JP2954631B2 - コーティング剤組成物 - Google Patents

コーティング剤組成物

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JP2954631B2 JP2024390A JP2439090A JP2954631B2 JP 2954631 B2 JP2954631 B2 JP 2954631B2 JP 2024390 A JP2024390 A JP 2024390A JP 2439090 A JP2439090 A JP 2439090A JP 2954631 B2 JP2954631 B2 JP 2954631B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は透湿性を有するポリウレタン系樹脂の塗膜や
フィルムを形成するためのコーティング剤組成物に関す
るものである。
[従来の技術] 布帛等の多孔質基材に実質的に無孔質である親水性ポ
リウレタン系樹脂の層を形成することにより、衣料用材
料などの用途に適した透湿性材料を製造することが知ら
れている。この親水性ポリウレタン系樹脂の層は高湿側
から水分を吸収し、低湿側に水分を放出することによっ
て透湿作用を発揮する。無孔質の親水性ポリウレタン系
樹脂の層は、従来の湿式凝固法、溶解性微小粒子の溶出
による方法、発泡法などにより形成された微小な孔を多
数有するポリウレタン系樹脂層に比較して孔の目づまり
がなく、かつ防水性も優れている。このような親水性ポ
リウレタン系樹脂の層を設けた多孔質基材に関しては、
たとえば特開昭58−203172号公報や、特開昭58−222840
号公報などに記載されている。
親水性ポリウレタン系樹脂の層を形成するには、親水
性ポリウレタン系樹脂の溶液や分散液、親水性ポリウレ
タン系樹脂の原料混合物あるいはその溶液や分散液など
からなるコーティング剤組成物を直接にあるいは間接的
に多孔質基材に塗布して塗膜を形成する方法が一般的に
採用される。間接的にとは、剥離性基材上に完全には硬
化していない塗膜を形成した後多孔質基材にその塗膜を
積層する方法をいい、場合によっては、その積層の際接
着剤を用いてもよい(前記特開昭58−203172号公報参
照)。また、充分に硬化した親水性ポリウレタン系樹脂
のフィルムをまず製造し、このフィルムを多孔質基材に
積層することもできる。このフィルムは通常上記コーテ
ィング剤組成物を剥離性基材上に塗布して硬化させて製
造され、これを剥離性基材から剥離したフィルムを多質
基材に積層するか、剥離性基材に担持したまま多孔質基
材と積層した後剥離性基材を剥離する方法で多孔質基材
と積層される。積層は親水性ポリウレタン系樹脂自体の
接着性や融着性を利用することができ、また接着剤を用
いることもできる。接着剤として透湿性のある接着剤
(特に接着層を薄くすることにより透湿性を高めること
ができる)を用いたり、接着剤を部分的に(たとえば点
状や線状)配置することにより透湿性を保持させること
ができる。
親水性ポリウレタン系樹脂は通常親水性の高いポリオ
ールとポリイソシアネート化合物を主原料として反応さ
せて得られる。多くの場合、親水性の高いポリオールと
ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるイソシ
アネート基含有プレポリマーとそのプレポリマーの硬化
剤との組み合せからなる二液型コーティング剤組成物が
用いられる。硬化剤しては低分子量の多官能活性水素化
合物、たとえばジオールやジアミンが用いられる。
[発明の解決しようとする課題] 親水性のポリウレタン系樹脂は、前記のように親水性
の高いポリオールとポリイソシアネート化合物を主たる
原料として得られる。親水性の高いポリオールとしては
通常ポリオキシエチレングリコールが用いられていた。
しかし、ポリオキシエチレングリコールの使用は種々の
問題がある。第1により高い透湿性が望まれる場合、従
来のポリオキシエチレングリコールを用いた親水性ポリ
ウレタン系樹脂では満足し得ない場合がある。即ち、こ
の親水性ポリウレタン系樹脂の透湿性は限界があり、そ
れ以上の透湿性の達成は困難である。第2に、イソシア
ネート基含有プレポリマーを硬化剤で硬化させる場合な
どの硬化における硬化速度が極めて遅く、比較的高速で
塗布硬化させることが困難であり、工程上あるいは経済
上問題があった。第3に、ポリオキシエチレングリコー
ルを用いたイソシアネート基含有プレポリマーは常温で
固体あるいは極めて高粘度の液体となり、その取り扱い
に不都合をきたしていた。通常、このプレポリマーは溶
剤に溶解して用いることが多かったが、溶剤を用いると
環境衛生上あるいは経済上の問題を生じ易く、溶剤量の
減少や実質的に溶剤を含まないコーティング剤組成物が
望まれていた。第4に、ポリオキシエチレングリコール
を用いて得られるポリウレタン系樹脂の機械的物性が必
ずしも満足し得ない場合があった。従来のポリウレタン
系樹脂では柔軟で伸びの大きい塗膜やフィルムが得られ
るが、機械的強度が低く、従って、柔軟性や伸びをある
程度保持してしかも機械的強度が高い塗膜やフィルムが
望まれる場合には満足できないものであった。
本発明者らは以前上記問題点を解決するコーティング
剤組成物を提案した(特開昭62−57467号公報参照)。
しかしながら、このコーティング塗膜は、伸びと透湿性
の面で未だ改良の余地があった。
[課題を解決するための手段] 本発明は前記の伸びと透湿性の問題を解決した、親水
性のポリウレタン系樹脂の塗膜やフィルムを形成するた
めのコーティング剤組成物を提供する下記の発明であ
る。
透湿性有しかつ実質的に無孔質である親水性ポリウレ
タン系樹脂の塗膜やフィルムを形成するためのコーティ
ング剤組成物であって、該コーティング剤組成物は下記
ポリオキシエチレン系ポリオール(a)とポリオキシエ
チレン系ジオール(b)の混合物と過剰当量のジフェニ
ルメタンジイソシアネートを反応させて得られるイソシ
アネート基含有プレポリマーを必須成分として含み、該
ポリオール混合物が、オキシエチレン基含有量60重量%
以上、水酸基価28〜80、水酸基数3以上のポリオキシエ
チレン系ポリオール(a)5〜30重量%とオキシエチレ
ン基含有量60重量%以上、水酸基価28〜80、のポリオキ
シエチレン系ジオール(b)70〜95重量%の混合物でか
つ該混合物の平均水酸基価38〜70、平均オキシエチレン
基含有量が70〜90重量%であり、かつ該ポリオール混合
物とジフェニルメタンジイソシアネートの合計に対する
ジフェニルメタンジイソシアネートの量が25重量%以下
であることを特徴とするコーティング剤組成物。
本発明のコーティング剤組成物はポリオール混合物と
過剰当量のジフェニルメタンジイソシアネートをあらか
じめ反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリ
マー(以下、プレポリマーという)を含む組成物であ
る。プレポリマーを含むコーティング剤組成物はさら
に、その硬化のための硬化剤の使用を必要とする。イソ
シアネート基含有プレポリマーの硬化剤としてはポリオ
ール、ポリアミン、ポリチオール、ポリカルボン酸など
のイソシアネート基と反応しうる活性水素含有官能基を
2以上有する化合物や水が用いられる。なお、この硬化
剤としての水は空気中の水分であってもよく、このタイ
プのイソシアネート基含有プレポリマーは湿気硬化性を
有する。
本発明におけるポリオキシエチレン系ポリオール
(a)は3価以上のイニシエーターにエチレンオキシド
あるいはそれとエチレンオキシド以外のモノエポキシド
を付加して得られる。同様に、ポリオキシエチレン系ジ
オール(b)は2価のイニシエーターにエチレンオキシ
ドあるいはそれとエチレンオキシド以外のモノエポキシ
ドを付加して得られる。イニシエーターは、水酸基、ア
ミノ基、イミノ基、カルボキシル基などのエポキシドが
付加しうる官能基を有し、かつその官能基の水素原子の
数が3個以上あるいは2個である化合物である。即ち、
たとえば水酸基は1官能性基、アミノ基(‐NH2)は2
官能性基、イミノ基(>NH)は1官能性基である。これ
らの合計が3官能以上、好ましくは3〜4官能、特に3
官能である化合物がポリオール(a)のイニシエーター
として用いられ、2官能である化合物がジオール(b)
のイニシエーターとして用いられる。好ましくは、多価
アルコール、多価フェノール、アルカノールアミン、ポ
リアミンなどの化合物がイニシエーターとして用いられ
る。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、低分子量ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリ
トール、ジグリセリン、デキストロース、シュークロー
ス、アニリン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジアミ
ノトルエン、ジアミノジフェニルメタン、ビスフェノー
ルAなどがある。これらイニシエーターは2種以上併用
することができる。特に好ましいイニシエーターはグリ
セリンやトリメチロールプロパンなどの3価アルコール
とエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価ア
ルコールである。
エチレンオキシド以外のモノエポキシドとしては、プ
ロピレンオキシドやブチレンオキシドなどの炭素数3以
上のアルキレンオキシドが好ましいが、他のエポキシド
を単独であるいはアルキレンオキシドとともに用いるこ
ともできる。たとえば、スチレンオキシド、エピクロル
ヒドリン、グリシジルアルキル(あるいはアリール)エ
ーテルなどを用いることができる。特に好ましいエチレ
ンオキシド以外のモノエポキシドはプロピレンオキシド
である。イニシエーターに対するエチレンオキシドとプ
ロピレンオキシド等の付加方法は特に限定されず、ブロ
ック状あるいはランダム状に付加させることができる
が、ランダム状に付加させることが好ましい。
ポリオキシエチレン系ポリオール(a)とポリオキシ
エチレン系ジオール(b)はそれぞれ60重量%以上のオ
キシエチレン基を含有することが必要である。好ましく
は70〜95重量%、特に70〜90重量%、のオキシエチレン
基を有する。オキシエチレン基以外の構成成分はイニシ
エーターの残基、あるいはそれとエチレンオキシド以外
のモノエポキシドに由来する残基からなる。好ましく
は、少なくとも5重量%のエチレンオキシド以外のモノ
エポキシドの残基、好ましくは炭素数3〜4のアルキレ
ンオキシドの残基(即ち、オキシアルキレン基)を有す
る。オキシアルキレン基がオキシエチレン基のみからな
るポリオキシアルキレンポリオールは一般的に固体とな
り易く取り扱いが困難である。また、後述プレポリマー
の固体化や高粘度化の原因となり易い。より好ましく
は、上記ポリオール(a)、(b)は少なくとも約8重
量%のオキシエチレン基以外のモノエポキシドの残基、
特にプロピレンオキシドの残基(即ち、オキシプロピレ
ン基)を有する。このような、オキシプロピレン基等を
有するポリオキシエチレン系ポリオールは通常常温で液
状であり、取り扱いが容易でかつプレポリマーの粘度も
低いものとなる。なお、上記ポリオール(a)、(b)
中のオキシエチレン基はポリウレタン系樹脂に親水性を
もたらす基であり、この含有量が低いと親水性低下の原
因となる。
ポリオキシエチレン系ポリオール(a)とポリオキシ
エチレン系ジオール(b)の水酸基価はそれぞれ28〜80
であることが必要である。水酸基価がこれよりも高いと
ポリウレタン系樹脂の柔軟性や風合い低下の原因となる
とともに、相対的にポリウレタン系樹脂の親水性の低い
ハードブロックが増大し親水性低下の原因となる。ま
た、水酸基価がこれよりも低いとプレポリマーの粘度を
上昇させ、またプレポリマーと硬化剤との反応速度を低
下させる原因となる。また、ポリオキシエチレン系ポリ
オールの親水性が低下し、ポリウレタン系樹脂の親水性
低下の原因ともなる。ポリオキシエチレン系ポリオール
(a)、および同ジオール(b)のより好ましい水酸基
価の上限は70であり、下限は38である。
本発明におけるポリオール混合物はポリオキシエチレ
ン系ポリオール(a)5〜30重量%とポリオキシエチレ
ン系ジオール(b)70〜95重量%との組み合せからな
る。ポリオキシエチレン系ジオール(b)の量が70重量
%より少ないと得られるプレポリマーの粘度が高く、加
工性に支障をきたす。さらに硬化剤で硬化させた塗膜は
伸びや透湿性が不充分となる。ポリオキシエチレン系ジ
オール(b)の量が95重量%よりも多くなると硬化塗膜
にタックが残り、機械的強度や耐久性が不充分となる。
また、前記したように高い透湿性能の発揮のためにオキ
シエチレン基含有量は高い必要がありまたプレポリマー
の粘度が低いためにはその含有量の上限は一定限度以下
である必要がある。従って、ポリオール混合物の平均の
オキシエチレン基含有量は、70〜90重量%である必要が
ある。同様にポリオール混合物の平均の水酸基価は38〜
70である必要があり、特に42〜60が好ましい。
前記のように、ポリオール混合物とそれよりも過剰当
量のジフェニルメタンジイソシアネートとを反応させて
イソシアネート基含有プレポリマーが得られる。このイ
ソシアネート基含有プレポリマーはポリオール混合物と
ジフェニルメタンジイソシアネートを、任意にウレタン
化触媒や溶剤などの存在下に、通常は加熱下に反応させ
て得られる。ジフェニルメタンジイソシアネートの使用
量は、ポリオール混合物とジフェニルメタンジイソシア
ネートの合計に対してジフェニルメタンジイソシアネー
トが25重量%以下である必要がある(勿論、同時にポリ
オール混合物に対して過剰当量である必要がある)。そ
の使用量が多いと硬化塗膜の透湿性を著しく低下させる
原因となり、また塗膜の伸びや柔軟性を低下させる原因
となる。また、当量比(水酸基に対するイソシアネート
基の数)は、1.5〜2.8、特に2.0〜2.6、が好ましい。従
って、多くの場合プレポリマーは未反応のジフェニルメ
タンジイソシアネートを含む。この未反応のジフェニル
メタンジイソシアネートを含めてイソシアネート基含有
プレポリマーのイソシアネート基含有量は2〜12重量%
であることが好ましく、特に3〜8重量%が好ましい。
本発明において、イソシアネート基含有プレポリマー
の粘度は従来のポリオキシエチレングリコールを用いた
同様のプレポリマーに比較して極めて低い。代表的なポ
リオキシエチレングリコールである分子量約2000のポリ
オキシエチレングリコールを使用して得られるイソシア
ネート基含有プレポリマーは常温で固体である。これに
対し、本発明におけるイソシアネート基含有プレポリマ
ーは通常常温で液体であり、固体となる場合があっても
その融点は従来のものよりもはるかに低い。好ましく
は、本発明におけるプレポリマーは25℃における粘度は
約2万センチポイズ以下、特に約1万センチポイズ以下
であるものが好ましい。このような低粘度のプレポリマ
ーは溶剤を使用することなく塗布可能なコーティング剤
組成物とすることができ、本発明のコーティング剤組成
物は実質的に溶剤を含まない組成物であることが好まし
い。
ジフェニルメタンジイソシアネートとしては種々の化
合物やその混合物を用いることができる。たとえば、4,
4′‐ジフェニルメタンジイソシアネートをはじめ、そ
れ以外の異性体、それらの混合物などがある。さらに、
2官能性のその変性物も使用できる。変性物としては、
たとえば、エチレングリコールなどの2価アルコールで
変性したプレポリマー型変性物や、カルボジイミド変性
物、ウレア変性物、二量体などがあり、そのイソシアネ
ート基含有量は、特に限定されないが、18重量%以上が
好ましい。
上記イソシアネート基含有プレポリマーの硬化には硬
化剤が必要である。硬化剤としては前記のように活性水
素含有官能基を2以上有する化合物が用いられ、特に比
較的低分子量のポリオール、アルカノールアミン、ある
いはポリアミンが採用される。特に好ましい硬化剤は分
子量400以下の、特に分子量約300以下、特に約200以下
のジオールやジアミン、たとえばエチレングリコール、
1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘ
キサンジオール、エチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ジクロルベンチジ
ン、イソホロンジアミンなどが好ましい。また、液状の
水を硬化剤として用いることもできるが、発泡により塗
膜が多孔質化するおそれがあり、通常は用いられない。
また、場合によってはコーティング剤組成物中には硬化
剤を配合せずに、塗布したプレポリマーを空気中の水分
やポリアミン蒸気などで硬化させることも可能である。
硬化剤の使用量は、イソシアネート基含有プレポリマー
1当量に対し、約0.6〜1.6当量、特に約0.8〜1.4当量で
あることが好ましい。
本発明のコーティング剤組成物は、前記のようにポリ
オール組成物とポリイソシアネート化合物、プレポリマ
ーとその硬化剤などの主たる原料以外に種々の成分を配
合することができる。この任意に配合しうる成分とし
て、溶剤がある。特に粘度の高いプレポリマーが用いら
れる場合、溶剤の使用が望ましいが、プレポリマーの粘
度(25℃)が約1万センチポイズ以下であれば、実質的
に無溶剤のコーティング剤組成物とすることができる。
他の任意に配合しうる成分としては安定剤がある。たと
えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤と呼ばれて
いる種々の安定剤を配合することができる。また、硬化
反応を促進するため第3級アミンや有機スズ化合物など
のウレタン化触媒を配合することもできる。その他、難
燃剤、充填剤、着色剤、可塑剤、その他の成分を任意に
配合することができる。
本発明のコーティング剤組成物は多孔質基材や剥離性
基材に塗布し硬化し塗膜やフィルムを得る用途に使用さ
れる。得られる塗膜やフィルムは実質的に無孔質でなく
てはならない。従って、湿式凝固法などの多孔質膜を形
成する硬化方法は採用されない。本発明のコーティング
剤組成物より得られる塗膜やフィルムは場合により気泡
を有するフォーム状のものであってもよい。即ち、実質
的に通気性を有しないフォーム状の塗膜やフィルムであ
ってもよい。しかし、本発明のコーティング剤組成物か
ら得られる塗膜やフィルムは実質的に無気泡質、即ち実
質的に中実の塗膜やフィルムであることが好ましい。
以下、本発明を実施例等により具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例] 実施例1 グリセリンにエチレンオキシドとプロピレンオキシド
の混合物(重量比80:20)を付加して得られた水酸基価4
7.0のトリオール80部(重量部、以下同じ)とプロピレ
ングリコールにエチレンオキシドとプロピレンオキシド
の混合物(重量比80:20)を付加して得られた水酸基価5
6.1のジオール700部の混合物に4,4′‐ジフェニルメタ
ンジイソシアネート220部を加え、80℃で3時間反応さ
せてイソシアネート基含有量4.5重量%のイソシアネー
ト基含有プレポリマーを得た。このプレポリマーの粘度
(25℃、以下同じ)は8000cp(センチポイズ、以下同
じ)で常温で透明な液体であった。
上記プレポリマー200部にエチレングリコール5.53部
〔イソシアネート基/水酸基の数の比(以下NCO/OHで表
わす)は1.2〕を加えて混合し、離型紙面上に0.05mm厚
に塗布し、これを70デニールナイロンタフタに貼り合せ
て100℃の恒温室に3時間放置して硬化させた後離型紙
を剥離した。この生地を用いて、JIS-Z-0208の規定に従
って透湿度を測定した。
一方、同じプレポリマーとエチレングリコールを同じ
割合で混合して離型紙面上に0.2mm厚に塗布した後上記
と同様に硬化させ、厚さ0.2mmのフィルムを得た。この
フィルムを用いてその機械的物性をJIS-K-6301の規定に
従って測定した。
さらに、同じプレポリマーとエチレングリコールとを
同じ割合で混合し、100℃でゲル状態に達するまでの時
間(以下、ゲル化時間という)を測定した。
これらの試験結果を下記第1表に示す。
比較例1 実施例1で用いたと同じ水酸基価47.0のトリオール73
部と水酸基価56.1のジオール657部の混合物に4,4′‐ジ
フェニルメタンジイソシアネート270部を加え80℃、3
時間反応させてイソシアネート基含有量6.0重量%のプ
レポリマーを得た。このプレポリマーと実施例1と同じ
割合のエチレングリコールを使用して実施例1と同じ試
験を行った。プレポリマーの粘度、および試験結果を第
1表に示す。
比較例2 実施例1で用いたと同じ水酸基価47.0のトリオール37
9部と水酸基価56.1のジオール379部の混合物に4,4′‐
ジフェニルメタンジイソシアネート242部を加え80℃、
3時間反応させてイソシアネート基含有量5.2重量%の
プレポリマーを得た。このプレポリマーと実施例1と同
じ割合のエチレングリコールを使用して実施例1と同じ
試験を行った。プレポリマーの粘度、および試験結果を
第1表に示す。
比較例3 実施例1で用いたと同じ水酸基価56.1のジオール770
部のみに4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート230
部を加え90℃、3時間反応させてイソシアネート基含有
量4.45重量%のプレポリマーを得た。このプレポリマー
と実施例1と同じ割合のエチレングリコールを使用して
実施例1と同じ試験を行った。プレポリマーの粘度、お
よび試験結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明のコーティング剤組成物は高い透湿性の塗膜や
フィルムの製造を可能とするとともに、硬化速度が速く
工程上有利に使用できるものである。さらに、プレポリ
マーの粘度が低く、溶剤を含まないコーティング剤組成
物を得ることができ、環境衛生上有利であるばかりでな
く、硬化のためのエネルギーコストが少ないなど経済的
にも有利である。さらに、伸びと他の機械的物性が高く
かつそのバランスが良好で、強度が高くかつ柔軟なフィ
ルムや風合いの良好な積層生地などを得ることができる
などの特徴を有する。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透湿性有しかつ実質的に無孔質である親水
    性ポリウレタン系樹脂の塗膜やフィルムを形成するため
    のコーティング剤組成物であって、 該コーティング剤組成物は下記ポリオキシエチレン系ポ
    リオール(a)とポリオキシエチレン系ジオール(b)
    の混合物と過剰当量のジフェニルメタンジイソシアネー
    トを反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリ
    マーを必須成分として含み、 該ポリオール混合物が、オキシエチレン基含有量60重量
    %以上、水酸基価28〜80、水酸基数3以上のポリオキシ
    エチレン系ポリオール(a)5〜30重量%とオキシエチ
    レン基含有量60重量%以上、水酸基価28〜80、のポリオ
    キシエチレン系ジオール(b)70〜95重量%の混合物で
    かつ該混合物の平均水酸基価38〜70、平均オキシエチレ
    ン基含有量が70〜90重量%であり、かつ該ポリオール混
    合物とジフェニルメタンジイソシアネートの合計に対す
    るジフェニルメタンジイソシアネートの量が25重量%以
    下であることを特徴とするコーティング剤組成物。
  2. 【請求項2】ポリオキシエチレン系ポリオール(a)と
    ポリオキシエチレン系ジオール(b)がそれぞれ少なく
    とも5重量%のオキシエチレン基以外のオキシアルキレ
    ン基を有する、請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】コーティング剤組成物が、イソシアネート
    基含有プレポリマーとその硬化剤との組み合わせからな
    る、請求項1または2記載の組成物。
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