JP3073012U - 滑り止めシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、非貼付対象物の表面の性状をその
まま保持して記号や機能或いはデザイン等の表示を不透
明にしたり変化を与えることなく、しかも使用資材の数
を少なくして製作コストが安価な滑り止めシートを実現
する。 【解決手段】 本考案は、シート状の透明な基材と、基
材の表面に固着された透明な粒子と、粒子を基材の表面
に接着して一部を露出して接着して固着する透明な接着
剤と、基材の裏面に粘着され被貼付対象物の粘着面にラ
イナーを設けた透明な粘着剤とを備えた滑り止めシート
を構成した。さらに、上記において、基材に可撓性の素
材を用いた滑り止めシートを構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

一般に、携帯電話のような携帯用の小型な電気機器や化粧用品或いは文房具類 等のケースには樹脂や金属が用いられ、外観が優美で表面は緻密に仕上げられて いて結果的に滑り易く作られている。したがって、携行時の突発的な周囲環境の の変化で歩行を早めたり姿勢を崩したりすると、ポケットに入れた携帯機器が突 然飛び出して落下するようなことがある。また、鏡に向かって化粧用小物入れの 蓋を開けた途端に、化粧用品が転がり出すようなときもある。携帯機器や化粧用 品等の落ちた所が畳や絨毯のような柔軟な場所の場合は支障がないが、陶器製の 洗面台や屋外の道路の堅い舗装面のような場所では破損して使用不能に陥るとい う不遇に嘆かねばならない。

【０００２】 本考案は滑り止めシートに係り、更に詳しくは、例えば上記のように携帯電話 等の滑り易い器具類は勿論のこと、床面等に貼付して滑りを防止できる滑り止め シートに関するものである。

【０００３】

【従来の技術】

この種の従来の類似した滑り止めシートとして、ここでは一般家庭の家屋の内 外の階段等に適用して滑りを防止する滑り止めシートが知られている。この従来 の滑り止めシートは工作加工等で使用される研磨布紙のように、アルミ箔やポリ エステルフィルム（ＰＥＴ）等の基材の表面に褐色のアルミナ粒子を接着剤で接 着して作られている。そして、接着工程で接着剤に顔料や染料が混入されて、黒 色等に着色されて不透明になっている。こうして製作された滑り止めシートが階 段や床面等の表面に貼り付けられて、基材上の粒子で形成された粗面で滑り止め の機能が果たせるようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の滑り止めシートは床面や階段等に貼り付られて、特に散水や雨 天の雨で濡れたときの滑べりを防いで足元の安全が図られるようになっている。 しかしながら、この種の従来の滑り止めシートは前述のように基材がアルミ箔で 接着工程では顔料等を加えており、視覚的には黒色等の暗色に着色されて不透明 に作られている。このため、資材部品が増えるばかりか、例えば板材に銘木等を 用いたときに折角の銘木の優れた木目の表示が貼り付られた滑り止めシートで隠 されるようなことになる。特に、前述の携帯機器等に貼付して滑り止め用に用い たときに、ケースの表面上に表示された記号や機能等の表示を不明瞭にして誤操 作したり読み取り不能にする等の問題点があった。

【０００５】 本考案は上述のような従来の問題点を解消するためになされたもので、透明な 滑り止めシートを構成して、非貼付対象物の表面の性状をそのまま保持して記号 や機能或いはデザイン等の表示の視認に妨害を与えることなく、しかも使用資材 の数を少なくして製作コストが安価な滑り止めシートを実現することを目的にす るものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、シート状の透明な基材と、基材の表面に固着された透明な粒子と、 粒子を基材の表面に接着して一部を露出して接着して固着する透明な接着剤と、 基材の裏面に粘着され被貼付対象物の粘着面にライナーを設けた透明な粘着剤と を備えた滑り止めシートを構成したものである。 また、上記において、基材に可撓性の素材を用いた滑り止めシートを構成した ものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を、図面を用いて説明する。 実施の形態１． 図１は本考案の実施の形態１の構成を示す断面図、図２は実施の形態１の使用 状態を示す断面図である。図１と図２において、１は滑り止めシートである。２ は滑り止めシート１の基材、３は基材２の表面側に一部を露出して固着された粒 子である。基材２にはポリエステルフィルム，ＡＢＳシート，ポリカーボネイト フィルム等が利用され、粒子３にはホワイトアルミナやガラス粉などが用いられ る。基材２と粒子３は共に透明材から成り、基材２については上記のような素材 で願わくば可撓性を備えることが望ましい。

【０００８】 粒子３の砥粒は２００〜５００（個数／２５．４ｃｍ² ）の範囲で、就中３０ ０〜４００が好ましく、粒径は１２μｍ程度の大きさのものが適する。４は粒子 ３を基材２に接着するための接着剤、５は粘着剤である。また、図２の６は被貼 付対象物である。接着剤４と粘着剤５には共に透明の素材が用いられ、接着剤４ は接着過程において便宜的に下引き接着剤４１と上引き接着剤４２とに区分され る。また、粘着剤５の５０は多孔質等に粘着剤を含浸させた本体、５１はライナ ーである。ライナー５１はそれ自体には粘着機能がなく、本体５０の接触などに よる被貼付対象物６以外への付着やゴミ等の付着に伴う粘着力の劣化を防止する ためのものである。

【０００９】 このような構成の滑り止めシート１は、予め洗浄済みの基材２の表面に下引き 接着剤４１を下塗りする。下塗りした下引き接着剤４１の表面上に、所定量の粒 子３を均一に散布して予備乾燥する。更に、その表面に粒子３が一部露出する程 度の厚さで上引き接着剤４２を塗ってから、本乾燥で接着剤４を硬化して一様に 散布されて埋没した無数の粒子３を基材２の表面上に固着する。その後、基材２ の裏面側にライナー５１を添着した粘着剤５を貼り付けて、図１に示されたよう な滑り止めシート１が製造される。

【００１０】 こうして製作された滑り止めシート１は、滑り止めに適用する被貼付対象物６ の形状・規模に応じた大きさに裁断されて１０乃至２０枚の適宜の枚数がテープ 締めされて紙や樹脂製の小箱または段ボール箱等に収納される。また、スポーツ 施設や共同住宅建設現場等の大量需要向けに備えて、滑り止めシート１をロール 巻した商品も準備される。例えば、タイル張りの廊下の滑り止め用として施工す る場合は、３０×３０（ｃｍ）程度の方形に裁断される。そして、施行前に、タ イル表面の施工面のゴミやホコリを取り除く。特に、油分が付着しているような ときは、洗剤で洗浄することも必要になる。

【００１１】 ゴミ類を除去して貼り付け準備が終了してから、ライナー５１を剥がしてタイ ル表面の所定の位置に粘着剤５の本体５０の強い粘着作用で貼り付る。接着面の 気泡を除いて確実に接着させるために、ゴムローラやゴムハンマーを使って滑り 止めシート１をタイル面に押し付ける。通行量が多いような通路の床面で必要が あれば、塗布用の刷毛を使って方形の滑り止めシート１の周辺部に剥離防止液を 塗布する。このようにして、貼付られた滑り止めシート１の表面に固着されて粗 面を形成した無数の粒子によって、滑り易いタイル張りの廊下の歩行時の滑り止 め機能が果たされることになる。滑り止めシート１は透明に構成されて床面まで 透視できるので、下地のタイルの綺麗な模様が損なわれることがない。

【００１２】 この他に、前記した携帯用の電気機器や化粧用品等に適用する場合は、例えば １０×３０（ｍｍ）程度の小片に裁断される。この場合も、小箱から取り出した 滑り止めシート１を利用して、タイル張りの廊下のときと全く同じ要領で携帯電 話や化粧用品等の被貼付対象物６の表面に貼付されることになる。図２に示され ているように、ライナー５１を剥がして被貼付対象物６の清浄な貼り付け面に貼 付するという簡単な操作で、ポケットや小物入れからの脱落を防止することが可 能になる。しかも、携帯機器の機能表示や優れた固有のデザイン等を死滅させる ことなく、本来の“滑り止め”の機能が果たされることになる。

【００１３】 なお、上述の実施の形態１では楕円形の粒子を１／４程度露出して基材に接着 した場合を図面に示して説明したが、多角形や不定形の粒子を僅かに露出させた ような場合にも本考案を適用することができる。また、基材や接着・粘着剤或い は裁断の大きさや形状・寸法等についても、必ずしも実施の形態に限定するもの ではない。

【００１４】

【考案の効果】 本考案は、シート状の透明な基材と、基材の表面に固着された透明な粒子と、 粒子を基材の表面に接着して一部を露出して接着して固着する透明な接着剤と、 基材の裏面に粘着され被貼付対象物の粘着面にライナーを設けた透明な粘着剤と を備えた滑り止めシートを構成した。 また、上記において、基材に可撓性の素材を用いた滑り止めシートを構成した 。

【００１５】 この結果、本考案によれば、従来のように被貼付対象物の貼付面がそのまま透 視できるので、従来のような機能表示の不明瞭化に基づく誤操作等をすることが 防止される。しかも、咄嗟的に上体を捻って姿勢を崩したようなときでも携帯機 器には滑り止めシートが貼り付られているので、ポケットからはみ出して堅い路 面に落下させて破損するような不都合も発生しない。本考案を建設現場の梯子や ステップ等に適用すれば下地が透視でき、作業者が歩みの安全を確認しながら高 所作業等を施工することが可能になる。特に、請求項２によれば基材に可撓性を 有する素材を用いたので、滑り止めシートが被貼付対象物の表面形状に順応して 確実に貼付されて剥離するようなことがない。

【００１６】 よって、本考案によれば、非貼付対象物の表面の性状をそのまま保持して記号 や機能或いはデザイン等の表示を不透明にしたり変化を与えることなく、しかも 使用資材の数を少なくして製作コストが安価な滑り止めシートを提供することが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態１の構成を示す断面図であ
る。

【図２】実施の形態１の使用状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 滑り止めシート ２ 基材 ３ 粒子 ４ 接着剤 ５ 粘着剤 ６ 被貼付対象物 ４１ 下引き接着剤 ４２ 上引き接着剤 ５０ 粘着剤の本体 ５１ ライナー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート状の透明な基材と、該基材の表面
   に固着された透明な粒子と、該粒子を前記基材の表面に
   接着して一部を露出して接着して固着する透明な接着剤
   と、前記基材の裏面に粘着され被貼付対象物の粘着面に
   ライナーを設けた透明な粘着剤とを備えたことを特徴と
   する滑り止めシート。
2. 【請求項２】 前記基材に可撓性の素材を用いたことを
   特徴とする請求項１記載の滑り止めシート。