JP3063304B2 - インデンの蒸留精製方法 - Google Patents

インデンの蒸留精製方法

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JP3063304B2 JP3270099A JP27009991A JP3063304B2 JP 3063304 B2 JP3063304 B2 JP 3063304B2 JP 3270099 A JP3270099 A JP 3270099A JP 27009991 A JP27009991 A JP 27009991A JP 3063304 B2 JP3063304 B2 JP 3063304B2
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友則 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分解】本発明は、インデンの蒸留精製方
法に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来コールタール中に含ま
れるインデンを精密蒸留により高純度で分離する試みは
全て失敗に終っている。これは、インデンと近似する沸
点成分、特にベンゾニトリルとインデンを蒸留分離によ
り相互に分離できない理由による。従って、従来から、
インデンを高純度で分離回収するために、インデンの蒸
留濃縮物に水酸化ナトリウムを添加反応させてベンゾニ
トリルを安息香酸ナトリウムとして除去する方法や、フ
ルフラールやn−ヘキサノールの存在下、共沸蒸留によ
りインデン以外の成分を除去する方法、液体クロマトグ
ラフィによってインデンを分離する方法、インデンを晶
析分離する方法等が提供されている。しかし、これらの
方法は、いずれも得られるインデンが純度の点で未だ不
満足であるとか、工業的方法として経済性の点で劣る等
の問題点があり、工業的には実施されていない。特開昭
62−32731号広報には、インデンを含有する沸点
範囲135〜195℃のタール系軽油を原料油として用
い、これを蒸留してインデン濃度50重量%以上の留分
を得、次いでこれを酸水溶液及びアルカリ水溶液で順次
洗浄した後再度蒸留することにより、高純度インデン
(インデン濃度:92〜97重量%、インダン濃度:
0.6〜1.8重量%、ベンゾニトリル濃度:1.6〜
2.7重量%)を分離回収する方法が示されている。し
かし、この方法は、インデンの回収率が低い上に、酸水
溶液及びアルカリ水溶液を用いる洗浄を行うことから、
その使用済みの廃液処理に困難を伴い、工業的方法とし
ては未だ満足し得るものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、蒸留操作の
みによって、インデンを高純度で分離回収する方法を提
供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、インデン濃度を2
9重量%以上に調節したコールタール留分を原料油とし
て用い、これを2段階で蒸留処理することによって、前
記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完了するに
至った。即ち、本発明によれば、コールタールの蒸留に
よって得られるカルボル油(タール酸留分)からそれに
含まれるタール酸を抽出分離した後のインデンを29重
量%以上の濃度で含む残油(脱酸カルボル油)を、第1
蒸留塔において、インダン濃度が1重量%以下の塔底油
が得られるように蒸留処理した後、得られた塔底油を第
2蒸留塔において、留出率35%以下で蒸留処理して純
度90重量%以上のインデンを塔頂油として得ることを
特徴とするインデンの蒸留精製方法が提供される。ま
た、本発明によれば、コールタールの蒸留によって得ら
れるナフタレン留分からそれに含まれるタール酸をアル
カリ水溶液と反応させて除去した後の残油に、コールタ
ールの蒸留によって得られるカルボル油からそれに含ま
れるタール酸を抽出分離した後の残油を混合してインデ
ンを29重量%以上の濃度で含む混合油を作り、この混
合油を、第1蒸留塔において、インダン濃度が1重量%
以下の塔底油が得られるように蒸留処理した後、得られ
た塔底油を第2蒸留塔において、留出率35%以下で蒸
留処理して純度90重量%以上のインデンを塔頂油とし
て得ることを特徴とするインデンの蒸留精製方法が提供
される。
【0005】
【実施例】次に本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。図1は本発明を実施する場合のフローシートの1例
を示す。図1において、蒸留塔2には、ナフタレン抽出
槽6、タール酸抽出槽9が蒸留塔の付属設備として付設
されているが、このような付属設備と蒸留塔との組合せ
は、蒸留処理装置として広く用いられている。ライン1
を通って蒸留塔2に導入されたコールタールは、ここで
蒸留され、タール酸留分がサイドカット油3として抽出
され、ナフタレン留分がサイドカット油4として抽出さ
れる。サイドカット油4は、ライン5を通って供給され
るアルカリ水溶液とともにナフタレン抽出槽6に導入さ
れ、ナフタレンがライン7を通って抜出され、ナフタレ
ンを除去した後の残油がライン8を通って抜出される。
一方、サイドカット油3と、前記ナフタレン抽出槽6か
らライン8を通って抜出された残油は、タール酸抽出槽
9に導入され、ここでタール酸成分が塩として分離回収
される。タール酸抽出槽9からライン10を通って抜出
される残油と、ナフタレン抽出槽6からライン7を通っ
て抜出される残油とは、ラインミキサー11で混合さ
れ、この混合物は、蒸留塔原料油として、ライン12を
通って第1蒸留塔13に供給し、ここで得られた塔底油
は、ライン15を通って第2蒸留塔16に導入し、ここ
で蒸留して高純度インデン油を塔頂油としてライン17
を通って回収する。
【0006】本発明においては、インデンを濃縮するた
めの第1蒸留塔13に対する原料油の組成を、インデン
濃度が29重量%以上になるように調整する。ライン1
0を通る残油のインデン濃度は、35.4重量%である
ので、このものは、そのままインデンを分離回収するた
め原料油として用いることができる。一方、ライン7を
通る残油のインデン濃度は27.5重量%であるので、
そのままでは、インデンを分離回収するための原料油と
して用いることができないが、このものに対して、3倍
重量の前記ライン7を通る残油を混合することにより、
濃度29.5重量%のインデンを含む混合物とすること
ができ、インデンを分離回収するための原料油として用
いることができる。本発明においては、インデンを分離
回収するための第1蒸留塔13及び第2蒸留塔16から
なる蒸留処理系に供給する原料油は、それに含まれるイ
ンデン濃度を29重量%以上、好ましくは31重量%以
上に、規定することが必要である。原料油中のインデン
濃度が29重量%より低くなると、第1蒸留塔の負荷が
大きくなり、蒸留塔が大型化し、建設費も高くなる。ま
た、本発明において、第1蒸留塔13は、インデンより
低い沸点成分(例えば、インダン)を塔頂成分として分
離するように、そしてインデン及びインデンより高い沸
点成分(例えば、フェノール、ベンゾニトリル等)を塔
底成分として分離するようにして運転される。インデン
より沸点の低いインダンが塔底成分に混入すると、第2
蒸留塔16の塔頂成分として分離されるインデンの純度
を低下させる原因となるので好ましくない。本発明にお
いては、塔底成分に混入するインダンの混入量は、高純
度インデンを得る観点から、2.5重量%以下、好まし
くは1重量%以下に規定するのがよい。このために、第
1蒸留塔13としては、理論段数40段以上、このまし
くは70段以上のものが用いられる。第1蒸留塔の運転
に際し、還流比は、5〜30、好ましくは15〜20で
ある。第2蒸留塔16は、インデンを塔頂成分として分
離し、インデンより高い沸点成分を塔底成分として分離
するように運転される。第2蒸留塔16としては、理論
段数30段以上、好ましくは40段以上のものが用いら
れる。第2蒸留塔の運転に際しては、還流比は、5〜3
0、好ましくは20〜25である。この第2蒸留塔16
の運転において、インデンを高純度で得るには、その留
出率を適切に規定することが重要である。本発明では、
第2蒸留塔の留出率は、35重量%以下、好ましくは3
2重量%以下に規定するのが良い。留出率が35重量%
を超えるようになると、ベンゾニトリルやフェノールが
塔頂成分に混入する割合が急激に増加するようになる。
本発明でインデンの分離回収するために用いる原料油
は、それに含まれるインデン濃度が29重量%以上であ
ればよく、コールタール蒸留塔からのサンドカット油
や、そのサンドカット油の精製留分等を適当に混合して
形成することができる。そしてこのような原料油から
は、インデン濃度が90重量%以上の高純度インデン
を、酸処理やアルカリ処理を併用することなく、蒸留処
理のみで得ることができる。
【0007】次に、図1に示したフローシートにおい
て、各ラインを流れる流体の成分組織(重量%)を表1
に示す。なお、図1において、ライン12を通るインデ
ンを分離回収するための原料油は、ライン10を通る残
油と、ライン7通る残油とを重量比1:3で混合して得
たものである。また、第1蒸留塔13は、理論段数70
を有するもので、減圧下(70トール)、還流比10の
条件で運転した。塔底油(15)の回収率は、原料油に
対し60重量%であった。第2蒸留塔16は、理論段数
30段を有するもので、減圧下(70トール)、還流比
5の条件で運転した。塔頂油(17)の回収率は、原料
油に対して24重量%であった。
【0008】
【表1】
【0009】次に、第2蒸留塔16から得られる塔頂油
中に混入するフェノールとベンゾニトリルの混入量と第
2蒸留塔の留出率(塔頂成分の割合)との関係を調べる
ために、表1に示した成分組成の第1蒸留塔13から得
られた塔底油(ライン15)を理論段数18段の蒸留塔
に供給し、還流比10の条件で運転した。この蒸留試験
の結果、留出率35重量%で、塔頂油中のベンゾニトリ
ル濃度0.4重量%、フェノール濃度0.2重量%の成
績が得られ、留出率32重量%で、塔頂油中のベンゾニ
トリル濃度0.3重量%、フェノール濃度0.1重量%
の成績が得られた。このことから、理論段数の余り高く
ない蒸留塔でも、留出率を35重量%以下に保持するこ
とにより、高純度のインデンを塔頂油として回収し得る
ことがわかる。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、インデンを含むコール
タール留分から、酸処理やアルカリ処理を併用すること
なく、蒸留操作のみで、純度90%以上の高純度インデ
ンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する場合のフローシートの1例を
示す。
【符号の説明】
2 コールタール蒸留塔 6 ナフタレン抽出槽 9 タール酸抽出槽 13 第1蒸留塔 16 第2蒸留塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝川 泰行 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−180435(JP,A) 特開 昭60−87230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 13/465 C07C 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コールタールの蒸留によって得られるカ
    ルボル油からそれに含まれるタール酸を抽出分離した後
    インデンを29重量%以上の濃度で含む残油(脱酸カ
    ルボル油)を、第1蒸留塔において、インダン濃度が1
    重量%以下の塔底油が得られるように蒸留処理した後、
    得られた塔底油を第2蒸留塔において、留出率35%以
    下で蒸留処理して純度90重量%以上のインデンを塔頂
    油として得ることを特徴とするインデンの蒸留精製方
    法。
  2. 【請求項2】 コールタールの蒸留によって得られるナ
    フタレン留分からそれに含まれるタール酸をアルカリ水
    溶液と反応させて除去した後の残油に、コールタールの
    蒸留によって得られるタール酸留分からそれに含まれる
    タール酸を抽出分離した後の残油を混合してインデンを
    29重量%以上の濃度で含む混合油を作り、この混合油
    を、第1蒸留塔において、インダン濃度が1重量%以下
    の塔底油が得られるように蒸留処理した後、得られた塔
    底油を第2蒸留塔において、留出率35%以下で蒸留処
    理して純度90重量%以上のインデンを塔頂油として得
    ることを特徴とするインデンの蒸留精製方法。
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