JP3031486U - 止血器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 穿刺部の確実で安全な止血を行うこと。 【解決手段】 止血器は、可撓性のベルト（１）と、ベ
ルト（１）の中央部に装着された止血バルーン・ユニッ
ト（２）と、湾曲支持板（４）とベルトの両端部に固着
された圧着テープ（３）とからなる。ベルト（１）、止
血バルーン・ユニット（２）、湾曲支持板（４）の主要
部がすべて透明な可撓性材料から形成される。止血バル
ーン・ユニット（２）は止血バルーン（２１）の両側に
静脈血管確保用チューブ（２２）を取り付け、バルーン
（２１）の中央一縁に空気注入部（２３）を設けた構成
になっている。止血バルーン（２１）の裏側でかつベル
ト（１）の内面に硬質の透明な材料からなる湾曲支持板
（４）が固着される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、注射針、カテーテル等の太い管を動脈または静脈の血管内に挿入し 、抜取後の穿刺部の止血を人力によらずに行うことのできる止血器に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来、人工透析、血管造影、薬液持続注入等のために、注射針、カテーテル等 の太い管を動脈または静脈に挿入している。施術後、これらの管を抜き取ると穿 刺部から出血する。従来では、医師または看護婦が指等で強く押えて止血を行っ ていた。

【０００３】 この不便を解消するために、従来から多くの止血器が開発され、使用に供され てきた。しかし、従来の止血器には、次のような欠点があった。

【０００４】 （１）従来の止血器では、位置決め等、装着の際に手間がかかる。

【０００５】 （２）従来の止血器（クランプタイプ）では、穿刺部を挟んで押えているので、 止血の際に安定感がない。

【０００６】 （３）従来の止血器では、クランプまたは巻付けによって穿刺部を圧迫するので 、穿刺部の押圧を調整するのが難しい。

【０００７】 （４）穿刺部を不透明なもので圧迫するため、穿刺部が見えず、止血状況が確認 できない。

【０００８】 （５）同様のタイプの止血器（巻付けタイプ）では、静脈血を遮断することがあ り、血腫等を起す可能性がある。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上述した欠点を解消し、穿刺部の確実で安全な止血を行うことので きる止血器を得ることを課題にしている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案の止血器は、可撓性のベルトと、ベルトの中央部に装着された止血バル ーン・ユニットと、湾曲支持板と、ベルトの両端部に固着された圧着テープ（マ ジックテープ、ベルクロ（商標）等）とからなる。この止血器において、本考案 では、ベルト、止血バルーン・ユニット、湾曲支持板の主要部がすべて透明な可 撓性材料から形成され、止血バルーン・ユニットは止血バルーンの両側に静脈血 管確保用チューブを取り付け、バルーンの中央一縁に空気注入部を設けた構成に し、止血バルーンの裏側でかつ前記ベルトの内面に硬質の透明な材料からなる湾 曲支持板を固着することによって、上記課題を解決している。

【００１１】 止血ユニットがベルトにボタンによって着脱自在に取り付けられるか、または 溶剤、高周波溶着、もしくはかしめホックによって固定されてもよい。

【００１２】 止血ユニットの静脈血管確保用チューブが止血バルーンの両側に１本ずつ設け られるか、または止血バルーンの両側に複数本ずつ所定の間隔をあけて設けられ てもよい。

【００１３】 静脈血管確保用チューブが止血バルーンの両側に複数本設けられる場合に、そ のチューブが止血ユニットおよびベルトにボタンによって着脱自在に取り付けら れるかまたは溶剤、高周波溶着、もしくはかしめホックによって固着されてもよ い。また、この場合に、静脈血管確保用チューブが止血ユニットおよびベルトに 上下端を折り曲げて固着されてもよい。

【００１４】

【考案の実施の形態】 以下、図１−図７を参照して、本考案の実施の形態について、具体的に説明す る。

【００１５】

【実施例１】 図１に示すように、本考案の止血器は、可撓性のベルト１と、ベルト１の中央 部に装着された止血バルーン・ユニット２と、湾曲支持板４と、ベルと１の両端 部に固着された圧着テープ３（マジック・テープ、ベルクロ（商標）等）とから なる。この止血器において、本考案では、ベルト１、止血バルーン・ユニット２ 、湾曲支持板４の主要部がすべて透明な可撓性材料（例えば、塩化ビニール、ポ リエチレン等）から成形される。止血バルーン・ユニット２は、止血バルーン２ １の両側に静脈血管確保用チューブ２２を取り付け、止血バルーン２１の中央− 縁に空気注入部２３を設けた構成になっている。

【００１６】 静脈血管確保用チューブ２２は透明材料（例えば塩化ビニール、ポリエチレン 等）からつくられていることが好ましい。

【００１７】 図３に最もよく示すように、止血バルーン２１の裏側でかつベルト１の内面に 硬質の透明な材料（例えば、塩化ビニール、ポリエチレン等）からなる湾曲支持 板４が固着されることが好ましい。この湾曲支持板４は、止血バルーン２１が膨 脹するさいにベルト１とバルーン２１との間に若干の空隙を確保するとともに（ 図３参照）、バルーン２１が完全に膨張した後はバルーン２１を裏側から支持す る（図４参照）働きをする。

【００１８】 空気注入部２３は、図１、２に示すように、止血バルーン２１に設けた注入口 ２３１と、注入口に接続したビニール・チューブ２３２と、チューブ２３２の末 端に接続したメスルア２３３と、メスルア２３３に接続した三方活栓２３４（図 １（Ａ））または一方活栓２３５（図１（Ｂ））とからできている。

【００１９】 本実施例においては、止血ユニット２はベルト１にボタン５によって着脱自在 に取り付けられる。このボタン５の一例を図５に示す。図５においては、（Ａ） は雄ボタン５１の側面図、（Ｂ）は（Ａ）の平面図、（Ｃ）は雌ボタン５２の側 面図、（Ｄ）は（Ｃ）の平面図、（Ｅ）は雌雄ボタン５１、５２の嵌合状態を示 す側面図である。

【００２０】 次に、本実施例の止血器の一使用例について説明する。

【００２１】 例えば、図２、３に示すように、上腕６の血管７に穿刺が必要である場合、穿 刺後の止血に使用するときに、穿刺物８をそのままの状態で止血器を巻き付ける 。脈拍を採りながら空気注入部２３よりシリンジ９等を使い、血圧より少し低め の圧まで加圧する。そして穿刺物８を抜去する。脈拍を採りながら血圧より少し 高めに加圧し時間を置く（図４）。患者により止血にかかる時間に違いはあるが １０〜２０分位で止血できる。止血後、穿刺部１０からの血液漏れがないことを 確認しながら三方活栓２３４（図１（Ａ））または一方活栓２３５（図１（Ｂ） ）を調節して少しずつ空気を抜く（図３）。

【００２２】

【実施例２】 本実施例では、図示してはいないが、止血ユニットがベルトにボタンによって 着脱自在に取り付けられずに、溶剤、高周波溶着、またはかしめホックによって 固定されてもよい。

【００２３】

【実施例３】 本実施例では、図１に示すように止血ユニット２の静脈血管確保用チューブ２ ２が止血バルーン２１の両側に１本ずつ設けられずに、図６に示すように、止血 バルーン２１の両側に複数本（図示例では、２本）ずつ所定の間隔Ｓ（１０−５ ０ｍｍ）をあけて設けられてもよい。

【００２４】

【実施例４】 実施例３におけるように、静脈血管確保用チューブ２２が止血バルーン２１の 両側に複数本設けられる場合に、そのチューブ２２が止血ユニット２におよびベ ルト１にボタン５によって着脱自在に取り付けられるか（図６、図７（Ａ））ま たは溶剤、高周波溶着、もしくはかしめホック（図示せず）によって固着されて もよい。また、この場合に、静脈血管確保用チューブ２２が止血ユニット２およ びベルト１に上下端２２１を折り曲げて固着されてもよい（図７Ｂ）。なお、図 ７（Ａ）では、各チューブ２２がそれぞれ別個に設けられている例を示す。

【００２５】

【考案の効果】

本考案による止血器の効果は次の通りである。

【００２６】 （１）本止血器は、塩化ビニール・シート（ＰＶＣ）をベルト状にしたものに、 圧着テープを高周波溶着することで装着が容易にできる。

【００２７】 （２）本止血器は、幅広の塩化ビニール・ベルトを上腕に巻き付けて使用するの で、止血の際に安定感がある。

【００２８】 （３）本止血器は、穿止部をバルーンの拡張力で圧迫止血するもので、バルーン への空気注入量を微妙に調整することが可能で、適切な押圧で止血することがで きる。

【００２９】 （４）本止血器は、ベルト、止血バルーン・ユニット、湾曲支持板の主要部が透 明なため、穿刺部が見えるので、バルーンの位置決めが簡単にでき、止血中も止 血状況の確認ができる。

【００３０】 （５）本止血器を装着した際、静脈血を遮断することなく止血できるように、止 血器と腕の間に隙間を作るので、チューブを取り付けて静脈血管を押し潰さない ようにする。

【００３１】 （６）本止血器は、バルーンが大きいため、穿刺部を広範囲に圧迫することがで き、動脈血管のような弾力性のある血管でも、血管がずれることなく止血するこ とができる。

【００３２】 （７）本止血器の塩化ビニールの湾曲支持板は、バルーンを拡張した際、上方へ の膨みを抑えるとともに、支持板自体に軽く湾曲を付けることで、腕に巻き付け 易くしてある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の止血器の展開平面図である。

【図２】本考案の止血器を患者の止血部に装着した状態
を示す斜視図である。

【図３】図１の一部の側面図であって、止血バルーン膨
張前の状態を示す。

【図４】図１の一部の側面図であって、止血バルーン膨
張後の状態を示す。

【図５】固定ボタンの一例を示す側面図と平面図であっ
て、（Ａ）は雄ボタンの側面図、（Ｂ）は（Ａ）の平面
図、（Ｃ）は雌ボタンの側面図、（Ｄ）は（Ｃ）の平面
図、（Ｅ）は雌雄ボタンの嵌合状態を示す側面図であ
る。

【図６】止血バルーン・ユニットの平面図であって、静
脈血管確保用チューブの別の配置例を示す。

【図７】静脈血管確保用チューブの平面図であって、各
種取付け例を示す。

【符号の説明】

１・・・ベルト ２・・・止血ユニット ３・・・圧着テープ ４・・・湾曲支持板 ５・・・ボタン ７・・・血管 ８・・・穿刺物 ９・・・シリンジ １０・・・穿刺部 ２１・・・止血バルー
ン ２２・・・静脈血管確保用チューブ

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【手続補正書】

【提出日】平成７年１２月５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (12)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性のベルトと、該ベルトの中央部に
   装着された止血バルーン・ユニットと、前記ベルトの両
   端部に固着された圧着テープとからなる止血器におい
   て、 前記ベルト、止血バルーン・ユニットの主要部がすべて
   透明な可撓性材料から形成され、 前記止血バルーン・ユニットは止血バルーンの両側に静
   脈血管確保用チューブを取り付け、該バルーンの中央一
   縁に空気注入部を設けた構成であり、 前記止血バルーンの裏側でかつ前記ベルトの内面に硬質
   の透明な材料からなる湾曲支持板を固着したことを特徴
   とした止血器。
2. 【請求項２】 前記止血ユニットが前記ベルトにボタン
   によって着脱自在に取り付けられている請求項１記載の
   止血器。
3. 【請求項３】 前記止血ユニットが前記ベルトに溶剤に
   よって固着されている請求項１記載の止血器。
4. 【請求項４】 前記止血ユニットが前記ベルトに高周波
   溶着されている請求項１記載の止血器。
5. 【請求項５】 前記止血ユニットが前記ベルトにかしめ
   ホックによって固定されている請求項１記載の止血器。
6. 【請求項６】 前記止血ユニットの静脈血管確保用チュ
   ーブを前記止血バルーンの両側に１本ずつ設けた請求項
   １記載の止血器。
7. 【請求項７】 前記止血ユニットの静脈血管確保用チュ
   ーブを前記止血バルーンの両側に複数本ずつ所定の間隔
   をあけて設けた請求項１記載の止血器。
8. 【請求項８】 前記静脈血管確保用チューブを前記止血
   ユニットおよび前記ベルトにボタンによって着脱自在に
   取り付けられている請求項７記載の止血器。
9. 【請求項９】 前記静脈血管確保用チューブを前記止血
   ユニットおよび前記ベルトに高周波溶着されている請求
   項７記載の止血器。
10. 【請求項１０】 前記静脈血管確保用チューブを前記止
    血ユニットおよび前記ベルトにかしめホックによって固
    定されている請求項７記載の止血器。
11. 【請求項１１】 前記静脈血管確保用チューブを前記止
    血ユニットおよび前記ベルトに溶剤によって固着されて
    いる請求項７記載の止血器。
12. 【請求項１２】 前記静脈血管確保用チューブを前記止
    血ユニットおよび前記ベルトに上下端を折り曲げて固着
    されている請求項７記載の止血器。