JP3055454U - 乾燥防止用靴下 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】内層を構成する身部と踵部と踵周縁部と足部と
を連続編成して、踵部及び踵周縁部に異物感がなく、保
温性及び保湿性の優れた乾燥防止用靴下を提供する。 【解決手段】伸縮性のある内層１０と外層２０とから二
重構造に構成された乾燥防止用靴下であって、内層を構
成する身部１１、踵部１２、踵周縁部１３、足部１４を
連続編成してあり、身部と足部とが吸湿性のある天然繊
維で、踵部と踵周縁部とが吸湿性のない合成繊維で編成
してある。また、内層の踵周縁部の編目が身部及び足部
の編目より度詰めに編成してあり、更に、踵部の編目が
踵周縁部の編目より度詰めに編成してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、乾燥防止用靴下に係り、特に、踵のカサカサ等の荒れを防止する ために着用する靴下に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

冬季は乾燥が著しいことから、皮膚が乾燥し角質化しやすい。特に、踵部分は カサカサしたり、ひどくなればひび割れが生じてしまう。 このような踵部分の角質化を防止する靴下として、例えば、実公平６−５０４ ８３号公報に記載されたものがある。

【０００３】 この公報に記載された内側くつ下は、使用者の足に接触しない外表面側に、連 続状の保温被膜層と散点状のずれ防止層とが形成されてなり、別のくつ下を外側 に重ね履きする内側くつ下であって、前記保温被膜層は、足先部と足底中央部と を除いて踵部全体と足底周縁部とを覆う幅太Ｕ字形に形成されており、前記ずれ 防止層は、前記足先部に形成されており、前記保温被膜層及びずれ防止層は、塩 化ビニル層からなり、使用時に、前記保温被膜層によって保温効果が発揮され、 前記ずれ防止層によって重ね履きした外側のくつ下とのずれが防止されることを 特徴とするものである。

【０００４】 また、特公平６−９４６０２号公報には、伸縮性のある内層と外層とから二重 構造に構成され、これら内層と外層との間に伸縮性に欠ける非通気性シートを介 在させた形式の靴下において、略矩形状の非通気性シートの中程を２つ折りにし てその両側辺部相互を縫い合わせて踵状の袋体とし、該袋体の周縁を内層の踵対 応部に、伸縮性のある糸によって縫い付けるとともにこの縫い付け部の袋体側に はギャザー部を具備させ，前記ギャザー部は、内層が展延した状態において丁度 展延する程度に設定し、前記袋体は、内層内に踵が収容された時の踵対応部を丁 度包囲する程度の大きさに設定した乾燥防止用靴下が開示されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

前記実公平６−５０４８３号公報に記載された内側くつ下は、踵対応部に保温 被膜層を形成したものである。 また、前記特公平６−９４６０２号公報に記載された乾燥防止用靴下は、踵対 応部に非通気性シートを縫着したものである。 このように、従来例においては、踵対応部に保温被膜層や非通気性シートとい う別途の素材を介在させてあり、そのため踵対応部に異物感があるという欠点を 有していた。

【０００６】 そこで、本考案は、内層を構成する身部と踵部と踵周縁部と足部とを連続編成 して、踵部及び踵周縁部に異物感がなく、保温性及び保湿性の優れた乾燥防止用 靴下を提供することを目的としたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のうちで請求項１記載の考案は、伸縮性の ある内層と外層とから二重構造に構成された乾燥防止用靴下であって、 内層を構成する身部と踵部と踵周縁部と足部とが連続して編成してあり、 身部と足部とを吸湿性のある天然繊維で編成してあり、 踵部と踵周縁部とを吸湿性のない合成繊維で編成したことを特徴としている。 また、請求項２記載の考案は、内層の踵周縁部の編目を身部及び足部の編目よ り度詰めに編成してあり、 踵部の編目を踵周縁部の編目より度詰めに編成してなることを特徴としている。

【０００８】 ここで、内層の身部と足部とは、吸湿性のある天然繊維、例えば、綿、絹等に より編成してある。 また、内層の踵部と踵周縁部とは、吸湿性のない合成繊維の長繊維、例えば、 ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン等により編成してある 。また、遠赤外線加工を施したナイロン等の合成繊維を使用してもよい。 そして、内層の踵周縁部の編目を身部及び足部の編目より度詰めに編成すると 共に、踵部の編目を踵周縁部の編目より度詰めに編成してなり、結果的に踵部は 踵周縁部よりも生地が厚くなっている。 ここで、度詰めとは、編地の密度を詰めて編むことをいう。 外層は、身部、踵部、足部を連続して編成してある。この外層は、靴下に適し たすべての繊維、例えば、綿、羊毛、絹等の天然繊維、あるいは、ナイロン、ア クリル、ポリウレタン等の合成繊維、または、それらの混紡糸を使用して編成す ればよい。 内層と外層とは、それらの口ゴム部で連続しており、夫々の爪先部で縫着して 一体化してある。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を、図面に基づいて説明する。 図１は本考案に係る乾燥防止用靴下の製造時の連続した状態の側面図、図２は 着用した状態を示す説明図である。

【００１０】 本考案に係る乾燥防止用靴下は、伸縮性のある内層１０と外層２０とから二重 構造に構成されている。 内層１０は、身部１１、踵部１２、踵周縁部１３、足部１４、爪先部１５によ り構成されており、これら身部１１、踵部１２、踵周縁部１３、足部１４、爪先 部１５は連続して編成してある。

【００１１】 内層１０の身部１１と足部１４とは、吸湿性のある天然繊維、例えば、綿、絹 等により編成してある。 踵部１２と踵周縁部１３とは、吸湿性のない合成繊維の長繊維、例えば、ナイ ロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン等により編成してある。ま た、遠赤外線加工を施したナイロン等の合成繊維を使用してもよい。

【００１２】 このように、本考案に係る乾燥防止用靴下は、内層１０の身部１１及び足部１ ４と踵部１２及び踵周縁部１３との素材を異ならしめ、踵部１２及び踵周縁部１ ３の保湿性を高めてある。 爪先部１５は、踵部１２及び踵周縁部１３と同じ繊維を使用すればよい。

【００１３】 また、踵周縁部１３の編目は、天然繊維で編成した身部１１及び足部１４の編 目より度詰めに編成してある。 そして、踵部１２の編目は、更に踵周縁部１３の編目より度詰めに編成してあ り、結果的に、踵部１２は踵周縁部１３よりも生地が厚くなっている。

【００１４】 このように、本考案に係る乾燥防止用靴下は、内層１０の身部１１及び足部１ ４の編目よりも踵部１２及び踵周縁部１３の編目をより度詰めに編成してあり、 踵部１２及び踵周縁部１３の保温性を高めると共に、更に踵部１２の編目を踵周 縁部１３の編目より度詰めに編成し、踵部１２の保温性を更に高めてあり、踵の カサカサ等の荒れを効果的に防止することができる。 爪先部１５は、踵部１２の編目と同じ度詰めに編成すればよい。

【００１５】 外層２０は、身部２１、踵部２２、足部２４、爪先部２５により構成されてお り、これら身部２１、踵部２２、足部２４、爪先部２５は連続して編成してある 。 外層２０は、靴下に適したすべての繊維、例えば、綿、羊毛、絹等の天然繊維 、あるいは、ナイロン、アクリル、ポリウレタン等の合成繊維、または、それら の混紡糸を使用して編成すればよい。 そして、外層２０は、普通の靴下と同様の編み方により編成すればよい。

【００１６】 内層１０と外層２０とは、それらの口ゴム部１６，２６で連続しており、また 、爪先部１５，２５で縫着して一体化してある。

【００１７】 本考案に係る乾燥防止用靴下は、図１に示すように、外層２０の爪先部２５、 足部２４、踵部２２、身部２１、口ゴム部２６を順次連続して編成し、この口ゴ ム部２６に連続して、内層１０の口ゴム部１６、身部１１、踵周縁部１３、踵部 １２、足部１４、爪先部１５を順次連続して編成することにより製造することが できる。 そして、内層１０を外層２０の内部に挿入し、内層１０と外層２０との爪先部 １５，２５を縫着することにより、二重構造の靴下が作製される。 爪先部１５，２５の縫着は、自動かがりにより行ってもよい。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、内層を構成する身部と踵部と踵周縁部と足部 とを連続編成してあり、踵対応部に保温被膜層や非通気性シートという別途の素 材を介在させてないので、踵対応部に異物感がなく、気持ち良く履くことができ る。 しかも、身部と足部とを吸湿性のある天然繊維で、踵部と踵周縁部とを吸湿性 のない合成繊維で編成してあるので、踵対応部の保温性及び保湿性に優れ、踵の カサカサ等の荒れを防止することができる。 さらに、内層の踵周縁部の編目を身部及び足部の編目より度詰めに編成すると 共に、踵部の編目を踵周縁部の編目より度詰めに編成することにより、踵部の保 温性及び保湿性を更に高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る乾燥防止用靴下の製造時の連続し
た状態の側面図である。

【図２】本考案に係る乾燥防止用靴下を着用した状態を
示す説明図である。

【符号の説明】

１０ 内層 １１ 内層の身部 １２ 内層の踵部 １３ 内層の踵周縁部 １４ 内層の足部 ２０ 外層

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 伸縮性のある内層と外層とから二重構造
   に構成された乾燥防止用靴下であって、内層を構成する
   身部と踵部と踵周縁部と足部とが連続して編成してあ
   り、身部と足部とを吸湿性のある天然繊維で編成してあ
   り、踵部と踵周縁部とを吸湿性のない合成繊維で編成し
   たことを特徴とする乾燥防止用靴下。
2. 【請求項２】 内層の踵周縁部の編目を身部及び足部の
   編目より度詰めに編成してあり、踵部の編目を踵周縁部
   の編目より度詰めに編成してなることを特徴とする請求
   項１記載の乾燥防止用靴下。