JP3063431U - 人物模様調紋を有する平箔織物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】人物の絵柄が弱い色調から、濃淡な色調まで自
在に構成することができる、冠婚葬祭、七五三参り、旅
行、卒業式等の記念としての和服用袋帯とか、壁掛、掛
け軸、額縁、織物カレンダ、アルバムの表紙、表具等に
使用する人物柄表現の平箔織物を提供する。 【解決手段】平織、又は、綾織、繻子織り等の組織織物
の上面に、金平箔７ａ、７ｂ等を重ねて地経糸１、３等
で綴じ、多重織物とした優雅な金箔袋帯上面に、更に、
人物図柄１４ａ等を貼り付け、又は背景１８も含めた人
物の図柄を貼り付け、該図柄１４ａ、１８等の図柄に、
罫線１９の密度、点２０の密度、転写の密度、写真の濃
淡等により、色調の濃淡等を表す手段、並びに、金平箔
７ａ等を綴じる地経糸１、３等の飛び間隔を粗密に調整
して色調の濃淡等を表す手段を講じたことを特徴とする
人物図柄の平箔織物である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、冠婚葬祭、七五三参り、旅行、卒業式等の記念としての和服用袋帯 とか、壁掛、掛け軸、額縁、織物カレンダ、アルバムの表紙、表具等に使用する 平箔織物にに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、公知の袋帯は昔から図柄にあまり変化がなく、表面に描かれた紋様は自 然の風景、植物図柄が主として使用されてきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は これに反し、今日の若者の趣味にマッチした人物図柄を主体に、現 代の写真転化技術、いわゆるプリント技術の発展に際し、変化と趣味に富んだ写 真模様調紋の人物図柄袋帯を構成し、帯地の高級感を保ちつつ、記念品としての 面目を保持しつつ、 現代人の生活に合致した、冠婚葬祭、七五三参り、旅行、 卒業式等の記念としての和服用袋帯とか、壁掛、掛け軸、額縁、織物カレンダ、 アルバムの表紙、表具等にも使用できる優雅な人物を中心とした平箔織物を構成 し使用するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、人物模様調紋を有する平箔織物を完成させる手段として、具体的に ３枚斜文組織を基盤として説明すると、次のように構成されている。 （イ）、従来から行われている３枚斜文織等の経糸１、緯糸８、９等の表面に、 金箔紙７を裁断した平箔７ａを重ね、緯糸多重織物としていた従来の優雅な 袋帯組織に、該平箔７ａ、７ｂ等の表面上面に、人物図柄１４ａ又は１４ｂ 等だけの図柄を、また、背景１８も含めた人物の絵図柄１４ａ又は１４ｂを 金箔紙７上面に一体に貼付して裁断した平箔７ａ等を重ね、額縁型式に構成 したものである。 （ロ）、人物の図柄１４ａは、細い色線１９によって濃淡構成されたもの。１４ ｂは細かい色点２０にて濃淡構成されたもの、写真のフイルムを転写して構 成されたもの、紙に色印刷することにより構成されたもの等、種々の方法に より濃淡構成、又は同一色調にて構成したものである。 （ハ）、上記金箔紙７の表面部分に、部分的に人物体型を線描写、点描写等の手 法にて画かれた図柄１４ａ又は１４ｂ等と、写真にて描写された体型図柄等 を一体又は数組み合わせ、複合貼り付けしたのち、該金箔紙７を一定の細幅 １６に切断構成し、平箔７ａ、７ｂ、７ｃ等に形成したものである。 （ニ）、人物の縁取り等は、全体を、又は人体の縁取りを部分的に金箔１７にて 筆書きされたり、銀箔にて縁取り構成されたりしたものも含まれる。 以上の構成等からなる、多彩な人物図柄、人物写真模様調紋を有する平箔織物 である。

【０００５】

【考案の実施の形態】

【０００６】

【作用】

本考案は上記の構造よりなるから、人物の絵柄が単数、複数等自在な図柄、弱 い色調から、濃淡な色調図柄まで自在に構成することができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の１実施例について説明する。 （イ）、地経糸１〜６等と地緯糸８〜１３等にて３枚視斜文組織に構成された織 物組織のうえに、表面に金箔の輝き模様１５を表した平箔７ａ、７ｂ、７ｃ 等を乗せ、該上面平箔に人物を表現した図柄１４ａ、１４ｂ等を固着した平 箔７ａ、７ｂ、７ｃを、第１図では、それぞれ斜文組織の経糸１、３、５等 にて綴じた二重織物に構成されている。 なお、平箔７ａ等、図柄平箔１４ａ等は銀箔でもよく、また、金、銀取り混 ぜて使用してもよい。 （ロ）、第１図で明らかなように、本考案の一例として、斜文組織を構成する地 経糸１、３等は平箔３枚毎に、地経糸１、３等が浮上し、地経糸１は平箔７ ａ、７ｄ（図示なし）、地経糸３は平箔７ｂ、７ｅ（図示なし）等を綴じる 構成となっている。 また、上記の地経糸１等の綴じる飛び数、即ち、実施例の説明では平箔３枚 毎になっているのを、５枚毎に、又は７枚毎にとか、綴じ本数を変えること ができることは勿論である。 そのために、本考案では主体を斜文組織で地組織を用いているが、平、又は 繻子組織を用いて飛び数を構成しても差し支えない。 （ハ）、平箔７ａ、７ｂ、７ｃ等は、第３図に示すように、一枚の無地又は模様 １５入り金箔紙７にて構成され、又は、模様図柄１５構成の金箔紙７の上面 に、人物の外郭に沿って切り抜いた図柄１４ａを単数または多数貼り付け、 これを平箔の幅７ａに細かく順に裁断１６して使用される。 通常平箔７ａ、７ｂ、７ｃ等は同一の幅にて構成されている。 （ニ）、図柄１４ａは人物の外郭、又は人体の輪郭に沿って、金箔等１７の塗料 を筆にて描き、外形等を明瞭に表現することにより、一層の図柄効果を発揮 することができる。 （ホ）、また、人物図柄１４ｂは人物と背景図柄１８と一枚書きに構成された図 柄を使用しても差し支えなく、重ね合わせでも差し支えない。 また、背景図柄１８に人物図柄１４ａと１４ｂとの組み合わせ、１４ａを背 景図柄１８と一枚書きにあらわし、これに１４ｂの重ね貼り合わせに組み合 わせ構成しても差し支えない。 また、配置する人物図柄は単数でも、複数でもよく、また多人数でもよい。 （ヘ）、人物の図柄は、細い色線１９によって濃淡構成されたもの（図３）。細 かい色点２０にて濃淡構成されたもの（図４）、写真のフイルムを転写して 構成されたもの、紙にプリンターにて色印刷することにより構成されたもの 等、種々の方法により多色濃淡構成、又は同一色調にて構成されたものが採 用される。

【０００８】

【考案の効果】 本考案の最も大きい効果は自身の記念人物像を高級な織物感覚にて得られるこ とであり、図柄の色調は、図柄の上の綴じ糸の密度により、また図柄の転写方式 により、写実的にも、幻想的にも、薄い感覚の色調にも濃い写真調の色調にも自 由に、いろいろ好みの色調の冠婚葬祭、七五三参り、旅行、卒業式等の記念とし ての和服用袋帯とか、壁掛、掛け軸、額縁、織物カレンダ、アルバムの表紙、表 具等を得ることができ、個人好の感覚、現代人の感覚等、気に入れられた効果を 得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の織物組織状態を示す斜視図
である。

【図２】本考案の１実施例の織物組織の側面図である。

【図３】人物だけを図柄とした場合の金平箔の構成説明
図である。

【図４】人物と背景図柄を組合わした場合の金平箔の構
成説明図である。

【符号の説明】

１〜６・・・・・・・地経糸 ７・・・・・・・・・金箔紙 ７ａ、７ｂ、７ｃ・・平箔 ８〜１３・・・・・・地緯糸 １４ａ、１４ｂ・・・人物図柄 １５・・・・・・・・金箔模様 １６・・・・・・・・裁断線 １７・・・・・・・・金箔塗線 １８・・・・・・・・背景図柄 １９・・・・・・・・色線 ２０・・・・・・・・色点

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平織、綾織、繻子織り等の組織織物の上面
   に、金平箔（７）等を重ねて地経糸（１）、（２）、
   （３）等で綴じ、多重織物とした優雅な金箔袋帯に、金
   箔紙（７）に人物図柄（１４ａ）を一体に絵描いたもの
   も含み、該金平箔（７ａ）等の表面に人物の図柄（１４
   ａ）等を部分的に貼り付けたり、又は、背景（１８）も
   含めた人物の図柄を額図形式的に貼り付け構成したこと
   を特徴とする人物模様調紋を有する平箔織物。
2. 【請求項２】罫線、点、転写等の密度、写真の濃淡等の
   手段により、色調を表現して構成した人物の図柄（１４
   ａ）等、ならびに、金平箔（７）等を、綴じる地経糸
   （１）、（２）、（３）等の飛び間隔を互いに粗密にし
   て色調の濃淡等を表現し、構成したことを特徴とする請
   求項１記載の人物模様調紋を有する平箔織物。