JP2985783B2

JP2985783B2 - スライドフォーク

Info

Publication number: JP2985783B2
Application number: JP8197265A
Authority: JP
Inventors: 一富犬飼; 聡神出
Original assignee: Murata Machinery Ltd
Current assignee: Murata Machinery Ltd
Priority date: 1996-07-26
Filing date: 1996-07-26
Publication date: 1999-12-06
Anticipated expiration: 2016-07-26
Also published as: JPH1035820A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動倉庫のスタッ
カークレーンや、無人搬送車の移載装置等に使用される
スライドフォークに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、スライドフォークは、基台と、該
基台に対して摺動自在に保持される摺動部材とを備えて
おり、基台と摺動部材との間には、摺動部材を摺動させ
る際に駆動されるチェーンベルト等の駆動ベルト体が掛
けられている。駆動ベルト体は、一方の端部が摺動部材
の前部、他方の端部が摺動部材の後部に取り付けられて
おり、基台側に設けられる駆動輪及び従動輪に対してた
すき掛けで掛けられている。

【０００３】上記のように駆動ベルト体が、たすき掛け
で摺動部材と基台との間に掛けられる場合、駆動ベルト
体が交差する部分で、駆動ベルト体同士が干渉すること
を防止する必要がある。そのため、従来のスライドフォ
ークでは、駆動ベルト体として幅方向に湾曲させること
が可能なチェーン等を使用し、駆動輪及び従動輪、摺動
部材の前部及び後部における駆動ベルト体端部の取付け
部を、互いに摺動部材の摺動方向に沿う方向に対して偏
った位置に配置していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、駆動輪
及び従動輪、摺動部材の前部及び後部における駆動ベル
ト体端部の取付け部を、摺動部材の摺動方向に沿う方向
に対して偏った位置に配置すると、摺動部材と基台との
間に掛けられる上記のようなチェーンよりなる駆動ベル
ト体が、摺動部材の摺動方向に対して斜めに配置される
ことになる。この状態で駆動ベルト体が駆動されると、
駆動ベルト体の駆動方向と実際の摺動部材の摺動方向と
のずれによって、駆動ベルト体に無理な荷重が掛かり、
駆動ベルト体が局所的に摩耗して伸びが生じるという問
題があった。そして、この駆動ベルト体の伸びが、摺動
部材の停止精度を劣化させる要因となっていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記のような問題解決の
ために本発明は、基台と、該基台に対して摺動自在に設
けられる摺動部材と、後端が摺動部材の前部、前端が摺
動部材の後部に取付けられると共に、基台側に設けられ
る駆動輪及び従動輪に摺動部材の摺動方向に対して平行
な方向にたすき掛けで架け渡される駆動ベルト体とを備
えたスライドフォークであって、駆動ベルト体は、その
長手方向の中央部が２本のチェーンベルトが並設されて
構成されており、中央部から長手方向前方に延びる前部
は、中央部の一方のチェーンベルトに連設されるチェー
ンベルトによって構成され、中央部から長手方向後方に
延びる後部は、中央部のもう一方のチェーンベルトに連
設されるチェーンベルトによって構成されることを特徴
としている。この発明によれば、駆動ベルト体が摺動部
材の摺動方向に対して平行な方向に架け渡されているの
で、摺動部材の摺動中に駆動ベルト体に過剰な負荷が掛
からなくなる。

【０００６】又、駆動ベルト体の中央部を、２本のチェ
ーンベルトを並設することによって構成し、中央部から
長手方向前方に延びる前部を、中央部の一方のチェーン
ベルトに連設されるチェーンベルトによって構成し、中
央部から長手方向後方に延びる後部を、中央部のもう一
方のチェーンベルトに連設されるチェーンベルトによっ
て構成しているので、摺動部材と基台側の駆動輪及び従
動輪との間で駆動ベルト体をたすき掛けで架け渡す際
に、駆動ベルト体同士が干渉し合うことが防止される。

【０００７】さらに、駆動ベルト体の中央部及び前後部
は、いずれもチェーンベルトで構成されているので、駆
動ベルト体自体の構造を簡略化することができる。

【０００８】

【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を説明す
る。図１は、スライドフォークの構成を示す分解斜視図
であり、図２は、図１のスライドフォークに使用される
チェーンベルトの平面図である。スライドフォークＳ
は、フレームＦに取付けられる基台１と、基台１に対し
て摺動自在に保持される摺動部材（中間摺動体）２と、
摺動部材１に対して摺動自在に設けられる上部プレート
１８とを備えている。

【０００９】基台１と摺動部材２との間には、摺動部材
２を摺動させるための第１の駆動ベルト体３が架けられ
ており、上部プレート１８と基台１との間には、第２の
駆動ベルト体４ａ及び第３の駆動ベルト体４ｂが、摺動
部材２を介して架けられている。本実施の形態において
は、第１の駆動ベルト体３、第２の駆動ベルト体４ａ及
び第３の駆動ベルト体４ｂは、チェーンベルトによって
構成されている。

【００１０】基台１の前部には、駆動軸５が基台１に対
して回転自在に設けられており、該駆動軸５に駆動輪６
が固定されている。駆動軸５は、図示されないモーター
の駆動を受けて、正逆双方に回転自在となっている。基
台１の後部には、従動軸７が回転自在に設けられてお
り、従動軸７に従動輪８が固定されている。

【００１１】又、基台１の前部には、第３の駆動ベルト
体４ｂの一方の端部が固定される第１前側固定部２０ａ
が設けられており、基台１の後部には、第２の駆動ベル
ト体４ａの一方の端部が固定される第１後側固定部２０
ｂが設けられている。更に、基台１の前部及び後部に
は、後述の摺動部材２の下側ガイド溝１１と係合するガ
イド部材１７が備えられている。

【００１２】摺動部材２の両側面には、長手方向に沿っ
て上側ガイド溝１０と下側ガイド溝１１とが穿設されて
いる。又、摺動部材２の上下両面の中央部分長手方向に
は、第１の駆動ベルト体３、第２の駆動ベルト体４ａ及
び第３の駆動ベルト体４ｂ等が収納される収納スペース
１２が設けられる。

【００１３】収納スペース１２の前部には、第１の駆動
ベルト体３の後端が固定される第２前側固定部９ａと、
矩形孔１３とが設けられ、矩形孔１３には、第２の駆動
ベルト体４ａが架けられる前側スプロケット１４が設け
られる。収納スペース１２の後部には、第１の駆動ベル
ト体３の前端が固定される第２後側固定部９ｂと、矩形
孔１５とが設けられ、矩形孔１５には、第３の駆動ベル
ト体４ｂが架けられる後側スプロケット１６が設けられ
る。

【００１４】上部プレート１８の両側面には、摺動部材
２の上側ガイド溝１０と係合するガイド部材１９が、長
手方向に沿って設けられる。そして、上部プレート１８
の前部には、第３の駆動ベルト体４ｂのもう一方の端部
が固定される第３前側固定部２１ａが設けられ、上部プ
レート１８の後部には、第２駆動ベルト体４ａのもう一
方の端部が固定される第３後側固定部２１ｂが設けられ
る。

【００１５】第１の駆動ベルト体３は、第２前側固定部
９ａから従動輪８、従動輪８から駆動輪６、駆動輪６か
ら第２後側固定部９ｂと渡るように架けられている（以
下、単に「たすき掛けで架けられる」と記載する）。そ
して、摺動部材２は、長手方向に沿って設けられる下側
ガイド溝１０が基台１の前部及び後部に備えられるガイ
ド部材１１に嵌まり込んだ状態で、基台１に摺動自在に
保持される（図４参照）。このとき、駆動輪６及び従動
輪８は、摺動部材２の摺動方向と沿う方向に配置され
る。

【００１６】第２の駆動ベルト体４ａは、第３後側固定
部２１ｂから前側スプロケット１４、前側スプロケット
１４から第１後側固定部２０ｂと渡るように架けられて
いる。そして、第３の駆動ベルト体４ｂは、第３前側固
定部２１ａから後側スプロケット１６、後側スプロケッ
ト１６から第１前側固定部２０ａと渡るように架けられ
ている。そして、上部プレート１８は、長手方向に沿っ
て設けられたガイド部材１９が摺動部材２の上側ガイド
溝１０に嵌め込まれた状態で、摺動部材２に摺動自在に
保持される。

【００１７】尚、第１前側固定部２０ａと第１後側固定
部２０ｂとは、摺動部材２の摺動方向と沿う方向に対し
て、互いに逆方向の側方にずれた位置に配置されてお
り、第３前側固定部２１ａと第３後側固定部２１ｂも、
同様な位置に配置されている。前側スプロケット１４
は、第１後側固定部２０ｂ及び第３後側固定部２１ｂと
同じ方向にずれて配置されており、後側スプロケット１
６は、第１前側固定部２０ａ及び第３前側固定部２１ａ
と同じ方向にずれて配置されている。

【００１８】上記のよう配置された、各固定部及びスプ
ロケットの間に第２の駆動ベルト体４ａ及び第３の駆動
ベルト体４ｂを架け渡すことで、上部プレート１８と摺
動部材２との間で、又は摺動部材２と基台１との間で、
第２の駆動ベルト体４ａと第３の駆動ベルト体４ｂとが
交差しても、第２の駆動ベルト体４ａと第３の駆動ベル
ト体４ｂとが互いに干渉することがなくなる。

【００１９】第１の駆動ベルト体３は、長手方向におけ
る前部および後部３ｅと中央部３ｃとから構成され、前
部および後部３ｅには、切欠き部が設けられている。第
１の駆動ベルト体３は、チェーンベルトによって構成さ
れており、中央部３ｃでは、２本のチェーンベルトＣ
１、Ｃ２が、取付具２２を介して並設されている。そし
て、中央部３ｃの一方のチェーンベルトＣ１には、第１
の駆動ベルト体３の後部３ｅを構成するチェーンベルト
Ｃ３が連設されている。

【００２０】又、中央部３ｃのもう一方のチェーンベル
トＣ２には、第１の駆動ベルト体３の前部３ｅを構成す
るチェーンベルトＣ４が連設されている。これによっ
て、第１の駆動ベルト体３の前部および後部３ｅの幅
は、中央部３ｃの幅の半分以下となるので、摺動部材２
と基台１との間で第１の駆動ベルト体３をたすき掛けで
架ける場合であっても、第１の駆動ベルト体３の前部と
後部３ｅが干渉し合うことがない。

【００２１】第１の駆動ベルト体３の前後端が固定され
る第２前側固定部９ａ及び第２後側固定部９ｂは、駆動
輪６及び従動輪８の上方に位置し、摺動部材２の摺動方
向と沿う方向に対して、前後部３ｅの幅の分だけ側方に
偏った位置に配置される。そして、上記駆動輪６及び従
動輪８と、上記のように配置される第２前側固定部９ａ
及び第２後側固定部９ｂとの間にたすき掛けで架けるこ
とで、第１の駆動ベルト体３は、摺動部材２の摺動方向
と沿う方向に架け渡される（図３参照）。

【００２２】尚、本実施の形態では、第１の駆動ベルト
体３をローラーチェーンにより構成したが、ローラーチ
ェーン以外のチェーンベルトでも良く、またタイミング
ベルト等を用いても良い。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、基台側の
駆動輪及び従動輪と、該基台に対して摺動自在に保持さ
れる摺動部材の前部及び後部との間にたすき掛けで架け
渡される駆動ベルト体が、摺動部材の摺動方向に対して
平行な方向に架け渡されているので、該駆動ベルト体の
駆動によって摺動部材を摺動させた場合に、駆動ベルト
体に過剰な負荷が掛かることによって生じる駆動ベルト
体の局部的な伸びが防止され、摺動部材を精度良く所定
位置に停止させることができる。

【００２４】又、駆動ベルト体の中央部を、２本のチェ
ーンベルトを並設することによって構成し、中央部から
長手方向前方に延びる前部を、中央部の一方のチェーン
ベルトに連設されるチェーンベルトによって構成し、中
央部から長手方向後方に延びる後部を、中央部のもう一
方のチェーンベルトに連設されるチェーンベルトによっ
て構成している。これによって、駆動ベルト体の交差部
において駆動ベルト体同士が干渉し合うことが防止され
る。

【００２５】さらに、駆動ベルト体の中央部及び前後部
は、いずれもチェーンベルトで構成されているので、駆
動ベルト体の構造が簡略化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態のスライドフォークの構成
を示す分解斜視図である。

【図２】図１のスライドフォークの基台と摺動部材との
間に設けられている駆動ベルト体の平面図である。

【図３】図１のスライドフォークの基台側の駆動輪及び
従動輪と、摺動部材の第２前側固定部及び第２後側固定
部との間にたすき掛けで架け渡された駆動ベルト体の平
面図である。

【図４】摺動部材が摺動した際の駆動ベルト体の状態を
示す斜視図である。

【符号の説明】

１基台２摺動部材３第１の駆動ベルト体３ｅ両端部３ｃ中央部６駆動輪８従動輪Ｓスライドフォーク

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】基台と、該基台に対して摺動自
在に設けられる摺動部材と、後端が摺動部材の前部、前
端が摺動部材の後部に取付けられると共に、基台側に設
けられる駆動輪及び従動輪に摺動部材の摺動方向に対し
て平行な方向にたすき掛けで架け渡される駆動ベルト体
とを備えたスライドフォークであって、駆動ベルト体
は、その長手方向の中央部が２本のチェーンベルトが並
設されて構成されており、中央部から長手方向前方に延
びる前部は、中央部の一方のチェーンベルトに連設され
るチェーンベルトによって構成され、中央部から長手方
向後方に延びる後部は、中央部のもう一方のチェーンベ
ルトに連設されるチェーンベルトによって構成されるこ
とを特徴とするスライドフォーク。