JP3038098B2 - 液相結晶成長方法および液相結晶成長装置 - Google Patents

液相結晶成長方法および液相結晶成長装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶成長に関し、特に液
相結晶成長に関する。蒸気圧の高い化合物半導体、特に
II−VI族化合物半導体のバルク結晶成長技術とし
て、成長温度を低下できる溶液結晶成長が期待されてい
る。
【0002】
【従来の技術】II−VI族化合物半導体は高い融点を
有し、さらに構成元素の蒸気圧が高い。従って融液成長
では結晶成長容器に高い耐圧性が必要となるばかりでな
く、成長した結晶には高密度の結晶欠陥が生じ易い。
【0003】溶液成長を利用すると、II−VI族化合
物半導体の結晶成長温度を低下することが可能となり、
良質の結晶を得られる可能性がある。溶媒としてはII
−VI族化合物半導体の構成元素であるII族元素やV
I族元素を用いる方法が提案されている。
【0004】図7(A)に、従来の技術によるII−V
I族化合物半導体の溶液成長による結晶成長装置の構成
例を示す。図中右側に結晶成長装置を断面で示し、左側
に結晶成長装置内に設定される温度分布をグラフで示
す。
【0005】2種類の適当な径を有する石英管を接続し
て石英アンプル51が形成されている。なお、初めは上
端を開放しておく。石英アンプル51内の下部にはカー
ボン等の熱伝導率のよい材料で作成したヒートシンク5
5が配置されている。
【0006】ヒートシンク55は、その上面にシード結
晶52を載置するための凹みを有し、石英アンプル51
に固定されている。ヒートシンク55上面の凹みにシー
ド結晶52が載置され、その上からシード結晶を止める
ための適当な長さのバックアップリング56が挿入さ
れ、石英アンプル51に固定されている。なお、原料充
填前の状態においては、石英アンプル51のたとえば上
部が開放されている。
【0007】石英アンプル51に溶媒54としてSe−
Te(所定混合比のSeとTe)、ソース結晶53とし
てZnSe多結晶を挿入する。さらに、ソース結晶53
上にバックアップリング56′を挿入し、その上に結晶
成長開始前に溶媒54を飽和させるための他のソース結
晶53′を配置する。
【0008】なお、ZnSe結晶成長の溶媒としてSe
のみを用いるとZnSeの溶解度が低い。Se−Teを
用いるのは、Teを添加して溶解度を増大させるためで
ある。ソース結晶53、53′、溶媒54を装入した
後、石英アンプル51内を真空排気し、開放部を封止す
る。
【0009】このように準備した石英アンプル51を、
まず上下反転して加熱し、ソース結晶53′を溶媒54
に飽和濃度まで溶解する。次に、石英アンプル51を正
立状態に戻し、図7(A)左側に示すような温度勾配を
設定した外熱型の電気炉中に配置する。外熱型電気炉は
炉心管の周囲にヒータ線を巻回したもので構成され、炉
心管内部に石英アンプル51を収容するための縦型空間
が形成されている。
【0010】炉心管内部には、図中左側で示すように、
上部で高く、下部で低くなる縦方向温度分布が設定され
る。ソース結晶53が配置される位置の温度をTs、結
晶成長が生じるシード結晶52表面の位置の温度がTg
で示されている。Ts>Tgである。
【0011】このような温度分布内に石英アンプル51
が配置されると、高温部のソース結晶53は、高温部で
の飽和溶解度まで溶媒54に溶解する。飽和溶解度は一
般に温度と共に増大する。したがって、高温部の飽和溶
解度は低温部の飽和溶解度よりも高い。溶媒54中に溶
解したソース結晶成分は、拡散によって溶液中を低温部
にも移動し、低温部の溶液を過飽和状態にする。
【0012】シード結晶52が低温部に配置され、過飽
和溶液と接触することにより、シード結晶52上に結晶
成長が生じる。このようにして、シード結晶52上にバ
ルク状の単結晶を成長させる。
【0013】このような温度勾配溶液成長法において
は、結晶の成長速度はソース結晶3からシード結晶2に
至る溶媒4中に設定される温度勾配に依存することが実
験的に確認されている。
【0014】図7(B)は、結晶成長速度の溶液中、温
度勾配に対する依存性およびヒートシンクの長さに対す
る依存性を示す。図中、縦軸に成長速度をμm/hrで
示し、横軸に1cm当たりの温度勾配をΔTおよびヒー
トシンクの長さLをcmで示す。
【0015】図7(B)左側のグラフによれば、溶液中
に設定される温度勾配が大きくなるほど成長速度はほぼ
リニアに増大している。10℃/cmの温度勾配で成長
速度は約8μm/hrであった。しかし、温度勾配をよ
り大きくすると、結晶成長の終端部(成長結晶の頂部)
は多結晶化する傾向にある。これを●で示す。
【0016】溶液中を伝達した熱が、シード結晶2に達
しても逃げ場がないと、シード結晶2付近での温度勾配
が緩やかになってしまう。伝達される熱量が増大する
と、シード結晶2付近には温度勾配がほとんどなくな
り、シード結晶2に達する前に飽和溶液から固相が析出
してしまう。温度勾配を増大した時に成長終端が多結晶
となった現象は、この溶液中での固相析出を表すものと
考えられる。
【0017】シード結晶から熱を奪うためには、ヒート
シンクが有効なものと考えられる。しかしながら、図7
(B)右側のグラフに示すように、ヒートシンクの長さ
を長くしても成長速度の増大には飽和傾向が表れる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】溶液成長によって、比
較的低温で良質の半導体結晶を得ることは可能である。
しかしながら、現状の技術においては成長速度等に解決
すべき問題が残っている。
【0019】本発明の目的は、改良された溶液成長によ
る液相結晶成長を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の液相結晶成長方
法は、溶媒の上下に温度差を形成し、溶媒の高温部にソ
ース結晶を配置し、溶媒の低温部で結晶成長を行なう液
相結晶成長方法において、溶媒を容器中に収容し、容器
外側に配置したヒータからの輻射熱によって溶媒を加熱
し、結晶析出部周囲においてヒータからの輻射熱を遮蔽
し、容器を徐々に降下させながら結晶成長を行なうこと
を特徴とする。
【0021】
【作用】結晶析出部周囲において、ヒータからの輻射熱
を遮蔽すると、結晶成長速度が増大することが認められ
た。この現象は、以下のように考察できる。
【0022】結晶成長速度は、ソース成分の供給が十分
であれば、結晶析出部における温度勾配が急なほど大き
くすることが可能である。従来は、溶媒の熱伝導率が高
い上、結晶成長部においても外部から輻射熱を受けてい
たため、結晶析出部周囲において大きな温度勾配を形成
することが難しかった。
【0023】結晶析出部周囲に入射しようとするヒータ
からの輻射熱を遮断することにより、結晶析出部におい
て大きな温度勾配を形成することが可能となる。このた
め、大きな結晶成長速度を得ることが可能となる。
【0024】結晶が成長すると、結晶析出部の位置は徐
々に上昇する。結晶析出部の位置の変化は、成長温度の
変化や結晶析出部における温度勾配の変化等となって表
れる。したがって、結晶成長と共に、成長結晶の質に変
化が表れ、長尺結晶の成長が困難になる。
【0025】容器を徐々に降下させることにより、成長
温度や結晶析出部における温度勾配をほぼ一定に保つこ
とが可能になる。このため、均質な大きな結晶を得るこ
とが可能になる。
【0026】
【実施例】本発明者らは、先に輻射熱遮蔽を利用した液
相結晶成長を提案した(特願平4−220281号)。
以下、II−VI族化合物半導体のZnSeをSe−T
e溶媒を用いて成長する場合を例にとってこの参考例を
説明する。ZnSeは、青色発光半導体素子として期待
される材料である。
【0027】図7(A)に示すような液相結晶成長装置
において、ヒートシンク5としては熱伝導率が高いカー
ボン等が使用されている。ヒートシンクは、ヒートシン
ク周辺の温度勾配にしたがって伝導熱を吸熱する。
【0028】しかし、炉体からの輻射熱によってカーボ
ン自身も加熱されてしまう。カーボンの吸熱が大きい
と、ヒートシンク表面において温度が上昇し、溶液から
の吸熱作用を阻害してしまう。
【0029】図3は、本発明者らが先に提案した結晶成
長装置の構成を概略的に示す。炉芯管2は、その外側に
ヒータ9を巻かれ、内部に温度勾配を設定することがで
きる。炉芯管2内部に成長用石英アンプル2が設置され
る。
【0030】石英アンプル2の底部には、カーボン等の
ヒートシンク5が挿入され、その上に溶媒4が配置され
る。成長結晶8はヒートシンク5(またはヒートシンク
上のシード結晶)上に成長する。
【0031】石英アンプル1の周囲に、結晶析出部を覆
うように輻射熱遮蔽装置6を配置した。輻射熱遮蔽装置
6のヒートシンク表面より上の部分の長さをl1 とし、
下の部分の長さをl2 とする。また、ヒートシンク5の
長さをLとする。
【0032】このように、結晶析出部周囲に輻射熱遮蔽
装置を設置し、その配置を調製することにより、結晶成
長速度がどのように変化するかを調べた。図4は、輻射
熱遮蔽装置6のヒートシンク表面より下の部分の長さl
2 を30mmに固定し、ヒートシンク表面より上の部分
の長さl1 を変化させた時の成長速度の変化を示すグラ
フである。
【0033】l1 の長さを次第に増大させるにつれて、
成長速度は増加し、l1 ≒20〜30mm程度で最大値
に達している。さらに、l1 を増加させると、成長速度
はかえって低下した。
【0034】この結果は、結晶析出部直上における溶媒
を輻射熱遮蔽装置で覆うと、結晶析出部における温度勾
配作成に有効であるが、過度に輻射熱遮蔽を行なうと、
結晶析出部直上の溶媒中における温度勾配はかえって低
下してしまうものと考えられる。図示の測定結果におい
ては、l1 は約20〜25mm程度が最適と考えられ
る。
【0035】そこで、l1 を20mmに固定し、ヒート
シンク表面より下に配置される輻射熱遮蔽装置6の長さ
2 を変化させて成長速度の変化を測定した。図5は、
成長速度のl2 依存性を示す。
【0036】ヒートシンク表面より下に配置される輻射
熱遮蔽装置の長さl2 を変化させると、l2 の増大と共
に成長速度は次第に増大するが、その勾配は比較的緩や
かである。
【0037】さらに、l2 増大と共に、成長速度の増加
は飽和する傾向にある。なお、ヒートシンク表面より下
に輻射熱遮蔽装置を全く配置しない場合を試みたが、そ
の場合は多結晶が発生し易かった。
【0038】このような結果から、輻射熱遮蔽装置はヒ
ートシンク表面より下にまで配置する必要があるが、あ
まり長くしても効果は低いものと考えられる。図6は、
種々の条件における温度分布を測定した結果を示す。曲
線aは、電気炉の炉体のみによって形成される温度分布
を示す。
【0039】曲線bは、炉体内に石英アンプルを挿入
し、アンプル表面で測定した温度分布を示す。石英アン
プル挿入により、緩やかな温度分布に変化している。曲
線c、dは、石英アンプルの結晶析出部周辺に輻射熱遮
蔽装置を配置した場合の温度分布を示す。曲線cは、l
1 =40mm、l2 =30mmとした場合の温度分布を
示し、曲線dは、l1 =20mm、l2 =30mmとし
た時の温度分布を示す。輻射熱遮蔽装置の設定により温
度勾配は急になっている。なお、縦軸は温度を℃で示
し、横軸は縦方向距離をmmで示す。
【0040】これらの結果より、石英アンプルの結晶析
出部周辺に輻射熱遮蔽装置を配置すると、アンプルの結
晶析出部周辺の温度勾配を増大させることができること
が判る。
【0041】ヒートシンク表面より下の輻射熱遮蔽装置
の長さl2 を30mmとした時、ヒートシンク表面より
上に配置される輻射熱遮蔽装置の長さl1 は、40mm
の場合よりも20mmの場合のほうが大きな温度勾配作
成に有効であることも示されている。
【0042】このように、液相結晶成長において、成長
用アンプルの結晶析出部周囲に輻射熱遮蔽装置を用いる
ことにより、たとえば従来は8μm/hr程度であった
成長速度を約2倍近い15μm/hr程度まで増大させ
ることができた。なお、成長速度は成長温度等の成長条
件によって変化する。
【0043】このように、結晶成長速度は増大したが、
新たな問題が生じた。すなわち、図3に示すように、成
長結晶8が成長していくと、結晶析出部は徐々に上方に
移動する。結晶析出部の位置の移動により、成長温度が
変化し、結晶析出部周辺における温度勾配が変化してし
まう。
【0044】たとえば、図6に示す曲線dの配置とした
場合、成長結晶が20mm近くになると、成長面の上昇
により成長温度は上昇し、結晶析出部より上に配置され
る輻射熱遮蔽装置の長さは“0”に近くなってしまう。
このことは、l1 =0mmに近づくことと同等である。
【0045】そこで、結晶成長が進行しても成長温度や
結晶析出部近傍における温度勾配を一定にする技術が望
まれる。図1は、本発明の実施例による液相結晶成長を
説明するための図である。図1(A)は結晶成長装置の
概略断面図を示し、図1(B)は結晶成長装置内に形成
される温度分布を示す。
【0046】図1(A)において、炉芯管2の内周面に
は、結晶成長領域において輻射熱遮蔽装置6が配置され
ている。輻射熱遮蔽装置は、電気炉体からの輻射熱を遮
蔽する機能を有する断熱材、たとえばセラミックスファ
イバ等によって形成される。
【0047】断熱材をほぼ円筒形に成形し、炉芯管2内
に固定する。輻射熱遮蔽装置6中央部には、貫通孔を設
け、石英アンプル1を自由に通過できるようにする。石
英アンプル1内には、底部にヒートシンク5が配置され
る。
【0048】ヒートシンク5は、たとえば熱伝導率の高
いカーボンによって形成する。ヒートシンク5より上の
空間には、たとえばSe:Te=30:70の溶媒4お
よびZnSe多結晶のソース結晶3を収容する。
【0049】石英アンプル1頂上部には、石英アンプル
降下装置7を接続する。石英アンプル降下装置7は、た
とえば石英棒とこの石英棒を駆動するモータ駆動ギア装
置等によって形成される。
【0050】ヒートシンク5の表面には、シード結晶を
配置してもよいが、ヒートシンクの表面上に直接結晶成
長を行なわせることも可能である。さらに、石英アンプ
ル1の底部を囲むように、空冷パイプ等で形成された冷
却装置10が配置されている。なお、冷却装置10は省
略してもよい。
【0051】なお、石英アンプル1は、その上部に石英
アンプル降下装置7を備えている点を除けば、参考例に
おいて説明したものと同様である。図1(B)は、炉芯
管内に形成される温度分布を示す。横軸に温度を示し、
縦軸に高さ方向の位置を示す。なお、高さ方向の位置
は、図1(A)の位置と対応している。曲線eは、ヒー
タのみによって形成した炉芯管2内の温度分布を示す。
曲線fは、炉芯管内に石英アンプルを挿入した時のアン
プル表面での温度分布を示す。
【0052】石英アンプル1内に、溶媒4、ソース結晶
3を装填し、石英アンプル内部を真空排気した後、封止
し、石英アンプル降下装置7を接続して炉芯管2内に挿
入する。
【0053】炉芯管2内に、図1(B)に示すような温
度分布を形成しておき、石英アンプル1を石英アンプル
降下装置7を用いて徐々に降下させる。すると、ヒート
シンク5表面上に成長結晶8が発生する。
【0054】このような結晶成長によって成長温度99
0℃の場合に30μm/hr程度の成長速度を得ること
ができる。この成長速度は、輻射熱遮蔽装置の配置、温
度勾配および成長温度の選択等によりさらに上昇するこ
とが可能と思われる。したがって、融液成長に匹敵する
ような高い成長速度が液相成長によって得られる可能性
が高い。
【0055】さらに、結晶成長の進行と共に石英アンプ
ル1を徐々に降下させ、常にほぼ一定の位置において結
晶を析出させることにより、成長温度、結晶析出部近傍
の温度分布をほぼ一定に保ち、成長結晶の均一性を補償
することが可能になる。成長温度を一定に保って、成長
結晶の均一性を保つためには、石英アンプル1は成長速
度とほぼ等しい速度で降下させることが好ましい。
【0056】なお、石英アンプル1を固定したまま結晶
成長を行なった場合には、輻射熱遮蔽装置6の長さを長
くしても成長結晶の長さは15mm程度が限界であっ
た。石英アンプル1を降下させながら結晶成長を行なう
と、同一装置かつ同一温度条件で成長結晶の長さは20
〜25mm程度まで改良させることができる。
【0057】図2は、本発明の他の実施例による液相結
晶成長装置の構成を示す。図1に示す実施例において
は、輻射熱遮蔽装置6は炉芯管2内壁に固定したが、本
実施例においては、断熱材を成形した輻射熱遮蔽装置6
を石英管10の外周上に固定し、炉芯管2内に挿入して
いる。
【0058】なお、石英管10の内径は、石英アンプル
1を自由に通過させることができる値に選択する。この
ような構成によれば、石英アンプル1の寸法や得ようと
する単結晶の寸法に応じて輻射熱遮蔽装置を選択するこ
とが容易になる。
【0059】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
結晶成長容器として石英アンプルを用いる場合を説明し
たが、他の材料を使用することも可能である。成長用ア
ンプル降下装置もアンプル周囲の温度分布を乱さずにア
ンプルを降下させることのできるものであればよい。
【0060】また、輻射熱遮蔽装置をセラミックスファ
イバで形成する場合を説明したが、輻射熱を遮蔽する機
能を有すれば、他の材料を用いることもできる。また、
成長容器内の構成も種々に選択することができる。たと
えば、従来技術で説明したように、バックアップリング
を2重に設け、ソース結晶を2重に配置することもでき
る。
【0061】その他、種々の変更、改良、組み合わせ等
が可能なことは当業者に自明であろう。
【0062】
【発明の効果】溶液成長における結晶成長速度を増大す
ることができる。また、結晶成長の進行に拘らず、均質
な結晶を得ることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による液相結晶成長装置を示
す。図1(A)は液相結晶成長装置の概略断面図、図1
(B)は温度分布を示すグラフである。
【図2】本発明の他の実施例による液相結晶成長装置の
断面図である。
【図3】参考例による液相結晶成長装置の断面図であ
る。
【図4】図3の液相結晶成長装置における成長速度のデ
ータを示すグラフである。
【図5】図3の液相結晶成長装置における成長速度のデ
ータを示すグラフである。
【図6】図3の液相結晶成長装置における温度分布のデ
ータを示すグラフである。
【図7】従来の技術による液相結晶成長を説明する図で
ある。図7(A)は液相結晶成長装置を温度分布と共に
示す概略断面図、図7(B)は結晶成長の成長速度の温
度分布依存性およびヒートシンクの長さに対する依存性
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 石英アンプル 2 炉芯管 3 ソース結晶 4 溶媒 5 ヒートシンク 6 輻射熱遮蔽装置 7 石英アンプル降下装置 8 成長結晶 9 ヒータ 10 冷却装置
フロントページの続き (72)発明者 富田 尚太郎 神奈川県横浜市緑区荏田南2−17−8 205号 審査官 五十棲 毅 (56)参考文献 特開 昭52−149065(JP,A) 特開 平4−89386(JP,A) 特開 平8−225389(JP,A) 特開 平6−234589(JP,A) 特開 昭54−43460(JP,A) 高須新一郎著「結晶育成基礎技術」 (1980−5−30)東京大学出版会p. 127−128 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 9/00 - 9/14 C30B 28/00 - 35/00 H01L 21/208

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒の上下に温度差を形成し、溶媒の高
    温部にソース結晶を配置し、溶媒の低温部で結晶成長を
    行なう液相結晶成長方法において、 溶媒を容器中に収容し、 容器外側に配置したヒータからの輻射熱によって溶媒を
    加熱し、 結晶析出部周囲においてヒータからの輻射熱を遮蔽し、 容器を徐々に降下させながら結晶成長を行なうことを特
    徴とする液相結晶成長方法。
  2. 【請求項2】 溶媒の上下に温度差を形成し、溶媒の高
    温部にソース結晶を配置し、溶媒の低温部で結晶成長を
    行なう液相結晶成長装置において、 溶媒、ソース結晶を収容した容器を配置できる内部空間
    を有し、内部空間に輻射熱を放射することの出来る縦型
    ヒータと、 前記内部空間内に配置され、容器の結晶析出部に相当す
    る一部領域に入射する輻射熱を遮蔽する手段と、 容器を徐々に降下させる手段とを有する液相結晶成長装
    置。
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高須新一郎著「結晶育成基礎技術」(1980−5−30)東京大学出版会p.127−128

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