JP3010545U - 根がかりした擬似餌の回収用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 縒り戻しの形態に制約を受けることなく使用
でき、且つ縒り戻しとの固定操作を簡便化、迅速化でき
るようにする。 【構成】 牽引紐２を備えた本体１を道糸３に摺動自在
に形成する。この本体１の先端部１ａに縒り戻し７の環
７ａを内部に抱えて固定する固定機構６を形成する。こ
の固定機構６を、上記本体１が道糸３に沿って摺動し縒
り戻し７の環７ａに衝突した際の当圧力で本体１の内側
だけに向かって開く扉８と、この扉８を常時閉塞状に弾
発するバネ９とを備えて形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、根がかりした擬似餌の回収用具に関し、更に詳しくは縒り戻しに連結 された擬似餌（ルアー）を、確実且つ簡便、迅速に回収できるよう形成した根が かりした擬似餌の回収用具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の用具としては、例えば図１２に示される如く、本体ａの先端部ｂ に正面視で十字の切欠溝ｃが形成されたものがある。この従来品は、切欠溝ｃに 縒り戻し７の軸７ｂを通した状態で環７ａを固定し、その後本体ａを道糸３に沿 って手元に牽引し縒り戻し７に連結された擬似餌１６を回収するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

而して上記の従来品では、縒り戻しの環を本体内に円滑に導く為、先端部が本 体内に向かって先細り状のテーパー面ｄ（図１２参照）に形成され、このテーパ ー面ｄに縒り戻しを係合させる切欠溝が形成されていた。 従って従来品では、例えば縒り戻しの環からジョイントｅ（図１２Ｂ参照）迄 の間隔が短かったり、又縒り戻しの軸が切欠溝の幅より太いと、切欠溝に縒り戻 しを確実に係合できないという問題点があった。

【０００４】 又従来品の場合は、上記の構造から、擬似餌を回収する際、本体に結ばれた牽 引紐を引いたり緩めたりしながら、切欠溝に縒り戻しを係合させる操作を通常伴 うものであったから、従来品を使用すると縒り戻しとの固定作業を簡便且つ迅速 にできなかった。

【０００５】 本案は、このような従来品の問題点を解消しようとするものである。 従って本案の技術的課題は、縒り戻しの形態に制約を受けることなく使用でき 、且つ縒り戻しとの固定操作を簡便化、迅速化できるよう形成した根がかりした 擬似餌の回収用具を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本案は、上記の課題を解決するために次のような技術的手段を採る。 即ち本案は、牽引紐２を備えた本体１が道糸３に摺動自在に形成され、この本 体１の先端部１ａに縒り戻し７の環７ａを内部に抱えて固定する固定機構６が形 成され、この固定機構６が、上記本体１が道糸３に沿って摺動し縒り戻し７の環 ７ａに衝突した際の当圧力で本体１の内側だけに向かって開く扉８と、この扉８ を常時閉塞状に弾発するバネ９とを備えて形成されたものである。

【０００７】 この場合本案は、上記の扉８が、観音開きに形成されるのが好ましい。 又本案は、本体１の下面に道糸３を本体１内に導く導入孔４が溝状に開口され 、この導入孔４が本体１の前後方向に延びてＳ字状に形成されると良い。

【０００８】

【作用】

先ず道糸３に本体１を装着する。次に釣り竿を高く掲げ、道糸３を傾斜状に緊 張させ、本体１を道糸３に沿って摺動させる。 本体１が縒り戻し７の環７ａに当たると、縒り戻し７の環７ａがバネ９の弾発 力に抗して扉８を内方に押し、縒り戻し７の環７ａが本体１の内部に侵入する。 すると扉８は、バネ９の復元力で縒り戻し７の環７ａを抱えた状態で閉塞する。 この結果本体１と縒り戻し７とが連結され一体化する。 次にこの状態で、牽引紐２を引く。擬似餌１６は、通常、縒り戻し７に連結さ れているから、牽引紐２を引くと本体１と共に擬似餌１６が引き寄せられる。

【０００９】

【実施例】

以下、本案の好適な一実施例を添付図面に従って説明する。 １は、例えば表面が防錆加工された金属製の本体である。この本体１は、その 基端部に結ばれた牽引紐２を備えて形成されている。尚この牽引紐２は、釣り人 の腰ベルトに取付自在に形成されたリールに巻装されている。 又本体１の下面には、図３等に示される如く、道糸３を本体１内に導く導入孔 ４が溝状に開口されている。この導入孔４は、本体１の前後方向に延びて例えば Ｓ字状に開口されている。

【００１０】 ５は、道糸３の挿通孔である。この挿通孔５は、上記の導入孔４と連通するよ う、本体１の軸心位置に、本体１の前後方向に延びて形成されている。

【００１１】 ６（図１、図４等参照）は、本体１の先端部１ａに形成され、縒り戻し７の環 ７ａを内部に抱えて固定する固定機構である。この固定機構６は、本体１が道糸 ３に沿って摺動し縒り戻し７の環７ａに衝突した際の当圧力で本体１の内側だけ に向かって開く扉８と、この扉８を常時閉塞状に弾発するバネ９とを備えて形成 されている。

【００１２】 上記の扉８は、図示される如く、この実施例では本体１内に固定された軸１０ に枢着されて観音開きに形成されている。１１は、この扉８の接合縁で且つ上記 挿通孔５の延長線位置に形成された透孔である。この透孔１１は、扉８の接合縁 が半円状に切り欠かれることにより形成され、縒り戻し７の軸７ｂより径が大き く選定されている。

【００１３】 １２は、道糸３を透孔１１に導く案内路である。この案内路１２は、扉８の側 縁が切り欠かれることにより形成されている。１３（図２等参照）は、上記の導 入孔４と連通状に、本体１の前面１ｂに形成されたスリットである。このスリッ ト１３は、その上端が本体１の前面１ｂに開口された円形状の切欠窓１４に開口 されると共に、上記案内路１２と直線状に連通するよう形成されている。

【００１４】 上記のバネ９は、この実施例ではねじりコイルバネで形成され、上記の軸１０ に巻回されて、各扉８・８の上下位置に夫々配設されている。尚１５（図４等参 照）は、軸１０の下端を固定するナットである。

【００１５】 次にこの実施例の作用を説明する。 先ず道糸３を導入孔４を介して挿通孔５に通し、本体１を道糸３に装着する。 次に図９に示される如く、釣り竿を高く掲げて道糸３を傾斜状に緊張させる。す ると図１Ｂ等に示される如く、本体１が道糸３に沿って下方に摺動し、擬似餌１ ６に連結された縒り戻し７の環７ａに扉８が当たると、この衝突した際の当圧力 で扉８が本体１の内側に向かって開く。

【００１６】 扉８は、バネ９の作用で常時閉塞するよう付勢されているから、縒り戻し７の 環７ａが本体１の内部に侵入すると扉８が復元し、縒り戻し７の環７ａを内部に 抱えた状態で閉塞する。この結果縒り戻し７は本体１に固定され、本体１と一体 化する。そこでこの状態で牽引紐２を引き寄せると、縒り戻し７に連結された擬 似餌１６が本体１と共に引き寄せられ回収される。 尚牽引紐２は、上記の如くこの実施例ではリールに巻装されている。従って本 体１が道糸３に沿って下方に摺動すると、牽引紐２はリールから自動的に送り出 され、本体１の回収時はリールに巻き取られる。

【００１７】 以上の処において、本案の場合上記の扉８は、左右に観音開きに形成される場 合には限られず、上下に観音開きに形成されるのでも良い。

【００１８】 又本案は扉８が、例えば図１０に示される如く、垂下状に配設されて片開きに 形成されるのでも良い。この場合は、図１１に示される如く、本体１の前面１ｂ の内側上縁部１ｃに縒り戻し７の環７ａを係止させることができるから、本体１ の牽引時に扉８に加わる力を軽減できる。

【００１９】 尚本案の場合上記の導入孔４は、本体１の下面から見て前後方向に延びた波形 や弧状等に形成されるのでも良く、Ｓ字状である場合には限定されない。 又上例は擬似餌の回収例であるが、本案では縒り戻し７に、撒き餌かごやテン ビン等が連結される場合は、これらの回収用具として利用できることは勿論であ る。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように本案は、縒り戻しの環を内部に抱えて固定する固定機構が 、上記の如く形成された扉とバネとを備えて形成されたものである。 従って本案は、縒り戻しの形態に多少の相違があっても縒り戻しの環を内部に 抱えた状態で確実に固定でき、又縒り戻しの環に本体を突き当てるだけで縒り戻 しを固定できるから、本体を縒り戻しに固定する際の操作を迅速化、簡便化でき るという実用上優れた効果を奏する。

【００２１】 又請求項２記載の場合は、扉が観音開きに形成されているから、これによれば 縒り戻しの環を本体内に導き易い。

【００２２】 更に請求項３記載の如く、本体の下面に道糸を本体内に導く導入孔が溝状に開 口され、この導入孔が本体の前後方向に延びてＳ字状に形成される場合は、この 導入孔を介して道糸を装着、脱着できるから、これによれば装脱着作業を円滑化 、簡便化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案用具の使用状態時の好適な一例を示し、Ａ
は側面図、Ｂは作用を説明するＡのＢーＢ線における要
部拡大断面図である。

【図２】同上用具の正面図である。

【図３】同上用具の底面図である。

【図４】固定機構を示す正面図である。

【図５】本体の前面の要部正面図である。

【図６】図５の VI ー VI 線における要部断面図であ
る。

【図７】図５の VIIー VII線における要部断面図であ
る。

【図８】図５の要部背面図である。

【図９】同上用具の使用状態を示す斜視図である。

【図１０】同上用具の他の実施例を示す正面図である。

【図１１】図１０の XI ー XI 線における要部断面図で
ある。

【図１２】従来例を示し、Ａは正面図、ＢはＡのＢーＢ
線における使用状態時の要部断面図である。

【符号の説明】

１ 本体 １ａ 先端部 ２ 牽引紐 ３ 道糸 ６ 固定機構 ７ 縒り戻し ７ａ 縒り戻しの環 ８ 扉 ９ バネ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 牽引紐を備えた本体が道糸に摺動自在に
   形成され、この本体の先端部に縒り戻しの環を内部に抱
   えて固定する固定機構が形成され、この固定機構が、上
   記本体が道糸に沿って摺動し縒り戻しの環に衝突した際
   の当圧力で本体の内側だけに向かって開く扉と、この扉
   を常時閉塞状に弾発するバネとを備えて形成された根が
   かりした擬似餌の回収用具。
2. 【請求項２】 扉が、観音開きに形成された請求項１記
   載の根がかりした擬似餌の回収用具。
3. 【請求項３】 本体の下面に道糸を本体内に導く導入孔
   が溝状に開口され、この導入孔が本体の前後方向に延び
   てＳ字状に形成された請求項１又は２記載の根がかりし
   た擬似餌の回収用具。