JP3020336U - メガネフレームのツル継手構造及びツル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メガネフレームのツルを開いた状態から、更
に僅かに押し開くことのできるバネ蝶番に相当する作用
を成すツル継手であって、その構造がいたって簡単な継
手構造の提供。 【構成】 フロントフレーム外側にロウ付けしたヨロイ
２に蝶番４を介して折り畳み可能に連結するツル継手に
おいて、ヨロイ２とツル３の間には弾性体７を介在し、
この弾性体７はヨロイ２又はツル３側に取り付けられ、
ツル３が開いた状態から更に外方向へ押し開く場合に
は、弾性体７が圧縮される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はメガネフレームのツルの継手構造並びにツルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般のメガネフレームツルは図７に示すごとく、蝶番を介して折り畳み可能に 連結されている。ヨロイはレンズを止着している枠にロウ付けされていて、該蝶 番のそれぞれの蝶片はヨロイとツルの端部内側面にロウ付けされ、固定されたヨ ロイに対しツルが屈曲する訳であるが、該ツルは安定した折り畳み動作を持続す ることは出来ない。すなわち、小さい蝶番はその軸ネジが緩んだり、摺動面が摩 耗したりしてガタ付き、その結果ツルの安定性も無くなり、着用したメガネが位 置ズレしたり又は外れたりする。

【０００３】 それに蝶番はそのサイズが小さいこともあって製作は面倒であり、しかも最も 開いた状態が同図の実線で示すようにヨロイと一直線であって、それ以上は開か ない継手構造と成っている。勿論、単にメガネを顔に掛けるだけであればツルの 開き度はこれで十分であって、又、ツルには多少のバネ性があるため、僅かに湾 曲して顔にフィットすることが出来る。

【０００４】 ただし、ツルのバネ特性だけで顔にフィットして、掛けているメガネがガタ付 かないのは購入して僅かの期間にすぎず、上記ツル自体のバネ特性は極端に曲げ て塑性変形しない限りその材質によって常時一定で、力を除去すれば元の形状に 戻ることが出来るが、上記のように該ツルを連結している蝶番にガタ付きを生じ てしまう。又、従来の蝶番のみによるツルの継手構造では、フロントフレームに 何らかの衝撃が加わった際に、該衝撃力を吸収する手段がなく、メガネが顔から 落ちてしまったり、レンズを破損したり、時にはフレーム自体を曲げてしまうと いった事態も発生する。

【０００５】 ところで、このようなメガネフレームの問題点を解消する一手段として、ツル がヨロイとの直線状態から、さらに僅かに外方向に開くことの出来る継手構造が 望まれ、一部で使用されている。この継手構造の従来例を示しているのが図８で あり、バネ蝶番と称される。すなわち該バネ蝶番の基本的考え方は、ヨロイ(イ) には固定蝶片(ロ) をロウ付け固定し、他方の蝶片を摺動蝶片(ハ) として一定距離 の摺動を許すことによって、点線で示すごとく外方向への開きをツル（ニ)に与え ることが出来る。

【０００６】 ツル（ニ)にはガイド(ホ) を内側面に固定していて、該摺動蝶片(ハ) はガイド(ホ ) を案内として摺動する訳であるが、上記摺動蝶片(ハ) の内部にはコイルバネ（ 図示なし）が収まっていて、ツル（ニ)を外へ開く際には圧縮されるように長さが 調整されており、該コイルバネの復元力がツルに作用する。ところで、上記摺動 蝶片(ハ) にコイルバネを内蔵した蝶番構造は複雑であり、したがって製作工数も 増大し、コスト的には高価なバネ付き蝶番となってしまう。しかも構造が複雑化 しているために故障し易く、一旦故障すれば修理しにくい等の問題もある。

【０００７】

【本考案が解決しようとする課題】

このように従来のメガネフレームのツル継手構造には上記のごとき問題がある 。本考案が解決しようとする課題はこれら問題点であり、構造並びに組立が簡単 で、バネ付き蝶番に相当する機能を備えた継手構造並びにツルの提供である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るメガネフレームのツル継手構造は従来のバネ蝶番のごときコイル バネを用いず、又摺動蝶片を備えない簡単な構造と成っていて、しかしバネ蝶番 として機能するように構成している。そこでフロントフレームに設けたヨロイに はツルが蝶番を介して連結し、該ツルは折り畳まれる訳であるが、ツルとヨロイ の間にはゴムや軟質樹脂等から成る弾性体が介在している。

【０００９】 上記弾性体はヨロイ側に取付けられる場合とツル側に取付けられる場合がある が、ツルを開いてメガネを着用する場合には該弾性体とヨロイ又はツルとの間に 隙間なく当接することになる。そして、ツルをさらに外方向へ押し開く場合には 、上記弾性体が圧縮され一種のバネ蝶番と同じ機能を呈する。勿論、ツルを手放 すならば該弾性体の復元力によって元の位置に戻される。

【００１０】 一方、本考案のツルは中間部位にて折れ曲がるように継手を有していて、該継 手は上記ツル継手構造を同じように両ツル片の間にゴム等の弾性体が介在してい る。従って、この継手部においてもツルは外方向へ押し広げられる。ここで、上 記弾性体を蝶番の両蝶片に取り付けすることも出来、蝶番自体の屈曲に弾性力を 付勢することも出来る。以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明 する。

【００１１】

【実施例】

図１は本考案のツル継手構造及びツルを表した実施例であり、同図において１ はリム、２はヨロイ、３はツルを表している。リム１はレンズを嵌めるリング体 であり、このリム１の外側に上記ヨロイ２がロウ付けされ、そして上記ツル３は ヨロイ２に蝶番４を介して連結されている。勿論、ツル３は蝶番にて折り畳まれ る。

【００１２】 同図から明らかなように、ツル３は中間部位に蝶番５を有していて２つに折り 畳まれる。すなわち、ツル３はツル片６ａとツル片６ｂから成っており、両ツル 片６ａ、６ｂ間に蝶番５が介在している。そして、上記ヨロイ２とツル３の間に は弾性体７が介在し、同じくツル片６ａとツル片６ｂの間にも弾性体８が介在し ている。

【００１３】 図２はツル継手構造を表している詳細図であり、蝶番４の片側蝶片９ａはヨロ イ２にロウ付けされ、反対側の蝶片９ｂはツル３にロウ付けされている。そして 上記弾性体７はゴムや軟質樹脂等から成って、両サイドから作用する外力にて圧 縮変形することが出来る。図３は該弾性体７がツル３に取り付けされた場合の断 面図であり、ツル３の端部は弾性体７に埋着されている。従って、弾性体７の端 面１０はヨロイ２の端面に当接し、さらに該ヨロイ２との間に挟まれて圧縮され る。

【００１４】 図４はツル３を外方向へ押し広げた場合であり、この場合、ツル３は折り畳ま れる時と同じように蝶番４の軸を中心として屈曲することになり、弾性体７の端 面１０はヨロイ２に挟まれると共に圧縮変形し、その結果ツル３には弾性体７の 復元力が作用してツル３を元の位置に押し戻しする力が働く。すなわち、バネ蝶 番と同じ作用を呈し得る。ここで、上記弾性体７はツル３側ではなくてヨロイ２ 側に取り付けしてもよい。

【００１５】 図５（ａ）はツルの継手部を表していて、両ツル片６ａ、６ｂ間には同じくゴ ムや軟質樹脂等から成る弾性体８が介在している。この弾性体８も圧縮変形する ことが出来、その為にツル先端に取付けられたモダン１１に外力が働く場合、ツ ル片６ｂはツル片６ａに対して屈曲する。ここで、上記弾性体８はツル片６ａ又 はツル片６ｂの何れかに取り付けしてもよいが、両ツル片６ａ、６ｂの端部を該 弾性体８に埋着して連結することも出来る。

【００１６】 弾性体８に両ツル片６ａ、６ｂを埋着して連結するならば、ツル片６ｂを折り 畳むことは出来ないが、何ら問題はない。図５（ｂ）は両ツル片６ａ、６ｂ間の 弾性体８を２分割してそれぞれのツル片６ａ、６ｂ側に取り付けした場合である 。すなわち、弾性体８を弾性片１２ａ、１２ｂとして、弾性片１２ａをツル片６ ａに取り付けし、弾性片１２ｂはツル片６ｂに取付けられる。この場合、モダン １１を押し開く力が作用するならば、両弾性片１２ａ、１２ｂが互いに当接する と共に圧縮変形する。

【００１７】 このように、弾性体８を分割したり、該弾性体８を何れかのツル片６ａ又は６ ｂに取付けする場合には、ツル片６ｂはツル片６ａに対して屈曲して折り畳まれ る。図６は本考案の他の実施例であって、上記弾性体１３ａ、１３ｂを蝶番に取 り付けしている場合である。すなわち、蝶番４、５は軸ネジ１４を中心として両 蝶片１５ａ、１５ｂを屈曲自在に連結しているが、上記弾性体１３ａは蝶片１５ ａに、一方の弾性体１３ｂは蝶片１５ｂにそれぞれ取付けられている。

【００１８】 そして、蝶片１５ａはヨロイ２の先端に、一方の蝶片１５ｂはツル３の端部に それぞれロウ付けされている。上記各蝶片１５ａ、１５ｂにそれぞれ取り付けし た弾性体１３ａ、１３ｂはツル３が開いた状態で互いに当接している。従って、 該ツル３を外方向へ押し開くならば両弾性体１３ａ、１３ｂは互いに当接して圧 縮され、バネ蝶番として機能する。以上述べたように、本考案に係るツル継手構 造及びツルはヨロイとツル間に弾性体を介在し、又ツルの中間部位に継手部を設 けて弾性体を介在したものであり、次のような効果を得ることが出来る。

【００１９】

【考案の効果】

本考案のツル継手構造はヨロイとツルを蝶番にて連結すると共に、間には弾性 体を介在している為に、ツルを外方向へ押し広げた場合、弾性体は圧縮変形して 一種のバネ蝶番と同じ機能を呈し得る。この弾性体はヨロイ又はツルの何れかに 取り付けすればよく、従来のバネ蝶番に比較して構造は簡単であり、製造コスト は安く、しかも故障はない。

【００２０】 そして本考案のツルはその中間部位に継手部を設けていて、該継手部には同じ く弾性体を介在している。従って、ツル先端のモダンに外力が作用するならば、 この継手部に設けた弾性体が圧縮変形して先端側のツル片が押し広げられ、上記 ヨロイとの間に設けた継手部の弾性変形が加わって、ツルは一層外方向へ押し広 げられる。すなわち、両継手部によってツルは大きく撓み変形し、しなやかなツ ルとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のツル継手構造及びツル表した実施例。

【図２】本考案のツル継手構造。

【図３】ツル端に弾性体を取り付けした場合。

【図４】ツルを外方向へ押し広げた場合の弾性体の変形
状態。

【図５】ツルの中間部位に設けた継手部。

【図６】弾性体を蝶番の各蝶片に取り付けした場合。

【図７】従来のツル継手構造。

【図８】従来のバネ付蝶番。

【符号の説明】

１ リム ２ ヨロイ ３ ツル ４ 蝶番 ５ 蝶番 ６ ツル片 ７ 弾性体 ８ 弾性体 ９ 蝶片 10 端面 11 モダン 12 弾性片 13 弾性体 14 軸ネジ 15 蝶片

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メガネのフロントフレーム外側にロウ付
   けしたヨロイに蝶番を介して折り畳み可能に連結するツ
   ル継手構造において、該ヨロイとツルの間にゴムや軟質
   樹脂等から成る弾性体を介在し、該弾性体はヨロイ又は
   ツル側に取付けられ、ツルが開いた状態から更に外方向
   へ押し開く場合には上記弾性体が圧縮される寸法として
   いることを特徴とするメガネフレームのツル継手構造。
2. 【請求項２】 メガネのフロントフレーム外側にロウ付
   けしたヨロイに蝶番を介して折り畳み可能に連結するツ
   ル継手構造において、上記蝶番にロウ付けしたヨロイ端
   とツル端間には空間を設け、この空間にはゴムや軟質樹
   脂等から成る弾性体を蝶番の両蝶片にそれぞれ取り付け
   し、ツルが開いた状態から更に外方向へ押し開く場合に
   は上記弾性体が圧縮される寸法としていることを特徴と
   するメガネフレームのツル継手構造。
3. 【請求項３】 メガネのフロントフレーム外側にロウ付
   けしたヨロイに蝶番を介して折り畳み可能に連結するツ
   ルにおいて、該ツルは中間部位にて蝶番を設けて両ツル
   片が屈曲出来るように構成し、そして継手部にはゴムや
   軟質樹脂等から成る弾性体を介在し、先端側のツル片を
   外方向へ押し広げる場合には該弾性体が圧縮され得る寸
   法にしたことを特徴とするメガネフレームのツル。
4. 【請求項４】 メガネのフロントフレーム外側にロウ付
   けしたヨロイに蝶番を介して折り畳み可能に連結するツ
   ルにおいて、該ツルは中間部位にて蝶番を設けて両ツル
   片が屈曲出来るように構成し、そして蝶番を介して連結
   した両ツル片間には空間を設け、この空間にはゴムや軟
   質樹脂等から成る弾性体を蝶番の両蝶片に取り付けし、
   先端側のツル片を外方向へ押し広げる場合には該弾性体
   が圧縮され得る寸法にしたことを特徴とするメガネフレ
   ームのツル。
5. 【請求項５】 メガネのフロントフレーム外側にロウ付
   けしたヨロイに蝶番を介して折り畳み可能に連結するツ
   ル継手構造において、該ヨロイとツルの間にゴムや軟質
   樹脂等から成る弾性体を介在し、該弾性体はヨロイ又は
   ツル側に取付けられ、ツルが開いた状態から更に外方向
   へ押し開く場合には上記弾性体が圧縮される寸法とし、
   更にツルは中間部位にて蝶番を設けて両ツル片が屈曲出
   来るように構成し、そして継手部にはゴムや軟質樹脂等
   から成る弾性体を介在し、先端側のツル片を外方向へ押
   し広げる場合には該弾性体が圧縮され得る寸法にしたて
   いることを特徴とするメガネフレームのツル継手構造。
6. 【請求項６】 メガネのフロントフレーム外側にロウ付
   けしたヨロイに蝶番を介して折り畳み可能に連結するツ
   ル継手構造において、上記蝶番にロウ付けしたヨロイ端
   とツル端間には空間を設け、この空間にはゴムや軟質樹
   脂等から成る弾性体を蝶番の両蝶片にそれぞれ取り付け
   し、ツルが開いた状態から更に外方向へ押し開く場合に
   は上記弾性体が圧縮される寸法とし、更にツルは中間部
   位にて蝶番を設けて両ツル片が屈曲出来るように構成
   し、そして蝶番を介して連結した両ツル片間には空間を
   設け、この空間にはゴムや軟質樹脂等から成る弾性体を
   蝶番の両蝶片に取り付けし、先端側のツル片を外方向へ
   押し広げる場合には該弾性体が圧縮され得る寸法にした
   ことを特徴とするメガネフレームのツル継手構造。