JP3015018U - スキー靴用のインナーブーツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スキー靴用の、舌片及び２つの層１３，１４
を備えかつ該層間に発泡可能な材料を充填可能なインナ
ーブーツを改善して、インナーブーツが簡単に製造可能
であり、かつインナーブーツ内に発泡可能な材料が発泡
可能な材料によってスキー靴、顧客の足若しくは店頭を
汚すことなしに充填できるようにする。 【構成】 外側の層１３が充填開口１７を有しており、
充填開口が該充填開口を横切るスリットを備えていて内
側に湾曲されたシート１９によって被われている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スキー靴用の舌片を備えたインナーブーツであって、インナーブー ツの外側及び又は舌片の外側に２つの層が設けられており、層間に発泡可能な材 料が充填可能である形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

スキー靴のインナーブーツの形を着用者の足に適合させるために、インナーブ ーツに中空室を設けて、中空室に発泡可能な材料を充填することは公知である。 中空室内への発泡可能な材料の充填は販売者によってスキー靴購入に際して店頭 で行われる。このために、顧客はスキー靴を履く。次いで、発泡可能な材料が装 填され、顧客はスキー靴を発泡可能な材料が硬化するまで維持している。これは 一般にほぼ１０分かかる。発泡可能な材料としてはポリウレタンが多く用いられ る。しかしながら、発泡可能な材料の装填は今日公知のスキー靴においては比較 的に厄介な過程であり、少なくとも発泡可能な材料の一部分があふれ出て、スキ ー靴、顧客の足若しくは店頭を汚してしまうことになる。このような理由から、 前記形式のスキー靴は販売者にとってあまり好評でない。 ヨーロッパ特許−Ｂ１−２３７５２６号明細書により公知のスキー靴において は、インナーブーツが外側に２つの層を有しており、該層間に発泡可能な材料が 充填される。このために、外側の層が孔を有しており、該孔内に充填管が差し込 まれる。さらに排気のための孔が設けられており、該孔に排気管が差し込まれる 。従ってこのようなスキー靴内への発泡可能な材料の充填は、煩雑であり、それ というのは設けられたすべての孔内に適当な管が差し込まれねばならないからで ある。そのうえ、管と孔との間の接続が密接に行われず、従ってこの箇所から発 泡可能な材料があふれ出る。さらに通常は充填の終わりでも排気管を通って発泡 可能な材料が流出する。

【０００３】 類似のスキー靴がスイス国特許出願公告第６７８７９４号明細書により公知で ある。このスキー靴においては、インナーブーツの外側にも舌片の外側にも２つ の層が設けられており、該層間に発泡可能な材料が充填される。この場合にも発 泡可能な材料の充填のための及び押しのけられた空気の流出のための管が設けら れており、管は外側の層に堅く結合されている。これによって、管とインナーブ ーツとの接続部から発泡可能な材料があふれ出ることはなくなるものの、製造コ ストが高くなる。さらに、管はインナーブーツ若しくは舌片の充填の後に切除さ れねばならず、このことは販売者にとって付加的な作業費用を意味する。

【０００４】 さらにフランス国特許出願公告第１４１２２８０号明細書により、スキー靴（ この場合、固有のインナーブーツは設けられていない）の中空室内に充填開口を 介して材料を充填することは公知であり、充填開口はある程度弁機能を有してい る。この場合には発泡可能な材料が用いられるのではなく、小さな球片が油脂と 一緒に用いられる。充填開口は扁平な部分に管状の部材を取り付けるように構成 されており、管状の部材が扁平に圧縮され、内部に対向圧力が生ぜしめられ、充 填注入器が抜かれる。扁平な部分への管状の付加的な部材の取り付けは比較的高 い製造費用を意味する。

【０００５】

【考案の課題】

本考案の課題は、冒頭に述べた形式のインナーブーツを改善して、インナーブ ーツが簡単に製造可能であり、かつインナーブーツ内に発泡可能な材料が発泡可 能な材料によってスキー靴、顧客の足若しくは店頭を汚すことのないように充填 可能にすることである。

【０００６】

【考案の構成】

前記課題を解決するために本考案の構成では、外側の層が充填開口を有してお り、充填開口が該充填開口を横切るスリットを備えていて内側に湾曲されたシー トによって被われている。

【０００７】

【考案の利点】 本考案に基づく前記構成により逆止弁の機能が得られ、即ち、発泡可能な材料 をインナーブーツ内に充填するための注入器が充填開口に装着されると、シート のスリットが押し開かれて、発泡可能な材料が注入され、注入器が取り除かれる と、発泡可能な材料の圧力によってシートが再び出発位置に押し戻され、要する にスリットの幅が発泡可能な材料をほとんど流出させない程度に最小に狭められ る。

【０００８】 有利には、充填開口上にカバープレートが設けられており、カバープレートに 窓を切り出し成形してあり、該窓がフラップによって閉鎖可能であり、フラップ が、充填開口内に係合して該充填開口を閉鎖する栓体を保持している。これによ って、発泡可能な材料の流出に対する安全性が著しく高められる。発泡可能な材 料を注入して、注入器を取り除いた後に、フラップが閉じられ、従って発泡可能 な材料のための第２のバリアが形成される。これによって、第１のバリア、即ち スリットを備えたシートはフラップが閉じられるまでの間だけ発泡可能な材料の 内部圧力に耐えるだけでよい。場合によってそれまでにあふれ出たわずかな量の 発泡可能な材料はフラップによって被われる。従って、スキー靴も、顧客の足も 、店頭も発泡可能な材料で汚されることはない。

【０００９】 特に有利には、舌片に設けられたカバープレートが硬い材料から成っていて、 かつインナーブーツの壁の端部の厚さにほぼ相応する厚さを有している。これに よってカバープレートが付加的な機能を生ぜしめ、即ち舌片とアウターブーツと の直接的な接触が行われる。一般的に舌片はインナーブーツに接触して、インナ ーブーツがアウターブーツに接触している。スキーヤーのすねが前方を押すとス キー靴は比較的大きくたわみ、それというのは舌片がスキー靴の壁の端部、舌片 及びアウターブーツによって制限された空間内に押しつぶされ、従ってスキー板 に十分に伝達されない。本考案に基づく構成においては、前記空間がカバープレ ートによって満たされており、スキーヤーのすねによって舌片に生ぜしめられた 圧力がカバープレートを介してアウターブーツに伝達される。

【００１０】

【実施例】

図１に示す舌片１はカバープレート２を有しており、該カバープレート２内に はほぼＵ字形の切り込みが設けられており、従ってフラップ３が切り出し成形さ れている。フラップ３は開閉旋回させられる。図２から明らかなように、舌片１ は少なくとも２つの層、即ち外側の層１３及び内側の層１４を備えている。もち ろん別の層も設けられてよく、特に層１４の内側にクッションのための付加的な 層が設けられてよい。フラップ３の下側で外側の層１３内に充填開口が設けられ ている。この充填開口１７は内側へ湾曲されたシート１９によって被われている 。この場合、シート１９はスリット２３（図７、参照）を有しており、スリット は充填開口１７を横切っている。シート１９は舌片１と同時に形成されるが、ま ず舌片１に充填開口１７のみを備えて、次いで該充填開口に、別個に製造されて シート１９を備えた栓体を装着することも可能である。スリット２３を有しかつ 内側に湾曲したシート１９によって、逆止弁の機能が生ぜしめられる。適当な先 端を備えた注入器（図６、参照）の差込によって、スリット２３が開き、発泡可 能な材料が注入される。注入器の抜き取りによってスリット２３がその材料の弾 性に基づき再び閉じ、発泡可能な材料によって形成された内部圧によってシート １９の縁部が互いに圧着され、従って密接な閉鎖が生じる。発泡可能な材料が流 出しないように安全性を高めるために、フラップ３の内面に栓体１２を設けてあ り、該栓体はフラップ３の閉鎖に際して自動的に充填開口１７内に押し込まれて 、該充填開口を付加的に閉鎖する。場合によって流れ出る材料はフラップ３の内 側に留まり、スキー靴を汚すこともなければ、顧客の足を汚すこともない。フラ ップ３を意図しない開放に対して確保するために、フラップが自由端部にウエブ 状の突出部２１を有しており、該突出部はカバープレート２の対応する凹所２２ 内に係合する。

【００１１】 図３は、アウターブーツ内のインナーブーツの断面を示している。アウターブ ーツは互いに重なり合う２つの壁５を有しており、該壁は留め金６によって引き 寄せられる。アウターブーツの壁５の内側にインナーブーツの壁４があり、該壁 の内側に舌片１がある。図３から明らかなように、カバープレート２はインナー ブーツの壁４の厚さに相応する厚さを有している。これによって、一般に舌片１ とインナーブーツの壁４とアウターブーツの壁５との間に生じる空間が満たされ る。従って、スキーヤーのすねによって舌片に生ぜしめられる圧力が、カバープ レート２を介してアウターブーツの壁５に、かつそれからスキー板に伝達される 。

【００１２】 図４及び図５に２つの層１５，１６のための類似の充填開口を示してあり、該 層はふくらはぎ範囲でインナーブーツの外側に配置されている。この場合にもカ バープレート８が設けられており、該カバープレート内にフラップ９が切り出し 成形されている。フラップ９の下側で外側の層５内に充填開口１８を配置してあ り、該充填開口はスリットの形成されたシート２０によって被われている。フラ ップ９の内面に栓体１１を設けてあり、該栓体が充填開口１８を付加的に密閉す る。

【００１３】 本考案に基づくインナーブーツは以下に述べるように顧客の足に適合され：顧 客がスキー靴（インナーブーツ及びアウターブーツ）を履く。次いでフラップ３ ，９が開放旋回させられ、発泡可能な材料で満たされた注入器（図６）が充填開 口１７，１８内に差し込まれる。注入器内に存在する材料がインナーブーツ若し くは舌片内に注入される。次いで注入器が取り除かれ、この場合シート１９若し くは２０間に存在するスリット２３がシートの材料の弾性に基づき再び閉じる。 これによって、発泡可能な材料があふれ出るようなことはほとんどなくなる。次 いで発泡可能な材料が内部圧を生ぜしめると、シート１９若しくは２０の縁部が 互いに圧着され、従ってシール作用がさらに付加的に高められる。さらにフラッ プ３，９が注入器の取り除きの後にできるだけ迅速に閉じられ、従って栓体１１ ，１２によって充填開口１７，１８が付加的に密閉される。これによって実質的 に、発泡可能な材料の流出が排除される。材料が通常はほぼ１０分で硬化し、即 ち顧客の足へのスキー靴の適合が終えられる。ほかの操作（例えば、管の切除） がもはや不必要であり、従って販売者は充填の後に直ちに次の顧客に従事できる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に基づく舌片の斜視図

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿った断面図

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った断面図

【図４】本考案に基づくインナーブーツの斜視図

【図５】図４のＶ−Ｖ線に沿った断面図

【図６】発泡可能な材料の注入のための注入器の側面図

【図７】充填開口の平面図

【符号の説明】

１ 舌片、 ２ カバープレート、 ３ フラップ、
５ 壁、 ６ 留め金、 ８ カバープレート、 ９
フラップ、 １１，１２ 栓体、 １３，１４，１５，
１６ 層、 １７，１８ 充填開口、 １９、２０ シ
ート、 ２３スリット

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スキー靴用の舌片を備えたインナーブー
   ツであって、インナーブーツの外側及び又は舌片の外側
   に２つの層が設けられており、層間に発泡可能な材料が
   充填可能である形式のものにおいて、外側の層（１３，
   １５）が充填開口（１７，１８）を有しており、充填開
   口が該充填開口を横切るスリット（２３）を備えていて
   内側に湾曲されたシート（１９，２０）によって被われ
   ている特徴とする、スキー靴用のインナーブーツ。
2. 【請求項２】 充填開口（１７，１８）上にカバープレ
   ート（２，８）が設けられており、カバープレートに窓
   を切り出し成形してあり、該窓がフラップ（３，９）に
   よって閉鎖可能であり、フラップが、充填開口（１７，
   １８）内に係合して該充填開口を閉鎖する栓体（１２，
   １１）を保持している請求項１記載のインナーブーツ。
3. 【請求項３】 舌片（１）に設けられたカバープレート
   （２）が硬い材料から成っていて、かつインナーブーツ
   の壁（４）の端部の厚さにほぼ相応する厚さを有してい
   る請求項２記載のインナーブーツ。