JP2986282B2 - 耐食ヒータ部材とその製造方法 - Google Patents

耐食ヒータ部材とその製造方法

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廣志 山田
義和 山迫
菊一 船尾
明雄 福田
正雄 牧
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Daido Steel Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温下における耐食性が
優れているヒータ部材とそれを製造する方法に関し、更
に詳しくは、オーブンレンジ用のヒータとして有用な耐
食ヒータ部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オーブンレンジのヒータとしては、一般
に、ニクロム線を内蔵するシーズヒータが用いられてい
る。しかしながら、従来のシーズヒータ形式によるヒー
タ表面の温度は約600℃程度である。そのため、例え
ば、魚を焼く場合、魚の水分だけが蒸発してしまい、ガ
スレンジの火炎や炭火で焼いたときのような焼魚の感触
が得にくいという問題がある。
【0003】ところで、ガスレンジの場合と同じような
焼き上げの感触を得ることを目的として、シーズに収容
して用いるのではなくオーブンレンジ内に露出した状態
で使用するヒータ部材の開発が進められている。この場
合のヒータ部材には、次のような性能が要求される。す
なわち、まず第1に、比抵抗ができるだけ高い材料から
成り、動作時のヒータ表面の温度を800℃以上にでき
ることである。比抵抗が低い材料では、それに通電した
ときの抵抗発熱量は少なく、良好な焼き上げを可能にす
る高温が得にくいからである。通常、比抵抗が50μΩ
・cm以上の材料であれば、通電量にもよるが、ヒータ表
面は800℃以上になる。
【0004】第2の特性は、ヒータとしての動作時にお
ける耐食性が優れていることである。例えば、オーブン
レンジでの調理時に、調理に用いている油分,しょう油
や塩分などがヒータ表面に接触することがある。このと
き、ヒータ表面は800℃以上の高温になっているので
耐食性が劣る材料の場合には、ヒータ表面に塩分などに
よる溶融塩が生成してヒータの腐食が激しく進行して、
ヒータの断線などによりヒータ機能を喪失するからであ
る。
【0005】このように、オーブンレンジで良好な焼き
上げ状態を得るためには、そこに配置するヒータ部材
は、比抵抗が高く、しかも高温下における耐食性が優れ
ている材料で構成されることが必要である。しかしなが
ら、このような目的で現在までに開発された材料は、必
ずしも上記特性を満足するものではなく、更に改善され
た材料の開発が強く望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、比抵抗が高
くかつ高温下における耐食性が優れていて、オーブンレ
ンジ用のヒータとして用いて非常に有効な耐食ヒータ部
材とその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、Ni−Cu−Al合金から
成るコア部、前記コア部の外側に形成され、少なくとも
Ni−Al金属間化合物から成る中間層、および前記中
間層の外側に形成されたAl23 層とから成ることを
特徴とする耐食ヒータ部材が提供され、また、Ni−C
u−Al合金から成る板材の両面に、Al箔のクラッデ
ィング、または、めっき、溶射もしくは蒸着によるAl
層の形成を行ったのち冷間圧延し、ついで、酸化雰囲気
中で焼成することを特徴とする耐食ヒータ箔の製造方
法、ならびに、Ni−Cu−Al合金から成る線材をA
lチューブの中に挿入し、または、前記線材にAlをめ
っき、溶射もしくは蒸着したのち線引き加工を行い、つ
いで、酸化雰囲気中で焼成することを特徴とする耐食ヒ
ータ線の製造方法が提供される。
【0008】本発明のヒータ部材は、箔状,線状のいず
れの形状であってもよいが、コア部は後述するNi−C
u−Al合金から成り、最外層はAl23 から成り、
このコア部と最外層の間に少なくともNi−Al金属間
化合物から成る中間層が介在した構造になっている。こ
のヒータ部材はつぎにようにして製造することができ
る。
【0009】まず、Ni−Cu−Al合金を溶製する。
溶製方法は格別限定されるものではない。このNi−C
u−Al合金は、Cu:10〜50重量%,Al:1〜
7重量%,残部はNiを必須成分とする組成であること
が好ましい。この合金組成において、Cuが10重量%
より少なくなると得られた合金の比抵抗は低くなり、ま
た50重量%より多くなると合金の耐食性の低下が引き
起こされるようになるからである。
【0010】また、Alが1重量%より少ない場合は、
Cuの場合と同じように合金の比抵抗の低下を招き、ま
たAlを7重量%よりも多くすると、合金の加工性の低
下を招いて後述するヒータ部材の製造時に、材料にワレ
などが発生しやすくなるからである。まず、本発明の箔
状ヒータ部材を製造する場合には、上記合金のインゴッ
トに熱間圧延,冷間圧延を順次施して、所望する厚みの
箔に加工する。ついで、真空中で焼鈍することにより、
上記の熱間圧延や冷間圧延によって箔に蓄積した加工歪
みを除去する。
【0011】その後、得られた合金箔の両面に0.01〜
0.1mm程度の厚みのAl箔をクラッディングして、全体
に冷間圧延を施す。この場合の圧下率は20〜60%で
あることが好ましい。なお、Al箔のクラッディングの
外に、例えば、合金箔の両面にAlをめっきしたり、溶
射や蒸着などを施して合金箔をAl層でサンドウィッチ
してもよい。
【0012】得られたクラッド箔は、厚みが0.03〜1.
0mm程度で、中心の上記合金箔がAl箔でサンドウィッ
チされた構造になっている。ついで、このクラッド箔を
例えば大気中のような酸化性雰囲気中で焼成する。この
場合の焼成温度は500〜1000℃程度が好ましい。
またその焼成時間は5〜1200分程度である。
【0013】この焼成により、クラッド箔におけるAl
箔はその外側から酸化されて酸化された部分はAl2
3 に転化していく。そして、クラッド箔における合金箔
とAl箔との間では相互拡散が起こって、中心の合金箔
の外側には例えばNi3 AlのようなNi−Al金属間
化合物が生成する。したがって、焼成後においては、最
外層が耐食性に優れたAl23 層で、中間に比較的高
抵抗のNi−Al金属間化合物層が介在し、コア部が上
記組成のNi−Cu−Al合金で構成されている箔が製
造される。
【0014】この焼成時の条件は、用いた合金の組成,
クラッド箔における合金箔,Al箔の各箔の厚み,焼成
時雰囲気の酸素濃度,焼成温度,焼成時間などの因子を
適宜に組み合わせて決められる。これらの因子は、いず
れも、耐食性に影響を与える最外層のAl23 層の厚
みや、比抵抗に影響を与える中間層とコア部の厚みを規
制するので、これらの条件は、ヒータに要求されている
比抵抗と耐食性との関係から決められる。例えば、焼成
条件によっては、クラッド箔におけるAl箔の全てをA
23 とNi−Al金属間化合物にすることなく、A
l箔の一部を残し、コア部、その外側に形成されたNi
−Al金属間化合物の層、その外側に形成されているA
l層、そして最外層としてのAl23 層にしてもよ
い。
【0015】本発明のヒータ部材としてヒータ線を製造
する場合には、上記した箔状ヒータの製造工程におい
て、まず溶製したNi−Cu−Al合金のインゴットか
ら線状体を成形し、これに熱間伸線,冷間伸線の各処理
を順次施したのち真空焼鈍して加工歪みを除去し、つい
で得られた合金線材をAlチューブに挿入して線引きを
行い、最後に、箔状ヒータの場合と同じように酸化性雰
囲気中で焼成すればよい。なお、箔状ヒータの場合と同
じように、めっきや、溶射、蒸着などの方法で、合金線
材をAlで被覆し、ついで、線引き、焼成処理を施して
もよい。
【0016】
【実施例】Cu:15重量%,Al:5重量%,残部:
Niと不可避的不純物から成る合金を溶製した。この合
金のインゴットを1000℃で熱間圧延して厚み2mmの
合金箔とし、更にこの合金箔に大気中で冷間圧延を行な
って厚み0.2mmとした。
【0017】得られた箔に、真空炉中において温度10
00℃で5分間の真空焼鈍を施した。ついで、この箔の
両面に厚み15μmのAl箔をクラッドしたのち、大気
中で冷間圧延を行なって、長さ200mm,幅6mm,厚み
0.05mmのクラッド箔を製造した。
【0018】このクラッド箔は、中心の合金箔の厚みは
46μm,両面のAl箔の厚みはそれぞれ2μmであっ
た。ついで、このクラッド箔を1000℃の大気中で約
60分間焼成した。得られた箔の断面を顕微鏡観察した
ところ、コア部の組成は、Ni−15%Cu−5%Al
でその厚みは44μmであり、その外側には厚み2μm
のNi3 Al層、更にその外側には厚み1μmのAl2
3 層が形成されていた。
【0019】この箔の比抵抗は約75μΩ・cmであっ
た。つぎに、この箔に通電して表面温度を600,80
0℃とし、それぞれの場合につき、濃度5%の塩水0.5
mlを2分間に1回の周期で箔表面に滴下し、箔が破断
するまでの滴下回数を測定した。破断までの滴下回数は
それぞれ80回,110回であった。
【0020】通常、ニクロムヒータの場合、800℃に
おける上記条件の破断回数は約40回前後であることを
考えると、本発明のヒータは非常に耐食性が優れてい
る。
【0021】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ヒータ部材は、比抵抗が高く、しかも高温下における耐
食性も優れている。これは、ヒータ部材のコア部をNi
−Cu−Al合金とし、最外層に耐食性が優れたAl2
3 層を設け、コア部と最外層の中間に比較的高抵抗の
Ni−Al金属間化合物の層を介在させたことがもたら
す効果である。
【0022】このようなことから、本発明のヒータ部材
は、とくにオーブンレンジ用等のヒータとして有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 明雄 奈良県大和郡山市筒井町800 松下住設 機器株式会社内 (72)発明者 牧 正雄 奈良県大和郡山市筒井町800 松下住設 機器株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−74397(JP,A) 特開 昭62−17169(JP,A) 特開 昭60−104701(JP,A) 特開 平4−235271(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 8/12,10/28,14/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni−Cu−Al合金から成るコア部、
    前記コア部の外側に形成され、少なくともNi−Al金
    属間化合物から成る中間層、および前記中間層の外側に
    形成されたAl23 層とから成ることを特徴とする耐
    食ヒータ部材。
  2. 【請求項2】 前記中間層が、Ni−Al金属間化合物
    の層と前記層の外側に形成されたAl層から成る請求項
    1の耐食ヒータ部材。
  3. 【請求項3】 前記Ni−Cu−Al合金が、Cu:1
    0〜50重量%,Al:1〜7重量%,残部:Niを必
    須として成る請求項1の耐食ヒータ部材。
  4. 【請求項4】 Ni−Cu−Al合金から成る板材の両
    面に、Al箔のクラッディング、または、めっき、溶射
    もしくは蒸着によるAl層の形成を行ったのち冷間圧延
    し、ついで、酸化雰囲気中で焼成することを特徴とする
    耐食ヒータ箔の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記Ni−Cu−Al合金が、Cu:1
    0〜50重量%,Al:1〜7重量%,残部:Niを必
    須として成る請求項4の耐食ヒータ部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 Ni−Cu−Al合金から成る線材をA
    lチューブの中に挿入し、または、前記線材にAlをめ
    っき、溶射もしくは蒸着したのち線引き加工を行い、つ
    いで、酸化雰囲気中で焼成することを特徴とする耐食ヒ
    ータ線の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記Ni−Cu−Al合金が、Cu:1
    0〜50重量%,Al:1〜7重量%,残部:Niを必
    須として成る請求項6の耐食ヒータ部材の製造方法。
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