JP3021814U - 建物の屋根 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】雪止め立上部分が多量の積雪があっても倒伏し
て落雪防止機能の低下しない工夫を施した建物の屋根を
提供する。 【解決手段】長手方向の一側縁部を７の字形状に外側方
に折り起して被接部１を、同じく他側縁部を折り返して
二重壁とし且つ二重壁部を逆さ向きのＬの字状に折り曲
げ起して吊下部２を形成し、吊下部の垂直箇所における
外側壁４と内側壁５を逆さ向きのＶの字状に開いて垂直
個所を補強構造部６とし、また垂直個所の外側壁の下縁
に取付片７を延設する多数枚の長尺トタン板８を構成
し、長尺トタン板を屋根９の野地板１０の上に屋根の勾
配と直交する横線と平行する向きとして且つ吊下部が上
辺となる状態として並べ配すると共に吊下部に対して被
接部を防水性接着テープ等シーリング材１１を介して被
着し且つ被接部の垂下片部１２を内側方に向って水平に
折り曲げて吊下部２の水平個所の下面に圧接させ、この
被接部と吊下部との連結部分を雪止用立上部１４とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、無落雪構造とされた建物の屋根に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従前、本考案者は、「長手方向の一側縁部を７型状に外側方に折り起して被接 部を、同じく他側縁部を折り返して二重面とし且つ当該二重面を逆さ向きのＬの 字状に折り曲げ起して吊下部を夫々形成すると共に吊下部の外側方に取付片を設 けた多数枚の長尺トタン板を構成し、これ等長尺トタン板を屋根の野地板上に屋 根の勾配と直交する横線と平行する向きとして且つ吊下部が棟側、被接部が軒側 となる状態として並べ配すると共に吊下部と被接部の各垂直部分を接合させ吊下 部の水平部分を被接部の水平部分の下面に位置させて両部分を接着テープを介し て止着し且つ被接部の垂下片部を内方に向って折曲げて吊下部の水平部分の下面 に接合させこれら吊下部及び被接部の接合水平部分を軒側に突出させて成る雪止 め装置を備えた屋根。」を提供した（実公平６−１３３０５号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の技術において述べた雪止め装置を備えた屋根は、吊下部の垂直個所 における外側壁と内側壁とが単に重り合っていてＶ字状には開いていないもので あって、多量の積雪があった場合には雪止め立上部分が雪圧等により下方に倒伏 して落雪防止機能の低下もしくは喪失を起してしまう等の問題点があった。

【０００４】 本考案は、上記の問題点を解決する工夫を施した新規の建物の屋根を提供する ことを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案に係る建物の屋根は、長手方向の一側縁部を ７の字形状に外側方に折り起して被接部１を、同じく他側縁部を折り返して二重 壁とし且つ当該二重壁部を逆さ向きのＬの字状に折り曲げ起して吊下部２をそれ ぞれ形成すると共にこの吊下部２の垂直箇所３における外側壁４と内側壁５を逆 さ向きのＶの字状に開いて当該垂直個所３を補強構造部６とし、また同垂直個所 ３の外側壁４の下縁に取付片７を延設することによって多数枚の長尺トタン板８ を構成し、これ等長尺トタン板８を屋根９の野地板１０の上に屋根９の勾配と直 交する横線と平行する向きとして且つ吊下部２が上辺となる状態として並べ配す ると共に吊下部２に対して被接部１を防水性接着テープ等シーリング材１１を介 して被着し且つ当該被接部１の垂下片部１２を内側方に向って水平に折り曲げて 吊下部２の水平個所１３の下面に圧接させ、この被接部１と吊下部２との連結部 分を雪止用立上部１４としたものであり、 そして、雪止用立上部１４における被接部１の垂下片部１２と同立上部１４に おける吊下部２の水平個所１３との重り部分１５を下方に折り倒して吊下部２の 垂直個所３における内側壁５の外面に当接させたものである。

【０００６】

【作用】

本考案において雪止用立上部１４は雪止め機能を果すものであり、また補強構 造部６は吊下部２の垂直個所３における外側壁４と内側壁５とが逆さ向きのＶの 字状に開いて形成されているものであって横方向からの雪圧に対して強いもので ある。

【０００７】

【考案の効果】

本考案に係る建物の屋根は、上記のような構成であるので、雪止用立上部１４ が雪止め機能を充分に果して頗る具合がよく、屋根葺作業の簡易化および能率ア ップにも好適である等の諸効果を有するは勿論であるが、特に本考案において補 強構造部６は、吊下部２の垂直個所３が逆さ向きのＶの字状に開脚した状態を呈 していて横方向からの雪圧に対して強いものであって、上記問題点の解決を顕著 に果すのに極めて有効に機能するものであり、所期の目的を充分に達成できるも のである。

【０００８】

【実施例】

図１〜図３に示す第１実施例は、長手方向の一側縁部を７の字形状に外側方に 折り起して被接部１を、同じく他側縁部を折り返して二重壁とし且つ当該二重壁 部を逆さ向きのＬの字状に折り曲げ起して吊下部２をそれぞれ形成すると共にこ の吊下部２の垂直箇所３における外側壁４と内側壁５を逆さ向きのＶの字状に開 いて当該垂直個所３を補強構造部６とし、また同垂直個所３の外側壁４の下縁に 取付片７を延設することによって多数枚の長尺トタン板８を構成し、これ等長尺 トタン板８を屋根９の野地板１０の上に屋根９の勾配と直交する横線と平行する 向きとして且つ吊下部２が上辺となる状態として並べ配すると共に吊下部２に対 して被接部１を防水性接着テープ等シーリング材１１を介して被着し且つ当該被 接部１の垂下片部１２を内側方に向って水平に折り曲げて吊下部２の水平個所１ ３の下面に圧接させ、この被接部１と吊下部２との連結部分を雪止用立上部１４ としたものである。

【０００９】 図４に示す第２実施例は、雪止用立上部１４における被接部１の垂下片部１２ と同立上部１４における吊下部２の水平個所１３との重り部分１５を下方に折り 倒して吊下部２の垂直個所３における内側壁５の外面に当接させた点において上 記第１実施例と異っているが、その他は同様であるので同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。

【００１０】 図中、符号１６は登樋、１７はドレンパイプを示す。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る建物の屋根の第１実施例を示す斜
視図である。

【図２】図１Ａ−Ａ線に沿う一部分の拡大断面略図であ
る。

【図３】長尺トタン板の断面略図である。

【図４】本考案に係る建物の屋根の第２実施例を示すも
のであって上記図１Ａ−Ａ線に相当する個所で示す拡大
断面図である。

【符号の説明】

１ 被接部 ２ 吊下部 ３ 垂直個所 ４ 外側壁 ５ 内側壁 ６ 補強構造部 ７ 取付片 ８ トタン板 ９ 屋根 １０ 野地板 １１ シーリング材 １２ 垂下片部 １３ 水平個所 １４ 雪止用立上部 １５ 重り部分 １６ 登樋 １７ ドレンパイプ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向の一側縁部を７の字形状に外側
   方に折り起して被接部１を、同じく他側縁部を折り返し
   て二重壁とし且つ当該二重壁部を逆さ向きのＬの字状に
   折り曲げ起して吊下部２をそれぞれ形成すると共にこの
   吊下部２の垂直箇所３における外側壁４と内側壁５を逆
   さ向きのＶの字状に開いて当該垂直個所３を補強構造部
   ６とし、また同垂直個所３の外側壁４の下縁に取付片７
   を延設することによって多数枚の長尺トタン板８を構成
   し、これ等長尺トタン板８を屋根９の野地板１０の上に
   屋根９の勾配と直交する横線と平行する向きとして且つ
   吊下部２が上辺となる状態として並べ配すると共に吊下
   部２に対して被接部１を防水性接着テープ等シーリング
   材１１を介して被着し且つ当該被接部１の垂下片部１２
   を内側方に向って水平に折り曲げて吊下部２の水平個所
   １３の下面に圧接させ、この被接部１と吊下部２との連
   結部分を雪止用立上部１４としたことを特徴とする建物
   の屋根。
2. 【請求項２】 雪止用立上部１４における被接部１の垂
   下片部１２と同立上部１４における吊下部２の水平個所
   １３との重り部分１５を下方に折り倒して吊下部２の垂
   直個所３における内側壁５の外面に当接させたことを特
   徴とする請求項１記載の建物の屋根。