JP2982070B2 - 強磁性金属粉末及び磁気記録媒体 - Google Patents

強磁性金属粉末及び磁気記録媒体

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JP2982070B2 JP1309914A JP30991489A JP2982070B2 JP 2982070 B2 JP2982070 B2 JP 2982070B2 JP 1309914 A JP1309914 A JP 1309914A JP 30991489 A JP30991489 A JP 30991489A JP 2982070 B2 JP2982070 B2 JP 2982070B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高記録密度用磁気記録媒体、磁性流体など
の素材として好適な強磁性金属粉末の改良に関し、特に
その酸化安定性を高めることに関する。
〔従来技術及びその問題点〕
Fe、Co等を主体とする強磁性金属粉末は、その優れた
磁気特性から磁気を利用する様々な分野で使用されてい
る。
特に、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤樹脂を主
体とする磁性層を有する磁気記録媒体においては、記録
密度の向上の目的からその強磁性粉末として強磁性金属
粉末が使用されている。
そして、オーデイオテープ、ビデオテープ、フロツピ
ーデイスク等に実用化されている。
前記強磁性金属粉末の問題点として、化学的に不安定
であつて、酸素や水と反応し易く、空気中、特に高湿度
下に置かれたりすると次第にその磁気特性が劣化してし
まうということがある。
強磁性金属粉末の化学的安定性を改良するために従来
より様々な方法が提案されている。
例えば、特開昭55−125205号公報等に開示されている
ように、強磁性金属粒子の表面に酸化物の層を形成する
方法、特開昭46−5057号公報等に開示されているように
強磁性金属粒子の表面に各種の有機化合物の保護層を形
成する方法、特開昭59−273711号公報等に開示されてい
るように強磁性金属粒子の表面に酸化物の層を設けた後
に加熱処理することによつて酸化物層の構造を緻密にし
て保護効果を高める方法等が提案されている。
以上の方法は、比較的緩やかな条件で酸素と接触させ
ることにより、金属粉末粒子の表面に、酸化物の層を形
成する方法であつて、いわゆる“徐酸化”と呼称されて
いる。
しかしながら、従来の徐酸化にはいずれも何らかの欠
点があり、強磁性金属粉末の化学的安定性を充分なもの
とすることができなかつた。
すなわち、強磁性金属粒子の表面に酸化物の層を形成
するいわゆる“徐酸化”の方法では、酸素原子が経時に
より次第に粒子内部に拡散して強磁性金属粉末の磁気特
性を結局は低下させてしまうという問題があつた。
シリコーンや樹脂などの有機化合物の保護層を形成す
る方法においては、酸素や水分を遮断するに充分なだけ
の保護層とするためには、比較的多量の有機化合物で表
面を被覆せねばならず、強磁性金属粉末の飽和磁化(σ
s)の低下を避けられないという問題があつた。
徐酸化のなかでも前記の酸化物の層を加熱処理して緻
密にする方法もあるが、加熱処理時間が長すぎると酸素
が粒子の内部にまで拡散し、且つ酸化皮膜が厚くなつて
しまい結局は、飽和磁化が低下してしまう。逆に、加熱
時間が短かすぎると、粉末粒子表面の酸化膜層が充分に
緻密にできず、酸化安定化効果が充分に得られず、処理
工程条件の制御が難しく、安定な特性を得にくいという
問題があつた。
以上の従来法においては、強磁性金属粉末の酸化安定
性を向上させるためには、酸化物層の厚さをある程度厚
くすることは避けられず、磁気特性と両立させることが
困難であつた。酸化膜の結晶性を高めることにより酸化
膜を余り厚くせずに酸化安定性を高めようとする試み
も、酸化膜中の結晶の割合を増大させるのに限界があつ
て充分とはいえなかつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑みなされたもの
であり、磁気特性に優れかつ酸化安定性に優れた強磁性
金属粉末の提供を目的としている。
また、保存耐久性が優れた高密度記録に好適な磁気記
録媒体の提供も目的としている。
〔問題点を解決する手段〕 前記本発明の目的は、表面に酸化膜を有する鉄を主成
分とした金属微粒子よりなる強磁性金属粉末において、
該酸化膜中に存在するマグヘマイトの結晶子サイズDγ
は、前記酸化膜の厚さDoxの0.70乃至1.2倍の大きさであ
り、かつ前記Doxは25乃至40Åであることを特徴とする
強磁性金属粉末及び非磁性支持体上に強磁性金属粉末と
結合剤樹脂を主体とする磁性層を有する磁気記録媒体に
おいて、該強磁性金属粉末として該強磁性金属粉末を使
用したことを特徴とする磁気記録媒体により達成され
る。
本発明の強磁性金属粉末は、それを構成する金属微粒
子表面に形成される酸化膜の結晶性が良好であつて、そ
の割合も大きく前記酸化膜中のマグヘマイトの結晶子サ
イズDγを前記酸化膜の厚さDoxの0.70乃至1.2倍の範囲
の大きさとすることによつて酸化安定性を高めている。
即ち、本発明の強磁性金属粉末においては、その粒子
表面の酸化膜は酸化数が大きくかつ結晶性のよい緻密な
構造であるので、比較的薄くても酸化安定化効果が大き
い。
従つて、本発明の強磁性金属粉末は、酸素や水分の影
響を比較的受けにくく、その磁気特性が劣化しにくいの
で、それを使用した本発明の磁気記録媒体は、出力、C/
Nが大きく、且つその保存耐久性が優れている。
本発明の強磁性金属粉末を得る方法としては、具体的
には、強磁性金属粉末を合成した後にその表面酸化膜の
生成を低温プラズマ処理で行う方法(詳しくは、特願平
1−258514号明細書に開示されている。)、同じくオゾ
ン含有ガスに接触させる方法(詳しくは、特願平1−25
249号明細書に開示されている。)等が挙げられる。
酸化膜の生成を前記の方法で行うことによつて、結晶
性が高い、緻密な構造となり、薄くても酸化安定効果の
大きい酸化膜を有して金属粒子からなる強磁性金属粉末
を得ることが出来、もつて飽和磁化量などの磁気特性が
比較的大きくかつ酸化安定性に優れた強磁性金属粉末と
することが得られ、それを使用した磁気記録媒体の電磁
変換特性及び保存安定性をともに優れたものとすること
ができる。
本発明でいう、強磁性金属粉末の金属粉子の表面酸化
膜中に存在するマグヘマイトの結晶子サイズDγは、Cu
Kα線を用いたX線回折法から、マグヘマタイトの(3/
3)面のピーク強度を用いてシエラーの式により求めら
れる値である。
また、表面酸化膜の厚さDoxは、α−鉄の比重(7.9
6)、γ−酸化鉄の比重(4.91)及び鉄の20℃における
飽和磁化量(218emu/gr)と強磁性金属粉末の飽和磁化
量σs、α−Feの結晶子サイズDFeとから以下の式を用
いて求めた値である。
本発明の強磁性金属粉末を構成する金属粒子の表面酸
化膜の厚さDoxは、25乃至40Åである。
表面酸化膜の厚さが余り大きいと、σsが小さくな
り、また厚さが余り小さいと、酸化膜中のマグヘマイト
の結晶で金属粒子の表面を覆いきれなくなり酸化安定性
が劣化してしまう。
前記表面酸化膜の大きさは、酸化膜を生成する際の酸
素濃度、温度、処理時間を変えることによつて調節でき
る。
本発明の強磁性金属粉末を構成する金属粒子の表面酸
化膜中に存在するマグヘマイトの結晶子サイズの大きさ
Dγは、前記表面酸化膜の厚さDoxの0.70乃至1.2倍であ
り、望ましくは、0.75乃至1.1倍である。
前記マグヘマイトの結晶子サイズの大きさが前記表面
酸化膜の厚さの0.7倍に満たないと酸化膜の緻密性が充
分でないために酸化安定性が高くならない。
逆に1.2倍を超えると、酸化膜の厚さの分布が大きく
なつて、飽和磁化が低下すると共に、酸化安定性も低下
する。
前記表面酸化膜中におけるマグヘマイトの結晶子サイ
ズの大きさDγを前記の範囲内の大きさにするには、強
磁性金属粉末を合成した後にその強磁性金属粉末を低温
プラズマで処理したり、オゾン含有ガスに接触させる方
法が効果的である。
本発明の強磁性金属粉末は、鉄を主成分としており、
通常更にコバルトが加わり、鉄及びコバルトで80原子%
以上となる組成を有する。
本発明の強磁性金属粉末の組成に、前記以外の元素を
加えてその特性を改良することもできる。
例えば、Ni、Zr、Ti、Al、Si、B、V、Cr、Mn、Cu、
Zn、P、Sn、Sb等を導入して酸化安定性をさらに改良す
ることができる。これらの強磁性金属粉末は次の方法で
合成することができる。これらの方法は当業界でよく知
られている。
(1) 強磁性金属の有機酸塩を加熱分解し、還元性気
体で還元する方法。
(2) 針状オキシ水酸化物もしくは、これらに他金属
を含有せしめたもの、あるいはこれらのオキシ水酸化物
を加熱して得た針状酸化物を、還元性ガス中で還元する
方法。
(3) 金属カルボニル化合物を熱分解する方法。
(4) 強磁性金属を低圧の不活性ガス中で蒸発させる
方法。
(5) 強磁性体を作りうる得る金属の塩の水溶液中で
還元性物質(水素化ホウ素化合物、次亜リン酸塩あるい
はヒドラジン等)を用いて還元して強磁性金属粉末を得
る方法。
(6) 水銀陰極を用い強磁性金属粉末を電析させたの
ち水銀と分離する方法。
前記いずれの方法で合成された強磁性金属粉末に対し
ても、本発明の処理方法を適用することができる。
なかでも、特に(2)、(5)の金属酸化物もしく
は、金属塩を還元する方法がコストの面から考えて、望
ましい。
本発明の方法で処理された強磁性金属粉末における酸
化物の前記表面層の効果は、強磁性金属粒子の大きさが
小さいほど顕著となる。しかし、強磁性金属粒子の大き
さがあまり小さくなると表面層の粒子に占める割合が大
きくなり、磁気特性の低下をもたらす。
従つて、強磁性金属粉末の強磁性金属粒子の大きさは
比表面積で35m2/gr以上、望ましくは40ないし80m2/grで
あり、X線回折分析により求められる結晶子サイズでは
150乃至250Åである。
本発明の方法で処理された強磁性金属粉末を磁気記録
媒体に使用することにより、その効果、特徴が顕著とな
る。すなわち、粒子表面に形成される酸化物層の安定化
効果が大きいので、その厚さは小さくでき、磁気特性を
あまり低下させずにすむので、出力、S/Nが大きくか
つ、保存耐久性のすぐれた磁気記録媒体を得ることがで
きる。
本発明の方法で処理された強磁性金属粉末を磁気記録
媒体に使用する場合、強磁性金属粉末と結合剤樹脂とを
混練機、分散機を用いて均一に混合分散処理して得られ
る磁性塗布液を非磁性支持体上に塗布、乾燥して磁性層
を形成して作成される。
磁性層中には、そのほか潤滑剤や研磨剤、帯電防止剤
等も同時に添加される。
本発明の磁気記録媒体に使用される前記素材に特に制
限はなく、従来磁気記録媒体に使用されている素材が利
用できる。
本発明の磁気記録媒体で用いることができる潤滑剤と
しては、各種のポリシロキサンなどのシリコンオイル、
グラフアイト、二硫化モリブデン等の無機粉末、ポリエ
チレン、ポリテトラフルオロエチレン等のプラスチツク
微粉末、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エス
テル、フルオロカーボン類などがバインダー100重量部
に対して0.1〜20重量部の割合で添加される。
研磨剤としては、α−アルミナ、溶融アルミナ、炭化
ケイ素、酸化クロム(Cr2O3)、コランダム、ダイヤモ
ンド等の平均粒子径0.05〜0.5μの微粒末が使用されバ
インダー100重量部に対し0.5〜20重量部加えられる。
帯電防止剤としては、グラフアイト、カーボンブラツ
ク、カーボンブラツクグラフトポリマーなどの導電性粉
末、ノンイオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、
カチオン系界面活性剤等が使用される。
本発明の磁気記録媒体における磁性層の結合剤樹脂と
しては、従来磁気記録媒体用の結合剤樹脂として使用さ
れている公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬
化性樹脂、反応型樹脂、及びこれらの混合物の何れであ
つてもよい。より好ましくは、前記結合剤樹脂中に放射
線照射により架橋または重合可能な物質が含有されてい
ることである。
前記熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステルアク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリ
デン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、
メタアクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、メ
タアクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタア
クリル酸エステルスチレン共重合体、塩化ビニル系共重
合体(詳細は後記)、ポリウレタン樹脂(詳細は後
記)、ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコン系樹
脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹脂、ポリフツ化ビ
ニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエンアクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースア
セテートブチレート、セルロースダイアセテート、セル
ローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニ
トロセルロース等)、スチレンブタジエン共重合体、ポ
リエステル樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エス
テル共重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑
性樹脂等が挙げられる。
また、前記熱硬化性樹脂又は、反応型樹脂としては、
塗布液の状態では20万以下の分子量であり、塗布、乾燥
後に加熱することにより、分子量が極めて大きくなるも
のであり、例えば、フエノール樹脂、フエノキシ樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アルキツド樹脂、シリコン樹脂、アクリル
系反応樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロ
ースメラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシ
アネートプレポリマーとの混合物、メタクリル酸塩共重
合体とジイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエ
ステルポリオールとポリイソシアネートとの混合物、尿
素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子
量ジオール/トリフエニルメタントリイソシアネートの
混合物、ポリアミン樹脂及びこれらの混合物等が挙げら
れる。
更に、放射線硬化性樹脂としては、放射線照射により
硬化させることができる炭素炭素不飽和結合を分子中に
少なくとも一個有する樹脂を使用することができる。放
射線硬化性樹脂の例としては、前記塩化ビニル系共重合
体やポリウレタン樹脂に、分子中に炭素炭素不飽和結合
を少なくとも一個有する化合物を、重合時の共重合成分
として使用したり前記共重合体や樹脂と反応させたりす
ることによつて含有させることにより製造されたものを
挙げることができる。炭素炭素不飽和結合を少なくとも
一個有する化合物としては、分子中に少なくとも一個の
(メタ)アクロイル基を含有する化合物が好ましく、こ
のような化合物には更にグリシジル基や水酸基が含まれ
ていてもよい。
さらに、前記結合剤樹脂に、放射線照射により重合可
能な化合物を添加してもよい。このような化合物として
は、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル
アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエ
ステル類、ビニル異節環化合物、N−ビニル化合物、ス
チレン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸類、
イタコン酸類、オレフイン類、等を挙げることができ
る。これらの中で、特に好ましい化合物は、一分子中に
(メタ)アクリロイル基を二個以上含有する化合物、例
えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリイソ
シアネートとポリ(メタ)アクリレートとの反応生成
物、等を挙げることができる。
前記塩化ビニル系共重合体としては、軟化温度が150
℃以下、平均分子量が1万〜30万、程度のものを使用す
ることができる。
好ましい塩化ビニル系共重合体の具体例としては、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マ
レイン酸−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−プ
ロピオン酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−
プロピオン酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−アクリル酸−ビニルアルコール共重合
体、およびこれらの共重合体を酸化したもの等を挙げる
ことができる。
特に、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基また
はその塩、リン酸基またはその塩、アミノ基、水酸基等
の極性基を有する塩化ビニル係共重合体が、強磁性体粉
末の分散性向上のために好ましい。
また、前記ポリウレタンとしては、ポリオールとジイ
ソシアネートと、更に必要に応じて鎖延長剤とから、そ
れ自体公知のポリウレタンの製造方法によつて製造され
たポリウレタンを使用することができる。
また、前記結合剤には、更に、イソシアネート基を二
個以上有する化合物(ポリイソシアネート)を含有させ
てもよい。このようなポリイソシアネートとしては、例
えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフエニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5
−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフエニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、これらイソ
シアネート類とポリアルコールとの反応生成物、及び、
これらイソシアネート類の縮合によつて生成したポリイ
ソシアネート等を挙げることができる。前記ポリイソシ
アネート類は、例えば、日本ポリウレタン工業(株)か
ら、コロネートL、コロネートHL、コロネートH、コロ
ネートEH、コロネート2030、コロネート2031、コロネー
ト2036、コロネート3015、コロネート3041、コロネート
2014、ミリオネートMR、ミリオネートMTL、ダルトセツ
ク1350、ダルトセツク2170、ダルトセツク2280、武田薬
品工業(株)から、タケネートD−102、タケネートD
−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友
バイエル(株)から、スミジユール−N75、西独バイエ
ル社から、デスモジユールL、デスモジユールIL、デス
モジユールN、デスモジユールHL、大日本インキ化学工
業(株)から、バーノツク−D850、バーノツク−D802、
などの商品名で販売されている。
本発明の磁気記録媒体の磁性層における強磁性金属粉
末と結合剤樹脂との配合割合は、強磁性金属粉末100重
量部当り結合剤18〜30重量部であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体で用いることのできる前記塗布
液用の溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、アルコール類、酢酸エチル、酢酸
ブチル等のエステル類、セロソルブ類、エーテル類、ト
ルエン等の芳香族系溶剤類、四塩化炭素、クロロホルム
等の塩素化炭化水素系溶剤類等の有機溶剤がある。
本発明の磁気記録媒体で用いる非磁性支持体として
は、合成樹脂(たとえば、ポリエステル、ポリアミド、
ポリオレフイン、セルロース系誘導体)、非磁性の金
属、ガラス、セラミツク、紙などが使用でき、その形態
はフイルム、テープ、シート、カード、デイスク、ドラ
ム等で使用される。
強磁性金属粉末及び前述の有機シラン化合物(I)、
分散液、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、溶剤等は混練さ
れて塗布液を得るが混練にあたつては、強磁性金属粉末
及び上述の各成分は全て同時に、あるいは個々順次に混
練機に投入される。混練分散にあたつては各種の混練機
が使用されるが、詳しくはT.C.Patton“Point Flow and
Pigment Dispersion"(1964年John Willey & Sons
社)に述べられている。
非磁性支持体上へ磁性層を塗布する方法としても、種
々の方法が可能であり、具体的には朝倉書店発行の「コ
ーテイング工学」(昭和46年)に詳細に記載されてい
る。
このような方法により、非磁性支持体上に塗布された
磁性層は必要により、層中の強磁性金属粉末を配向させ
る処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。ま
た、磁気特性を高めるために、平滑化処理(たとえば乾
燥前のスムーズニング処理又は乾燥後のカレンダリング
処理等)が施されてもよい。
磁性層の厚さは、1乃至6μm、好ましくは2乃至4
μmが望ましい。
〔発明の効果〕
強磁性金属粉末の金属粉子の表面酸化膜中に存在する
マグヘマイトの結晶子サイズの大きさを前記表面酸化膜
の厚さの0.70乃至1.2倍とすることによつて、磁気特性
に優れかつ酸化安定性の高い強磁性金属粉末とすること
ができ、電磁変換特性、保存耐久性ともに優れた磁気記
録媒体を得ることができる。
〔実施例−1〕 (強磁性金属粉末の合成) オキシ水酸化鉄(Niを2%含有)粉末を水に懸濁し、
NaOHでアルカリ性にした後、その懸濁液を攪拌しながら
その中に水ガラスを加えて前記オキシ水酸化鉄の粒子表
面にSiを被着した。次いで、前記懸濁液を過、水洗し
た後、得られた粉末のケーキを100℃の温度で乾燥し
た。そして、このようにして得られた粉末を窒素気流中
で、500℃、1時間の条件で加熱脱水処理した。
次に、水素ガス中で、450℃、3時間の条件で加熱還
元処理を行つて、強磁性金属粉末を得た。
前記強磁性金属粉末20重量部に対して、乾燥空気を1
体積%含有した窒素ガスを毎分2000ccの一定流量で5時
間導入して、徐酸化処理を行つて、前記強磁性金属粉末
の粒子表面に酸化物の層を形成した。
(表面酸化膜の生成−低温プラズマ処理) 前記強磁性金属粉末20重量部を反応室に装填して、反
応室内を真空度を1Torrとした。ついで、反応室内に酸
素ガスを強磁性金属粉末1グラム当り100mlの一定流量
で送り込み、20ワツトの電力を印加して13.56MHzの高周
波をかけてプラズマを発生させて、2分間、そのプラズ
マの中に前記強磁性金属粉末を曝して、処理を終了し
た。
〔実施例−2〕 強磁性金属粉末の合成を実施例−1と同一の条件で行
い、強磁性金属粉末の処理を以下の条件で行つた。
前記強磁性金属粉末をトルエン中に浸漬した後、その
中に乾燥空気をバブリングして、トルエンをある程度除
去した後、残りのトルエンを空気中で自然乾燥させて、
粒子表面上に酸化物の層を形成した。
(表面酸化膜の生成−低温プラズマ処理) 印加電力を15ワツトとした以外は、実施例−1と同一
条件で強磁性金属粉末を処理した。
〔比較例−1〕 実施例−1と同一の条件で強磁性金属粉末の合成を行
つた後、乾燥空気を1体積%含有した窒素ガスを毎分20
00ccの一定流量で5時間導入して、前記強磁性金属粉末
の徐酸化条件を行つて、前記強磁性金属粉末の粒子表面
に酸化物の層を形成し、強磁性金属粉末の処理を終了し
た。
〔比較例−2〕 実施例−2において、表面酸化膜の生成をプラズマ中
に90分曝した以外は、実施例−2と同一の条件で強磁性
金属粉末を処理した。
〔比較例−3〕 比較例−1で得られた強磁性金属粉末を、乾燥空気を
毎分2000ccの一定流量で流しつつ、80℃で5時間熱処理
を施した。
以上のようにして得られた各強磁性金属粉末につき、
その比表面積及び飽和磁化量を(σ)測定した。さら
に各強磁性金属粉末を60℃90%RHの雰囲気下に7日間放
置した後の飽和磁化量(σ′)も測定して、その保存
安定性を評価した。
得られた結果を第1表に示す。
(磁気テープの作成) 前記のようにして得られた各強磁性金属粉末を用いて
以下の条件で磁気テープを作成した。
以上のようにして得られた磁気テープについて、その
飽和磁束密度(Bm)を測定した。また、60℃90%RH下に
7日間放置した後の飽和磁束密度(Bm′)を測定して、
(Bm−Bm′)/Bmをもつてその保存耐久性の目安とし
た。
得られた結果を第2表に示す。
第2表の結果は、実施例1および実施例2が比較例に
比べて飽和磁束密度が高いままで、保存経時後の(Bm−
Bm′)/Bmが小さいことを示す。
一般に、強磁性金属粒子の表面の酸化膜の厚さが薄い
と飽和磁化量が高くなるが酸化安定性が劣化することお
よび酸化安定性の改良のために酸化膜の緻密度を高める
ことが言われている中で、この結果により、表面酸化膜
中のマグヘマタイトの結晶子サイズが酸化膜厚の0.70乃
至1.2で、酸化膜厚25乃至40Åが特に優れることがわか
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に酸化膜を有する鉄を主成分とした金
    属微粒子よりなる強磁性金属粉末において、該酸化膜中
    に存在するマグヘマイトの結晶子サイズDγは、前記酸
    化膜の厚さDoxの0.70乃至1.2倍の大きさであり、かつ前
    記Doxは25乃至40Åであることを特徴とする強磁性金属
    粉末。
  2. 【請求項2】非磁性支持体上に強磁性金属粉末と結合剤
    樹脂とを主体とする磁性層を有する磁気記録媒体に於
    て、該強磁性金属粉末が請求項1記載の強磁性金属粉末
    である磁気記録媒体。
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