JP3054091U

JP3054091U - 床暖スラブ

Info

Publication number: JP3054091U
Application number: JP1998003820U
Authority: JP
Inventors: 勤山本; 雅興橋本; 研一福田; 佳奈松尾; 泰希山本; 俊仁中澤; 三紀子小林; 克己橋場
Original assignee: 泰伸倉庫有限会社
Priority date: 1998-05-15
Filing date: 1998-05-15
Publication date: 1998-11-17
Anticipated expiration: 2004-05-15

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、建築建造物のスラブに発熱体を形
成する送湯管を敷設する事により、建物全体の補助暖房
の役目を示す事から、主暖房費用のランニングコスト大
幅減を可能にする。さらに、構造用床合板Ｍと木製Ｉ型
材Ｎによって型枠を形成した事から、スラブコンクリー
トＡの重量そのものを支えるに耐えるものであり、従来
のスラブ工法にあるスラブ配筋を必要としない。また、
スラブ形成後におけるコンクリートパネルの除去、廃棄
処理工事を必要としない事から、工事費用の軽減と工期
の短縮をも可能にした。従って、産業廃棄物の軽減を可
能とするため、産業廃棄物の不法投棄などの減少を進め
得ると共に、清潔な居住空間を提供出来るものである。【構成】構造用床合板Ｍと木製Ｉ型材Ｎによって型枠
を形成し、構造用床合板Ｍの上面に発熱体Ｘである送湯
管を熱交換器のコイルの如く一定の間隔をおいて敷設、
サドルバンドＸ２で固定、スラブコンクリートＡを打設
した床暖スラブ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建築建造物のスラブに発熱体を形成する送湯管を敷設する事により、暖房費用のランニングコスト減を目指す。

【０００２】その結果、化石燃料の使用減につながる事からも、限りのある埋蔵物と云われる石油資源の保護、さらには地球温暖化防止にも役立て様とするものである。

【０００３】また、コンクリート体の中に発熱体を敷設し、放熱せしめる事から３．０ミクロンから１０００ミクロン程度の穏やかな遠赤外線を発生させる。従って、かびの発生、発育を抑えて清潔な居住空間を提供せんとする。

【０００４】

【従来の技術】

従来、建築建造部のスラブを構築する場合は、コンクリートパネルによって型枠を形成し、スラブ強度を保つための鉄筋を配筋、コンクリートを流し込んだ後に自然乾燥せしめ、パネルを剥がして形成している。

【０００５】しかし、建築建造物のスラブに発熱体を敷設する工法は、スラブの強度などを鑑みてか、此れらに用いられる事はなく、寒冷地における道路工事などのロードヒーティングなどに用いられているに過ぎなかった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案における課題としては、建築建造物のスラブに発熱体を敷設する事によって考えられる、スラブの強度面に対する不安を解消せしめる事にある。

【０００７】本考案では、従来のスラブ工法にあるスラブ配筋を必要とせず、さらに、スラブを形成後におけるコンクリートパネルの除去、廃棄処理工事をも必要としない事から、コンクリートパネルの耐水性、耐食性、強度が大きなポイントとして示される事となる。

【０００８】従来のコンクリートパネルでは、スラブ重量を支える強度が不足であると共に、耐水性に劣る事から、腐食、腐敗の温床ともなり、清潔な空間を提供出来なかった。

【０００９】さらに、湿気による伸縮に弱い事から接合箇所の剥離、撓みによる亀裂も発生する。従って、スラブ全体の強度面からも考えても効率的効果は望むべくもなく、故に、この様な工法は用いるに至らなかった。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案では、前述した課題を解決するためコンクリートパネルとして、構造用床合板を用いる事とした。

【００１１】本考案において、構造用床合板をコンクリートパネルとして用いる理由を次に述べる。構造用床合板Ｍと木製Ｉ型材Ｎによって型枠を形成した事から、スラブコンクリートの重量そのものを支えるに耐えるものである。

【００１２】また、接合面（木口）は、サネ式（ほぞの形状）を成している事から、伸縮、撓みなどの自然発生的トラブルにも強く、強度の分散性に優れている事と保温性にも優れている。

【００１３】さらに、従来のコンクリートパネルと比較して、耐水性が比較にならぬほど高い事から、腐食、腐敗を考慮するに至らない。

【００１４】従って、従来のスラブ工法にあるスラブ配筋を必要とせず、さらに、スラブ形成後に行なう、コンクリートパネルの除去、廃棄処理工事をも必要としない。

【００１５】

【実施例】本考案の一実施例を図面に基づき説明する。図１は、従来の床スラブと本考案による床暖スラブの比較、部分断面図、図２は、本考案の発熱形態を示す全体系統図である。

【００１６】構造用床合板Ｍと木製Ｉ型材Ｎによって型枠を形成し、構造用床合板Ｍの上面へ発熱体Ｘである送湯管を熱交換器のコイルの如く一定の間隔をおいて敷設、サドルバンドＸ２で固定、通水並びに耐圧テストを行なった後、スラブコンクリートＡを打設する。

【００１７】コンクリートを打設後は、自然乾燥を待ってスラブの形成を待つが、発熱体Ｘの機能を発揮出来る状態（全体設備として運用可能な状態）であれば、送湯管へ温水を通し、発熱体Ｘより放熱せしめる。

【００１８】発熱体Ｘより放熱せしめる事によって、自然乾燥を待つスラブの乾燥度合いは早まる事になり、工期短縮という思わぬ相乗効果を示す。

【００１９】また、強制的に乾燥を行なう事からスラブ面Ａ２に罅割れが発生するが、乾燥後に補修する事によって、強度の高いスラブが形成される。

【００２０】発熱体Ｘよりの発熱形態を図２の全体系統図をもって説明する。暖房を必要とする時期には、常時一定温度の温水が温水ボイラーＢに備蓄されている。

【００２１】この温水はバルブＶの開放により、送湯主管Ｓ２と温水循環ポンプＰを介して温水供給管Ｓ３より発熱体Ｘへ供給され、発熱体Ｘが熱せられる事により放熱せしめる。

【００２２】発熱体Ｘへ供給された温水は放熱作用を順次繰り返し、温度の低下した温水は温水戻り管Ｄ３を介して温水ボイラーＢへ戻り、一定の温度とされて巡回を繰り返す。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は、建築建造物のスラブに発熱体を形成する送湯管を敷設する事により、建物全体の補助暖房の役目を示す事から、主暖房費用のランニングコスト大幅減を可能とした。

【００２４】また、構造用床合板Ｍと木製Ｉ型材Ｎによって型枠を形成した事から、スラブコンクリートＡの重量そのものを支えるに耐えるものであり、従って、従来のスラブ工法にあるスラブ配筋を必要としない。

【００２５】さらに、スラブを形成後におけるコンクリートパネルの除去、廃棄処理工事を必要としない事から、工事費用の軽減と工期の短縮をも可能にすると共に、産業廃棄物の軽減を可能とするため、産業廃棄物の不法投棄などの減少を進め得るものである。

【００２６】なお、化石燃料の使用減につながる事からも、限りのある埋蔵物と云われる石油資源の保護、地球温暖化防止にも役立つものであり、また、コンクリート体の中に発熱体を敷設し、放熱せしめる事から３．０ミクロンから１０００ミクロン程度の穏やかな遠赤外線を発生させる。

【００２７】ヒトの身体からは、通常８ミクロンから１２ミクロン程度の遠赤外線が発生されており、従って、波長の合う遠赤外線はヒトの身体に良い影響を与えるとされ、アメリカ航空宇宙局の研究でもヒトの身体に良い作用を示す遠赤外線は、８ミクロンから１４ミクロンが最も効果を上げるとされている。

【００２８】遠赤外線は同一の波長が物質に当たると電磁的な共振を興す事は衆知である。その時発生する遠赤外線の波長は３．０ミクロンから１０００ミクロンの範囲であり、ヒトの身体から発生する遠赤外線の波長８ミクロンから１２ミクロン程度はその範囲に入る。

【００２９】遠赤外線はヒトの身体に良い影響を与えると云う事として、身体を芯から暖め微細血管、毛細血管を拡張させ血液循環の活性化を進め、新陳代謝の強化、体液障害の一掃、組織再生力の増加や成長を促進せしめ、殺菌効果も認められる。従って、かびの発生、発育を抑えて清潔な居住空間を提供出来るものである。

【００３０】なお、遠赤外線を効率良く発生せしめるには、遠赤外線発生物質の一つである自然石（川石や海石の様な、特に丸くて硬い石）を破砕して砂利とし、遠赤外線発生促進剤（木炭粉の様なものを云う）と共にコンクリートに混入すると、より効果を示す。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の床スラブと本考案による床暖スラブの比
較、部分断面図。

【図２】本考案の発熱形態を示す全体系統図。

【符号の説明】

ＡスラブコンクリートＡ２スラブ面Ａ３スラブ配筋Ｂ温水ボイラーＢＧ温度計Ｄ３温水戻り管Ｄ５温水の戻り方向を示す矢印Ｅ梁Ｅ２梁配筋Ｍ構造用床合板Ｎ木製Ｉ型材Ｐ温水循環ポンプＳ２送湯主管Ｓ３温水供給管Ｓ５温水の供給方向を示す矢印ＶバルブＸ発熱体Ｘ２サドルバンドＹ従来のスラブ構造Ｚ本考案のスラブ構造

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者松尾佳奈北海道札幌市西区八軒１条東４丁目１番16 号泰伸倉庫有限会社内 (72)考案者山本泰希北海道札幌市西区八軒１条東４丁目１番16 号泰伸倉庫有限会社内 (72)考案者中澤俊仁北海道札幌市西区八軒１条東４丁目１番16 号泰伸倉庫有限会社内 (72)考案者小林三紀子北海道札幌市西区八軒１条東４丁目１番16 号泰伸倉庫有限会社内 (72)考案者橋場克己北海道札幌市西区八軒１条東４丁目１番16 号泰伸倉庫有限会社内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】構造用床合板Ｍと木製Ｉ型材Ｎによって
型枠を形成し、構造用床合板Ｍの上面に発熱体Ｘである
送湯管を熱交換器のコイルの如く一定の間隔をおいて敷
設、サドルバンドＸ２で固定、スラブコンクリートＡを
打設した事を特徴とする床暖スラブ。