JP3025651B2 - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JP3025651B2
JP3025651B2 JP8265587A JP26558796A JP3025651B2 JP 3025651 B2 JP3025651 B2 JP 3025651B2 JP 8265587 A JP8265587 A JP 8265587A JP 26558796 A JP26558796 A JP 26558796A JP 3025651 B2 JP3025651 B2 JP 3025651B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極管、複写
機、空気清浄機等の高電圧電源に利用される圧電トラン
スに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、パーソナルコンピュータやPD
A、ナビゲータ、ゲーム機等の液晶のバックライトに使
用されている冷陰極管の点灯用として、圧電トランスが
注目されている。圧電トランスは、従来使用されている
電磁トランスと比較して、電磁ノイズが出ない、不燃性
である、縁面距離が取れる、薄型化が可能等の利点があ
り、一部では実用化がなされている。
【0003】従来のローゼン型と呼ばれる圧電トランス
を図17及び図18で説明する。これらの図において、
1は長さ2L、幅W、厚みTの長方形の圧電セラミック
板であり、この圧電セラミック板1の両幅広面(表裏
面)に入力電極2,3が、これらから離れた方の端面に
出力電極4がそれぞれ形成されている。圧電セラミック
板1の入力電極2,3間は厚さ方向に分極され、出力電
極4と入力電極2,3間で長さ方向に分極されている。
そして、入力電極2,3間に交流の入力電圧Vinを印加
して圧電セラミック板1の長手方向寸法で決定される振
動で駆動し(図18では2Lが振動の1波長に一致する
モード)、出力電極4と電極3間から昇圧された出力電
圧Voutを取り出す。その昇圧比Vout/Vinは出力負荷
が解放時において下記(1)式で表される。 (Vout/Vin)=(4/π2)k3133Qm(L/T) …(1) 但し、k31:長さ方向の電気機械結合係数、k33:厚み
方向の電気機械結合係数、Qm:機械的Q、L:入力電
極と出力電極の距離、T:素子厚みである。
【0004】ところで、最近、ハンディタイプの機器が
種々開発されているが、このようなハンディタイプの機
器ではバッテリの寿命を長くするために、冷陰極管等を
駆動するために高効率な駆動ユニットが要求されてい
る。図19は冷陰極管(直径3mm、長さ150mm)を点
灯する場合の圧電トランスと電磁トランスとの効率を比
較したグラフである。但し、図中折れ線(イ)は電磁ト
ランス、折れ線(ロ)は図17の従来のローゼン型圧電
トランス(長さ50mm、幅10mm、厚み1mm)を3枚貼
り付けて電気的に並列接続したもの、折れ線(ハ)は同
じくローゼン型圧電トランスを5枚貼り付けて電気的に
並列接続したものである。この図から、圧電トランスを
用いた方が電磁トランスよりも輝度効率(cd/m2
W)が相当向上していることがわかる。一般的にも圧電
トランスを用いた場合、電磁トランスよりも効率が10
%程度良いとされており、その面からも圧電トランスは
注目を浴びている。
【0005】一般に図17及び図18のローゼン型の圧
電トランスの設計において、長さと幅の寸法比は3:1
程度が実用的とされているが、これは長さ方向と幅方向
の共振点を出来るだけ離すことにより、それぞれの振動
の干渉を避けるためである。このことは、公知文献「圧
電セラミックスとその応用」電子材料工業会監修、電波
新聞社昭和49年4月15日初版発行の第159頁〜第
164頁で言及されている。
【0006】図20乃至図23に圧電トランスすなわち
圧電セラミック板の長さと厚みの寸法を一定にしたまま
(長さ30mm、厚み1mm)、幅寸法を変化させた場合の
入力側及び出力側のインピーダンスカーブを示す。ちな
みに図20は幅10mm、図21は幅15mm、図22は幅
20mm、図23は幅30mmの場合をそれぞれ示してい
る。これらの図を対比してみると、図20の幅が長さの
1/3の振動子となる圧電トランスは基本モードと二次
モードがきれいに共振しているが、図21、図22、図
23と幅を長さに近くする毎にスプリアス共振が増えて
くるのがわかる。このため、従来においては、図20の
寸法関係が最適であると判断して圧電トランスの設計を
行うのが普通であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術に
係るローゼン型の圧電トランスでは、その長手方向寸法
で定まる振動で駆動しているため、振動の節点(ノード
点)は図18のように線として現れるが、実際は節点を
完全に幾何学的に支持することは量産上困難であり、あ
る程度広く固定されるようになる。また、負荷時と無負
荷時では圧電トランスの共振周波数は変化するため、厳
密には支持点も変わってくる。ローゼン型の圧電トラン
スでは振動の節が線となり固定点もばらつくことから、
出力負荷接続時のQmは無負荷時と比べかなり低下して
しまう。従って、前述した(1)式より出力負荷接続時の
昇圧比も大幅に低下することになり、入力電圧を上げな
ければ駆動が出来ないために圧電トランスの前段に昇圧
用の電磁トランスを挿入しなければならないという問題
があった。
【0008】また、出力電流をとるためには、出力側の
容量成分を大きくしなければならないが、そのためには
形状を大きくするか、特公昭52−30118号等の多
数の公知文献が提示しているように単板を複数枚貼り合
わせたり、一体焼成した積層トランスを用い、見掛け上
の容量を上げなければならない。これでは、圧電トラン
スを内蔵したインバータユニットの高さを小さく出来な
くなったり、価格が高価になるという問題があった。
【0009】さらに、液晶バックライト点灯用等に使用
する場合、冷陰極管が出力負荷となるが、この冷陰極管
は点灯時にインピーダンスがほぼ無限大で点灯するため
に、例えば直径3mm、長さ150mm管では1000〜1
500VRMS程度の高電圧を必要とする。そして、点灯
後は放電インピーダンスが下がるという負抵抗特性を持
っている。このような冷陰極管を出力負荷とする圧電ト
ランスを用いた点灯用駆動回路では、圧電トランスの共
振点が無負荷時と負荷接続時で大きく変化するため、そ
の追従用にPLL(Phase Locked Loop)等のICを用
いている。従って、駆動回路は部品点数の多い、高価な
ものとなってしまう。
【0010】本発明の第1の目的は、上記の点に鑑み、
出力負荷接続時においても高い機械的Qを維持でき、高
い昇圧比を保つことのできる圧電トランスを提供するこ
とにある。
【0011】本発明の第2の目的は、出力側の容量成分
を大きく取ることができ、積層構造によらなくとも単板
構造のままで低電圧駆動で充分な出力電力を取ることが
可能な圧電トランスを提供することにある。
【0012】本発明の第3の目的は、無負荷時と負荷接
続時の共振周波数の変化が少なく、駆動回路の回路構成
を簡素化できる圧電トランスを提供することにある。
【0013】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、圧電セラミック板の表裏面に相互に対向
する入力電極を形成し、該圧電セラミック板の前記入力
電極から離間した端面に出力電極を形成するとともに、
前記圧電セラミック板の前記入力電極間を厚み方向に分
極させかつ前記出力電極と入力電極間を長さ方向に分極
させた圧電トランスにおいて、前記圧電セラミック板を
正方形板として長さ方向と幅方向の共振を一致させた結
合振動を行わせることを特徴としている。
【0015】また、前記結合振動は1波長モードにする
とよい。
【0016】さらに、前記相互に対向する入力電極の一
方を分割して帰還電極を形成した構成としてもよい。
【0017】また、前記圧電セラミック板の振動の節部
4点を機械的に支持し、かつ該節部の一部又は全てを電
極とする構成でもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る圧電トランス
の実施の形態を図面に従って説明する。
【0019】図1及び図2は本発明に係る圧電トランス
の基本構成を示す第1の実施の形態である。これらの図
において、11は長さ2L、幅Wも2L、厚みTの正方
形の圧電セラミック板であり、この圧電セラミック板1
1の両幅広面(表裏面)に等面積の入力電極12,13
が、これらから離れた方の端面に出力電極14がそれぞ
れ形成されている。ここで、入力電極12,13は各幅
広面の半分の面積を有するものであり、圧電セラミック
板11の左端から長さ方向にL、幅Wでそれぞれ形成さ
れており、出力電極14は長さ方向の右側の端面に形成
されている。このように電極12,13,14を形成し
た圧電セラミック板11は、入力電極12,13同士を
短絡し、これらと出力電極14間に電圧を印加して長さ
方向に分極させ、その後入力電極12,13間に電圧を
印加して厚み方向に分極させたものである。
【0020】そして、入力電極12,13間に交流の入
力電圧Vinを印加して圧電セラミック板1の長さ方向寸
法及びこれと一致した幅方向寸法で決定される結合振動
で駆動し(図2では2Lが振動の1波長に一致する1波
長モード)、出力電極4と電極13(一方の入力電極を
グランド電極として用いる)間から昇圧された出力電圧
Voutを取り出す。
【0021】なお、振動の変位分布は、結合振動の1波
長モードの場合に図2のようになるから、4個の節点
(ノード点)P1,P2,P3,P4が存在することに
なる。従って、圧電トランスの支持は、図2に示す4個
の節点P1,P2,P3,P4を利用し、ゴム等の振動
緩衝材(ダンパー材)で支えること等で実施できる。
【0022】この第1の実施の形態において、圧電セラ
ミック板11を長さ2L=30mm、幅W=30mm、厚み
T=1mmのPZTで構成し、入力電極12,13及び出
力電極14を銀ペーストの印刷、焼き付けで形成し、所
要の分極を施した後、入力電極12,13に対して左端
より7.5mm(長さ方向の左端からL/2の位置で長さ
方向の振動の節となる位置)にそれぞれリード線22,
23をはんだ付けし、出力電極14に対して当該電極端
より7.5mm(幅方向端からL/2の位置で幅方向の振
動の節となる位置)にリード線24をはんだ付けして正
方形型の圧電トランスの測定試料(以下試料Aという)
を作製した。比較のために、長さ2L=30mm、厚みT
=1mmは一定のまま、幅Wを20mm,15mm,10mmと
した長方形型の圧電トランスの測定試料(以下それぞれ
試料B、試料C、試料Dという)を作製した。そして、
これらの試料A乃至試料Dを1波長振動モード(周波数
127kHz)付近で駆動し、入力電圧Vin=1Vp-p
を入力したときの昇圧比Vout/Vinの周波数特性を測
定したところ、図3及び図4の結果となった。但し、図
3は出力負荷が無い無負荷状態での昇圧比の周波数特
性、図4は出力負荷が80kΩの場合の昇圧比の周波数
特性である。なお、測定に際し、試料Aでは4個の節点
をコンタクトピンで支持して測定を実施し、試料B,
C,Dではリード線が支持手段を兼ねるようにして別に
支持手段は設けていない。
【0023】図3の無負荷時においては、各試料A乃至
Dの幅Wの違いによって昇圧比の絶対値に差があるもの
の、共振周波数(共振点)frできれいな昇圧比のピー
クが見られ、全ての試料において比較的高いQmを示し
ている。
【0024】しかし、図4の出力負荷として負荷抵抗R
L=80kΩを接続したときの昇圧比のカーブは、従来
技術に係る3種の長方形型圧電トランスの試料B,C,
D(W=20,15,10mm)では非常になだらかとな
ってQmが著しく低下している。これに対し、第1の実
施の形態に係る試料A(W=30mm)は共振周波数fr
付近で充分大きな昇圧比のピークを持ち、比較的高いQ
mを維持している。すなわち、第1の実施の形態に係る
試料Aの場合、従来技術に係る試料B乃至Dとは明確に
異なる特性となっていることがわかる。
【0025】図5は第1の実施の形態に係る試料A(W
=30mm)で負荷抵抗RLを27kΩ乃至200kΩの
範囲で変化させた場合の昇圧比の周波数特性を示し、比
較のために図6で試料B(W=20mm)、図7で試料C
(W=15mm)、図8で試料D(W=10mm)の場合を
同様に示す。
【0026】図5から、第1の実施の形態に係る試料A
では出力負荷としての負荷抵抗による昇圧比の変化はあ
るがQmの急激な変化はなく、各負荷抵抗に対して昇圧
比の最大値を充分高く維持でき、しかも、負荷抵抗が変
化しても昇圧比のピーク点の周波数変動はごく少ないこ
とがわかる。このことは、圧電トランスの駆動回路に周
波数追従のための複雑な回路を設ける必要性がないこと
を意味する。
【0027】図6乃至図8のように、従来技術に係る試
料B,C,Dでは全般的にQmが低くて各負荷抵抗に対
して昇圧比の最大値が低いだけでなく、負荷抵抗が変化
すると昇圧比のピーク点の周波数が大きく変化する。こ
のため、圧電トランスを効率的に駆動するために、圧電
トランスの駆動回路に周波数追従のための複雑な回路を
設ける必要性がでてくる。
【0028】図9は第1の実施の形態に係る試料Aの圧
電トランスを用いて冷陰極管(直径2mm、長さ85mm)
を点灯したときの入力電圧と輝度との関係を図中線
(ニ)で、比較のために従来のローゼン型圧電トランス
(50×10×1mm)を3枚貼り付けた場合を線
(ホ)、同じく5枚貼り付けた場合を線(ヘ)でそれぞ
れ示す。この図9によると、従来技術に係る長方形圧電
トランスでは単板を3枚乃至5枚貼り合わせた場合でも
入力電圧Vinを12〜16Vp-p程度印加しなければ点
灯が出来ないのに対し、第1の実施の形態に係る試料A
では単板構造であっても7〜8Vp-p程度の入力電圧で
点灯可能であり、低電圧駆動が可能であることがわか
る。なお、図9には図示していないが、試料D(30×
10×1mm)の単板で点灯させようとする場合、入力電
圧Vinとして30Vp-p程度必要である。
【0029】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0030】(1) 入力電極12,13及び出力電極1
4が形成された圧電セラミック板11を正方形板として
長さ方向と幅方向の共振を一致させた結合振動の1波長
モードで駆動し、振動の節点で支持することにより、出
力負荷接続時においても高い機械的Qを維持でき、高い
昇圧比を保つことができる。
【0031】(2) 昇圧比が高く、圧電セラミック板1
1の幅形状に比例した圧電トランス出力側の容量成分を
大きく取ることができ、積層構造によらなくとも単板構
造のままで低電圧駆動で充分な出力電力を取ることが可
能である。このため、圧電トランスを用いたインバータ
ユニットを構成する場合に、その高さを小さくすること
ができる。そして、低い入力電圧であっても冷陰極管の
点灯が可能であるため、前段に電磁トランスを設けたり
する必要がなく、かつ単板の成型で済むため、素子単体
の成型の面でも駆動回路の面でも大きなコストダウンと
なる。
【0032】(3) 無負荷時と負荷接続時の共振周波数
の変化が少ないため、周波数追従のためのPLL等のI
Cは不要であり、この面でも駆動回路の構成の簡素化、
コストダウンが可能である。
【0033】図10及び図11は本発明に係る圧電トラ
ンスの第2の実施の形態である。この場合、正方形板で
ある圧電セラミック板11を挟んで相互に対向する入力
電極12,13のうちの一方の電極12を分割して帰還
電極15を形成している。この帰還電極15には、圧電
トランスの入力電極12,13間に交流の入力電圧を印
加して振動させたときに、その振動周波数の帰還信号が
現れる。なお、その他の構成は前述した第1の実施の形
態と同様でよく、図11のように振動の変位分布及び振
動の節点も第1の実施の形態と同じになる。
【0034】この第2の実施の形態において、前記帰還
電極15には、圧電トランスの入力電極12,13間に
交流の入力電圧を印加して振動させたときに、その振動
周波数の帰還信号が現れるので、その帰還信号を利用す
ることで部品点数の少ない簡単な回路構成の自励発振回
路で駆動可能となり、大幅なコストダウンを図れる。
【0035】図12及び図13は本発明に係る圧電トラ
ンスのより具体的構成を示す第3の実施の形態である。
これらの図において、30は絶縁樹脂等の絶縁ケースで
あり、これに弾性金属のリードフレームからなる入力端
子32,33、出力端子34、及び帰還用端子35がそ
れぞれ固定支持されている。正方形板である圧電セラミ
ック板11に入力電極12,13、出力電極14及び帰
還電極15を形成してなる圧電トランス本体10は前述
した第2の実施の形態と同様な構造であるが、さらに出
力電極14を最も近い節点P3上に引き出すための延長
電極部14aを表側の面に有している。
【0036】圧電トランス本体10は、第1及び第2の
実施の形態において説明したように、4個の節点P1,
P2,P3,P4を持つため、これらの節点上で各端子
と各電極間の電気接続を行えばよい。すなわち、入力端
子32の先端部は節点P1上に達しており、節点P1上
で入力電極12と入力端子32間に介在するように導電
性振動緩衝材としての導電性ゴム36が導電性接着剤で
固着されている。同様に入力端子33の先端部は節点P
2(裏側)に達し、節点P2で入力電極13(入力電極
12と帰還電極15の両方に対向する面積を持つ)と入
力端子33間に介在するように導電性ゴム36が固着さ
れ、帰還用端子35の先端部は節点P2(表側)に達
し、節点P2で帰還電極15と帰還用端子35間に介在
するように導電性ゴム36が固着されている。また、出
力端子34の先端部は節点P3上に達しており、節点P
3で出力電極14の延長電極部14aと出力端子34間
に介在するように導電性ゴム36が固着されている。
【0037】なお、各端子32,33,34,35の先
端部と絶縁ケース30内面との間にも振動緩衝材(ダン
パー材)としてのゴム37(導電性ゴムを用いても差し
支えない)が固着されるとともに、各節点P1,P2,
P3,P4の各端子32,33,34,35が対向して
いない側にも当該節点を支持するための振動緩衝材(ダ
ンパー材)としてのゴム38(導電性ゴムを用いても差
し支えない)が当該節点と絶縁ケース30内面間に固着
されている。従って、圧電トランス本体10は全ての節
点P1,P2,P3,P4において振動緩衝材を介して
絶縁ケース30に支持されることになる。
【0038】この第3の実施の形態において、入力端子
32,33間に入力電圧を印加すると、導電性ゴム36
を通して入力電極12,13にそれぞれ入力電圧が加わ
ることになり、昇圧された出力電圧は出力電極14の延
長電極部14a、導電性ゴム36を通して出力端子34
と端子33間に得られる。また、帰還電極15に誘起し
た帰還信号は導電性ゴム36を通して帰還用端子35に
取り出される。
【0039】この第3の実施の形態によれば、絶縁ケー
ス30内に圧電トランス本体10を4個の節点P1,P
2,P3,P4にて振動緩衝材(導電性ゴム36、ゴム
37,38)で支持しており、機械的に堅牢な構造とす
ることができる。また、仮に振動周波数変動に起因して
節点が移動しても振動緩衝材で支持しているため、Qm
の低下は生じない。なお、帰還用端子35の帰還信号を
利用して自励発振回路を簡単に構成可能な点等は第2の
実施の形態と同様である。
【0040】なお、第3の実施の形態において、入力電
極12から帰還電極15を分割せず、帰還電極15及び
帰還用端子35を省略した構造とすることができる。こ
の場合にも絶縁ケース30内に圧電トランス本体を4個
の節点P1,P2,P3,P4にて振動緩衝材で支持し
た機械的に堅牢な圧電トランスを得ることができる。
【0041】図14乃至図16は本発明の実施の形態に
係る圧電トランスを駆動するための自励発振回路をそれ
ぞれ例示している。
【0042】図14は第2又は第3の実施の形態のよう
に帰還電極を有する圧電トランスに適した自励発振回路
である。この図において、PT1は圧電トランス、Tr
はスイッチング素子としてのトランジスタ、CHはチョ
ークコイル、R1はベースバイアス用抵抗、C1は直流
阻止用コンデンサ、CRTは冷陰極管である。
【0043】この図14の自励発振回路において、圧電
トランスPT1の長さ方向と幅方向の共振を一致させた
1波長モードの結合振動の周波数を持つ帰還信号が帰還
電極15に現れると、これがトランジスタTrのベース
側に帰還され、コレクタ側に接続された入力電極12,
13間に増幅された入力電圧として印加されることで自
励発振が継続する。そして、昇圧された出力電圧が出力
電極14とグランド側の電極13間に発生し、これが冷
陰極管CRTに印加されて点灯する。
【0044】この図14の自励発振回路は圧電ブザー等
の駆動にも用いられる最も簡素な回路構成であり、部品
点数が少なく、小型化及びコストダウンに適したものと
いえる。
【0045】図15は第1の実施の形態(又は第3の実
施の形態において帰還電極15及び帰還用端子35を省
略した構造)の圧電トランスに適した自励発振回路を示
す。この図において、PT2は圧電トランス、Trはト
ランジスタ、CHはチョークコイル、T1は帰還用トラ
ンス、R1はベースバイアス用抵抗、C1は直流阻止用
コンデンサ、C2は共振用コンデンサである。帰還用ト
ランスT1の1次巻線は圧電トランスPT2のグランド
側の入力電極13とグランド間に挿入され、帰還用トラ
ンスT1の2次巻線の両端に前記共振用コンデンサC2
が接続されて、圧電トランスPT2の長さ方向と幅方向
の共振を一致させた1波長モードの結合振動の周波数に
概ね共振(同調)する並列共振回路をなしている。
【0046】この場合、帰還用トランスT1で1波長モ
ードの結合振動の周波数を持つ帰還信号が選択的にトラ
ンジスタTrのベース側に帰還され、コレクタ側に接続
された入力電極12,13間に増幅された入力電圧とし
て印加されることで自励発振が継続する。そして、昇圧
された出力電圧が出力電極14とグランド側の電極13
間に発生し、これが冷陰極管CRTに印加されて点灯す
る。
【0047】この図15の自励発振回路は圧電トランス
として帰還電極15を持たないものを使用できる利点が
ある。
【0048】図16は第2又は第3の実施の形態のよう
に帰還電極を有する圧電トランスに適した自励発振回路
であり、とくに高出力を得るのに適した自励発振回路で
ある。この図において、PT1は圧電トランス、FET
はスイッチング素子としての電界効果トランジスタ、L
1は共振用コイル、C3は共振用コンデンサ、AMPは
3段の増幅器OP1,OP2,OP3を有する増幅回
路、CRTは冷陰極管である。前記共振用コイルL1及
び共振用コンデンサC3は圧電トランスPT1の長さ方
向と幅方向の共振を一致させた1波長モードの結合振動
の周波数に概ね共振(同調)する並列共振回路をなして
いる。
【0049】この場合も、増幅回路AMPで増幅された
帰還電極15の帰還信号のうち1波長モードの結合振動
の周波数を持つ帰還信号が選択されてFETのドレイン
側に現れて入力電極12,13間に増幅された入力電圧
として印加されることで自励発振が継続する。そして、
昇圧された出力電圧が出力電極14とグランド側の電極
13間に発生し、これが冷陰極管CRTに印加されて点
灯する。
【0050】この図16の自励発振回路はFETの前段
に増幅回路AMPを設けており、電力用FETを用いる
ことで圧電トランスPT1を充分大きな入力電圧で駆動
可能であり、高い出力電圧を得ることができる。また、
圧電トランスPT1に形成する帰還電極15の面積を小
さくすることができる。
【0051】なお、第1乃至第3に示した圧電トランス
を複数個貼り合わせて積層構造とすることで、さらに低
電圧(Vin=3V程度)でも冷陰極管等を駆動可能とな
ることは当然考えられる。
【0052】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、圧電セ
ラミック板の表裏面に相互に対向する入力電極を形成
し、該圧電セラミック板の前記入力電極から離間した端
面に出力電極を形成するとともに、前記圧電セラミック
板の前記入力電極間を厚み方向に分極させかつ前記出力
電極と入力電極間を長さ方向に分極させた圧電トランス
において、前記圧電セラミック板を正方形板として長さ
方向と幅方向の共振を一致させた結合振動で駆動するよ
うにしたので、長さ振動のみを利用した従来技術の圧電
トランスに比べて負荷接続時に高い機械的Qを維持で
き、高い昇圧比が得られる。
【0054】また、出力側の容量成分が大きいために単
板構造のままで(積層構造としなくとも)出力電力が大
きく取れ、低電圧の駆動が可能であるため、冷陰極管点
灯用等のインバータユニットの薄型化ができ、コストダ
ウンにも寄与できる。
【0055】また、入力電極の片側を一部分割して帰還
電極とし、駆動回路の帰還信号として取り出す構造を採
用すれば、部品点数の少ない簡単な自励振の回路で駆動
可能となり大幅なコストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電トランスの基本構成である第
1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の振動の変位分布及び節点を
示す説明図である。
【図3】第1の実施の形態による試料A及び従来技術に
よる試料B,C,Dの場合の昇圧比の周波数特性であっ
て無負荷の場合のグラフである。
【図4】第1の実施の形態による試料A及び従来技術に
よる試料B,C,Dの場合の昇圧比の周波数特性であっ
て負荷抵抗RL=80kΩの場合のグラフである。
【図5】第1の実施の形態による試料Aの場合において
負荷抵抗RLを27kΩ〜200kΩに変化させた場合
の昇圧比の周波数特性を示すグラフである。
【図6】従来技術による試料Bの場合において負荷抵抗
RLを27kΩ〜200kΩに変化させた場合の昇圧比
の周波数特性を示すグラフである。
【図7】従来技術による試料Cの場合において負荷抵抗
RLを27kΩ〜200kΩに変化させた場合の昇圧比
の周波数特性を示すグラフである。
【図8】従来技術による試料Dの場合において負荷抵抗
RLを27kΩ〜200kΩに変化させた場合の昇圧比
の周波数特性を示すグラフである。
【図9】第1の実施の形態による試料Aの入力電圧と冷
陰極管の輝度との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図11】第2の実施の形態の振動の変位分布及び節点
を示す説明図である。
【図12】本発明の具体的構成である第3の実施の形態
であってケース部分を断面とした平面図である。
【図13】同側断面図である。
【図14】本発明の圧電トランスを駆動するのに使用可
能な自励発振回路の第1例を示す回路図である。
【図15】本発明の圧電トランスを駆動するのに使用可
能な自励発振回路の第2例を示す回路図である。
【図16】本発明の圧電トランスを駆動するのに使用可
能な自励発振回路の第3例を示す回路図である。
【図17】従来のローゼン型圧電トランスを示す斜視図
である。
【図18】従来のローゼン型圧電トランスの振動の変位
分布及び節点を示す説明図である。
【図19】入力電力に対する冷陰極管の輝度効率との関
係を圧電トランス及び電磁トランスについてそれぞれ示
すグラフである。
【図20】圧電トランスのインピーダンスの周波数特性
であって長さ30mm、幅10mm、厚み1mmの場合のグラ
フである。
【図21】圧電トランスのインピーダンスの周波数特性
であって長さ30mm、幅15mm、厚み1mmの場合のグラ
フである。
【図22】圧電トランスのインピーダンスの周波数特性
であって長さ30mm、幅20mm、厚み1mmの場合のグラ
フである。
【図23】圧電トランスのインピーダンスの周波数特性
であって長さ30mm、幅30mm、厚み1mmの場合のグラ
フである。
【符号の説明】
1,11 圧電セラミック板 2,3,12,13 入力電極 4,14 出力電極 10 圧電トランス本体 15 帰還電極 22,23,24 リード線 30 絶縁ケース 32,33 入力端子 34 出力端子 35 帰還用端子 36 導電性ゴム 37,38 ゴム AMP 増幅回路 CRT 冷陰極管 C1,C2,C3 コンデンサ FET 電界効果トランジスタ P1,P2,P3,P4 節点 PT1,PT2 圧電トランス Tr トランジスタ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミック板の表裏面に相互に対向
    する入力電極を形成し、該圧電セラミック板の前記入力
    電極から離間した端面に出力電極を形成するとともに、
    前記圧電セラミック板の前記入力電極間を厚み方向に分
    極させかつ前記出力電極と入力電極間を長さ方向に分極
    させた圧電トランスにおいて、前記圧電セラミック板を
    正方形板として長さ方向と幅方向の共振を一致させた結
    合振動を行わせることを特徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 前記結合振動が1波長モードである請求
    項1記載の圧電トランス。
  3. 【請求項3】 前記相互に対向する入力電極の一方を分
    割して帰還電極を形成した請求項1又は2記載の圧電ト
    ランス。
  4. 【請求項4】 前記圧電セラミック板の振動の節部4点
    を機械的に支持し、かつ該節部の一部又は全てを電極と
    した請求項1,2又は3記載の圧電トランス。
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