JP2978036B2 - セメント系硬化材の着色工法及びそれに使用する型枠板 - Google Patents

セメント系硬化材の着色工法及びそれに使用する型枠板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はコンクリートやモルタ
ルなどのセメント系硬化材に着色材料を浸透或いは混合
させて着色するセメント系硬化材の浸透着色工法及びそ
れに使用する型枠板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートやモルタルなどのセメント
系硬化材に着色を施し、硬化材の表面を岩などの自然物
に似せることが採用されている。例えば工場で、硬化材
を打設する型枠の表面に顔料や染料などの着色材料を塗
布しておき、この型枠にコンクリートやモルタルを打設
して模擬岩を型取った板を形成し、これを現場に運んで
積み上げ、この板の背面側にコンクリートなどを打設し
て擁壁などを構築することがある。擁壁の表面には着色
材料が混ざった板が表われ、自然石に似た風合いを醸し
出すものである。
【0003】また現場にて施工する場合には、予め着色
材料を塗布した発泡合成樹脂材からなる型枠板を並べて
積み上げ、この型枠板に接するようにコンクリートなど
を打設して、表面が着色されて自然の風合いを持つ塀な
どを構築するものである。
【0004】
【この発明が解決しようとする課題】上記した工場など
でセメント系硬化材に着色を施す際の問題は、型枠に硬
化材を流し込んだ後に、バイブレーターによって振動を
与えるため、型枠板表面に塗布した着色材料が流れてし
まうことである。図5に示すように、型枠板aの表面に
は、自然石を模すために凹凸bが形成されており、この
表面一面に着色材料cが塗布されている。しかしなが
ら、型枠に振動を与えると塗布しておいた着色材料cが
流し込んだ硬化材中に溶け出して、コンクリートととも
に移動し、型枠の四周近くに偏ってしまっていた。結果
的に、四周近くの表面だけが着色された板が形成され、
色むらのある製品となっていた。特に、型枠板a表面に
は油などの離型剤を塗っておき、その上に着色材料cを
塗布する場合は乾き難く、余計に振動によって着色材料
cが移動し易くなる。また着色材料を完全に乾かして着
色材料が移動し難くしようとすると、今度は生産の間隔
が空き過ぎてしまい、生産効率が著しく低下してしま
う。また脱型剤が水性のものであると、完全に乾かせる
と今度は脱型が難しくなり、型枠或いは製品が壊れてし
まうことがある。
【0005】現場にて着色材料を塗布した型枠板を使用
してコンクリートなどを打設する場合には、コンクリー
トを型枠内に流し込んでいる間に着色材料が流れ出し
て、コンクリートの流れ落ちとともに、着色材料が移動
してしまうという課題を有していた。すなわち、図7に
示すように、型枠板dの表面に着色材料cを塗布してお
いても、打設したコンクリートeが動くことによって、
型枠板dからコンクリートe中に流れた着色材料cも共
に移動してしまう。特に高スランプの流れ易いコンクリ
ートeの場合は、着色材料cの移動も激しく、図7でコ
ンクリートeの山の左右に移動してしまい、やはり色む
らが出来ていた。これを出来る限り防ぐために、コンク
リートeの流れ落ちを少なくするため一度打ったコンク
リートeのすぐ隣にコンクリートeを打設してスランプ
を防ぐ工夫もしているが、打設作業が著しく面倒だとい
う課題を有していた。
【0006】この発明は以上のような課題を解決するた
めになされたもので、着色材料の移動がなく、製品や構
造物に色むらが生じず、また生産効率を著しく高めるこ
とが可能なセメント系硬化材の着色工法及びそれに使用
する型枠板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるセメン
ト系硬化材の着色工法及びそれに使用する型枠板は、工
場生産でセメント系硬化材を使用して硬化材からなる板
を形成する場合にも、或いは現場でセメント系硬化材を
型枠に打設して構造物などを構築する場合のいずれにも
実施できる。この発明で型枠板とは、工場などではセメ
ント系硬化材を流し込む型枠を構成する板であり、現場
では表面着色を施そうとする側に設置する型枠を構成す
る板を言うものである。型枠板は通常の材料が使用で
き、鋼板、合板、ゴムなど様々な材料が使用できる。ま
た発泡合成樹脂材を使用した捨て型枠材も型枠板に含め
る。
【0008】この型枠板のセメント系硬化材との接触面
に、透水性材料を置く、或いは付着させる。セメント系
硬化材とは、コンクリート、モルタル、セメントミルク
などを差す。着色材料とは、顔料若しくは染料、或いは
顔料と染料との混合材料を水などの液体中に分散させた
ものである。顔料や染料は、従来の無機系や有機系のも
のが使用できる。分散させるとは、水や溶剤などの分散
液中に粒子状に分散させるもので、不溶性の微粉末であ
る顔料や、顔料よりも小さい粉末粒子である染料が分散
液の中に分布して、液体が顔料や染料の色に色付く状態
である。透水性材料とは、細かい目を有して水やセメン
トの粒子などを通過させる材料であり、通常の木綿など
の布状の繊維や不織布、紙、ガラス繊維、石綿、合成樹
脂製繊維など様々な材料が採用できる。透水性を確保す
るため、これらのものに小さな孔を多数空けておくなど
の工夫も採用できる。
【0009】この透水性材料に、上記した着色材料を含
ませておく。含ませるとは、透水性材料に塗ってもよい
し、浸して含浸させるなども採用できる。この透水性材
料を型枠板の上に置く、或いは接着剤によって接着して
おく。型枠板としてはゴム製や合板製、或いは鋼製のも
のなど、従来のものが使用できる。また使い捨ての発泡
合成樹脂材によって成形した型枠板も採用できる。セメ
ント系硬化材をこの型枠板の透水性材料に接するように
打設し、透水性材料に含ませた着色材料をセメント系硬
化材中に浸透、或いは混合させ着色させる。また含ませ
るためには、まず透水性材料を型枠板に付着させ、その
後に着色材料を塗るなどして含ませることも可能であ
る。
【0010】着色材料は中性、酸性でも良いが、アルカ
リ性にすることもある。セメント系硬化材は通常PH1
2〜13のアルカリ性であり、これと馴染ませるために
着色材料もアルカリ性にしておくと、硬化材中への着色
材料の浸透が良好になる。着色材料はPH8〜13程度
が好適である。このアルカリ性にする材料としては様々
な材料が採用でき、水酸化ナトリウム、カリウム、消石
灰などの塩基系物質なども採用できる。この材料を着色
材料にそのまま混ぜて攪拌すれば、着色材料がアルカリ
化する。
【0011】
【作用】着色材料を含ませた透水性材料が型枠板の一面
に置く、或いは接着してあり、工場でバイブレーション
をかけて硬化材が型枠内で移動して、透水性材料に含ま
せた着色材料の一部が硬化材とともに移動する。しかし
ながら、着色材料の大部分は透水性材料の中に残留し、
この透水性材料を通過する硬化材の粒子と混ざることに
なる。その粒子は透水性材料と型枠板の表面との間に抜
け、着色された硬化材の層となる。着色材料がアルカリ
性であると、セメント系硬化材との馴染みが更に良好に
なる。現場での施工の場合には、硬化材がスランプして
流れても、やはり着色材料は流れ出さず、硬化材の粒子
に混じって、表面にムラのない着色ができる。透水性材
料は硬化した硬化材の中に残置しておく。透水性材料が
硬化材表面を補強し、特に透水性材料がガラス繊維など
であれば、補強度はより高くなる。
【0012】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づきこの発明を詳
細に説明する。図1において1は型枠であり、工場でコ
ンクリート板を生産する場合に使用するものである。型
枠1はゴム製の箱形であり、底面側が型枠板2となって
いる。型枠板2には、表面に模擬石材を形取るための凹
凸が形成されている。この凹凸の凹部分3に、所要に切
った透水性材料4がそれぞれ置かれている。透水性材料
4としては不織布が使用され、透水性材料4には顔料を
分散させた着色材料が含浸させてある。この上にセメン
ト系硬化材であるコンクリート5を打設する。バイブレ
ーターのテーブル9を振動させてコンクリート5に振動
を与えると、コンクリート5は型枠1内で対流するよう
に移動するが、着色材料はあまり移動しない。代わり
に、透水性材料4を通過するコンクリート5の中の粒子
を着色材料が混じり、透水性材料4と型枠板2表面との
間に、着色された層が形成される。
【0013】図2において4は一枚ものの透水性材料で
あり、型枠1の上に被せるように置いたものである。こ
のような場合も、コンクリート5の打設、振動などの作
業手順は同じであり、やはり硬化材の粒子は透水性材料
4を通って表面に着色された層が形成される。型枠1の
型枠板2はフラットな表面だけでなく、図1に示すよう
に凹凸を有する場合も、このように一枚ものの透水性材
料4が使用できる。
【0014】図3に示すのは現場打ちの施工を示すもの
であり、発泡合成樹脂材からなる型枠板2を複数枚立て
て積み、これを合板製の板6によって支える。型枠板2
の凹部分3には着色材料を含浸させた透水性材料4がそ
れぞれ接着剤によって接着してある。この型枠板2と、
型枠板2と向き合わせた堰板7との間に、コンクリート
5を打設する。コンクリート5がスランプして流れて
も、着色材料は透水性材料4に含浸しているため、容易
に流れ出さない。図4に示すように、コンクリート5中
の粒子は透水性材料4を通過して、型枠板2表面との間
に着色された層8が形成される。このような現場打ちの
施工は、工場で断面L形のL形擁壁を形成する作業と似
ており、L形擁壁のように型枠板2を立てて打つ場合に
応用可能である。
【0015】以上の実施例では、着色材料に表面硬化剤
を混ぜていないが、着色材料が乾燥し切らない状態でセ
メント系硬化材を打設する場合にあっては、着色材料中
にアクリル樹脂などの表面硬化剤を混ぜてもよい。完全
にセメント系硬化材中に混ざり切らない顔料や染料など
があっても、これを表面硬化剤が固めてしまい、手で触
れても顔料等が落ちることがなくなる。
【0016】
【発明の効果】この発明は以上のような構成を有し、以
下のような効果を得ることができる。 着色材料は透水性材料に含ませておくため、バイブレ
ーターの振動やスランプによってセメント系硬化材が移
動しても着色材料は余り移動しない。 着色材料は透水性材料を通った硬化材中の粒子に付着
したり混じり、表面に着色した層が確実に形成されるた
め、色ムラなく着色が可能となる。 着色材料をアルカリ性にすることにより、着色材料の
硬化材中への浸透が良好になり、多少欠けても硬化材の
地膚が露出しない程、着色層が厚くなる。 透水性材料を硬化材中に残置するため、透水性材料が
硬化材を補強し、より表面が強固となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】型枠内に透水性材料を置いた状態の斜視図であ
る。
【図2】型枠に透水性材料を被せた状態の斜視図であ
る。
【図3】現場での施工状態の斜視図である。
【図4】現場での施工状態の断面図である。
【図5】従来の型枠による製造状態の平面図である。
【図6】従来の型枠による製造状態の断面図である。
【図7】従来の現場での施工状態の説明図である。
【符号の説明】
1 型枠 2 型枠板 3 凹部分 4 透水性材料 5 コンクリート 6 板 7 堰板 8 層

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型枠板のセメント系硬化材との接触面
    に、顔料若しくは染料或いは両者の混合材料を分散させ
    た着色材料を含ませた透水性材料を置く、或いは付着さ
    せ、セメント系硬化材を打設して透水性材料に含ませた
    着色材料をセメント系硬化材中に浸透或いは混合させて
    着色するセメント系硬化材の着色工法。
  2. 【請求項2】 着色材料はアルカリ性であることを特徴
    とする請求項1記載のセメント系硬化材の着色工法。
  3. 【請求項3】 透水性材料として布状繊維を採用したこ
    とを特徴とする請求項1記載のセメント系硬化材の着色
    工法。
  4. 【請求項4】 顔料若しくは染料或いは両者の混合材料
    を分散させた着色材料を含ませた透水性材料を、セメン
    ト系硬化材との接触面に付着してなるセメント系硬化材
    着色型枠板。
  5. 【請求項5】 着色材料はアルカリ性であることを特徴
    とする請求項4記載のセメント系硬化材着色型枠板。
  6. 【請求項6】 透水性材料として布状繊維を採用したこ
    とを特徴とする請求項4記載のセメント系硬化材着色型
    枠板。
  7. 【請求項7】 型枠板は発泡合成樹脂材により形成して
    なることを特徴とする請求項4記載のセメント系硬化材
    着色型枠板。
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