JP3048862U - ズボンのウエストサイズのアジャスト構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエストサイズを簡単に２サイズ上又はそれ
より上のサイズまで調節できると共に微調整もでき、ま
た、ソファー、イス等に座った場合に、着用者に腹回
り、腰回りの締め付け感を与えないように着用中にウエ
ストサイズを調節することができるズボンのウエストサ
イズのアジャスト構造を提供する。 【解決手段】 前身頃１Ａの上端に縫着された前ベルト
布３と後ろ身頃２Ａの上端に縫着された後ろベルト布４
との間の部分から前身頃１Ａと後ろ身頃２Ａとの間の部
分に亘って、上方側から下方側に次第に小さくなった楔
形に形成された布よりなる襠５を設けると共に、その襠
５を閉じるための手段（６）を設け、そして、前ベルト
布３及び後ろベルト布４のいずれか一方に角環９を設け
ると共に他方に面ファスナー８を有するアジャストベル
ト７を設けて、ズボンのウエストサイズのアジャスト構
造２０とする。前記「襠５を閉じるための手段（６）」
は、例えば、スライドファスナー、面ファスナー等であ
り、そして、前記「ズボン」は、例えば、スキーズボ
ン、スノーボードズボン等である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ズボンのウエストサイズのアジャスト構造に関し、更に、詳しくは 、例えば、スキー、スノーボード等のウインタースポーツにおいて着用されるズ ボンのウエストサイズのアジャスト構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、消費者は、既製品のズボンを求める場合には、予め所定間隔の丈及びウ エストサイズで製造された規格化されたズボンの中から自己のサイズに合うもの を選択し、購入しているが、かかる既製品のズボンは、標準体型により規格化さ れているので、例えば、着用者のウエストサイズが標準体型と比べて著しく大き い場合には、そのウエストサイズに合わせたものを選択しようとすると、丈の長 いものを選択しなければならない。そのために、このように丈の長いズボンは、 その裾が長すぎて着用できないので、その裾を切断すると同時に縫い直して着用 者の裾長さに合うように修正している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来行われているズボンの裾の切断、縫い直しによる裾長さの 調節は、熟練を要するので、着用者自ら調節することは困難であり、そのため、 修正業者に依頼して修正する必要があるが、このような修正業者による修正は、 費用がかかり、また、時間もかかるという問題がある。さらに、従来のズボンは 、ウエストサイズが合っていても、ソファー、イス等に座った場合、腹回り、腰 回りに締め付け感を与えるという問題がある。

【０００４】 本考案は、かかる問題を解決することを目的としている。 即ち、本考案は、ウエストサイズを簡単に２サイズ上又はそれより上のサイズ まで調節できると共に微調整もでき、また、ソファー、イス等に座った場合に、 着用者に腹回り、腰回りの締め付け感を与えないように着用中にウエストサイズ を調節することができるズボンのウエストサイズのアジャスト構造を提供するこ とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本第１考案は、上記目的を達成するために、前身頃上端に縫着された前ベルト 布と後ろ身頃上端に縫着された後ろベルト布との間の部分から前身頃と後ろ身頃 との間の部分に亘って、上方側から下方側に次第に小さくなった楔形に形成され た布よりなる襠を設けると共に、その襠を閉じるための手段を設け、そして、前 ベルト布及び後ろベルト布のいずれか一方に角環を設けると共に他方に面ファス ナーを有するアジャストベルトを設けることを特徴とするズボンのウエストサイ ズのアジャスト構造である。

【０００６】 本第２考案は、本第１考案において、襠を閉じるための手段がスライドファス ナー、面ファスナー、ボタン、フック又はスナップであることを特徴としている 。

【０００７】 本第３考案は、第１，２考案において、襠の上端近傍にウエスト方向に弾性体 による略布ベルト幅のシャーリングを形成して襠の上端近傍を伸縮自在にしたこ とを特徴としている。

【０００８】 本第４考案は、第３考案において、伸張させたテープ状弾性体を襠の上端近傍 にウエスト方向に縫着させてシャーリングを形成したことを特徴としている。

【０００９】 本第５考案は、第１、第２，３又は第４考案において、角環取り付け位置とス ライドファスナー取り付け位置との間及び面ファスナー取り付け位置とスライド ファスナー取り付け位置との間の前ベルト布並びに後ろベルト布に弾性体による シャーリングを形成して該前ベルト布及び後ろベルト布を伸縮自在にしたことを 特徴としている。

【００１０】 本第６考案は、第５考案において、伸張させたテープ状弾性体を前ベルト布及 び後ろベルト布にウエスト方向に縫着させてシャーリングを形成したことを特徴 としている。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図１は、本考案が適用されるズボンの説明図であって、（ａ）は、正面図であ り、そして、（ｂ）は、背面図である。図２は、本考案の一実施の形態を示すズ ボンのウエストサイズのアジャスト構造の部分拡大説明図である。図３は、本考 案の使用状態を示す説明図であって、（ａ）は、襠を閉めてアジャストベルトを 締めた状態を示す説明図であり、そして、（ｂ）は、襠を開けてアジャストベル トを締めた状態を示す説明図である。

【００１２】 図１に示されるように、本考案が適用されるズボンは、例えば、前身頃１Ａ， １Ｂ及び後ろ身頃２Ａ，２Ｂよりなるズボン本体、前ベルト布３及び後ろベルト 布４よりなるウエストベルト並びにサスペンダー６０から構成されている。前ベ ルト布３及び後ろベルト布４よりなるウエストベルトは、前身頃１Ａ，１Ｂ及び 後ろ身頃２Ａ，２Ｂよりなるズボン本体の上端に縫着され、そして、サスペンダ ー６０は、前ベルト布３及び後ろベルト布４にそれぞれ取り付けられている。５ ０は、襠形成部である。

【００１３】 前記「本考案が適用されるズボン」は、好適には、スキー、スノーボード等の ウインタースポーツにおいて着用されるズボンであるが、本考案の目的に反しな い限り、その他のズボンであってもかまわない。

【００１４】 図２において、２０は、本考案の「ズボンのウエストサイズのアジャスト構造 」である。「ズボンのウエストサイズのアジャスト構造」２０においては、前身 頃１Ａの上端に縫着された前ベルト布３と後ろ身頃２Ａの上端に縫着された後ろ ベルト布４との間の部分から前身頃１Ａと後ろ身頃２Ａとの間の部分に亘って 、上方側から下方側に次第に小さくなった楔形に形成された布よりなる襠５が設 けられると共に、その襠５を閉じるための手段としてスライドファスナー６，６ が設けられている。そして、前ベルト布３及び後ろベルト布４のいずれか一方に は、角環９が設けられると共に他方に面ファスナー８を有するアジャストベルト ７が設けられている。１０は、角環取り付け部材である。

【００１５】 前記「襠を閉じるための手段」は、例えば、スライドファスナー、面ファスナ ー、ボタン、フック及びスナップであって、好適には、スライドファスナーであ るが、本考案の目的に反しない限り、その他のものであってもかまわない。

【００１６】 本考案においては、襠５の上端近傍にウエスト方向に弾性体による略布ベルト 幅のシャーリング５ａを形成して襠５の上端近傍を伸縮自在にすることができる 。このようなシャーリング５ａは、例えば、伸張させた略ベルト布幅のテープ状 弾性体を襠５の上端近傍にウエスト方向に縫着させて形成することができる。テ ープ状弾性体としては、例えば、巾広ゴムが好適に用いられる。伸張されたテー プ状弾性体は、例えば、ミシンを用いて、略２ｃｍ幅に複数条平行に縫着される 。ここに説明したシャーリングの形成方法は、あくまでも、例示であって、本考 案の目的に反しない限り、その他の方法を採用してもかまわない。

【００１７】 また、本考案においては、角環９の取り付け位置とスライドファスナー６の取 り付け位置との間及びアジャストベルト７の取り付け位置とスライドファスナー ６の取り付け位置との間の前ベルト布３並びに後ろベルト布４に弾性体によるシ ャーリング３ａ、４ａを形成して該前ベルト布３及び後ろベルト布４を伸縮自在 にすることができる。このようなシャーリング４ａは、例えば、伸張させたテー プ状弾性体を前ベルト布３及び後ろベルト布４にウエスト方向に縫着させて形成 することができる。

【００１８】 前記テープ状弾性体は、前述したものと同様のものが用いられる。また、伸張 されたテープ状弾性体も前述したものと同様に縫着される。

【００１９】 本考案の「ズボンのウエストサイズのアジャスト構造」は、図３（ａ）に示さ れているように、スライドファスナー６をスライダー（図２の６ａ参照）で引き 上げて、襠５を閉めてスライドファスナー６の内側に閉じこめた状態で使用する ことができる。このような状態でアジャストベルト７を角環９に通し反転させて 面ファスナーでウエストベルトを固定する際に、ウエストベルト３，４がだぶつ く場合には、アジャストベルト７を締めてウエストベルト３，４の幅を絞ること により、着用者のウエストサイズに合うように調節することができる。このよう なウエストサイズの調節は、痩せ型体、即ち、標準体型と比べてウエストサイズ が小さい体型の人に対して好適に行うことができる。

【００２０】 また、本考案の「ズボンのウエストサイズのアジャスト構造」は、図３（ｂ） に示されているように、スライドファスナー６をスライダー６ａで引き下げて開 けることにより、襠５を開けた状態で使用することができる。そのために、スラ イドファスナー６の開閉によりウエストサイズの調節が可能となる。また、この ような状態でアジャストベルト７を角環９に通し反転させて面ファスナーでウエ ストベルト３，４を固定する際に、ウエストベルト３，４がだぶつく場合には 、アジャストベルト７を締めてウエストベルト３，４の幅を絞ることにより、着 用者のウエストサイズに合うように微妙なウエストサイズの調節が可能となる。

【００２１】 本考案によるウエスト寸法の許容範囲は、例えば、ＪＡＳＰＯサイズによって 表示すると次の表１に示される。

【表１】 ┌───┬─────┬────────────┬───────────┐ │ │ウエスト │ウエスト寸法の許容範囲 │ウエスト寸法の許容範囲│ │ │寸法(cm) │(cm)［襠を閉じた時］ │(cm)［襠を開いた時］ │ ├───┼─────┼────────────┼───────────┤ │ Ｍ │ ７８ │ ７６〜８０ │ 〜８６ │ ├───┼─────┼────────────┼───────────┤ │ Ｌ │ ８２ │ ８０〜８４ │ 〜９０ │ ├───┼─────┼────────────┼───────────┤ │ Ｏ │ ８６ │ ８４〜８８ │ 〜８８ │ ├───┼─────┼────────────┼───────────┤ │ ＸＯ │ ９０ │ ８８〜９２ │ 〜９８ │ └───┴─────┴────────────┴───────────┘

【００２２】 本考案の利点をまとめると次のとおりとなる。 （イ）襠を開くことにより、ウエストが約８ｃｍ大きくなるので、２サイズ上 又はそれより上のサイズまでカバーすることができる。例えば、表１によると、 Ｍサイズ表示で、Ｏサイズまで対応可能となる。

【００２３】 （ロ）襠の上端近傍にウエスト方向に弾性体による略布ベルト幅のシャーリン グを形成して襠の上端近傍を伸縮自在にし、また、角環取り付け位置とスライド ファスナー取り付け位置との間及び面ファスナー取り付け位置とスライドファス ナー取り付け位置との間の前ベルト布並びに後ろベルト布に弾性体によるシャー リングを形成したので、これらのシャーリングがウエスト寸法の微調整を可能と すると共にズボンを装着した時に身体とのフイット感を向上させることができる 。

【００２４】 （ハ）伸張させたテープ状弾性体を襠の上端近傍にウエスト方向に縫着させて シャーリングを形成し、また、伸張させたテープ状弾性体を前ベルト布及び後ろ ベルト布にウエスト方向に縫着させてシャーリングを形成したので、繰り返し伸 縮させても、型くずれしにくいシャーリングとすることができる。

【００２５】 （ニ）ズボンの着用中に休憩等でソファー、イス等に座っても、襠及びアジャ ストベルトでウエストサイズを調節することができるので、着用者に腹回り、腰 回りの締め付け感を与えることがない。

【００２６】

【考案の効果】

ウエストサイズを簡単に２サイズ上又はそれより上のサイズまで調節できると 共に微調整もでき、また、ソファー、イス等に座った場合に、着用者に腹回り、 腰回りの締め付け感を与えないように着用中にウエストサイズを調節することが できるズボンのウエストサイズのアジャスト構造を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が適用されるズボンの説明図であって、
（ａ）は、正面図であり、そして、（ｂ）は、背面図で
ある。

【図２】本考案の一実施の形態を示すズボンのウエスト
サイズのアジャスト構造の部分拡大説明図である。

【図３】本考案の使用状態を示す説明図であって、
（ａ）は、襠を閉めてアジャストベルトを締めた状態を
示す説明図であり、そして、（ｂ）は、襠を開けてアジ
ャストベルトを締めた状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ 前身頃 ２Ａ，２Ｂ 後ろ身頃 ３ 前ベルト布 ３ａ シャーリング ４ 後ろベルト布 ４ａ シャーリング ５ 襠 ５ａ シャーリング ６ スライドファスナー ６ａ スライダー ７ アジャストベルト ８ 面ファスナー ９ 角環 ２０ ズボンのウエストサイズのアジャスト構造 ５０ 襠形成部 ６０ サスペンダー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 伊藤 智子 東京都渋谷区千駄ヶ谷５−32−10 株式会 社フェニックス内

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前身頃上端に縫着された前ベルト布と後
   ろ身頃上端に縫着された後ろベルト布との間の部分から
   前身頃と後ろ身頃との間の部分に亘って、上方側から下
   方側に次第に小さくなった楔形に形成された布よりなる
   襠を設けると共に、その襠を閉じるための手段を設け、
   そして、前ベルト布及び後ろベルト布のいずれか一方に
   角環を設けると共に他方に面ファスナーを有するアジャ
   ストベルトを設けることを特徴とするズボンのウエスト
   サイズのアジャスト構造。
2. 【請求項２】 襠を閉じるための手段がスライドファス
   ナー、面ファスナー、ボタン、フック又はスナップであ
   ることを特徴とする請求項１記載のズボンのウエストサ
   イズのアジャスト構造。
3. 【請求項３】 襠の上端近傍にウエスト方向に弾性体に
   よる略布ベルト幅のシャーリングを形成して襠の上端近
   傍を伸縮自在にしたことを特徴とする請求項１又は２記
   載のズボンのウエストサイズのアジャスト構造。
4. 【請求項４】 伸張させたテープ状弾性体を襠の上端近
   傍にウエスト方向に縫着させてシャーリングを形成した
   ことを特徴とする請求項３記載のズボンのウエストサイ
   ズのアジャスト構造。
5. 【請求項５】 角環取り付け位置とスライドファスナー
   取り付け位置との間及び面ファスナー取り付け位置とス
   ライドファスナー取り付け位置との間の前ベルト布並び
   に後ろベルト布に弾性体によるシャーリングを形成して
   該前ベルト布及び後ろベルト布を伸縮自在にしたことを
   特徴とする請求項１，２、３又は４記載のズボンのウエ
   ストサイズのアジャスト構造。
6. 【請求項６】 伸張させたテープ状弾性体を前ベルト布
   及び後ろベルト布にウエスト方向に縫着させてシャーリ
   ングを形成したことを特徴とする請求項５記載のズボン
   のウエストサイズのアジャスト構造。