JP3020558B2 - Mig溶接による肉盛溶接方法 - Google Patents
Mig溶接による肉盛溶接方法Info
- Publication number
- JP3020558B2 JP3020558B2 JP2172853A JP17285390A JP3020558B2 JP 3020558 B2 JP3020558 B2 JP 3020558B2 JP 2172853 A JP2172853 A JP 2172853A JP 17285390 A JP17285390 A JP 17285390A JP 3020558 B2 JP3020558 B2 JP 3020558B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- welding
- mig
- overlay
- current
- pulse current
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明にアルミニウム(その合金を含む)等の主と
して金属材の肉盛溶接方法に関し、特にMIG溶接による
肉盛溶接方法にする。
して金属材の肉盛溶接方法に関し、特にMIG溶接による
肉盛溶接方法にする。
従来の技術及び課題 例えばアルミニウム材等からなる母材表面に耐食性、
耐摩耗性等の性質を付与する場合や表面を修理、再生し
たい場合、肉盛溶接によってこれを行うことが多い。ま
た、母材に継手を接合する場合にも溶接の手段によりこ
れを行うことも多い。
耐摩耗性等の性質を付与する場合や表面を修理、再生し
たい場合、肉盛溶接によってこれを行うことが多い。ま
た、母材に継手を接合する場合にも溶接の手段によりこ
れを行うことも多い。
かかる溶接は一般には溶加材を用いて行うが、溶加材
等に水分等が付着しているとブローホールの原因となり
ひいては溶接欠陥となるという欠点があった。このよう
な欠点は溶加材として粉末を用いた場合には特に顕著に
生じるものであった。
等に水分等が付着しているとブローホールの原因となり
ひいては溶接欠陥となるという欠点があった。このよう
な欠点は溶加材として粉末を用いた場合には特に顕著に
生じるものであった。
例えば、本出願人は先に、母材としてのアルミニウム
材の表面に耐摩耗性を付与すべく、母材をB粉末ととも
に局部的に溶融することにより母材表面に硬質合金化層
を形成する提案をした(特願昭63−304515号)。また硬
質粒子を含む粉末溶加材を用いて母材表面に肉盛溶接に
よる硬化層を形成する提案もした(特願平1−110639
号、特願平1−110640号等)。しかし、粉末溶加材に水
分が吸着され易く、この吸着された水分等が原因で溶接
部にブローホールが多発し、実用上問題となっている。
材の表面に耐摩耗性を付与すべく、母材をB粉末ととも
に局部的に溶融することにより母材表面に硬質合金化層
を形成する提案をした(特願昭63−304515号)。また硬
質粒子を含む粉末溶加材を用いて母材表面に肉盛溶接に
よる硬化層を形成する提案もした(特願平1−110639
号、特願平1−110640号等)。しかし、粉末溶加材に水
分が吸着され易く、この吸着された水分等が原因で溶接
部にブローホールが多発し、実用上問題となっている。
この発明はかかる欠点を解消するためになされたもの
であって、溶接部におけるブローホールの解消を目的と
する。
であって、溶接部におけるブローホールの解消を目的と
する。
課題を解決するための手段 上記目的は、粉末を含む溶加材を用いたMIG溶接によ
る肉盛溶接方法であって、溶接電流にパルス電流を重畳
して流すことにより、溶融状態の溶接部に振動・撹拌を
付与して溶接を行うに際し、前記パルス電流が溶接電流
×0.1〜3.0に設定されているとともに、パルス電流の周
波数が3Hz以上20Hz未満に設定されていることを特徴と
するMIG溶接による肉盛溶接方法によって達成される。
る肉盛溶接方法であって、溶接電流にパルス電流を重畳
して流すことにより、溶融状態の溶接部に振動・撹拌を
付与して溶接を行うに際し、前記パルス電流が溶接電流
×0.1〜3.0に設定されているとともに、パルス電流の周
波数が3Hz以上20Hz未満に設定されていることを特徴と
するMIG溶接による肉盛溶接方法によって達成される。
このように、溶接部を溶融状態のうちに振動撹拌する
のは、溶加材に付着した水分等に起因して生じた溶接部
中のブローホール(気孔)を浮上させ、大気中へと逃が
すためである。ここに、溶融状態の溶接部に振動・撹拌
を付与する方法として、パルス重畳法を挙げうる。パル
ス重畳法はMIG溶接において溶接電流にパルス電流を重
畳して流すことにより、溶接部に振動・撹拌を付与する
方法である。重畳するパルス電流は、溶接電流×0.1〜
3.0の値に設定する必要がある。0.1倍未満では振動・撹
拌効果が小さくブローホールを十分に浮上させて放出す
ることができない虞れがある。逆に3.0倍を超えて過多
になるとアークが不安定となり、溶接に支障を来たす虞
れがある。好適には、パルス電流は溶接電流×0.5〜1.0
程度に設定するのがよい。また、パルス電流の周波数は
3Hz以上20Hz未満とする必要がある。3Hz未満あるいは20
Hz以上では撹拌・振動効果が小さくなってブローホール
の浮上効果が乏しくなる虞れがある。
のは、溶加材に付着した水分等に起因して生じた溶接部
中のブローホール(気孔)を浮上させ、大気中へと逃が
すためである。ここに、溶融状態の溶接部に振動・撹拌
を付与する方法として、パルス重畳法を挙げうる。パル
ス重畳法はMIG溶接において溶接電流にパルス電流を重
畳して流すことにより、溶接部に振動・撹拌を付与する
方法である。重畳するパルス電流は、溶接電流×0.1〜
3.0の値に設定する必要がある。0.1倍未満では振動・撹
拌効果が小さくブローホールを十分に浮上させて放出す
ることができない虞れがある。逆に3.0倍を超えて過多
になるとアークが不安定となり、溶接に支障を来たす虞
れがある。好適には、パルス電流は溶接電流×0.5〜1.0
程度に設定するのがよい。また、パルス電流の周波数は
3Hz以上20Hz未満とする必要がある。3Hz未満あるいは20
Hz以上では撹拌・振動効果が小さくなってブローホール
の浮上効果が乏しくなる虞れがある。
なお、母材の種類は特に限定されることはなく、アル
ミニウム材をはじめ各種金属等を用いうる。また、溶接
はMIG溶接により行う。また溶加材の種類、組成等も限
定されることはなく、粉末状の溶加材であっても良く、
中空細管の中に粉末を充填状態に収容したものでも良
く、粉末状の溶加材を含むものであれば良い。水分を吸
着し易くブローホールを生じ易い粉末状溶加材あるいは
細管に粉末を収容した溶加材を用いる場合に、この発明
の適用効果が大きいからである。
ミニウム材をはじめ各種金属等を用いうる。また、溶接
はMIG溶接により行う。また溶加材の種類、組成等も限
定されることはなく、粉末状の溶加材であっても良く、
中空細管の中に粉末を充填状態に収容したものでも良
く、粉末状の溶加材を含むものであれば良い。水分を吸
着し易くブローホールを生じ易い粉末状溶加材あるいは
細管に粉末を収容した溶加材を用いる場合に、この発明
の適用効果が大きいからである。
実施例 次にこの発明の実施例を示す。
AC8A−Fからなる幅50mm×長さ100mm×肉厚10mmの母
材の表面にV溝を設けMIG溶接による肉盛溶接を行っ
た。溶加材としては、A1100アルミニウム材からなる細
管に40wt%Ni−30wt%Cu−30wt%Si合金の粉末が充填状
態に収容されたものを用いた。
材の表面にV溝を設けMIG溶接による肉盛溶接を行っ
た。溶加材としては、A1100アルミニウム材からなる細
管に40wt%Ni−30wt%Cu−30wt%Si合金の粉末が充填状
態に収容されたものを用いた。
そして、溶接の進行と同時に溶融状態の溶接部に振動
・撹拌を付与した。振動・撹拌方法はパルス重畳法を用
い、パルス電流、周波数を第1表の試料No1〜6のよう
に各種に変えて溶接を行った。また、溶接条件はいずれ
も溶接電流:260A、アーク電圧:27V、溶接速度:40cm/mi
n、シールドガス流量25リットルAr/minとした。
・撹拌を付与した。振動・撹拌方法はパルス重畳法を用
い、パルス電流、周波数を第1表の試料No1〜6のよう
に各種に変えて溶接を行った。また、溶接条件はいずれ
も溶接電流:260A、アーク電圧:27V、溶接速度:40cm/mi
n、シールドガス流量25リットルAr/minとした。
一方、溶接部に振動・撹拌を付与せしめることなく上
記と同一の条件で従来と同じ溶接を行った(試料No
7)。
記と同一の条件で従来と同じ溶接を行った(試料No
7)。
上記により溶接を行ったのち、溶接部のマクロ組織を
調べ、ブローホールの残存個数を調査した。第1表に直
径0.2mm以上のブローホールの残存個数を直径0.2〜0.5m
m、0.5〜1mm、1mm以上の大きさごとに示す。
調べ、ブローホールの残存個数を調査した。第1表に直
径0.2mm以上のブローホールの残存個数を直径0.2〜0.5m
m、0.5〜1mm、1mm以上の大きさごとに示す。
第1表の結果からわかるように、溶接部に振動・撹拌
を付与して溶接を行った本発明実施品は、従来の溶接品
に較べてブローホールが少ないことを確認しえた。
を付与して溶接を行った本発明実施品は、従来の溶接品
に較べてブローホールが少ないことを確認しえた。
発明の効果 この発明は上述の次第で、粉末を含む溶加材を用いた
MIG溶接による肉盛溶接方法であって、溶接に際し溶融
状態の溶接部に振動・撹拌を付与するから、粉末を含む
溶加材を用いて肉盛溶接を行ったときに、溶接部にブロ
ーホールが発生しても該ブローホールを浮上させて溶接
部から放出することができる。従って、結果的に溶接部
内のブローホールを減少することができ、溶接欠陥のな
い高強度高品質のMIG溶接品の提供が可能となる。
MIG溶接による肉盛溶接方法であって、溶接に際し溶融
状態の溶接部に振動・撹拌を付与するから、粉末を含む
溶加材を用いて肉盛溶接を行ったときに、溶接部にブロ
ーホールが発生しても該ブローホールを浮上させて溶接
部から放出することができる。従って、結果的に溶接部
内のブローホールを減少することができ、溶接欠陥のな
い高強度高品質のMIG溶接品の提供が可能となる。
しかも、溶接電流にパルス電流を重畳して流すことに
より振動・撹拌を付与するから、溶接部に交番磁界を作
用させることにより振動・撹拌を付与する磁気撹拌法の
ように、磁界発生装置をトーチの周囲に別電源にて配置
したり母材の裏側に配置する必要もなく、溶接部やトー
チ周囲のスペースをそのまま維持することができる。
より振動・撹拌を付与するから、溶接部に交番磁界を作
用させることにより振動・撹拌を付与する磁気撹拌法の
ように、磁界発生装置をトーチの周囲に別電源にて配置
したり母材の裏側に配置する必要もなく、溶接部やトー
チ周囲のスペースをそのまま維持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−95781(JP,A) 特開 昭51−117139(JP,A) 特開 昭60−158983(JP,A) 特開 昭61−219486(JP,A) 特開 平1−202369(JP,A) 特開 昭63−90366(JP,A) 特開 昭60−121076(JP,A) 特開 昭63−43769(JP,A) 特表 平4−506477(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/04 B23K 9/022 B23K 37/06
Claims (1)
- 【請求項1】粉末を含む溶加材を用いたMIG溶接による
肉盛溶接方法であって、溶接電流にパルス電流を重畳し
て流すことにより、溶融状態の溶接部に振動・撹拌を付
与して溶接を行うに際し、前記パルス電流が溶接電流×
0.1〜3.0に設定されていると共に、パルス電流の周波数
が3Hz以上20Hz未満に設定されていることを特徴とするM
IG溶接による肉盛溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2172853A JP3020558B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | Mig溶接による肉盛溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2172853A JP3020558B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | Mig溶接による肉盛溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0459172A JPH0459172A (ja) | 1992-02-26 |
JP3020558B2 true JP3020558B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=15949514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2172853A Expired - Fee Related JP3020558B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | Mig溶接による肉盛溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3020558B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3146741B2 (ja) * | 1993-04-06 | 2001-03-19 | トヨタ自動車株式会社 | 鋼材のアーク溶接方法 |
JP3151425B2 (ja) | 1997-10-30 | 2001-04-03 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレ−ション | 回路基板 |
-
1990
- 1990-06-29 JP JP2172853A patent/JP3020558B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0459172A (ja) | 1992-02-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2037660C (en) | Methods of modifying surface qualities of metallic articles and apparatuses therefor | |
JP2769770B2 (ja) | 煙霧の減少したコア付き電極 | |
KR910009158B1 (ko) | 소모성 용접 전극 | |
Mandal | Aluminium welding | |
US3223818A (en) | Method of welding | |
JP2006341313A (ja) | アルゴン/ヘリウム/水素混合物を用いたtigブレーズ溶接方法 | |
JP3529359B2 (ja) | 耐ピット及び耐ブローホール性能が優れた亜鉛メッキ鋼板溶接用フラックス入りワイヤ | |
CN104772580B (zh) | 多电极单面埋弧焊用粘结焊剂 | |
US5256856A (en) | Welding method for aluminum alloys | |
JP3020558B2 (ja) | Mig溶接による肉盛溶接方法 | |
US2948803A (en) | Electric arc high-alloy metal deposition | |
US4804818A (en) | Coated electrode for arc welding | |
Lyttle | Shielding gases for welding | |
US3771214A (en) | Aluminum welding | |
JP2614967B2 (ja) | ガスシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ | |
JP3148055B2 (ja) | 片面サブマージアーク溶接方法 | |
JP2694034B2 (ja) | 高電流密度ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ | |
Bushey | Welding of cast irons | |
JPS6397396A (ja) | 鉄粉系フラツクス入りワイヤ | |
US1528878A (en) | Electric-arc-welding electrode | |
JP2020116597A (ja) | 3電極片面ガスシールドアーク溶接方法 | |
JP3512313B2 (ja) | ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ | |
JP2729529B2 (ja) | エレクトロガスアーク溶接用複合ワイヤ | |
CA1104040A (en) | Flux cored wire for welding ni-cr-fe alloys | |
JP2909409B2 (ja) | 12Cr系鋼製タービンロータの軸受部の肉盛溶接方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100114 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |