【0031】これら一般式〔I〕で示される化合物の具
体例の中で、本発明において好ましく用いられるもの
は、A−1,A−2,A−10,A−13,A−14,A−1
5,A−17,A−28,A−29,A−34であり、特に好ま
しい化合物は、水溶性の高いものであり、具体的には、
A−13,A−14,A−15,A−17,A−28,A−29,A
−34である。
【0032】また、一般式〔I〕で示される化合物と、
従来より用いられているヒドロキシルアミン及び各種有
機保恒剤を組み合せて用いることもできるが、好ましく
はヒドロキシルアミンを用いない方が現像性の上から好
ましい。
【0033】また、これら一般式〔I〕で示される化合
物は単独で用いても、また2種以上用いても現像性には
問題ない。
【0034】本発明においては、カラーペーパー自動現
像機(以下自現機と記す)にて処理されるハロゲン化銀
写真感光材料は、支持体上に塗布されたハロゲン化銀乳
剤の塩化銀含有率が好ましくは80モル%以上であり、よ
り好ましくは95モル%であり、特に好ましくは98モル%
以上である。最近のカラーペーパーは各社共クイックア
クセスタイプを採用しており、現像処理の迅速化と補充
量の低減化を計る上で市場では塩化銀含有率の高いカラ
ーペーパーが市販されており、コニカ(株)製コニカカ
ラーQAペーパータイプA5等はその代表的な感光材料
である。
【0035】カラーペーパーにオートプリンターにてカ
ラーネガを通してプリントし、連続処理する本発明にか
かる自現機においては、発色現像液の現像活性度を一定
に維持する為、前記のカラーペーパーを現像処理した際
消費成分を補う目的と、乳剤中から溶出してくる現像抑
制物質を希釈及び系外へ排出する目的で、カラーペーパ
ーが一定単位処理されるごとに一定量の補充液が補充さ
れる機構になっている。
【0036】従って本発明においては前記の補充量を好
ましくは処理される感光材料1m2当たり120cc.以下とす
る態様であり、より好ましくは1m2当たり100cc.以下で
あり、特に好ましくは1m2当たり82cc.以下である。
【0037】本発明でいう単糖類とは、単一のポリヒド
ロキシアルデヒド、ポリヒドロキシケトン及びこれらの
還元誘導体、酸化誘導体、デオキシ誘導体、アミノ誘導
体、チオ誘導体など広い範囲の誘導体の総称である。多
くの糖は、一般式 CnH2nOnで表されるが、この一般式で
表される糖骨格から誘導される化合物も含めて、本発明
では単糖類と定義する。これらの単糖類のうちで好まし
いものは、炭素数が3〜7のトリオース、テトロース、
ペントース、ヘキソース、ヘプトース及びその誘導体で
ある。
【0038】本発明の単糖類の具体的例示化合物を次に
示す。
【0039】〔例示化合物〕 (B−1) グリセルアルデヒド (B−2) ジヒドロキシアセトン(二量体を含む) (B−3) D−エリトロース (B−4) L−エリトロース (B−5) D−トレオース (B−6) L−トレオース (B−7) D−リボース (B−8) L−リボース (B−9) D−アラビノース (B−10) L−アラビノース (B−11) D−キシロース (B−12) L−キシロース (B−13) D−リキソース (B−14) L−リキソース (B−15) D−キシルロース (B−16) L−キシルロース (B−17) D−リブロース (B−18) L−リブロース (B−19) 2−デオキシ−D−リボース (B−20) D−アロース (B−21) L−アロース (B−22) D−アルトロース (B−23) L−アルトロース (B−24) D−グルコース (B−25) L−グルコース (B−26) D−マンノース (B−27) L−マンノース (B−28) D−グロース (B−29) L−グロース (B−30) D−イドース (B−31) L−イドース (B−32) D−ガラクトース (B−33) L−ガラクトース (B−34) D−タロース (B−35) L−タロース (B−36) D−キノボース (B−37) ジギタロース (B−38) ジギトキソース (B−39) シマロース (B−40) D−ソルボース (B−41) L−ソルボース (B−42) D−タガトース (B−43) D−フコース (B−44) L−フコース (B−45) 2−デオキシ−D−グルコース (B−46) D−プシコース (B−47) D−フルクトース (B−48) L−フルクトース (B−49) L−ラムノース (B−50) D−グルコサミン (B−51) D−ガラクトサミン (B−52) D−マンノサミン (B−53) D−グリセロ−D−ガラクトヘプトース (B−54) D−グリセロ−D−マンノヘプトース (B−55) D−グリセロ−L−マンノヘプトース (B−56) D−グリセロ−D−グロヘプトース (B−57) D−グリセロ−D−イドヘプトース (B−58) D−グリセロ−L−グルコヘプトース (B−59) D−グリセロ−L−タロヘプトース (B−60) D−アルトロヘプツロース (B−61) D−マンノヘプツロース (B−62) D−アルトロ−3−ヘプツロース (B−63) D−グルクロン酸 (B−64) L−グルクロン酸 (B−65) N−アセチル−D−グルコサミン これら例示化合物のうち好ましく用いられるものは、
(B−1)、(B−7)、(B−8)、(B−9)、
(B−10)、(B−11)、(B−12)、(B−17)、
(B−19)、(B−20)、(B−24)、(B−25)、
(B−26)、(B−27)、(B−32)、(B−33)、
(B−40)、(B−41)、(B−47)、(B−48)、
(B−50)、(B−63)、(B−65)であり、特に(B
−1)、(B−7)、(B−8)、(B−40)、(B−
41)、(B−47)、(B−48)、(B−50)が好まし
い。
【0040】本発明において単糖類の添加量は発色現像
液1リットル当たり1.5×10-3〜1.5×10-1モル、好まし
くは3.0×10-3モル〜9.0×10-2モル、より好ましくは4.
5×10-3〜6.0×10-2モルである。
【0041】本発明に使用する蒸発濃縮装置には、蒸発
した水分を再利用するために、蒸発処理で生じた蒸気を
冷却することによって蒸留液を回収する構成が必要であ
る。本発明に使用できる蒸発濃縮装置の一例は、特願平
3-2813号の図1に記載されている。
【0042】回収した蒸留液は、カラー写真処理の場
合、発色現像液、漂白液、定着液、漂白定着液、安定液
いずれの溶解水としても使用でき、また、それぞれの蒸
発補正水としても使用できる。
【0043】本発明に用いる蒸発濃縮装置はヒートポン
プを熱源として用い、減圧下で写真処理廃液を蒸発濃縮
するものであり、図1にその一例を示す。
【0044】図1において、21は減圧に耐える蒸発釜
で、この蒸発釜21内には写真処理廃液が注入貯留されて
いる。22は蒸発釜21の外側に同心状に設けた冷却釜で、
この冷却釜22の上部は蒸発釜21と連通し、減圧手段23に
接続されて減圧される。蒸発釜21内を大気圧より低い減
圧下にすると、沸騰点以下で沸騰が起こることは知られ
ており、本発明においてはガス発生の起こりにくい低温
での蒸発を、この減圧下で行なう。減圧手段23として
は、真空ポンプ方式、エジェクター方式等の手段を使用
できるが、好ましくはエジェクター方式の中で水流によ
るエジェクター方式である、いわゆる水流ポンプ方式の
ものがよく、これは外気中へ臭気成分を放出しない点で
好まれる。又、加熱手段は、熱効率がよいヒートポンプ
及びペルチエ素子が適している。
【0045】蒸発釜21を内側にし、冷却釜22をその外側
に配置した二重缶方式が用いられているが、このように
することによって、装置の全体構成をコンパクトにする
ことができる。また、蒸発釜21の液面上にデミスター43
を備え、このデミスター43の上部で蒸発釜21と冷却釜22
を連通させている。このようにすることにより、蒸発釜
21内に有る濃縮成分がはね上って冷却釜22の中の凝縮水
の中へ混入するのを防ぐことができ、その結果蒸発濃縮
が安定に行なえる。このデミスター43が空隙率80%以上
のスポンジ状繊維状物質の焼結体の集合体であり、厚さ
が1cm以上である。実用上サラン繊維を接着剤で接着し
たサランロックが好まれている。
【0046】この蒸発濃縮処理装置の運転スタートは、
初めに水流ポンプを作動させ、減圧を作る段階とし、こ
の時点で液供給をスタートすることが好ましい。一定の
減圧状態の後圧縮機31を作動させ通常の蒸発濃縮運転へ
と移行させるが、減圧状態を検知する方法としては、圧
力センサー62を用いるか又は一定時間により強制的に次
ステップに移る等の方法がある。
【0047】10は消泡剤貯留タンク、11は消泡剤を写真
処理廃液の蒸発濃縮装置への供給系に12の配管を介して
注入する供給ポンプである。
【0048】13は、写真処理廃液と消泡剤がミックスさ
れるジョイントであり、逆流防止機構を付けても良い
し、単なる配管のジョイントでも良い。単なる配管のジ
ョイントの際は、供給ポンプ11はベローズポンプを用い
るのが好ましい。
【0049】26は写真処理廃液を溜めたタンク、27はタ
ンク26から写真処理廃液を汲み上げ、蒸発釜21内に給送
する電磁弁27aを備えた廃液供給手段である。この廃液
供給手段27は蒸発釜21内で加熱蒸発により液面が降下し
て、液面検出手段28により検知された液面以下になった
とき作動するようになっている。この廃液供給手段27に
より汲み上げられた廃液は、蒸発釜21内へ液面検出手段
28の液面検出電極を洗浄しながら供給される。なお、放
熱部24の液中部分と空中にある部分とは、通常同じ温度
で管理されるが、その場合は伝熱効果の相違により空中
にある部分の方が実質的に表面温度が高くなる。このた
め、放熱部24に直接供給廃液を散布すると、急加熱によ
る不快ガスの発生もあり得る。その対策として供給量を
加減するか、空中にある放熱部24の温度をガス発生温度
以下に抑えることが必要となる。または、液中、液外で
放熱部24を分けて別々に適温に制御してもよい。
【0050】前記液面検出手段28は、蒸発釜21の中の廃
液の中に電極を挿入して、その液面を検出する電極式液
面検出手段であり、この液面検出手段28が濃縮スラッジ
等により誤動作しないようにするため、電極の少なくと
も一部分が筒45に覆われ、タンク26からの廃液が、この
筒45の内側に注がれて蒸発釜21に供給される。また、同
様の目的で液面検出手段28の電極の一部は非導電性の物
質で被覆され、好ましくは高分子熱収縮チューブ、特に
発水性材質が良く、テフロン系熱収縮チューブが最良で
ある。また、筒45も非導電性物質例えばプラスチック材
で作り、特に内面の材質をシリコンやテフロンにするこ
とが好ましい。
【0051】この液面検出手段28の検出結果により、廃
液供給手段27を制御する。しかしながら、この液面検出
の結果に関係なく、蒸発濃縮作業のスタート時には一定
量の廃液、すなわち蒸発釜21内の廃液の液面が高くなっ
て運転に支障をきたすことのない量、例えば蒸発釜21の
容量の1/50〜1/5の廃液を蒸発釜21に供給する。こ
の制御により、液面検出手段28にスラッジが付着するこ
とによるスタート時の液がないのに運転するという誤動
作を防止できる。
【0052】また、運転中に、一定時間液面検出手段28
が液を検出した状態が継続している場合、液面検出手段
28にスラッジが付着し誤動作していることがあり、これ
を防止するため一定量の廃液を強制的に供給することが
好ましく、この制御により液面検出手段28の誤動作を防
止できる。
【0053】また、廃液中にガス化成分が多量に混入し
ていたり、または界面活性剤成分が入っていると、蒸発
時に廃液が泡状態(フォーミング)となり、その結果泡
が蒸発釜21の上方まで押し上げられて、冷却釜22中の凝
縮水に混入することがある。これを防止するために、液
面検出手段28とは別個の電極式の液面検出手段60を釜上
部に設けている。この液面検出手段60により、泡状態の
存在が検知されたときは電磁弁61を開き、蒸発釜21内の
減圧を壊して、濃縮液の凝縮水への混入を防止する。
【0054】前記ヒートポンプ装置25の吸熱部29は冷却
釜22内に設置した冷却手段であり、蒸発釜21内で廃液を
蒸発させ釜上部の空間を通して冷却釜22内に侵入してき
た水蒸気を冷却凝縮させる。こうして作られた凝縮水は
冷却釜22の底部22aに溜められ、釜外に設置した回収容
器である凝縮水タンク30に回収される。この回収は、こ
の実施例ではエジクター23aを使用した減圧装置23によ
り行われる。すなわち、凝縮水タンク30内の水をポンプ
23bにて汲み上げ、エジェクター23aの垂直管部を通し
て凝縮水タンク30内に戻すと、垂直管部と水平管部との
直交部に真空域が生じるから水平管部に連通した冷却釜
22の底部22aに溜まった液、及び冷却釜22並びにこれに
連通している蒸発釜21内の空気が吸引され、両釜21,22
内の減圧安定化に寄与する。ここに、凝縮と凝縮水の回
収を連続して行なうことは、発生蒸気によって蒸発釜21
内の圧力が上昇すると、減圧バランスが崩れるが、これ
をすぐさま冷却凝縮して圧力上昇を抑制するのに効果的
に作用する。また、凝縮水タンク30をオーバーフローし
た水は、貯留容器30aに溜めらる。尚、エジェクター23
aは底部22aより下に位置させることが好ましい。
【0055】前記ヒートポンプ装置25の放熱部24の上流
側に設けた冷媒空冷手段32は、圧縮機31に加圧圧縮され
て高温にされた冷媒を適切な設定温度にまで下げるため
のものであり、空冷ファン33を備えている。また、ヒー
トポンプ装置25には放熱部24の下流側に膨張弁の役目を
なすキャピラリーチューブ34が設けられ、このキャピラ
リーチューブ34の下流側の吸熱部は凝縮水タンク30内の
水の冷却手段29a及び冷却釜22内の吸熱部29として利用
される。すなわち、キャピラリーチューブ34を挟んで上
流側が加熱域、下流側が冷却域となる。冷却釜22の吸熱
部29を通過した冷媒は、圧縮機31に環流する。
【0056】蒸発釜21の底部にはスラリー溜部35が設け
られ、スラリー溜部35は蒸発濃縮を繰り返して高濃度に
濃縮したスラリーを溜めるものである。スラリー溜部35
の底面と同一レベルの側壁外面にスラリー取出口36が突
設され、このスラリー取出口36は栓手段37により密栓さ
れている。この栓手段37はボールバルブ、バタフライバ
ルブ、スライドバルブで構成してもよいが、図示の場合
は蒸発釜21内の減圧状態を維持させるためにパッキング
栓46により構成され、パッキング栓46に連結した把手38
を引いたり押したりすることにより、スラリー取出口36
を開閉できるようになっている。
【0057】また、スラリー溜部35には撹拌羽根40が設
けられ、この撹拌羽根40は蒸発釜21の上部に設置した駆
動源41の出力軸42の下端部に固着されている。この撹拌
羽根40はスラリー溜部35の内底面を全面にわたって撹拌
でき、かつスラリーをスラリー取出口36へ向けて掃き出
し易い形態になっている。もちろん、撹拌羽根40はハン
ドル操作により手動で回転させるように構成してもよ
い。撹拌羽根40の一部はスラリー取出口36の近くを通過
するようにし、またスラリー取出口36からスラリーを取
り出す前に撹拌羽根40を回転させて濃縮液を動揺させ、
蒸発釜21の内壁の特に上部の加熱部位に付着したスラリ
ーを蒸発釜21内に残さず全てきれいに掃除して取り出す
ようにする。
【0058】栓手段37の下部に開口したスラリー排出部
39の先端には、スラリー回収容器50が係合できるように
なっており、このスラリー回収容器50は袋のような可と
う性容器であってもよい。これら回収容器にとりつける
キャップ(図示せず)と同じ密閉手段、例えばねじ嵌め
式や弾性着脱式等の密閉手段により、スラリー回収容器
50をスラリー排出部39に連結する。これは、作業者が手
を汚さずにスラリーを簡易に取り出すようにするためで
ある。
【0059】通常の濃縮操作でスケールとなり目詰りし
て蒸気釜21から出てこないようなスラリーを定期メンテ
ナンス時に掃除する目的で、特に蒸気釜21の中間部位に
付着したスラリーを取り除くため、スケール削り取り用
羽根(図示せず)を撹拌羽根40に代えて取り付けて使用
することもできる。スラリー削り取り羽根を、下部から
手動で回転できるようにしてもよい。
【0060】スラリーが硬くなって撹拌羽根40が動きに
くいときは、駆動源41や撹拌羽根40に無理がかかること
のないようにするため、駆動源41と撹拌羽根40との間の
動力伝達機構の一部にベルト式伝達部を挿入する。スラ
リーは最初硬いが撹拌しているうちに流動性がでてくる
性質がある。したがって、最初のうちはベルトがスリッ
プしながら撹拌羽根40が回転し、やがて撹拌羽根40が楽
に回転できるようになる。
【0061】栓手段37のパッキング栓46はたとえばゴム
栓であり、この押し込み過ぎを防止するため、ストッパ
ー(図示せず)を付けてパッキング栓46が一定距離以上
スラリー排出部39に侵入しないようにし、またゴム栓46
が逆方向に抜け出すのを防止するための防止部材が設け
られている。把手38はスラリーがスラリー排出部39から
噴出飛散するのを防ぐのにも役立っている。
【0062】写真処理廃液タンク26の少なくとも中間位
置と底面に近い位置に液面検出器(例えばフロート式)
(図示せず)を設置し、廃液がタンク26の中間位置まで
供給されたときに運転を開始し、液面が底面近くまでさ
がったとき運転が停止するよう制御する。また、凝縮水
タンク30に液面センサ47を設け、凝縮水タンク30が満杯
になったとき、装置の運転が停止するよう制御してい
る。
【0063】写真処理廃液供給手段27を作動させて蒸発
釜21内に廃液すなわち水溶液を液面検出器で検出される
所定水位に達するまで注入し、凝縮水タンク30内にも水
道水を注入し貯留する。しかる後、圧縮機31の作動によ
り流動する冷媒の作用により蒸発釜21内の加熱手段24が
所定の温度まで加熱され、冷却釜22内の吸熱部29が冷却
される。一方、ポンプ23bの作動によりエジェクター23
aを通して冷却釜22及び蒸発釜21が凝縮されるから、廃
液はその沸騰点以下の温度で沸騰し蒸発することとな
る。
【0064】蒸発釜21内で蒸発した水蒸気は上部空間を
通して冷却釜22内に侵入し、ここで冷却凝縮されて水滴
となって、冷却釜22の底部22aに溜められ、真空吸引に
より釜外に設置した凝縮水タンク30に回収される。蒸発
により蒸発釜21内に予め注入した廃液が減少するに伴な
い、供給手段27が作動し補給するから蒸発釜21内では蒸
発補給が繰返し行われ、廃液が徐々に濃縮される。高濃
度に固形化した成分はスラリーとなって底部に設けたス
ラリー溜め部35に溜められる。
【0065】ヒートポンプ装置25に使用している熱媒体
の温度を常に検出していて、これにより濃縮の程度を判
断する。この温度がある一定温度になると、濃縮処理作
業を終了し、把手38を引いて栓手段37のパッキング栓46
を抜いて、密栓されていたスラリー取出口36を解放さ
せ、蒸発釜21の底部に溜ったスラリーをスラリー回収容
器50に取り出す。この取出し時には駆動源41により回転
羽根40が回転し、スラリーの取出し作業が効率よく行わ
れる。
【0066】この蒸発濃縮装置は、以上のように動作し
て廃液の濃縮処理を行なうので、廃液の処理作業や原液
の濃縮作業に使用することができる。
【0067】又、蒸発濃縮装置に廃液を注入する前に酸
によって廃液のpHを7.0以下、好ましくは6.5以下に調整
することも本発明においては好ましい態様である。
【0068】図1に示した蒸発濃縮装置においては、加
熱手段及び冷却手段としてヒートポンプを用いている
が、ペルチエ素子を加熱手段及び冷却手段に用いること
もできる。加熱手段及び冷却手段にペルチエ素子を用い
る場合も図1のような蒸発濃縮装置を構成することがで
きる。ペルチエ素子とは、ペルチエ効果を利用した素子
を意味する。このペルチエ素子は例えばサーボニック
(株)製のものを用いることができる。
【0069】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明す
る。但し本発明の態様はこれらに限定されるものではな
い。
【0070】実施例1 (1)比較処理−1 コニカ(株)製のカラーネガフィルム自動現像機CL-KP5
0QA、カラーペーパー自動現像機CL-PP1501QAを用い、現
像処理としてコニカプロセスCNK-4-52、プロセスCPK-2-
20用の処理剤を用い実際に撮影したコニカ(株)製カラ
ーネガフィルムSuper DD-100及び実際にプリントしたコ
ニカ(株)製QAペーパーTypeA5をランニング処理し
た。排出された廃液をすべて混合し、図1で示した減圧
蒸発濃縮装置を用いて、濃縮処理を行った。この処理に
際して、消泡剤としてダウコーニング社のFSアンチフ
ォーム90を、廃液1リットル当たり1gとなるようにベ
ローズポンプ11の設定を行って供給した。
【0071】尚、蒸発濃縮装置への廃液の供給量は2.0
リットル/Hrとし、蒸留温度45℃、蒸留圧力50mmHgの条
件で装置を運転した。
【0072】ランニング処理は、トータルの廃液が100
リットル貯留される迄行い、蒸留液として80リットル以
上が得られる迄続けた。
【0073】最初の処理液は水道水で調薬し、2回目か
らの発色現像補充液の調薬は前記蒸留液を用いて調薬
し、合計5サイクル迄テストした。
【0074】尚ランニング速度としては、1サイクル5
日間で行い毎朝自現機の発色現像槽の蒸発補正に使用す
る水も最初の1サイクル目は水道水で行い、2サイクル
目から発色現像補充液の調薬に使用したものと同じ蒸留
液を用いた。尚、使用したカラーペーパーはコニカ
(株)製QAペーパータイプA5(このペーパーの塩化
銀含有率は99モル%以上である)を用い、カラーペーパ
ー用発色現像液及び発色現像補充液は下記に示す処方を
用いた。
【0075】尚、発色現像以外の処理剤はカラーネガ用
についてはCNK-4-52、カラーペーパー用にはCPK2-20用
の処理剤を用い、又、現像処理条件は、それぞれコニカ
カリーネガフィルムプロセスCNK-4-52、コニカカラーペ
ーパープロセスCPK-2-20の標準処理条件を用いた。
【0076】 〈カラーペーパー用発色現像液〉 ジエチレングリコール 15.0g ヒドラジノジ酢酸 5.0g 臭化カリウム 20mg 塩化カリウム 3.5g ジエチレントリアミン五酢酸 5.0g 亜硫酸カリウム 発色現像主薬(3-メチル-4-アミノ-N- エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)-アニリン硫酸塩 5.5g 炭酸カリウム 25.0g 炭酸水素カリウム 5.0g チノパールSFP(チバガイギー社製) 1.2g ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、水酸化カリウム又は
硫酸でpH10.00に調整する。
【0077】 〈カラーペーパー用発色現像補充液〉 ジエチレングリコール 15.0g チノパールSFP(チバガイギー社製) 1.2g ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.5g ヒドラジノジ酢酸 7.0g 塩化カリウム 0.3g ジエチレントリアミン五酢酸 7.5g 亜硫酸カリウム 7.0×10-4モル 発色現像主薬(3-メチル-4-アミノ-N- エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)-アニリン硫酸塩 7.0g 炭酸カリウム 30.0g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて全量を1リットルとし、水酸化カリウム又は
硫酸でpH10.60に調整する。
【0078】又、カラーペーパー自現機の発色現像槽へ
の補充液添加は、カラーペーパー1m2を処理する毎に16
0cc.とした。
【0079】(2)本発明の処理−1 カラーペーパー用発色現像液及び発色現像補充液の処方
を下記の組成とした以外は、比較処理−1と同様に処理
した。2回目からは、蒸留液を補充液の調製呼び自現機
の蒸発補正水に使用し、合計5サイクル迄テストした。
カラーペーパー自現機の発色現像槽への補充量は、カラ
ーペーパー1m2処理する毎に160cc.とした。
【0080】 〈発色現像液〉 ジエチレングリコール 15.0g 例示化合物A−13 5.0g 臭化カリウム 20.0mg 塩化カリウム 3.5g ジエチレントリアミン五酢酸 5.0g 亜硫酸カリウム 0.2g 発色現像主薬(3-メチル-4-アミノ-N- エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)-アニリン硫酸塩 5.5g 炭酸カリウム 25.0g チノパールSFP(チバガイギー社製) 1.2g ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、水酸化カリウム又は
硫酸でpH10.10に調整する。
【0081】 〈発色現像補充液〉 ジエチレングリコール 15.0g チノパールSFP(チバガイギー社製) 1.2g ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.5g 例示化合物A−13 7.5g 酸化カリウム 0.3g ジエチレントリアミン五酢酸 7.5g 亜硫酸カリウム 7.0 ×10-4モル 発色現像主薬(3-メチル-4-アミノ-N- エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)-アニリン硫酸塩 7.0g 炭酸カリウム 30.0g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて全量を1リットルとし、水酸化カリウム又は
硫酸でpH10.60に調整する。
【0082】(3)本発明の処理−2 本発明の処理−1に用いた発色現像液の例示化合物A−
13を例示化合物A−15に変更した以外は本発明の処理−
1と同じ。
【0083】(4)本発明の処理−3 本発明の処理−1に用いた発色現像液の例示化合物A−
13を例示化合物A−34に変更した以外は、本発明の処理
−1と同じ。
【0084】(5)本発明の処理−4 本発明の処理−1に用いた例示化合物A−13を例示化合
物A−28に変更した以外は、本発明の処理−1と同じ。
【0085】(6)本発明の処理−5 本発明の処理−1に用いた例示化合物A−13を例示化合
物A−29に変更した以外は、本発明の処理−1と同じ。
【0086】(7)本発明の処理−6 本発明の処理−1に用いた例示化合物A−13をB−7に
変更した以外は、本発明の処理−1と同じ。
【0087】(8)本発明の処理−7 本発明の処理−1に用いた例示化合物A−13をB−47に
変更した以外は、本発明の処理−1と同じ。
【0088】上記8種類のランニングテストの際、To
p及び1回目、3回目、5回目のテストでペーパー自現
機によりコニカカラーペーパーコントロールストリップ
CPK-2を処理して写真性能を評価した。
【0089】又5回目のテストで発色現像槽循環濾過フ
ィルターの目詰まり程度と循環量を調べた。
【0090】得られた結果のうち、カラーペーパーにつ
いてレッドフィルターに対する最低濃度即ちシアンステ
インの発生程度と、濾過フィルターの目詰まり程度を評
価した結果を表1に示す。
【0091】フィルター目詰まり程度の評価基準は次の
通りである。
【0092】○:殆んど異物なく循環量も低下なし △:わずかに異物あり、循環量1/4程度以下 ×:異物あり、循環量1/2以上低下
【0093】
【表1】
【0094】表1の結果より比較処理では蒸留液の再利
用を繰り返すことにより、レッドフィルター濃度(シア
ンステイン)が増加する傾向にある。又比較処理では自
現機発色現像槽の濾過フィルターの目詰まり現象も認め
られるがそれに対し本発明の処理1〜7はランニング1
回目から5回目でほぼ同じレッドフィルター濃度を示し
濾過フィルターの目詰まりもないことが分かる。
【0095】実施例2 (9)比較処理−2 カラーペーパー用発色現像液及び発色現像補充液の処方
を下記の組成にして、発色現像液への補充量を、カラー
ペーパー1m2当たり処理する毎に120cc.と70cc.の2水
準として処理を行った。それ以外は、比較処理−1同様
に処理し、2回目からは蒸留液を発色現像補充液の調整
及び自現機の蒸発補正水として使用し、合計5サイクル
迄行った。
【0096】 〈カラーペーパー用発色現像液〉 ジエチレングリコール 15.0g ヒドラジノジ酢酸 5.0g 臭化カリウム 20.0mg 塩化カリウム 7.0g ジエチレントリアミン五酢酸 5.0g 亜硫酸カリウム 0.2g 発色現像主薬(3-メチル-4-アミノ-N- エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)-アニリン硫酸塩 5.5g 炭酸カリウム 25.0g 炭酸水素カリウム 5.0g チノパールSFP(チバガイギー社製) 1.2g ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、水酸化カリウム又は
硫酸でpH10.10に調整する。
【0097】 〈カラーペーパー用発色現像補充液〉 ジエチレングリコール 15.0g チノパールSFP(チバガイギー社製) 1.2g ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.5g ヒドラジノジ酢酸 8.0g ジエチレントリアミン五酢酸 7.5g 亜硫酸カリウム 7.0×10-4モル 発色現像主薬(3-メチル-4-アミノ-N- エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)-アニリン硫酸塩 9.5g 炭酸カリウム 30.0g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて全量を1リットルとし、水酸化カリウム又は
硫酸でpH10.60に調整する。
【0098】(10)本発明の処理−8 カラーペーパー用発色現像液及び発色現像補充液の処方
を下記の組成とした以外は比較処理−2と同様に処理し
た。
【0099】 〈カラーペーパー用発色現像液〉 ジエチレングリコール 15.0g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 3.6g 例示化合物A−15 7.0g 臭化カリウム 20.0mg 塩化カリウム 7.0g ジエチレントリアミン五酢酸 5.0g 亜硫酸カリウム 0.2g 発色現像主薬(3-メチル-4-アミノ-N- エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)-アニリン硫酸塩 5.5g 炭酸カリウム 25.0g チノパールSFP(チバガイギー社製) 1.2g ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、水酸化カリウム又は
硫酸でpH10.10に調整する。
【0100】 〈発色現像補充液〉 ジエチレングリコール 15.0g チノパールSFP(チバガイギー社製) 1.2g ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.5g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 5.0g 例示化合物A−15 7.5g ジエチレントリアミン五酢酸 7.5g 亜硫酸カリウム 7.0 ×10-4モル 発色現像主薬(3-メチル-4-アミノ-N- エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)-アニリン硫酸塩 9.5g 炭酸カリウム 30.0g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて全量を1リットルとし、水酸化カリウム又は
硫酸でpH10.60に調整する。
【0101】(11)本発明の処理−9 本発明の処理−8に用いた前記発色現像液及び発色現像
補充液の例示化合物A−15を例示化合物A−34に変更し
た以外は本発明の処理−8と同じ。
【0102】(12)本発明の処理−10 本発明の処理−8に用いた例示化合物A−15を例示化合
物A−28に変更した以外は本発明の処理−8と同じ。
【0103】(13)本発明の処理−11 本発明の処理−8に用いた例示化合物A−15を例示化合
物B−7に変更した以外は本発明の処理−8と同じ。
【0104】上記10種類のランニングテストの際実施例
−1と同様、Top、1回目、3回目、5回目のラスト
でカラーペーパー自現機によりコニカカラーペーパーコ
ントロールストリップCPK−2を処理して写真性能を
評価した。
【0105】又5回目のラストで発色現像槽循環濾過フ
ィルターの目詰まり程度と循環量を調べた。
【0106】得られた結果のうちカラーペーパーについ
てレッドフィルターに対する最低濃度と濾過フィルター
の目詰まり程度の結果を表2に示す。
【0107】目詰まり程度の評価基準は実施例−1と同
様であるが×の数が多い程異物の量が多いことを示す。
【0108】
【表2】
【0109】表2の結果より、比較処理では蒸留液の再
利用を繰り返すに従ってレッドフィルター濃度が増加す
る傾向が強く、補充量を少なくするとさらに濃度が増加
するが本発明の処理8〜11では、いずれもほぼ同じレッ
ドフィルター濃度を示し、シアンステインが表れないこ
とが分かる。
【0110】又、濾過フィルターの目詰まり程度も比較
処理では自現機の運転が困難になる状況になるが本発明
の処理8〜11では問題ないことが分かる。
【0111】実施例3 本実施例1及び2で用いた減圧蒸留濃縮装置の熱源をヒ
ートポンプからペルチエ素子に変えた以外は実施例1及
び2と同様に実験した。
【0112】結果は実施例1及び2と全く同様であっ
た。
【0113】
【発明の効果】本発明の方法により、写真処理廃液を再
利用して環境への排出を無くすることができた。すなわ
ち、写真処理廃液を効率的に減圧蒸発濃縮でき、得られ
た蒸留液は、ハロゲン化銀写真感光材料の写真処理に問
題を起こすことなく、処理剤の溶解水及び自動現像機処
理槽の蒸発補正水として繰り返し利用することができ
た。さらに低補充化が図れ、ランニング現像処理コスト
も低減することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す減圧蒸発濃縮装置の概略
図。
【符号の説明】
10 消泡剤貯留タンク 11 供給ポンプ 21 蒸発釜 22 冷却釜 23 減圧手段 24 放熱部 25 ヒートポンプ装置 26 写真処理廃液タンク 27 写真処理廃液供給手段 28 液面検出手段 29 吸熱部 30 凝縮水タンク 31 圧縮機 32 冷媒空冷手段 34 キャピラリーチューブ 35 スラリー溜部 36 スラリー取出口 37 栓手段 39 スラリー排出部 40 撹拌羽根 41 駆動源 43 デミスター 46 パッキング栓 47 液面センサー 50 スラリー回収容器 60 液面検出手段 62 圧力センサー

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真処理廃液を700mmHg以下の減圧下及
    び加熱温度90℃以下で蒸発濃縮処理することによって得
    られた蒸留液を用いて発色現像液を調製する際に、該発
    色現像液中に下記一般式〔I〕で示される化合物の少な
    くとも一種及び又は単糖類の少なくとも一種を存在させ
    ることを特徴とする写真処理廃液の再利用方法。 【化1】 〔式中、R1,R2はそれぞれ置換されてもよいアルキル
    基、アリール基、R3CO−基または水素原子を表す。
    ただしR1及びR2の両方が同時に水素原子であることは
    ない。R3はアルキル基、アルコキシ基またはアリール
    基を表す。〕
  2. 【請求項2】 前記発色現像液により処理されるハロゲ
    ン化銀写真感光材料の支持体上に塗布されたハロゲン化
    銀乳剤の塩化銀含有率が80モル%以上であることを特徴
    とする請求項1記載の写真処理廃液の再利用方法。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化銀写真感光材料を連続処
    理する自動現像機において前記発色現像液への補充量が
    ハロゲン化銀写真感光材料1m2当たり120cc.以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の写真処理廃液の
    再利用方法。
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