JP3089951U - クラスプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装以外の彩色手段により、加工容易でしか
も彩色部分が剥離し難く耐久性に優れたクラスプが無か
ったので、剥離しない部分着色、文字入れおよび絵柄等
のデザインができる彩色手段により着色デザインされた
クラスプを提供する。 【解決手段】 金属表面に凹部（２）を設けたクラスプ
（１０）本体と、前記凹部（２）に充填する着色可能な
可塑性の充填物（３）とを備えた

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ネックレスを形成する連珠糸の両端部にそれぞれ結び付けられた連 結用の留め金具であり、ネックレスを首に着脱する際にネックレスの輪を開いた り閉じたりする、連結と離脱を自在とする留め金具（以下、「クラスプ」と称す る）に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のクラスプにおいては、金属で構成されたクラスプ本体の表面に、地金と は異なる彩色の文字や絵柄をペイント塗装により形成しても、装身具であるクラ スプの性質上、肌に直接触れる上、取り扱う手指により前記ペイント塗装面がこ すられたりするので、クラスプがある程度の期間使用されることによりペイント 塗装が剥げ落ちて見苦しくなる。従って、塗装以外の彩色手段が望まれていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、金属で構成されたクラスプ本体の表面に、塗装以外の彩色手段により 、模様の輪郭形状および彩色が自由自在なデザインを施すため、加工容易でしか も彩色部分が地金から剥離し難く、耐久性に優れたクラスプは無かった。そこで 、本考案は、剥離しない部分着色、文字入れおよび絵柄等のデザインが自由自在 にできる彩色手段により部分着色された模様等のあるクラスプを提供することを 目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、請求項１に係る考案は、金属表面に凹部を設けた クラスプ本体と、前記凹部に充填する着色可能な可塑性の充填物とを備えた。 このようにしたので、塗装に比べて各段に耐久性があり、剥離しない部分着色 、文字入れおよび絵柄等のデザイン模様等をあしらったクラスプができる。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下、図面に沿って、本考案による一実施例について説明する。 図１は本考案の一実施形態を示すクラスプ１０の正面図であり、そのクラスプ １０の両端部、すなわち左端に位置する固定環１１および右端に位置する係止ピ ン１２に真珠玉等の連殊２０の両端がそれぞれ連殊糸２１により結び付けられ、 ネックレス１００を構成している。

【０００６】 また、クラスプ１０の内部には図示しないバネやロック機構があり、上部に配 設されたプッシュボタン１３と連係動作することにより、クラスプ１０本体から 係止ピン１２を係止と離脱が可能になっている。例えば、特許３２５００９１号 で開示されているように、クラスプ１０本体の右側に開口した挿入口に、棒状の 係止ピン１２を挿入して係止し、プッシュボタン１３を押すとロック解除して係 止ピン１２を離脱する。

【０００７】 利用者がネックレス１００を身に着ける際は、クラスプ１０のプッシュボタン １３を押してロック解除すると、係止ピン１２がクラスプ１０本体から離脱し、 連殊２０の輪が開くので、ネックレス１００を首に掛けたり外したりできる。そ して、ネックレス１００を装着している時は外れないように連結状態をロックし て維持する。なお、クラスプ１０の着脱機構に関しては、本願考案の要件ではな いので、その詳細な図解および説明を省略する。したがって、クラスプ１０本体 に挿入される係止ピン１２において、挿入される先端に近い中程にくびれのある 棒状部分は図示していない。

【０００８】 金属板１の表面に、桜花模様を形成するように鋳造によって凹部２を刻設し、 その凹部２には、宝飾品業界で通称される「研ぎエポ」が施されている。この「 研ぎエポ」とは、刻設された凹部２に常温では溶融状態のエポキシ樹脂による充 填物３を凹部２の隅々までくまなく充填した後、約２８０℃に加熱することによ り充填物３を硬化する。そして、全体を冷ました後に、充填物３が密嵌された該 当部の表面およびその周辺を滑らかにするように、凹部２の周辺縁部に段差が無 くなり均一な平面になるまで、砥石等を用いて水をかけながら研磨し、金属板１ の表面と充填物３の表面を平らに仕上げる。

【０００９】 図２は図１に示したクラスプ１０の本体を構成する金属板１の表面に桜花模様 の施された部分で、その金属板を肉厚方向に断裁した断面図である。クラスプ１ ０の本体は外形がほぼ卵型ので、その卵の殻に相当する金属板１を肉厚方向に断 裁した断面は円弧状である。また、コ字状断面の凹部２は図示しない鋳型等によ り鋳造される。なお、本実施形態では凹部２が設けられた金属板１を鋳造して、 好結果を得ているが、鋳造に限らず、金型等により型押ししても良く、あるいは 、たがね等による打刻、彫刻刀による彫刻、またはエッチング等による腐蝕で凹 部２を形成しても構わない。このようにして形成された凹部２に「研ぎエポ」を 前述した手順通りに施して完成させる。

【００１０】 図３は他のデザインによる実施形態を示す、クラスプ１０ａ，１０ｂの正面図 であり、それぞれのクラスプ１０ａ，１０ｂを用いたネックレス１００ａ，１０ ０ｂの要部を拡大している。図３（ａ）に示すクラスプ１０ａはクラスプ本体に 筋引き模様を描いた実施形態の正面図であり、図３（ｂ）に示すクラスプ１０ｂ はクラスプ本体にロゴマークを描いた実施形態の正面図である。クラスプ１０ａ ，１０ｂともに凹部２には美観を増すように着色されたエポキシ樹脂が充填物３ として密嵌され、金属板１ａ，１ｂの表面に凹凸感の手触りが無くなるように磨 き上げられている。

【００１１】 なお、充填物３には着色されたエポキシ樹脂が用いられている。その理由は、 第１に、クラスプ１０，１０ａ，１０ｂを構成する金属板１，１ａ，１ｂの地 金または金属メッキでは出せない彩色を容易に実現できること、そして着色のみ ならず白、透明、半透明および中間色まであらゆる彩色が、顔料の混入次第でい かようにも表現自在である事。 第２に、大半のプラスチック材料に備わった熱可塑性または熱硬化性により、 複雑な形状で微細な凹部２にも、充填物３を溶融状態で充填し、温度変化させる などして硬化させれば、エポキシ系接着剤で接着したように、金属板１，１ａ， １ｂの凹部２に貼着して剥れ難い事。なお、一実施形態で説明したエポキシ樹脂 は熱硬化性であるが、その性質に限定するものではない。 第３に、金属板１，１ａ，１ｂを構成する銀等の貴金属材料と同一かつ同時の 研磨加工が可能なこと。具体的には、前述の砥石に水をかけながらの研磨加工で 、きれいに磨き上げられる事等があげられる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成したので、塗装に比べて各段に耐久性があ り、剥離しない部分着色、文字入れおよび絵柄等のデザインによる多種多様なク ラスプができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施形態を示すクラスプ本体の正
面図である。

【図２】 図１に示したクラスプの本体を構成する金属
板の表面に桜花模様の施された部分で、その金属板を肉
厚方向に断裁した断面図である。

【図３】 他のデザイン実施形態を示す、クラスプの正
面図であり、 （ａ）クラスプ本体に筋引き模様を描いた実施形態の正
面図である。 （ｂ）クラスプ本体にロゴマークを描いた実施形態の正
面図である。

【符号の説明】

１，１ａ，１ｂ 金属板 ２ 凹部 ３ 充填物 １０ クラスプ １１ 固定環 １２ 係止ピン １３ プッシュボタン ２０ 連珠 ２１ 連珠糸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属表面に凹部を設けたクラスプ本体
   と、前記凹部に充填する着色可能な可塑性の充填物とを
   備えたことを特徴とするクラスプ。