JP3052895B2 - 細胞毒性試験方法 - Google Patents

細胞毒性試験方法

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JP3052895B2
JP3052895B2 JP9166105A JP16610597A JP3052895B2 JP 3052895 B2 JP3052895 B2 JP 3052895B2 JP 9166105 A JP9166105 A JP 9166105A JP 16610597 A JP16610597 A JP 16610597A JP 3052895 B2 JP3052895 B2 JP 3052895B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に所定の間
隔で配列された多数の細胞接着領域中の細胞が接着して
いる領域を計測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】培養液中に存在する細胞や、基板に付着
した状態の細胞を計測する方法としては種々の方法がこ
れまで知られている。
【0003】例えば、細胞の計測方法、あるいは活性の
診断方法としては、特開昭64−29765号公報に
は、知識ベースに基づく画像認識装置による拡大画像を
用いて細胞の輝度から生細胞と死細胞とを区別して計測
する方法が開示されている。また、培養細胞の計数方法
としては、特開平2−25748号公報には、細胞に付
着生色素を付着させた後、あるいは反応させた後に細胞
を破砕して破砕溶液の吸光度から細胞数を求める方法が
開示されている。
【0004】一方、粒子集落の測定方法としては、特開
昭56−190467号公報には、論理分析評価装置、
遅延記憶装置等が必須である粒子集落の検査方法が開示
されている。また、特開昭63−53447号公報及び
特開平2−27260号公報には、微生物の懸濁液をメ
ンブレンフィルターで濾過し、フィルター上に残った微
生物の数を計数する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来法では計数作業に多大な手間、あるいは熟練した技
術が必要である、複数のサンプルの計数を行う場合では
計数時間に応じてサンプルの培養時間を調整する必要が
ある、更には理論分析評価装置あるいは知識ベースが必
要である、等の問題を有し、細胞を扱う種々の試験方法
への汎用性においてなお改善すべきものであった。
【0006】従来技術においては、例えば、細胞接着性
の領域を多数配列した基板を培養液内に配置して、被験
物質の存在下で細胞を培養し、各領域上における細胞の
接着増殖の有無を検出して、被験物質の毒性を試験する
方法における細胞が接着増殖している領域数の計測方法
として簡便かつ実用的な方法が見当たらないのが現状で
あった。
【0007】本発明の目的は、細胞接着領域の多数を配
列した基板における接着増殖のあった領域の計数を簡便
に行うことを可能とする計数方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、該計数方法を用いた被験物質
の毒性試験を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の毒性試験方法に
用い得る細胞数計数方法は、基板上に、各々が独立して
接着している細胞または細胞群の数を計測する方法であ
って、細胞が接着している基板に対して光プローブを相
対的に走査し、該基板を透過した光の強度変化を測定す
ることにより該基板上に接着している細胞または細胞群
の個数を計測するものである
【0009】この細胞計数方法によれば、基板上に細胞
または細胞群(コロニー)を固定した状態でその個数を
簡便に計測することができ、この方法を用いて、基板に
設けた細胞接着性領域への接着性が毒性成分の存在下で
変化する細胞を用いた被験物質の毒性試験における基板
上の細胞または細胞群の数を計測することができる
【0010】本発明においては、細胞または細胞群は、
培養後に基板に固定されたものであっても、基板の存在
下での培養により基板に接着したものであってもよい。
【0011】また、基板への光プローブの相対的な走査
には、光プローブを照射するための光源と、該光プロー
ブの基板透過光を受光する検出器との間に基板を配置し
て、基板を固定して光源と検出器のセットを移動させる
方法、光源と検出器を固定して基板を移動させる方法、
あるいはこれら両方を移動させる方法が利用できる。
【0012】細胞または細胞群は蛍光標識されたもので
あってもよく、その場合、前記光プローブは該蛍光標識
からの蛍光を生じさせるものであり、生じた蛍光を検出
器で検出することで細胞または細胞群の計数を行うこと
ができる。
【0013】また、基板には、細胞接着性領域の多数を
所定間隔での配列することができ、細胞接着性領域中に
細胞または細胞群を接着させて、これを計測することが
できる。この細胞接着性領域の多数を一定の間隔で配列
することで、より効率良い計数が可能となる。例えば、
検出器で検出される基板透過光の前記基板上の位置と強
度に関するスペクトラムの一次微分のピーク間隔を測定
することにより、基板上の特定点における細胞または細
胞群の有無を判定し、走査領域における細胞または細胞
群の数を効率良く計数することが可能となる。
【0014】光プローブの前記基板面で照射スポットの
大きさは、細胞接着性領域よりも小さく設定されるのが
好ましい。
【0015】この計数方法を利用した本発明の毒性試験
方法は、細胞非接着性の表面に、細胞接着性領域の多数
が所定間隔で配列された基板を培養液内に配置した状態
で、毒性成分の非存在下では前記細胞接着性領域に接着
し、毒性成分の存在下ではその接着が阻害される細胞
を、被験物質の存在下で培養する過程と、該培養過程終
了後に、該細胞接着性領域に接着している細胞数を計測
し、得られた計測値を基に前記被験物質の毒性を判断す
る過程と、を有する細胞毒性試験方法であって、前記細
胞が接着している基板に対して相対的に走査させた光プ
ローブにより細胞が接着している細胞接着性領域の個数
を計数することにより行うことを特徴とする。
【0016】本発明においては、培養液へ添加する細胞
を予め被験物質と接触させておいてから、細胞接着性領
域を設けた基板が配置された培養液へ添加しても良い。
あるいは、細胞接着性領域を設けた基板が配置された培
養液中で細胞の培養を行ってから、被験物質を添加して
も良い。
【0017】この毒性試験方法によれば、細胞を培養し
た後に基板上に設けた細胞接着性領域のなかの、細胞
(または細胞群)が接着している領域の数を計測すると
いう簡易な操作によって被験物質の毒性を簡便かつ正確
に検定可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、細胞が選択的に接着する細
胞接着性領域を多数配列した基板を用いた場合を代表例
として本発明の毒性試験方法に用いる計数方法における
測定原理を図を用いて説明する。図1に透過光を利用し
て細胞または細胞群の計数を行うシステムの模式図を、
図2に蛍光を利用して計数を行うシステムの模式図を示
す。
【0019】透過光を利用する場合では、図1のよう
に、基板5を光源3と検出器4の間にセットし、基板5
上に形成された細胞接着性領域6の配列方向に従って、
すなわち配列線上を光プローブ7のスポットを走査させ
る。その際、透過光8を検出器4で検出する。細胞接着
性領域6に細胞または細胞群が接着している場合と接着
しない場合とにおける透過光8の強度に差が生じるよう
にしておくことで、透過光8の強度の変化から細胞また
は細胞群の接着の有無を検出して、走査線でのこれらの
個数を計数できる。すなわち、基板光プローブとしての
一次光7で走査することにより、透過光8と基板位置と
でスペクトラムを得ることができ、得られたスペクトラ
ムから細胞または細胞群の個数を計数できる。従って、
基板は光透過性の材料から構成され、また細胞接着性領
域の材質や膜厚も、細胞または細胞群の接着の有無によ
り透過光強度の有意差が生じるように選定される。
【0020】図2に示した蛍光を利用する場合では、基
板上に固定した細胞に蛍光標識を行ってから光源3の下
方に設置し、光プローブとしての励起光で基板を走査
し、検出器4で蛍光の検出を行う。細胞接着性領域に蛍
光標識された細胞または細胞群が存在する場合は蛍光が
生じ、蛍光と基板位置とでスペトラムを得ることができ
る。なお、蛍光方法としては、例えば細胞をpH7.2
のHEPES緩衝液で洗浄した後に1.85%ホルムア
ルデヒドを用いて基板に固定し、1μM BO−PRO
溶液に浸漬して細胞を蛍光標識する方法等が利用でき
る。
【0021】図1及び図2のシステムで得られるスペク
トラムの代表例を図3に示す。図3に示すように、得ら
れたスペクトラムのピークを計数することにより、細胞
または細胞群が接着している細胞接着性領域の個数を計
数できる。図3の透過光または蛍光から得られた透過光
強度または蛍光強度と基板位置とのスペクトラムの一次
微分を行うと図4のグラフが得られる。このように、ス
ペクトラムの一次微分値を用いると、基板が培養液等で
汚れていて透過光あるいは蛍光のノイズ成分が大きい場
合にこれらの障害を排除できるので好ましい。
【0022】以上説明した計数方法は、細胞接着領域を
用いなくても、個々に独立した状態で細胞または細胞群
を基板に固定できる場合に好適に適用できる。
【0023】本発明の細胞計数方法を適用した毒性試験
方法を以下に説明する。本発明においては、まず基板の
所定位置に基板への細胞の選択的接着(付着)を可能と
する細胞接着因子からなる細胞接着性領域のパターンが
設けられる。このパターン、すなわち細胞接着性領域の
形状及び配列としては、試験操作を良好かつ簡便に行う
のに必要なパターンを選択して用いればよく、例えば、
図5に示すような一定間隔で配列された円形ドット状パ
ターンを好適なものとして挙げることができる。更に、
パターンの形状として、楕円形あるいは多角形等のパタ
ーン形状も利用可能である。
【0024】図5のようにドット状とする場合の各ドッ
トの大きさは、20〜100μm、好ましくは50μm
程度とすることができる。更に、各ドットの間隔は、5
0〜200μm、好ましくは100μm程度とすること
ができる。
【0025】細胞接着性領域は基板の有する細胞非接着
性の表面全面に均一に配列するのが好ましい。また、ド
ット状の配列を得るには、例えば、特開平5−1767
53号公報に記載の方法等を用いることができる。
【0026】細胞接着性領域を形成する細胞接着性因子
としては、基板上に細胞が選択的に接着できる領域を形
成可能なもので、毒性試験操作に影響を与えない物質で
あれば良く、例えばコラーゲン、フィブロネクチン、ラ
ミニン、ビトロネクチン等の細胞が接着可能な蛋白質を
挙げることができ、これらの被膜を基板上にパターン化
して細胞接着因子からなる領域を基板上に形成すること
ができる。この被膜の膜厚は、単分子層以上の厚さ、好
ましくは数100nm程度とすることができる。
【0027】更に、細胞接着因子は、常法により蛍光標
識されたものでも良く、蛍光標識された細胞接着因子を
用いることで、形成された細胞接着因子のパターンが光
学顕微鏡で観察されないほど薄い場合においても、パタ
ーンの有無の確認を、蛍光顕微鏡で観察することによ
り、非破壊的に、かつ簡単に行うことができる。
【0028】細胞接着因子からなる細胞接着のための領
域(細胞接着性領域)を配列する基板としては、毒性成
分の非存在下においても細胞の付着や接着がなく、ある
いは容易に洗浄除去できる程度に付着や接着が弱い細胞
非接着性の表面を形成でき、更に透過光や蛍光を用いた
計数操作に適用でき、更に良好な毒性試験操作を達成で
きるものであればよく、例えばガラス、石英、各種樹脂
等からなる基板を使用することができる。なお、基板は
培養器内に配置して用いるので、培養器に合う形状を有
するものが用いられる。
【0029】細胞接着性領域が配列された基板は、培養
器内の適当な位置、例えば底部等に配置され、その状態
で細胞の培養を行う。図5のドットを用いた場合を例に
とると、毒性成分のない正常な状態では細胞接着因子の
パターン上に細胞が選択的に接着する(図7参照)。こ
れに対して、毒性成分が添加されると、毒性の程度によ
り図8及び図9に示すようにドットに空席(細胞が接着
していない(−)ドット)が目立つようになる。
【0030】そこで、細胞が接着しているドット数を、
必要に応じて各種固定、染色法等を併用し、上述した方
法で計数し、得られる計数値に基づいて毒性の程度を測
定することができる。毒性についての陽性の判断方法と
しては、例えば被験物質の濃度シリーズを調製して、同
じ条件での試験を行い、被験物質の濃度に応じて細胞接
着因子のパターン上に接着している細胞数が少なくなる
場合、すなわち空席ドットの割合が増える場合を陽性
(毒性あり)と判定する方法が利用できる。
【0031】この方法によれば、基板上に全細胞数を直
接計数するのではなく、全ドットに占める空席ドット
((−)ドット)の割合、あるいは細胞が接着している
ドット((+)ドット)の割合を求めるという簡便法に
よって被験物質の毒性を判断することができる。
【0032】すなわち、基板全面に細胞を付着させた状
態でその数を計数するのではなく、細胞接着性領域を適
度な密度で配置して、接着する細胞を効果的に分散させ
るので、計数位置を低減化して計数操作をより簡便化で
きるとともに、基板に接着する細胞を適度に分散させる
ことで計数精度の向上も図れる。
【0033】用いる細胞としては、上述した毒性成分の
存在における細胞接着因子との関係において接着性が変
化するもので、増殖性や取扱性等を考慮して選択すれば
良く、例えば、肝細胞、血管内皮細胞、繊維芽細胞、表
皮細胞、上皮細胞、乳腺細胞、筋細胞、神経細胞、軟骨
細胞、骨細胞等の培養細胞(株化した細胞)を挙げるこ
とができる。
【0034】なお、正常状態において各ドットに細胞が
接着していることが測定の操作性という点から好まし
い。そこで、毒性成分の添加のない状態で各ドットに細
胞が接着した状態が得られる初期細胞濃度を予め求めて
おき、この初期細胞濃度を用いて本試験を開始するのが
好ましい。初期細胞濃度としては、細胞接着因子の種類
やそれにより形成パターンの総面積などに応じて異なる
が、例えば、1×104〜1×105cells/ml、好まし
くは5×104cells/ml程度とすることができる。
【0035】更に、被験物質の添加量は、毒性の測定が
できる範囲に設定され、予備試験により毒性の検出が可
能な被験物質濃度の範囲を予め決定しておくのが好まし
い。
【0036】一方、上記の例では、被験物質と細胞を培
養器内の培地に添加してから培養が行なわれているが、
(A)被験物質と接触させた細胞を培養器に添加して培
養する方法や、(B)培養器へ最初に細胞を添加して培
養を行った後に被験物質を添加する方法を用いることも
できる。
【0037】(A)の方法の場合の被験物質と細胞との
接触方法としては、例えば被験細胞の前培養時間、ある
いは増殖速度によって1時間〜数日程度の期間、被験物
質を各被験物質のシリーズに応じた濃度となるように添
加した状態で、その他の条件は通常方法と同じ条件で細
胞の培養を行う方法を挙げることができる。
【0038】(B)の方法における細胞の培養方法とし
ては、例えば細胞を通常の条件で細胞接着因子のパター
ン上で培養を行い、細胞が細胞接着因子上に接着、伸展
する培養後30分〜1時間後、あるいは数時間後に被験
物質を各被験物質のシリーズに応じた濃度となるように
添加する方法を挙げることができる。
【0039】
【実施例】
実施例1 特開平5−176753号公報に記載の方法を用いて、
石英チップ透明基板(1.5×2cm、厚さ0.7m
m)の一方の面の全面にコラーゲンの円形ドット状パタ
ーン(直径50μm)を図5に示す配列(各ドット間の
間隔:100μm)で形成した。
【0040】このコラーゲンパターンを有する基板を図
6(寸法は内壁間での距離である)に示す形状のシャー
レの底部に配置したものを多数用意し、以下の予備試験
及び本試験に用いた。なお、各操作は無菌的に行った。
【0041】予備試験 各シャーレ内に培養液(大日本製薬製VE培地)を充填
し、これらにヒト臍帯静脈血管内皮細胞(大日本製薬
製)を各ドットに空席ができない5×104cells/mlの
濃度で単細胞で懸濁するように加えた。更に、各シャー
レに被験物質としての四塩化炭素(ディメチルスルホキ
サイド[(CH32SO]溶液、各培地中での終濃度:
10μl/ml)を濃度を変えて添加し、一昼夜室温
(後述の本試験と同様:暗所、37℃、CO25%、湿
度100%)で培養した。対照としては、被験物質を添
加しないもの、ジメチルスルホキサイドのみを同量添加
したものを用いた。培養終了後、細胞が接着しているコ
ラーゲンドットの数を計測した。なお、細胞の固定、染
色も本試験と同様に常法により行った。
【0042】以上の操作を所要日数でまとめると以下の
とおりである。 1日目: 1)基板準備10枚 検体処理 2)濃度調整10用量(対照含む) 3)細胞播種(5×104cells/ml)、処理 細胞懸濁液に被験物質溶液を添加して播種 1枚/用量×10用量=10枚 2日目: 4)細胞毒性観察 細胞が接着している接着細胞因子のドットの計数 5)濃度設定:6用量(対照を含む)について 以上の予備試験の結果、1〜10mMの濃度(培地中で
の濃度)の四塩化炭素の添加範囲で毒性が現れることが
わかった。
【0043】本試験 まず、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞をリン酸緩衝液で洗浄
後、トリプシン処理し、適量の培養液に分散させて単細
胞の懸濁液とした。このとき、石英基板上に形成したコ
ラーゲンの各ドットの数(総面積)を考慮して、コラー
ゲンに空席ができないように5×104cells/mlの濃度
となるように懸濁させた。この細胞懸濁液をコラーゲン
のドットが配列された基板を底部に配置した各シャーレ
に1mlずつ分注した後、各シャーレに被験物質として
の四塩化炭素(ジメチルスルホキサイドに溶解して使
用、各培地中でのジメチルスルホキサイドの終濃度:1
0μl/ml)を、培地中の濃度が1、2、3、5また
は10mlとなるように添加してから、暗所、37℃、
CO25%、湿度100%の条件で一昼夜培養を行っ
た。培養終了後、細胞が接着しているコラーゲンドット
の数を計測した。なお、固定、染色等の操作は常法に従
った。 1日目: 1)基板準備10枚 4枚/用量×7用量=28枚 検体処理 2)濃度調整7用量(対照含む) 3)細胞播種(5×104cells/ml)、処理 細胞懸濁液に被験物質溶液を添加して播種 4枚/用量×7用量=28枚 2日目: 接着細胞が観察された細胞接着因子のドットの計測 4)固定、染色、水洗、風乾 5)接着細胞が観察された細胞接着因子のドットの計測 なお、上記の予備試験及び本試験における(+)ドット
の個数の計測は以下の2種の方法によって行った。染
色、蛍光標識等の操作は常法に従って行った。
【0044】(a)図1で示した透過光を利用する方法 照射光源(波長、強度):Arレーザ(488nm、2
5mW) 照射スポット径:1.5μm 照射スポット走査速度:200mm/sec 検出器:光電子倍増管 (b)図2で示した蛍光を利用する方法 照射光源(波長、強度):Arレーザ(488nm、2
5mW) 照射スポット径:1.5μm 照射スポット走査速度:200mm/sec 検出器:光電子倍増管 得られた結果を図10に示す。図10に示すように、3
mMを境に四塩化炭素の毒性が現れており、この結果は
従来法における試験結果と一致しており、本発明がの培
養細胞を用いた毒性試験方法としての実用性が確認され
た。更に、本実施例において用いた計数方法によれば計
数時間は1時間程度であり、肉眼による測定に比較して
1/5程度に短縮できた。
【0045】
【発明の効果】本発明に適用される細胞計数方法によれ
ば、細胞接着性領域の多数を所定間隔で基板に予め配列
しておくことで、基板に接着する細胞数または細胞密度
簡便な計数操作を可能とし、しかも計数の正確さを損
なわない範囲に低減することで、簡便かつ迅速な計数操
作が可能となる。
【0046】かかる細胞計数方法を用いた本発明の毒性
試験においては、接着性のある培養細胞を、細胞接着因
子からなる細胞接着性領域の多数が配列された基板の存
在下で培養する際に被験物質の添加によりその細胞接着
性領域への選択的接着性が阻害されることを利用して被
験物質の毒性を評価するもので、従来の細胞を用いた試
験方法に比べて短期間で試験結果を得ることができる。
【0047】また、接着性のある培養細胞を基板上の定
位置に配置することにより、従来法と比べて細胞数の計
数が容易なもとのなっており、熟練した技術が要求され
ず、簡便かつ迅速に、正確な測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過光を利用して細胞の計数を行うシステムの
模式図である。
【図2】蛍光を利用して細胞の計数を行うシステムの模
式図である。
【図3】透過光または蛍光の強度と基板位置関係との関
係を示すスペクトラムの模式図である。
【図4】透過光または蛍光の強度と基板位置関係との関
係を示すスペクトラムの一次微分値の模式図である。
【図5】基板面への細胞接着因子のドットパターンの配
列例を示す図である。
【図6】培養器としてのシャーレの形状を示す斜視図で
ある。
【図7】基板面上に設けた細胞接着因子のドットパター
ンにおける細胞の接着状態を示す図である。
【図8】基板面上に設けた細胞接着因子のドットパター
ンにおける細胞の接着状態を示す図である。
【図9】基板面上に設けた細胞接着因子のドットパター
ンにおける細胞の接着状態を示す図である。
【図10】実施例1で得られた被験物質濃度と計測され
た細胞数の関係を示すグラフである。横軸において
「C」はコントロール(培養液のみ)、「0」はジメチ
ルスルホキサイドのみを被験物質の添加の場合と同量添
加した系での結果を示す。
【符号の説明】
1 細胞が付着しているドット 2 細胞が付着していないドット 3 光源 4 検出器 5 基板 6 細胞接着性領域 7 照射光 8 透過光 9 励起光 10 蛍光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/00 - 1/22 G01N 33/483 G06M 11/00 C12M 1/34

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞非接着性の表面に、細胞接着性領域
    の多数が所定間隔で配列された基板を培養液内に配置し
    た状態で、毒性成分の非存在下では前記細胞接着性領域
    に接着し、毒性成分の存在下ではその接着が阻害される
    細胞を、被験物質の存在下で培養する過程と、該培養過
    程終了後に、該細胞接着性領域に接着している細胞数を
    計測し、得られた計測値を基に前記被験物質の毒性を判
    断する過程と、を有する細胞毒性試験方法であって、 前記細胞が接着している基板に対して相対的に走査させ
    た光プローブにより細胞が接着している細胞接着性領域
    の個数を計数することにより行うことを特徴とする毒性
    試験方法。
  2. 【請求項2】 細胞非接着性の表面に、細胞接着性領域
    の多数が所定間隔で配列された基板を培養液内に配置す
    る過程と、毒性成分の非存在下では前記細胞接着性領域
    に接着し、毒性成分の存在下ではその接着が阻害される
    細胞を、被験物質と接触させた後、前記培養液に添加し
    て培養する過程と、該培養過程終了後に、該細胞接着性
    領域に接着している細胞数を計測し、得られた計測値を
    基に前記被験物質の毒性を判断する過程と、を有する細
    胞毒性試験方法であって、 前記細胞が接着している基板に対して相対的に走査させ
    た光プローブにより細胞が接着している細胞接着性領域
    の個数を計数することにより行うことを特徴とする毒性
    試験方法。
  3. 【請求項3】 細胞非接着性の表面に、細胞接着性領域
    の多数が所定間隔で配列された基板を培養液内に配置す
    る過程と、該培養液に、毒性成分の非存在下では前記細
    胞接着性領域に接着し、毒性成分の存在下ではその接着
    が阻害される細胞を添加して培養した後に、被験物質を
    添加して更に培養を行う過程と、該培養過程終了後に該
    細胞接着性領域に接着している細胞数を計測し、得られ
    た計測値を基に前記被験物質の毒性を判断する過程と、
    を有する細胞毒性試験方法であって、 前記細胞が接着している基板に対して相対的に走査させ
    た光プローブにより細胞が接着している細胞接着性領域
    の個数を計数することにより行うことを特徴とする毒性
    試験方法。
  4. 【請求項4】 前記細胞接着性領域の多数が一定の間隔
    で配列されている請求項1〜3のいずれかに記載の毒性
    試験方法。
  5. 【請求項5】 前記光プローブの前記基板面での照射ス
    ポットの大きさが、前記細胞接着性領域よりも小さい請
    求項1〜3のいずれかに記載の毒性試験方法。
  6. 【請求項6】 前記光プローブの走査による細胞または
    細胞群の計数が、光源からの照射光を前記基板に透過さ
    せて得られる透過光の走査位置に応じた強度変化を示す
    スペクトラムに基づいて行われる請求項1〜5のいずれ
    かに記載の毒性試験方法。
  7. 【請求項7】 前記光プローブの走査による細胞または
    細胞群の計数が、前記細胞または細胞群を蛍光標識して
    おき、励起光で前記基板を走査し、走査位置に応じた蛍
    光の発生の有無あるいはその強度の変化を示すスペクト
    ラムに基づいて行われる請求項1〜5のいずれかに記載
    の毒性試験方法。
  8. 【請求項8】 前記スペクトラムの一次微分のピーク間
    隔を測定することにより、細胞または細胞群の存在の有
    無を判定し、走査線上における細胞または細胞群の数を
    計数する請求項6または7に記載の毒性試験方法。
  9. 【請求項9】 前記細胞接着性領域が、コラーゲン、フ
    ィブロネクチン、ラミニン及びビトロネクチンから選択
    された1種以上から形成される請求項1〜8のいずれか
    に記載の毒性試験方法。
  10. 【請求項10】 前記細胞接着性領域が、蛍光標識され
    ている請求項9に記載の毒性試験方法。
  11. 【請求項11】 前記細胞が、肝細胞、血管内皮細胞、
    繊維芽細胞、表皮細胞、上皮細胞、乳腺細胞、筋細胞、
    神経細胞、軟骨細胞及び骨細胞から選択された1種以上
    である請求項1〜10のいずれかに記載の毒性試験方
    法。
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