JP3075655B2

JP3075655B2 - ガス供給システムの安全装置

Info

Publication number: JP3075655B2
Application number: JP05200285A
Authority: JP
Inventors: 崇田中
Original assignee: Tokyo Gas Co Ltd
Current assignee: Tokyo Gas Co Ltd
Priority date: 1993-07-20
Filing date: 1993-07-20
Publication date: 2000-08-14
Anticipated expiration: 2015-08-14
Also published as: JPH0735593A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス遮断機能付きのガ
スメータと、互いに使用可能な最大流量の異なる複数の
ガス器具各々との間を配管により連結し、各配管にガス
器具に対応させてガス栓を設置してなるガス供給システ
ムの安全装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、家庭用のガスメータは、通過す
るガスの流量を計測する機能を有するとともに、ガス供
給圧力を圧力スイッチで検出して、ガスを使用していな
いときに圧力低下が検出された場合、また流量計を用い
て所定量以上のガス流量を検出した場合、所定期間以上
ガス流量を検出した場合などには、ガス遮断弁を駆動し
てガス流路を遮断させる構成となっている。これにより
配管中の漏洩や、不自然なガスの流出などを検出して、
事故を未然に防止し、安全性を保障するものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、こ
の種のガスメータを用いたガス供給システムでは、１の
ガスメータに対してファンヒータ、給湯器などの、互い
に使用可能なガス流量（最大流量）が異なる複数のガス
器具が接続され、各々に対応してガス栓が設置されてい
る。

【０００４】そのためガスメータを流れるガス流量が所
定の流量以下であっても、ガス栓に接続されているガス
器具の種類によっては、本来ガス遮断を行う必要がある
事態が発生しても、上述の安全機能が作動しない場合が
あった。

【０００５】たとえば、ファンヒータなどの使用可能な
ガス流量は、給湯器等のそれに比べて著しく少ないもの
（低カロリー）である。そのためガス供給システム全体
として、ガス遮断の基準となる流量（規定流量）は、給
湯器等における高カロリー側の最大流量に設定してい
た。一方、ファンヒータ用のガス栓の設置部において、
給湯器が接続されているガス栓と同じ流量のガスが流れ
ていることが検出された場合には、本来、ファンヒータ
が正常に使用されていないと判断して、ガスを遮断する
必要がある。しかし、従来のガス供給システムでは、ガ
スメータ側においてガス栓別の流量を把握することがで
きないため、ファンヒータが接続されているガス栓では
規定流量以下である、としてガスを遮断することがなか
った。

【０００６】すなわち、従来のガス供給システムでは、
この状態が所定の時間経過しない限り、前述の安全機能
が作動しなかった。そのためファンヒータなどの低カロ
リーガス器具には本来の最大流量以上のガスが供給され
ることとなり、そのため燃焼性能が損なわれたり、さら
には危険な状態になるという問題があった。

【０００７】また、従来のガス供給システムにおいて
は、各ガス栓の開閉状況、すなわちガス器具の使用状態
を把握することができないため、ガス器具別に使用料金
を計算するための作業が煩雑であるという問題があっ
た。

【０００８】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、互いに使用可能なガスの最大流量が
異なる複数のガス器具の使用状況をガスメータ側におい
て把握することが可能であり、ガス器具毎の最大流量が
異なることに起因するガス事故を未然に防止することが
できるガス供給システムの安全装置を提供することにあ
る。

【０００９】本発明は、また、ガス器具別の料金計算等
の作業が容易になり、複数のガス器具の集中管理に好適
なガス供給システムの安全装置を提供することを目的と
する。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
供給ガスの供給を遮断するためのガス遮断手段を有する
ガスメータと、互いに使用可能な最大流量の異なる複数
のガス器具各々との間を配管により連結し、前記配管に
ガス流路の開閉を行うためのガス栓を各ガス器具毎に設
置してなるガス供給システムに適用される安全装置であ
って、前記ガス栓毎に設けられ、前記ガス栓各々の開閉
状態を検出するガス栓開閉状態検出手段と、このガス栓
開閉状態検出手段によりガス栓の開状態が検出されたと
きに、前記ガス栓近傍を通過する供給ガスの流量を検出
するガス流量検出手段と、前記ガス栓開閉状態検出手段
の検出結果に応じて開閉信号を送信するとともに、前記
ガス流量検出手段の検出結果を受けてガス流量検出信号
を送信する送信手段と、前記ガスメータ側に設けられ、
前記送信手段から送信された前記開閉信号およびガス流
量検出信号各々を受信する受信手段と、前記ガス栓別に
設定された最大流量データが格納される記憶手段と、前
記受信手段の受信結果を受けて、前記ガス流量検出手段
により検出されたガス流量が前記記憶手段に格納された
ガス栓別の最大流量を越えているか否かを判断し、検出
されたガス流量がガス栓別の最大流量を越えていると判
断したとき、または最大流量内であっても予め定めた時
間以上ガスが流れていると判断したときに前記ガスメー
タにおけるガス遮断手段を動作させる制御手段とを備え
ている。

【００１１】このガス供給システムの安全装置では、ガ
ス栓開閉状態検出手段によりガス栓各々の開閉状態が検
出され、開状態が検出されたときには、ガス流量検出手
段によりそのガス栓近傍を通過する供給ガスの流量が検
出される。そして、送信手段からは、ガス栓開閉状態検
出手段の検出結果に応じて開閉信号が送信されるととも
に、ガス流量検出手段の検出結果を受けてガス流量検出
信号が送信される。送信手段から送信された開閉信号お
よびガス流量検出信号は各々、ガスメータ側に設けられ
た受信手段により受信される。この受信手段の受信結果
を受けて、制御手段では、ガス流量検出手段により検出
されたガス流量が記憶手段に格納されたガス栓別の最大
流量を越えているか否かを判断し、その結果、検出され
たガス流量がガス栓別の最大流量を越えていると判断し
たとき、あるいは最大流量内であっても予め定めた時間
以上ガスが流れていると判断したときには、ガスメータ
に設けられたガス遮断手段が動作してガス流路を遮断す
る。

【００１２】すなわち請求項１記載の安全装置では、ガ
ス栓毎の使用状況および異常事態の発生状況がガスメー
タ側において把握されるとともに、異常事態が発生した
ときにガスメータからのガス供給が停止される。これに
より、互いに使用可能な最大流量が異なる複数種類のガ
ス器具を使用している場合におけるガス事故を未然に防
止できる。

【００１３】請求項２記載の発明は、請求項１記載の安
全装置において、前記配管を導電性材料により形成し、
各ガス栓側の送信手段からの送信信号を配管を介してガ
スメータ側の受信手段へ送信させるものであり、各ガス
栓側からガスメータ側への開閉信号およびガス流量検出
信号の送信を効率的に行うことができる。

【００１４】請求項３記載の発明は、供給ガスの供給を
遮断するためのガス遮断手段を有するガスメータと、互
いに使用可能な最大流量の異なる複数のガス器具各々と
の間を配管により連結し、前記配管にガス流路の開閉を
行うためのガス栓を各ガス器具毎に設置してなるガス供
給システムに適用される安全装置であって、前記ガス栓
毎に設けられ、前記ガス栓各々の開閉状態を検出するガ
ス栓開閉状態検出手段と、このガス栓開閉状態検出手段
によりガス栓の開状態が検出されたときに、前記ガス栓
近傍を通過する供給ガスの流量を検出するガス流量検出
手段と、前記ガス栓開閉状態検出手段の検出結果に応じ
て開閉信号を送信するとともに、前記ガス流量検出手段
の検出結果を受けてガス流量検出信号を送信する送信手
段と、前記ガスメータ側に設けられ、前記送信手段から
送信された前記開閉信号およびガス流量検出信号各々を
受信する受信手段と、前記ガス栓別に設定された最大流
量データが格納される記憶手段と、前記受信手段の受信
結果を受けて、前記ガス流量検出手段により検出された
ガス流量が前記記憶手段に格納されたガス栓別の最大流
量を越えているか否かを判断し、検出されたガス流量が
ガス栓別の最大流量を越えていると判断したとき、また
は最大流量内であっても予め定めた時間以上ガスが流れ
ていると判断したときに前記ガスメータにおけるガス遮
断手段を動作させる制御手段と、前記受信手段の受信結
果を受けて、前記複数のガス器具各々の使用状況を表示
する表示手段とを備えている。

【００１５】このガス供給システムの安全装置は、請求
項１記載のものに加え、受信手段の受信結果により複数
のガス器具各々の使用状況を表示するための表示手段を
設けたものである。これによりガス料金計算等の作業が
容易になる。

【００１６】請求項４記載のガス供給システムの安全装
置は、請求項３記載の表示手段に、前記複数のガス器具
各々における異常状態の発生の有無を表示する機能を持
たせたものであり、請求項３記載のものに比較してさら
に安全管理が容易になる。

【００１７】請求項５記載の発明は、供給ガスの供給を
遮断するための第１のガス遮断手段を有するガスメータ
と、互いに使用可能な最大流量の異なる複数のガス器具
各々との間を配管により連結し、前記配管にガス流路の
開閉を行うためのガス栓を各ガス器具毎に設置してなる
ガス供給システムに適用される安全装置であって、前記
ガス栓各々に設けられ、前記配管のガス流路を遮断する
ための第２のガス遮断手段と、前記ガス栓毎に設けら
れ、前記ガス栓の開閉状態を検出するガス栓開閉状態検
出手段と、このガス栓開閉状態検出手段によりガス栓の
開状態が検出されたときに、前記ガス栓近傍を通過する
供給ガスの流量を検出するガス流量検出手段と、前記ガ
ス栓開閉状態検出手段の検出結果に応じて開閉信号を送
信するとともに、前記ガス流量検出手段の検出結果を受
けてガス流量検出信号を送信し、かつ前記第２のガス遮
断手段に対する個別ガス遮断信号を受信する第１の送受
信手段と、前記ガス栓別に設定された最大流量データが
格納される記憶手段と、前記ガスメータ側に設けられ、
前記第１の送受信手段から送信された前記開閉信号およ
びガス流量検出信号各々を受信するとともに、前記第１
の送受信手段へ前記個別ガス遮断信号を送信する第２の
送受信手段と、この第２の送受信手段の受信結果を受け
て、前記ガス流量検出手段により検出されたガス流量が
前記記憶手段に格納されたガス栓別の最大流量を越えて
いるか否かを判断し、最大流量を越えていると判断した
とき、または最大流量内であっても予め定めた時間以上
ガスが流れていると判断したときに前記第２の送受信手
段に対して前記個別ガス遮断信号を送信するよう指示
し、前記第２のガス遮断手段を駆動させる制御手段とを
備えたものである。

【００１８】このガス供給システムの安全装置では、ガ
ス栓開閉状態検出手段によりガス栓の開状態が検出され
ると、ガス流量検出手段によりガス栓近傍を通過する供
給ガスの流量が検出される。そして、第１の送受信手段
からは、ガス栓開閉状態検出手段の検出結果に応じて開
信号が送信されるとともに、ガス流量検出手段の検出結
果を受けてガス流量検出信号が送信される。第１の送受
信手段から送信された開信号およびガス流量検出信号は
各々、ガスメータ側に設けられた第２の送受信手段によ
り受信される。この第２の送受信手段の受信結果を受け
て、制御手段では、ガス流量検出手段により検出された
ガス流量がガス栓別の最大流量を越えていると判断し、
あるいは最大流量内であっても予め定めた時間以上ガス
が流れていると判断すると、第２の送受信手段から該当
するガス栓に対して個別ガス遮断信号を送信させる。こ
の個別ガス遮断信号はガス栓側に設けられた第１の送受
信手段により受信され、この受信結果に基づいて第２の
ガス遮断手段によりガス栓におけるガス流路が遮断され
る。

【００１９】すなわちこのガス供給システムの安全装置
では、特定のガス器具において異常事態が発生したとき
には、異常事態が発生したガス器具に対応して設置され
たガス栓のガス流路が遮断され、他のガス器具に対する
ガスの供給は続行される。

【００２０】請求項６記載の安全装置は、配管を導電性
材料により形成するとともに、第１の送受信手段と第２
の送受信手段との間の信号の送受信を前記配管を介して
行い、かつ第２の送受信手段から送信される個別ガス遮
断信号各々の周波数をガス栓毎に異ならせる構成とした
ものであり、これによりガス遮断をガス栓毎に確実に行
うことができる。

【００２１】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００２２】図１は本発明の一実施例に係るガス供給シ
ステム１の構成を表すものである。このガス供給システ
ム１は、ガスメータ１０と、互いに最大流量の異なる複
数のガス器具、たとえばファンヒータ、給湯器およびガ
スコンロ各々との間を、導電性材料たとえば鉄（Ｆｅ）
により形成された配管１３により連結し、この配管１３
を介して供給ガス１９を供給するものである。なお、本
実施例においてはガス器具として１のガス器具１２（た
とえばファンヒータ）のみを示し、他のガス器具の図示
は省略する。

【００２３】ガスメータ１０の内部には、ガス流路１１
ｃを有するガス管１１が配設されている。このガス管１
１は配管１３と同様に導電性材料により形成されてお
り、図示しない連結手段により配管１３と接続されてい
る。すなわち都市ガス等の供給ガス１９は、このガス管
１１のガス流入口１１ａから流入し、ガス流路１１ｃを
通過した後ガス流出口１１ｂから流出し、さらに配管１
３を通ってガス器具１２へ供給されるようになってい
る。ガス流路１１ｃには図示しないが異常時においてガ
ス流路１１ｃを遮断するためのガス遮断弁（第１のガス
遮断手段）が配設されている。

【００２４】ガス器具１２近傍の配管１３には、ガス器
具１２に対応してガス栓１４が設置されている。ガス栓
１４の内部にはガス栓開閉状態検出手段としてのガス栓
操作検出スイッチ１４ａが設けられている。このガス栓
操作検出スイッチ１４ａはオン・オフ状態に応じて、作
業者によるガス栓１４の操作の有無、すなわちガス器具
１２の使用状態を示す信号を制御器２０へ出力するよう
になっている。ガス栓１４とガス器具１２との間はたと
えばゴム管１５により連結されている。

【００２５】配管１３のガス栓１４近傍位置にはガス流
量計１６が設置されている。このガス流量計１６は、配
管１３内を流れる供給ガス１９の流量を検出するもの
で、その検出信号は制御器２０へ出力されるようになっ
ている。さらにこの配管１３のガス流量計１６の近傍に
は送信手段としての送信装置１７が設置されている。送
信装置１７は、制御器２０の制御により、ガス栓操作検
出スイッチ１４ａおよびガス流量計１６の各出力信号に
基づいて開信号ａ、閉信号ｂおよび流出検出信号ｃそれ
ぞれを導電性の配管１３を通じてガスメータ１０側へ送
信するものである。

【００２６】一方、ガスメータ１０内のガス流出口１１
ｂの近傍には受信装置１８が設置され、送信装置１７か
ら配管１３を介して送信された開信号ａ、閉信号ｂおよ
び流量検出信号ｃを受信するようになっている。ここで
開信号ａ、閉信号ｂおよび流量検出信号ｃは互いに周波
数が異なるように設定されている。すなわち受信装置１
８では、周波数解析を行うことにより各信号の区別を行
うようになっている。なお、以上の構成は図示しない他
のガス器具においても同様である。

【００２７】図２は本実施例のガス供給システム１の安
全装置における制御部の構成を表すものである。ガス栓
側システム２１の制御器２０は、ガス栓操作検出スイッ
チ１４ａおよびガス流量計１６の各出力信号を受けて送
信装置１７から配管１３を介して開信号ａ、閉信号ｂお
よび流量検出信号ｃ各々を送信させる。

【００２８】一方、ガスメータ１０にはメモリ２２ａを
内蔵した制御部２２が設けられている。制御部２２に
は、受信装置１９が受信した開信号ａ、閉信号ｂおよび
流量検出信号ｃが順次入力されるようになっている。こ
の制御部２２は、入力した信号ａ〜ｃを基に、検出され
た流量がガス器具１２で使用可能なガス栓１４別の最大
流量を越えているか否かを判断するもので、検出された
流量が最大流量以上であるときには、ガス供給系統に異
常事態が発生したとしてガス遮断弁２３を駆動させるよ
うになっている。なお、メモリ２２ａにはガス器具１２
に対する最大流量が記憶されているとともに、ガス器具
１２から開信号ａが送られてきたときにはそれを記憶す
るようになっている。

【００２９】次に、本実施例のガス供給システム１の安
全装置における動作について図３に示す流れ図に沿って
説明する。

【００３０】先ず、ガス栓１４を含むガス栓側システム
２１では、制御器２０が、ガス栓操作検出スイッチ１４
ａの出力信号を受けて送信装置１７から開信号ａまたは
閉信号ｂを送信させる。そしてガス栓操作検出スイッチ
１４ａがオン状態となり、ガス栓１４が開放されたとき
には、開始信号ａとともに、ガス流量計１６の出力信号
を基に流量検出信号ｃを送信させる。これら信号は配管
１３を介してガスメータ１０側の受信装置１８で受信さ
れる。

【００３１】ガスメータ１０側の制御部２２では、受信
装置１８が開信号ａを受信する（ステップＳ３００）
と、ガス器具１２の使用が開始されたとして、これをメ
モリ２２ａに記憶させる（ステップＳ３０１）。続いて
流量検出信号ｃを受信する（ステップＳ３０２；Ｙ）
と、制御部２２では、検出した流量と予めメモリ２２ａ
に記憶したガス器具１２の最大流量とを比較（ステップ
Ｓ３０３）し、最大流量を越えている場合（Ｎ）には、
たとえばガス栓１４とガス器具１２との間のゴム管１５
等が外れたことによりガス供給系統に異常が発生したと
してガス遮断弁２２を閉止させ、ガス流路１１ｃを遮断
する（ステップＳ３０４）。

【００３２】また、検出された流量が最大流量内（ステ
ップＳ３０３；Ｙ）であっても、予め定めた所定時間以
上ガス流量を検出したとき（ステップＳ３０５；Ｎ）に
は、制御部２２は同様にガス遮断弁２２を閉止させ、ガ
ス流路１１ｃを遮断する（ステップＳ３０４）。

【００３３】このように本実施例のガス供給システム１
では、ガスメータ１０側において、ガス器具１２におけ
るガス栓１４の開閉状況およびガス流量（すなわちガス
使用量）を把握することができる。また、ガス栓１４が
開状態のときに最大流量以上の供給ガス１９が流れた場
合、あるいは最大流量以内であっても所定の時間以上供
給ガス１９が流れている場合には、何れもガス流路１１
ｃが遮断されるので、ガス事故の発生を未然に防止する
ことができる。

【００３４】さらに本実施例では、ガス器具（ファンヒ
ータ）１２と同様に、ガスメータ１０側において、図示
しない給湯器およびガスコンロにおけるガス栓１４の開
閉状況およびガス使用量も把握することができる。

【００３５】すなわち、ガス栓１４の開放状態を示す開
信号ａ、ガス栓１４の閉止状態を示す閉信号ｂ、および
ガス流量計１６の流量検出信号ｃ各々を、図４に示した
ように、ガス器具（ファンヒータ）１２においては
ａ₁、ｂ₁、ｃ₁、給湯器においてはａ₂、ｂ₂、
ｃ₂、およびガスコンロにおいてはａ₃、ｂ₃、ｃ₃と
いうように、各器具毎に異なる周波数に設定し、これを
制御部２２のメモリ２２ａに記憶させておくもので、こ
れにより各信号を区別し、何れのガス器具側からの信号
であるかを判別することができる。

【００３６】したがって本実施例では、全てのガス器具
の使用状況およびガス使用量をガスメータ１０側におい
て把握することが可能であり、さらに何れか１のガス器
具において異常状態が発生した場合には、これを的確に
検知し、供給ガス１９を遮断することができる。これに
より、互いに最大流量の異なる複数のガス器具を使用し
ている場合におけるガス事故の発生を確実に防止するこ
とができる。

【００３７】また、本実施例では、送受信のための各種
信号を導電性の配管１３を通じて行う構成としたので、
信号伝送を効率的に行うことができ、経済的にも優れて
いる。

【００３８】図５は、本発明の他の実施例の構成を表す
ものである。本実施例では、上記実施例のガス供給シス
テム１におけるガスメータ１０と、ガス会社における管
理システム３０との間を、たとえば電話線３１により接
続し、ガスメータ１０側の制御部２２から管理システム
３０側の制御部３２に対して特定のガス器具１２の使用
状況および異常状態の発生状況を知らせる構成としたも
のである。

【００３９】管理システム３０側では、表示部３３が設
けられている。この表示部３３には各ガス器具１２毎に
使用状態を点灯により報知するための使用ランプ３
４₁、３４₂、３４₃および異常状態の発生を点滅によ
り報知するための異常ランプ３５₁、３５₂、３５₃が
それぞれ設けられている。なお、その他の構成は上記実
施例と同様であるので、その説明は省略する。

【００４０】したがって本実施例では、ガス会社におい
て各家庭の全ての、あるいは特定のガス器具１２の使用
状況および異常事態の発生状況を容易に把握することが
できる。また、これらの情報を基に器具別使用料金の計
算を容易に行うことができ、作業効率が向上する。

【００４１】図６は本発明のさらに他の実施例に係るガ
ス供給システム２の構成を表すものである。

【００４２】本実施例のガス供給システム２では、ガス
メータ１０側とガス器具１２側との間で双方向に発信お
よび受信ができる構成としたものであり、ガス器具１２
側のガス栓１４部分にガス遮断機能を持たせたものであ
る。なお、図１の実施例と同一構成部分については同一
符号を付してその説明は省略する。

【００４３】本実施例では、ガス栓１４の近傍の配管１
３に対して送信装置１７に対応する位置に受信装置４１
が設置され、この受信装置４１と送信装置１７とにより
第１の送受信手段を構成している。一方、ガスメータ１
０側では、内部のガス管１１に対して受信装置１８に対
向する位置に送信装置４０が設置されており、この送信
装置４０と受信装置１８とにより第２の送受信手段を構
成している。

【００４４】また、ガス栓１４の内部にはガス栓操作検
出スイッチ１４ａとともに、電磁弁等のガス遮断弁４２
（第２の送受信手段）が内蔵されており、ガス栓１４側
において配管１３の流路を遮断できるようになってい
る。

【００４５】図７は、本実施例のガス供給システム２に
おける安全装置の制御部の構成を表すものである。本実
施例では、ガスメータ１０側の制御部２２は受信装置１
９が受信した前述の開信号ａ、閉信号ｂおよび流量検出
信号ｃを基に個別ガス遮断信号ｄを出力するもので、送
信装置４０はこのガス遮断信号ｄを配管１３を介してガ
ス栓１４側の受信装置４１に送信する。なお、この個別
ガス遮断信号ｄはガス器具１２の数に対応して異なる周
波数に設定されている。

【００４６】一方、ガス栓１４側に設置された受信装置
４１は配管１３を介して送信された個別ガス遮断信号ｄ
を受信し、制御器２０へ送るようになっている。制御器
２０はこの個別のガス遮断信号ｄが入力されると、ガス
遮断弁４２に対して駆動信号を送るようになっている。

【００４７】次に、図８および図９の流れ図を参照して
本実施例に係る安全装置の動作について説明する。

【００４８】本実施例では、先ず、図１の実施例と同様
に、ガス栓側システム２１では、制御器２０が、ガス栓
操作検出スイッチ１４ａの出力信号を受けて送信装置１
７から開信号ａまたは閉信号ｂを送信させる。そしてガ
ス栓操作検出スイッチ１４ａがオン状態となり、ガス栓
１４が開放されたときには、開始信号ａとともに、ガス
流量計１６の出力信号を基に流量検出信号ｃを送信させ
る。これら信号は配管１３を介してガスメータ１０側の
受信装置１８で受信される。

【００４９】ガスメータ１０側の制御部２２では、受信
装置１８が開信号ａを受信する（ステップＳ８００）
と、これをメモリ２２ａに記憶させる（ステップＳ８０
１）。続いて流量検出信号ｃを受信する（ステップＳ８
０２；Ｙ）と、制御部２２では、検出した流量と予めメ
モリ２２ａに記憶したガス器具１２の最大流量とを比較
（ステップＳ８０３）し、最大流量を越えている場合
（Ｎ）にはガス供給系統に異常が発生したとして、送信
装置４０に対して個別ガス遮断信号ｄを配管１３を介し
てガス栓１４側の受信装置４１へ送信させる（ステップ
Ｓ８０４）。

【００５０】個別ガス遮断信号ｄが受信装置４１により
受信される（ステップＳ９００）と、制御器２２はガス
栓１４におけるガス遮断弁４２を閉止させ、ガス器具１
２の直前において供給ガス１９を遮断する（ステップＳ
９０１）。

【００５１】なお、検出された流量が最大流量内（ステ
ップＳ８０３；Ｙ）であっても、制御部２２が予め定め
た所定時間以上ガス流量を検出したとき（ステップＳ８
０５；Ｎ）も上述と同様の動作が行われる。

【００５２】このように本実施例の安全装置では、特定
のガス器具１２において異常状態が発生したときには、
そのガス器具１２に対するガス栓１４においてガスの供
給が遮断され、その他のガス器具に対するガスの供給は
続行される。したがって図１に示した実施例に比べて、
ガス遮断を行う必要のないガス器具についてはそのまま
使用を続行することができ、より実使用に適したシステ
ムとなる。

【００５３】以上実施例を挙げて本発明を説明したが、
本発明は上記実施例に限定するものではなく、その要旨
を変更しない範囲で種々変形可能である。たとえば上記
実施例においては、ガスメータ１０とガス栓１４との間
の各種信号の送受信を導電性の配管１３を介して行う構
成としたが、別途配線を設け、この配線により送受信を
行う構成としても良く、さらに無線手段により送受信を
行う構成としても良い。

【００５４】

【発明の効果】以上説明したように請求項１記載のガス
供給システムの安全装置によれば、複数のガス器具に対
応して設けられたガス栓毎に、ガス栓各々の開閉状態を
検出するためのガス栓開閉状態検出手段を設けるととも
に、このガス栓開閉状態検出手段によりガス栓の開状態
が検出されたときに前記ガス栓近傍を通過する供給ガス
の流量を検出するガス流量検出手段を設け、さらにガス
栓開閉状態検出手段の検出結果に応じて開閉信号を送信
するとともにガス流量検出手段の検出結果を受けてガス
流量検出信号を送信するための送信手段を設け、一方、
ガスメータ側には、ガス栓側の送信手段から送信された
開閉信号およびガス流量検出信号各々を受信するための
受信手段を設け、この受信手段により受信した各ガス栓
毎のガス流量が、ガス栓別に設定された最大流量を越え
ている場合、あるいは最大流量内であっても予め定めた
時間以上ガスが流れている場合には、ガスメータ内にお
いてガスの供給を遮断させるようにしたので、ガス栓毎
の使用状況および異常事態の発生状況がガスメータ側に
おいて把握されるとともに、複数種類のガス器具を使用
している場合におけるガス事故を未然に防止でき、安全
性が向上するという効果を奏する。

【００５５】また、請求項２記載のガス供給システムの
安全装置によれば、ガスメータとガス栓とを接続するた
めの配管を導電性材料により形成したので、各ガス器具
側からガスメータ側への開閉信号およびガス流量検出信
号の送信を効率的に行うことができ、経済的になるとい
う効果を奏する。

【００５６】さらに請求項３記載のガス供給システムの
安全装置によれば、請求項１記載のものにおいて、受信
手段の受信結果により複数のガス器具各々の使用状況を
表示するための表示手段を設けるようにしたので、ガス
料金計算等の作業が容易になるという効果を奏する。

【００５７】また請求項４記載のガス供給システムの安
全装置によれば、表示手段に、複数のガス器具各々にお
ける使用状況および異常状態の発生の有無を表示する機
能を持たせるようにしたので、請求項３記載のものに比
較して安全管理がより容易になるという効果を奏する。

【００５８】さらに請求項５および６記載のガス供給シ
ステムの安全装置によれば、請求項１記載のものに加
え、ガスメータ側にも送信手段を設けるとともに、ガス
栓側にも受信手段を設け、ガスメータ側から各ガス栓に
対して個別ガス遮断信号を送信できる構成とし、各ガス
器具毎にガスを遮断できるようにしたので、異常状態が
発生したガス器具以外のガス器具に対するガスの供給を
続行させることができ、もって的確なガス遮断を行うこ
とができ、より実使用に適したシステムを提供できると
いう効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るガス供給システムの安
全装置の構成を一部断面して表す構成図である。

【図２】図１の安全装置の制御部の構成を表すブロック
図である。

【図３】図１の安全装置の動作を説明するための流れ図
である。

【図４】各ガス器具毎に設定される各種信号の周波数の
関係を説明するための図である。

【図５】本発明の他の実施例に係る安全装置を要部構成
を説明するためのブロック図である。

【図６】本発明のさらに他の実施例を説明するための構
成図である。

【図７】図６の安全装置の制御部の構成を表すブロック
図である。

【図８】図６の安全装置の動作を説明するための流れ図
である。

【図９】図６の安全装置の動作を説明するための流れ図
である。

【符号の説明】

１、２ガス供給システム１０ガスメータ１１ガス管１２ガス器具１３配管１４ガス栓１４ａガス栓操作検出スイッチ１６ガス流量計１７送信装置（ガス栓側）１８受信装置（ガスメータ側）１９供給ガス２０制御器（ガス栓側）２２制御部（ガスメータ側）２３ガス遮断弁（ガスメータ側）３３表示部３４₁〜３４₃ 使用ランプ３５₁〜３５₃ 異常ランプ４０送信装置（ガスメータ側）４１受信装置（ガス栓側）４２ガス遮断弁（ガス栓側）

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】供給ガスの供給を遮断するためのガス遮
断手段を有するガスメータと、互いに使用可能な最大流
量の異なる複数のガス器具各々との間を配管により連結
し、前記配管にガス流路の開閉を行うためのガス栓を各
ガス器具毎に設置してなるガス供給システムにおいて、前記ガス栓毎に設けられ、前記ガス栓各々の開閉状態を
検出するガス栓開閉状態検出手段と、このガス栓開閉状態検出手段によりガス栓の開状態が検
出されたときに、前記ガス栓近傍を通過する供給ガスの
流量を検出するガス流量検出手段と、前記ガス栓開閉状態検出手段の検出結果に応じて開閉信
号を送信するとともに、前記ガス流量検出手段の検出結
果を受けてガス流量検出信号を送信する送信手段と、前記ガスメータ側に設けられ、前記送信手段から送信さ
れた前記開閉信号およびガス流量検出信号各々を受信す
る受信手段と、前記ガス栓別に設定された最大流量データが格納される
記憶手段と、前記受信手段の受信結果を受けて、前記ガス流量検出手
段により検出されたガス流量が前記記憶手段に格納され
たガス栓別の最大流量を越えているか否かを判断し、検
出されたガス流量がガス栓別の最大流量を越えていると
判断したとき、または最大流量内であっても予め定めた
時間以上ガスが流れていると判断したときに前記ガスメ
ータにおけるガス遮断手段を動作させる制御手段とを備
えたことを特徴とするガス供給システムの安全装置。
【請求項２】前記配管を導電性材料により形成すると
ともに、前記送信手段から出力される送信信号を前記配
管を介して前記受信手段へ送信することを特徴とする請
求項１記載のガス供給システムの安全装置。
【請求項３】供給ガスの供給を遮断するためのガス遮
断手段を有するガスメータと、互いに使用可能な最大流
量の異なる複数のガス器具各々との間を配管により連結
し、前記配管にガス流路の開閉を行うためのガス栓を各
ガス器具毎に設置してなるガス供給システムにおいて、前記ガス栓毎に設けられ、前記ガス栓各々の開閉状態を
検出するガス栓開閉状態検出手段と、このガス栓開閉状態検出手段によりガス栓の開状態が検
出されたときに、前記ガス栓近傍を通過する供給ガスの
流量を検出するガス流量検出手段と、前記ガス栓開閉状態検出手段の検出結果に応じて開閉信
号を送信するとともに、前記ガス流量検出手段の検出結
果を受けてガス流量検出信号を送信する送信手段と、前記ガスメータ側に設けられ、前記送信手段から送信さ
れた前記開閉信号およびガス流量検出信号各々を受信す
る受信手段と、前記ガス栓別に設定された最大流量データが格納される
記憶手段と、前記受信手段の受信結果を受けて、前記ガス流量検出手
段により検出されたガス流量が前記記憶手段に格納され
たガス栓別の最大流量を越えているか否かを判断し、検
出されたガス流量がガス栓別の最大流量を越えていると
判断したとき、または最大流量内であっても予め定めた
時間以上ガスが流れていると判断したときに前記ガスメ
ータにおけるガス遮断手段を動作させる制御手段と、前記受信手段の受信結果を受けて、前記複数のガス器具
各々の使用状況を表示する表示手段とを備えたことを特
徴とするガス供給システムの安全装置。
【請求項４】前記表示手段は、前記複数のガス器具各
々における異常状態の発生の有無を表示する機能をさら
に有することを特徴とする請求項３記載のガス供給シス
テムの安全装置。
【請求項５】供給ガスの供給を遮断するための第１の
ガス遮断手段を有するガスメータと、互いに使用可能な
最大流量の異なる複数のガス器具各々との間を配管によ
り連結し、前記配管にガス流路の開閉を行うためのガス
栓を各ガス器具毎に設置してなるガス供給システムにお
いて、前記ガス栓各々に設けられ、前記配管のガス流路を遮断
するための第２のガス遮断手段と、前記ガス栓毎に設けられ、前記ガス栓の開閉状態を検出
するガス栓開閉状態検出手段と、このガス栓開閉状態検出手段によりガス栓の開状態が検
出されたときに、前記ガス栓近傍を通過する供給ガスの
流量を検出するガス流量検出手段と、前記ガス栓開閉状態検出手段の検出結果に応じて開閉信
号を送信するとともに、前記ガス流量検出手段の検出結
果を受けてガス流量検出信号を送信し、かつ前記第２の
ガス遮断手段に対する個別ガス遮断信号を受信する第１
の送受信手段と、前記ガス栓別に設定された最大流量データが格納される
記憶手段と、前記ガスメータ側に設けられ、前記第１の送受信手段か
ら送信された前記開閉信号およびガス流量検出信号各々
を受信するとともに、前記第１の送受信手段へ前記個別
ガス遮断信号を送信する第２の送受信手段と、この第２の送受信手段の受信結果を受けて、前記ガス流
量検出手段により検出されたガス流量が前記記憶手段に
格納されたガス栓別の最大流量を越えているか否かを判
断し、最大流量を越えていると判断したとき、または最
大流量内であっても予め定めた時間以上ガスが流れてい
ると判断したときに前記第２の送受信手段に対して前記
個別ガス遮断信号を送信するよう指示し、前記第２のガ
ス遮断手段を駆動させる制御手段とを備えたことを特徴
とするガス供給システムの安全装置。
【請求項６】前記配管を導電性材料により形成すると
ともに、前記第１の送受信手段と第２の送受信手段との
間の信号の送受信を前記配管を介して行い、かつ前記第
２の送受信手段から送信される個別ガス遮断信号各々の
周波数を前記ガス栓毎に異ならせることを特徴とする請
求項５記載のガス供給システムの安全装置。