JP3096435B2 - 斜面施工のグラウンドアンカー - Google Patents

斜面施工のグラウンドアンカー

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JP3096435B2
JP3096435B2 JP09037001A JP3700197A JP3096435B2 JP 3096435 B2 JP3096435 B2 JP 3096435B2 JP 09037001 A JP09037001 A JP 09037001A JP 3700197 A JP3700197 A JP 3700197A JP 3096435 B2 JP3096435 B2 JP 3096435B2
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泰弘 山田
邦光 山田
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建設基礎エンジニアリング株式会社
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は地盤に掘削した削
孔内に挿入して定着し、構造物を固定するなどに使用す
るグラウンドアンカーに関するものであり、特に、斜面
施工において地盤の滑りが生じても破損し難いグラウン
ドアンカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】斜面施工において、斜面にブロックや構
造物を固定するために地盤に埋設したアンカーが使用さ
れる。このアンカーのひとつとして、地盤に固定する剥
出しの定着長部と伸びを許容するために薄肉のアンボン
ドシースの中に通した自由長部を備えた引張材を使用
し、この引張材複数本を束ねて定着長部は異形シースの
中に通し、自由長部は合成樹脂シースの中に通して、地
盤に掘削した削孔の中に挿入してシースの中と削孔の中
にグラウト材を注入して定着するグラウンドアンカーが
採用されている。
【0003】斜面の地盤に埋設するグラウンドアンカー
において、大きな課題のひとつとして、長期間に渡って
恒常的に徐々に進行する斜面の地滑りの問題がある。図
3及び図4に示すように、地盤に形成した削孔aにグラ
ウンドアンカーbを挿入するのであるが、定着長部cは
安定した岩盤に定着しても、自由長部dは比較的不安定
な地盤の中に位置している。この不安定な地盤で生じる
のが地滑りである。すなわち不安定な地盤は地滑り面e
を境にして、それより地上側の地盤が大規模に徐々に滑
り続けるという現象が生じる。これが恒常的に生じてい
る地滑り現象であって、その滑り速度は一日ごとに1〜
2mm程度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この地滑りによって生
じるのが、地滑り面とともにアンカーの自由長部が下方
へ沈下し、図4に示すように地滑り面eを境にして自由
長部の一部が大きく屈曲してしまうことである。つま
り、不安定な地盤の中に存在する自由長部は地滑りとと
もに沈下するが、安定した岩盤の中に定着した定着長部
は沈下しないため、この捩れのような現象が生じるので
ある。自由長部シースが合成樹脂のため、本来伸びる性
質のものであるが、削孔内で周囲のグラウト材gと付着
しているため伸びることが出来ない。従って、このよう
に捩れた部分では局部的に伸びが集中して、部分的にク
ラックfが発生したり破断してしまうことがあった。こ
のクラックfを通って水が内側に浸入し、中の引張材を
腐食させ、引張材が破断してしまう事故が生じることも
あった。
【0005】このために、自由長部の外周であって、地
滑り面近くに剛性の高いパイプを配して、パイプの剛性
によって地滑り面の境近くに地滑りの圧力が集中して
も、これに耐え得るように工夫することが考えられる。
しかしながら、パイプの中に通した部分は地滑りの圧力
から守られるが、パイプから出た部分、つまりはパイプ
よりも地上側の部分がやはり地滑りとともに沈下するた
め、同じようにこの部分で捩れが生じて、この部分が破
損することがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は以上のような
課題を解決するためになされたもので、グラウンドアン
カーの自由長部において、捩れが生じる部分のシースの
伸びが可能とすることにより、シースが破断しないよう
にするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明にかかる斜面施工のグラ
ウンドアンカーでは、自由長部シースの自由な伸びを確
保するために、自由長部シースの所望部分の外周に周囲
のグラウト材と付着させないよう離剥部材を被せるもの
である。離剥部材としては様々な材質のものが使用で
き、例えば合成樹脂製の薄い皮膜状のシートで形成して
もよいし、合成樹脂製やアルミニウムなどの金属製の薄
い肉厚のものによって形成してもよい。ともあれ、離剥
部材は自由長部シースの屈曲を阻害するようなものでな
く、シースの周囲にあってもシースとととに屈曲可能な
材質を使用する。
【0008】自由長部シースの所望部分には、外周表面
に滑り材を塗布したり吹付けたりして付着させる。滑り
材としては、潤滑油や摩擦軽減材などの様々な材料が使
用可能であり、自由長部シースと離剥部材との間に付着
させておき、両者が滑って、自由長部シースの自由な伸
びを許容するものであれば広く採用できる。この滑り材
を付着させた自由長部シースの部分の外周に、離剥部材
を被せる。離剥部材は自由長部シースの全長に配しても
よいが、少なくとも地滑り面近くに位置する定着長部側
に近接した部分に配する。離剥部材を配するのは、数メ
ートルから数十メートルに至ることもある。離剥部材は
シート状のものをシースの外周に巻き付けるようにして
もよいし、予め筒状にしたものを被せるようにしてもよ
い。
【0009】このようなグラウンドアンカーを削孔内に
挿入する。グラウンドアンカーの定着長部は安定地盤ま
で到達させ、自由長部の離剥部材を配した部分は、地盤
の地滑り面が生じる可能性の高い箇所まで至らせる。つ
まりは自由長部シースのうち地盤の地滑り面に位置する
部分に、相当な長さに渡って滑り材を付着させ、この外
周に剥離部材を配するものである。この削孔にセメント
ミルクなどのグラウト材を注入する。自由長部シースの
離剥部材を配した部分は、グラウト材と付着する。しか
し、それに対応する自由長部シースの外周には滑り材が
付着しているため、シースの自由な伸びが可能である。
【0010】地滑り面を境に地盤の地上側が滑ったと
き、自由長部シースの当該部分が地滑りとともに屈曲し
て沈下する。このとき、削孔の中のグラウト材は離剥部
材に付着していており、内部の自由長部シースは滑り材
によって自由の伸びることが可能であって、屈曲して沈
下した分自由長部シースが伸びる。地滑りは一日に1m
m程度の移動であるため、自由長部の伸びは僅かずつ徐
々に伸びることとなってシースも内部の引張材も破断や
損傷することがない。
【0011】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づき、この発明を
詳細に説明する。図1において1は合成樹脂であるポリ
エチレンから成る自由長部シースであって、その自由長
部シース1に連続してステンレス製で周囲に凹凸を有す
る異形シース2が連結してある。異形シース2としては
その他、合成樹脂製の異形シース、鋼製の異形シース、
亜鉛メッキ異形鋼製シースや異形のステンレス鋼製シー
スなどもある。シース1・2の内部には、鋼より線であ
る引張材3が複数本配してある。各引張材3の自由長部
シース1内に位置している部分は、薄肉の合成樹脂製の
アンボンドシース4の中に配してある。また各引張材3
の異形シース2の中には、剥出しとなって配してある。
【0012】自由長部シース1の異形シース2に近接し
た部分数メートルには、外周面に摩擦軽減材5が塗布し
てある。その外側には筒状で合成樹脂製の離剥部材6が
被せてある。以上のようなグラウンドアンカーを地盤に
形成した削孔7内に挿入するのであるが、離剥部材6が
挿入中にズレないようテープ等で仮止めしておく。削孔
7中では、自由長部シース1のうち離剥部材6を被せた
部分を、地盤の地滑り面8が生じる可能性の高い処に配
置する。
【0013】削孔7内に配した自由長部シース1と異形
シース2の内部と削孔7内壁との間にグラウト材9であ
るセメントミルクを注入する。異形シース2内の剥出し
となった引張材3は周囲のグラウト材9と付着し、異形
シース2はその外側のグラウト材9と付着して、削孔7
内に定着する。自由長部シース1内の引張材3はアンボ
ンドシース4の中に通してあるため、周囲のグラウト材
9と付着せず自由に伸びることが可能である。自由長部
シース1のうち離剥部材6を被せた部分も、離剥部材6
がグラウト材9と付着しており、また摩擦軽減材5によ
って自由に伸びることが可能となっている。
【0014】図2に示すように、地滑り面8を境に、そ
れから地上の地盤が徐々に滑り出していく。この動きに
押し下げられるように、アンカーの自由長部も沈下す
る。アンカーの定着長部が位置している地盤は滑らない
ため、自由長部のうち、滑り面近くに位置する部分は上
り面に沿って上部より押し切られるように曲げやせん断
力により押し下げられる。このとき自由長部シース1は
離剥部材6によって自由な伸びが可能となっているた
め、地滑りの恒常的な進行に伴って徐々に伸びる。内部
の引張材3もアンボンドシース4によって伸びが可能と
なっており、地滑りの進行とともに伸びる。自由長部シ
ース1は離剥部材6によって相当な長さが自由に伸びる
ため、地滑りの進行によるケーブルの全長に発生する伸
び量の多くを、この長い長さによって吸収することとな
ってシース1に亀裂が生じたり、破断することがなくな
る。
【0015】
【発明の効果】この発明は以上のような構成を有し、自
由長部シースのうち地盤の地滑り面に位置する部分に、
相当な長さに渡って滑り材を付着させ、この外周に離剥
部材を配したため、自由長部シースの離剥部材を配した
部分がグラウト材と付着せず自由な伸びが可能となって
いる。従って、地滑り面を境に恒常的な地滑りが生じた
場合、自由長部シースが相当の長さが徐々に伸びて伸び
が集中しない。これによりシースにクラックが発生した
り破断することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる斜面施工のグラウンドアンカ
ーの一実施例の一部切り欠き断面図である。
【図2】地滑りが生じた際のグラウンドアンカーの動き
を示す断面図である。
【図3】従来の斜面施工のグラウンドアンカーの一例の
断面図である。
【図4】地滑りにより自由長部シースにクラックが生じ
た例の断面図である。
【符号の説明】
1 自由長部シース 2 異形シース 3 引張材 4 アンボンドシース 5 摩擦軽減材 6 離剥部材 7 削孔 8 地滑り面 9 グラウト材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 5/74 - 5/80 E02D 17/20 106

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の引張材を束ねて、自由長部は合
    成樹脂から成る自由長部シースの中に配し、定着長部は
    剥出しのまま異形シースの中に配し、自由長部シースの
    外側であって、少なくとも定着長部に近接した側の一部
    外周に滑り材を付着させ、その滑り材を付着させた外周
    に屈曲可能な離剥部材を配し、地盤に掘削形成した削孔
    内に挿入して地盤の地滑り面に位置する部分に前記剥離
    部材を配して、削孔とシース内にグラウト材を注入して
    定着させ、自由長部シースの離剥部材を外周に配した部
    分を削孔内のグラウト材と付着させずに伸長可能として
    なる斜面施工のグラウンドアンカー。
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