JP3029627U

JP3029627U - ゴルフクラブ用軽量グリップ

Info

Publication number: JP3029627U
Application number: JP1996003753U
Authority: JP
Inventors: 正佳倉地
Original assignee: 永柳工業株式会社
Priority date: 1996-03-29
Filing date: 1996-03-29
Publication date: 1996-10-01
Anticipated expiration: 2002-03-29

Abstract

(57)【要約】【目的】磨耗耐性、賦形性、物理的強度を損なうこと
なく、従来品に比べて重量の軽いゴルフクラブ用グリッ
プを経済的に提供する。【構成】ゴルフクラブ用グリップ７のグリップエンド
部にテーパー付きコルク栓１から加工したコルク加工物
２が埋設されていることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、グリップエンド側の把持端部に貫孔処理を施したコルク加工物が埋設されている軽量ゴルフクラブ用グリップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ゴルフクラブ重量を軽量化する目的で、ゴルフクラブ用グリップを軽量化することがクラブの設計上重要な課題となっている。従来、ゴルフクラブ用グリップを軽量化する手段としては、比重の低い発泡ゴムを用いるのが一般的である。発泡ゴムの用い方としては、グリップエンドを除く把持部全体を発泡ゴムで構成したもの、把持部のシャフト側内層を発泡ゴムとし外表部をソリッドゴム層とした２層構造のもの、さらには、２層構造の外表部に綿糸等の織物を配設していわゆるコード入りグリップとしたもの等が有る。いずれの構成においてもグリップの重量をより軽くするためには発泡ゴム部の比重を更に低くすることが考えられるが、発泡ゴムの比重を下げるに従って磨耗耐性の低下、賦形性の低下、物理的強度の低下を招来しグリップが有するべき基本的機能が損なわれるので、この方法には限度がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、グリップの基本的機能を損なうことなく、より一層の軽量化を実現することを目的としてなされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案者は、テーパー付きコルク栓の高さ方向に貫孔処理を施したコルク加工物を形成し、これをグリップを金型で成形する際グリップエンド側の内部に成形コア材として埋設することにより上記課題が解決されることを見出した。

【０００５】

【作用】本考案に使用されるコルク加工物の比重は０．１５ないし０．２５で、ソリッドゴムの比重（通常１．０以上）、発泡ゴムの比重（通常０．６以上）に比べて著しく低いので、これを内設することによってグリップの軽量化が実現されるばかりでなく以下のような作用が併せて発現されるものである。（イ）コルク加工物は優れた物理的強度を有するので、ゴム成形時の加圧に耐えうると同時に、成形されたグリップ自体にも物理的強度を付与する。（ロ）コルク加工物は、適度の伸縮性を有しているので、グリップをシャフトに挿入する際の障害とならない。（ハ）コルク加工物は、既存のテーパー付きコルク栓を材料として機械的に単純加工されるものなので、所望するグリップ外部寸法に適する上面径、下面径、高さの各寸法を有するコルク栓を自由に選択し容易に調達することが可能である。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の基本実施例を図面に基づいて説明する。なお、本考案に用いることができるゴム材料は天然ゴム、ＳＢＲ、ＢＲ、ＥＰＤＭ、シリコーンゴム等いずれのものを単独に、もしくは混合して用いてもよく、ゴム材料の種類及び混合比率、配合薬品の種類及び配合比率等を限定する趣旨ではない。また、グリップの構成について、発泡ゴム単体で構成するか、発泡ゴムとソリッドゴムの２層構造とするか、あるいは２層構造のソリッドゴム表面層に綿糸等の織物を配設するかは、求められるコスト・外観・摩擦耐性・物理的強度・重量等を考慮して任意に選択すれば良い。さらに、実施例、図面に示される形状・寸法・相対位置等は本考案の一実施例を示すものにすぎず、適用の範囲を限定するものではない。

【０００７】

【実施例１】（イ）上面直径２２ｍｍ、下面直径２６ｍｍ、高さ３３ｍｍのテーパー付きコルク栓（１）を切削加工して直径１５ｍｍ、深さ３０ｍｍ及び直径３ｍｍ、深さ３ｍｍの貫通孔を有するコルク加工物（２）を得た。切削される貫通孔の径を１５ｍｍと３ｍｍの２段階としたのは、コルク加工物を成形用シャフトに挿入する際の位置決めを確実にすることと、グリップの軽量化に有利であることによる。ただし、貫通孔の形状を単純な円柱形としても本考案の目的を達することができることは言うまでもない。こうして得られたコルク加工物（２）の体積は約９．６ｃｍ^３、重量は１．６ｇであった。（ロ）ＢＲとＥＰＤＭの混合物に硫黄・加硫促進剤・補強剤・老化防止剤等の薬品を添加して加硫時ゴム硬度７０゜、比重１．０５となる厚さ４ｍｍの未加硫ゴムシートから、厚さ４ｍｍ、直径２６ｍｍの円柱状ゴム材料（３）を得た。（ハ）天然ゴムとＥＰＤＭの混合物に硫黄・加硫促進剤・補強剤・老化防止剤等の薬品を添加して加硫時ゴム硬度５０゜、比重１．０２となる厚さ１．５ｍｍの未加硫ゴムシートから、厚さ１．５ｍｍ、上底３８ｍｍ、下底１８ｍｍ、高さ２６５ｍｍの台形状ゴム材料（４）を得た。（ニ）ＳＢＲに発泡剤・粉砕されたコルク粒子・硫黄・加硫促進剤・補強剤等の薬品を添加して無圧加硫時発泡倍率４となる厚さ１．２ｍｍ、比重１．０の未加硫ゴムシートから、厚さ１．２ｍｍ、上底２５ｍｍ、下底１４ｍｍ、高さ２２０ｍｍの台形状発泡性ゴム材料（５）を得た。（ホ）ゴム材料（４）及び（５）を粘りあわせて複合ゴム材料（６）を得た。（ヘ）コルク加工物（２）を成形シャフトに挿入したのち、ゴム材料（３）をグリップエンド部の成形金型キャビティ内に、複合ゴム材料（６）を発泡性ゴム材料（５）が成形シャフト側に接するように把持部の成形金型上・下キャビティ内にそれぞれ充填して、所定のゴムプレス成形方法に従って加硫成形を行い、成形物のバリを除去してゴルフクラブ用グリップ（７）を得た。こうして得られたゴルフグリップは体積４７ｃｍ^３、重量３４ｇで、同一の成形金型でコルク加工物を使用しないで成形される発泡ゴムとソリッドゴムの２層構造グリップに比べて磨耗耐性・物理的強度・賦形性の低下を全く招かずに約５．４ｇの軽量化が実現された。

【０００８】

【考案の効果】

この考案によれば、テーパー付きコルク栓を加工してグリップエンド部に埋設することにより、磨耗耐性・物理的強度・賦形性を何ら損なうことなくグリップを軽量化することができる。しかも、材料は既存のコルク栓を選定・調達して単純な機械加工を施したものを使用すればよいので、合理的且つ経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に使用するテーパー付きコルク栓の斜
視図である。

【図２】本考案に使用するコルク加工物の一例を示す
断面図である。

【図３】本考案に使用する円柱状ゴム材料を示す斜視
図である。

【図４】本考案に使用する台形状ゴム材料を示す斜視
図である。

【図５】本考案に使用する台形状ゴム材料を示す斜視
図である。

【図６】本考案に使用する複合ゴム材料を示す斜視図
である。

【図７】本考案のゴルフクラブ用グリップの断面図であ
る。

【符号の説明】

１………テーパー付きコルク栓２………コルク加工物３〜５…ゴム材料６………複合ゴム材料７………ゴルフクラブ用グリップ８………発泡ゴム層９………ソリッドゴム層

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】テーパー付きコルク栓の高さ方向に貫通
孔を切削加工したコルク加工物がグリップエンド側の把
持端部に内部賦形材として埋設されていることを特徴と
するゴム製ゴルフクラブ用グリップ。