JP3105208B2 - セル処理装置及びatm通信システム - Google Patents

セル処理装置及びatm通信システム

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JP3105208B2
JP3105208B2 JP11118134A JP11813499A JP3105208B2 JP 3105208 B2 JP3105208 B2 JP 3105208B2 JP 11118134 A JP11118134 A JP 11118134A JP 11813499 A JP11813499 A JP 11813499A JP 3105208 B2 JP3105208 B2 JP 3105208B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非同期伝送モード
にて情報の交換通信を行うATM通信システム及びAT
M網を通して通信されるセルに対する種々の処理を効果
的に行うようにしたセル処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、非同期伝送モードにて情報の交換
通信を行うATM(Asynchronous Tra
nsfer Mode)システムについての技術開発が
種々進められている。この種のATM通信システムは可
変帯域性と云う特徴を有し、種々のトラヒック性,サー
ビス性を持つ全ての通信メディアを統一的に扱うことが
可能である。しかもインテリジェント・ネットワークに
向けての通信サービスの高度化,カスタム化等を図るこ
とができる等の点で注目されている。
【0003】さてATM通信は、バーチャル・チャネル
(VC;Virtual Chanel)を介して端末
からの情報入出力が行われ、VCを束ねたバーチャル・
パス(VP;virtual Pass)を単位として
ノードやリンク間の交換通信が行われる。しかしてVC
やVPについては、CCITT(国際電信電話諮問委員
会)にて予めその標準仕様が規定されており、ATM通
信システムを実現する場合には、これらの仕様を満足す
るようにその情報通信を制御することが必要である。例
えば情報を担うセルの流れがVPとして定められた帯域
以内に収まるようにそのセル流を監視し、オーバーフロ
ーしたセルを廃棄する等のセルに対する種々の処理制御
を行うことが必要となる。また上記CCITTにてセル
の標準フォーマット等がある程度規定されているが、非
同期に伝送されるセルをどのようにして確実に捕らえ、
これをどのようにして処理制御するかについても問題と
なる。
【0004】特にこのようなセル流に対する処理機能
を、ハードウェア上でどのようにして実現するか、また
そのハードウェアの構成規模を実現可能な程度にどのよ
うにして無駄なく小さくするか、等の点で種々の問題が
残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようにATM通信
システムを実現する場合、未だに解決すべきハードウェ
ア上の種々の問題が残されており、その解決法が強く望
まれている。特に光ファイバ等の伝送網を介して送られ
てくるセルをATM交換機(ATMスイッチ)に対して
どのようにして与え、またATM交換機にてスイッチン
グされたセルをどのようにして伝送網に送り出すかと云
うセル処理機能をハードウェア上でどのように実現する
かと云う点で、大きな問題が残されている。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的とするところは、ATM通信網を流
れるセルに対して種々の処理制御を実行するセル処理機
能を、ハードウェア上での種々の問題、例えばハードウ
ェア量が膨大なものとなり、実質的にそのハードウェア
を構築することが困難となる等の問題を回避して効果的
に実現することを可能とした実用性・実現性の高いセル
処理装置及びATM通信システムを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)は、
セル交換を行うATMスイッチに対して入力するセルお
よび該ATMスイッチから出力されたセルの少なくとも
一方を処理するセル処理装置であって、設定されている
個々のコネクションに関する情報を保持する第1の記憶
手段と、前記第1の記憶手段に保持された前記個々のコ
ネクションに関する情報のエントリを参照するために使
用するアドレス情報を保持する第2の記憶手段と、入力
されたセルのVPIおよびVCIのビットパターンのう
ちの一部分に基づいて、前記第2の記憶手段に保持され
ているアドレス情報のうちから、該入力されたセルの属
するコネクションに対応するものを選択する手段と、こ
の選択されたアドレス情報のビットパターンと、入力さ
れた前記セルのVPIおよびVCIのビットパターンの
うちの一部分とを用いて、前記第1の記憶手段にアクセ
スして、予め定められた参照処理を行う手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0008】本発明(請求項2)は、セル交換を行うA
TMスイッチと、該ATMスイッチに対して入出力する
セルを処理する複数のセル処理装置とを備えたATM通
信システムであって、前記セル処理装置の各々は、設定
されている個々のコネクションに関する情報を保持する
第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に保持された前
記個々のコネクションに関する情報のエントリを参照す
るために使用するアドレス情報を保持する第2の記憶手
段と、入力されたセルのVPIおよびVCIのビットパ
ターンのうちの一部分に基づいて、前記第2の記憶手段
に保持されているアドレス情報のうちから、該入力され
たセルの属するコネクションに対応するものを選択する
手段と、この選択されたアドレス情報のビットパターン
と、入力された前記セルのVPIおよびVCIのビット
パターンのうちの一部分とを用いて、前記第1の記憶手
段にアクセスして、予め定められた参照処理を行う手段
とを備えたことを特徴とする。
【0009】本発明(請求項3)は、セル交換を行うA
TMスイッチと、該ATMスイッチに対して入力するセ
ルを処理する複数のセル処理装置とを備えたATM通信
システムであって、前記セル処理装置の各々は、伝送路
から入力されたセルの論理VCIを、前記ATMスイッ
チの内部での経路を指定するルーティングタグ情報を少
なくとも含むルーティングタグテーブルを参照するため
の物理VCIに変換する手段と、前記論理VCIから物
理VCIへの変換に失敗した場合に、前記入力されたセ
ルを廃棄させるための制御を行う手段とを備えたことを
特徴とする。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】本発明によれば、セル流をATM交換する
のに必要なVCやVPに対する論理識別子の物理識別子
への変換を連想メモリを用いて個々に行うことができ、
その論理・物理変換の為のハードウェア量を十分に少な
くし、簡易にその変換処理を実行することが可能とな
る。
【0014】また、本発明によれば、論理VCIから物
理VCIへの変換に失敗したセルを廃棄させることがで
きる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係るATM通信システムについて説明する。
【0019】図1はシステムの全体構成を示す図で、A
TM交換機(ATMSW;Asynchronous
Transfer Mode Switch)は制御プ
ロセッサ(ASP;ATMSW Processer)
にて動作制御がなされ、ATM網を介するセル(情報)
の交換通信処理を実行する。このATMSWにユーザ・
ネットワーク・インターフェース(BUNI;Broa
dband User−Network Interf
ace)やネットワーク・ネットワーク・インターフェ
ース(BNNI;Broadband Network
−Network Interface)等が接続され
る。その他にも前記ATMSWにはNUNI(Narr
owband User Network Inter
face)やNNNI(Narrowband Net
work−Network Interface),V
LSF(Connectionless Suppor
tFacility),VVTT(Voice/Vid
eo Talkie Trunk),VVCB(Voi
ce/Video Conference Bridg
e)が接続される。これらのインターフェース等の各回
路機能はそれぞれ専用のプロセッサによりその動作が制
御される。
【0020】しかして上記BUNIやBNNI等のセル
処理機能に入力されたシグナリング・セルはSWセルに
変形され、シグナリング・セル・スイッチSCSW(S
ignaling Sell Switch)に接続さ
れた出力ポートに至るために必要なルーティング・タグ
や、そのシグナリング・セルが処理されるシグナリング
・プロセッサ・アレイSPA(Signaling P
rocesser Array)に対する番号が付加さ
れる。
【0021】ATMSWはセル処理機能で付加されたル
ーティングタグを参照し、各セル処理機能から渡された
シグナリング・セルを前記SCSWに接続された出力ポ
ートに一旦集線し、これを受けたSCSWは個々のシグ
ナリング・セルに付けられたSPA番号を参照して、そ
れらの各シグナリング・セルが処理されるSPAにスイ
ッチングする。
【0022】一方、SPAが出力するシグナリング・セ
ルには、そのシグナリング・セルが出力されるべきAT
MSWの出力ポートに至るためのルーティング・タグが
付加され、SCSWにより集線されて前記ATMSWに
渡される。ここでのシグナリングVCの識別は、VP
I,VCI,およびルーティング・タグによってなされ
る。
【0023】しかしてATMSWは個々のシグナリング
・セルに付けられたルーティング・タグを参照し、それ
らが出力される出力ポートにセルを出力する。その後、
ATMSWから出力されるセルは、セル処理機能による
所定の処理を受けて出リンクに出力される。
【0024】本発明に係るセル処理機能は、上述したB
UNIやBNNIに相当するもので、ATMSWにて交
換通信されるセルに対する種々の処理を、簡易な構成の
ハードウェアにて効率的に実行しようとするものであ
る。
【0025】図2はBUNIやBNNIに代表されるよ
うな典型的なセル処理機能の全体構成を示す図である。
【0026】BUNIやBNNIは図2に示した構成を
基本として実現される。しかし前述したNUNI,NN
NI,CLSF,VVTT,VVCBでは、そこで取り
扱う情報を一旦150Mbpsのセル流にアダプテーシ
ョンし、その後、図2に示した構成を基本として前記A
TMSWとの間でのインターフェースがとられる。これ
らモジュール毎の具体的なセル処理機能の構成について
は後述する。
【0027】さて光ファイバからなる伝送路を介してセ
ル処理機能に入力された光データは、先ずOUR(Op
tical Unit Receiver)により電気
データに変換される。この時点でビットクロックの再生
も同時に行われる。尚、上記OURから出力されるデー
タは155.52Mbpsのシリアルデータである。
【0028】しかしてOURから出力された電気信号は
FDA(Frame Disassembler)に入
力されてフレーム同期がとられる。フレーム同期がとら
れた後のデータはシリアル・パラレル変換され、8bi
tのパラレル信号としてATMセル領域の信号として出
力される。この場合、STM(Synchronous
Transfer Mode)−nのVC−4の容量
より,上記FDAから出力されるデータは18.72M
Byte/Secの8bitパラレルデータとなる。
【0029】尚、OUR側のデータは、当該OURで再
生されたビットクロックに同期して伝送されるが、FD
Aから出力されるデータはタイミング供給部で発生され
る18.72MHzのクロックに同期して出力される。
これ故、FDAにはクロックの乗せ替え機能も設けられ
る。
【0030】FDAは上述したフレーム同期とシリアル
−パラレル変換機能の他にSOH(Section O
ver Head)やPOH(Path Over H
ead)を参照して後述する伝送路警報情報を作成し,
ILC(INF LocalControler)に通
知する機能も備えている。この際、DCC(Data
Communication Chanel)チャネル
を通ってきた情報も上記ILCに通知される。尚、上記
ILCはBUNIP,BNNIP等のセル処理機能のロ
ーカルな制御を受け持つコントローラ(プロセッサ)の
総称である。
【0031】さて前記FDAから出力された8bitの
パラレルデータは,CSD(Cell Synchro
nizer/Information Descram
bler)に入力され,HEC(Header Err
or Control)計算によりセル同期がとられ
る。このセル同期をとった結果、前記8bitのパラレ
ルデータ流に対して先頭表示信号が付けられる。この先
頭表示信号がアクティブであることにより、セルの先頭
オクテットが示される。
【0032】セル同期のとられたパラレルデータは、次
にOMDI(OAM Cell Drop/Inser
t)を通じてRTA(Routing Tag Add
er)に入力される。このRTAでは入力されたセルを
一旦蓄積し、VPI/VCIをHTT(Header
Transformation Table)の内容に
従って変換する。更にこのRTAではATMSW内部で
のルーティングに使用される情報(ルーティングタグ)
等の付加情報を加え、これをIBUF(Input B
uffer)に出力する。この時、VPI/VCIから
実際にHTTのエントリ番号として使用される物理VC
Iへの変換は後述するようにLPT(Logical
VCI/Physical VCI Transfor
mer)により行われる。またセルに付けられる付加情
報の内容についても後述する。
【0033】尚、ここで例示する付加情報の長さは74
bit長であるが、RTAで付加される付加情報の長さ
は将来の拡張を考えて、例えば88bitとして設定す
る。この結果、本システム内で取り扱われるセルは64
Byte長となる。
【0034】前記OMDIはOAMセルの分岐/挿入を
行うものである。このOMDIにて分岐されたOAMセ
ルはセルの形でILCに渡される。また挿入したいOA
Mセルについても同様にしてセルの形でILCからOM
DIに渡される。
【0035】OMDIとRTAは、セル長のサイクルで
周期的に動作する。一方,CSDの動作は必ずしもセル
長の周期をもっているとは限らない。またHECによる
セル同期確立シーケンスの中にHUNT状態が入る可能
性がある。この為、CSDの動作サイクルと,OMDI
/RTAの動作サイクルとの間でセル同期をとる必要が
生じる。このセル同期は、CSDの出力部に2セル長分
のバッファを持つことにより実現される。尚、セル同期
が確立していない期間には、前記CSDはOMDIに対
して空セルを出力し続けることになる。
【0036】CSD/OMDI/RTA内部でのセル転
送、およびセルの入出力は8bitパラレルで行われる
ものとする。またRTAからのセル出力は、そのセル長
が伸びるので149.76Mbps×(64/53)で
行われるものとする。この結果、CSDのセル入出力、
OMDIのセル入出力、およびRTAのセル入力は1
8.72MHzのクロックに同期して(1セル当り2.
83μSec)、またRTAのセル出力は、例えば1
8.72×(64/53)MHzのクロックに同期して
それぞれ行われることになる。
【0037】さてセル流に対するトラヒックの監視は、
RTAによりルーティングタグを付加する際に以下のよ
うに行わる。
【0038】各VCの運んでいるトラヒックはTOVA
(Traffic Observer/Violati
on Tag Adder)にて観察される。基本的に
はこのトラヒック計測はVPI/VCI変換の為のHT
Tに対するアクセスを観察することにより行なわる。し
かしてTOVAはトラヒック計測の結果、或るVCに割
り当てられた容量を越えていると判断されたセルに関し
てバイオレーションタグを付けるようにRTAに指示す
る。これにより各VCについてのVCポリシングが行わ
れる。このバイオレーションタグの位置は、例えばセル
の付加情報の内部として設定される。
【0039】さて新規に発生したVCは、そのVCの入
り側リンクでのVPI/VCI,そのVPI/VCIの
組に対応する物理VCI,出側リンクでのVPI/VC
I,更にATMSW内での当該VCの経路を指定するル
ーティングタグをILCからHTTとLPTとにそれぞ
れ通知し、更にそのVCの容量を設定する数種のパラメ
ータを前記ILCからTOVAに通知することにより設
定される。ILCから上述のパラメータを受け取ったH
TT,TOVAは、そのパラメータを取り込み、そのパ
ラメータに従ってセル流を制御することになる。
【0040】前記RTAから出力されたセルはIBUF
で一旦蓄積され、ATMSWの動作速度に合わせて出力
される。後述するセルの廃棄は処理はこのIBUFにお
いてのみ行われ、またバイオレーションタグ付きのセル
は、このIBUFにて無条件に廃棄される。
【0041】一方、CLPに関して、IBUFは次のよ
うにセルを扱う。セルを廃棄しなければならない状況、
例えばバッファフルになったならば、CLPは廃棄され
やすい(CLP=1)とされているセルの内、前記IB
UFに最も古くから蓄積されているセルを廃棄する。セ
ル廃棄が発生すると、その廃棄セルに関する情報が前記
ILCに通知される。そして前記IBUFからのセル出
力は、RTAからのセル出力速度のほぼ2倍、例えば3
60Mbpsで、8bitパラレルの形で行われる。
【0042】さてIBUFから出力されたセルはATM
SWに渡される。ATMSWでは前記RTAにて各セル
に付加された付加情報の中のルーティングタグを参照
し、そのセルを所望の出力ポートへと転送する。ATM
SW内部のスイッチ間リンクでは、前記IBUFの出力
速度と同じ速度でセル転送が行われる。
【0043】しかしてATMSWの出力ポートから出力
されたセルはOBUF(Output Buffer)
に入力され、一旦蓄積される。そしてこのOBUFで
は、それ以降の速度に合わせてセルを出力する。具体的
にはOBUFへのセル入力は、前記IBUFからのセル
出力と同じ速度である360Mbpsで行われる。これ
に対してOBUFからRTD(Routing Tag
Deleter)へのセル転送は後で述べるように1
49.76Mbps×(64/53)で行われる。よっ
て出力ポートに関するコンフリクトによるセルのバッフ
ァ内部での滞留は、主にOBUFにおいて発生すること
になる。
【0044】因みに、このOBUFのバッファ量を数1
000セル分程度持つようにすることは、ハードウェア
的に非常に困難である。またシステム内部でセル廃棄の
発生する箇所が多い場合、発生したセル廃棄に関する情
報をシステムの制御部に持ち上げるのが非常に困難とな
る。これらの点を勘案して、ここではOBUFからAT
MSW内部を経由してIBUFまで出力先のバッファが
フルであるならば、そのセルのバッファ間転送を抑制す
ると云う、簡単なフロー制御が掛けられる。このような
フロー制御により、IBUF−ATMSW−OBUFと
いう経路上のバッファが、コンフリクト回避の為に協調
して動作するようになり、この結果、そのバッファ容量
の削減を図ることが可能となる。
【0045】またセル廃棄の発生箇所もIBUFだけと
なるので、IBUFで廃棄されたセルの情報だけをシス
テムの制御部に持ち上げれば良くなるので、ハードウェ
ア構成を簡略化することが可能となる。
【0046】また前記OBUFではセルの遅延クラスの
制御が行われる。このOBUFでのセルの遅延クラスの
制御は、仮にセルがシステム内部に滞留するならば、上
述したようにATMSWのセル転送速度が上がっている
ので、セルの滞留の殆どが前記OBUFで発生している
との考えに基づいて実行される遅延クラス制御手法と云
える。
【0047】さて前記OBUFから出力されたセルはC
SH(Cell Shaper)に入力される。このC
SHではリーキーバケットにより出力セル流の監視を行
い、セル流に対するシェイピング処理を行う。このシェ
イピング処理により、対向するセル処理機能におけるポ
リシング機能により、伝送出力したセル流が違反セルで
あると判定されないように、そのセルの出力が制御され
る。このCSHでのセル入出力速度は前記OBUFにお
けるセルの出力速度と等しい速度である。
【0048】しかして前記CSHから出力されたセルは
RTD(Routing TagDeleter)に入
力される。RTDに対するセルの入力は149.76M
bps×(64/53)で行われ、これにより前述した
付加情報を削除する為のRTD内部に含まれるバッファ
でのオーバーフローが防がれる。尚、このRTDへのセ
ル入力は8bitパラレルで行われる。
【0049】RTDから出力されたセルは、いま1つの
OMDIを通じてCIS(CellInformati
on Scrambler)に入力される。このCIS
はセルの情報部に対してスクランブルを掛けるものであ
る。この結果、OMDI/CISのデータ入出力は1
8.72MHz8bitのパラレル信号として扱われ
る。
【0050】さて上記CISでスクランブルが掛けられ
たセルはFAS(Frame Assenbler)に
入力され、SOH,POHが付加されてSTMフレーム
化された後、パラレル・シリアル変換される。このST
Mフレーム化の際、AU−4ポインタの指示するペイロ
ード内位置に対して、ATM領域のセルはバイト位相が
揃えられる。更にSOH,POHにて運ぶべき管理情報
は前記ILCからFASに通知され、同時にDCCチャ
ネルに乗せる情報もILCからFASに通知される。そ
してFASからはシリアル信号としてSTMフレームが
出力される。
【0051】尚、CCITTでの審議に従い、上記VC
−4のH4ポインタによりペイロード内でセルの先頭を
指示することも考えられる。仮にこのようにしてVC−
4のH4ポインタを使用してペイロード内でセルの先頭
を指示するようにすれば、FDAからCSDへの8bi
tのパラレルデータに、他の部分と同様にセル先頭信号
を並列に設けることができ、各機能要素間のインターフ
ェースの統一化を図ることが可能となる。
【0052】しかしてFASから出力されたSTMフレ
ームはOUS(OPT UnitSender)に渡さ
れ、このOUSにて電気−光変換を受けて光ファイバに
出力されることになる。
【0053】一方、本システムでの障害監視は次のよう
に行われる。
【0054】上述したセル処理機能を構成する各機能要
素の内、前記OUR,OUS,FDA,CSD,OBU
Fはそれぞれの入力で受信断(REC)を監視できるよ
うに構成される。更にFDAではフレーム同期に関する
FDA自身の状態、即ち、HUNT,SYNCH,PR
ESYNCを,またCSDではセル同期に関するCSD
自身の状態であるHUNT,SYNCH,PRESYN
Cをそれぞれ監視できるように構成される。
【0055】また大規模ATMスイッチにも上述したセ
ル処理機能が使用されることを考慮し、IBUF−AT
MSW−OBUFの経路のビット誤り率の上昇を検出で
きるような工夫を施すことが望ましい。この為、RTA
にてセルに付加する付加情報の中の1Byteには、そ
のセルのパリティビットを設けるようにする。このパリ
ティビットをRTDで検査することで、IBUF−AT
MSW−OBUFの経路のビット誤り特性の低下を監視
するようにする。
【0056】さてHTT/LPTに関しては、HTT内
部におけるRAMまたはレジスタのパリティチェックの
他に、次の手法により障害監視が行われる。
【0057】この障害監視は新規VC設定時に行われ、
そのVCを張る経路が正常であることを確認する為に実
行される。即ち、この障害監視は、VP設定時にHTT
/LPTに必要なデータを書き込んだ後、ILCからO
MDIを通じてOAMセルを通過させ、そのVCの出側
のOMDIで上記OAMセルが検出されるか否かを判定
して行われる。同様の操作は加入者を収容しているAT
Mリンクシステム,および隣接ATMノードシステム間
でも行われる。この為、加入者収容リンクシステム,お
よび隣接ATMノードシステム間でOAMセルのループ
バックが行われるようになっている。このOAMセルの
ループバック制御は各セル処理機能内のCSDとRTA
の間に設けられたOMDIから、RTDとCISの間に
設けられたOMDIにループバックOAMセルを転送す
ることにより実現される。
【0058】一方、TOVAの障害監視は、ポリシング
のアルゴリズムが確かに動作することを、後述するよう
にVC設定時に確認することにより実現される。またC
SHの障害監視についても後述するように上記TOVA
の障害監視と同様にポリシングのアルゴリズムを用いて
セルの出力規制を掛けることによって実現される。この
CSHの障害監視については、ポリシングのアルゴリズ
ムが確かに動作することをTOVAと同様に、新規VC
設定時に確認すると共に,出力規制が掛かることを確認
して行われる。この障害監視については、後で詳しく説
明する。
【0059】またノードシステムでは廃棄クラス制御と
遅延クラス制御が行われる。この廃棄クラス制御につい
ての障害監視は、IBUFで廃棄されたセルをILCで
解析することによって実現される。そしてセルが廃棄さ
れた時、IBUFはその廃棄されたセルそれ自身と、セ
ルが廃棄された時にIBUF内部に保持されている各廃
棄クラス毎のセル数とをILCに通知する。しかしてI
LCはセルが廃棄される毎に、IBUF内の各廃棄クラ
ス毎のセル数と廃棄されたセルの属する廃棄クラスとか
ら、廃棄クラス制御が正常に動作していることを確認す
る。
【0060】一方、遅延クラス制御の障害監視はOBU
Fが自律的に次の様な手法により実行する。即ち、OB
UFは各遅延クラス毎に、そこに保持しているセル数を
カウントするカウンタを持つ。そしてセルを出力する度
に、上記OBUFは各クラス毎に保持しているセル数
と、そこから実際に出力したセルの遅延クラスとを比較
し、正常に遅延制御アルゴリズムが動作していることを
確認する。この確認処理にて異常が発見されたならば、
OBUFはILCにそのことを通知する。
【0061】尚、ILCの障害監視は一般的な手法を用
いて、例えばワッチドッグタイマによる暴走チエック、
および監視制御部との間の定期的通信によるお互いの生
存確認により行われる。
【0062】尚、ここでは無瞬断の系切り替え機能を実
現するべく、ATMSWの他にRTA,HTT,LP
T,TOVA,IBUF,OBUF,CSH,RTDが
それぞれ2重化されている。この無瞬断で系を増設する
為の詳しい手法については後述する。またFDA/CS
D/OMDI/RTA/IBUF/OBUF/CSH/
RTD/CIS/FASにおけるそれぞれのセル入出力
は、保守性の向上の為、ここでは同一のインターフェー
スとして実現される。
【0063】次にセル同期,スクランブル・デスクラン
ブル機能について説明する。
【0064】セル同期,スクランブル・デスクランブル
機能は前述した図2に示したセル処理機能一般構成の内
のCSD(Cell Synchronizer/In
formation Descranbler)とCI
S(Cell Informaition Scran
bler)とが担っている。
【0065】図3はこのCISの構成を示す図であり、
この図3を参照してCISの構成とその概略動作につい
て説明する。
【0066】CISはRTDからOMDIを通じて渡さ
れるセルの情報部にスクランブルを掛け、更にヘッダ部
のHECを計算してその結果をHECフィールドに埋め
込む機能を持つ。このCISには53バイト長のセル
が、18.72MHz8bitのパラレルデータに1ビ
ットの先頭表示信号が付加された形で前記RTDから渡
される。
【0067】CIS内部にはHEC計算部と情報フィー
ルドスクランブラが設けられており、入力されるセルの
ヘッダ部の情報はHEC計算部に入力され、またその情
報部は情報フィールドスクランブラにそれぞれ振り分け
られて入力される。この振り分けはデータ線と並列に設
けられた先頭表示信号によってリセットされるカウンタ
により制御される。尚、情報フィールドスクランブラは
43次の自己同期型スクランブラにより実現される。
【0068】しかしてHEC計算部と情報フィールドス
クランブラからそれぞれ出力されるビットストリームは
合流され、再びセルの形に戻されて出力される。この出
力は18.72MHz8bitパラレル形式のデータか
らなり、セルの先頭表示信号はデータに並行して出力さ
れる。この先頭表示信号は,例えばFASがVC−4の
H4ポインタを作成する際に利用される。
【0069】一方、CSDは図4に示すように構成され
る。
【0070】CSDはFDAから渡される18.72M
Hz8bitのパラレルデータに対して、HEC計算に
よりそのビットストリームからセルの先頭を探し出し、
探し出したセルの先頭バイトに所定のマーク(印)を付
ける役割を持つ。FDAから入力される8bitパラレ
ルデータストリームでは、基本的にはセルのバイト位相
が揃えられていると仮定する。しかしてここでは消費電
力の低減の為、CSDは上記仮定の下にセルの先頭の検
索を行い、18.72MHz,8bitパラレルのデー
タに1bitの先頭表示信号が付加された形としてセル
を出力する。
【0071】このCSDは概略的には次のように動作す
る。
【0072】先ずFDAから入力されたビットストリー
ムはセル同期部に入力される。するとセル同期部は入力
されたビットストリームに対してセル同期をとると同時
に、セルのヘッダ部のビット誤り検出/訂正を行う。こ
のセル同期部でのセル同期,並びにヘッダ部誤り検出/
訂正手順はCCITTに準拠して、例えば以下のように
行われる。
【0073】即ち、セル同期部はセル同期手順の状態に
より3種類の状態を持つ。セル同期がとれていない状態
をHUNT状態,セル同期がとれかけている状態をPR
ESYNC状態,セル同期がとれた状態をSYNCH状
態と呼ぶものとすると、HUNT状態ではCSDからデ
ータが1Byte入力される毎に過去に入力された40
bit(5Byte)についてシンドロームを計算す
る。この際、過去に入力された40bitをヘッダであ
ると看做した時,そのヘッダに誤りがなかったならば,
計算したシンドロームは予め予測できる値となる。よっ
てCSDではそのシンドロームが予め予測できる値にな
ったとき、これをとりあえずヘッダの入力が終了したと
仮定してPRESYNC状態に移行する。
【0074】一方、PRESYNC状態では、CSDは
セル単位にヘッダ部分の誤り検出を行う。具体的にはH
UNT状態からPRESYNC状態に遷移した時から5
3Byte毎に過去に入力された40bitについての
シンドロームを計算する。そして計算したシンドローム
が連続してDELTA回に亘って前述した予め予測でき
る値になっているならば、現在、ヘッダと看做している
部分が確かにヘッダであると判断し、SYNCH状態に
移行する。しかしシンドロームが前述した予め予測でき
る値でなかったならば、直ちにHUNT状態に戻る。
【0075】そしてSYNCH状態では、CSDはセル
単位にヘッダ部分の誤り検出/訂正を行う。この段階で
はおそらくセルのヘッダ部の位置を正しく認識している
ので、殆ど誤りは発生しないはずである。しかし連続し
てALPHA回に亘ってヘッダ部に誤りが検出されたな
らば、その時点でHUNT状態に戻る。
【0076】尚、上述したHUNT状態,およびPRE
SYNC状態ではCSDは有効セルを出力せず、これら
の状態の時はCSDは常に空セルを出力するものとす
る。またSYNCH状態ではヘッダ部にビット誤りが発
見できなかったとき、若しくはビット誤りが発見されて
も訂正できた有効セルとしてデュアルバッファに出力す
る。無効セルについては廃棄することにする。そしてO
MDIに出力するべき有効セルが無い場合には、CSD
は常に空セルを出力するものとする。
【0077】セル同期部がSYNCH状態の時に前記セ
ル同期部から出力されたセルは、前記情報フィールドデ
スクランブラによりその情報部がデスクランブルされ
る。このデスクランブルは43次の自己同期型デスクラ
ンブラを用いて実行される。
【0078】しかしてデスクランブラを通過したセルは
一旦デュアルバッファに蓄積される。また空セル発生部
はCSDから出力する為の空セルを常に発生させてい
る。そしてデュアルバッファ上にセルが蓄積されている
場合、上記空セル流上の1つの空セルをデュアルバッフ
ァ上のセルで置き換えることによって有効セルを出力す
る。この処理によりセル同期動作とセル出力動作の間の
同期が取られている。
【0079】前述のようにCSDから出力される8bi
tのパラレルデータには1bitの先頭表示信号が付加
されているが、CSDに入力される8bitのパラレル
データについても先頭表示信号が付加されていても勿論
かまわない。先頭表示信号を付加する場合には、CSD
はその先頭表示信号で表示されるセルの先頭と、自分が
HEC計算により求めたセルの先頭を比較し、もしセル
の先頭が一致していなければILCに対して警報を上げ
ることになる。
【0080】前述した図2に示した構成の場合、FDA
がVC−4のH4ポインタによりセルの先頭を知り、そ
の先頭をFDAが出力する8bitのパラレルデータに
付加してCSDに渡すとものとすると、誤フレーム同期
に陥るか、或いは誤セル同期に陥った場合、先頭表示信
号により示されたセルの先頭と,HEC計算によって求
めたセルの先頭が異なることになる。この結果、どちら
かが誤同期に陥ったことをILCに通知することが可能
になる。
【0081】このセルの先頭の比較は先頭表示信号がア
クティブになった時のみに行なうようにしておけば、先
頭表示信号を使用しない場合は常にその信号をインアク
ティブに固定しておくことでCSDの動作への影響を無
くすことができる。この信号をCSD入力インターフェ
ースへ追加しても特に問題が生じることはない。
【0082】さてCSDから出力される監視制御情報に
は、前記セル同期部の状態,HUNT,PRESYN
C,SYNCHと,仮に検出を行うのであれば誤フレー
ム/セル同期発生表示があり、更にFDAからの受信断
がある。FDAからの受信断は、例えばCCITTで定
められたセルフォーマットに従うと、必ずセルの中に論
理値[0]と[1]の双方が現れるので、FDAからC
SDに渡されるデータを観測し、1セル時間以上全ての
データが[0]または[1]に固定していることを監視
することにより検出することが可能となる。
【0083】尚、CISには特に監視制御項目は設ける
と云うことはしない。
【0084】次にセル処理機能におけるOAMセル挿入
/分岐機能について説明する。
【0085】OAMセル挿入/分岐機能は前述した図2
に示したセル処理機能一般構成の内,OMDI(Ope
ration and Management Cel
lDrop and Insert)が担う機能であ
る。このOAM機能(特にATMレイヤ)に関してはC
CITTでの議論の対象でもあり、今後大きく変化する
可能性があるが、本発明ではハード規模を抑えることを
第1の目標として次のような機能として実現される。
【0086】このOMDIがサポートするOAM機能
は、模式的には図5に示すように実現される。このOM
DIは、各種OAM機能の内,セル転送路の接続試験を
行うために必要な機能を提供するもので、具体的には次
の4種類の試験を実行する機能を実現する。 1ATMSW内部接続試験 2伝送路接続試験 3VCリンク連結試験 4隣接ノードループバック試験 1に示すATMSW内部接続試験は、ATMSW増設時
等にATMSWの入力ポートから出力ポートまでが正常
に接続され、且つ正常にセルがスイッチングされること
を確認する為の試験である。具体的にはそれぞれの入力
ポートから挿入されたセルが、各出力ポートから出力さ
れることを確認することにより実現される。
【0087】また2に示す伝送路接続試験は、対向する
リンクシステムとの間でフレーム同期/セル同期が確立
していることを確認する為の試験である。この試験は、
対向リンクシステムに向けて出力されたセルがループバ
ックにより戻って来ることを確認することによって実現
される。
【0088】以上の2種の試験は物理レイヤ機能の確認
試験であり、物理レイヤOAMセルを使用して行われ
る。尚、物理レイヤOAMセルのヘッダフォーマットは
I.361,I.432に従うものとする。更に情報フ
ィールド内部に少なくともそのOAMセルを分岐するか
ループバックするかを指定するビット,分岐/ループバ
ックビットを設定して行われる。
【0089】これに対して次に述べる2種の試験はAT
Mレイヤ機能の確認試験である。
【0090】3に示すVCリンク連結試験は、RTA−
ATMSW−RTDのパスが正常に動作しているか確認
する為の試験であり、特にRTAでのVPI/VCI変
換機能,ルーティングタグ付加機能に注目して実行され
る試験である。この試験は、任意のセル処理機能から任
意のセル処理機能へのセルが正常にVPI/VCI変換
を受けつつ、ATMSWでスイッチングされることを調
べることで、RTA−ATMSW−RTDにより実現さ
れるVCリンク間の連結動作を確認することにより行わ
れる。
【0091】尚、4に示す隣接ノードループバック試験
は、リンクシステムを介して隣接するノード間でのセル
のループバック試験である。
【0092】以上の各試験の為に使用するATMレイヤ
OAMセルのヘッダフォーマットについては、現在のと
ころCCITTで標準化されていないが、例えば空セル
と物理レイヤOAMセルのヘッダフォーマットとのアナ
ロジから、試験したいVPリンク/コネクションを識別
するVPIを付け、更にPTフィールドに[10]を入
れたフォーマットを設定することにより実行することが
可能となる。またATMレイヤOAMセルの情報フィー
ルド内に、少なくともそのOAMセルを分岐するかルー
プバックするかを指定するビットと、分岐/ループバッ
クビットとを設けることにより実現される。
【0093】更に物理レイヤ/ATMレイヤOAMセル
の情報フィールドに、そのセルがどのレベルの試験用の
セルであるかを示すフィールド、つまり試験レベルフィ
ールドを設定するようにすれば良い。
【0094】このOAMセルのフォーマット/OAM機
能については、リンクシステムとの整合をとる必要があ
る。従ってここでは、物理レイヤ/ATMレイヤOAM
セルの試験レベルフィールドにある特定のパターンがセ
ットされているOAMセルは、通常のセルと同様にリン
クシステムにてVPIによりスイッチングを受けるもの
とする。また分岐/ループバックビットによりループバ
ックの指定された物理レイヤOAMセルについては、必
ずリンクシステム上でループバックを受けるものとす
る。
【0095】ところで或る伝送路上では、必ず上り/下
りのVCが同じVPI/VCIを用いて設定されている
ものとする。尚、本OMDIと対になって使用されるリ
ンクシステムのOMDIについては後述する。
【0096】するとノードシステム内の全てのOMDI
は,全てのOAMセルについてその分岐/ループバック
ビットに従って分岐/ループバックを行う機能を持つこ
とになり、この結果、以上の4種のOAM機能を実現す
ることが可能となる。
【0097】次にOMDIの構成と概略動作について説
明する。
【0098】このOMDIは、例えば図6に示すように
構成される。このOMDIはOAMセル挿入/分岐機能
の他に、ノーマル系とエマージェンシ系とを切り替える
機能も持つ。このようなOMDIが備える2つの機能
は、無瞬断増設等による系の切り替え時には必ずOAM
セルによる切り替え系チェックが行われるので、OAM
セル挿入/分岐機能とノーマル系/エマージェンシ系切
り替え機能を同じ機能要素で行うのが自然であることに
立脚して実現される。
【0099】このOMDIは概略的には次のように動作
する。システム各部に配置されるOMDIは、これから
不必要な機能を削除することにより構成可能である。
【0100】即ち、A系/B系入力ポートから入力され
たセルは一旦デュアルバッファを経由し、OMDI内部
の動作サイクルに合わせられる。この処理はA系/B系
選択の時にセル廃棄が発生しないようにする為の配慮で
ある。ここでA系/B系とは、切り替えられる2つの系
のどちらかを意味する。しかしノーマル系/エマージェ
ンシ系のような2つの系の役割分担はこのOMDIによ
って規定されるものではなく、ソフトウェアによって規
定されるものである。従ってここでは単にA系/B系と
して説明する。
【0101】さてデュアルバッファを通過したセルはセ
ルドロップを通過する。このセルドロップでは次の2つ
の条件が成立した時にセルを分岐する。 1セルのヘッダ部分のPTビットが[10]であり、こ
れによって物理/ATMレイヤOAMセルであることが
指定されているとき。
【0102】2情報フィールド中の分岐/ループバック
ビットにより、その分岐が指定されているとき。
【0103】しかしてセルドロップを通過したセル流
は、セレクタを介してA系,若しくはB系の一方が選択
されて出力される。このようにして系が選択されたセル
流は、次にループバック機能を実現する為のセルドロッ
プ/空セル置き換えを通過する。このセルドロップで
は、以下の2条件が全て成立した時にセルを分岐するこ
とになる。 1セルのヘッダ部分のPTビットが[10]であること
により、物理/ATMレイヤOAMセルであることが指
定されているとき。 2情報フィールドの中の分岐/ループバックビットによ
りループバックが指定されているとき。
【0104】尚、この場合には迅速にループバックを行
うことができるが、必ずそのように設定しなければなら
ないことはない。仮に上り/下りのVCが、異なるVP
I/VCIにて設定されていたならば、そのOAMセル
を一旦ILCに渡し、このILCにてVPI/VCIを
書き替えた後に反対側に挿入することによりループバッ
クを実現することもできる。
【0105】しかる後、上記セルドロップを通過したセ
ル流は、次に空セル置き換えを通過する。ここではセル
流に空セル(VPI=オール[0],VCI=オール
[0],PT=[00])が現れた時、その空セルを挿
入したいセルに置き換えられる。この挿入したいセル
は、この空セル置き換えに接続されたバッファに予め蓄
積されている。尚、この空セル置き換えはループバック
セルの挿入に相当する。
【0106】しかして空セル置き換えを通過したセル流
はA系/B系にコピーされた後、ゲートを通過する。こ
のゲートでは、受け取ったセルをA系/B系それぞれに
入力するか否かを決定する。尚、受け取ったセルを入力
しない場合には、前記A系/B系には空セル流が出力さ
れる。
【0107】このようなセル流に対する制御を行う為
に、上記ゲートは空セル発生機能を備えている。またセ
ル流のコピーは、障害時の系切り替えに備えてA系/B
系のATMSWの内部状態をほぼ同じに保つように、同
じセル流を与えられるようにする為である。
【0108】またセル流をコピーした後、一旦ゲートを
通過させてA系/B系にそれぞれに出力するか否か選択
できるようにしたのは、無瞬断の系切り替え用として現
在使用していない系のチェックが、スイッチングされて
いるトラフィックに悪影響を与えないようにする為であ
る。
【0109】さてゲートを通過したセル流は、次に空セ
ル置き換えを通過した後、OMDIから出力される。こ
こでの空セルの置き換えは、OAMセルの挿入操作を実
現するものであり、同時に無瞬断の系の切り替えを行う
べく、A系/B系それぞれに独立にOAMセルを挿入可
能とする機能として実現される。前述したループバック
実現用の空セル置き換えと同様に、ここでは与えられた
セル流から空セルを検出し、バッファに蓄積されている
セル列の先頭セルをその空きセルと置き換えることによ
り空セル置き換え機能が実現される。この機能によりO
AMセル挿入動作が実現される。
【0110】ところでループバック試験を行う為には、
ループバック用のセルドロップについては、OAMセル
の分岐/ループバックビットをループバックから分岐に
変える機能を持つことが必要となる。
【0111】尚,図6に示すように構成されたOMDI
の場合には、A系/B系用セルドロップの位置からA系
/B系用空セル置き換えの位置までのパスについてOA
Mセルを通すことはできない。従ってこの場合には図6
に示すようにこれらの間で特別なOAMセル、具体的に
はOMDI−OAMセルを流してそのパスの動作確認を
行うことが考えられる。然し乍ら,他の機能要素で受信
断を検出しており、且つ後述するようにTOVAでは通
過するセルの個数をVPごとにカウントしているので、
このパスに対するOAMセルによる確認は実際には必要
がないと考えられる。
【0112】次に上記OMDIの監視制御情報について
説明する。
【0113】このOMDIから出力される監視制御情報
は、計3カ所にある空セル置き換えとそれに付属したバ
ッファ、即ちセル挿入機能でのセル廃棄情報,挿入セル
廃棄の情報からなる。制御装置(ILC)は、挿入され
ようとするOAMセルが廃棄されたことを検出し、矛盾
が起こらないようにOAM手順を変化させることにな
る。
【0114】図7はOAMセルにおけるOMDIとIL
Cとのインターフェース手法を模式的に示している。O
MDIの持つILCとOAMセルを入力/出力するポー
トは計4個である。基本的にはこの図7に示すように、
これらのポートと,ILCのMM(メインメモリ)との
間でDMA転送を行うことにより、ILCとOMDIと
の間のインターフェースが行われる。
【0115】ここで上記ILCは、どのポートから分岐
されたOAMセルかどのポートにOAMセルを挿入する
かを認識する必要がある。従って、例えば図7に示すよ
うにDMAチャネルを、OMDIのOAMセル入力ポー
ト/出力ポートとにそれぞれ設け、ILCではDMAチ
ャネルを識別することにより、どのポートから入力/出
力されたOAMセルであるかを識別するようにすれば良
い。
【0116】次に前述したセル処理機能におけるVPI
変換・ルーティングタグ付加機能について説明する。こ
のVPI変換・ルーティングタグ付加機能は前述したセ
ル処理機能一般構成の内,RTA(Routing T
ag Adder),LPT(Logical/Phy
sical VCI Transformer)とHT
T(Header Transformation T
able)が担う機能である。
【0117】先ず論理VCI(Logical VC
I)と物理VCI(PhysicalVCI)とについ
て説明する。
【0118】CCITTで標準化されたセルフォーマッ
トによると、VPIの長さはUNIで8bit,NNI
で12bitであり、VCIの値は16bitである。
従って最大4K×64K(=256M)本のVCを1つ
のBNNIに同時に設定することが可能である。然し乍
ら、155Mbpsのリンク上に256M本のVCを同
時に設定すると、1つのVC当りの平均速度が1bps
以下となり、B−ISDNがこのようにして用いられる
ことは殆どないと考えられる。また256M本分のヘッ
ダ変換機能/ポリシング機能を実現しようとすると、現
状のLSI技術では許容することのできないシステム規
模となることが否めない。従って同時接続線数を、例え
ば以下の様に考えて算出設定する。
【0119】即ち、155Mbpsのリンク上に設定さ
れるVCが全て64Kbps音声チャネル用であるとす
ると、必要な同時接続線数は約2000本となる。そこ
で64Kbpsのチャネルよりも低い速度を持つVCの
存在も考慮し、同時接続線数を最大4096本として設
定する。
【0120】以上のように考えて同時接続線数を4K本
とすると、VPI/VCIにより作成される256M本
の(論理)VC空間から、実際に取り扱う同時接続線数
4K本の(物理)VC空間へのマッピングを行う必要が
生じ、そのそれぞれについて識別子を定義する必要が発
生する。
【0121】ここでセルに担われてノードシステムに持
ち込まれるVPI+VCIを論理VCI,および同時接
続されるVCを識別する識別子を物理VCIと呼ぶもの
とすると、LPTは論理VCIから物理VCIへの識別
子変換を行う機能要素となる。
【0122】さてLPTにおける論理VCIから物理V
CIへの変換アルゴリズムは、例えば図8に示すように
表現される。
【0123】ここではハードウェアの構成規模を許容で
きる大きさに抑えるべく、例えば論理VCIのVPI下
位3bitとVCI下位3bitとを、物理VCIの1
2bitの内の下位6bitに使用する。物理VCIの
6bitとして使用される論理VCIのビット位置につ
いては他にも考えられるが、本発明の有効性には影響は
ない。そして残された論理VCIの22bitをキーと
して連想メモリに対してアクセスを行い、前記物理VC
Iの残りの6bitを得るように構成される。この連想
処理に必要な連想メモリの規模は[連想キー]+[連想
データ]の28bit64wordであり、十分に現状
のCMOSゲートアレイの1つに集積できる規模であ
る。
【0124】さて図9はLPTの構成を示す図である。
このLPTの概略的な動作について説明すると、RTA
より渡された論理VCIは一旦論理VCIレジスタに保
持される。論理VCIの各ビットの内の、変換を受けず
に物理VCIとなる6bitは直接物理VCIレジスタ
に送られる。また論理VCIのビットの内,物理VCI
への変換を受ける22bitは64個準備されたCAM
ワードの全てに渡される。すると各CAMワードでは自
分が保持している22bitの連想キーと、物理VCI
レジスタから渡された22bitとを比較し、自分の連
想キーと渡された22bitとが一致した場合、自分が
保持している連想データ6bitを外部に出力する。
尚、不一致であった場合は何も出力されない。
【0125】このようにして出力された連想データ6b
itが物理VCIレジスタに送られ、この時点で物理V
CIが得られたことになる。
【0126】ここで前記各CAMワードのレジスタに設
けられたデータ有効ビットがセットされていない場合、
そのCAMワードでは連想処理は行われない。また64
個のCAMワードの全てが連想処理に失敗した場合、そ
の旨が外部に対して論理VCI不適当として表示され
る。そして論理VCIの物理VCIへの変換が失敗に終
わった場合には、RTAにおいてその論理VCIを持っ
て入力されたセルが廃棄され、同時に前記ILCに対し
て物理VCIへの変換に失敗した論理VCIが通知され
る。
【0127】ちなみにCAMワードに設定されているデ
ータ有効フラグ,連想キー,連想データには、パリティ
ビットが付加されている。このパリティビットを用いて
上記データ有効フラグ等のパリティエラーが発見された
ならば、その旨が前記ILCに対して割り込みで通知さ
れる。
【0128】一方、RTAは図10に示すように構成さ
れる。
【0129】このRTAの最も大きな機能である、セル
長変換に必要なバッファの記憶領域としては3P−RA
Mが使用される。この3P−RAMは、1つの書き込み
ポートと2つの読み出しポートを持つ3ポートRAMで
あり、32Bit,1WORD構成で64word分の
記憶容量を持つRAMからなる。これらの読み出し/書
き込みポートは、各々非同期に動作可能となっている。
【0130】しかして上記3P−RAMの記憶領域は1
セル分の長さを持つ4個のブロックに分割され、そのそ
れぞれにブロック#が付けられている。セルの入力から
3P−RAMの書き込みポートまではデータCK1に同
期して動作し、その他の部分はデータCK2に同期して
動作する。
【0131】外部からデータCK1(18.72MH
z)に同期して入力されたセルは、SP(シリアル・パ
ラレル変換)により32ビット幅に変換される。そして
32ビット幅に変換された後のデータは32ビット幅の
レジスタを2回通って、前記3P−RAMにその書き込
みポート(WP)を通じて書き込まれる。この3P−R
AMの書き込みブロックは、Wアドレス作成が持ってい
る空ブロックリストから1つ選ばれ、その書き込みはデ
ータCK1に同期して行われる。
【0132】この際、入力されたセルが空セルである場
合は前記3P−RAMに対するセル書き込み動作が禁止
される。この入力されたセルが空セルであることを検出
するべく、前記3P−RAMのWPの前には32ビット
幅のレジスタが2つ設けられている。これらの2つのレ
ジスタにセルのヘッダ部が入力された時、そのヘッダ部
を参照して入力されつつあるセルが空セルであるか否か
が判断され、そのセルを入力するか否かの決定がなされ
る。そして1つのセルの書き込み終わった後で、そのセ
ルを書き込んだブロックのブロック#がRアドレス作成
部にハンドシェークで渡される。
【0133】一方、セルの書き込みが完了したブロック
#を渡されたRアドレス作成部は、先ず3P−RAMの
読み出しポート1(RP1)を用い、その番号を持つブ
ロック中に蓄えられたセルのVPI/VCI(を含む1
ワード)を読み出し、そのVPI/VCIを論理VCI
としてLPTに通知する。
【0134】このようにして論理VCIが通知されたL
PTは、その論理VCIを物理VCIに変換する。その
後,LPTはHTTに物理VCIを通知する。するとH
TTは物理VCIを用いてテーブルアクセスし、そのセ
ルを出力する時に置き換えられる次のような1〜5に示
す情報を予め定められたタイミングでRTAにそれぞれ
通知する。 1新VPI/新VCI;セルのVPI/VCIフィール
ドの書換えの為の情報。 2ルーティングタグ;ATMSW内部の経路を指定する
情報。 3SPA番号;そのシグナリングVCを扱うSPAの番
号であり、SCSWでのシグナリングセルのルーティン
グに使用される情報。 4遅延クラス;後述するセルの遅延クラスの指定,およ
びOBUFでの遅延クラス制御に使用される情報。 5シェイピング・チャネル番号(VPシェイピング,V
Cシェイピング);後述するCSH内部のリーキーバケ
ットの番号,およびCSHでのシェイピングに使用され
る情報。
【0135】さてRTAのRアドレス作成は、前記読み
出しポート2(RP2)から先のブロック#を持つブロ
ックに蓄えられたセルの読み出しを開始すると共に、H
TTから上述した如く通知される情報を、セレクタを用
いて前記RP2から読み出しつつあるデータにマージ
し、以降の機能要素に渡すことのできるフォーマットを
持つセルへとフォーマット変換する制御を行う。
【0136】このとき、HTTから通知されるUNI/
NNIによりVPIの書き替え位置を変化させるよう、
具体的にはNNIとして指定されている場合はVPIと
して12bitに書き替え、UNIが指定されている場
合には、GFCフィールドを除く8bitを書き替える
ことが行われる。このような処理により、1つのRTA
上をUNI/NNIセル流が通過する場合に対応させ
る。このような状況は、前記SCSWにて発生される。
【0137】またこのときには前記TOVAから、その
セルが予め定められたVC容量を越えて入力されたセル
か否かが通知され、バイオレーションタグが更に出力さ
れつつあるセルに付加される。またLPTにおいて論理
VCIから物理VCIへの変換が失敗した場合、またH
TTでの物理VCIによる上記の各種情報に対するアク
セスが失敗した場合、つまり情報が設定されていないエ
ントリ参照が行われた場合には、論理VCI不適当であ
る旨の情報がLPTから、また物理VCI不適当である
旨の情報が前記HTTからそれぞれ通知される。このよ
うな論理VCI不適当、若しくは物理VCI不適当の通
知を受けると、フォーマット変換しようとしているセル
の代わりに空セルが出力され、そのセルはRTAから消
去される。この場合、そのセルの蓄えられているブロッ
クの番号がセル読み出し完了ブロック#としてWアドレ
ス作成に渡される。その後,パリティ付加により、前述
した如くフォーマット変換されたセルに対してパリティ
ビットが付けられ、これが出力される。
【0138】尚、Rアドレス作成は、セル出力の終了
後、空となったブロックのブロック#をハンドシェーク
しながらWアドレス作成部に渡す。またRP1からのV
PIの読み出しと,RP2からのセルの読み出し/出力
とはパイプライン的に実行される。
【0139】またアラームセルの作成については、IL
Cからの指示によりHTTの全てのエントリに登録され
ているルーティングタグと新VPIからアラームセルを
作成し、外部に出力される。この機能の必要性について
は後に詳しく説明する。
【0140】次にRTAにおけるセルフォーマットの変
換について説明する。
【0141】このRTAではセルのフォーマット変換が
行われる。尚、以降の説明ではUNI/NNIとして標
準化されているセルのことをUNI/NNIセル,UN
I/NNIセルに対して付加情報が付けられ、ATMS
Wによるスイッチングが可能となったセルをSWセルと
称することとする。
【0142】図11はUNI/NNIセルとSWセルの
フォーマットを示している。
【0143】SWセルはUNI/NNIセルに対して計
11Byteの付加情報を付けることにより作成され
る。この付加情報には以下示す種類がある。
【0144】1空セル表示;この付加情報は以下に続く
511ビットが空セルであるか否かを示すビットであ
る。各機能要素間のインターフェースにはVPI/VC
I/PTフィールドがあるので、このビットは本質的に
は必要はない。しかしここでは、それ以降の空セル検出
容易化の為に付加されるものとする。
【0145】2バイオレーションタグ;この付加情報
は、そのセルが協定されたVC容量を越えて入力された
セルであるか否かを示すビットである。このシステムで
はポリシングの結果、規定された容量を越えていると判
断されたセルは直ちに廃棄されることとなっていること
から、このビットは本質的には必要ではない。然し乍
ら、セルが廃棄されるポイントをIBUFに集中させ、
廃棄セルに関する情報を制御プロセッサに持ち上げ易く
すことを目的としてRTAではセル廃棄を発生させない
ようにしており、この為のこのビットが設定されてい
る。
【0146】3ルーティングタグ;この情報は、そのセ
ルが通過するATMSW内の経路を指定する為のフィー
ルドである。1024×1024ATMSWの場合に
は、1ステージに3bit必要であるから、ここで必要
となるルーティングタグ長は計27bitとなり、従っ
てこのシステムでは30bit準備される。
【0147】4SPA#;この情報はそのセルがシグナ
リングセルの場合、ATMSWを通過後に更にSCSW
を通過して呼処理の負荷分散を行う為の情報である。こ
のSPA#はそのシグナリングセルが処理を受けるSP
Aの番号であり、SCSWでのルーティングに使用され
る。
【0148】5遅延クラス;この情報はそのセルの属す
る遅延クラスを指定するフィールドであり、OBUFで
の遅延クラス制御に使用される。
【0149】6シェイピングチャネル番号(VPシェイ
ピング/VCシェイピング);この情報は、セルのシェ
イピング時にそのセルが監視されるリーキーバケットの
番号を指定する為の情報である。
【0150】7未使用フィールド;この情報は、将来、
ノードシステム内部で何らかのセル単位プロトコルを動
かす場合、例えばATMSW内部でセルのコピーを行う
場合等に必要な情報を書き込む為のフィールドであり、
例えばここでは14bit確保される。
【0151】8パリティ;このパリティは、RTA−I
BUF−ATMSW−OBUF−RTDのパスについ
て、ビット誤り率の上昇を検出する為にSWセルの最終
オクテットに付けられるものである。このパリティは、
例えば図12に示すように、SWセルのオクテット番号
1から63までの各オクテットの同じビット番号のビッ
トについて偶数パリティを計算することで作成され、オ
クテット64の同じビット番号のビットに上述した如く
計算したパリティを入れることにより付加される。
【0152】次にこのVPI・VCI変換/ルーティン
グタグ付加機能に設けられるアラームセル自動発生機能
について説明する。
【0153】例えば故障したセル処理機能を通過してい
るVCコネクションの両端点に故障を通知するアラーム
セルを、例えばILCにより作成されてOMDIを通じ
て出力されるようにすると多大な時間が掛かることが否
めない。例えば各セル処理機能を通過するVCコネクシ
ョンは最大4096本もあるので、ILCが256Kb
psでアラームセルを出力することが可能であるとして
も、全てのVCコネクションの片方の端点に向けてアラ
ームセルを出力し終わるまでには最大8秒程度もの時間
が掛かることになる。これ故、アラームセルをどこかで
自動発生させる必要がある。
【0154】しかしてRTAは、前記HTTにより自分
を通過しているVCコネクションを容易に認識すること
ができるので、このRTAにアラームセル自動発生機能
を組み込むようにすれば良い。またアラームセルは、セ
ルの出力されるVCコネクション終端点に向けて発生さ
れることのみならず、セルが入力されるVCコネクショ
ン終端点に向けても発生することが必要である。
【0155】そこでセルが出力されるVCコネクション
終端点に向けて発生するアラームセルについては、その
VCコネクションにおいて故障の発生したポイントに最
も近い、故障していないポイントでそのVCコネクショ
ンに入力するようにすれば、自動的にセルが出力される
VCコネクションの終端点に転送されることになる。
【0156】一方、セルが入力されるVCコネクション
の終端点に向けては、そのVCコネクション自身がその
コネクション終端点に向かうセル転送能力を持たない。
従って故障の発生したVCコネクションと同じセル処理
機能を通し、セルの流れる向きが反対方向であるVCコ
ネクションを用いてアラームセルを転送する必要があ
る。この為、VCコネクションを設定する時に、必ず反
対方向にセルを転送するVCコネクションを設定する。
この際、設定したいVCコネクションが片方向であって
も、これを設定するものとする。
【0157】尚、このアラームセル自動発生機能につい
ては、故障のレベルとして次の3つのレベルを設定して
発生される。 1レベル1;このレベルはRTA前部(FDA,CS
D,OMDI)におけるSTMフレーム同期外れやセル
同期外れ等の故障を検出した場合のレベルである。 2レベル2;このレベルはセル処理機能全体の、例えば
ILCの暴走,セル処理機能電源断,RTDでの受信断
等の故障発生のレベルである。 3レベル3;このレベルはノード全体の故障、即ち監視
制御部の暴走やノード内通信用光リング断等の故障を表
現するレベルである。
【0158】図13は上述した各レベルでの故障と、そ
の故障レベルに応じてアラームセルの自動発生を行う部
位との関係を示す図である。
【0159】この図13に示すようにセルが出力される
VCコネクションの終端点に向けたアラームセルの発生
部位は、その故障レベルにより異なる。具体的にはレベ
ル1の故障の場合には、その前段が故障しているRTA
自体がアラームセルを発生する。またレベル2の故障の
場合には、故障したセル処理機能からATMSWを通じ
てセルが渡されるセル処理機能のRTDがアラームセル
を発生する。そしてレベル3の故障の場合には、故障が
生じたノードシステムと対向しているセル処理機能のR
TAがアラームセルを発生することになる。
【0160】一方、セルが入力されるVCコネクション
の終端点に向けたアラームセルは、故障が発生したセル
処理機能に対して、通信路を介して対向しているセル処
理機能のRTAがアラームセルを発生する。
【0161】このRTAでは、次のようにしてアラーム
セルを発生する。即ち、RTAではHTT内部に設定さ
れている新VPI/VCIをそれぞれヘッダ部に持つア
ラームセルを順次発生さる。このようなアラームセルの
発生は、HTTから新VPI/新VCI,およびルーテ
ィングタグ等を順次読み出し、これらを用いて前記RT
AにてSWセルを作成することにより実現することがで
きる。
【0162】一方、RTDでのアラームセル発生は次の
ようにして行われる。即ち、新VPI/新VCI毎に、
どのセル処理機能からセル流を受け取るかを示す情報を
蓄積しておく。そして或るセル処理機能に故障が生じた
とき、そのセル処理機能番号を故障が発生していない全
てのセル処理機能に通知する。そして各セル処理機能で
は、通知されたセル処理機能番号に基づいてアラームセ
ルを流す必要のあるVCコネクションを知り、そのVC
コネクションに対してアラームセルを流すようにする。
この処理は新VPI/新VCI番号からセル処理機能番
号を検索可能な表を順次検索し、通知されたセル処理機
能番号がその表に書かれていたならば、その表から求め
られるVPI/VCI番号をヘッダ部に持つアラームセ
ルを作成し、これを出力することで実現される。
【0163】ところでハード量の削減を図るべく、論理
VCIであるVPI/VCIを前述したLPTにて物理
VCIに変換し、この物理VCIにて前記HTTの表引
きを行うようにすることは前述した通りである。従って
上述したアラームセル発生機能にも、論理VCIから物
理VCIへの変換機能が必要となる。
【0164】然し乍ら、SWセル内のVPシェイピング
用、若しくはVCシェイピング用のシェイピングチャネ
ル番号については、リーキーバケットが同時接続線数と
同数用意されているので、ATMSWの出力ポート側で
の一種の物理VCIであると看做すことができる。従っ
てアラームセル発生用の表としては、上記シェイピング
チャネル番号から新VCI,新VPI,およびセル処理
機能番号をそれぞれ引くことができるように構成してお
けば、上述したアラームセル発生アルゴリズムをそれま
ま使用することが可能となる。
【0165】尚、アラームセルと他のセルとを区別する
には、例えばPTフィールドにより区別したり、或いは
アラームセル用に一意なVPIを使用するように等すれ
ば良い。同様にセルが出力されるVCコネクションの終
端点に向けたアラームセルと,セルが入力されるVCコ
ネクション終端点に向けたアラームセルとを区別する必
要がある場合には、例えばセルの情報フィールド、若し
くはPTフィールドにその旨を指定するビットを設定す
るようにすれば良い。
【0166】さて前述したHTTは次のように構成さ
れ、動作する。
【0167】HTT内部における物理VCIから新VP
I/新VCIと各種付加情報への変換表,および付加情
報テーブルは、例えば16bitを1wordとする3
2KwordスタティックRAMアレイにより実現され
る。図14はこの付加情報テーブルのアドレスマップ例
を示すものである。この付加情報テーブルは、4K個の
各物理VCI毎に128ビット長のエントリを持った構
造として実現され、そのエントリ内部はつぎのようなフ
ィールドに分割されている。
【0168】1エントリ有効フラグ(1ビット);この
フィールドのフラグは、エントリに有効な新VPI/新
VCI/付加情報が設定されているときにセットされ、
システムリセット時に前記ILCによりリセットされ
る。
【0169】2SPA番号(8ビット);このフィール
ドには、そのセルがシグナリングセルである場合に、そ
のセルの処理を行うSPAの番号が書かれる。この情報
がシグナリングセルかユーザーセルかの識別は、ルーテ
ィングタグにより行われ、SCSWでのシグナリングセ
ルのルーティングに使用される。
【0170】3遅延クラス(2ビット);このフィール
ドには、そのセルの属する遅延クラスが書かれ、OBU
Fでの遅延制御に使用される。
【0171】4ルーティングタグフィールド(30ビッ
ト,15ビットづつに分割);このフィールドにはエン
トリに対応する旧VPI/VCI値を持って入力されて
きたセルに付けられるルーティングタグが格納される。
【0172】5シェイピングチャネル番号(VP/VC
シェイピング用に12ビットづつ設けられる);このフ
ィールドはATMSWの出力ポート側でのCSHでのシ
ェイピングに使用され、またRTDでのアラームセル発
生にも使用される。このフィールドの情報は、例えばA
TMSWの出力側での物理VCIによって置換すること
も可能であるが、ここではCSHのハード量削減と、I
LCが管理するテーブル数の削減という2つの観点から
上述したような付加情報を持つものとして設定されてい
る。
【0173】6新VPIフィールド(12ビット;UN
Iセル対応の場合にはその上位4ビットを無視);この
フィールドは、エントリに対応するセルの出側の伝送路
上でのVPI(新VPI)を格納する為のものである。
【0174】7新VCIフィールド(16ビット);こ
のフィールドはエントリに対応するセルの,出側の伝送
路上でのVCI(新VCI)を格納する為のものであ
る。
【0175】8UNI/NNI指定(1ビット);この
フィールドは、RTAに対するVPIの書き替え位置を
UNI/NNIで変化させる為の情報を格納する為のも
のである。
【0176】このように構築される付加情報テーブルの
各ワードにはそれぞれパリティビットが付けれられる。
このパリティは偶数パリティからなり、各パリティはI
LCにより設定され、且つスタティックRAMアレイか
ら読み出された時に確認される。
【0177】図15は上述した付加情報テーブルを持つ
HTTの概略構成を示す図である。
【0178】このHTTは、前述した付加情報テーブル
と、RTAおよびILCからの上記付加情報テーブルへ
のアクセスを可能にする2つのアクセスポートを備えて
構成される。
【0179】RTAの為のアクセスポートは、LPTか
ら物理VCIを、またRTAからエントリ内部のワード
を指定する3ビットのアドレスをそれぞれ受け取る。H
TTはこのようにして入力された情報をアドレスとして
RAMアレイから1ワードを読み出し、読み出したワー
ドをRTAに渡すと共に、そのワードについて偶数パリ
ティの計算を行ってパリティビットとの一致を確認す
る。更にRTAから渡された物理VCIに対応するエン
トリのエントリ有効フラグを調べ、エントリ有効フラグ
がセットされていない時は、これを物理VCI不適当と
してその旨をRTAに通知する。更にHTTは、そのと
きの物理VCIをILCに渡すことになる。またこのと
き、UNI/NNI指示フラグの内容により、RTAに
対して書き替え位置の指定が行われる。
【0180】一方、ILCの為のアクセスポートは、R
AMアレイをILCのメモリ領域のように見せる働きを
持つ。そしてILCは1ワード単位に付けられたアドレ
スにより、各ワードの読み書きを実行する。
【0181】ここで前記RTA−LPT−HTTは2重
化されおり、ILCがRAMアレイを書き換えている
間、書換えない方の系を用いてシステム運用を行うこと
ができるように構成されている。また書換えを受けてい
るRTA−LPT−HTTについては、セル伝送に使用
しないことが可能となっている。この為、ILCからの
アクセス要求と、RTAからのアクセス要求との調停
は、そのハードウェアをを簡略化することが可能な、以
下に示すようなシーケンスにて実行可能なようになって
いる。
【0182】即ち、ILCは、例えば系の切り替え後、
RTAに対する信号であるHTT書換え中をアサートす
るようになっている。HTTがその書換え中がアサート
されている間は、3P−RAMからのセル読み出し、お
よびセルフォーマット変換動作は行われず、RTAは常
に空セルを出力し続けることになる。その後、HTTに
対してILCアクセスがアサートされる。するとその内
部でセレクタが切り替わり、前記RAMアレイのアドレ
ス/データポートがILC側に接続される。その後、前
記ILCがRAMアレイにアクセス可能にされる。
【0183】しかしてRAMをアクセスし終わったら、
ILCは先ずILCのアクセスをネゲートし、RAMア
レイのアドレス/データポートをRTA側に切り替え
る。その後、HTTの書換え中をネゲートし、前記3P
−RAMからのセル出力およびセルフォーマット変換動
作を再開させることにより、その調停が効果的に行われ
るようになっている。
【0184】ところでこのRTA,LPT,HTTにお
ける監視制御情報は次のように設定されている。
【0185】1RTAの監視制御情報;この情報にてア
ラームセル発生指示と、HTT書換え中表示が行われ
る。
【0186】2LPT;この情報にてCAMワード内の
連想キーと連想データが指示され、またCAMワード内
パリティエラーが通知される。この場合、パリティエラ
ーの生じたCAMワード番号もILCに通知される。ま
た論理VCI不適当の情報が、連想キーとなった論理V
CIと共にILCに通知される。
【0187】3HTT;この情報は付加情報テーブル内
の各フィールドの情報、および付加情報テーブルパリテ
ィエラーを示し、この際、付加情報テーブルをアクセス
した物理VCIもILCに通知される。また物理VCI
不適当の情報も、付加情報テーブルをアクセスした物理
VCIと共にILCに通知される。
【0188】これらの各情報の使用法については上述し
た通りである。
【0189】次にセル流監視/セル廃棄制御/ポリシン
グ機能について説明する。
【0190】セル流監視/セル廃棄制御/ポリシング機
能は、前述した終端機能/VPI変換機能一般構成の
内、TOVA(Traffic Observatio
n/Violation Tag Adder),およ
びIBUF(Input Buffer)が担う機能と
して実現される。尚、IBUFではセル流監視/セル廃
棄制御/ポリシング機能の他にセル流の速度変換も実行
する。
【0191】ポリシング機能が実装される位置は、VC
コネクションの入力側の終端点である。具体的にはBU
NIの伝送路からの入り側等、TB点を収容しているセ
ル処理機能の加入者側の入力ポイントにポリシング機能
が組み込まれる。
【0192】このセル流監視/セル廃棄制御/ポリシン
グ機能は、概略的には次のような機能を呈する。
【0193】RTAでセルフォーマット変換が行われる
時、LPTは前記HTTと同時にTOVAにも物理VC
Iを渡している。するとTOVAは渡された物理VCI
を手掛かりにセル流の監視を行い、各VC毎に、そこに
通過しているトラフィック量を把握する。そして通過し
ているトラフィック量が予め設定された値を越えた時、
その旨をRTAに通知し、そのセルを違反セルとしてS
Wセルのバイオレーションタグフィールドに[1]を設
定する。尚、ここではTOVAの動作確認の為、PTフ
ィールドにより物理レイヤ/ATMレイヤOAMセルで
あると指定されたセルについても、同様にトラフィック
監視の対象としている。
【0194】またIBUFでは予め定められたアルゴリ
ズムに従ってセルの廃棄制御を実行する。前述したよう
にこのシステムでは、セルの廃棄はこのIBUFにおい
てのみ行われる。しかしてセルの廃棄制御は、IBUF
がフルである状態で新たにセルが入力された場合、どの
セルを廃棄するかを制御するものである。ちなみにTO
VAにより違反セルと判定されたセルを廃棄すると、こ
のセルの廃棄制御はポリシング制御となる。
【0195】ここで問題となるのがTOVAにより違反
セルであると判断されたセルと、CLPにより明示的に
廃棄され易いとして定義されたセルとの内、どちらを優
先して廃棄するかと云う問題である。但し、PTフィー
ルドにより物理レイヤ/ATMレイヤOAMセルである
と指定されたセルについては、なるべく廃棄しないよう
にする必要がある。
【0196】そこでここでは、前述したように、違反セ
ルについては直ちに廃棄し、その他のセルについては、
例えばOAMセル,OAMセル以外のセルでCLP=0
であるセル,OAMセル以外のセルでCLP=1のセル
のように順に廃棄され難くなるような3クラスの廃棄制
御を行うものとする。直ちに廃棄する違反セルを含むと
すれば、計4クラスの廃棄制御となる。
【0197】さて上述したセル流監視機能の動作アルゴ
リズムは、次のようにして実現される。
【0198】前述したようにこのセル流監視機能はTO
VAが担う機能であり、TOVAは網管理用のパラメー
タとして各VC毎の通過セル数をカウントすることのみ
ならず、次のようなポリシング用のパラメータを監視す
るものとなっている。即ち、VCに規定されるトラヒッ
ク特性としては最大速度と平均速度とがある。そこでV
Cに規定されるトラヒックの具体的なパラメータを次の
ように定義し、これらのパラメータをVC毎に設定可能
とする。 1最大速度;最小セル到着時間間隔T0 として定義す
る。 2平均速度;一定時間間隔T1(平均を観察する期間の
規定)が上記最小セル到着時間間隔T0よりも大きいも
のとし、上記時間間隔T1内の最大到着セル数をN1と
して定義する。
【0199】これらのパラメータは、リーキーバケット
を基調とした以下のようなアルゴリズムにより監視され
る。即ち、最大速度については各VC毎に設けられた最
大速度監視用リーキーバケットカウンタの値を、セルの
到着時にインクリメントし、T0周期でデクリメントす
る。但しデクリメント時にこのカウンタの値が0である
場合には、デクリメントは行わない。このようなカウン
タの値がThを越えているとき、到着したセルを違反セ
ルとしして、その最大速度を監視する。
【0200】また平均速度については、各VC毎に設け
られた平均速度監視用リーキーバケットカウンタの値
を、セルの到着時にインクリメントし、[T1/N1]
周期でデクリメントする。但し、カウンタの値が0であ
る場合にはデクリメントしない。しかしてセルの到着が
申告に従っている場合、上記カウンタの値が最も大きく
なるのは、例えばピークレートでN1 個のセルが連続
して到着した場合であると考えられる。この時、前記カ
ウンタの値は最大で, N1(1−T0・N1/T1) となるので、セルの到着によってカウンタの値がこの値
を越えた場合、その到着したセルを違反セルとして検出
し、これによって平均速度の監視を行う。
【0201】このような最大速度に関する監視、および
平均速度に関する監視のいずれかによって違反セルと判
定された場合、その旨がRTAに通知される。そして現
在通過中であるセルが違反セルであることが通知された
RTAにおいては、そのセルのバイオレーションタグフ
ィールドを[1]にセットする。
【0202】このようなセル流の監視アルゴリズムは、
例えば図16に示すようなTOVAにおけるポリシング
用パラメータの監視に使用されるリーキーバケットの基
本構成として実現される。このアルゴリズムでは、各V
C毎に最大速度監視用のリーキーバケットと、平均速度
監視用リーキーバケットとが必要となり、これらの各リ
ーキーバケットを次の4種のレジスタを用いて構成する
ことにより実現される。
【0203】1LBC(Leakey Bucket
Counter);セルの入力によってインクリメント
/予め定められた周期でデクリメント可能なカウンタ。
【0204】2LBTH(Leakey Bucket
Threshold Register);上記LB
Cの値がその値を越えた時、監視しているパラメータに
関して違反したセルが入力されていると判断する為のス
レシホールド値を保持するレジスタ。
【0205】3DPC(Decriment Peri
od Counter);前回、上記LBCがデクリメ
ントされてから現在までの時間を計測する為のカウン
タ。
【0206】4DPTH(Decriment Per
iod Thrushold register);次
に前記LBCをデクリメントする際、前記DPCに蓄積
されている値を保持する為のレジスタ。
【0207】これらの各レジスタは、各VC毎に、最大
速度(Peak Rate)を監視する為のレジスタ
(LBCP,LBTHP,DPCP,DPTHP)とし
て、また平均速度(Average Rate)を監視
する為のレジスタ(LBCA,LBTHA,DPCA,
DPTHA)としてそれぞれ設けられる。
【0208】しかしてDPTHPには、最小セル到着時
間間隔T0に基づいて決定される、前記LBCPをデク
リメントする周期がセル周期単位で設定される。またD
PCPはセル周期単位でインクリメントされるカウンタ
であり、その値がDPTHPに設定された値になるとク
リアされる。そしてDPCPがクリアされる毎に、前記
LBCPがデクリメントされる。
【0209】一方、LBCPはセルが到着する毎にイン
クリメントされる。LBTHPには制御ストラテジで定
められるところの、違反セルと判断する為のスレシホー
ルド値が設定される。そして前記LBCPをインクリメ
ントする前に、そのLBCPの値が上記LBTHPに保
持された値と比較され、LBCPの値がLBTHPの値
より大きい時、入力されつつあるセルは違反セルである
と判断される。尚、入力されつつあるセルが違反セルで
あると判断された時には、前記LBCPはインクリメン
トされることはない。またLBCPのインクリメントと
デクリメントが衝突した場合はには、先ずインクリメン
トが行われ、その後でデクリメントが行われるものとな
っている。
【0210】また前記DPTHAには上述した一定値
[T1/N1,T0]から決められるところの、LBC
Aをデクリメントする為の周期がセル周期単位で設定さ
れる。またDPCAはセル周期単位でインクリメントさ
れるカウンタで、その値がDPTHAに設定された値に
達したときにクリアされる。このDPCAがクリアされ
る毎に前記LBCAがデクリメントされる。
【0211】これに対してLBCAはセルが到着される
毎にインクリメントされる。LBTHAには、制御スト
ラテジで定められる、違反セルと判断するためのスレシ
ホールド値が前記LBTHPと同様にして設定されてい
る。しかしてLBCAをインクリメントする前には、L
BCAの値がLBTHAに保持された値と比較され、L
BCAの値がLBTHAの値より大きいか等しい時に
は、入力されつつあるセルが違反セルであると判断され
る。そして入力されつつあるセルが違反セルであると判
断された時には、LBCAのインクリメントは行われ
ず、LBCAのインクリメントとデクリメントが衝突し
た場合には、インクリメントが行われた後、そのデクリ
メントが行われるものとなっている。
【0212】UNI/NNIの監視に使用されるこれら
のレジスタの長さは、基本的には最大速度と平均速度が
どの程度の周期で定義されるかによって決定される。こ
のシステムでは、最大速度が100mSec程度の周期
であり、平均レートが1秒程度の周期として定義されて
いることから、例えば最大速度監視用の各レジスタの長
さは16bitとして、また平均速度監視用の各レジス
タの長さは20bitとしてそれぞれ定められる。する
とこの場合、VC毎に144bitのフリップフロップ
が必要となる。ちなみにこのシステムでは1リンク当り
の最大同時接続線数として4096本であることから、
ポリシング用パラメータの監視の為には、1リンク当り
約590Kbitの情報が必要となることになる。
【0213】ここで図16に示した回路機能を単純に4
096個備えてTOVAを実現することを考えると、こ
の場合、1リンク当り必要な590Kbitの情報を、
例えばCMOSゲートアレイのD−FFにより蓄積する
ことが必要となる。しかしてCMOSゲートアレイのD
−FFが2入力NAND換算で8Gate必要であると
仮定すると、この場合には単に監視に必要な情報を蓄積
しておくだけで約5MGateが必要となる。
【0214】ところが現在利用可能はCMOSゲートア
レイの有効ゲート数は約50KGate程度である。従
って妥当なLSI数(1リンク当り数個以下)でセル流
監視機能を実現する為には、上述したような構成をとっ
た場合、現状からLSIの集積度が2桁以上向上するの
を待つことが必要となる。
【0215】そこでこのシステムでは、ポリシングに必
要な情報をRAMに蓄積するものとする。この場合、4
096個のVPについて、忠実にその定義に従って監視
することを考えると、次のような理由により、今度は現
状のRAMのアクセスタイムがボトルネックとなり、や
はりその実現が非常に困難となる。
【0216】即ち、LBCPおよびLBCAのデクリメ
ント周期を作成するカウンタであるDPCPとDPCA
は、毎セル周期毎にインクリメントされる必要がある。
ここでセル周期とは1つのセルの転送に要する時間周期
で、具体的には約2.7μSecである。従ってDPC
P,DPCAをそれぞれ別のRAM上に乗せたとして
も、そのRAMに対してDPCのデクリメントだけで、
その読み出しアクセスと書き込みアクセスとを、計80
96回に亘ってアクセスすることが必要となる。このこ
とは上記RAMに対して約250pSecというアクセ
スタイムを要求することになる。ちなみに現状で得られ
る100Kbitオーダの容量を持つRAMのアクセス
タイムは約20nSecであり、従ってこのような手法
を採用する場合には、現状に比較して2桁以上のアクセ
ス速度の向上が達成されるのを待つことが必要となる。
【0217】従って上述したセル流の監視機能をハード
ウェア上で実現するには、上記2つの手法の間にトレー
ドオフポイントを見出す必要がある。そして前述したよ
うに、実装上のボトルネックは、LBCPおよびLBC
Aのデクリメント周期の制御である。
【0218】これに対して、LBCPおよびLBCAの
デクリメントを1セル周期毎に制御しなければならない
VCは、その最小セル到着時間間隔T0が比較的小さい
もの、つまり最大速度が比較的大きなものであると云え
る。具体的には最小セル到着時間間隔T0が数百pSe
c程度までのVP、つまり最大速度が数Mbit以上の
VPであると考えられる。しかし単一の物理インターフ
ェースにおいて、このような最大速度を持つVCを40
96本も収容することは、実際上不可能であると考えら
れる。
【0219】そこで本システムにおいては,1つの物理
インターフェースにおけるTOVAのポリシング用パラ
メータ監視部を次のような観点に立脚して構成し、現状
で得られる集積度/速度のLSIを、妥当な個数のチッ
プを用いて実現するようにしている。
【0220】1高速チャネル用と低速チャネル用とに対
するリーキーバケットを2種類に分離する。そして高速
チャネル用リーキーバケットを用いてLBCPおよびL
BCAのデクリメントを1セル周期毎に制御するように
する。一方、低速チャネル用リーキーバケットを用いて
前記LBCPおよびLBCAのデクリメントをかなり長
い周期で制御するようにする。
【0221】しかして高速チャネル用リーキーバケット
については、CMOSゲートアレイ上のD−FFにより
上述した4種のレジスタを実現する。そして、例えば1
つのLSIチップに32チャネル分のリーキーバケット
を収容する。一方、低速チャネル用リーキーバケットに
ついては、これを高速RAM,ALU,マイクロシーケ
ンサの組として実現する。尚、LBCPおよびLBCA
のデクリメントをそれぞれ制御する周期については、現
在得られる高速CMOS−RAMのアクセスタイムやA
LUの速度に従い、例えば1024セル周期として設定
する。
【0222】2各リーキーバケットへのVCの割当を行
う。そしてVCコネクションの入力側終端点に収容され
るVCについては、最小セル到着時間間隔T0の小さな
ものから31本までを上述した高速チャネル用リーキー
バケットにより監視する。そしてそれより最小セル到着
時間間隔T0の大きいVCについては、低速チャネル用
リーキーバケットで監視を行うようにする。そして1つ
残された高速チャネル用リーキーバケットでは、低速チ
ャネル用リーキーバケットで監視を行っている全てのV
Cをまとめた監視を行うようにする。
【0223】3また高速チャネル用リーキーバケットの
動作については、前述したアルゴリズムに従って動作す
るようにする。
【0224】4そして低速チャネル用リーキーバケット
の動作については、低速チャネル用のリーキーバケット
のLBCPとLBCAのインクリメントを、セルがRT
Aから出力される毎に行うようにし、一方、そのデクリ
メントについては、1024セル周期毎に1回、定義に
従ってデクリメントが行われた場合に、その1024セ
ル周期の間に行われるデクリメントをまとめて行うよう
にする。そして違反セルの判定については前述したアル
ゴリズムに従い、LBCAとLBCPをインクリメント
する前に行うようにする。
【0225】しかして1024セル周期の間に行われる
デクリメント回数を保持しているレジスタは、最大速度
監視用がDVP(Decriment Value,
Peak)と呼ばれ、また平均速度監視用がDVA(D
ecriment Value, Average)と
呼ばれる。これらのレジスタの長さはそれぞれ7bit
である。この場合、前述したDPCP,DPTHPの長
さはそれぞれ6bitに、またDPCA,DPTHAの
長さはそれぞれ10bitに短縮可能となる。
【0226】尚、低速チャネル用リーキーバケットで監
視されているVCに関しては、そのVCの監視を行って
いる低速チャネル用リーキーバケットが違反セルである
と判断するか、或いはそれらをまとめて監視している高
速チャネル用リーキーバケットが違反セルと判断した場
合、これを入力されつつあるセルが違反セルであるとし
て判断する。
【0227】このようにして1024セル周期でLBC
AとLBCPをデクリメントした時、申告以上に偏った
セルの到着が生じる可能性がある。しかし低速チャネル
用リーキーバケットで監視を行うVCの最小セル到着時
間間隔T0は高々32(通常は更に大きい)であり、ま
た低速チャネル用リーキーバケットで監視を行うVC全
体の監視を高速チャネル用リーキーバケットで独立に行
っているので、実用上影響はないと考えられる。
【0228】次に以上に述べた点を考慮して実現される
TOVAについて説明する。
【0229】図17はTOVAの概略構成を示す図であ
る。この図17に示したTOVAでは、ポリシング用パ
ラメータの監視機能の他に、VC毎の通過セル数をカウ
ントする機能も備えて実現されている。
【0230】このTOVAにおいては、LPTから渡さ
れた物理VCIは物理VCI受付に入力される。物理V
CI受付では、その機能要素にくくり付けられたRA
M,物理VCI受付RAMに書かれている情報に従っ
て、そのVCの監視を行う為のリーキーバケットの番号
を得る。同時にそのVCを通過しているセルの個数を保
持しているカウンタの値を前記物理VCI受付RAMか
ら読み出し、これをインクリメントして上記カウンタに
書きむ。
【0231】この時、上記カウンタがオーバーフローし
たならば、そのことをILCに通知するべく、前記物理
VCI受付RAM内にあるオーバーフロー物理VCIキ
ューに受け取った物理VCIをエンキューする。
【0232】しかしてリーキーバケットにはそれぞれリ
ーキーバケット番号が付けられている。尚、リーキーバ
ケット番号[0]から[30]までは高速チャネル用リ
ーキーバケットに割り当てられており、またリーキーバ
ケット番号[31]から[4095]までは低速チャネ
ル用リーキーバケットに割り当てられているものとす
る。更に高速チャネル用リーキーバケットの番号[3
1]のものは、低速チャネル用リーキーバケットで監視
するVC全てをまとめて監視する為のリーキーバケット
に割り当てられている。このようなリーキーバケットの
割当に従い、前記物理VCI受付は、表を引いた結果求
められるリーキーバケット番号に従い、高速チャネル用
リーキーバケット、若しくは低速チャネル用リーキーバ
ケットに対して、その中にあるLBCP,LBCAをイ
ンクリメントさせる。このインクリメントの結果、現
在、RTAから出力されつつあるセルが違反セルである
ならば、その旨をRTAに対して違反セル信号を用いて
表示する。
【0233】高速チャネル用リーキーバケットは、例え
ば図16に示した回路構成を単純に32個並べて構成し
たものに、各レジスタに対するILCからのアクセスを
行う為のILCインターフェースと、物理VCI受付か
ら渡されたリーキーバケット番号に従って上記32個の
リーキーバケットからその1つを選択する為のデコーダ
を加えて構成される。また低速チャネル用リーキーバケ
ットは、リーキーバケット動作に必要な情報を保持する
為のリーキーバケットRAMと、そのRAM上でリーキ
ーバケット動作を実現する為のコントローラである低速
チャネル用リーキーバケットコントローラとにより構成
される。
【0234】しかして物理VCI受付RAMとリーキー
バケットRAMは、例えばメモリ領域に割り付けられた
記憶領域であるようにILCから見えるものとして実現
される。この為に、これらのRAMは、ILCインター
フェースからのアクセスと、物理VCI受付または低速
チャネル用リーキーバケットコントローラからのアクセ
スとが、セレクタにより選択されて与えられるように構
成される。尚、2方向からのアクセスが衝突した時に
は、例えばILC側のアクセスを待たせてその調停が取
られるように構成される。
【0235】図18は上述した物理VCI受付機能の構
成例を示している。
【0236】この物理VCI受付は、物理VCI受付で
実行される4種の操作である、1物理VCIからそのV
Cの監視を行うリーキーバケット番号を得る操作,2各
VC毎の通過セル数をカウントしているカウンタのイン
クリメント操作,3通過セル数カウント用のカウンタが
オーバーフローしたとき,オーバーフローを起こしたカ
ウンタに対応した物理VCIをオーバーフロー物理VC
Iキューにエンキューする操作,および4物理VCI受
付RAMに対するILCからのアクセスの調停を行う操
作をそれぞれ実行する。
【0237】具体的には上記物理VCIからそのVCの
監視を行うリーキーバケット番号を得る操作は次のよう
に実行される。
【0238】即ち、RTAから入力された物理VCI
は、先ず物理VCIレジスタに入力される。この物理V
CIレジスタに保持された物理VCIは、その物理VC
Iに対する一連の処理が終了するまで保持さる。しかし
て物理VCIレジスタに物理VCIが入力されると、先
ず[物理VCI→リーキーバケット番号変換]の制御が
働く。この[物理VCI→リーキーバケット番号変換]
の制御は、前述した物理VCI受付RAMの[物理VC
I→リーキーバケット番号変換テーブル]に対して物理
VCIレジスタの値をオフセットとしてアクセスし、物
理VCIに対応したリーキーバケット番号を得ることか
ら行われる。このテーブルから求められたリーキーバケ
ット番号は、リーキーバケット#レジスタに保持され
る。そしてリーキーバケット#レジスタに保持された情
報により、高速チャネル用リーキーバケット、若しくは
低速チャネル用リーキーバケットの振り分けが行われ、
更に必要なリーキーバケットのインクリメントが行われ
る。
【0239】低速チャネル用リーキーバケットでの監視
が行われるVC全体をまとめた高速チャネル用リーキー
バケットによる監視は、例えば高速チャネル用リーキー
バケット番号[1F]で行われる。この為、低速チャネ
ル用リーキーバケットコントローラにリーキーバケット
番号が出力されると同時に、高速チャネル用リーキーバ
ケットに向けてリーキーバケット番号[1F]が出力さ
れることになる。
【0240】次に前記通過セル数カウンタのインクリメ
ントが行われる。この通過セル数カウント制御により、
物理VCI受付RAM内の通過セル数カウンタ領域に対
して物理VCIレジスタの値をオフセットとした読み出
しアクセスが行われ、読み出したデータをインクリメン
トして同じアドレスに書き込むと云う処理が実行され
る。
【0241】但し、読み出したデータをインクリメント
した時、その情報がオーバーフローしたならば、次にオ
ーバーフロー物理VCIキュー制御が動作する。そして
物理VCI受付RAM内にあるオーバーフロー物理VC
Iキューに受け取った物理VCIをエンキューする。こ
のオーバーフロー物理VCIキュー制御により、前記物
理VCI受付RAM内にリングバッファが作られる。こ
の為にヘッドポインタとテイルポインタが設けられてい
る。そしてオーバーフローVPIキューがエンプティで
ないときは、前記ILCに対して割り込みが掛けられ
る。
【0242】以上の動作はLPTから物理VCIが入力
された時に連続して行われる。これに対してILCから
の物理VCI受付RAMへのアクセスは、上述した動作
が行われていないときに行われる。このような動作設定
により物理VCI受付RAMに対するアクセスの競合制
御が行われる。尚、このILCからの物理VCI受付R
AMへのアクセスの携帯には次の3種類がある。 1物理VCIからリーキーバケット#変換テーブルの設
定。 2通過セル数カウンタの初期設定。 3オーバーフロー物理VCIキューの初期設定、および
オーバーフロー物理VCIキューからの物理VCIの読
み出し。
【0243】ここで上記1と2のアクセスは通常のメモ
リに対するアクセスであるが、3のアクセスはリングバ
ッファからの情報のデキューである。このデキューはオ
ーバーフロー物理VCIキュー制御の助けを借りて行わ
れる。
【0244】図19は上述した物理VCI受付RAMの
アドレスマップ例を示している。
【0245】このアドレスマップは、アドレスの低いと
ころから順に物理VCI→リーキーバケット#変換テー
ブル用領域,通過セル数カウンタ領域,オーバーフロー
物理VCIキュー用リングバッファ領域として割り当て
られている。
【0246】ここで上記物理VCI→リーキーバケット
#変換テーブルの各物理VCIに対応するエントリは2
Byte長である。この2Byteの内,12bitが
リーキーバケット番号である。しかしてIncイネーブ
ルビットは、そのエントリに対応する物理VCIが入力
された時、前記リーキーバケットのインクリメント動作
を行うか否かを指定するビット情報である。このビット
はリーキーバケットの使用開始前チェックに使用され
る。更にこのエントリには、ハード量の削減の為、その
エントリに対応するVCが高速チャネル用リーキーバケ
ットにより監視されるか、或いは低速チャネル用リーキ
ーバケットにより監視されるかを指示する為の高速ポリ
シング/低速ポリシングビットがある。尚、ここでは残
された2ビットは使用されない。
【0247】一方、通過セル数カウンタ領域の各物理V
CIに対応するエントリは4Byte長である。その内
の3Byteを使用して通過セル数のカウンタが構成さ
れる。ここでは24bitのカウンタであるから、15
0Mbps,100%負荷で30秒に1回程度オーバー
フローすることになる。尚、残された8ビットは、ここ
では未使用とする。
【0248】またオーバーフロー物理VCIキュー用リ
ングバッファ領域は2Byteを1wordとしてヘッ
ドポインタまたはテイルポインタにより指定される。1
word2Byteの内,12bitにて前述した物理
VCIが格納される。尚、残された4bitは、ここで
は同様にして未使用である。
【0249】さて図20は高速チャネル用リーキーバケ
ットの概略構成を示している。この高速チャネル用リー
キーバケットは、前述した図16に示したポリシング用
リーキーバケットを32個と、入力されたリーキーバケ
ット番号に従ってそれらのリーキーバケットの内の1つ
に対してインクリメント要求を与える為のデコーダと、
ILCからのLBCP,LBCA,LBTHP,LBT
HA,DPTHP,DPTHAの各レジスタに対する読
み書きを可能にする為のILCインターフェースとによ
り構成される。この中のDDA,DDPと呼ばれるフラ
グは、リーキーバケットでデクリメント動作が行われる
か否かを指定する為のフラグである。このフラグのセッ
ト/リセットは、前記ILCから制御可能とされてお
り、このフラグはリーキーバケットの使用開始前チェッ
クに使用されるようになっている。
【0250】また図21は低速チャネル用リーキーバケ
ットコントローラの概略構成を示している。この低速チ
ャネル用リーキーバケットコントローラは、ALUに対
して与えるデータを一旦保持するレジスタアレイと、リ
ーキーバケット実現の為の演算を実行するALUと、こ
れらの間の情報転送を制御する為の転送制御および演算
制御部とから構成される。このALUは、例えばCMO
Sゲートアレイ用メガセルファンクションライブラリの
中の32ビットALUを用いて実現される。またレジス
タアレイは、そこにそれぞれ保持される情報が予め定め
られており、これによってレジスタアレイに必要なハー
ド量の削減が図られている。
【0251】しかしてリーキーバケットRAMとレジス
タアレイとの間の情報転送、およびALUとレジスタア
レイとの間の情報転送は、それぞれ独立に設けたバスで
行われ、ALUに対するパイプライン化が容易に実現で
きるように構成されている。このような構成により、A
LUのスループットおよびリーキーバケットRAMのス
ループットが低下することが防がれ、4096チャネル
のポリシングパラメータの監視が可能とされている。こ
のリーキーバケットRAMとレジスタアレイの間の情報
転送は前記転送制御部が、またALUの制御およびAL
U−レジスタアレイ間の情報転送は前記演算制御がそれ
ぞれ制御する。この転送制御および演算制御は一種のマ
イクロシーケンサとして実現される。ちなみにこれらの
マイクロシーケンサのマイクロコードは、1word6
4bit 程度の水平型インストラクションにより記述
される。
【0252】ここでリーキーバケット用に特別に設けた
機能としては、ALUからレジスタアレイへの演算結果
の転送用のバスとして、[0]クリア用のANDゲート
アレイを付けたことが挙げられる。この機能により、マ
イクロプログラム制御による高速なプログラマブルカウ
ンタが実現される。
【0253】さて前記ILCのリーキーバケットRAM
へのアクセスは、リーキーバケットRAMとレジスタア
レイの間の情報転送の合間をぬって行われる。尚、ここ
ではILCがレジスタアレイに直接アクセスすることは
無いと考え、またマイクロシーケンサのマイクロコード
はROMにより与えられていることを想定しているの
で、特にILCからのロードを行うことについては特に
配慮していない。
【0254】尚、リーキーバケットRAMのアドレスマ
ップは、例えば図22に示すように、リーキーバケット
動作を行うために必要な情報を16bit×8word
のRAMに格納するようなものである。前述した転送制
御はこのアドレスマップに従って動作する。
【0255】図23は上述した転送制御と演算制御の動
作例を示す図である。この図23に示すように、前述し
たDPCP,DPCA,DPTHP,DPTHA,DV
P,DVAを保持するレジスタを、例えば前述した図2
1に示したように2重構成にすることによって、その動
作中にALU動作に空きが生じることを防ぎ、十分効率
良くALUを使用できることが示される。そしてこの動
作例から、低速チャネル用リーキーバケットコントロー
ラ内には、高々1個のALUが十分に機能することが示
される。更には演算制御については、ALUからのキャ
リー出力により、次にALUで行う演算を変化させる必
要があることが分かる。
【0256】またリーキーバケットRAM内のDDP
(LBCPデクリメントON/OFF指定)ビット,お
よびDDA(LBCAデクリメントON/OFF指定)
ビットにより、前述した演算制御部はLBCP,LBC
Aのデクリメントを行うか否かを決めることができるも
のとなっている。この機能はリーキーバケットの使用開
始前のチェックに使用される。
【0257】次にセル廃棄制御/ポリシング機能につい
て説明する。
【0258】前述したようにセル廃棄制御/ポリシング
機能はIBUFが分担する機能である。
【0259】このIBUFはSWセルの入力と蓄積,S
Wセルの出力,SWセルの廃棄の3種の機能を持つ。セ
ルのハードウェアによる蓄積交換を大前提としているA
TMシステムの場合、この種のバッファの実装方法は大
きな技術的課題となる。
【0260】一般にIBUFようなバッファを構成する
FIFO機能の実現法としては大きく2種類に分類で
き、その分類はセルの到着順序の保持の手法に基づいて
なされる。具体的には、 1メモリの線形アドレス空間を利用して到着順序を保持
する手法。 2シフトレジスタのレジスタ並びを利用して空間的に到
着順序を保持する手法(シフトレジスタ方式)。 として実現することが可能である。
【0261】更に1の手法については、線形アドレス空
間の利用の仕方によって、 1記憶領域の各エントリに付けられたアドレス番号の順
序関係に到着順序を直接マッピングする手法(リングバ
ッファ方式)。 2ポインタ(リンク)によりリスト構造を作成し,リス
ト構造の各要素の順序関係に到着順序をマッピングする
手法(リンクドリスト方式)。として更に2種類に分類
することができる。
【0262】一方、ハードウェアによる蓄積交換を前提
としているATMシステムを実現する場合には、考慮し
なければならないトレードオフとして、D−FFから構
成されたレジスタによる記憶領域実現とRAMによる記
憶領域実現との機能柔軟性とLSI面積とのトレードオ
フがある。
【0263】比較的大容量(現在の技術では数百Kbi
t)の同じ容量の記憶領域を実現する場合、D−FFに
よるレジスタにより実現した記憶領域はS−RAMによ
り実現した記憶領域に比べて2桁程度、そのLSI面積
が大きくなることが知られている。従って要求される機
能により、バッファの実現手法の選択は大きな技術課題
となる。
【0264】さて上述したリングバッファ方式とリンク
ドリスト方式については、その実現アルゴリズムにより
RAMの使用が可能である。故に同じ容量のFIFOを
構成する場合、これらの手法を採用した方が前述したシ
フトレジスタ方式に比べて有利となる。これらの手法の
内のどちらを採用するかは、FIFO機能以外に付け加
えられる機能により決定される。例えばFIFO機能の
みのバッファを実現することを考えるならば、上述した
リングバッファ方式の方が余計なポインタ領域を必要と
しない分だけ、リンクドリスト方式に比べて有利とな
る。しかしFIFO機能の外に複数のプロセス間で1つ
の記憶領域を共有し記憶領域の有効利用を図ると云う機
能を加えたバッファを実現するような場合は、リンクド
リスト方式の方が有利となる。何故ならば、各プロセス
への記憶領域のエントリ割当を要求駆動形式で行い、こ
れによって記憶領域の利用効率を向上させることを考え
ると、リンクドリスト方式であればリスト構造を作成す
る為のポインタが有効に働き、容易に要求駆動によるプ
ロセスへの記憶領域割当が実現できると云う理由に基づ
く。
【0265】しかしてATMシステム内において、複数
のプロセス間で1つの記憶領域を共有し、記憶領域の有
効利用を図ったバッファについては、共通バッファ型A
TMスイッチにその例を見出すことができる。この共通
バッファ方式のATMスイッチの場合、そのプロセスは
出力方路毎のセルのバッファリングに相当することにな
る。従って共通バッファ型ATMスイッチとしてはリン
クドリスト方式による実現の方が有利であると考えられ
る。
【0266】これに対してIBUFではセルの廃棄制御
が行われる。このIBUFにてセルの廃棄制御を行うと
云うことは、セルの到着順を無視し、且つ廃棄クラスに
よるセルの選択的廃棄を実現するとことを意味する。し
かもセルの選択的な廃棄は、廃棄するセルの選択/廃棄
動作と、廃棄後の到着順序の再構築動作という2つの動
作から構成される。
【0267】このような2つの動作を付け加えたFIF
O機能を実現することを配慮した場合、上述したリンク
ドリスト方式,およびリングバッファ方式共に、その実
現が困難となる。このことは上述した2方式のアルゴリ
ズムが、FIFO機能そのものをRAMの持つ線形アド
レス空間を利用して実現していることに起因する。
【0268】ここでセルの到着順を無視したセル廃棄を
実現しようとすると、前述したリンクドリスト方式では
セルの入力,出力,廃棄に伴うポインタの書換え手順が
複雑になり、その制御構造が複雑になることが否めな
い。またリングバッファ方式ではRAM上に蓄積された
セルの詰め替えを行う必要があり、超高速のRAMを使
用する必要が生じる等の不本意な代償を払うことが必要
となる。このような代償は2μSecに1回、セル入出
力と廃棄を行わなければならないIBUFを実現する上
で、そのハードウェアの実装を非常に困難なものとする
要因となる。
【0269】ここでOAMセル/CLPによる廃棄クラ
ス分割を行うものとすると、この廃棄クラスの分割はV
Cに属するセル間で廃棄クラスが異なることを意味する
ことになる。従ってクラス毎に独立なバッファを設ける
と云う手法は、セル順序の逆転が発生する可能性がある
のでそのままでは使用することはできなくなる。
【0270】一方、シフトレジスタ方式を用いてFIF
O機能を実現する場合、D−FF上にセルが空間的に展
開されているので、セルの到着順を無視したセル廃棄に
ついては前述したリンクドリスト方式やリングバッファ
方式に比べて容易に実現できる。しかもシフトレジスタ
方式のFIFOでは、例えばD−FF上にセルが空間的
に展開されていることを利用することで、廃棄するセル
の選択/廃棄動作,およびセル廃棄後の到着順の再構築
動作のそれぞれの持つ低レベルの並列性を容易に抽出す
ることが可能である。従って、この方式を利用すれば、
2μSecに1回のセル入出力/廃棄を、現在使用でき
るLSI技術により容易に実現することが可能となる。
【0271】しかしRAMの大容量化に係っている回路
/プロセス技術者の人員を配慮すると、選択的廃棄機能
の付いたシフトレジスタ方式のFIFOの大容量化を図
ることは、その設計期間や汎用性,コストの3点から現
実的ではない。従って実際的には大規模なFIFOにつ
いてはRAMを使用する方が現実的であると云える。
【0272】以上の考察が、ここで提唱するアーキテク
チャでの廃棄クラスのサポートを行うバッファ(IBU
F),セルスイッチング時のコンフリクト吸収を行うバ
ッファ(ATMスイッチ),および遅延クラス/シェイ
ピングのサポートを行うバッファ(OBUF)をそれぞ
れ別個に設ける最大の理由である。
【0273】図24はIBUFの構成例を示す図であ
る。
【0274】しかしてこの図24に示すIBUFでは、
入力ポートから入力されたセルは一旦デュアルバッファ
に入力され、IBUF内部の動作サイクルとの同期がと
られる。この入力ポートからのセル入力は8bitパラ
レルに18.27×(64/53)MHzのタイミング
で行われる。
【0275】このデュアルバッファからのセル出力に先
立って廃棄制御部に、そのセルの廃棄クラスを決定する
為に必要なビット情報、つまりバイオレーションビッ
ト,PTフィールド,CLPフィールドがそれぞれ渡さ
れる。廃棄制御部はそれらの情報に用いてそのセルの廃
棄クラスを知ることになる。
【0276】しかしてバイオレーションビットがセット
されているセルは、前記デュアルバッファから出力され
た時点で直ちに廃棄される。そしてこの廃棄されるセル
はILCインターフェースに付属しているFIFOに蓄
積される。このFIFOがエンプティでなければ、IL
Cにそのレベルでインタラプトが掛かる。するとILC
はインタラプトが掛かった時点で前記ILCインターフ
ェースを通じて廃棄セルを取り込むことになる。このと
き、必要ならばILCの持つ時計により、その廃棄セル
を受け取った時刻の記録がなされる。更にILCにより
セルのVPI/VCIを参照し、VC毎のセル廃棄数を
カウントするようにしても良い。前述したようにATM
SWでは殆どセルの廃棄が生じないので、この廃棄セル
用バッファとして1セルまたは2セル分の長さとすれば
十分である。
【0277】一方、バイオレーションビットがセットさ
れていないセルについては、一旦、3P−RAMに書き
込まれる。このとき、3P−RAMに空きが無ければ、
3P−RAMから1つのセルが選択されて廃棄される。
この廃棄されたセルについては、同様にILCインター
フェースのFIFOに保持され、ILCに取り込まれる
のを待つことになる。
【0278】ここで上記3P−RAMのアドレス空間
は、1つのセルを蓄積できるブロックに分割されてい
る。空きブロック#FIFOは3P−RAMでセルが蓄
積されていないブロックの番号を蓄積しておくFIFO
である。このFIFOが空でないときはIBUFはフル
でないことになる。
【0279】しかしてセルが入力されると、前述した廃
棄制御部が空きブロック#FIFOからブロック#を1
つデキューし、それを入力制御部に伝えると共に、入力
されつつあるセルの廃棄クラスと共にブロック#FIF
Oにエンキューすることになる。
【0280】空きブロック#FIFOが空の時はIBU
Fがフルの状態でである。この状態でセルが入力される
と、前記廃棄制御部は現在入力されつつあるセルの廃棄
クラスを提示しながら、1つブロック#を廃棄するよう
にブロック#FIFOに通知する。するとブロック#F
IFOは、廃棄制御からブロック#を廃棄する通知を受
け、同時に通知される廃棄クラスよりも小さいか等しい
セルを蓄積しているブロックを選択してそのブロック#
を廃棄することになる。
【0281】このようにしてブロック#FIFOから廃
棄されたブロック#は、先ず廃棄制御部に通知される。
すると廃棄制御部は通知されたブロックに蓄積されてい
るセルを読み出してILCインターフェースのバッファ
に転送する。その後,入力制御部にその空いたブロック
のブロック#の通知が行われることになる。
【0282】しかしてブロック#が通知されると、前記
入力制御部はブロック#に基づいて入力されつつあるセ
ルを書き込むアドレスを作成し、このアドレスを3P−
RAMに与えると共に3P−RAMの書き込み動作を制
御することになる。これと同時にセルが入力されている
ブロック#が、そのセルの廃棄クラスと共にブロック#
FIFOにエンキューされることになる。
【0283】これに対してブロック#FIFOが空でな
いときは、同時にIBUFが空でない時である。この場
合、出力制御部はブロック#FIFOからブロック#を
1つデキューし、そのブロック#に保持されているセル
を前記3P−RAMから読み出して出力ポートから出力
する。この際、フロー制御情報が参照され、出力ポート
の先のバッファでセル廃棄が発生しないように、そのセ
ルの出力が制御される。尚、ブロック#FIFOが空で
ある時には、出力ポートからは空セルが出力される。ま
た同時に前記ILCに対してIBUFが空であることが
表示される。この情報は無瞬断の系切り替え機能に使用
される。ちなみに上記出力ポートからのセル出力は8b
itパラレルのデータとして45MHzで行われる。
【0284】しかしてこの出力ポートでは、SWセルの
最終オクテットのパリティビットが検査される。そして
パリティエラーの発生したセルについては、この出力ポ
ートをそのまま通過することにし、TMSWおよびOB
UFを通過した後、RTDでパリティエラーの発生した
セルだけを廃棄することにしておく。
【0285】図25は優先廃棄機能付きFIFOの構成
例を示す図である。
【0286】この優先廃棄機能付きFIFOは、例えば
廃棄クラスの情報2bitと、ブロック#の情報7bi
tとの計9bitを保持するレジスタを、128個並べ
たシフトレジスタとして実現される。
【0287】このFIFOからのブロック#の出力はデ
キュー制御部の制御の下に、図25において上から下に
向けて、レジスタ1つ分、そのレジスタ内の情報をシフ
トすることにより行われる。またデータのエンキューは
エンキュー制御部の下で、廃棄クラスとブロック#を保
持していないレジスタの内,図25において最も下にあ
るレジスタを選択し、そのデータを保持させることによ
り行われる。
【0288】しかしてデータの廃棄は、先ず、通知され
た廃棄クラスより小さいか等しい廃棄クラスの内、FI
FO内部に蓄積されているブロック#に付けられた廃棄
クラスの中で最も小さいものを、廃棄制御部により認識
することから行われる。次に認識された廃棄クラスを保
持しているレジスタで、図25において最も下にあるレ
ジスタを認識する。このような認識処理により、廃棄す
るセルの選択動作が行われる。
【0289】次に上述したレジスタに保持されているブ
ロック#を読み出す。そしてその後、ブロック#を読み
出したレジスタから、図25においてその上に位置する
ブロックに保持されている情報を1レジスタ分だけ下側
にシフトする。このシフト制御により廃棄後の到着順の
再構築動作が行われる。
【0290】ところでここではD−FFの組にてFIF
Oを構築している為、上述した優先廃棄機能付きFIF
OはLSI化したときにはかなりの面積を必要とするこ
とが否めない。そこでセルを保持しているブロック#
を、保持していないレジスタにより空きブロックを管理
することが考えられる。この場合には、廃棄制御部に空
きブロック#のデキュー機能,エンキュー制御部に空き
ブロック#のエンキュー機能がそれぞれ追加されること
になる。
【0291】尚、シフトレジスタ方式のFIFOによる
ハード規模の増加が許容できない場合には、例えばリン
グバッファ方式で作成したバッファ内に保持されている
各廃棄クラス毎のセル数をカウントしておき、各廃棄ク
ラスのセルが廃棄されるスレシホールド値を設定してお
く等の手法により、廃棄クラス間の廃棄率に差を付ける
ことも可能である。このようにしてFIFOを実現した
場合、それに必要なLSI面積は減少する。しかし統計
的に廃棄クラスを作成されているにも拘らず、廃棄が発
生する個々のイベントでは廃棄クラスが全く無視される
ことになる。
【0292】さてこのTOVAにおける監視制御情報に
は、次のようなものがある。
【0293】即ち、TOVAの監視制御情報としては、
1物理VCI受付RAM,2高速チャネル用リーキーバ
ケット,3リーキーバケットRAMについてそれぞれ次
のように準備されている。
【0294】物理VCI受付RAMには、物理VCIか
らリーキーバケット#へのマッピング情報,各リーキー
バケットのインクリメント抑制,高速チャネル用リーキ
ーバケット/低速チャネル用リーキーバケット振り分け
情報,VC毎の通過セル数カウンタ,VC毎の通過セル
数カウンタオーバーフロー情報が準備される。尚,VC
毎の通過セル数カウンタがオーバーフローしたことはI
LCに対して割り込みで通知される。
【0295】また高速チャネル用リーキーバケットに
は、各種ポリシングパラメータ,リーキーバケットカウ
ンタの値,リーキーバケットのデクリメント抑制が準備
され、更にリーキーバケットRAMには、各種ポリシン
グパラメータ,リーキーバケットカウンタの値,リーキ
ーバケットのデクリメント抑制が準備されている。
【0296】しかしてこのような監視制御情報を用いた
リーキーバケットの検査は、VC設定時に次のようにし
て行われる。
【0297】先ずそのVCで使用するリーキーバケット
についてデクリメントを抑制し、当該VCのATMレイ
ヤOAMセルを複数個RTAを通過させる。そしてOA
Mセルの通過後、通過させた個数だけ前記LBCA,L
BCPがそれぞれインクリメントされていることを確認
する。次に当該VCで使用されるリーキーバケットにつ
いてインクリメントを抑制し、適当な値を前記LBC
A,LBCPにそれぞれ設定する。その後、前述したよ
うにデクリメントを開始し、設定したデクリメント周期
によりこれらのカウンタがデクリメントされた場合に値
が[0]になるタイミングでこれらのカウンタの値を読
み込み、その値が[0]になっていることを確認するこ
とによってその監視が行われる。
【0298】またIBUFの監視制御情報については、
1廃棄セルと、2廃棄セル廃棄,3SWセルパリティエ
ラー,4IBUF空とが設けられている。1の廃棄セル
がIBUFに保持されていることは、割り込みによりI
LCに通知される。このとき、IBUFに保持されてい
る各廃棄クラス毎のセル数をILCに通知することによ
り、例えば廃棄クラスの制御の動作確認を、上記ILC
において実行することが可能となる。また2の廃棄セル
廃棄は、廃棄セルを保持するバッファがフルで廃棄セル
が廃棄された場合にILCに通知される情報からなる。
また4に示すIBUF空の情報は、無瞬断の系切り替え
に使用されるものである。
【0299】次にこのシステムにおける遅延制御/シェ
イピング機能について説明する。
【0300】この遅延制御/シェイピング機能は、前述
したセル処理機能におけるOBUF(Output B
uffer)とCSH(Cell Shaper)とに
より実現される。しかしてOBUFは、主として遅延ク
ラス制御を実行する。またCSHはセル流に対するシェ
イピング処理を行うことにより、各VC/VPに規定さ
れたトラフィック特性を守って出リンクにセルを出力す
る。前述したようにこのシェイピング機能は、対向する
セル処理機能におけるポリシンング機能において違反セ
ルであると判定されないように、そのセルの出力を制御
する機能であり、前述したTOVAと同様の機能要素を
用いてシェイピング処理を実行する如く構成される。
【0301】但し、CSHにおけるシェイピング処理
を、前述したTOVAで使用した機能要素と同じ機能要
素により実現する為には、これらの機能要素の持つ以下
に示すような特徴について考慮する必要がある。
【0302】低速チャネル用リーキーバケットは、これ
をLSI化したときの実現面積を小さく抑えるべく、メ
モリLSIを使用してリーキーバケットを実現してい
る。従ってメモリLSIのスループット制限から、上記
リーキーバケットでは1セル周期に1つのセルしかその
セルが違反セルであるか否かを判定できない。
【0303】これに対して高速チャネル用リーキーバケ
ットは、リーキーバケットアルゴリズムを忠実に実現す
るべく、D−FFにより構成されたリーキーバケットを
単純に32個LSIに集積して構成される。従ってこの
高速チャネル用リーキーバケットでは1セル周期に複数
個のセルについて、そのセルが違反セルであるか否かを
判定することが可能である。
【0304】更に前述した低速チャネル用リーキーバケ
ットにおいては、やはりメモリLSIのスループット制
限から、そのリーキーバケットカウンタのデクリメント
を1024セル周期の単位でしか制御できない。この
為、一旦、低速チャネル用リーキーバケットにおいて違
反セルであると判断されたセルは、例えば数千セル周期
に亘ってその出力が抑制される可能性がある。
【0305】このような特徴を踏まえて、OBUF,C
SHにおける遅延クラス処理とシェイピング処理は次の
ようにして実現される。
【0306】図26は遅延クラス制御とシェイピング処
理とを実現するOBUFおよびCSHの構成例を示す図
である。
【0307】ATMSWから45MHz,8bitパラ
レルのデータとして渡されるSWセルは、先ずOBUF
により遅延クラス処理が施される。この遅延クラス処理
の為、SWセルは、その付加情報中にある遅延クラス情
報により振り分けられ、各遅延クラス毎に設けられたバ
ッファに一旦格納される。
【0308】遅延クラス優先制御は、遅延クラス毎に設
けられた複数のバッファからその1つを選択し、選択し
たバッファから18.72×(64/53)MHz,8
bitパラレルでセルを出力することにより、遅延クラ
スをサポートして実行される。従って出力リンクの衝突
によるセルの蓄積は、主として上記各遅延クラス毎のバ
ッファで発生することになる。
【0309】しかして遅延クラス毎に設けられた複数の
バッファからの、セルを出力するバッファの選択は次の
ようにして行われる。即ち、最も遅延要求の厳しいクラ
スのバッファにセルが存在していたならば、必ずそのバ
ッファからセルを出力する。また2番目に遅延要求の厳
しいクラスのバッファにセルが存在していたなら、上述
した最も遅延要求の厳しいクラスのバッファにセルが蓄
積されていない時にのみ、そのバッファからセルを出力
する。そして最も遅延要求の緩いクラスのバッファから
は、上述した最も遅延要求の厳しいクラス,および2番
目に遅延要求の厳しいクラスの双方のバッファにそれぞ
れセルが蓄積されていない時にだけ、そのバッファから
セルを出力する。
【0310】このようにしてOBUFから出力されたセ
ルについて、前記CSHにてシェイピング処理が行われ
る。このシェイピング処理の機能は、対向するポリシン
グ機能により違反セルと判定されないように、必要なら
ばセルの出力に規制を掛けることにより実現される。こ
のシェイピングには、VCに関するシェイピングである
VCシェイピングと、VPに関するシェイピングである
VPシェイピングとがある。これらのVCシェイピング
とVPシェイピングの両方を行う場合は、CSHを2段
カスケードに接続して、各シェイピングが実行される。
【0311】しかしてSWセルは、VC/VPポリシン
グ両方の為のシェイピングch番号を持ってCSHに入
力される。このシェイピングch番号は、そのセルの属
するVPまたはVCを監視するリーキーバケットの番号
である。個々のCSHはこれらのシェイピングch番号
のうちのどちらかを選択し、そのシェイピングch番号
に基づいてそのセルが低速チャネル用リーキーバケット
で監視されるか、或いは高速チャネル用リーキーバケッ
トで監視されるかを判断する。この判断結果により、そ
のセルはそれぞれ専用に設けられた2つのバッファであ
る高速ポリシングセルバッファと低速ポリシングセルバ
ッファとに振り分けられる。
【0312】高速ポリシング/低速ポリシング優先制御
は、例えば18.72×(64/53)MHz,8Bi
tパラレルで与えられる1セル周期の開始時に、先ず低
速ポリシングセルバッファの先頭のセルについて、低速
チャネルリーキーバケットにそのセルが違反セルである
か否かを判定することから行われる。そしてそのセルが
違反セルでなければ、そのセルを出力することに決定す
る。
【0313】これに対して低速ポリシングセルバッファ
が空、若しくは低速ポリシングセルバッファの先頭セル
が違反セルであったならば、高速ポリシング/低速ポリ
シング優先制御は、次に高速ポリシングセルバッファに
対してアクセスする。そしてそのバッファの先頭セルか
ら順に1セル周期が終了するまで、高速チャネル用リー
キーバケットにおいてそれらのセルが違反セルであるか
否かを判定する。このシーケンスにて違反セルでないセ
ルが初めて見つかったとき、そのセルを出力することに
決定する。
【0314】尚、ここでは高速チャネル用リーキーバケ
ットが複数回に亘って違反セルの判定を行うことによ
り、違反セルと判定されたセルの出力が停止されたこと
に起因するOBUFのスループット低下の防止が図られ
ている。そして高速ポリシング/低速ポリシングが出力
するべきセルを発見できなかった時には、ここでは空セ
ルを出力するものとなっている。また実際のセル出力
は、出力するセルを決定した周期の次のセル周期で行わ
れるようになっている。そして各遅延クラス毎に設けら
れたバッファについては、1つの領域を共有する共有バ
ッファにて構成することにより、バッファ領域の有効利
用が図られるようになっている。
【0315】さて上述した如く機能するOBUFは、例
えば図27に示すように構成される。
【0316】このOBUFは128セル分の長さを持つ
FIFOにて実現され、ATMSW系からINF系への
速度変換,および遅延クラス制御の役割を持つ。そして
その出力ポートでのセルのコンフリクト,およびCSH
から掛けられる出力抑制に伴うバッファのスループット
低下について、ATMSWに向けてフロー制御(バック
プレッシャー)を掛けることによりセル流を制御するも
のとなっている。
【0317】しかして図27の中央部に示すRAMは1
28セル分の容量を持ち、遅延クラス制御を受けつつあ
るセルの蓄積領域として機能する。このRAMのアドレ
ス空間は1セル分の容量を持つブロックに分割されてお
り、セルの書き込み/読み出し/空き領域の管理はこの
ブロック単位に行われるようになっている。尚、このR
AMへのセルの書き込み/読み出しはRAMに付属した
入出力制御部により制御される。
【0318】さて入力ポートから入力されたセルは、セ
ルを保持していない空きブロックを捕捉してそのブロッ
クに書き込まれる。また出力ポートから出力されるセル
は、RAMから一旦デュアルバッファに書き込まれ、こ
のデュアルバッファにて速度変換を受けた後に出力され
る。SWセルが出力される時には、SWセルの最終オク
テットのバリティビットが検査される。尚、OBUFが
空の時は空セルが出力されるようになっている。
【0319】各遅延クラス毎のバッファは上述したRA
Mの上に共通バッファとして構築される。この共通バッ
ファはATMSWの基本スイッチLSIと同様に、共通
バッファ構造を作成する為のFIFO構造は、それぞれ
リンクドリスト方式により作成される。この為、各クラ
ス毎のリンクドリスト構造バッファには、エンキュー位
置を保持しておくレジスタEPxと、デキュー位置を保
持しておくレジスタDPxとがそれぞれ設けられる。
【0320】更にRAM上の各ブロックのタグ領域とし
て、ここでは別に7bit×128wordの2P−R
AMが準備される。リンクドリスト構造を作成する為の
各ブロックに対応したポインタは、この2P−RAM上
に持たされる。またATMSWの単位スイッチLSIと
同じ様に、この2P−RAM上のポインタ領域にもパリ
ティビットが付けられる。このパリティは2P−RAM
へのポインタ書き込み時に確認され、仮にパリティエラ
ーが検出されたならば、リンク切れが発生したとしてそ
の旨が前記ILCに通知されるようになっている。
【0321】また空き領域管理は、ハード量削減の観点
から各遅延クラスのバッファと同様に2P−RAM上に
あるポインタを利用したリンクドリスト構造を用いて行
われる。この為、リンクドリスト構造バッファのエンキ
ュー位置とデキュー位置を保持しておくレジスタとEE
P,DEPとがそれぞれ設けられる。
【0322】尚、各クラス毎のリンクドリスト構造バッ
ファが空であるか否かは、ATMSWの基本スイッチL
SIと同様に、EPxとDPxの値を相互に比較するこ
とにより判断される。同様にOBUFがフルであるか否
かは、空き領域管理用バッファのエンキュー位置を保持
しているEEPと、デキュー位置を保持しているDEP
の値を比較することによって判断される。
【0323】しかして前記2P−RAMおよび各リンク
ドリスト構造バッファのエンキュー位置とデキュー位置
とを保持しておくレジスタは、バスにより接続されてい
る。このようなバス構成により、ATMSWの基本スイ
ッチLSIと同様にリンクドリスト構造バッファからの
データのエンキュー/デキューでシーケンス動作を行う
必要がなくなり、高速ハードウェア実装に適したアルゴ
リズムで共通バッファを実現することが可能となってい
る。この技術は本発明者等が特願平1−3566号等で
提唱した技術である。
【0324】また新たに入力されたセルを書き込むブロ
ック番号は、空き領域管理バッファからブロック番号を
1つデキューすることにより得られる。また入力された
セルを書き込んだブロックの番号をどのリンクドリスト
構造バッファにエンキューするかは、遅延クラス振り分
け/入力制御によりSWセルの付加情報内部にある遅延
クラスビットを参照して決定される。
【0325】一方、出力クラス決定/出力制御について
は、Full/Empty判定部による各リンクドリス
ト構造バッファについての空であるか否かの判断の結果
に基づいて、セルを出力するバッファを前述のアルゴリ
ズムにより判断して実行される。その後、前記バッファ
からブロック番号をデキューし、そのブロックからセル
を読み出して出力すると共に、そのブロック番号を空き
領域管理バッファにエンキューすることにより実行され
る。
【0326】また輻輳監視は予め定められた期間中に予
め定められた時間OBUFがFULL状態であり、AT
MSWにバックプレッシャーがかかっている時にILC
に対して輻輳アラームを表示して行われる。具体的には
或る周期、例えば1万セル周期の間にOBUFがFUL
L状態であるセル周期の個数をカウントし、そのカウン
ト値がスレシホールドを越えたならばこれを輻輳状態で
あると判定し、ILCに対して輻輳アラームを通知す
る。このような輻輳監視により各リンクの平均使用率を
ILCにて推測することが可能となる。尚、輻輳状態の
観察周期や上記スレシホールド値は、例えばILCから
適宜設定可能とされる。
【0327】尚、OBUFが空である時には、その旨が
ILCに通知され、この情報を用いて無瞬断増設の処理
等が行われる。
【0328】このようなOBUFに対してCSHは、例
えば図28に示すように構成される。
【0329】このCSHはリーキーバケットによって出
力セル流の監視を行い、シェイピング処理を実行するも
のである。このCSHでは前述したTOVAで用いたリ
ーキーバケットと同じリーキーバケットにより出力セル
流の監視を行う。
【0330】しかして図28の中央に示したRAMは1
28セル分の容量を持ち、シェイピング処理を受けつつ
あるセルを蓄積する領域として機能する。このRAMの
アドレス空間は1セル分の容量を持つブロックに分割さ
れ、このブロックを単位としてセルの書き込み/読み出
し/空き領域の管理が行われる。このセルの書き込み/
読み出しは、RAMに付属する入出力制御部により制御
される。
【0331】さて入力ポートから入力されたセルは、セ
ルを保持していない空きブロックを捕捉してそのブロッ
クに書き込まれる。このセルの書き込みと同時に、入力
されつつあるセルに対してVPシェイピング処理を行う
ならば、VPシェイピング用シェイピングch番号が抽
出され。またVCシェイピング処理を行うならばVCシ
ェイピング用シェイピングch番号が抽出される。そし
て抽出されたシェイピングch番号に従って低速ポリシ
ング/高速ポリシングの振り分けが行われ、低速ポリシ
ングバッファ/高速ポリシングバッファに、上記入力さ
れつつあるセルが保持されているブロック#と共にエン
キューされる。この点が前述したTOVAでの処理とこ
のCSHでの処理とにおいて異なる点である。VPシェ
イピングとVCシェイピングとを同時に行う場合には、
CSHをカスケードに接続するようにすれば良い。
【0332】ところでTOVAの場合には、物理VCI
受付にてリーキーバケット番号を得る為の表引きを行っ
た。但し、このような変更をTOVA用LSIに加えて
も、容易にTOVA/CSH双方に使用できるLSIを
構築できることは明かである。従ってTOVA用のLS
IとCSH用のLSIとを共通化してそのハードウェア
を実現することが可能となる。
【0333】図29はCSH内の低速ポリシングセルバ
ッファと、高速ポリシングセルバッファのデータ構造を
示す図である。この図29に示すように、低速ポリシン
グセルバッファとRAMの空き領域管理用バッファと
は、共にリンクドリスト作成用/リーキーバケット番号
用の2P−RAM上に作られるリンクドリスト方式によ
るバッファとして実現される。これに対して高速ポリシ
ングセルバッファは、前述したシェイピング処理のアル
ゴリズムに従い、その先頭に蓄積されているデータから
順に後ろに向かって参照する必要がある。この為、高速
ポリシングセルバッファとしては、上記低速ポリシング
セルバッファ/空き領域管理バッファとは独立したシフ
トレジスタ方式の、8bit長のバッファとして実現さ
れる。
【0334】前述したセル入力時の空きブロック捕捉
は、具体的には上述したRAMの空き領域管理用バッフ
ァから1つの情報をデキューし、その情報に含まれるブ
ロック番号を使用することにより実現される。またセル
の出力は、タイミング作成部が作成しているセル周期に
同期して行われる。そして或るセル周期で出力するセル
は、そのセル周期の前の周期において、違反セル判定制
御を受けて次のような手順に従って決定される。
【0335】即ち、先ず低速ポリシングセルバッファの
先頭のリーキーバケット#を参照し、その参照結果を低
速チャネル用リーキーバケットコントローラに通知して
違反セルであるか否か判定させる。そして違反セルでな
ければ前記低速ポリシングセルバッファの先頭の情報を
デキューし、その情報に含まれるブロック番号を次に出
力するセルが保持されているブロックであるとして出力
セルの決定シーケンスを終了する。また出力セルが違反
セルであるか、或いは低速ポリシングセルバッファが空
であれば、そのまま次の手順に進む。
【0336】次に高速ポリシングセルバッファが空であ
るか否か調べる。そして高速ポリシングセルバッファが
空であれば空セルを出力し、出力セルの決定を終了す
る。逆に高速ポリシングセルバッファが空でなければ、
高速ポリシングセルバッファの先頭から順にリーキーバ
ケット番号を高速チャネル用リーキーバケットに通知
し、違反セルか否か判定させる。このシーケンスで初め
て違反セルではないと判定されたとき、そのリーキーバ
ケット番号を含む情報をバッファからデキューする。そ
してデキューされた情報に含まれているブロック番号を
次に出力するセルが保持されているブロックであると
し、出力セルの決定シーケンスを終了する。
【0337】尚、高速ポリシングセルバッファに保持さ
れた8個のリーキーバケット番号の全てが違反セルと判
定されたならば、この場合には空セルを出力することに
して、その出力セルの決定シーケンスを終了する。
【0338】ここで前述した低速チャネル用リーキーバ
ケット、および高速チャネル用リーキーバケットが共に
違反セルとして判定した場合には、そのリーキーバケッ
ト番号により指定されたリーキーバケットのインクリメ
ントが抑制される。従って前記CSHから出力されるセ
ル流の持つトラフィック特性を、各リーキーバケットに
て監視することが可能となる。
【0339】さてセルの出力は、上述した出力セル決定
シーケンスによって決定されたブロック番号に従い、入
出力制御部にてRAMからセルを読み出してCSHから
出力することによりなされる。このセルの出力時には、
SWセルの最終オクテットのパリティビットが検査さ
れ、この検査と同時に上記セルを読み出したブロックの
番号がRAMの空き領域管理バッファにエンキューされ
る。
【0340】ここで前記RAMに空きブロックが無い場
合には、OBUFに向けて出力抑制が行われ、セル廃棄
が発生しないように制御される。また前記RAM、およ
び高速ポリシングセルバッファ内にセルが蓄積されてい
ない場合には、その旨を示すバッファ空信号がILCに
通知される。このバッファ空信号は無瞬断系の切り替え
に使用されるものである。更にCSHに対してはILC
から出力抑制が掛けられ、この出力抑制も上記無瞬断の
系切り替えに使用される。
【0341】しかして前記2P−RAM上にあるリンク
ドリスト方式バッファを構成する為のポインタ領域に
は、パリティが付けられている。このパリティは2P−
RAMへのポインタ書き込み時に確認され、この確認時
にパリティエラーが検出されたならば、リンク切れが発
生しているとして、その旨がILCに通知されることに
なる。
【0342】ところで上記高速ポリシングセルバッファ
は、例えば図30に示すように構成される。
【0343】前述したように、この高速ポリシングセル
バッファではセルの先頭の情報以外の情報も参照/デキ
ューされるので、シフトレジスタ方式のバッファとして
実現される。このバッファを構成する各レジスタの有効
/無効ビットは、そのレジスタが情報を保持しているか
否かを示すビットである。情報のエンキューは図29に
おいて最も下側に示す情報を保持していないレジスタに
対してデータを書き込むことにより行われる。また情報
のデキューは、デキューしたい情報を外部に出力すると
共に、図29においてその情報を蓄積しているレジスタ
の上側に位置するレジスタに蓄積されている情報を1レ
ジスタ右にシフトすることにより行われる。どのレジス
タの情報をデキューするかはワード指定により指定され
ることになる。
【0344】次にOBUFとCSHとにおける監視制御
情報について説明する。
【0345】OBUFにおける監視制御情報は、1バッ
ファ空,2輻輳アラーム,3輻輳監視パラメータ,4ポ
インタパリティエラー,5パリティエラーからなる。上
記ポインタパリティエラーによりILCはリンク切れで
あることを判断する。またパリティエラーは、SWセル
の最終オクテットのパリティビットの検査結果である。
【0346】尚、このOBUFに、自分が保持している
セル数をクラス別にカウントするカウンタを設けてお
き、出力されるセルの遅延クラスとそのカウンタの値を
突き合わせることで遅延制御アルゴリズムと矛盾してい
ないことを確かめるようにし、これによって遅延制御の
アルゴリズムの監視を行うようにすることも可能であ
る。
【0347】またCSHの監視制御情報としては、1T
OVAで説明した各種ポリシング用パラメータ,2ポイ
ンタパリティエラー,3パリティエラー、4出力抑制,
5バッファ空の各情報がある。上記ポインタパリティエ
ラーからILCはリンク切れを判断することになる。ま
たパリティエラーは、SWセルの最終オクテットのパリ
ティビットの検査結果であり、出力抑制の情報にて、例
えば前述した無瞬断系の切り替え手順において、ILC
がCSHからのセル出力を禁止すること等が行われる。
またバッファ空の情報は、無瞬断系切り替え手順で使用
されるものである。
【0348】しかしてこのCSHにおける動作確認はV
C設定時に次のようにして行われる。
【0349】即ち、この動作確認は、先ずそのVCのシ
ェイピングに使用するリーキーバケットのカウンタのイ
ンクリメント/デクリメントが正常に行えることを、前
述したTOVAと同じ手順で確認する。次にデクリメン
トを停止しておき、違反セルと判断される値にカウンタ
を設定する。その後、新たに設定するVCのATMレイ
ヤOAMセルをOMDIから入力し、違反セルと判断さ
れない値にカウンタが再設定されるまで、そのOAMセ
ルの出力がCSHで抑制されていることを確認すること
によりなされる。
【0350】次に前述したセル処理機能におけるルーテ
ィングタグ除去機能について説明する。このルーティン
グタグ除去機能は、RTD(Routing Tag
Deleter)により実現される機能である。
【0351】図31はRTDの概略構成を示す図であ
る。このRTDでは、基本的にはSWセルからUNI/
NNIセルへのフォーマット変換が行われる。この時、
SWセルの最終オクテットであるパリティビットが検査
され、パリティエラーが発見されたセルの廃棄が行われ
る。そして廃棄されたセルのルーティングタグおよびV
PIはILCに通知され、また同時にILCからの指示
により、UNI/NNIセルフォーマットのアラームセ
ルの自動発生が行われる。
【0352】しかしてこのRTDにおける2P−RAM
のアドレス空間は、1つのセルが蓄積できるブロック単
位に分割されている。そしてセルの入力制御は、セルの
書かれていないブロックを出力制御部から受け取り、セ
ルが入力されたならばその空きブロックにセルを書き込
むことによってなされる。一方、セルの入力制御は入力
制御部からセルの書き込まれたブロックの番号を受け取
り、そのブロックからセルを読み出すことによってなさ
れる。この2P−RAMからのセルの読み出しの際、不
必要なオクテットを読み飛ばすことによってUNI/N
NIセルへのフォーマット変換が行われる。しかしてセ
ルが読み出されたブロックの番号は、空きブロック番号
として前記入力制御部に渡される。但し、2P−RAM
に出力するべきセルが蓄積されていない時には、出力ポ
ートからは空セルが出力されるものとする。
【0353】前記SWセルの2P−RAMへの書き込み
時には、同時に上記SWセルの最終オクテットのパリテ
ィの検査が行われ、パリティエラーが発見されたセル
は、ここで廃棄される。この処理は、入力制御部が出力
制御部に対して、パリティエラーの発見されたセルを書
き込んだブロックの番号を渡さず、次に入力されたセル
をそのブロックに上書きすることにより実行可能であ
る。尚、パリティエラーが発見されたセルのルーティン
グタグとVPI/VCIについてはセラーセル情報とし
て、エラーセル情報キュー制御により、一旦、RTD−
RAM内のエラーセル情報キューに保持される。このキ
ューが空でないことは割り込み処理にて前記ILCに通
知される。するとILCは割り込みルーチンの中で、こ
のキューからエラーセル情報をデキューして取り込むこ
とになる。
【0354】一方、UNI/NNIフォーマットのアラ
ームセル自動発生は次のように行われる。RTD−RA
Mの中には、例えばRTAによって付加されたシェイピ
ングch番号から、そのシェイピングチャネルによりシ
ェイピングを受けるセルの持つVPI/VCIと、その
セルをATMSWを通じてRTDに出力しているモジュ
ール番号を検索可能な表が準備されている。ILCから
エラーが発生したモジュール番号と共に、アラームセル
発生指令が与えられると、前記出力制御部はシェイピン
グch番号[0]から順にシェイピング番号→VPI/
VCI/モジュール番号変換表を参照し、与えられたエ
ラーモジュール番号と上記変換表に書かれているモジュ
ール番号とを比較する。そしてモジュール番号が一致し
たならば、同じエントリにあるVPI/VCIを持つア
ラームセルを作成し、空セルが出力されるタイミングを
捕捉して空セルの替わりにアラームセルを出力する。こ
のような一連の動作が終了したとき、前記シェイピング
ch番号をインクリメントして同じ動作を繰り返す。
【0355】ここで上記シェイピングch番号は、単に
ATMSWの出側でVCを認識する為の識別子として使
用されるものである。従ってSWセル内にある2つのシ
ェイピングch番号であるVPシェイピング用の番号ま
たはVCシェイピング用の番号のどちらを使用しても良
い。また別の識別子として、例えばATMSW上での物
理VCIを作成し、これを用いるようにしても良い。ち
なみにこのシステムでシェンピング番号を利用した理由
は、物理VCIを設定する為に必要な制御プロセッサの
負荷を削除する為である。
【0356】図32は上述したRTD−RAMのアドレ
スマップ例を示している。
【0357】このRTD−RAM内には、アラームセル
自動発生用のシェイピングch番号→VPI/VCI/
モジュール番号変換表と、エラーセル情報リングバッフ
ァ用領域とが設定されており、それぞれ図31に示すよ
うに割り当てられている。
【0358】さてこのRTDにおける監視制御情報とし
ては、1エラーセル情報と2エラーセル情報廃棄の情
報、および3アラームセル発生用VPI→モジュール#
変換テーブルとが準備されている。
【0359】上記エラーセル情報は、SWセルパリティ
エラーの発生したセルに関する情報であり、この情報が
RTD−RAMに保持されている場合、その旨が割り込
みによってILCに通知されるようになっている。また
エラーセル情報廃棄の情報は、何等かの恒常的エラーの
発生によりエラーセル情報がバースト的に発生し、前記
ILCでの処理が間に合わなくなったとき、前記エラー
セル情報を廃棄し、エラーセル情報を廃棄したことをI
LCに通知する為に用いられる情報である。
【0360】以上で、図1に示したノードシステムに関
する説明を終了する。前述のOMDIを用いた各種試験
は、リンクシステムにも拡張可能なように設計されてい
る。そこで、次に、リンクシステムにおけるOMDIを
用いた試験に関して説明する。
【0361】次にOAMセル挿入/分岐機能(OMD
I)について説明する。
【0362】このOMDIでサポートされるOAM機能
は、例えば図33に示すように実現される。このOMD
Iは、各種OAM機能の内,特にセル転送路の接続試験
を行うために必要な機能を提供するものである。具体的
には次のようなる6種類の試験を行い得る機能を実現し
ている。 1ATMSW内部接続試験 2伝送路接続試験 3NT1ループバック試験 4VPリンク連結試験 5VPコネクション接続試験 6VCリンク接続試験 ATMSW内部接続試験は、ATMSW増設時等にAT
MSWの入力ポートから出力ポートまでが正常に接続さ
れ、且つ正常にセルがスイッチングできることを確認す
る為の試験である。従ってそれぞれの入力ポートから挿
入されたセルが、各出力ポートから出力されることを確
認することによりその目的が達せられる。
【0363】また伝送路接続試験は、対向INF間でフ
レーム同期/セル同期が確立していることを確認する試
験である。この試験は、対向INFに向けて出力された
セルがループバックにより戻って来ることを確認するこ
とによって達せられる。
【0364】更にNT1ループバック試験は、加入者I
NFからNT1でフレーム同期/セル同期が確立してい
ることを確認する為の試験である。この試験は、NT1
に向けて出力されたセルがループバックにより戻って来
ることを確認することにより達せられる。
【0365】以上の3種の試験は物理レイヤ機能の確認
試験であり、物理レイヤOAMセルを使用して行われ
る。この物理レイヤOAMセルのヘッダフォーマット
は、例えばCCITTで規定されるI.361,I.4
32に従って定められる。更に物理レイヤOAMセルに
は、その情報フィールド内部に少なくともそのOAMセ
ルを分岐するかループバックするかを指定するビット情
報として分岐/ループバックビットが設定される。
【0366】これに対して残された3種の試験はATM
レイヤ機能の確認試験である。
【0367】VPリンク連結試験は、RTA−ATMS
W−RTDのパスが正常に動作しているか確認する為の
試験であり、特にRTAでのVPI変換機能,ルーティ
ングタグ付加機能に注目した試験である。この試験は任
意のINFから任意のINFへのセルが正常にVPI変
換を受けつつ、ATMSWでスイッチングされることを
確認することにより、RTA−ATMSW−RTDによ
り実現されるVPリンク間の連結動作を確認することに
よって達せられる。
【0368】またVPコネクション接続試験は、VPコ
ネクションのエンドポイント間で正常にセルが伝送でき
ることを確認する為の試験である。この試験は、VPコ
ネクションの一方のエンドポイントから入力したOAM
セルが、もう一方のエンドポイントに正常に出力される
ことを確認することによって達せられる。
【0369】更にVCリンク接続試験は、リンクシステ
ムよりレイヤの上位にいるシステム,つまり上位システ
ム間で何等かのOAMファンクションを実行する為に、
リンクシステムが上位システムに提供するサービスであ
る。
【0370】これらの各試験の為に使用されるATMレ
イヤOAMセルのヘッダフォーマットについては、未だ
にCCITTで標準化されていないが、例えば空セルと
物理レイヤOAMセルのヘッダフォーマットとのアナロ
ジに従って、試験したいVPリンク/コネクションを識
別するVPIを付け、更にPTフィールドに[10]を
入れたフォーマットを設定するようにすれば良い。また
上記ATMレイヤOAMセルの情報フィールド内に、少
なくともそのOAMセルを分岐するかループバックする
かを指定するビット情報として分岐/ループバックビッ
トを設定するようにすれば良い。
【0371】尚、物理レイヤ/ATMレイヤOAMセル
の情報フィールドには、そのセルがどのレベルの試験用
のセルであるかを示すフィールドの情報、つまり試験レ
ベルフィールドを設定しておく。
【0372】ここで物理レイヤOAMセル,およびVP
リンク連結試験の為のセルは、ATMSW内部接続試験
の為に設けられるOMDI以外の各OMDIで分岐して
も良いものである。従ってここでは、これらのセルをレ
ベル1のOAMセルと呼ぶことにする。またATMSW
内部接続試験の為のOAMセルをレベル0のOAMセル
と呼ぶことにする。
【0373】またVPコネクション接続試験を行う為に
は、ATMレイヤOAMセルをVPI変換を受けさせな
がらVPリンク端点を通過させ、VPコネクション端点
に到達させることが必要である。従ってこの試験機能を
実現させる為には、各OMDIにおいてVPコネクショ
ン試験用セルを通過させるか否かを認識することが必要
となる。このような認識の為の情報を備え、この試験に
使用されるセルをレベル2のOAMセルと呼ぶことにす
る。
【0374】更にVCリンク接続試験の為には、ATM
レイヤOAMセルを、リンクシステムを通過させる必要
がある。このような試験に用いられるセルを、ここでは
レベル3のOAMセルと呼ぶことにする。
【0375】しかしてこのようなOAMセルを。そのレ
ベルに応じて選択的に通過、またはループバックさせる
為には、リンクシステム内の各OMDIは、自分が分岐
/ループバックしなければならないOAMセルを識別し
て分岐/ループバックし、それ以外のレベルのセルは通
過させると云う機能をそれぞれ持つことが必要となる。
【0376】ところで、伝送路INF上にはVPコネク
ション端点は存在せず、伝送路INF上は必ずVPリン
クは結合されている。またリンクシステムと接続されな
い局内INF上では、リンクシステムの提供するVPコ
ネクション端点が必ず存在する。これに対して、リンク
システムと接続される局内INFは、上記伝送路INF
と同じく、必ずVPリンクが結合され、VPコネクショ
ンの端点は存在しない。更に加入者INFではVPコネ
クションが終端されるとは限らないが、リンクシステム
が提供するVPコネクションサービスという意味では1
つの端点となっている。従ってリンクシステムが実行す
るVPコネクションの試験という点では、加入者INF
にVPコネクション端点が存在していると看做すことが
できる。
【0377】尚、前述したレベル3のOAMセルは、リ
ンクシステム内部の全てのOMDIをそれぞれ通過する
必要がある。
【0378】このようなことから、各INFのOMD
I、およびATMSW内部接続試験の為のOMDIが各
クラスのOAMセルに対して行う操作は次のようにまと
められる。
【0379】 このまとめから分かるように、レベル2のOAMセルに
ついては、単純にそのセルを通過させるか分岐/ループ
バックするかを規定することはできず、各INF毎に通
過させるか分岐/ループバックするかを選択することが
できるようにする必要がある。
【0380】このような試験機能により、前述した図5
に示す機能試験に加えて、システム全体の機能が効果的
に試験されることになる。
【0381】次に無瞬断の系切り替え機能について説明
する。
【0382】この機能は、ATMSWが自己のスイッチ
内のバッファが空の状態であるとき、その情報を外部に
出力する、所謂バッファ状態出力機能を持ち、また2重
化構成のスイッチにおける現用系から予備系への系切り
替え時に上記バッファ状態出力機能を利用してセル廃棄
を引き起こすことなく、その系の切り替えを実現する為
の機能である。
【0383】即ち、回線の増設や減設、またブロッキン
グの発生時等に回線の再配置を行うような場合には、回
線収容の変更を行うことが必要となる。従来一般的なA
TM交換機の場合には、回線設定の接続先を指定するア
ドレスコントロールメモリ、およびスイッチ部が2重化
されており、これらの系を切り替えるセレクタが設けら
れておれば、或るタイミングで前記アドレスコントロー
ルメモリの系切り替えを行うことで、無瞬断に回線収容
を変更することができる。
【0384】このような従来の技術による無瞬断の系切
り替えは、同じタイムスロットで入力された情報は、出
力されるときにも全て同じタイムスロット上にあること
による。
【0385】然し乍ら、ATM交換通信を行う場合、A
TMSWがその内部にバッファを持つ為、入力された情
報は或る期間に亘ってバッファ内に蓄積されることにな
る。従ってバッファ内に蓄積されたセルの全てが処理さ
れ、バッファ内が空であることを確認した後に系の切り
替えを行わなければ、その時点でバッファ内に蓄積され
ていたセルが廃棄されてしまうことになる。そこでこの
システムでは、ATMSWのバッファ内が空であるか否
かの情報を出力する機能を持たせることにより、次のよ
うにして無瞬断の系切り替え制御を実現している。
【0386】即ち、このシステムにおいては、図34に
の要部の構成を示すようにスイッチ部およびヘッダ変換
テーブルが2重化されている。そして一方の系で現在の
サービスを続行しつつ、他方のテーブルを系切り替え後
に適用する内容に変更することが可能となっている。
【0387】このテーブル変更後に、或るタイミングで
前記変換テーブルおよびスイッチの入力側を切り替え、
次に系切り替え前のスイッチ内のバッファが全て空にな
ったことが確認された状態で前記スイッチの出力側を切
り替えるようになっている。このような手順により、セ
ル廃棄を起こすことなく系切り替えを無瞬断に実現する
ものとなっている。
【0388】この系切り替えの具体的な手順を、図34
を参照して説明すると、1先ずOAMセル分岐・挿入部
のゲートにおいて予備系を[OFF]とし、予備系AT
MSWへのセル流を遮断する。このとき上記ゲートから
は空セルを出力し続ける。
【0389】2この状態で予備系の入力バッファ,出力
バッファ,およびATMSW内のバッファが全て空であ
ることを確認し、3その後、予備系のヘッダ変換テーブ
ルを変更する。
【0390】4しかる後、予備系のヘッダ変換テーブル
の変更内容を確認する。具体的には予備系の空セル置き
換え部から旧VPIを持ったOAMセルを挿入し、実際
にルーティングタグを付加して予備系のATMSW内を
通し、セルドロップでこのセルを制御部に取り込んでそ
のチェックを行う。
【0391】5このチェックが完了した後、予備系の出
力バッファからのセルの出力を禁止し、6前記ゲートに
おいて、現用系を[OFF]とすると同時に予備系[O
N]とし、セル流が予備系にのみ流れるようにする。7
この状態で現用系の入力バッファ,出力バッファ,およ
びATMSW内のバッファが全て空であることを確認
し、その確認がとれた時点で8セレクタの選択を現用系
から予備系に切り替える。9そして予備系の出力バッフ
ァからのセル出力を許可する。
【0392】かくしてこのようにしてATMSW内のバ
ッファが空であることを確認した上で系の切り替えを制
御することにより、ATM交換通信を行う場合であって
も、無瞬断に、且つ効果的に系の切り替えを行うことが
可能となる。
【0393】以上述べてきたような機能要素を組み合わ
せることによりセル処理機能が実現できる。
【0394】さてこのシステムにおける今1つの重要な
ポイントに、どこでセル流に対するトラヒックシェイピ
ング制御を行うかと云う問題がある。
【0395】このトラヒックシェイピング制御は、VP
毎のセル流に対して、またVC毎のセル流に対して行わ
れる。
【0396】このトラヒックシェイピング制御について
説明するに先立ち、何故、このシェイピング制御が必要
であるかについて説明する。
【0397】前述したセル処理機能を個々に備えて構築
されるATM通信システムは、全体的には図35や図3
6に示すようにリンクシステムを介して相互に接続して
構成される。そしてこの図36に示すリンクシステムに
おけるCSHが設けられた位置でそれぞれシェイピンク
が行われる。
【0398】図35のようにシェアドメディアからAU
(Access Unit)を介して入力されるセル
は、ATMSWを介してスイッチングされ、B−ISD
N網等の公衆網や他のリンクシステム,またノードシス
テムにおけるシェアドメディアへのアクセスをコントロ
ールするAUへと通信される。このように構築されるA
TMシステムの通信インターフェースとして前述したセ
ル処理機能がそれぞれ存在する。
【0399】しかして或るノードシステムとB−ISD
N網の加入者収容ノードとの間、或いはB−ISDN網
を挟んだ複数のノードシステムの間には、予めB−IS
DN網との契約により規定された或るトラヒック量が設
定されている。この為、VCに対するアドミッション制
御およびVC毎のポリシング制御により、基本的にはV
Pに対して規定されたトラヒック量以内にそのセル流を
制御することが行われている。
【0400】然し乍ら、個々の端末から出力された各V
Cのセル流に変形が生じたり、複数のVCのセル流がB
−ISDN網への出口で1つのVPに束ねられる際のV
C間のバースト状態やセル到着の位相の重なり等に起因
して、或る程度短い期間に着目すると、VPで規定され
たトラヒック量に違反してB−ISDN網にセルが流出
しようとすることが生じる。
【0401】これに対してB−ISDN網では、これら
のVPに対して常に契約したVPの容量以内に実際のセ
ル流が守られているか否かを監視し、違反時にはセルの
廃棄を行っている。この機能が前述したポリシング機能
である。このようなセルの廃棄は、ノードシステムを利
用しているユーザにとっては何の責任もない筈であり、
ノードシステム自体が上述した原因によるセルの廃棄が
生じないような対策を講じる必要がある。
【0402】従ってノードシステムでは、契約している
VP毎にB−ISDN網への流出セル流が、そのVPに
規定されたトラヒック特性を守った形に収まるように、
上記セル流に対してシェイピング制御を行い、VPポリ
シングによるセルの廃棄を防ぐことが必要となる。この
ようなシェイピング制御は、ノードシステム等からB−
ISDN網に出力されるVPのセル流に対して個々に行
う必要がある。
【0403】一方、端末からノードシステムに流される
VC毎のセル流は、基本的には自己が申告したトラヒッ
ク特性を守っている筈である。仮にそのトラヒック特性
に違反しているような場合であっても、VC毎のポリシ
ング制御によりそのセル流が制御されている筈である。
【0404】然し乍ら、ノードシステムの入り口側でV
C毎のセル流に対する制御がなされていても、ATMS
W等を通過する際のVC相互のセル位相のぶつかり等に
起因するセルの蓄積の影響により、端末から出力された
各VCのセル流のトラヒック特性が大きく変形されてし
まうことがある。このような変形を受けたセル流は、下
のトラヒック特性よりも悪くなることが十分考えられ、
B−ISDN網のVCポリシングにて違反セルとして廃
棄されてしまう可能性がある。
【0405】このようなVCのトラヒック変形が実際に
どの程度生じるかを一般的に、且つ定量的に評価するこ
とは非常に困難であるが、定性的には次のように考える
ことができる。ノードシステムの重要な構成要素とされ
るシェアドメディアは、その性格上、各AUは上流から
の空きスロットが来たときにしかセルを乗せることはで
きない。ちなみに或る時間の長さでみれば、例えばウィ
ンドウ制御を行う場合には、AU毎、またはVC毎のス
ループットについては保証されるが、VCのピークレー
トについてはその上流から空きスロットが来るか否かに
より影響される為、その保証はなされない。このことは
リンクのシェアドメディアの負荷に十分な余裕があれば
殆ど無視することができると考えられるが、負荷が高く
なると大きな問題となる。極端な場合には、本来の最小
セル間隔が[1]よりも大きい、VCの最小セル間隔が
[1]であるセルが幾つも連続してしまうことが考えら
れる。従ってこのようなことを配慮した場合、ノードシ
ステムを通過したVCに関しては、そのピークレートの
変形を補正するためのシェイピング制御が必要となる。
【0406】一方、ATMSWに関しては、どの程度の
変形が生じるかはスイッチのアーキテクチャによっても
異なってくるが、少なくともATNSW内部のバッファ
でのセル蓄積を抑えると共に、個々のセル処理機能のセ
ル出力段にてセル流に対するシェイピング制御を行う機
能をそれぞれ持たせるようにする。
【0407】従ってATMシステムを構築する各部位で
のセル処理機能に対して図35や図36に示すようなC
SHが設けられた位置でそれぞれVP毎に、またVC毎
にセル流に対するシェイピング機能を持たせ、そのセル
流についてのトラヒック特性を満たすように制御するこ
とで、ポリシングによる不本意なセルの廃棄を未然に防
ぐことが可能となる。
【0408】以上説明したように本実施形態によれば、
ATM通信システムを実現する上での種々のハードウェ
ア上の問題を効果的に解決し、そのセル処理機能を簡易
に、且つ効果的にハードウェアとして構築することがで
きる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【0409】特にFDAからのVC4のH4ポインタに
よって示されるセル先頭と、HEC計算によるセル先頭
検出結果とを比較することによって、誤フレーム同期や
誤セル同期の検出を高速に行うことを可能とし、またO
AMセルに異なるレベルを設定し、これをその情報フィ
ールドに書き込んでおくことにより、システムの各部に
置かれるOMDIでのセルドロップ判断を容易に行い、
ILCにおける処理量とそのハードウェア量を削減する
ことができる。
【0410】また同時接続線数に応じて物理VCIを設
定し、これによりHTTで認識するVC空間を小さくす
るので、HTTにおけるポリシング機能のハードウェア
量を少なくすることができる。更にはRTAが個々のセ
ル毎にUNIセル・NNIセルを認識し、VPIフィー
ルドの書き替え位置を変化させるので、1つのRTA上
にUNI/NNI双方のVCを設定することが可能とな
る。
【0411】またSWセル内にパリティを設定すること
で、RTA−IBUF−ATMSW−OBUF−RTD
に至る経路でのビット誤り率の検出能力を少ないハード
ウェアで効果的に高めることができる。その上、アラー
ムセルの自動発生機能を備え、SWセル内にSRA#,
シェイピング番号を持つので、管理すべきテーブル数を
少なくし、そのハードウェア量を少なくすることができ
る。
【0412】更には低速ポリシングと高速ポリシングと
に分離し、低速ポリシングについてはRAMを用いて実
現するので、そのハードウェア量を大幅に削減すること
ができる。
【0413】またATMSWのIBUFだけでセルの廃
棄制御を行い、そのOBUFだけでセルの遅延制御を行
うので、バッファの構成を非常に簡単なものとすること
ができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【0414】以上本発明の一実施形態に係るATM通信
システムにおけるセル処理機能について説明したが、本
発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例
えば各処理機能のハードウェア上での構成は、その仕様
に応じて種々変形可能なものであり、仕様に示される機
能だけをセル処理機能として搭載することも勿論可能で
ある。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種
々変形して実施することができる。
【0415】
【発明の効果】本発明によれば、ATM通信システムを
実現する上での種々のハードウェア上の問題を効果的に
解決し、そのセル処理機能を簡易に、且つ効果的にハー
ドウェアとして構築することができる等の実用上多大な
る効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るATM通信システム
全体の構成例を示す図
【図2】セル処理機能の基本的な構成例を示す図
【図3】CISの構成例を示す図
【図4】CSDの構成例を示す図
【図5】OMDIがサポートするOAM機能を示す図
【図6】OMDIの構成例を示す図
【図7】OAMセルにおけるOMDISILCとのイン
ターフェースを示す図
【図8】LPTにおける論理VCIから物理VCIへの
変換アルゴリズムを示す図
【図9】LPTの構成例を示す図
【図10】RTAの構成例を示す図
【図11】UNI/NNIセルとSWセルのフォーマッ
トを示す図
【図12】SWセル内のパリティの例を示す図
【図13】故障のレベルに応じたアラームセルの発生部
位を示す図
【図14】HTTにおける付加情報テーブルのアドレス
マップ例を示す図
【図15】HTTの構成例を示す図
【図16】ポリシング用リーキーバケットの構成例を示
す図
【図17】TOVAの構成例を示す図
【図18】物理VCI受付機能の構成例を示す図
【図19】物理VCI受付RAMのアドレスマップを示
す図
【図20】高速チャネル用リーキーバケットの構成例を
示す図
【図21】高速チャネル用リーキーバケットコントロー
ラの構成例を示す図
【図22】リーキーバケットRAMのアドレスマップを
示す図
【図23】低速リーキーバケットコントローラの動作例
を示す図
【図24】IBUFの構成例を示す図
【図25】優先廃棄機能付きFIFOの構成例を示す図
【図26】遅延クラス制御とシェイピング処理の実現法
を示す図
【図27】OBUFの構成例を示す図
【図28】CSHの構成例を示す図
【図29】ポリシングバッファのデータ構造を示す図
【図30】高速用ポリシングセルバッファの構成例を示
す図
【図31】RTDの構成例を示す図
【図32】RTD−RAMののアドレスマップを示す図
【図33】システム全体の機能試験を行うOMDIでサ
ポートされるOAM機能を示す図
【図34】ARMSWの無瞬断系の切り替えを説明する
為の図
【図35】セル処理機能を個々に備えて構築されるAT
M通信システムの全体的な構成を示す図
【図36】セル処理機能を個々に備えて構築されるAT
M通信システムの全体的な構成を示す図
【符号の説明】
ATMSW…ATM交換機 ASP…制御プロセッサ BUNI…ユーザ・ネットワーク・インターフェース BNNI…ネットワーク・ネットワーク・インターフェ
ース
フロントページの続き (72)発明者 熊木 良成 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セル交換を行うATMスイッチに対して入
    力するセルおよび該ATMスイッチから出力されたセル
    の少なくとも一方を処理するセル処理装置であって、 設定されている個々のコネクションに関する情報を保持
    する第1の記憶手段と、 前記第1の記憶手段に保持された前記個々のコネクショ
    ンに関する情報のエントリを参照するために使用するア
    ドレス情報を保持する第2の記憶手段と、 入力されたセルのVPIおよびVCIのビットパターン
    のうちの一部分に基づいて、前記第2の記憶手段に保持
    されているアドレス情報のうちから、該入力されたセル
    の属するコネクションに対応するものを選択する手段
    と、 この選択されたアドレス情報のビットパターンと、入力
    された前記セルのVPIおよびVCIのビットパターン
    のうちの一部分とを用いて、前記第1の記憶手段にアク
    セスして、予め定められた参照処理を行う手段とを備え
    たことを特徴とするセル処理装置。
  2. 【請求項2】セル交換を行うATMスイッチと、該AT
    Mスイッチに対して入出力するセルを処理する複数のセ
    ル処理装置とを備えたATM通信システムであって、 前記セル処理装置の各々は、 設定されている個々のコネクションに関する情報を保持
    する第1の記憶手段と、 前記第1の記憶手段に保持された前記個々のコネクショ
    ンに関する情報のエントリを参照するために使用するア
    ドレス情報を保持する第2の記憶手段と、 入力されたセルのVPIおよびVCIのビットパターン
    のうちの一部分に基づいて、前記第2の記憶手段に保持
    されているアドレス情報のうちから、該入力されたセル
    の属するコネクションに対応するものを選択する手段
    と、 この選択されたアドレス情報のビットパターンと、入力
    された前記セルのVPIおよびVCIのビットパターン
    のうちの一部分とを用いて、前記第1の記憶手段にアク
    セスして、予め定められた参照処理を行う手段とを備え
    たことを特徴とするATM通信システム。
  3. 【請求項3】セル交換を行うATMスイッチと、該AT
    Mスイッチに対して入力するセルを処理する複数のセル
    処理装置とを備えたATM通信システムであって、 前記セル処理装置の各々は、 伝送路から入力されたセルの論理VCIを、前記ATM
    スイッチの内部での経路を指定するルーティングタグ情
    報を少なくとも含むルーティングタグテーブルを参照す
    るための物理VCIに変換する手段と、 前記論理VCIから物理VCIへの変換に失敗した場合
    に、前記入力されたセルを廃棄させるための制御を行う
    手段とを備えたことを特徴とするATM通信システム。
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