JP3033901B1 - パレット移動補助具 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 荷物を載置したパレットを、フォークリフト
などを使用して積み下し、その荷物を台車に載せて人力
で運ぶのが一般的であるが、トラックの荷台の形状によ
ってはフォークリフトが使用しにくい場合、また、フォ
ークリフトの作業スペースがない場合、荷物を人力で小
分けして移動しなければならなかった。 【解決手段】 パレット３４の開口部３６ａ内に挿入し
たパレット移動補助具の手元部のリング２５にクランク
ハンドル３７を差込み回すことでパレット移動補助具全
体が上昇してパレットを持ち上げ、次いでハンドル差込
管３６にハンドル３３を取付け、パレット上に荷物を載
置したままパレットごと荷物を移動できるパレット移動
補助具。 【効果】 フォークリフト等を使用する必要がない。ま
た、軽量かつコンパクトな装置なので作業場所を選ば
ず、荷下しの際に荷物を小分けに搬入する手間がなくな
り、特別な装備や外部の動力源は必要としないのでコス
トがかからない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はパレット移動補助具
に関し、さらに詳しくはパレットの開口部内に挿入した
パレット移動補助具の手元部のリングにクランクハンド
ルを差込み回すことでパレット移動補助具全体が上昇し
てパレットを持ち上げ、次いで手元部のハンドル差込管
にハンドルを取付け、このハンドルで、パレット上に荷
物を載置したままの状態でパレットごと荷物を移動でき
るパレット移動補助具に関する。

【０００２】

【従来の技術】高速道路が整い全国の流通経路の整備が
進み、運搬量の増加に伴い２４時間休むことなく運送、
運搬業務は行われている。運送、運搬業務の増加に随伴
してトラックの荷台や、倉庫内での荷物の積み下し作業
に於ては、木製やプラスチック製のパレット上に荷物を
積み上げ、荷物を載置した状態でこのパレットをフォー
クリフトやクレーンを使って荷物を積み下し、その荷物
を今度は台車に載せ人力で運んでいるのが現状である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、荷物を載置し
た重量のあるパレットを、フォークリフトやクレーンを
使用して作業する場合に、作業スペースが限られた場合
や作業場所が道路に面した場合など、フォークリフトで
の作業は他に通行する車や通行人を避けながら作業しな
ければならず、なるべく短時間で効率良く荷下しをしな
ければならない。また、荷物を載せたトラックが、幌や
アルミ製の囲いのあるトラックなどのときはフォークリ
フトが使用しにくい場合もある。さらに、荷下しの時に
トラックの駐車状況によってはトラックの片側面や後部
からしか荷下しができない場合もよくある。奥行きのあ
る荷台の長いトラックの場合、フォークリフトの先端が
届かない位置の荷物は、荷台の先端より人力で荷物を移
動しなければならず作業者の労力は大変なものである。
尚且つ、荷下しした荷物は小分けして人力で搬入する
か、台車の上に荷物を載せ変えて、その台車を人力で押
しながら搬入するのに作業者は頗る労力を必要としてい
た。また、トラックからの荷下しに限らず、倉庫内に積
載したパレット上の荷物の移動もその都度、台車に載せ
人力で搬入しなければならなかった。よって重量のある
パレット上の荷物を、トラックの荷台上や倉庫内におい
て簡単に移動できるパレット移動補助具の出現が現今強
く望まれている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであって、その要旨とするとこ
ろは、連結管の１側部に取付けした手元ケース内に挿入
した角ねじ筒に螺入したねじ棒の回動によって該手元ケ
ースを上昇すると同時に、ねじ棒の回動と共にかさ歯車
伝動機構を介して連結管内のロッドを回動して、該ロッ
ドの回動によって連結管の他の側部に取付けした先部ケ
ース内に装着したかさ歯車伝動機構及びねじ棒が回動し
て、同じく先部ケースを手元ケースと同時に上昇するよ
うに構成し、さらに両ケースの直下に自在に回転できる
車輪を取付けしてハンドルにて両面パレットを移動でき
るようにしたことを特徴とするパレット移動補助具、及
び連結管の両側部に取付けした手元部及び先部の両ケー
スの車輪取付板の両側突出板部に位置するように自在に
回転できる車輪をそれぞれ取付けし、ハンドルにて下面
のないパレット及び網パレットを移動できるようにした
ことを特徴とする請求項１記載のパレット移動補助具に
関する。

【０００５】

【発明の実施の形態１】本発明の実施の形態を実施例に
基づき図面を参照しながら詳細に説明する。図３に於
て、１ａは両側部が開放された方形のケースで、このケ
ース１ａの上面中央部には大孔２ａが、またケース１ａ
の底部には小孔３ａがそれぞれ設けられている。ケース
１ａの右側開放面へケースカバー５ａを皿ねじ８ａ，８
ａにて固着する。また、ケース１ａの小孔３ａへリング
状のベアリングブッシュ１４ａが固着されている。１３
aは上方中央部にねじ孔１５ａを設け、かつ下方中央部
を中空状とし、その下部を切削して開口部を形成した角
ねじ筒である。この角ねじ筒１３aの下部をベアリング
ブシュ１４ａ内へ挿入する。そして角ねじ筒１３aの下
部の開口部へ、ベアリング９ａが装着されていて、この
ベアリング９ａ内へ受軸１０ａを遊嵌して、該受軸１０
ａの下端へ車輪カバー１１ａを嵌入固着する。そして車
輪カバー１１ａ内には車輪１２ａが取付けされている。

【０００６】１６はねじ棒で、このねじ棒１６の上方外
周部にかさ歯車１７ａを嵌入固止する。そして該ねじ棒
１６を角ねじ筒１３ａのねじ孔１５ａへ螺入していく。
１８ａは中央部に孔を窄設してなるベアリングブッシュ
で、該ベアリングブッシュ１８ａの孔へねじ棒１６の上
部を挿通した状態でケース１ａへ固着してある。なお、
１９ａは角ねじ筒１３ａの上方側面部へ取付けしたボル
ト、２０ａはかさ歯車１７ａと角ねじ筒１３ａの間に取
付けするワッシャである。

【０００７】図３、図９において、４ａ，４ｂは中心部
に孔６ａ，６ｂを設けたジョイントガイドで、このジョ
イントガイド４ａ，４ｂの頭部が皿ねじ７ａ，７ａ及び
７ｂ，７ｂにてケース１ａ，１ｂの側部へそれぞれ嵌入
固着されている。２２は両側部にねじ孔を設けたロッド
で、このロッド２２の両側部をジョイントガイド４ａ，
４ｂの孔６ａ，６ｂへ挿通していき、さらに該両側部を
かさ歯車１７ａ，１７ｂと噛合するかさ歯車２１ａ，２
１ｂへ挿入したのち皿ねじ２３ａ，２３ｂにてかさ歯車
２１ａ，２１ｂをロッド２２の両側部へ固着する。２４
は中空状の連結管で、該連結管２４の両側部は両ジョイ
ントガイド４ａ，４ｂの側部へ固着されていて、両ケー
ス１a，１bを一体に連結しておりロッド２２を被覆して
いるものである。

【０００８】上述のケース１ａの構成は主として本発明
のパレット移動補助具の手元部について述べたものであ
るが、本発明のパレット移動補助具の先部についても図
９に示すように手元部と同様に対称な構成となる。即
ち、図９において上面中央部に大穴２ｂを、また底部に
小孔３bをそれぞれ設けたケース１ｂの左側開放面へ、
ケースカバー５ｂを皿ねじ８ｂ，８ｂにて固着する。ケ
ース１ｂの小孔３ｂへ固着したベアリングブッシュ１４
ｂへ角ねじ筒１３ｂの下部を挿入する。これは図３の補
助具手元部の構成と同様である。そして角ねじ筒１３ｂ
の下端へ車輪カバー１１ｂが嵌入固着され、車輪カバー
１１ｂ内に車輪１２ｂが取り付けされている。ねじ棒２
７の上方外周部にかさ歯車１７ｂが嵌入固止され、つい
で該ねじ棒２７を角ねじ筒１３ｂのねじ孔１５ｂへ螺入
していく。ベアリングブッシュ１８ｂの孔へねじ棒２７
の上部を挿通した状態で、ケース１ｂへ固着する。な
お、１９ｂは角ねじ筒１３ｂの上方側面部へ取り付けし
たボルト、２０bはかさ歯車１７bと角ねじ筒１３ｂの間
に取り付けしたワッシャであって、以上は補助具手元部
の構成と対称になっているのみで、全く同一構造であ
る。

【０００９】しかるに本発明補助具の先部には手元部と
は一部異なる構造部分があるので、手元部と先部につい
て異なる構造部分を以下図面を参照しながら詳細に説明
する。図３に於て、２５はリングで、このリング２５を
ベアリングブッシュ１８ａへ突出しているねじ棒１６の
上端に固止する。２６はケースカバー５ａの右側面部に
固着されたハンドル差込管である。図９に於て、２７は
補助具の先部のケース１ｂ内に装着した角ねじ筒１３ｂ
に螺入されるねじ棒であって、このねじ棒２７は補助具
の手元部にケース１ａの角ねじ筒１３ａに螺入されるね
じ棒１６と同様の働きをするが、リング２５を必要とし
ないため、ねじ棒２７の上部はケース１ｂのベアリング
ブッシュ１８ｂに挿通されており、ねじ棒２７の上端部
はベアリングブッシュ１８ｂの上面と略同じ高さになり
止め輪で固止してある。また、角ねじ筒１３bの下端に
は一体に車輪カバー１１bが固着されている。

【００１０】

【発明の実施の形態２】下面のないパレットおよび網パ
レットの際に使用するパレット移動補助具は発明の実施
の形態１に述べた構成と同様の構成となっているが、車
輪部分の形状が異なるので図７に示す実施例に基づき図
面を参照しながら詳細に説明する。図７に示すとおり２
８ａは凹形の板の両側上部を外方へ伸長させてなる車輪
取付板で、角ねじ筒１３bの下端へ該車輪取付板２８ａ
の窪んだ中央部分が嵌入固着してある。次いで、車輪取
付板２８ａの両側突出板部の下面にベアリング３２、３
２を介して車輪カバー３１a，３１aが受軸３０ａ，３０
ａにて取付されている。そして車輪カバー３１ａ，３１
ａ内には車輪２９ａ，２９ａが取付けされている。該車
輪２９ａ，２９ａの下部が車輪カバー２８ａの窪んだ中
央部より梢下方の位置になるように形成されている。即
ち、車輪２９ａ，２９ａは地面に接地するが、車輪カバ
ー２８ａの中央窪部は地面に接地しないように構成され
ている。なお、以上の実施例ではパレット移動補助具の
車輪部分における手元部の構成を説明したが、下面のな
いパレットおよび網パレットの際に使用するパレット移
動補助具の車輪部分における先部の構成は図１０に示す
ように車輪取付板２８bの両側突出板部の下面へ車輪２
９b，２９bを取付けした車輪カバー３１b，３１bを直接
溶着などにて一体に形成するものである。

【００１１】（作用１）両面パレット３４の開口部３６
ａ，３６ｂが横長形の長孔に形成されているため、本補
助具を両面パレット３４の開口部３６aへ挿入する場
合、本補助具を予め横向きに倒した状態で補助具先部か
ら開口部３６ａ，３６ａから挿入していき、補助具先部
が開口部３６ｂ，３６ｂへ抜け出たときに両補助具を図
３に示すように起立させる。このとき両車輪１２ａ，１
２ｂは地面へ接着しているが、連結管２４は両面パレッ
ト３４の開口部３６a，３６b間高さの略中間に位置にす
る。そこで本補助具の手元部のリング２５，２５にクラ
ンクハンドル３７をそれぞれ差込み回転させる。すると
リング２５の回転と共にねじ棒１６が回動して角ねじ筒
内から上昇していく。このときかさ歯車伝動によって、
かさ歯車２１aに固着してあるロッド２２が回動するの
で、補助具先部のかさ歯車伝動機構も作動してねじ棒２
７も同時に角ねじ筒内を上昇して両ケースが上方へ上げ
られていくのである。そして連結管２４が両面パレット
３４の開口部の上部へ衝止し、両面パレットを上方へ押
し上げたときにクランクハンドル３７の回転を停止すれ
ば、図５に示すように両補助具にて両面パレット３４を
地面より持ち上げた状態となる。それからハンドル差込
管２６，２６へハンドル３３の両垂直部を差込んで、人
力で両面パレット３４上に荷物を載置した状態のままパ
レットごと移動することができる。なお、ハンドル３３
の両垂直部幅は本補助具のそれぞれのハンドル差込管２
６，２６の幅と同じになるようにハンドル３３の中央横
長管にて横方向に伸縮自在に調節可能にしてある。

【００１２】（作用２）本発明の実施の形態２の下面の
ないパレットおよび網パレットの際に使用するパレット
移動補助具の使用状態を説明する。下面のないパレット
３５の開口部３６a，３６bの高さが低いので、本補助具
の場合は両車輪がケースの両隣にそれぞれ取付けし、補
助具を横向きにしなくてもそのまま先部から下面のない
パレット３５の開口部３６ａ内へ挿入していけば良く、
補助具の先部が開口部３６bから抜け出たら、クランク
ハンドル３７にてリング２５を回動して補助具の手元ケ
ース１a及び先部部ケース１bを同時に上昇させて連結管
２４の上面が下面のないパレットの開口部３６ａ，３６
ｂの上面に衝止して、補助具がパレット３５を持ち上げ
たならば、ハンドル３３をハンドル差込管２６に差し込
んで、人力で荷物を載置したままパレット３５ごと移動
していくことは前述作用１の場合と同様である。

【００１３】本発明の補助具を使用し目的地へ到着し、
パレットを移動し荷物を荷下ししたならば、再びクラン
クハンドルにてリングを回動してねじ棒を下降させるこ
とで本補助具を下降させる。パレットの開口部上面より
離脱してパレットより抜き出して、また次のパレットに
使用するものである。

【００１４】

【発明の効果】上下に昇降機能を有する本補助具に車輪
軸に直交するようにかさ歯車を噛合させ、このかさ歯車
伝動機構により確実にパレットの補助具差込口内にて固
定でき、ハンドルを差し込むだけで本発明の補助具にて
パレットごと容易に移動でき、従来のようにフォークリ
フトや台車を使用する必要がない。特別な装置や外部か
らの動力源は必要としないのでコストがかからない。然
も軽量かつコンパクトなパレット移動補助具なので、作
業スペースの限られた倉庫内やトラックなどの荷台でも
使用できる。また、従来のようにトラックからの荷下し
の際に、パレット上の荷物を小分けに運び込む手間がな
くなり作業労力が頗る軽減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパレット移動補助具を両面パレットの
使用状態を示す一部を欠截して示した斜視図である。

【図２】本発明の補助具の要部の正面図である。

【図３】本発明の補助具の手元部の要部の拡大縦断正面
図である。

【図４】本発明の補助具の手元部のケースが上昇した状
態を右側から眺めた参考縦断面図である。

【図５】本発明の補助具の手元部のケースが上昇して両
面パレットの開口部上面に衝止してパレットを持ち上げ
た状態を示す正面図である。

【図６】本発明の下面のないパレットおよび網パレット
に使用する補助具の要部の正面図である。

【図７】本発明の下面のないパレットおよび網パレット
に使用する補助具の手元部の要部の右側から眺めた参考
断面図である。

【図８】本発明の下面のないパレットおよび網パレット
に使用する補助具の手元部のケースが上昇してパレット
の開口部上面に衝止した状態を示す右側面図である。

【図９】本発明の両面パレットに使用する先部の要部の
縦断正面図である。

【図10】本発明の下面のないパレットおよび網パレット
に使用する補助具の参考斜視図である。

【図11】本発明の下面のないパレットおよび網パレット
に使用する補助具の先部の要部の左側から眺めた参考断
面図である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ ケース ２ａ，２ｂ 大孔 ３ａ，３ｂ 小孔 ４ａ，４ｂ ジョイントガイド ５ａ，５ｂ ケースカバー ６ａ，６ｂ 孔 ７ａ，７ｂ 皿ねじ ８ａ，８ｂ 皿ねじ ９ａ ベアリング 10ａ 受軸 11ａ，11ｂ 車輪カバー 12ａ，12ｂ 車輪 13ａ，13ｂ 角ねじ筒 14ａ，14ｂ ベアリングブッシュ 15ａ，15ｂ ねじ孔 16 ねじ棒 17ａ，17ｂ かさ歯車 18ａ，18ｂ ベアリングブッシュ 19ａ，19ｂ ボルト 20ａ，20ｂ ワッシャ 21ａ，21ｂ かさ歯車 22ロッド 23ａ，23ｂ 皿ねじ 24連結管 25リング 26ハンドル差込管 27ねじ棒 28ａ，28ｂ 車輪取付板 29ａ，29ｂ 車輪 30ａ，30ｂ 受軸 31ａ，31ｂ 車輪カバー 32 ベアリング 33ハンドル 34両面パレット 35下面のないパレット 36ａ，36ｂ 両パレットの開口部 37クランクハンドル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B62B 3/06 B66F 3/08

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 連結管の１側部に取付けした手元ケース
   内に挿入した角ねじ筒に螺入したねじ棒の回動によって
   該手元ケースを上昇すると同時に、ねじ棒の回動と共に
   かさ歯車伝動機構を介して連結管内のロッドを回動し
   て、該ロッドの回動によって連結管の他の側部に取付け
   した先部ケース内に装着したかさ歯車伝動機構及びねじ
   棒が回動して、同じく先部ケースを手元ケースと同時に
   上昇するように構成し、さらに両ケースの直下に自在に
   回転できる車輪を取付けしてハンドルにて両面パレット
   を移動できるようにしたことを特徴とするパレット移動
   補助具。
2. 【請求項２】 連結管の両側部に取付けした手元部及び
   先部の両ケースの車輪取付板の両側突出板部に位置する
   ように自在に回転できる車輪をそれぞれ取付けし、ハン
   ドルにて下面のないパレット及び網パレットを移動でき
   るようにしたことを特徴とする請求項１記載のパレット
   移動補助具。