JP3030304U - ビニールハウス用結露水排水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】ビニールハウス内の天井部に発生した結露水を
確実に排水できる。 【解決手段】アーチ状ビニールハウス用のアーチ状構造
材１を多数並設し、これら多数のアーチ状構造材１の天
井部は横通し部材によって連結され、該アーチ状構造材
１の肩部または側部にアーチ状構造材１を横切って結露
水受けフレーム２を固定金具３によって固設されたビニ
ールハウス用結露水排水装置において、前記結露水受け
フレーム２はシート定着用蟻溝型支持フレーム５の一方
の上縁部に連続して２条の凸条が形成されたシート取付
け部を形成し、さらに該取付け部を延長して結露水を受
ける延長縁を形成し、該延長縁の下部に該結露水の流入
部を備えた管状の排水部を配設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は本考案はアーチ状ビニールハウスの結露水受けフレームによってハウ ス内の結露水を受け、これを排水するためのビニールハウスの結露水排水装置お よびビニールハウス用結露水受けフレームに関する。

【０００２】

【従来技術】

近年、各種野菜、果物などの促成栽培が盛んに行なわれるようになり、ビニー ルハウスの必要性が一段と向上しており、このようなビニールハウス建設のため に種々の現場における作業性の良い形態のものが考案されるようになった。 例えば、ビニールハウスなどの構築に際して軟質ビニールシートの簡易で確実 な定着手段として実公平４−２５９４９号公報に提案されたのものがある。これ は上部に蟻溝を形成した長尺の角形構造材（垂木）に軟質ビニールシートを覆い 、蟻溝内にシートを押し込み、上方から角形握持部を備えた合成樹脂の保護体を 両端部に装着した波形線材によって係止するものであり、作業性がよく、安全に 定着作業ができる。

【０００３】 また、実公平４−４１８２０号公報により三角形状のチャンネル部材の上部に 開口部を形成し、その両端縁を互いに外方に折り返し、チャンネル部材の一方の 折り返し縁を延設して固定部材を形成した硬質ビニールシート係止用受け部材が 公知であり、さらに実公平２−４２８８２号公報により温室屋根面を構成する硬 質シートと軟質シートとを１つの部材によって定着する止め材も公知である。 しかし、上記の公報に記載されたものは全てビニールハウスの部材にシートを 定着する手段に関するものであり、ビニールハウスの内面に発生する結露水の排 出に関するものではない。

【０００４】 上記ビニールハウスの内面に発生する結露水は、シート内面を伝って流下しな がら接触する肩部横通しパイプに移行して、その部分からハウス内に滴下し、栽 培植物を傷めるという不都合があった。この結露水ぼた落ち現象は、ハウス上部 両側の肩部横通しパイプにおいて起こるので、アーチパイプの本数の約二倍、あ るいはそれ以上の箇所で植物を痛めつけるためその被害は極めて甚大である。 したがって、近年このビニールハウスの内面に発生する結露水のぼた落ち現象 による被害を防止する開発が特に要望されている。

【０００５】 このようなビニルハウスの実状において、凝縮水ぼた落ち現象を解消するため ドロップレス機能をもたせたハウス上部に用いる連結金具が研究され、植物栽培 用ハウスの上部に用いる金具に要求される優れたドロップレス機能をＵ字形板状 部材に与えた連結金具が実公昭６２−２７６９１号公報により知られており、こ れはあくまでもアーチパイプと肩部横通しパイプとの間隔を保ってビニールハウ スの内面に発生する結露水がシート内面を伝って流下する際に肩部横通しパイプ に触れないように工夫し、側面から流下させるようにしたものである。

【０００６】 また、結露水受け部材が開発され、従来のハウス骨組みの蟻溝形支持フレーム を利用したビニールハウスの結露水受け部材としては、実公平２−６７７０号公 報に記載されたシート止め材や、実公平４−８７６１号公報に記載され結露水受 け部材のようにアーチ状ビニールハウスのシート定着用蟻溝型支持フレーム接続 させて、ハウス内の結露水を受け、これを排水するための棚ひれや溝形のビニー ルハウスの結露水受け部材が公知である。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記実公平２−６７７０号公報に記載されたシート止め材は蟻 溝型支持フレーム上縁部に形成された折り返し部に棚ひれ部を形成し、結露水を 流す樋としたものであり、また実公平４−８７６１号公報に記載され結露水受け 部材は前記受け部材本体の一端部に前記蟻溝型支持フレーム上縁部に形成された 折り返し部に嵌着できる掛止部を設け、前記本体の他端部には内方に折り曲げた 側壁を形成し、かつ該側壁の稜線上に小突条を突設するとともに、前記側壁の下 部を延設して結露水を受ける排水溝部を形成し、ハウス骨組みの蟻溝型支持フレ ームに容易に、かつ確実に装着することができるものではあるが、これら両者共 に天井部に発生した結露水を確実に受け、これを排水溝部に容易に導入し、確実 に排水できるビニールハウス設備として完成された結露水排水装置とは云えなか った。

【０００８】 特に、蟻溝型支持フレームに結露水を排水するために棚ひれ部や溝部を備えて いるので、結露水が棚ひれ部や溝部から溢れ出たり、また大型ビニールハウスに おいてこれらを連結するのには特殊な断面をしているから特別の連結金具が必要 であり、さらに特殊な断面のこれらを水密に連結するのは難しく、その連結部か ら水滴が落ちてぼた落ち現象が発生し、植物に被害が発生するという欠点があっ た。その上に植物の栽培に必要な採光と通風とを共に満足させるために軟質シー トまたは硬質シートと軟質シートを選択して定着できるものもは全くない状況で あった。

【０００９】 本考案は上記の事情に鑑みてなされたものであり、植物の栽培に必要な採光と 通風とをともに満足させるために軟質シート、または硬質シートと軟質シートを 定着できる結露水受けフレームによりアーチ状ビニールハウス内の天井部に発生 した結露水を確実に受け、これを排水管部に容易に導入でき、プラスチックパイ プによって連結された排水管部からの水滴のぼた落ちがなく、より確実に排水で きるビニールハウスの結露水排水装置およびビニールハウス用結露水受けフレー ムを提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の目的を達成するために、アーチ状ビニールハウス用のアーチ状 構造材を多数並設し、これら多数のアーチ状構造材の天井部は横通し部材によっ て連結され、該アーチ状構造材の肩部または側部にアーチ状構造材を横切って結 露水受けフレームを固定金具によって固設されたビニールハウス用結露水排水装 置において、前記結露水受けフレームはシート定着用蟻溝型支持フレームの一方 の上縁部に連続して２条の凸条が形成されたシート取付け部を形成し、さらに該 取付け部を延長して結露水を受ける延長縁を形成し、該延長縁の下部に該結露水 の流入部を備えた管状の排水部を配設したことを特徴とするビニールハウス用結 露水排水装置である。

【００１１】 また、アーチ状ビニールハウス用のアーチ状構造材を多数並設し、これら多数 のアーチ状構造材の天井部は横通し部材によって連結され、該アーチ状構造材の 肩部または側部にアーチ状構造材を横切って結露水受けフレームを固定金具によ って固設されたビニールハウス用結露水排水装置において、前記結露水受けフレ ームはシート定着用蟻溝型支持フレームの一方の上縁部に連続して２条の凸条が 形成されたシート取付け部を形成し、さらに該取付け部を延長して結露水を受け る延長縁を形成し、該延長縁の下部に該結露水が流入する切欠き部を備えた排水 管部を配設し、該排水管部をプラスチックパイプによって連結して排水するよう にしたことを特徴とするビニールハウス用結露水排水装置である。

【００１２】 さらに、結露水受けフレームはシート定着用蟻溝型支持フレームの一方の上縁 部に連続して２条の凸条が形成されたシート取付け部を形成し、さらに該取付け 部を延長して結露水を受ける延長縁を形成し、該延長縁の下部に切欠き部を上部 に形成した排水管部を配設したことを特徴とし、また結露水受けフレームはシー ト定着用蟻溝型支持フレームの側部および底部に取付け溝を形成し、該シート定 着用蟻溝型支持フレームの一方の上縁部に連続して２条の凸条が形成されたシー ト取付け部を形成し、さらに該取付け部を延長して結露水を受ける延長縁を形成 し、該延長縁の下部に切欠き部を上部に形成した排水管部を配設したことを特徴 とするビニールハウス用結露水受けフレームである。

【００１３】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の形態について説明すると、本考案に係るビニールハウス 用結露水排水装置はアーチ状構造材の肩部または側部に固定金具によって結露水 受けフレームを固設した植物栽培のためのアーチ状ビニールハウスにおいて使用 されるものであり、ハウスはアーチ状構造材を多数並設し、これら多数のアーチ 状構造材の天井部は横通し部材によって連結され、このアーチ状構造材の肩部ま たは側部に固定金具によって結露水受けフレームをアーチ状構造材を横切って固 設し、この骨組み全体に軟質シートを展張する際は、結露水受けフレームのシー ト定着用蟻溝型支持フレームにシートを押し込み、波形線材によって定着する。 また植物の栽培に必要な採光と通風とを共に満足させるために硬質シートと軟質 シートを定着する際には、天井部分に透光性のよい硬質シートを展張し、結露水 受けフレームのシート取付け部の２条の凸条間に添え材を介してその硬質シート をビス止めし、一方換気のためハウス下方部は巻き上げるのに便利なように結露 水受けフレームより下方には軟質シートを展張して蟻溝型支持フレームにそのシ ートを押し込み、波形線材によって定着してハウスを構築する。

【００１４】 また、結露水受けフレームにはハウスのシート定着用蟻溝型支持フレームの一 方の上縁部に連続して２条の凸条が形成されたシート取付け部を形成し、さらに その取付け部を延長して結露水を受ける延長縁を形成し、この延長縁の下部に結 露水が流入する切欠き部を備えた排水管部を配設し、その排水管部をプラスチッ クパイプによって連結して排水するようにしたから、ハウス上部の内面に発生す る結露水は、シート内面を伝って流下しながら前記延長縁に接触してこの延長縁 の下部に設けられた排水管部の切欠き部から排水管部内に流入し、排水管部に沿 って流れ、この排水管によって前記結露水はハウスの妻面方向に移送されるから 、ハウスの内面に発生する結露水のぼた落ち現象は生じない。 このように、ハウス上部の内面に発生した結露水が排水管によってハウスの妻 面方向に流下する際、その排水管部をプラスチックパイプによって完全水密に連 結してあるから排水管部からの水滴のぼた落ちがなく、結露水が流入する切欠き 部を排水管部の上部に形成したから途中で溢れ出ることもない。

【００１５】

【実施例】

次に、本考案に係るビニールハウス用結露水排水装置の一実施例について図面 を参照して説明すると、図１は本実施例の斜視図、図２は本実施例の結露水受け フレームの端面図、図３は本実施例の結露水受けフレームの斜視図、図４は本実 施例の結露水受けフレームの排水管部の連結状態を示す側面図である。

【００１６】 図１は本実施例の採光と通風とを共に満足させるために硬質シートと軟質シー トを定着したアーチ状ビニールハウスを示しており、これはアーチ状構造材１を 多数並設し、これら多数のアーチ状構造材１の天井部は図示しない横通し部材に よって連結され、そのアーチ状構造材１の肩部または側部には結露水受けフレー ム２が固定金具３によって固設されていて、上記アーチ状構造材１の下端には雨 樋４が設けられている。 そして、結露水受けフレーム２は図２および図３に示すように、シート定着用 蟻溝型支持フレーム５の一方の上縁部に連続して２条の凸条６が形成されたシー ト取付け部７を形成し、さらにこのシート取付け部７を延長して結露水を受ける 延長縁８を形成し、この延長縁８の下部に結露水が流入する切欠き部９を備えた 排水管部１０が配設されている。 上記結露水受けフレーム２は通常長さが４ｍまたは６ｍであるから、大型ビニ ールハウスにおいては、図４に示すように固定金具３によってアーチ状構造材１ に固設された結露水受けフレーム２の排水管部１０をプラスチックパイプ１１に よって連結して結露水をハウスの妻面方向に流し、排水管部１０の端からパイプ １６によって地面に落とし、ハウス外に排水するようになっている。また蟻溝型 支持フレーム５の側部および底部には取付け溝１２，１２Ａが形成されている。

【００１７】 図１に示す実施例では植物の栽培に必要な採光と通風とを共に満足させるため にハウスの天井部分に透光性のよい硬質シート１３を展張してから結露水受けフ レーム２のシート取付け部７の２条の凸条６，６間に添え材を介して硬質シート １３をビスにより止め定着する。一方換気のためハウス下方部には巻き上げるの に便利なように結露水受けフレーム２より下方には軟質シート１４を展張してか ら蟻溝型支持フレーム５にそのシート１４を押し込み、波形線材１５によって定 着してハウスを構築する。

【００１８】 したがって、本実施例によれば、ハウス上部の内面に発生する結露水は、硬質 シート１３内面を伝って流下しながら前記延長縁８の先端縁８Ａに接触してこの 延長縁８の下部に設けられた排水管部１０の切欠き部９から排水管１０内に流入 し、その排水管１０に沿って流れ、この排水管１０によって前記結露水はハウス の妻面方向に移送されるから、ハウスの内面に発生する結露水のぼた落ち現象は 生じない。 このように、ハウス上部の内面に発生した結露水が排水管によってハウスの妻 面方向に流下する際、その排水管１０をプラスチックパイプ１１によって完全水 密に連結してあるから排水管部からの水滴のぼた落ちがなく、結露水が流入する 切欠き部を排水管部の上部に設けたから結露水が途中で溢れ出ることもない。

【００１９】

【考案の効果】

上述した本考案によれば、結露水受けフレームはシート定着用蟻溝型支持フレ ームの一方の上縁部に連続して２条の凸条が形成されたシート取付け部を形成し 、さらに取付け部を延長して結露水を受ける延長縁を形成し、この延長縁の下部 に結露水が流入する切欠き部を備えた排水管部を配設し、その排水管部をプラス チックパイプによって連結して排水するようにしたから、ハウス上部の内面に発 生する結露水は、シート内面を伝って流下しながら前記延長縁に接触してこの延 長縁の下部に設けられた排水管部の切欠き部から排水管部内に確実に流入し、こ の排水管によって前記結露水はハウスの妻面方向に確実に移送でき、ハウスの内 面に発生する結露水のハウス内ぼた落ち現象を完全に防止でき、ハウス内で栽培 している植物に根腐れの発生するのを完全に防止できる。

【００２０】 このように、ハウス上部の内面に発生した結露水が排水管によってハウスの妻 面方向に流下する際、その排水管部をプラスチックパイプによって完全水密に連 結してあるから排水管部からの水滴のぼた落ちがなく、結露水が流入する切欠き 部を排水管部の上部に形成したから途中で溢れ出ることもない。 その上に、ハウスの天井部分に透光性のよい硬質シートを展張し、ハウス下方 部には巻き上げるのに便利なように結露水受けフレームより下方には軟質シート を展張できるからハウス内は採光がよく、かつ換気がよいためハウス内で栽培し ている植物の成育が非常によく、しかもビニールハウスの内面に発生する結露水 のぼた落ちが発生しないビニールハウスが得られる実用的な効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の斜視図である。

【図２】本実施例の結露水受けフレームの端面図であ
る。

【図３】本実施例の結露水受けフレームの斜視図であ
る。

【図４】本実施例の結露水受けフレームの排水管部の連
結状態を示す側面図である。

【符号の説明】

１ アーチ状構造材 ２ 結露水受けフレーム ３ 固定金具 ４ 雨樋 ５ シート定着用蟻溝型支持フレーム ６ 凸条 ７ シート取付け部 ８ 延長縁 ９ 切欠き部 １０ 配水管部 １１ プラスチックパイプ １２，１２Ａ 取付け溝 １３ 硬質シート １４ 軟質シート

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アーチ状ビニールハウス用のアーチ状構
   造材を多数並設し、これら多数のアーチ状構造材の天井
   部は横通し部材によって連結され、該アーチ状構造材の
   肩部または側部にアーチ状構造材を横切って結露水受け
   フレームを固定金具によって固設されたビニールハウス
   用結露水排水装置において、前記結露水受けフレームは
   シート定着用蟻溝型支持フレームの一方の上縁部に連続
   して２条の凸条が形成されたシート取付け部を形成し、
   さらに該取付け部を延長して結露水を受ける延長縁を形
   成し、該延長縁の下部に該結露水の流入部を備えた管状
   の排水部を配設したことを特徴とするビニールハウス用
   結露水排水装置。
2. 【請求項２】 アーチ状ビニールハウス用のアーチ状構
   造材を多数並設し、これら多数のアーチ状構造材の天井
   部は横通し部材によって連結され、該アーチ状構造材の
   肩部または側部にアーチ状構造材を横切って結露水受け
   フレームを固定金具によって固設されたビニールハウス
   用結露水排水装置において、前記結露水受けフレームは
   シート定着用蟻溝型支持フレームの一方の上縁部に連続
   して２条の凸条が形成されたシート取付け部を形成し、
   さらに該取付け部を延長して結露水を受ける延長縁を形
   成し、該延長縁の下部に該結露水が流入する切欠き部を
   備えた排水管部を配設し、該排水管部をプラスチックパ
   イプによって連結して排水するようにしたことを特徴と
   するビニールハウス用結露水排水装置。
3. 【請求項３】 結露水受けフレームはシート定着用蟻溝
   型支持フレームの一方の上縁部に連続して２条の凸条が
   形成されたシート取付け部を形成し、さらに該取付け部
   を延長して結露水を受ける延長縁を形成し、該延長縁の
   下部に切欠き部を上部に形成した排水管部を配設したこ
   とを特徴とするビニールハウス用結露水受けフレーム。
4. 【請求項４】 結露水受けフレームはシート定着用蟻溝
   型支持フレームの側部および底部に取付け溝を形成し、
   該シート定着用蟻溝型支持フレームの一方の上縁部に連
   続して２条の凸条が形成されたシート取付け部を形成
   し、さらに該取付け部を延長して結露水を受ける延長縁
   を形成し、該延長縁の下部に切欠き部を上部に形成した
   排水管部を配設したことを特徴とするビニールハウス用
   結露水受けフレーム。