JP3014020U - ベリリウム銅合金を用いた眼鏡部品及びそれを組み込んでなる眼鏡 - Google Patents

ベリリウム銅合金を用いた眼鏡部品及びそれを組み込んでなる眼鏡

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JP3014020U
JP3014020U JP1995000833U JP83395U JP3014020U JP 3014020 U JP3014020 U JP 3014020U JP 1995000833 U JP1995000833 U JP 1995000833U JP 83395 U JP83395 U JP 83395U JP 3014020 U JP3014020 U JP 3014020U
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鉄雄 岩城
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株式会社岩城工業所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 眼鏡に要求される加工性及び弾性等の機械的
性質に優れたベリリウム銅合金を組み込んでなる眼鏡を
提供する。 【構成】 レンズ3,3相互をブリッジ4で連結し、又
レンズの外縁部に、テンプル1に接続されたヨロイ2の
先端部を連結してなる眼鏡に於いて、ヨロイやブリッ
ジ、テンプル等の眼鏡部品を、銅を主成分とし、これに
少なくともベリリウム及び亜鉛を含有させ、溶体化処理
を行って過飽和固溶体とした後に自然時効又は人工時効
により時効させてなるベリリウム銅合金を用いる。この
ベリリウムの含有量を通常のベリリウム銅合金の範囲と
し、且つ前記亜鉛の含有量を、重量比で3.0%乃至
4.5%とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ベリリウム銅合金を用いた眼鏡部品及びそれを組み込んでなる眼鏡 に関し、特に、眼鏡に要求される加工性及び弾性等の機械的性質に優れたベリリ ウム銅合金を用いた眼鏡部品及びそれを組み込んでなる眼鏡に関するものである 。
【0002】
【従来の技術】
ベリリウム銅合金は、その高硬度、耐摩耗性、耐食性、導電性等の特性を有す るが故に、自動車のパーツ、通信機等に応用されている。 こうしたベリリウム銅合金の特性は眼鏡部品にも生かされており、例えば、ベ リリウム銅合金の線材を加工してヨロイやブリッジ、テンプル等を製作すること が行われている。
【0003】 ところで、ベリリウム銅合金を眼鏡部品に適用する場合は、主として、曲げ等 の加工性とロウ付性の二つの面から検討されねばならない。特に曲げ特性は、ヨ ロイやブリッジ、テンプル等の曲げ操作により、眼鏡の顔面へのフイット性を調 整する必要性から重要視されねばならない。 こうした眼鏡部品にベリリウム銅合金を用いる技術としては、例えば、特開昭 63ー114929号公報において、眼鏡部品に好適のベリリウム銅合金として 、主要成分を銅とし、ベリリウムを重量%で1.0〜1.5%、コバルトを0. 2〜2.0%とした、ロウ付性を改善した発明が提案されている。
【0004】 こうしたロウ付性とは別に、眼鏡部品を製作するに際して或いは眼鏡の顔面へ のフイット性を調整するに際して必要な曲げ加工等で問題となる機械的性質につ いても、多くの改善の余地が残されている。 この種のベリリウム銅合金は、通常、溶体化処理を行った後、完全な焼きなま しを避け、時効により高硬度を得ることができるが、その反面比較的脆く、折れ 易いという欠点がある。引張試験を行うと、その弾性特性は、粘りの少なく、伸 びの小さい状態を示す(後に言及する図2のグラフのA参照)。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
そこで本考案者は、眼鏡部品に要求される加工性や、眼鏡を顔面にフイットさ せるに際して必要なヨロイやブリッジ、テンプル等の曲げ調整で要求される充分 な伸びを具えたベリリウム銅合金の改良に取組み、幾多の実験を重ねてきた。
【0006】 その中で、溶体化処理の温度の選択、時効と焼きなましの温度、時間等に幾多 の実験を繰り返してきたが、従来組成のベリリウム銅合金、例えば、Znが0. 77%、Beが1.69%、Coが0.23%、Feが0.07%、Siが0. 09%、Alが0.05%、Niが0.05%、Crが0.01%以下で、残部 がCuであるところのベリリウム銅合金においては、こうした処理条件の変更に よっては、機械的性質の大きな変化は得られなかった。
【0007】 こうした処理条件の変更による改良には限界があったため、本考案者は、ベリ リウム銅合金の含有元素の含有比率についての見直しを図らざるを得なかった。
【0008】 本考案は、かかる従来技術の限界を打破し、伸び及び加工性に優れた新規なベ リリウム銅合金を得て、顔面等に対するフイット性を向上させることのできる使 い易い眼鏡及びそれを構成する眼鏡部品の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案に係るベリリウム銅合金を用いた眼鏡部品は、上記目的を達成するべく 、以下の手段を採用する。
【0010】 即ち本考案に係る眼鏡部品は、銅を主成分とし、これに少なくともベリリウム 及び亜鉛を含有させ、溶体化処理を行って過飽和固溶体とした後に自然時効又は 人工時効により時効させてなるベリリウム銅合金を用いた眼鏡部品であって、前 記ベリリウムの含有量を通常のベリリウム銅合金の範囲とし、且つ、前記亜鉛の 含有量を、重量比で3.0%乃至4.5%としたことを特徴とするものである。
【0011】 本考案に係る眼鏡部品の好ましい態様は、ベリリウムの含有量が、1.60〜 1.90%であり、亜鉛の含有量が3.0〜4.5%であり、その他の含有金属 として、主に、コバルトが0.20〜0.40%、鉄が0.02〜0.09%、 珪素が0.02〜0.09%、アルミニウムが0.02〜0.09%含有され、 残りが銅であるベリリウム銅合金を用いたものを挙げることができる。
【0012】 本考案において、通常のベリリウム銅合金の範囲とは、通常1.0〜2.0の 範囲を言うが、その他に、合金の分野においてベリリウム銅合金と認められてい るこれらの元素の含有量の範囲を含むものである。 又本考案に係る眼鏡は、前記眼鏡部品を組み込んでなることを特徴とするもの である。
【0013】
【作用】
本考案者は、ベリリウム銅合金の各元素の含有率の変更について実験を重ねて きた結果、各種の合金に含有され、切削性等の加工性を高めたりする亜鉛に注目 し、これの含有量の増減について研究を進めた結果、この亜鉛の含有量を、通常 のベリリウム銅合金の含有量の0.77%よりも異常に多く、3.0%乃至4. 5%とすることで、極めて優れた伸び(弾性)を具えることを見出したのである 。
【0014】 そして、かかる優れた機械的性質を具えたベリリウム銅合金によって眼鏡部品 を製造することで、眼鏡の柔軟性が発揮される。又ヨロイやテンプル、ブリッジ に適用した場合における、所定の曲げ調整を行う際の破損の防止は勿論のこと、 この曲げ調整によって眼鏡を顔面にピッタリとフイットさせ易いのである。
【0015】
【実施例】 本考案に係るベリリウム銅合金を用いた眼鏡部品及びそれを組み込んでなる眼 鏡の好適実施例について、図面を参照しながら以下詳述する。
【0016】 図1は、縁無し眼鏡の平面図であり、符号1は、左右一対のテンプルを示し、 符号2は、このテンプル1に繋がるヨロイを示す。そしてこのテンプル1とヨロ イ2とは、テンプル1が内側に回動自在に枢着され、外側には所定位置で回動牽 制される構造を採っている。又符号3はレンズを示し、符号4はレンズ相互を連 結するブリッジを示す。 そして、ここにおいて、テンプル1、ヨロイ2、ブリッジ3が、本考案のベリ リウム銅合金によって構成されている。
【0017】 次に、本考案のベリリウム銅合金の三つの実施例と従来例(比較例)に付いて 以下述べる。但し、その成分分析は、ICP発光分光分析で行った。
【0018】 従来のベリリウム銅合金の組成と含有率 亜鉛が0.77%、ベリリウムが1.69%、コバルトが0.23%、鉄が 0.07%、珪素が0.09%、アルミニウムが0.05、ニッケルが0.0 5%、クロムが0.01%、残部の97.04%が主成分である銅。
【0019】 この試験片について引張試験を行った。テストピースは、平行部の長さ20m m、径が2.8mm、引張速度が5mm/min及びチャート速度(送り)が5 0mm/minとした。又テストピースの溶体化は850°C、焼入温度が30 0°Cとした。テスト結果は、図2のグラフのAで示す荷重−伸び曲線の通りで あった。
【0020】 本考案のベリリウム銅合金の組成と含有率 亜鉛が3.85%、ベリリウムが1.75%、コバルトが0.35、鉄が0 .04%、珪素が0.05%、アルミニウムが0.04、残部の93.92% が主成分である銅。
【0021】 この試験片についても同様に引張試験を行った。テストピースは、上記従来例 と同じく、平行部の長さ20mm、径が2.8mm、引張速度が5mm/min 及びチャート速度(送り)が50mm/minとした。又テストピースの溶体化 は850°C、焼入温度が300°Cとした。テスト結果は、図2に符号Bで示 す荷重−伸び曲線の通りであった。このグラフに見られる通り、従来のベリリウ ム銅合金と比較した場合、同じ荷重によって、テストピースが破断に至るまでに 、約0.4mm以上伸びが優れていることが分かる。
【0022】 なお、その他に、亜鉛の含有量が約3.0%とした場合、及び約4.5%とし た場合のベリリウム銅合金を製造したが、何れの場合も、亜鉛の含有量が1/4 乃至1/5である従来のベリリウム銅合金に比べ、その伸びに顕著な差異が見ら れたのである。
【0023】
【考案の効果】
本考案のベリリウム銅合金を用いた眼鏡部品によれば、眼鏡を顔面にフイット させるために必要なテンプル、ブリッジ、ヨロイ等の曲げ調整を容易に行い得る とともに、曲げによる疲労破壊も大幅に改善でき、長期に亘って使い易い眼鏡を 提供できるという顕著な効果を奏するに至ったものである。 特に、こうした曲げ調整は、そのベリリウム銅合金の亜鉛の含有量が、3.8 5%近辺にあるときに行い易いのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のベリリウム銅合金を用いた眼鏡部品を
組み込んでなる眼鏡の平面図である。
【図2】本考案のベリリウム銅合金の引張試験結果を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 テンプル 2 ヨロイ 3 レンズ 4 ブリッジ

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅を主成分とし、これに少なくともベリ
    リウム及び亜鉛を含有させ、溶体化処理を行って過飽和
    固溶体とした後に自然時効又は人工時効により時効させ
    てなるベリリウム銅合金を用いた眼鏡部品であって、前
    記ベリリウムの含有量を通常のベリリウム銅合金の範囲
    とし、且つ、前記亜鉛の含有量を、重量比で3.0%乃
    至4.5%としたことを特徴とするベリリウム銅合金を
    用いた眼鏡部品。
  2. 【請求項2】 ベリリウムの含有量が、1.60〜1.
    90%であり、亜鉛の含有量が3.0〜4.5%であ
    り、その他の含有金属として、主に、コバルトが0.2
    0〜0.40%、鉄が0.02〜0.09%、珪素が
    0.02〜0.09%、アルミニウムが0.02〜0.
    09%含有され、残りが銅である請求項1記載のベリリ
    ウム銅合金を用いた眼鏡部品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の眼鏡部品を組み込んでな
    ることを特徴とする眼鏡。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の眼鏡部品を組み込んでな
    ることを特徴とする眼鏡。
JP1995000833U 1995-01-26 1995-01-26 ベリリウム銅合金を用いた眼鏡部品及びそれを組み込んでなる眼鏡 Expired - Lifetime JP3014020U (ja)

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