JP2948594B2 - モノクローナル抗体 - Google Patents

モノクローナル抗体

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JP2948594B2 JP63223053A JP22305388A JP2948594B2 JP 2948594 B2 JP2948594 B2 JP 2948594B2 JP 63223053 A JP63223053 A JP 63223053A JP 22305388 A JP22305388 A JP 22305388A JP 2948594 B2 JP2948594 B2 JP 2948594B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高分子型ヒト上皮細胞成長因子に対するモノ
クロナール抗体、その製造方法及び利用方法に関する。
〔従来の技術〕
ヒト上皮細胞成長因子は細胞分裂促進因子(mitogeni
c factor)としての働きが試験管内で知られており、組
織分化の促進、各種の癌に対するプロモーター作用など
が生体内で明らかにされている。また臨床的には角膜
炎、角膜潰瘍等の治療用点眼剤、胃潰瘍、火傷等の治療
薬としての可能性が検討されつつあるのはよく知られて
いる。
近年に至りヒト上皮細胞成長促進因子(以下hEGFと略
称)の前駆体の存在がmRNAの側から予測された(Alane
Grey et al.,Nature 303,722〜725(1983)、Robert J.
Rallet al.,Nature 313,728〜231(1985))。また別の
グループは尿中においてhEGFと免疫的に交差し、レセプ
ターを競合する物質の存在を示した(Charles D.Mount
et al.,Archives of Biochmistry and Biophysics 255,
1〜7(1987))。この物質(以下HMW−hEGFと略称)は
分子量約33,000ダルトンで0−グリコシル化されていた
(hEGFは約6,000ダルトン)。また本物質のアミノ酸配
列が上記mRNAから予測された配列の一部と全く一致し
た。これらのことから細胞内でより高分子の形で合成さ
れたhEGFが細胞外に分泌され、尿中に一部はhEGFとし
て、また他の一部は若干のプロセスを受けた前駆体とし
て尿中に存在することが推測された。彼らは尿のセライ
ト吸着物からDEAE−セルローズ、CM−セルローズ、セフ
アクリールS200及び逆相HPLC法等を用いてやゝ純品に近
いHMW−hEGFを得たが、その収率は約3%であった。ま
た塚本らのグループ(Biochemical and Biophysiol Res
each Communication 145,12.6〜133(1987))はバイオ
レックス−70イオン交換体、抗hEGF−セフアロース、セ
フアデックスG−50及びセフアクリルS−200によるゲ
ル過、さらに逆相HPLOを行ないHMW−hEGFを得、その
収率は1.4%であった。
最近さらに病理学的見地から重要な知見が明らかにさ
れた(Kurt Stromberg,at al.,Cancer Research 47,119
0〜1196(1987))。即ちヒト脳腫瘍患者尿中に著しく
高濃度のHMW−hEGFが存在することが発見され、しかも
手術により腫瘍を取り去ると尿中のHMW−hEGFは消失す
るという極めて興味ある報告である。このことからHMW
−hEGFの病理学的及び臨床的意義が高まってきた。
〔発明の解決しようとする課題〕
しかし前記のチャールズ・ディ・マウント(Charles
D.Mount)らの報告にも見られるように尿からHMW−hEGF
の抽出収率は極めて悪く本物質の応用へ向けての研究を
妨げている現状である。しかも本物質がその性質上hEGF
と免疫的に交差するため通常の方法では定量が困難であ
る。
従って脳腫瘍と体液中の本物質の濃度との関連を検討
するについても、本物質の簡便且つ正確な測定法が期待
されている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは大量の尿から独自の方法でHMW−hEGFを
分離、精製しこれを材料として抗HMW−hEGFモノクロナ
ール抗体産生ハイブリドーマを作製し、得られた細胞株
約1,000種の中からhEGFには反応しないが、HMW−hEGFの
み反応する株数種を発見し、これらの細胞株を利用して
抗HMW−hEGF抗体を多量生産、精製し検討を重ねた結
果、HMW−hEGFを選択的に定量し得る2つの酵素抗体法
による測定法の確立に成功した。
更に本抗体を固定化した担体を用いアフイニティーク
ロマトグラフをを行なうことにより、ヒト尿から迅速に
且つ簡便なHMW−hEGFを製造する方法を確立した。
本発明はこれらの新知見に基づくもので、イムノグロ
ブリンIgGに属し、約6,000ダルトンのヒト上皮細胞成長
因子を認識しないが、約33キロダルトンの高分子型ヒト
上皮細胞成長因子を認識するモノクロクロナール抗体;
約33キロダルトンの高分子型ヒト上皮細胞成長促進因子
を抗原として免疫されたホ乳動物とミエローマ細胞との
ハイブリドーマを培養し、その培養物から抗高分子型ヒ
ト上皮細胞成長因子モノクロナール抗体を採取すること
を特徴とする上記モノクロナール抗体の製造法;試料中
に含有される高分子型を含むヒト上皮細胞成長促進因子
を固定化し、これに上記のモノクロナール抗体を作用さ
せ、その作用量を酵素標識法により測定することを特徴
とする高分子型ヒト上皮細胞成長因子の酵素免疫測定
法;高分子型ヒト上皮細胞成長因子を含む液体を、前記
のモノクロナール抗体を固定した充填材のカラムに通し
て上記成長因子を充填材に吸着させ、次いでカラムから
上記成長因子を溶出することを特徴とする高分子型ヒト
上皮細胞成長因子の製造法;および高分子ヒト上皮細胞
成長因子を抗原として免疫されたホ乳動物の細胞とミエ
ローマ細胞のハイブリドーマである前記のモノクロナー
ル抗体を産生する株である。
本発明のモノクロナール抗体やハイブリドーマの製造
に必要なHMW−hEGFは既知の方法で得られるが、本発明
者らはヒト尿を硫安塩析した後アンバーライトIRA−9
3、DEAE−セファデックスA−25、のイオン交換クロマ
トを行なった後Bio−Gelp−10のゲル過、抗EGF−セフ
ァロースを用いたアフイニティクロマトグラフ、セファ
デックスG−100のゲル過を行なって約7%の収率でH
MW−hEGFを得た。(原料尿中のh−EGF+HMW−hEGFを10
0%として) 次に上に得たHMW−hEGFを用いて、たとえば、Balb/C
マウスのような動物を常法で免疫し、その脾臓を摘出
し、その中のリンパ球を精製した後、予め培養したミエ
ローマ細胞と融合させることによりHMW−hEGFに対する
モノクロナール抗体を産生するハイブリドーマが得られ
る。融合はポリエチレングリコールやエレクトロポレー
ション等を用いて行うことができる。ハイブリドーマ細
胞の選択はアミノプテリン耐性を利用したHAT培地を用
いて行なうことができる。抗体産生能を有するバイブリ
ドーマのスクリーニングはヒト尿から得たHMW−hEGFを
用いた酵素免疫側法で行なうことができる。このような
スクリーニングには他の免疫学的方法、即ちラジオイム
ノアツセイ、ラジオレセプタ−アツセイ、ラジオイムノ
プレシピーテーション、ウエスタンブロテイング等の方
法も用いられる。
本発明者らは以上述べたスクリーニングで約1000株の
中から4株のHMW−hEGF特異モノクロナール抗体産生株
を確立した。その1株は工業技術院微生物工業技術研究
所にFERM P−10249号として寄託された。更にHMW−hEGF
及びhEGFを認識する抗体産生株2株を得た。上記6種の
株は何れもマウス腹腔内でもよく生育し容易に大量の抗
体を得ることができる。
これらの抗体はよく知られた精製法、例えば塩析、イ
オン交換、プロテインAを用いたアフィニティクロマト
グラフ、ハイドロキシアパタイトを用いたクロマトグラ
フ等で高純度に精製される。更にそれらの抗体或いは抗
体をペプシンで消化することにより得られるFab′を用
いてELISHの系を組むことができる。その際抗体に直接
アルカリフオスフアターゼやペルオキシダーゼを結合さ
せて得られる酵素標識抗体を用いてもよく、或いは抗マ
ウスIgGなどを酵素標識したものを二次抗体として用い
てもよい。このような方法を組合せることにより、前記
HMW−hEGF特異モノクロナール抗体生産株の培養上清か
ら得られたモノクロナール抗体を利用して体液中のHMW
−hEGFをh−EGFの交差なしに特異的に測定することが
できる。なお上記モノクロナール抗体を用いて、ウエス
タン、ブロット法(Harry Towbin,et al.,Proc.Na+1.A
cad.Sci.USA76,4350〜4354(1979)を利用する測定法を
設定することができる。このHMW−hEGFの測定法は臨床
診断へのもう一つの応用法として非常に有用である。
即ち患者体液を電気泳動した後、蛋白を適当な支持体
例えばニトロセルローズ膜に熱処理或いは電気的に移行
させ、膜の非吸着部分を脱脂粉乳含有PBS(−)でブロ
ックした後、HMW−hEGF抗体と反応させ、酵素標識した
抗マウスIgG或いは125I標識したプロテインA等を用い
て膜上のHMW−hEGFを検出することができる。
さらに有用な成果は上記モノクロナール抗体をセファ
ロース等の担体に固定化してアフィニティクロマトグラ
フを作製できることである。またこのカラムを利用すれ
ばこれまで繁雑な方法で、しかも極めて低収率でしか得
られなかったヒト尿からHMW−hEGFの分離精製が一工程
でしかも高収率での行うことが可能になったことであ
る。
参考例 HMW−hEGFの抽出、精製は発明者らの昭和61年度日本
生化学会の報告に従って次のように行なった。ヒト新鮮
尿を硫酸アンモニウムで塩析した後、アンバーライトIR
A−93(オルガノ社製、東京)、DEAE−セファデックス
(ファルマシア、ジャパン社製、東京)のイオン交換樹
脂で精製、さらにBio Gel P−10(バイオラッド社製、
米国)でゲル過し、EGF活性の検出できる画分をポリ
クロナール抗体を固定したセファロース4B(ファルマ
シア、ジャパン製、東京)を用いてアフイニティクロマ
トグラフによって精製した。溶出液をセファデックスG
−100(ファルマシア、ジャパン社製、東京)でゲル
過し、高分子領域でhEGF活性を示す画分を得た。hEGF活
性はHela細胞を用いてラジオレセプターアッセイで測定
した。尿中のhEGF活性を100%としたとき、高分子分画
として回収されるhEGF活性は6〜8%であった。本画分
をSDS−電気泳動で分析すると、HMW−hEGFの純度は90%
以上であった。
* hEGFを抗原として家兎に免疫して得られた抗EGF血
清をプロテインA−セフアロース(ファルマシア、ジャ
パン社製、東京)を用いて精製した上で固定化した。
実施例1 ハイブリドーマの作製 Balb/Cマウス(静岡実験動物社から入手、静岡)に参
考例で得たHMW−hEGF17.5μgをフロイント完全アジユ
バンド(デイスコ社製、米国)で乳化した上で皮下に投
与した。2週間後及び4週間後にフロイント不完全アジ
ユバンド(デイスコ社製、米国)で乳化した同量のHMW
−hEGFを静脈内投与した。さらに2週間後にアジユバン
ドなしに同様に投与し、3日後に脾臓を摘出した。脾臓
を2価のイオンを含まないダルベッコ処方のリン酸食塩
緩衝液(以下PBS(−)と略す)で洗浄した後、すりつ
ぶし脾細胞の懸濁液を得た。一方本脾細胞と融合させる
マウスミエローマP3×63Ag8655株はアラバマ大学カーニ
ー博士(Dr.J.F.Kearney)から供与を受けた。本株はBa
lb/Cマウス由来で、抗体関連蛋白の合成能を全く失った
免疫グロブリン非分泌性細胞であり、融合することによ
ってはじめて抗体の分泌が可能になる。本株は10%の牛
胎児血清(大日本製薬社製、東京)を添加したRPMI−16
40(日水製薬社製、東京)の培地で増殖させた。108
のミエローマ細胞を1500rpmで5分間遠心分離して回収
した後、2匹のマウスより調製した脾細胞と混和した。
1500rpmで5分間遠心分離した後、PBS(−)で再懸濁し
た。この操作をくり返し洗浄した細胞にPEG−4000(シ
グマ社製、米国)をPBS(−)で2倍に希釈した液を1.5
ml滴下した。1分間放置後、血清を含まないRPMI−1640
液40mlを滴下し、直ちに1500rpmで5分間遠心分離し
た。融合した細胞沈渣をHAT培地に懸濁した。この懸
濁液を、9枚の96穴マイクロプレート(コーニング社
製、米国)に、各穴100μlずつ滴下した。これを5%
の炭酸ガス濃度に調整した37℃のインキュベータ中で2
〜3週間培養した。HAT培地中で増殖可能となる脾細胞
−ミエローマの融合細胞を選択した。
* 10%の牛胎児血清を含むRPMI−1640に、100μMの
ヒポキサンチン、0.1μMのアミノプテリン、1.6μMの
チミジン(いずれもシグマ社製、米国)を添加して作っ
た。
実施例2 抗体産生ハイブリドーマの検索 96穴のマニフォールド(バイオドット;バイオラド社
製、米国)にニトロセルローズ膜(0.45μm、バイラド
社、米国)を固定し各穴の膜上に70ng相当のHMW−hEGF
を吸着させた。吸着はHMW−hEGF溶液を自然落下により
通過させることで行なった。膜の非吸着部をブロックす
るため、1%牛血清アルブミン(シグマ社製、米国)を
含むPBSを250μlずつ、各穴に加えた。各穴を0.05%の
Tween20を含むPBS(−)(TPBS(−))で吸引法により
洗浄した。融合細胞を植え込んだ後HAT培地中で細胞の
増殖が見られる各穴の培養上清を100μlずつマニフォ
ールドの各穴に移し、1時間反応させた。反応後TPBSで
洗浄した後、アリカリフオスファターゼ標識した抗マウ
スIgG(プロメガ社製、米国)を1%牛血清アルブミン
を含むPBS(−)で7000倍に希釈した溶液各100μlと反
応させた。反応後TPBSで洗浄した後、1mM塩化マグネシ
ウム、30mg/dlのニトロブルーテトラゾリウム、15mg/dl
のブロモクロロインドリルリン酸を含むトリス塩酸バッ
フアーpH9の基質溶液各100μlを各穴に滴下し発色させ
た。その結果濃い青色の色素が沈着した穴に対応するハ
イブリドーマを抗体産生陽性株として拾い上げた。この
方法によって約300株の抗体産生陽性株が得られた。
実施例3 ハイブリドーマの産生する抗体の特異性の決
定 実施例2に拾い上げた株の産生する抗体の特異性をラ
ジオイムノプレシピテーション法で決定した。従来の方
法で精製したhEGF及びHMW−hEGF 1mg/1mlを0.1Mリン酸
緩衝液pH7.6に十分透析した後、ボルトンハンター試薬
(アマーシャム社製、英国)でヨード化した。本試薬は
極めて温和な条件で蛋白をヨード化することができ、ヨ
ード化後も抗原性がよく維持されることが知られてい
る。ボルトンハンター試薬各250μlをV型底のバイア
ル中で乾燥窒素ガスを用いて乾燥させた。これに5μl
のhEGFあるいはHMW−hEGF溶液を添加した。
4℃で一晩反応した後、セフアデツクスG−25(フア
ルマシア、ジャパン社製、東京)10mlを充填したカラム
を用いてゲル過することにより未反応のボルトンハン
ター試薬や遊離ヨードをヨード化したhEGFから分離し
た。ゲル過に当っては非特異的吸着を避けるため、0.
2%のゼラチンを含むPBS(−)を使用した。上記2種の
ヨード標識hEGFを20,000cpmから200,000cpmずつ混でた
上、実施例2で抗体産生陽性が確認された細胞株の上清
と一夜、4℃で反応させた。反応はエッペンドルフ製の
1.5ml遠心チューブ中で行なった。反応後、5μlのウ
サギ抗マウスIgG(カッペル社製、米国)、50μlのパ
ニソルビン(カルビオケム社製、米国)を加え1時間反
応させた。つぎに微量遠心機を用い遠心して沈澱を得
た。この沈澱を非イオン性界面活性剤、ノニデットP−
40(シグマ社製、米国)を0.1%含有のPBS(−)で4回
洗浄した後、沈澱を2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS;
バイオラド社製、米国)グリセロール、少量のブロムフ
エノールブルー(バイオラド社製、米国)を含む20mMの
トリス塩酸緩衝液pH7.0のローデイング、バッフアーを
用いてパニソルビン上に吸着した放射性hEGFを溶出し
た。これを15%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で電気
泳動した。40V、12時間通電した後、ゲルを取出し、X
線フイルム上に露出し、オートラジオグラフを撮った。
放射活性が現われる位置の易動度からHMW−hEGF(33キ
ロダルトン)か、hEGF(6,000ダルトン)かを判断する
ことによって、各々の細胞株が分泌するモノクロナール
抗体の特異性を決定した。以上の方法で、No.16,No.25,
No.57及びNo.112の諸株から得られる抗体がHMW−hEGFに
は反応するが、hEGFには反応しない抗体であることが明
らかになった。それらのイムノグロブリンサブタイプは
ハイクロン社(米国)製タイピングキット用いて決定し
た。すべてIgG1であった。
更にNo.143及びNo.296株はHMW−EGFとhEGFの両方を認
識する抗体産生株であることが分った。
実施例4 HMW−hEGF定量用酵素免疫測定法(ELISA法) hEGFを用いて常用に従いニュージーランドホワイト種
家兎(静岡実験動物社から入手)を免疫して得た抗hEGF
血清をプロテインA−セフアロース(フアルマシア、ジ
ャパン社製、東京)を用いて精製した。
実施例3で得たNo.25株に由来するHMW−hEGFモノクロ
ーナル抗体及びNo.143株に由来するhEGF及びHMW−hEGF
両方を認識する抗体を精製しIgGを得た。これらのIgGは
いずれもIgG1のサブタイプを有しておりバイオラッド社
製マップスキットを用いてさらに精製した。各々100ml
の培養上清から3mg及び1.2mgの精製IgGが得られた。こ
れらの抗体を用いて回相法のELISA系を確立した。
精製ウサギ抗hEGF抗体をPBS(−)を用いて500μg/ml
に希釈し、これを10μlずつ96穴のELISA用マイクロプ
レート(イムロン社製、米国)に滴下し、1晩4℃に保
存することで抗体を吸着させた。
プレート中の未吸着部分を1%牛血清アルブミンを含
むPBS(−)を各穴に200μlずつ滴下し1時間室温でイ
ンキュベートしてブロックした。TPBS(−)でプレート
をよく洗浄した後、既知の濃度のhEGF及びHMW−hEGFを
1%牛血清アルブミンを含むPBS(−)で段階希釈した
ものを試料として加え1時間反応させた。反応後TPBSで
よく洗浄した後、No.25株あるいはNo.143株の培養上清
より精製したIgGを1%牛血清アルブミン含有のPBS
(−)で100μg/mlに希釈して、これを100μlずつ各穴
に滴下した。1時間室温で反応させた後、TPBSで洗浄し
た上で、酵素抗体法用アルカリフォスファターゼ標識抗
マウスIgG(バイオラド社製、米国)の3000倍希釈液を1
00μlずつ各穴に滴下した。抗体の希釈は1%牛血清ア
ルブミン含有PBS(−)を用いた。1時間反応させた
後、TPBSでよく洗浄した。基質溶液はパラニトロフエニ
ールリン酸2錠(バイオラド社製、米国)を10mlジエタ
ノールアミンバッフアー(バイオラド社、米国)に溶か
して調製した。これを100μlずつ、プレートの各穴に
滴下して30分間発色させた。1/2規定のNaOH液100μlず
つ各穴に加え、発色反応を停止した。発色の強度を405n
mのフイルターを装備したタイターテックマルチスキヤ
ン(Titertek Multiskan)(フロー社製、米国)を用い
て測定した。
上記方法に於てNo.25株IgGを用いた場合hEGFは1mg/ml
の濃度でも全く検出されなかったが、HMW−hEGFは1mg/m
lまで用量作用的に反応し発色した。No.143株IgGを用い
た場合、hEGFは1μg/mlまで、HMW−hEGFは100ng/mlま
で検出することができた。
実施例5 ウエスタンブロッティング法による酵素免疫
測定法 50μg/mlの濃度のHMW−hEGF及びhEGF各5μlをと
り、これにβ−メルカプトエタノールを含むゲルローデ
ィングバッフア(実施例3)を10μl加え、5分間100
℃の水浴中で処理した。これを15%のポリアクリルアミ
ドゲル上で、0.1%SDSの存在下に電気泳動した。
ゲル上に分離された蛋白質はトランスブロット装置
(バイオラド社、米国)中で電気的にニトロセルローズ
膜に移行させた。
本過程は上記装置のセル中で、20%メタノールを含む
トリスグリシンバッフアを用い、200mAで2時間通電す
ることで行った。移行後膜上の検体が遊離するのを防ぐ
ため6.2%のグルタルアルデヒド(和光純薬社製、東
京)中で、1時間処理することにより固定した。膜をPB
S(−)でよく洗った後、5%の脱脂粉乳を含むPBS
(−)中に1時間保持して非吸着部をブロックした。つ
ぎに各モノクロナール抗体あるいは免疫マウス血清(ポ
シテイブ、コントロール)と100μg/mlの濃度で反応さ
せた。各抗体は上述のブロック液で希釈し、反応は室温
で一晩行なった。反応後膜をTPBS(−)でよく洗浄した
後、アルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgGと反応
させ、さらに実施例2に倣いニトロブルーテトラゾリウ
ム、グロモクロロインドクールリン酸含有の基質溶液で
発色させた。No.25株、No.112株、143株、296株の培養
上清及び免疫マウス血清はこの試験で陽性を示した。N
o.25株及びNo.112株の培養上清はHMW−hEGFをのみ認識
したのに対して、その他の培養上清及び血清はhEGF及び
HMW−hEGF両方を認識した。
実施例6 HMW−hEGFモノクロナール抗体を利用したア
フィニティクロマトグラフィによるHMW−hEGFの抽出、
精製 バイオラッド社製マップスキットを用いてNo.25株培
養上清からHMW−hEGFモノクロナール抗体を精製した。
得られた精製IgG20mgを100m1のブロモシアン活性化セフ
ァロース(ファルマシア、ジャパン社製、東京)に常法
通りカップリングした。0.1Mのグリシン緩衝液pH8で遊
離のブロモシアン基をブロックした後、このセファロー
スをカラムに詰めPBS(−)でバッファライズした。男
子新鮮尿10lをpH8.5に調整し析出する不溶物を過して
除き、pH7.5に調整して上記のカラムにチャージした。
カラムを100mlのPBS(−)、さらに1M塩化ナトリウムを
含むPBS(−)100mlで洗浄した後、0.1Mクエン酸水溶液
pH2.0で吸着したHMW−hEGFを溶出した。本操作により50
μgのHMW−hEGFが1ステップで得られた。SDS−電気泳
動で純度を検定すると約85%であった。収率を実施例4
のELISA法で検定すると90%であった。
上記のクエン酸水溶液の代りにアンモニア水溶液、チ
オシアン酸水溶液のようなカオトロピック(chaotropi
c)イオンを含む水溶液を用いて溶出しても同様の結果
が得られた。
〔発明の効果〕
本発明により新規なHMW−hEGFモノクロナール抗体を
産生する細胞をつくることができる。それによりHMW−h
EGFモノクロナール抗体を大量生産することが可能にな
った。またこのモノクロナール抗体を用いてヒト尿から
分離の困難なHMW−hEGFを簡便な方法で高収率で得るこ
とができるようになった。更に本抗体はヒト体液中のHM
W−hEGFを特異的に測定するのに極めて有用である。本
抗体を用いた測定法によって脳腫瘍等の癌疾患の迅速な
モニターリングが可能になった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91) (56)参考文献 Biochem.Biophys.R es.Commun.,145,[1], (1987),p.126−133 Cancer.Res.,47, (1987),p.1190−1196

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イムノグロブリンIgGに属し、約6,000ダル
    トンのヒト上皮細胞成長因子を認識しないが、約33キロ
    ダルトンの高分子型ヒト上皮細胞成長因子を認識するモ
    ノクロナール抗体。
  2. 【請求項2】高分子型ヒト上皮細胞成長因子を抗原とし
    て免疫されたホ乳動物(ヒトを除く)の細胞とミエロー
    マ細胞とのハイブリドーマを培養して得られた培養物か
    ら得られた請求項1記載のモノクロナール抗体。
  3. 【請求項3】約33キロダルトンの高分子型ヒト上皮細胞
    成長促進因子を抗原として免疫されたホ乳動物(ヒトを
    除く)の細胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマを培
    養し、その培養物から抗高分子型ヒト上皮細胞成長因子
    モノクロナール抗体を採取することを特徴とする請求項
    1もしくは2に記載されたモノクロナール抗体を製造す
    る方法。
  4. 【請求項4】試料中に含有される高分子型を含むヒト上
    皮細胞成長促進因子を固定化し、これに請求項1または
    2記載の抗高分子型ヒトモノクロナール抗体を作用さ
    せ、その作用量を酵素標識法により測定することを特徴
    とする高分子型ヒト 上皮細胞成長促進因子の酵素免疫
    測定法。
  5. 【請求項5】モノクロナール抗体を作用させたのち、該
    抗体の由来するホ乳動物(ヒトを除く)のイムノグロブ
    リンの抗体を酵素標識して作用させ、その作用により結
    合する標識酵素を測定する請求項4記載の測定法。
  6. 【請求項6】モノクロナール抗体を酵素標識して作用さ
    せ、その作用により結合する標識酵素を測定する請求項
    4記載の測定法。
  7. 【請求項7】高分子型ヒト上皮細胞成長因子を含む体液
    を、請求項1または2記載のモノクロナール抗体を固定
    した充填材のカラムに通して上記成長因子を充填材に吸
    着させ、次いでカラムから上記成長因子を溶出すること
    を特徴とする高分子型ヒト上皮細胞成長因子の製造法。
  8. 【請求項8】高分子ヒト上皮細胞成長因子を抗原として
    免疫されたホ乳動物の細胞とミエローマ細胞のハイブリ
    ドーマである請求項1または2記載のモノクロナール抗
    体を産生する株。
  9. 【請求項9】ホ乳動物の細胞が脾細胞であり、ミエロー
    マ細胞が免疫グロブリン非分泌性である請求項8記載の
    株。
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