JP3026107B2 - ワイヤカット放電加工装置 - Google Patents

ワイヤカット放電加工装置

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JP3026107B2
JP3026107B2 JP5502144A JP50214492A JP3026107B2 JP 3026107 B2 JP3026107 B2 JP 3026107B2 JP 5502144 A JP5502144 A JP 5502144A JP 50214492 A JP50214492 A JP 50214492A JP 3026107 B2 JP3026107 B2 JP 3026107B2
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雄二 金子
英夫 西村
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ワイヤ放電加工に於けるワイヤ電極軸方向
の放電発生位置検出技術を利用した応用技術、例えばワ
イヤ電極断線検出や上側及び下側又は何れか一方の給電
部材の摩耗検出に係る。
背景技術 ワイヤカット放電加工装置は、電極工具として直径が
0.05〜0.35mmφ程度の細線を使用し、該細線のワイヤ電
極に一対の位置決め案内部材間を所定の張力を付与せし
めた状態で軸方向に更新送り移動させる状態として、被
加工物をワイヤ電極軸に直角方向から微小間隔を置いて
相対向させ、この対向間隙に加工液を介在せしめた状態
で、ワイヤ電極と被加工物間に印加する電圧パルスによ
り間歇的な放電を発生せしめて加工するようにしたもの
で、更に加工の進行に伴ない前記対向方向の加工送りを
相対的に与えるものであるから、加工条件の設定や制御
が適切でないとワイヤ電極が断線してしまい加工が中断
してしまう。近時の斯種装置の多くは、ワイヤ電極断線
の自己修復手段、即ち、ワイヤ電極の自動挿通、結線機
能を備えているが、この自動挿通、結線が何時も100%
確実に行なわれると言う保障はなく、又仮に無事自動挿
通、結線を行なえたとしてもそのための時間を消費して
いるだけでなく、一般的に加工精度その他に悪い影響が
あるから断線事故の発生は避けることが好ましい。しか
しながら斯種のワイヤカット放電加工に於ては、加工条
件、特に電圧パルスのパルス幅、休止幅及び放電電流振
幅等の電気的条件や加工送りの制御等を、加工が断線の
危険度の高いより高負荷の苛酷な条件下で行なわれるよ
うに設定及び制御をしなければ高速で正確な又効率の高
い加工を行なうことができず、又断線の危険を侵さずに
は高張力付与や加工条件設定による高精度加工ができな
いという問題がある。
このため、近時の斯種ワイヤカット放電加工装置に於
ては、ワイヤ電極断線防止のために各種の検出及び制御
を行なう構成となっており、又万が一ワイヤ電極断線が
生じた場合には、それを速やかに検出して、加工用電圧
パルスの供給を少なくとも一時的に停止又は加工用電源
を少なくとも一時的に停止させるか、ワイヤ電極の走
行、移動作動を少なくとも一時的に停止させるか、或い
は更に、加工液の供給及び加工送りの停止等を含むワイ
ヤカット放電加工作動を少なくとも一時的に停止させる
制御を行なって、ワイヤ電極断線に伴なう被加工物や加
工液ノズル、ワイヤ電極の給電系や走行等に於ける異常
や異常損傷の発生を防止するようにしている。
しかしながら、上記ワイヤ電極の断線検出は、必ずし
も充分迅速ではなく、又確実性にも欠けるため、過剰の
検出、制御による加工の進行や精度に対する障害とか、
対応制御の遅速による上述各種の損傷発生問題を避ける
ことができなかった。
従来のワイヤカット放電加工機に於けるワイヤ電極の
断線検出装置、或いは、更に断線検出制御装置として
は、既に種々のものがあるが、その多くは、前記一対の
位置決め案内部材間外の、ワイヤ電極供給側に於ては前
記供給側案内部材と未使用ワイヤ電極の貯蔵リール間、
及び/又はワイヤ電極の回収側に於ては前記回収側案内
部材と使用済ワイヤ電極の回収部間のワイヤ電極走行路
及び走行装架部材部分等に於けるワイヤ電極断線に伴な
うワイヤ電極の弛緩、遍在等をリミットスイッチ等の接
触センサや光センサにより検出するとか、或いは、又ワ
イヤ電極の張力や走行速度変化を検出することにより判
別するもの等が使用されてきている。
しかしながら、上記ワイヤ電極の断線の多くは、上記
一対の案内部材間の被加工物部分で発生するものであ
り、従って該断線発生位置から少なくとも上記一対の案
内部材間の外側である遠隔部分に於ける上記各種のセン
サ等による間接的な検出は、検出の正確度に問題があ
り、且つ検出速度が遅いという欠点があった。
このため、例えば、特開昭53-68496号公報に記載され
ているように、被加工物を固定する加工テーブルの上方
及び下方に設けられた各給電部材よりワイヤ電極に対し
加工には直接寄与しない微小電流を供給する電流源を設
け、その電流源によってワイヤ電極に供給された微小電
流の変化を検出するための電流検出装置を設け、前記ワ
イヤ電極の断線によってそのワイヤ電極に供給された微
小電流が零になることを電流検出装置により検出して、
ワイヤ電極の断線を電気的に検出するようにしたものが
知られている。
ところが、上記の断線検出装置に於ては、被加工物の
上下の給電部材に対し常に電流源から微小電流が供給さ
れるようになっているため、加工用電源を上下両給電部
材と被加工物とに接触して構成した場合には、ワイヤ電
極の断線時に前記電流源からの微小電流が加工用電源の
給電線を介して流れてしまい、ワイヤ電極の断線状態を
的確に検出することができないという欠点があった。又
この断線検出装置は、断線したワイヤ電極の両端又は先
端近傍の側部等が断線後暫くの間、被加工物の各部やワ
イヤ電極走行経路近傍の介在物等と接触や接離を繰返す
こと等があって微小電流が直ぐには完全に切断されず、
このため検出が遅延することも少なかった。
又、本発明は、前述の如く上側及び下側又は何れか一
方の給電部材の摩耗検出の改良にも係るものであるが、
これは前記ワイヤ電極の断線検出をワイヤ電極に対する
給電部材を介する給電回路を利用して電気的に行なう或
る種の検出方法の場合に、上記摩耗検出に通ずる場合が
あるからである。
例えば、特開昭60-108226号公報には、ワイヤ電極に
加工電流を給電する複数の給電部材を加工電流が同一方
向に流れるようにダイオードを挿入して設け、該給電部
材を介してワイヤ電極に所定の大きさの交流又は直流を
流す電圧源と、この電圧源から電流が供給されるインピ
ーダンス素子を設け、このインピーダンス素子の両端の
電圧を基準値と比較することにより給電部材の摩耗を、
又はワイヤ電極の断線を検出するワイヤカット放電加工
装置が、又特開昭63-109915号公報には、ワイヤ電極に
電気エネルギを供給する給電部材と被加工物間に形成さ
れる放電加工回路、ワイヤ電極の断線を検出するワイヤ
電極断線検出回路、給電部材の摩耗時に放電加工回路よ
りワイヤ電極断線検出回路の流れる電流を検出する手
段、及び加工速度を検出する手段とを設け、前記電流検
出手段及び加工速度検出手段よりの検出値を夫々基準値
と比較して給電部材の交換時期を表示するワイヤカット
放電加工装置が夫々開示されているが、これ等両者のワ
イヤ電極断線検出手段は加工電流とは別の電流をワイヤ
電極に流しておいて断線検出を行なう構成としている点
で前述した検出が遅延する等の問題があり、又このよう
な問題のあるワイヤ電極断線検出手段と同様な検出手段
及び該手段を利用した給電部材の摩耗等接触給電状態の
不良検出手段は正確さ等の点で依然問題があるものであ
る。
又、更に特開平4-129617号公報には、ワイヤ電極と給
電部材間の電圧を検出する手段を設け、検出電圧に基づ
き異常の有無を判別するようにしたワイヤカット放電加
工装置が開示されているが、上記電圧には、検出給電部
材の直近の部分に、該給電部材とは別個のワイヤ電極の
検出に対する接触子等を設ける必要があり、このため構
成が複雑で高価となるだけでなく、該接触子の接触状態
不良を検出する可能性もあるところから、正確な検出は
到底期待し難いものである。
発明の開示 本発明は、上記の問題点に鑑み、ワイヤカット放電の
加工中のワイヤ電極の加工部及びその近傍に於けるワイ
ヤ電極断線を検出するために、放電パルスの都度、当該
放電パルスのワイヤ電極軸方向の発生位置を検出し、更
に好ましくは前記発生位置の検出を高精度に行なって、
該検出放電発生位置が加工中の被加工物の板厚内の位置
である場合と板厚外の位置である場合とに判別し、該板
厚外位置の発生頻度に応じてワイヤ電極断線判断を行な
うことにより、ワイヤ電極の断線検出を正確、確実に、
且つ高速で迅速に行なえるようにすることを目的とす
る。
又本発明は、前記被加工物板厚外位置での発生位置パ
ルスを検出したとき、該板厚外放電パルスの検出に伴な
い給電部材摩耗検出信号を出力し、該信号の出力後、所
定時間内に前記ワイヤ電極断線判断に伴なう断線信号が
出力しないとき給電部材摩耗の判断を行ない、更には前
記摩耗判断に際し前記板厚外放電パルスの位置に応じ、
上下給電部材の何れの摩耗であるかの判別を行なえるよ
うにすることを目的とする。
しかして、本発明は、前述の如く加工中の放電発生位
置が被加工物の両側に配置される上側及び下側給電部材
間のワイヤ電極軸方向のどの位置でのものか、即ち加工
用電源の一方の端子から前記給電部材を介してワイヤ電
極に給電されたワイヤカット放電加工用の電圧パルスに
基づく電気エネルギが、被加工物の板厚方向のどの位置
で、又はその他の加工部近傍の介在物を介して放電等に
より流れて前記加工用電源の他方の端子に還流したのか
を、前記通常いうところの放電発生位置の検出により検
知し、該検出した放電発生位置の信号を利用処理するこ
とにより、本発明のワイヤ電極の断線検出及び給電部材
の摩耗検出技術を構成せんとするものであるから、ワイ
ヤカット放電加工に於ける放電発生位置の検出技術につ
いて概観してみると次の如くである。
先ず、特開昭53-64899号公報によりワイヤ電極に対す
る給電点と被加工物との放電点間の電気抵抗の変動をそ
の間の電圧を測定することにより検知する電圧測定回路
を設けて放電発生位置を検出乃至は測定することが開示
され、又特開昭59-30621号公報等により上下の又は片側
の給電部材に流れる電流値を測定することにより放電発
生位置をワイヤ電極の放電点に於けるインダクタンスの
関数である電流波形により検出することが提唱され、更
に特開昭62-15017号公報等により上下の各給電部材を介
してワイヤ電極へ流れる電流を夫々電流検知器で検出
し、両検出器に流れる電流の差に応じた信号を作動増幅
により出力して放電発生位置を検出するようにしたもの
が知られており、以下に述べる本発明は、必要に応じこ
れ等の従来技術も使用し得るものであるが、好ましくは
放電発生位置をより高く検出し得るようにするか、検出
信号によってより正確な、そして精度の高い位置の判別
が行なえるようにしたものである。
課題を解決するための手段 上記の目的を達成するため、本発明の第1発明として
のワイヤカット放電加工装置は、被加工物の両側に配置
される上側及び下側の各給電部材と室内部材にワイヤ電
極を接触させた状態で軸方向に更新移動させ、前記案内
部材間のワイヤ電極に被加工物を相対向させて形成した
加工間隙に加工液を介在させた状態で間歇的な電圧パル
スを印加し発生する放電パルスにより加工を行ない、該
各放電パルス又は所定のサンプリングをした放電パルス
の放電位置を検出するワイヤカット放電加工に於て、 前記電圧パルス印加に基づく発生放電パルスにより前
記給電部材の一方又は両方に流れる検出する電流値を検
出する電流検出器と、 該電流検出器の出力信号を増幅し、前記一対の給電部
材間のワイヤ電極軸方向の放電位置に対応した信号を出
力する放電位置検出手段と、 該放電位置検出手段の出力信号を前記ワイヤ電極軸方
向の放電発生位置情報としてのディジタルデータに変換
して出力する放電発生位置ディジタルデータ算出装置と
を備えると共に、 前記加工の対象となった被加工物のワイヤ電極軸方向
の板厚のほぼ中心位置で放電パルスが発生したときの前
記放電発生位置ディジタルデータ算出装置の出力ディジ
タルデータ値を基準として、上方及び下方の両各板厚に
相当するディジタルデータ値を放電発生位置の上限値及
び下限値として設定する設定器を備え、 更に、加工に伴う前記加工間隙での前記放電パルスの
発生に伴ない、前記算出装置から出力する放電発生位置
のディジタルデータが、前記上限値及び下限設定器によ
って設定された上限以下・下限以上のディジタルデータ
値以外のとき、前記被加工物板厚外放電位置信号を出力
する放電位置の被加工物板厚内外検出装置と、該検出装
置が出力する前記被加工物板厚外放電位置信号が所定数
を越えたとき、ワイヤ電極断線信号を出力するワイヤ電
極断線判断装置を備えてなることを特徴とする。
しかして、前記のワイヤ電極断線判断装置を構成する
に当り、前記放電発生位置の検出精度を向上させるため
に、 前記放電パルスの都度前記上側及び下側夫々の電流検
出器が検出した電流ピーク値を検出してホールドする上
側及び下側ピークホールド回路と、 該両ピークホールド回路がホールドするピーク電流値
の差を求めて放電位置に対応した信号を出力する放電位
置検出手段としての差動増幅器と、 該差動増幅器の出力値を前記放電パルスの都度放電発
生位置情報としてのディジタルデータに変換する際、前
記放電パルスのゲート信号終了後の微小時間後とするた
めに前記放電発生位置ディジタルデータ算出装置に付設
された前記ゲート終了信号の遅延タイミング回路とを備
える構成とすることが好ましい。
又、前記のワイヤ電極断線判断装置を構成使用するに
際し、前記放電位置の検出精度が、電気的な加工条件の
切換設定に際して、低下又は変化することがないよう
に、前記差動増幅によって得られた放電位置信号を前記
算出装置に供給して放電発生位置のディジタルデータに
変換するに際し、前記放電位置信号を放電パルスのパル
ス幅の大きさに関する設定加工条件により増幅する反転
増幅回路の増幅率を変更設定するように構成することが
好ましい。
又、更に前記ワイヤ電極断線判断装置に於ける装置の
具体的構成としては、前記放電位置の被加工物板厚内外
検出装置が、前記算出装置から出力する放電発生位置の
ディジタルデータが、前記上限及び下限値設定器によっ
て設定された上限以下・下限以上のディジタルメータ値
以内のとき、被加工物板厚内放電位置信号を出力し得る
ように構成され、更に前記ワイヤ電極断線判断装置が、
前記板厚内放電位置信号と板厚外放電位置信号とが入力
するカウンタを備え、該カウンタは前記板厚外放電位置
信号を積算カウントする一方で、前記板厚内放電位置信
号の入力により前記積算板厚外放電位置信号のカウント
数をクリアするように構成され、そして前記板厚外放電
位置信号の積算カウント数が所定数に達したときワイヤ
カット放電加工制御装置にワイヤ電極断線信号を出力す
る構成とすることが好ましい。
又、本発明の第2発明に係るワイヤカット放電加工装
置は、前記第1発明に於て、その放電位置の被加工物板
厚内外検出装置が出力する前記被加工物板厚外放電位置
信号の検出信号の検出出力に応じ、又検出出力数が前記
ワイヤ電極断線判断装置に於ける所定数よりも充分小さ
い値の所定数に達したとき給電部材摩耗検出信号を出力
する装置と、該装置からの摩耗検出信号の入力に応じ給
電部材摩耗判断を行なう装置であって、前記摩耗検出信
号の入力後所定時間が経過しても前記ワイヤ電極断線判
断装置からワイヤ電極断線信号が出力しないとき給電部
材摩耗判断信号を出力する前記装置を備えてなることを
特徴とする。
そして、この給電部材の摩耗検出装置と摩耗判断装置
とを備える第2発明の実施に際しては、 前記給電部材摩耗検出装置は、前記被加工物板厚内外
検出装置が出力する2つの板厚外放電位置信号と前記給
電部材摩耗検出信号とにより上側又は下側摩耗検出信号
を出力する論理回路を備え、更に前記給電部材摩耗判断
装置は前記摩耗判断信号と前記論理回路信号とにより上
側又は下側摩耗判断信号をワイヤカット放電加工制御装
置の表示、告知手段に出力する装置を備える構成とする
ことが好ましいものである。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明の第1発明に係る実施例の概略構成
を示すブロックダイアグラム図、 第2図は、第1図中のワイヤ放電加工用電源7A及び制
御装置7部分の接続回路例図、 第3図は、第1図中のホールド回路の例としてのピー
クホールド回路の例図、 第4図は、第1図中の放電位置検出手段11としての差
動増幅器と放電発生位置のディジタルデータ算出装置12
部分の接続回路例図、 第5図は、第1図乃至第4図中の回路の各部の入・出
力電圧又は電流波形及びタイミングチャートで、A、
B、C、及びDは一部はゲート信号G2の幅が異なる場
合、その他は放電状態が異なる場合を例示した図、 第6図は、第5図と同様な波形及びタイミングチャー
トでピークホールド回路を用いた場合の図、 第7図は、放電発生位置のディジタルデータ値PDの安
定加工時に於ける分布状況の時間的特性図、 第8図は、放電発生位置のディジタルデータ値の短絡
又は放電集中時に於ける分布状況の時間的特性図、 第9図は、検出した放電位置のディジタルデータが被
加工物板厚内外の何れの位置のものであるかの内外検出
と、板厚外信号の検出頻度に応じ、ワイヤ電極断線判断
を行なう装置の概略構成及び持続関係を示すブロックダ
イアグラム図、 第10図は、給電部材を内包する上下の各給水及び案内
ブロックの一実施例の構成を示す縦断面図、 第11図は、上下の給電部材の可動な構成と駆動機構の
具体例を示す部分の横断面図、 第12図は、本発明の第2発明に係る給電部材摩耗検出
実施例の概略構成を示すブロックダイアグラム図。
第13図は、給電部材の摩耗検出及び摩耗判断の具体的
に係るブロックダイアグラム図である。
発明を実施するための最良の形態 以下本発明を実施例により説明する。
第1図は、本発明の第1及び第2発明の実施例の概略
構成を示すブロックダイアグラム図であり、1は一対の
間隔を置いて配置した位置決めガイド間に所望の張力を
付与された状態で軸方向に更新送り移動させられるワイ
ヤ電極で、該電極軸方向とほぼ直角の方向から被加工物
2を微小間隙gを介して相対向せしめ、該間隙gに加工
液をノズル5からの噴射等により流通介在させた状態
で、被加工物2とワイヤ電極1間にワイヤ放電加工用電
源7A(第2図)から上側及び下側極間線3A、4A、並びに
一対の上側及び下側給電部材3、4を介して電圧パルス
を供給印加し、間歇的な放電パルスを発生させ、前記両
者間に前記直角方向の平面上に於ける相対的な加工送り
をX、Y平面各軸送りモータMx、Myを有する送り機構6
により与えて加工を行なうもので、7Bは加工送り駆動回
路、7Cは加工液供給回路、及び7はこれ等電源7A、及び
各回路7B、7Cを、設定加工条件やプログラム及び各種の
制御信号等により設定、変更、制御等するNC装置を含む
ワイヤ放電加工制御装置である。8及び9は上記放電パ
ルスの発生時に、下限の各給電部材3、4を介してワイ
ヤ電極2に供給される分流放電電流を上下の各極間線3
A、4A出力部分に於いて検出する上側及び下側各電流検
出器、10は検出器8、9の各検出信号が入力するように
必要に応じて設けられる一対のホールド回路で通常はサ
ンプルホールド回路が設けられ、例えば放電パルスゲー
ト信号終了に同期して検出信号をホールドするように作
動せしめられる。本発明に於ける前記ホールド回路の最
も好ましい実施の態様としては、ピークホールド回路
(第3図)を設け、検出電流信号の最高値に対応して電
圧をホールドするものである。11は前記電流検出器8、
9の出力信号又は前記必要に応じて設けられるホールド
電圧出力を増幅し前記一対の給電部材3、4間のワイヤ
電極軸方向の放電位置に対応した増幅信号を出力する放
電位置検出手段であって、前述発明のより好ましい実施
の態様として一対の上、下電流検出器8、9を設けた場
合には、両検出信号又は両ホールド信号を差動増幅する
差動増幅器(第4図)を有する構成となるものである。
12は前記放電位置検出手段11により増幅した放電位置信
号を放電発生位置情報としてのディジタルデータ、例え
ば8ビットのディジタルデータに変換して出力する放電
発生位置のディジタルデータ算出装置(第4図)、14は
前記算出装置12が出力する放電発生位置のディジタルデ
ータPDを記憶する記憶装置、13は前記記憶装置14に記憶
されているディジタルデータを、操作、要求に応じ所望
の演算及び処理をしてハードコピー等として出力するプ
リンタ付きパソコン、15は前記算出装置12から出力する
ディジタルデータPDにより当該放電の発生位置が加工中
の被加工物2の板厚内の位置のものであるか否か、即ち
逆に板厚外の位置の被加工物以外の物との間の放電であ
るか否かを検出する放電位置の被加工物板厚内外検出装
置(第9図)、16は前記板厚内外検出装置15が検出して
出力する前記被加工物板厚外放電位置信号が所定数を越
える等の発生頻度の状態が所定のレベルを越えたとき、
当該ワイヤカット放電加工機が少なくとも加工作動を停
止するワイヤ電極断線信号(DANSEN)を出力するワイヤ
断線判断装置(第9図)、7は前記判断装置16が出力す
るワイヤ電極断線信号(DANSEN)を受け、少なくとも加
工用電源7A、よりの加工電圧パルスの供給を停止して加
工を停止したり、或いは更にワイヤ電極の装架、走行系
に於てワイヤ電極の走行、移動を少なくとも一時的に停
止及び/又はクランプし、好ましくは加工送り及び加工
液の各回路7B、7Cを、或いは更に当該制御装置7の作動
を停止制御する前記制御装置である。
第2図は、ワイヤ放電加工電源7Aの一例として、高電
圧小電流と低電圧大電流の2パルス電源方式の一例に示
したもので、V1は、例えば約300V前後の高電圧小電流の
補助電源、V2は前記補助電源に対し、例えば約100v前後
の低電圧大電流の主加工電源、D1及びD2は夫々逆流防
止、保護用ダイオード、Rは電流制御抵抗、TR1及びTR2
は前記補助電源V1用及び主加工電源V2用のオン・オフス
イッチング素子、G1及びG2は前記スイッチング素子TR
1、TR2に対する入力ゲート信号で、前記NC制御装置を包
含しているワイヤ放電加工用制御装置7によって設定、
制御される加工用電源7A内のパルス条件の設定及びコン
トロール部7aからMOS・FETトランジスタ等から成る前記
各スイッチング素子TR1、TR2のゲート・ソース端子間に
入力し、ワイヤ電極1と被加工物2間に所望の極性、電
圧又は放電持続時間、休止時間、及び電流振幅値の電圧
又は放電パルスを供給する。
第3図は、前記電流検出器8、9と該検出電流信号を
増幅して放電位置に対応した放電位置信号を出力する放
電位置検出手段11との間に必要に応じて設けられる検出
信号のサンプルホールド回路としてより好ましい実施態
様のピークホールド回路の例を示すもので、そして図示
実施例はより好ましい実施態様として上側及び下側電流
検出に応じ電流検出器8、9夫々に対し上側及び下側ピ
ークホールド回路17、18が設けられている。前記各ピー
クホールド回路17、18は夫々ホールドコンデンサ21、25
と、各2個の演算増幅器19、20:23、24及びホールド電
荷を放出して回路をリットするリセット信号が入力する
各リセットトランジスタ22、26とを備えてなる。
又、第4図は、前記電流検出器8、9の検出電流信号
を増幅するか、又は前記検出電流信号をホールドするホ
ールド回路が設けられている場合には、そのホールド信
号を増幅して放電位置に対応した放電位置信号を出力す
る放電位置検出手段11の実施例回路図と前記放電発生位
置のディジタルデータ算出装置12部分のブロックダイア
グラム図で、前記検出手段11の実施例としては、好まし
い実施の態様である上側及び下側両給電部材部分での電
流検出を行なった場合に対応する増幅器として差動増幅
器27を用いた例を示している。該差動増幅器27に於て、
28、29は前記各上側及び下側検出電流信号Iup、Idwが入
力する演算増幅器で、その各出力は可変抵抗VRにより検
出電流信号の差分(Iup-Idw)〔第5図(f)参照〕を
調整した後、例えば上下の給電部材3、4間の丁度真
中、1/2のワイヤ電極1上の位置に於て被加工物2との
間で放電した時に上記差分(Iup-Idw)がほぼ0となる
ように調整した後演算増幅器30で増幅することにより放
電位置信号VCを出力し、該放電位置信号VCを前記算出装
置12に入力してA/D変換演算して前記検出電流信号の差
分に応ずる放電位置についてのアナログ信号を、例えば
8ビットのディジタルデータPDに変換出力するものであ
る。しかしてこの実施例では、前記放電位置信号VC設定
される加工条件の加工用電圧又は放電パルスのパルス幅
(時間)に対して増幅率が反比例するような増幅回路を
介し、加工条件によって調整された信号VDが算出装置12
に入力するように構成されている。しかして前記増幅回
路は、前記信号VCの反転増幅用演算増幅器31と、該増幅
器31の帰還回路に挿入され、増幅率を変更調整するトラ
ンジスタTR3、及び設定された加工条件の電圧又は放電
パルスの幅に増幅率が反比例するようにトランジスタTR
3に信号を供給する、即ち前記ゲート信号をカウント計
測してアナログ信号を出力するD/A変換器32とからな
る。そしてかかる増幅回路が設けられる理由は、新種ワ
イヤカット放電加工に於ける電気的な加工条件が設定又
は希望する電圧又は放電パルスの幅、及び時間に対して
設定又は現象として現われる可能性のある電流振幅は極
めて大きく、従って放電電流の波形は、通常三角波状と
なり、通常の設定加工条件の電圧又は放電パルス幅では
放電電流が設定値まで以上立上らないため、第5図で後
述するように前述検出電流信号の差分(Iup-Idw)を放
電位置検出手段11により差動増幅するだけでは、前記電
圧又は放電パルスの幅の設定が異なる場合の検出放電位
置の異同が区別できない場合があるからである。
第5図及び第6図は、前述第1図乃至第4図のブロッ
クダイアグラム図及び回路の各部の入出力電圧、電流波
形及びそのタイミング等を示したもので、第5図が前述
ホールド回路10が設けられていない場合の波形図である
のに対し、第6図はホールド回路10として第3図のピー
クホールド回路17、18が設けられている場合の波形図で
あり、更に第5図に於てA、B、C、及びDはA、C、
及びDが電圧又は放電パルスのゲート信号(b)G2が同
一パルス幅(S1=S3=S4)の場合で、Aが差分(f)
(Iup-Idw)=0、Cが差分プラスの或る値の、及びD
が差分マイナスの或る値の時のものであり、これに対し
Bは前記ゲート信号(b)G2がG2《S1(=S3=S4)でパ
ルス幅が狭く、より精加工等の条件に設定されている場
合である。
第5図に於て、(a)のG1は前記スイッチング素子TR
1のゲート信号、(b)のG2は同じ素子TR2のゲート信
号、(c)のIGは放電電流波形(Iup+Idw)、(d)の
Iupは上側電流検出器8により検出した上側給電部材3
からワイヤ電極1を介し放電点から被加工物2へ流れた
上側検出電流信号、(e)のIdwは同じく下側検出電流
信号、(f)の(Iup-Idw)は前記上下の各検出電流信
号の差分を示すものであり、又(g)のA/D(CLK)はゲ
ート信号G2の終了、立下りに同期して生成するタイミン
グパルスで、前記放電発生位置のディジタルデータ算出
装置12に前記入力信号VDのディジタルデータへの変換演
算を実行させる。
しかして、A、C、及びDは、電圧又は放電パルス幅
が同一値に設定された加工条件で加工が行なわれた場合
で、検出電流信号の差分(f)(Iup-Idw)より、Aの
放電は給電部材3、4間の丁度真中の部分で行なわれた
放電と見なされ(前述差動増幅器27の可変抵抗VRにより
調整されたものであるから、実際は真中より幾分上又は
下の放電である可能性が強いものだが)、Cの放電及び
Dの放電は夫々真中より上と下の放電で、詳しくは算出
装置12により変換演算されたディジタルデータPDを見る
ことにより放電位置を知ることができるものである。
第7図及び第8図は、板厚40mmの被加工体2を加工し
た場合に、上述のようにして各放電パルスの発生の都
度、又は3個毎の放電パルスの如く必要に応じてサンプ
リングした放電パルスにつき、次々に演算出力した放電
発生位置のディジタルデータPDを、第7図安定加工時と
第8図短絡、集中放電・断線等の不安定加工時とに分け
て、縦軸に前記算出装置12から出力ディジタルデータ値
(A/D変換した放電発生位置信号PD)を、横軸に放電回
路(=時間)を目盛ったグラフにプロットした特性図
で、図から明らかなように、放電集中等が殆どない安定
加工時(第7図)には放電位置のプロット点がワイヤ電
極1軸方向の被加工物2の板厚全長に亘りランダムでほ
ぼ均一な分散分布状態で加工時間が経過するのに対し、
ワイヤ電極1断線直前の如き短絡や放電集中等を起して
いる場合(第8図)には、被加工物2の板厚(40mm)方
向の短絡点部分に放電位置のプロット点の多くが集中し
て、一部周りへの分散はあるものの時間方向にプロット
点が直線状に断続した状態となり、この状態が継続する
とIV部分の如くプロット点の集中直線化が進行し、ワイ
ヤ電極1が断線するVに至るが、ワイヤ電極1が断線す
るとその断線両先端側が跳ね回る等して被加工物2その
他との間で接触したり放電したりすることになるから放
電点の位置はワイヤ電極1軸方向に被加工物2の板厚を
越えて分散することになり、かかる本発明によれば、放
電発生位置をより正確に検出、判別し得るように構成し
ておくことにより、ワイヤ電極1の断線を正確、確実、
且つ迅速に検出し得る装置を構成することができるもの
である。
第6図は、前述のように電流検出器8、9と放電位置
検出手段11との間に検出電流信号のホールド回路10とし
てピークホールド回路(第3図)を設けた場合の各部の
波形図で、(d′)のHIupは上側検出電流のピークホー
ルド、又(e′)のHIdwは同じ下側のピークホールド
で、(h)のRESET信号が出力するまで検出電流信号の
ピーク値に相当する信号をホールドし、その差分
(f′)の(HIup-HIdw)を差動増幅し、第5図の如く
ゲートG2の終了時より充分遅延した、ピークホールド差
分を増幅した時点にタイミングパルス(g′)のTを出
力しディジタルデータ算出装置12にディジタルデータPD
への変換演算を実行させる。尚、既に前述したように、
設定加工条件で電圧又は放電パルスの幅が、特に放電電
流振幅に比して相対的に広くて、そのパルス幅の終了時
に放電電流の振幅(C)のIGが所定最大値立上る場合に
は、前記タイミングパルスTに前述のような遅延をさせ
る必要が無いこと勿論である。
又前述した第4図の放電位置信号VCを演算増幅器31他
からなる可変利得反転増幅器により調整された信号VDを
得るようにした点につき、第5図により更に説明する
に、例えばゲート信号が短いBの放電とそれより長いD
の放電とを比較すると、両者の検出電流信号の差分は等
しくB(Iup-Idw)=D(Iup-Idw)放電位置検出手段11
の差動増幅器27で増幅しただけの信号VCでは、算出装置
12でディジタルデータPDに変換すると、同一位置での放
電と看做される可能性が高いものであるが、夫々の放電
の上側検出電流信号(d)と下側検出電流信号(e)に
よれば、上下の比は、B放電1:2、D放電2:3で夫々被加
工物2板厚の下から約67%と約60%という異なる位置の
放電と認められる。よって前述の如く設定加工条件に応
じてトランジスタTR3の内部抵抗を制御し、増幅調整を
した信号VDを得、放電位置のディジタルデータに変換す
るようにしたものである。
次に第9図により前述したように、各放電パルス又は
サンプリング放電パルスの放電発生位置を検出し、これ
をディジタルデータに変換したデータPDに基づき、当該
放電の発生位置が加工中の被加工物2の板厚内の位置の
ものであるか否か、即ち逆に板厚外の位置の被加工物以
外の物との間の放電であるか否かを検出する放電位置の
被加工物板厚内外検出装置15、そして更にその検出装置
15による放電パルスの放電発生位置の検出信号が、或る
程度以上被加工物板厚外信号に片寄っているとき、即ち
被加工物板厚外放電位置信号の発生頻度が板厚内放電位
置信号に対して所定値以上になるとか、所定数異常発生
したときワイヤ電極が断線した状態にあると判断してワ
イヤ電極断線信号(DANSEN)を出力してワイヤカット放
電加工機の作動、又は少なくとも加工作動を停止させる
ワイヤ断線判断装置16について説明する。
前記放電位置の被加工物板厚内外検出装置15は、前記
算出装置12から出力る放電発生位置のディジタルデータ
が入力するラッチ回路33と、被加工物2の板厚Tの通常
上下1/2の中心部分から上半分の板厚+1/2Tと、下半分
の板厚−1/2Tを夫々ディジタルデータ値として、且つ放
電発生位置の上限値及び下限値として予め設定する設定
器34、35と、前記ラッチ回路33から出力する最新の放電
パルスの放電位置ディジタルデータ(A)、(A)と前
記各設定器34、35によって設定されている被加工物2板
厚の通常中心位置からの上方及び下方の上・下限値板厚
ディジタルデー値(B)(B′)とを比較する第1及び
第2の上・下限比較器36、37と、前記ゲート信号G2の終
了、又は前記タイミングパルスTの立上り等に同期して
ラッチ回路33にラッチ指令のタイミングパルスCP1を出
力すると共に、前記タイミングパルスCP1の出力時より
も僅かに遅延して、遅延タイミングパルスCP2を出力
し、当該最新の発生放電パルスの放電位置が被加工物板
厚内又は外の何れの位置のものであるかの板厚内外検出
信号を出力させる遅延タイミングパルス発生回路38と、
前記2つの比較器36、37による比較結果の信号出力を受
け、前記遅延タイミングパルスCP2発生に応じて論理判
断を行ない、放電発生位置が現に加工している被加工物
2板厚の上・下限板厚内にある時は板厚内検出信号INを
出力し、然らざる板厚外の位置にある時は板厚外検出信
号OUTを出力する論理回路であって、3つのアンド回路3
9、40、41と、1つのインバータ回路12による論理回路
とから成る。又前記ワイヤ電極断線判断装置16は、前記
板厚外検出信号OUTが出力すると、カウント端子CLKに入
力させて積算カウントすると共に、板厚内検出信号INが
出力すると、リセット端子CLRに入力させて前記積算カ
ウント数をリセットするように構成されたカウンタ44で
あって。4つの出力端子Q(A〜D)を有するものの、
この実施例では前記アンド回路41よりの板厚外検出信号
OUT1個の入力に応じて後述する給電部材摩耗検出装置70
へ摩耗検査開始信号を出力する出力端子QAと、前記板厚
外検出信号OUTの入力が連続して2つ以上の所定値、例
えば10個積算カウントすると信号を出力する出力端子QB
を備え、該出力端子QBから信号が出力した際にはフリッ
プフロップ44をセットしてワイヤ電極断線信号DANSENを
ワイヤ放電加工制御装置7に出力してワイヤ放電加工動
作を停止せしめる。尚、上記断線信号DANSENは、後述の
給電部材摩耗判断装置80に、断線したか少なくとも断線
と判断したのであるから、前記摩耗判断を中断、又は終
了させる信号として出力し、又前記各比較器36、37の比
較結果の出力信号は前記カウンタ43の出力端子QA同様、
後述の給電部材摩耗検出装置70へ、上下何れの給電部材
の摩耗であるのかを判別するための信号として出力さ
れ、又前記フリップフロップ44には前記ワイヤ電極断線
信号DANSEN出力後、ワイヤ電極の手動又自動挿通、結線
による修復後、必要な加工条件等の修正、調整等を行な
い加工を再開する場合のリセット端子RESが設けられて
おり、該端子に加工再開信号MACHSTARTが入力するよう
構成されている。
尚、ここに於て算出装置12から出力してラッチ回路に
よってラッチされる放電発生位置のディジタルデータ値
Aとか、被加工物2の上半分の板厚+1/2T、及び下半分
の板厚−1/2Tに応じて予め設定されるディジタルデータ
値B、B′等の表現をして説明したが、これ等の値等
は、加工状態等が特別に異常でない、例えば特に、上下
の給電部材3、4からワイヤ電極1への摺接給電状態が
特別に異常な場合等を除外した設定であって、例えば上
下の各給電部材3、4からワイヤ電極1への給電放電電
流の分流の分担割合が1:0という極端な場合は勿論のこ
と、5:1とかそれ以上のような不平衡な給電状態の場合
には、その不平衡集中給電が行なわれた上側又は下側給
電部材側の被加工物板厚外の放電位置ディジタルデータ
Aとして検出され、該データAが設定データB、B′と
比較され、板厚外検出信号OUTが出力するものである。
ところで通常の加工条件等が正しく選択、設定及び調整
された状態の加工では通常順調に行なわれて進行し、加
工中放電位置のディジタルデータ算出装置12から各放電
パルス毎に出力するディジタルデータPDの値は、比較器
36、37の各Aに入力されて、夫々に設定されている被加
工物2の板厚の中心より上方及び下方の板厚の長さに相
当する各データ値の各上、下限値、B、B′と比較され
ることになるが、通常は当然のことながら上記Aは、上
側値以下A<B、且つ下限値以上A>B′で、各比較器
36、37は夫々設定条件を満足していることから夫々アン
ド回路39に信号を出力し、前記比較データAのラッチか
ら僅かに遅延してパルス発生回路38から出力する遅延タ
イミングパルスCP2とによってアンド回路40からカウン
タ43の端子CLRに信号を出力し、端子CLK側へ信号入力に
よる積算カウントが存在する場合にはその積算カウント
をリセットして積算カウント数を零とし、又上記積算カ
ウントが存在しなかった場合には積算カウント数を零に
保ったまま該カウンタ43から何も信号が出力しない。通
常のワイヤカット放電加工の加工工程に於て次々と発生
する放電パルス又は所定のサンプリングをした放電パル
スの殆ど全部の放電パルスに於て上述の如き検出、判別
が次々と繰返され、放電発生位置の被加工物板厚内外検
出装置15は、板厚内検出信号INのみを出力するのみであ
るから、ワイヤ電極断線判断装置16も殆ど全く何等の信
号も出力せず加工が第7図の状態を保って行なわれるこ
とにる。
しかして、上述の如き正常設定の加工でも、加工が長
時間に及ぶとか、或いは何等かの制御系等に事故とか条
件の変更を生じたり、或いは又設定加工条件又は更にそ
の加工条件のバランス等に不適切なものがあった場合等
には、種々なる加工現象を生ずることとなるが、前記第
8図は加工間隙に既に或る程度、又はそれ以上の集中放
電や短絡状態がランダムに断続して、頻発するようにな
ったかなり特異な状況下に於ける放電位置のディジタル
データPDの時間(横軸)的な分布の状態の一例を示して
いる。尚、この場合の横軸(時間)の長さは、長くても
約5ms程度以内の時間である。第8図に於て、加工間隙
は放電パルス毎のディジタルデータPD、及びそのプロッ
ト点の状況から、既に最初からかなり前述の放電集中や
短絡の発生が頻発して重傷の状態にあるようで、直ぐに
ワイヤ電極断線が発生することになってもおかしくない
状態にあると見受けられる。尤も斯種ワイヤカット放電
加工機に於ては、上記第8図に示すような、放電集中や
短絡等がランダムに断続して頻発する所謂不安定放電状
態になったのを検出したら直ちに、又このような不安定
加工状態に移行する前駆的状態にあること等を各種の検
出手段や回路等により検出して各種の加工条件、例えば
電圧パルス間の所謂オフ延しにより平均加工電流を半分
以下(一時的に零にすることを含む)に変更制御する、
加工送りを送り速度を低下、停止、又は後退送り制御す
る、或いは加工液の供給、特に噴射の条件や状態等を変
更制御する等の1つ以上の制御により、放電集中や短絡
の解消等による加工状態の正常状態への復帰を計り、ワ
イヤ電極断線事故の発生を防止し、効率の高い加工性能
の維持達成を計り得るようになっている。
よって通常は滅多にワイヤ電極の断線事故は発生しな
いものの、その発生の場合には、これをできるだけ迅速
に検出して機械停止等の措置を講ずる必要が生ずるもの
である。然るに本発明によれば、一対の給電部材3、4
からワイヤ電極1とワーク2との間に印加され発生する
放電パルスの放電発生位置を正確に検出し、これを算出
装置12によりディジタルデータPD=Aに変換して放電位
置の被加工物板厚内外検出装置15に入力し、該検出装置
15の比較器36に設定されている板厚の上方側上限値のデ
ィジタルデータB、及び比較器37に設定されている下方
側の下限値のディジタルデータB′と比較して、当該放
電パルスの放電発生位置が、条件B>A>B′を満足す
る被加工物の板厚領域内INのものか、或いはA>B及び
/又はA<B′の条件となっている板厚領域外OUTのも
のであるかを論理判別して信号を出力するようになる
が、該検出装置15が板厚外信号OUTを出力すると、該信
号OUTはワイヤ電極断線判断装置16のカウンタ43でカウ
ントされ、該カウンタ43の板厚外信号OUTのカウントは
検出装置15から板厚内信号INが出力する迄積算カウント
され、設定カウント数の、例えば10個積算カウントが行
なわれると信号を出力し、フリップフロップ44をセット
してワイヤ電極断線信号DANSENをワイヤ放電加工制御装
置7に供給し、ワイヤ電極の走行、移動を少なくとも一
時的に停止及び/又はクランプするとか、加工用電源7
4、加工送り駆動回路7B、及び加工液供給回路7C等に加
工停止、又は少なくとも一時的な加工停止のための制御
作動を行なわせるものである。この実施例の場合、最初
の板厚外信号OUTの出力後ワイヤ電極断線信号DANSENが
出力して制御作動が開始される迄の最短の時間の場合
は、約100μsよりも充分短い時間の後という早さであ
って、例えば電圧パルス間の休止時間(オフ10倍延し)
制御等が行なわれた後等に於ける放電位置検出による断
線検出、制御等の場合にも、例えば長くても約1ms前後
以内の短時間とすることができ、従って第8図のワイヤ
電極断線領域と記載される放電位置のディジタルデータ
PDが板厚外の上下にランダムに分散するVの領域に入っ
たかなり早い時期に上記断線信号を出力させることがで
きる。ここで、ワイヤ電極断線時の、又はその前後に於
ける放電位置の検出データ等につき考察しておくに、ワ
イヤ電極断線時に、その断線両先端部が、跳ね回る等し
て、被加工物2及び加工部近傍のその他の部分ーー通常
はワイヤ電極を同軸状に挿通して加工液を噴射するノズ
ルを保持した給水ブロックとワイヤ電極の位置決めを行
なう案内部材を保持するガイドブロックとが一体的に組
合せ構成された給水及び案内ブロックの内部等の各部ー
ー等と接触短絡していたり放電をしたり等となることは
事実であるが、これと共に加工部、即ち上下一対の給水
及び案内ブロック間のワイヤ電極は弛緩しており、ワイ
ヤ電極と各給電部材間も、断線前のしっかり摺接した走
行状態からランダムに離接をする状態となっており、こ
のためこの状態で、被加工物の板厚外と判別して検出さ
れる放電位置がこのワイヤ電極の給電部材に対する対接
又は対応部分、及びその位置データである場合があった
りすることもあるが、通常は、前述の如く、加工時間の
経過等により上側又は下側給電部材3、4が摩耗変形等
して加工部で発生する放電パルスの放電電流の大部分が
摩耗変形等していない側の給電部材を介してワイヤ電極
に流れた際に、その放電位置のディジタルデータを被加
工物板厚外のそれと検出判別し、これが今から説明する
給電部材摩耗時に、その摩耗検出を可能とする本発明の
原理につながるものである。
第10図は、前述した上部及び下部の各アーム又は加工
ヘッドに取付けられる上、下の給水及び案内ブロックの
一例を示す縦断面図で、45、45′はワイヤ電極1の加工
部走行軸部分に挿通孔を有する上下の案内ブロック、4
6、46′は前記各案内ブロック45、45′と組合せ一体化
されて加工液の通路を形成する上下の給水ブロック、4
7、47′は上下のノズル、48、48′は上下のノズルホル
ダ、49、49′は、ワイヤ電極1が挿通する水切りガイド
を有すると共にワイヤ電極の導入及び導出路を形成する
導入及び導出部材、50、50′は上下案内ブロック45、4
5′の挿通孔先端部に設けられたダイス型の上下の位置
決め案内部材、3、4は前記挿通孔に臨むように設けら
れた上下の各給電部材、51、51′は前記給電部材3、4
の前記挿通孔に対する突出状態を調整すると共にワイヤ
放電加工用電源7Aの一方の端子、通常負極端子に接続す
るブラッシを兼用する上下の各通電部材、52、52′は上
下の各給水及び案内ブロックに対する加工液の供給口で
ある。そして上記給電部材3、4は、通常炭化タングス
テン粉末をコバルト等を結合材として加圧、成形及び焼
結してなる良導電性の高硬度、耐摩材からなり、その形
状としては、丸棒状等の所謂ピン状、三角又は四角等の
板又はブロック状等各種のものがあるが、ここではワイ
ヤ電極1との摺接々触長さを大きくできると共に、その
摩耗時等に給電部材3、4を変位調整してワイヤ電極1
との接触部分が変更可能となるように、大凡蒲鉾状に形
成したものを、第10図に於て頂部側を挿通孔側へ向け、
紙面に直交すると共に直交方向の位置を調整可能に挿設
された構成を有する。
第11図は、前記上下の各給電部材3、4の案内ブロッ
ク部分45、45′に嵌め込まれた部分の構造の各一例を示
すもので、ワイヤ電極1の軸に直角な部分を断面図とし
た示したものである。図に於て53、53′は各給電部材
3、4の目位置決め受けの押え部材で、上側部材53はシ
リンダ54駆動方式であるのに対し、下側押え部材53′は
ねじ及びスプリング駆動機構54′で給電部材3、4の受
け位置を決定し、ワイヤ電極1の自動挿通結線時には、
押え部材53をシリンダ54により後退駆動するように自動
制御される。55、55′は上下の各通電開閉シリンダで、
各通電部材51、51′により給電部材3、4をピストンと
して駆動調整してワイヤ電極1と所定の摺接接触状態を
保持させる。56、56′は上下の各給電部材3、4をワイ
ヤ電極1軸方向と直角方向に駆動し得るように対接して
設けた送り作動棒で、その表面には軸方向にステップ送
りと係止のためのラチェット歯が所定のピッチで形成し
てあり、送りシリンダ57、57′により駆動される各送り
爪58、58′と後退防止爪59、59′が係合している。又、
図に於て68、68′は各送りシリンダ57、57′の、60、6
0′は後退防止爪59、59′の各揺動支点であり、61、6
1′と62、62′は各押えスプリングである。又、63、6
4、65、66及び67は、前記各シリンダ57、54、55、55′
及び57′の切換バルブである。
しかして、図示の状態に於て、例えば上下の給電部材
3、4の摩耗検出により、ワイヤ電極1との接触部位を
新しい表面部分に移動変更させる必要があると判断され
た場合には、ワイヤ放電加工制御装置7より給電部材駆
動装置7Dのバルブ63、及び67に作動信号が入力し、各バ
ルブ63及び67を図示の状態と逆に切換え、各シリンダ5
7、57′を作動させて、図示の場合、各送り爪58、58′
を送り出すと、各後退防止爪59、59′が支点60、60′の
回りに回動し、ラチェットの山を乗り越えたところでス
プリング62、62′により谷に嵌り込み固定し、次いでバ
ルブ63、67の切換えにより各送り爪58、58′は各シリン
ダ57、57′を支点68、68′の回りに回動させつつラチェ
ット山分後退して次の谷に嵌り込み、次の作動棒56、5
6′の送り駆動に備えることになる。そして、ワイヤ放
電加工に使用するワイヤ電極1の径は、約0.2mmφ程度
前後のものであり、該ワイヤ電極1に対する摺接通電に
より損傷や摩耗する給電部材3、4の傷等は、前記の如
き作動棒56、56′駆動による送りにより、給電部材3、
4を1回当り約1mm程度動かして摺接面部分を更新させ
てやれば良く、前述第1図の如き構成で、数10回程度の
給電部材摩耗に対応して処置することができる。
第12図は、前述放電発生位置の被加工物板厚内外検出
装置15が、板厚外と判断する放電パルスが発生した時
に、更に逐次次の放電パルスの放電位置の検出判別によ
り、ワイヤ電極断線と判断する場合と、それ以外の原
因、即ち給電部材の摩耗に原因があるか否かの検出、判
別を行なう構成を付加した本第2発明の実施例の概略構
成を示すブロックダイアグラム図である。
以下説明するに、前述第1図の第1発明の実施例構成
に対し、本第2発明部分、即ち前記放電位置の被加工物
板厚内外の検出装置15から板厚内検出信号INの出力後の
最初の板厚外検出信号OUTが出力したとき、ワイヤ電極
断線判断装置16のカウンタ43の出力端子QAの出力と、前
記板厚内外検出装置15の放電位置の上・下限比較器36、
37からの比較結果の信号出力とが入力する給電部材摩耗
検出装置70、及び該摩耗検出装置70が出力する摩耗検出
信号MAと上下摩耗判断信号U/D MAMOとにより、前記板厚
外検出信号OUTの出力後所定期間が経過しても前記ワイ
ヤ電極断線判断装置16がワイヤ電極断線判断信号DANSEN
を出力しない時、給電部材摩耗判断信号MAMO、更には上
下摩耗判断信号を出力し、そしてこの各判断信号はワイ
ヤ放電加工制御装置7に入力して表示、告知、そして更
に必要ならば、給電部材駆動装置7Dに信号を出力してワ
イヤ電極1と摺接する給電部材3、4の摺接部位が新し
い表面部分となるよう該給電部材3、4を微小距離移動
させるものである。
第13図は、前記給電部材摩耗検出装置70と摩耗判断装
置80部分の詳細を示す実施例のブロックダイアグラム図
で、前記摩耗検出装置70部分は2個のRSフリップフロッ
プ回路71、72、ワンショットパルス回路73、2個のイン
バータ回路74、75、及び4個のアンド回路76、77、78、
79とから構成され、他方の摩耗判断装置80は、給電部材
摩耗判断の信号作成装置81及び上下摩耗判断装置82とか
らなる。
しかして、給電部材3、4の摩耗検出は、前記板厚内
外検出装置15が発生放電パルスの検出放電位置に関する
ディジタルデータAを第1比較器36により設定板厚の上
側位置のデータB以上、又は第2比較器37に設定されて
いる板厚の下限位置のデータB′以下と判断された時に
行なわれるもので、前記第1及び第2比較器36、37の何
れか一方から信号が出力するのに対して、他方から信号
が出力しないことから、アンド回路39は信号を出力せ
ず、この時パルス発生回路38からの遅延タイミングパル
スCP2の出力にアンド回路41は板厚外検出信号OUTを出力
し、該信号OUTは判断装置16のカウンタ43によってカウ
ントされ、該カウンタ43は端子QAから信号を出力し、該
信号は摩耗検出装置70のフリップフロップ71に入力し
て、端子QAから摩耗検出信号MAを前記摩耗判断装置80の
信号作成装置81と前記ワンショットパルス発生器73に出
力する。該ワンショットパルス発生器73は前記摩耗検出
信号MAの立上り入力に応じ、ワンショットパルス信号CP
3をアンド回路78、79に出力することになるが、この時
の発生放電パルスの検出位置に関するディジタルデータ
Aが第1比較器36に設定されている板厚の上限位置のデ
ータB以上の場合には、それは第2の比較器37の下限位
置データB′以上であるから、その時アンド回路76から
上限以上の信号が出力し、前記パルス信号CP3と共にア
ンド回路78から上下摩耗(下側摩耗の)信号を出力して
フリップフロップ72をセットする。従って上記とは逆
に、前記ディジタルデータAが第2比較器37に設定され
ている板厚の下限位置のデータB′以下の場合には、そ
れは当然第1比較器36の上限位置のデータB以下であっ
て、その時はアンド回路77が下限以下の信号が出力し、
前記パルス信号CP3と共にアンド回路79から上下摩耗
(上側摩耗の)信号を出力してフリップフロップ72をリ
セットするものである。
そして、前記給電部材摩耗判断の信号作成装置81は、
前記摩耗検出装置70のフリップフロップ71から摩耗検出
信号MAが入力してから、前述の如くワイヤ電極断線判断
装置16から断線判断信号DANSENが出力して入力すると、
ワイヤ電極断線なのであるから給電部材の磨耗等に関す
る判断信号を作ることなく前記摩耗検出装置70のRSフリ
ップフロップ71にリセット信号を出力して、摩耗検出作
動を一旦終了、リセットさせることになるが、前記摩耗
検出信号MAがフリップフロップ71から出力後、予め設定
された所望の期間(通常数msec前後程度)が経過しても
前記断線判断信号DANSENが出力しない場合には、信号作
成装置81は、先に入力した摩耗検出信号MAが給電部材
3、4の両方又は少なくとも一方の摩耗検出に基づくも
のであったものと判断して摩耗判断信号MAMOを作成し
て、該摩耗判断信号MAMOを前記ワイヤ放電加工制御装置
7に出力すると共に、前記上下摩耗判断装置82に出力す
る。この上下摩耗判断装置82には前記摩耗検出信号MAが
検出されたとき、前記摩耗検出装置70で上下摩耗の検出
を行なった検出信号がRSフリップフロップ72から入力し
ており、前記摩耗判断信号MAMOに応じ、該上下摩耗判断
装置82は、上側又は下側給電子の摩耗であるという上下
摩耗判断信号を前記と同様に制御装置7へ出力すること
になる。そしてこのワイヤ放電加工制御装置7は、前記
の給電部材摩耗判断装置80から出力する2つの信号のう
ち少なくとも1つの信号の入力に応じ、給電部材摩耗の
警告及び表示の両方又は一方を行ない、又設定によって
は自動制御により又は作業者等の表示確認後の操作によ
り給電部材駆動装置7Dを作動せしめて給電部材のワイヤ
電極に対する摺接給電部位を変更又は更新せしめ、或い
は前記給電部材の更新作動に際しては、加工用電源や加
工動作を予め設定したプログラム等により、例えば一旦
停止後、徐々に正常加工に復帰させる等適宜の制御が行
なわれるものである。
尚、ここに於ける上述給電部材3、4の摩耗検出及び
上下摩耗判断は、カウンタ端子QA出力の原因となった検
出被加工物板厚外検出信号OUTが、実はワイヤ電極1の
完全な断線に基づく被加工物2から離れた部位に於ける
ワイヤ電極1の断線端等と加工部外部分等との接触通電
や近傍放電ではなく、例えば上側給電部材3の或る限度
を越えた摩耗変形により上側給電部材3とワイヤ電極1
との摺接が不良で、当該放電パルスの放電電流が殆ど下
側給電部材4のみから行なわれ、その放電位置のディジ
タルデータが被加工物板厚下限位置外と検出判断された
如くにして進行したもので、この場合には、給電部材に
摩耗が生じたと判断すると共にその摩耗は上側給電部材
3に於て生じていると判断されるものである。
産業上の利用可能性 以上のように、本発明のワイヤカット放電加工装置に
よれば、発生放電パルスのワイヤ電極軸方向の放電位置
を被加工物の板厚内外の何れの位置のものであるかを検
出し、板厚外で発生した放電パルスの数又は頻度が所定
レベル以上となったとき、ワイヤ電極断線判断を行なう
ようにしたから、ワイヤ電極断線の検出、判断を迅速、
且つ確実に行なって、被加工物や加工液ノズル、ワイヤ
電極の給電系や走行系に於ける異常や損傷の発生を防止
することができる。
又、本発明のワイヤカット放電加工装置によれば、前
記放電パルスが被加工物の板厚外の位置で発生した際に
それを検出して論理判断を行ない、ワイヤ電極断線事故
でない場合に、給電部材摩耗の検出判別を行なうように
したから、その摩耗検出が確実に可能となり、更にその
摩耗が上下何れかの給電部材摩耗であるかの判別も可能
となって、早めに対応処置を講ずることができ、加工性
能を向上させることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−54626(JP,A) 特開 昭61−121828(JP,A) 特開 昭59−30621(JP,A) 特開 昭60−29230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 7/02 - 7/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物の両側に配置される上側及び下側
    の各給電部材と案内部材にワイヤ電極を接触させた状態
    で軸方向に更新移動させ、前記案内部材間のワイヤ電極
    に被加工物を相対向させて形成した加工間隙に加工液を
    介在させた状態で間歇的な電圧パルスを印加し発生する
    放電パルスにより加工を行ない、該各放電パルス又は所
    定のサンプリングをした放電パルスの放電位置を検出す
    るワイヤカット放電加工に於て、 前記電圧パルス印加に基づく発生放電パルスにより前記
    給電部材の一方又は両方に流れる電流値を検出する電流
    検出器と、 該電流検出器の出力信号を増幅し、前記一対の給電部材
    間のワイヤ電極軸方向の放電位置に対応した信号を出力
    する放電位置検出手段と、 該放電位置検出手段の出力信号を前記ワイヤ電極軸方向
    の放電発生位置情報としてのディジタルデータに変換し
    て出力する放電発生位置ディジタルデータ算出装置とを
    備えると共に、 前記加工の対象となった被加工物のワイヤ電極軸方向の
    板厚のほぼ中心位置で放電パルスが発生したときの前記
    放電発生位置ディジタルデータ算出装置の出力ディジタ
    ルデータ値を基準として、上方及び下方の両各板厚に相
    当するディジタルデータ値を放電発生位置の上限値及び
    下限値として設定する設定器を備え、 更に、加工に伴なう前記加工間隙での前記放電パルスの
    発生に伴ない、前記算出装置から出力する放電発生位置
    のディジタルデータが、前記上限値及び下限値設定器に
    よって設定された上限以下・下限以上のディジタルデー
    タ値以外のとき、前記被加工物板厚外放電位置信号を出
    力する放電位置の被加工物板厚内外検出装置と、該検出
    装置が出力する前記被加工物板厚外放電位置信号が所定
    数を越えたとき、ワイヤ電極断線信号を出力するワイヤ
    電極断線判断装置を備えてなることを特徴とするワイヤ
    カット放電加工装置。
  2. 【請求項2】前記放電パルスの都度前記上側及び下側夫
    々の電流検出器が検出した電流ピーク値を検出してホー
    ルドする上側及び下側ピークホールド回路と、 該両ピークホールド回路がホールドするピーク電流値の
    差を求めて放電位置に対応した信号を出力する放電位置
    検出手段としての差動増幅器と、 該差動増幅器の出力値を前記放電パルスの都度放電発生
    位置情報としてのディジタルデータに変換する際、前記
    放電パルスのゲート信号終了後の微小時間後とするため
    に前記放電発生位置ディジタルデータ算出装置に付設さ
    れた前記ゲート終了信号の遅延タイミング回路とを、 備えてなる請求の範囲第1項記載のワイヤカット放電加
    工装置。
  3. 【請求項3】前記差動増幅によって得られた放電位置信
    号を前記算出装置に供給して放電発生位置のディジタル
    データに変換するに際し、前記放電位置信号を放電パル
    スのパルス幅の大きさに関する設定加工条件により増幅
    する反転増幅回路の増幅率を変更設定するようにしたこ
    とを特徴とする請求の範囲第2項記載のワイヤカット放
    電加工装置。
  4. 【請求項4】前記放電位置の被加工物板厚内外検出装置
    が、前記算出装置から出力する放電発生位置のディジタ
    ルデータが、前記上限及び下限値設定器によって設定さ
    れた上限以下・下限以上のディジタルデータ値以内のと
    き、被加工物板厚内放電位置信号を出力し得るように構
    成され、更に前記ワイヤ電極断線判断装置が、前記板厚
    内放電位置信号と板厚外放電位置信号とが入力するカウ
    ンタを備え、該カウンタは前記板厚外放電位置信号を積
    算カウントする一方で、前記板厚内放電位置信号の入力
    により前記積算板厚外放電位置信号のカウント数をクリ
    アするように構成され、そして前記板厚外放電位置信号
    の積算カウント数が所定数に達したときワイヤカット放
    電加工制御装置にワイヤ電極断線信号を出力するもので
    あることを特徴とする請求の範囲第1、2、又は3項の
    何れか1に記載のワイヤカット放電加工装置。
  5. 【請求項5】前記被加工物板厚外放電位置信号の検出出
    力に応じ又は検出出力数が前記ワイヤ電極断線判断装置
    に於ける所定数よりも充分小さい値の所定数に達したと
    き給電部材摩耗検出信号を出力する装置と、該装置から
    の摩耗検出信号の入力に応じ給電部材摩耗判断を行なう
    装置であって、前記摩耗検出信号の入力後所定時間が経
    過しても前記ワイヤ電極断線判断装置からワイヤ電極断
    線信号が出力しないとき給電部材摩耗判断信号を出力す
    る前記装置とから成ることを特徴とする請求の範囲第
    1、2、3、又は4項の何れか1に記載のワイヤカット
    放電加工装置。
  6. 【請求項6】前記給電部部材摩耗検出装置は、前記被加
    工物板厚内外検出装置が出力する2つの板厚外放電位置
    信号と前記給電部材摩耗検出信号とにより上側又は下側
    摩耗検出信号を出力する論理回路を備え、更に前記給電
    部材判断装置は前記摩耗判断信号と前記論理回路信号と
    により上側又は下側摩耗判断信号をワイヤカット放電加
    工制御装置の表示、告知手段に出力する装置を備えて成
    ることを特徴とする請求の範囲第5項記載のワイヤカッ
    ト放電加工装置。
  7. 【請求項7】前記給電部材摩耗判断信号、又は更に前記
    上側又は下側摩耗判断信号を前記ワイヤ放電加工制御装
    置に出力し、前記ワイヤ電極に対する給電部材の摺接通
    電位置を給電部材の移動により変更せしめる給電部材駆
    動装置を作動せしめるようにしたことを特徴とする請求
    の範囲第5、又は第6項の何れか1に記載のワイヤカッ
    ト放電加工装置。
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