JP3065913B2 - 張力変動を受けるケーブルの定着部構造及び定着方法 - Google Patents

張力変動を受けるケーブルの定着部構造及び定着方法

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JP3065913B2
JP3065913B2 JP7161047A JP16104795A JP3065913B2 JP 3065913 B2 JP3065913 B2 JP 3065913B2 JP 7161047 A JP7161047 A JP 7161047A JP 16104795 A JP16104795 A JP 16104795A JP 3065913 B2 JP3065913 B2 JP 3065913B2
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幸広 川本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜張橋、外ケーブル方
式のPC橋などの大容量(高張力)ケーブルなどであっ
て、地震や風力荷重による構造物の揺れ、ケーブルの振
動などによる張力変動を直接受けるケーブルの定着部の
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】斜張橋、吊橋、外ケーブル方式PC橋な
どの吊り索やPCケーブルは構造物内に設けられるケー
ブルと異なり、常にケーブル張力を定着具が受け止める
構造となっており、構造物の要として高い確実性と信頼
性を必要とする。構造物内に設けられるケーブルは、橋
体などの構造物内部にセメントグラウトなどの硬化付着
性のグラウトで一体化されるため、露出ケーブルとは異
なった状態になっている。
【0003】露出ケーブル、特に斜張橋などのケーブル
は空中に架設されるため、風による振動や地震時のケー
ブル振動、走行車両による振動等々による張力の変動
(特にプラス荷重)が常に定着部に累積載荷されること
となる。これらのケーブルの定着部の設計に当たって
は、数十万回、時には数百万回の振動載荷試験を行って
十分な安全性を検証することも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、種々の原因
で生じる張力変動、とくに張力増加要素を吸収するため
の定着体を提供することを目的とし、定着部の確実性と
信頼性の向上を図ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、張力を付与し
たケーブルの端部定着部において、主定着部よりケーブ
ル中央寄りに1又は複数の補助定着部を設け、該補助定
着部の緊張力負担割合を前記張力の0.2〜0.4倍と
たことを特徴とする張力変動を受けるケーブルの定着
部構造である。この場合において、前記補助定着部の反
力受装置の剛性を主定着部の反力受装置の剛性よりも大
きい構造とすると好適である。ここで剛性とは、反力受
装置の反力支持部の弾性係数と荷重受面積との積を言
う。
【0006】また、本発明は、このような定着部構造を
有するケーブルの定着に当たり、前記補助定着部にケー
ル張力の0.2〜0.4倍の反力を分担させて定着す
ることを特徴とする張力変動を受けるケーブルの定着方
法を提供する。
【0007】
【作用】本発明は、ケーブルの定着部をケーブル長手方
向に複数段設け、ケーブルの張力を段階的に分散定着す
ることによって、ケーブルの張力が増加したときに、そ
の増加分の反力を分散負担させ、従来1つの定着部に過
大な反力を生じていたものを緩和しようとするものであ
る。すなわち、主定着部よりケーブル中央寄りに1又は
複数の補助定着部を設け、この補助定着部に増加する張
力の反力を負担させる。この場合において、前記補助定
着部の反力受装置の剛性を主定着部の反力受装置の剛性
よりも大きい構造とすると補助定着部の反力分担量が大
きくなり、主定着部の分担が小さくなる。また、このよ
うな定着部構造を有するケーブルの定着に当たり、前記
補助定着部にケーブルの張力の反力を分担させて定着す
ることによって、主定着部の負担を始めから減少させて
おき、安全率の高い設計とすることができる。
【0008】今ある張力下に定着されている本発明のケ
ーブルに追加荷重pが生じたとき、これを反力受部の剛
性がE11 、E22 、…の複数の反力受装置で分担
して受けるとその反力p1 、p2 、…は、p=p1 +p
2 +…、p1 =ε111、p2 =ε222 、…
となる。但し・E1 、E2 はそれぞれの反力支持部の弾
性係数、A1 、A2 は反力支持部の受圧面積、ε1 、ε
2 は歪である。ここでε1 とε2 が近似する値である
と、反力は、剛性の大きさに応じて負担することとな
る。従って、補助定着部の剛性が大きい構造にしておく
ことにより、増加張力の大部分の反力を補助定着部で負
担するようにすることができる。
【0009】種々の原因で生じる張力変動は補助定着部
で吸収させ、主定着部には張力変動を伝達させないよう
にすることによって過大な安全率を必要としないことと
なる。
【0010】
【実施例】図1に本発明の実施例を示した。定着部であ
るコンクリート30にPCケーブル1の端部のマンショ
ンスリーブ2が定着される。この定着部は主定着体(リ
アーステージ)10と補助定着体(フロントステージ)
20との二段に分けて設け、各々の定着体10、20に
PCケーブル1の張力を按分負担させる。その按分割合
はリアーステージを大として残余張力をフロントステー
ジで負担させるようにした。リアーステージ10はマン
ションスリーブ2に螺合するナット11、ワッシャ1
2、支圧板13によりコンクリート30の端面に定着さ
れている。フロントステージ20はコンクリート30内
に設けた箱抜き部31内にマンションスリーブ2に螺合
するナット21、ワッシャ22、支圧板23によって定
着されている。
【0011】図1に示す構造で図6に示すような斜張橋
51の斜材ケーブル53の定着に使用した例で説明す
る。斜張橋51は河川等57に立設したピヤ56上に立
ち上がる塔52に一端を定着し、他端を橋体に定着した
多くの斜材ケーブル53を備えている。斜材ケーブル5
3は定着端54、55で定着されており、地震や風によ
る振動などによりケーブル53には矢印58で示す余分
の張力がかかる。斜材ケーブル53として、SEEE−
F360PHの規格のものを使用した。緊張力Pは安全
率を考慮し180tfとし、これをリアステージ10と
フロントステージ20の両方に負担させることとした。
フロントステージ定着力Pfaをリアーステージ定着力
Praより小さくし、按分比率はPfa:0.2、Pr
a:0.8で設計し、 Pfa=180×0.2=36tf Pra=180×0.8=144tf を負荷させることとした。定着方法を図1〜図5によっ
て説明すると次のとおりである。 (a) 図1に示すように、斜材ケーブルとしてケーブ
ル緊張端に鋼製のマンションスリーブ2を圧着してスリ
ーブ外周に外ねじを刻設しナットで定着するSEEEケ
ーブルを使用した。構造物定着端のシース32内にケー
ブル1を挿通し、箱抜部31にフロントステージを定着
し、端面にリアーステージを定着した。リアーステー
ジ、フロントステージは、それぞれ支圧板13、23、
ワッシャ12、22、ナット11、21を装着する。 (b) リアーステージ定着体10に中空形緊張ジャッ
キ41を取付け、ケーブル端部のスリーブに外嵌するカ
プラ44にテンションバー42を取付け、ナット43を
装着する(図2)。 (c)図示しないポンプにより中空形緊張ジャッキを作
動させケーブルに緊張力を導入する(図3)。 (d)所定の緊張力Pまで導入したら、図4に示すよう
にフロントステージのナット21を締め込み、ジャッキ
41の緊張力を徐々に0.8Pまで緩荷し、フロントス
テージ定着体にPfaの36tfを付与する。 (e)その状態のまま、リアーステージの定着体のナッ
トを締め込み、中空形緊張ジャッキを解放する(図
5)。
【0012】この状態で定着した斜材ケーブルにPra
とPfaとの差以下の張力変動が生じた場合はフロント
ステージ定着体20が張力の変動の大部分を吸収し、リ
アーステージ定着体10に変動が余り伝わることはな
い。従ってリアーステージ定着体10が疲労破壊等を起
す心配はない。本実施例は、ねじ定着方式の定着体の定
着方法について述べたが、楔方式の定着体の定着方法に
ついても定着時の楔の滑り込み量を考慮して引き増しを
施せば、同様に実施することが可能である。また、按分
負担比もPfa<Praであれば適宜設計可能である
が、Pfaは、0.2〜0.4Pの範囲が望ましい。
【0013】
【発明の効果】本発明の定着部構造及び定着方法によれ
ば、架空ケーブル、非付着性ケーブル等の風圧、振動等
による変動張力が定着体に付加荷重として繰り返し載荷
されることがなくなり、より信頼性の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の定着部のコンクリート縦断面図であ
る。
【図2】実施例の定着部の施工方法を示す説明図であ
る。
【図3】実施例の定着部の施工方法を示す説明図であ
る。
【図4】実施例の定着部の施工方法を示す説明図であ
る。
【図5】実施例の定着部の施工方法を示す説明図であ
る。
【図6】実施例の斜張橋の説明図である。
【符号の説明】
1 ケーブル 2 スリーブ 10 リヤーステージ定着体 11、21 ナット 12、22 ワッシャ 13、23 支圧板 20 フロントステージ定着体 30 コンクリート 31 箱抜き部 32 シース 41 ジャッキ 42 テンションロッド 43 ナット 44 カップラ 51 斜張橋 52 塔 53 斜材ケーブル 54 定着端 55 定着端 56 ピヤ 57 河川等

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 張力を付与したケーブルの端部定着部に
    おいて、主定着部よりケーブル中央寄りに1又は複数の
    補助定着部を設け、該補助定着部の緊張力負担割合を前
    記張力の0.2〜0.4倍としたことを特徴とする張力
    変動を受けるケーブルの定着部構造。
  2. 【請求項2】 前記補助定着部の反力受装置の剛性を主
    定着部の反力受装置の剛性よりも大きい構造としたこと
    を特徴とする請求項1記載の張力変動を受けるケーブル
    の定着部構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の定着部構造を有す
    るケーブルの定着に当たり、前記補助定着部にケーブ
    力の0.2〜0.4倍の反力を分担させて定着するこ
    とを特徴とする張力変動を受けるケーブルの定着方法。
JP7161047A 1995-06-27 1995-06-27 張力変動を受けるケーブルの定着部構造及び定着方法 Expired - Fee Related JP3065913B2 (ja)

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