JP3045921U - 紙 箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 前面及び上面を開放した半組立状態に紙箱を
組立て、この半組立状態でショートケーキを出し入れす
ることによってこの作業を容易に行い、ショートケーキ
の出し入れ時にこれを形崩れさせるのを防止する。 【解決手段】 後側壁９とこの後側壁９に隣接する左右
側壁４、５とを中央に折目５０、５１を有する折り込み
片５２、５３を介して連結すると共に、後側壁９に一側
縁を連結する折目５０、５１から一方の折り込み片５２
ａ、５３ａを後側壁９内面に接着固定し、左右側壁４、
５を折り立てる動作に連動して後側壁９を折り立てこれ
ら左右側壁４、５及び後側壁９を相互に起立保持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ショートケーキの持ち帰り用の容器として販売店に用意される紙箱 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ショートケーキの持ち帰り用として用いられている紙箱は上蓋によって 上面のみが開閉できる状態に組立るものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のショートケーキの持ち帰り用の紙箱では、ショートケーキの出し入れが 箱上面からしか行い得ず、販売店で紙箱にショートケーキを詰め込む作業及び持 ち帰った後で紙箱からショートケーキを取り出す作業が行い難く、ショートケー キを形崩れさせてしまう恐れが多分にあった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

然るに、本考案は、四角形状の底板と、底板の各側縁から折り立てられる左右 及び前後側壁と、相対向する前後側壁の上縁から内側に折り曲げられ箱上面中央 で先端縁が接合される前後上蓋と、前後上蓋の先端縁から折り立てられ箱上面中 央で重ね合わされる前後取手片と、相対向する左右側壁の上縁から内側に折り曲 げられ重ね合わされた前後取手片の左右端部と係合される左右蓋押え片から成る 紙箱において、後側壁とこの後側壁に隣接する左右側壁とを中央に折目を有する 折り込み片を介して連結すると共に、後側壁に一側縁を連結する折目から一方の 折り込み片を後側壁内面に接着固定し、左右側壁を折り立てる動作に連動して後 側壁を折り立てこれら左右側壁及び後側壁を相互に起立保持するもので、左右側 壁とこれに隣接する後側壁を折り込み片によって起立状態に保持し、前面及び上 面を開放した半組立状態で紙箱を組立て、この半組立状態でショートケーキの出 し入れを容易に行わせ、ショートケーキの出し入れ時にこれを形崩れさせるのを 防止するものである。

【０００５】 また、後側壁に接着固定した折り込み片の傾斜上縁に折目を介してフラップを 設け、フラップを後側壁と後上蓋間の折目を通過させて後上蓋内側に延設するこ とにより、半組立状態の紙箱の後上蓋が内側に倒伏するのをフラップにより防止 し、ショートケーキの出し入れ作業の容易化に寄与するものである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。図１は本考案に係る紙箱用台 紙の展開図であり、横長な長方形状の底板（１）を設け、底板（１）の短尺側左 右側縁に折目（２）（３）を介して左右側壁（４）（５）を連結すると共に、底 板（１）の長尺側前後側縁に折目（６）（７）を介して前後側壁（８）（９）を 連結している。左右側壁（４）（５）の前側縁には折目（１０）（１１）を介し てフラップ（１２）（１３）を連結すると共に、左右側壁（４）（５）の上縁に は折目（１４）（１５）を介して二等辺三角形状の左右蓋押え片（１６）（１７ ）を連結している。前後側壁（８）（９）の上縁には折目（１８）（１９）を介 して前後幅が底板（１）の前後幅の半分の前後上蓋（２０）（２１）を連結し、 前後上蓋（２０）（２１）の先端縁には左右折目（２２）（２３）、（２４）（ ２５）及び左右折目（２２）（２３）、（２４）（２５）の内側端部に両端を連 結する門形の切目（２６）（２７）を介して前後取手片（２８）（２９）を連結 している。

【０００７】 また、左右蓋押え片（１６）（１７）の基端側中央部に両端を折目（１４）（ １５）に連結させる半円形状の切目（３０）（３１）を介して半円形状の左右上 蓋フラップ（３２）（３３）を切り起こし自在に形成し、切目（３０）（３１） の頂部から左右蓋押え片（１６）（１７）の頂部に向って縦切目（３４）（３５ ）を所定寸法形成し、縦切目（３４）（３５）の先端に台紙の肉厚の２倍の直径 を有する半円形状の切目（３６）（３７）を形成し、切目（３６）（３７）の両 端から縦切目（３４）（３５）と平行に切目（３０）（３１）まで折目（３８） （３９）、（４０）（４１）を形成する一方、前後上蓋（２０）（２１）の左右 側縁先端部から外側に左右上蓋フラップ（３２）（３３）の半径と同じ前後幅を 有する左右係止突起（４２）（４３）、（４４）（４５）を突出形成し、前後取 手片（２８）（２９）の上縁で左右側縁から所定寸法内側に入った位置にＶ字形 状の左右係止溝（４６）（４７）、（４８）（４９）を形成している。

【０００８】 さらに、後側壁（９）とこの後側壁（９）に隣接する左右側壁（４）（５）と を中央に折目であるミシン目（５０）（５１）を有する左右折り込み片（５２） （５３）を介して連結するもので、左右折り込み片（５２）（５３）を二分する ミシン目（５０）（５１）から一方の三角形状の内折り込み片（５２ａ）（５３ ａ）を後側壁（９）の左右側縁に折目（５４）（５５）を介して連結し、左右折 り込み片（５２）（５３）を二分するミシン目（５０）（５１）から他方の三角 形状の外折り込み片（５２ｂ）（５３ｂ）を左右側壁（４）（５）の後側縁に折 目であるミシン目（５６）（５７）を介して連結している。

【０００９】 また、内折り込み片（５２ａ）（５３ａ）の傾斜上縁に折目であるミシン目（ ５８）（５９）を介して左右フラップ（６０）（６１）を連結している。

【００１０】 上記の台紙は紙箱の製造工場において、図１の展開状態から所定箇所にのり付 け又は両面テープを貼付けて、所定の折目に沿って折曲げられ、ワンタッチで半 組立状態に紙箱を組立てることができる図２示す折畳み状態に加工されて出荷さ れるものである。

【００１１】 即ち、図１の展開状態の台紙を図２の折畳み状態にするには、先ず左右の内折 り込み片（５２ａ）（５３ａ）の上面にのり付け又は両面テープを貼付ける。次 に台紙右側の右側壁（５）と右側壁（５）の前後側縁に連結した右フラップ（１ ３）及び右折り込み片（５３）及び右フラップ（６１）と右側壁（５）の上縁に 連結した右蓋押え片（１７）とを一体的に折目（３）（５５）を介して底板（１ ）と底板（１）の前後側縁に連結した前後側壁（８）（９）の上面に折り畳み、 後側壁（９）の右側部上面に右側の内折り込み片（５３ａ）を接着固定した後、 台紙左側の左側壁（４）と左側壁（４）の前後側縁に連結した左フラップ（１２ ）及び左折り込み片（５２）及び左フラップ（６０）と左側壁（４）の上縁に連 結した左蓋押え片（１６）とを一体的に折目（２）（５４）を介して底板（１） と底板（１）の前後側縁に連結した前後側壁（８）（９）の上面に折り畳み、後 側壁（９）の左側部上面に左側の内折り込み片（５２ａ）を接着固定するもので ある。

【００１２】 そして、ショートケーキの販売店には大きさが異なる紙箱がそれぞれ図２の折 り畳み状態で用意され、購入されたショートケーキの数によって紙箱の大きさが 適宜選択され、選択された紙箱を図２の折り畳み状態から図３，図４，図５，図 ６に示す半組立状態に組立て、図３に示すように購入されたショートケーキを半 組立状態の紙箱に詰め込んだ後、図７，図８，図９，図１０に示す完全な組立状 態に組立て、家に持ち帰らせるものである。

【００１３】 即ち、図２の折り畳み状態から図３，図４，図５，図６の半組立状態に紙箱を 組立てるには、図２の折り畳み状態から左右側壁（４）（５）を折目（２）（３ ）を介して底板（１）の左右側縁から直角に折り立てることにより、この左右側 壁（４）（５）の起立動作に連動して、中央の折目（５０）（５１）から一方の 内折り込み片（５２ａ）（５３ａ）が後側壁（９）に接着固定された左右の折り 込み片（５２）（５３）によって後側壁（９）が引き上げられ、左右内折り込み 片（５２ａ）（５３ａ）の内側に中央の折目（５０）（５１）から他方の外折り 込み片（５２ｂ）（５３ｂ）が重合する状態に左右の折り込み片（５２）（５３ ）が折り畳まれながら後側壁（９）の内側に折り込まれていき、後側壁（９）が 折目（６）を介して底板（１）の後側縁から直角に折り立てられるもので、これ によって、底板（１）の左右側縁から折り立てられた左右側壁（４）（５）と底 板（１）の後側縁から折り立てられて左右側壁（４）（５）と隣接する後側壁（ ９）の前側壁（８）以外の３つの側壁（４）（５）（９）が起立状態で保持され 、前面及び上面が開放されると共に、起立状態の後側壁（９）の内側に折り込ま れた左右の折り込み片（５２）（５３）の内折り込み片（５２ａ）（５３ａ）の 上縁から後側壁（９）とこの上縁で起立している後上蓋（２１）間の折目（１９ ）を通過して後上蓋（２１）内側に左右フラップ（６０）（６１）が起立し、後 上蓋（２１）が内側に倒伏するのを左右フラップ（６０）（６１）で防止した半 組立状態に紙箱が組立てられるものである。

【００１４】 上記のように、上面だけでなく前面も開放されると共に、後上蓋（２１）の内 側への倒伏が防止された半組立状態の紙箱に購入されたショートケーキを詰め込 むから、詰め込み作業が容易に行え、この作業時にショートケーキを形崩れさせ てしまうのを防止できるものである。

【００１５】 さらに、図３，図４，図５，図６の半組立状態から図７，図８，図９，図１０ の完全な組立状態に紙箱を組立てるには、先ず前側の左右フラップ（１２）（１ ３）を折目（１０）（１１）を介して底板（１）の前側縁に沿うように起立保持 した左右側壁（４）（５）の前側縁から内側に直角に折り曲げ、また左右上蓋フ ラップ（３２）（３３）部をこの外面から内側に押し込み、起立状態の左右蓋押 え片（１６）（１７）から内側に直角に折り曲げ（切り起し）た後、前側壁（８ ）を折目（７）を介して底板（１）の前側縁から直角に折り立てる。次に左右フ ラップ（６０）（６１）をミシン目（５８）（５９）を介して内側に折り曲げな がら起立状態の後上蓋（２１）を折目（１９）を介して起立状態の後側壁（９） の上縁から内側に直角に折り曲げ、後取手片（２９）を左右折目（２４）（２５ ）及び切目（２７）を介して水平状態の後上蓋（２１）の先端縁から直角に折り 立てた後、起立状態の前上蓋（２０）を折目（１８）を介して起立状態の前側壁 （８）の上縁から内側に折り曲げて行き、またこの折り曲げ途中で前取手片（２ ８）を左右折目（２２）（２３）及び切目（２６）を介して前上蓋（２０）の先 端縁から折り立て行き、前上蓋（２０）を折目（１８）を介して起立状態の前側 壁（８）の上縁から内側に直角に折り曲げ、前取手片（２８）を左右折目（２２ ）（２３）及び切目（２６）を介して前上蓋（２０）の先端縁から直角に折り立 て、水平状態の前後上蓋（２０）（２１）の左右折目（２２）（２３）、（２４ ）（２５）に対応する先端左右側部を紙箱の上面前後幅中央で突き合わせ、切目 （２６）（２７）の内側に対応する先端中央突出部を上下に重ね合わせると共に 、起立状態の前後取手片（２８）（２９）を紙箱の上面前後幅中央で重ね合わせ る。そして最後に起立状態の左右蓋押え片（１６）（１７）を折目（１４）（１ ５）を介して内側に折り曲げて行き、重合状態の前後取手片（２８）（２９）の 左右係止溝（４６）（４８）、（４７）（４９）より外側の左右端部を左右上蓋 フラップ（３２）（３３）の切り起し孔及び切目（３４）（３６）、（３５）（ ３７）を介して左右蓋押え片（１６）（１７）の内側から外側に突き抜けさせ、 重合状態の前後取手片（２８）（２９）の左右係止溝（４６）（４８）、（４７ ）（４９）に左右蓋押え片（１６）（１７）を内側に傾斜した状態で係合させる もので、これによって、半組立状態の紙箱の開放前面に前側壁（８）が起立保持 されてこの開放前面が閉鎖され、半組立状態の紙箱の開放上面に前後上蓋（２０ ）（２１）が水平に張設保持されてこの開放上面が閉鎖され、紙箱上面前後幅中 央に取手が起立保持された完全な組立状態に紙箱が組立てられるものである。

【００１６】 半組立状態から完全な組立状態に紙箱を組立てる際、上記のように、前側壁（ ８）の起立保持及び前後上蓋（２０）（２１）の閉鎖保持を左右蓋押え片（１６ ）（１７）によって紙箱の上面外側で行うことにより、半組立状態から完全な組 立状態に紙箱を組立てる際にも、紙箱に納められたショートケーキを形崩れさせ ることがなく、効果的である。

【００１７】 そして、家に持ち帰ったショートケーキを紙箱から取り出すには完全な組立状 態から半組立状態に、半組立状態から完全な組立状態に紙箱を組立てる前記した 手順の逆の手順で、紙箱を分解し、再び紙箱の前面及び上面を開放して行うもの で、紙箱に購入したショートケーキを詰め込むときと同様に、紙箱からショート ケーキを取り出すときも、半組立状態で行うことにより、取り出し作業が容易に 行え、この作業時にショートケーキを形崩れさせてしまうのを防止できるもので ある。

【００１８】

【考案の効果】

以上実施例から明らかなように本考案は、四角形状の底板（１）と、底板（１ ）の各側縁から折り立てられる左右及び前後側壁（４）（５）及び（８）（９） と、相対向する前後側壁（８）（９）の上縁から内側に折り曲げられ箱上面中央 で先端縁が接合される前後上蓋（２０）（２１）と、前後上蓋（２０）（２１） の先端縁から折り立てられ箱上面中央で重ね合わされる前後取手片（２８）（２ ９）と、相対向する左右側壁（４）（５）の上縁から内側に折り曲げられ重ね合 わされた前後取手片（２８）（２９）の左右端部と係合される左右蓋押え片（１ ６）（１７）から成る紙箱において、後側壁（９）とこの後側壁（９）に隣接す る左右側壁（４）（５）とを中央に折目（５０）（５１）を有する折り込み片（ ５２）（５３）を介して連結すると共に、後側壁（９）に一側縁を連結する折目 （５０）（５１）から一方の折り込み片（５２ａ）（５３ａ）を後側壁（９）内 面に接着固定し、左右側壁（４）（５）を折り立てる動作に連動して後側壁（９ ）を折り立てこれら左右側壁（４）（５）及び後側壁（９）を相互に起立保持す るもので、左右側壁（４）（５）とこれに隣接する後側壁（９）を折り込み片（ ５２）（５３）によって起立状態に保持し、前面及び上面を開放した半組立状態 に紙箱を組立てることができ、この半組立状態でショートケーキを出し入れする ことによってこの作業が容易に行え、ショートケーキの出し入れ時にこれを形崩 れさせるのを防止できる等の実用的な効果を奏するものである。

【００１９】 また、後側壁（９）に接着固定した折り込み片（５２ａ）（５３ａ）の傾斜上 縁に折目（５８）（５９）を介してフラップ（６０）（６１）を設け、フラップ （６０）（６１）を後側壁（９）と後上蓋（２１）間の折目（１９）を通過させ て後上蓋（２１）内側に延設することにより、半組立状態の紙箱の後上蓋（２１ ）が内側に倒伏するのをフラップ（６０）（６１）により防止でき、ショートケ ーキの出し入れ作業の容易化に寄与するので効果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】紙箱用台紙の展開図。

【図２】折り畳み状態の平面図。

【図３】半組立状態の斜視図。

【図４】半組立状態の正面図。

【図５】半組立状態の平面図。

【図６】半組立状態の側面図。

【図７】完全な組立状態の斜視図。

【図８】完全な組立状態の正面図。

【図９】完全な組立状態の平面図。

【図１０】完全な組立状態の側面図。

【符号の説明】

（１） 底板 （４）（５） 左右側壁 （８）（９） 前後側壁 （１６）（１７）左右蓋押え片 （１９） 折目 （２０）（２１）前後上蓋 （２８）（２９）前後取手片 （５０）（５１）ミシン目（折目） （５２）（５３）折り込み片 （５２ａ）（５３ａ）内折り込み片 （５８）（５９）ミシン目（折目） （６０）（６１）フラップ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 四角形状の底板と、底板の各側縁から折
   り立てられる左右及び前後側壁と、相対向する前後側壁
   の上縁から内側に折り曲げられ箱上面中央で先端縁が接
   合される前後上蓋と、前後上蓋の先端縁から折り立てら
   れ箱上面中央で重ね合わされる前後取手片と、相対向す
   る左右側壁の上縁から内側に折り曲げられ重ね合わされ
   た前後取手片の左右端部と係合される左右蓋押え片から
   成る紙箱において、後側壁とこの後側壁に隣接する左右
   側壁とを中央に折目を有する折り込み片を介して連結す
   ると共に、後側壁に一側縁を連結する折目から一方の折
   り込み片を後側壁内面に接着固定し、左右側壁を折り立
   てる動作に連動して後側壁を折り立てこれら左右側壁及
   び後側壁を相互に起立保持することを特徴とする紙箱。
2. 【請求項２】 後側壁に接着固定した折り込み片の傾斜
   上縁に折目を介してフラップを設け、フラップを後側壁
   と後上蓋間の折目を通過させて後上蓋内側に延設した請
   求項１記載の紙箱。