JP2948594B2 - モノクローナル抗体 - Google Patents
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K16/00—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
- C07K16/18—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
- C07K16/22—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against growth factors ; against growth regulators
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高分子型ヒト上皮細胞成長因子に対するモノ
クロナール抗体、その製造方法及び利用方法に関する。
クロナール抗体、その製造方法及び利用方法に関する。
ヒト上皮細胞成長因子は細胞分裂促進因子(mitogeni
c factor)としての働きが試験管内で知られており、組
織分化の促進、各種の癌に対するプロモーター作用など
が生体内で明らかにされている。また臨床的には角膜
炎、角膜潰瘍等の治療用点眼剤、胃潰瘍、火傷等の治療
薬としての可能性が検討されつつあるのはよく知られて
いる。
c factor)としての働きが試験管内で知られており、組
織分化の促進、各種の癌に対するプロモーター作用など
が生体内で明らかにされている。また臨床的には角膜
炎、角膜潰瘍等の治療用点眼剤、胃潰瘍、火傷等の治療
薬としての可能性が検討されつつあるのはよく知られて
いる。
近年に至りヒト上皮細胞成長促進因子(以下hEGFと略
称)の前駆体の存在がmRNAの側から予測された(Alane
Grey et al.,Nature 303,722〜725(1983)、Robert J.
Rallet al.,Nature 313,728〜231(1985))。また別の
グループは尿中においてhEGFと免疫的に交差し、レセプ
ターを競合する物質の存在を示した(Charles D.Mount
et al.,Archives of Biochmistry and Biophysics 255,
1〜7(1987))。この物質(以下HMW−hEGFと略称)は
分子量約33,000ダルトンで0−グリコシル化されていた
(hEGFは約6,000ダルトン)。また本物質のアミノ酸配
列が上記mRNAから予測された配列の一部と全く一致し
た。これらのことから細胞内でより高分子の形で合成さ
れたhEGFが細胞外に分泌され、尿中に一部はhEGFとし
て、また他の一部は若干のプロセスを受けた前駆体とし
て尿中に存在することが推測された。彼らは尿のセライ
ト吸着物からDEAE−セルローズ、CM−セルローズ、セフ
アクリールS200及び逆相HPLC法等を用いてやゝ純品に近
いHMW−hEGFを得たが、その収率は約3%であった。ま
た塚本らのグループ(Biochemical and Biophysiol Res
each Communication 145,12.6〜133(1987))はバイオ
レックス−70イオン交換体、抗hEGF−セフアロース、セ
フアデックスG−50及びセフアクリルS−200によるゲ
ル過、さらに逆相HPLOを行ないHMW−hEGFを得、その
収率は1.4%であった。
称)の前駆体の存在がmRNAの側から予測された(Alane
Grey et al.,Nature 303,722〜725(1983)、Robert J.
Rallet al.,Nature 313,728〜231(1985))。また別の
グループは尿中においてhEGFと免疫的に交差し、レセプ
ターを競合する物質の存在を示した(Charles D.Mount
et al.,Archives of Biochmistry and Biophysics 255,
1〜7(1987))。この物質(以下HMW−hEGFと略称)は
分子量約33,000ダルトンで0−グリコシル化されていた
(hEGFは約6,000ダルトン)。また本物質のアミノ酸配
列が上記mRNAから予測された配列の一部と全く一致し
た。これらのことから細胞内でより高分子の形で合成さ
れたhEGFが細胞外に分泌され、尿中に一部はhEGFとし
て、また他の一部は若干のプロセスを受けた前駆体とし
て尿中に存在することが推測された。彼らは尿のセライ
ト吸着物からDEAE−セルローズ、CM−セルローズ、セフ
アクリールS200及び逆相HPLC法等を用いてやゝ純品に近
いHMW−hEGFを得たが、その収率は約3%であった。ま
た塚本らのグループ(Biochemical and Biophysiol Res
each Communication 145,12.6〜133(1987))はバイオ
レックス−70イオン交換体、抗hEGF−セフアロース、セ
フアデックスG−50及びセフアクリルS−200によるゲ
ル過、さらに逆相HPLOを行ないHMW−hEGFを得、その
収率は1.4%であった。
最近さらに病理学的見地から重要な知見が明らかにさ
れた(Kurt Stromberg,at al.,Cancer Research 47,119
0〜1196(1987))。即ちヒト脳腫瘍患者尿中に著しく
高濃度のHMW−hEGFが存在することが発見され、しかも
手術により腫瘍を取り去ると尿中のHMW−hEGFは消失す
るという極めて興味ある報告である。このことからHMW
−hEGFの病理学的及び臨床的意義が高まってきた。
れた(Kurt Stromberg,at al.,Cancer Research 47,119
0〜1196(1987))。即ちヒト脳腫瘍患者尿中に著しく
高濃度のHMW−hEGFが存在することが発見され、しかも
手術により腫瘍を取り去ると尿中のHMW−hEGFは消失す
るという極めて興味ある報告である。このことからHMW
−hEGFの病理学的及び臨床的意義が高まってきた。
しかし前記のチャールズ・ディ・マウント(Charles
D.Mount)らの報告にも見られるように尿からHMW−hEGF
の抽出収率は極めて悪く本物質の応用へ向けての研究を
妨げている現状である。しかも本物質がその性質上hEGF
と免疫的に交差するため通常の方法では定量が困難であ
る。
D.Mount)らの報告にも見られるように尿からHMW−hEGF
の抽出収率は極めて悪く本物質の応用へ向けての研究を
妨げている現状である。しかも本物質がその性質上hEGF
と免疫的に交差するため通常の方法では定量が困難であ
る。
従って脳腫瘍と体液中の本物質の濃度との関連を検討
するについても、本物質の簡便且つ正確な測定法が期待
されている。
するについても、本物質の簡便且つ正確な測定法が期待
されている。
本発明者らは大量の尿から独自の方法でHMW−hEGFを
分離、精製しこれを材料として抗HMW−hEGFモノクロナ
ール抗体産生ハイブリドーマを作製し、得られた細胞株
約1,000種の中からhEGFには反応しないが、HMW−hEGFの
み反応する株数種を発見し、これらの細胞株を利用して
抗HMW−hEGF抗体を多量生産、精製し検討を重ねた結
果、HMW−hEGFを選択的に定量し得る2つの酵素抗体法
による測定法の確立に成功した。
分離、精製しこれを材料として抗HMW−hEGFモノクロナ
ール抗体産生ハイブリドーマを作製し、得られた細胞株
約1,000種の中からhEGFには反応しないが、HMW−hEGFの
み反応する株数種を発見し、これらの細胞株を利用して
抗HMW−hEGF抗体を多量生産、精製し検討を重ねた結
果、HMW−hEGFを選択的に定量し得る2つの酵素抗体法
による測定法の確立に成功した。
更に本抗体を固定化した担体を用いアフイニティーク
ロマトグラフをを行なうことにより、ヒト尿から迅速に
且つ簡便なHMW−hEGFを製造する方法を確立した。
ロマトグラフをを行なうことにより、ヒト尿から迅速に
且つ簡便なHMW−hEGFを製造する方法を確立した。
本発明はこれらの新知見に基づくもので、イムノグロ
ブリンIgGに属し、約6,000ダルトンのヒト上皮細胞成長
因子を認識しないが、約33キロダルトンの高分子型ヒト
上皮細胞成長因子を認識するモノクロクロナール抗体;
約33キロダルトンの高分子型ヒト上皮細胞成長促進因子
を抗原として免疫されたホ乳動物とミエローマ細胞との
ハイブリドーマを培養し、その培養物から抗高分子型ヒ
ト上皮細胞成長因子モノクロナール抗体を採取すること
を特徴とする上記モノクロナール抗体の製造法;試料中
に含有される高分子型を含むヒト上皮細胞成長促進因子
を固定化し、これに上記のモノクロナール抗体を作用さ
せ、その作用量を酵素標識法により測定することを特徴
とする高分子型ヒト上皮細胞成長因子の酵素免疫測定
法;高分子型ヒト上皮細胞成長因子を含む液体を、前記
のモノクロナール抗体を固定した充填材のカラムに通し
て上記成長因子を充填材に吸着させ、次いでカラムから
上記成長因子を溶出することを特徴とする高分子型ヒト
上皮細胞成長因子の製造法;および高分子ヒト上皮細胞
成長因子を抗原として免疫されたホ乳動物の細胞とミエ
ローマ細胞のハイブリドーマである前記のモノクロナー
ル抗体を産生する株である。
ブリンIgGに属し、約6,000ダルトンのヒト上皮細胞成長
因子を認識しないが、約33キロダルトンの高分子型ヒト
上皮細胞成長因子を認識するモノクロクロナール抗体;
約33キロダルトンの高分子型ヒト上皮細胞成長促進因子
を抗原として免疫されたホ乳動物とミエローマ細胞との
ハイブリドーマを培養し、その培養物から抗高分子型ヒ
ト上皮細胞成長因子モノクロナール抗体を採取すること
を特徴とする上記モノクロナール抗体の製造法;試料中
に含有される高分子型を含むヒト上皮細胞成長促進因子
を固定化し、これに上記のモノクロナール抗体を作用さ
せ、その作用量を酵素標識法により測定することを特徴
とする高分子型ヒト上皮細胞成長因子の酵素免疫測定
法;高分子型ヒト上皮細胞成長因子を含む液体を、前記
のモノクロナール抗体を固定した充填材のカラムに通し
て上記成長因子を充填材に吸着させ、次いでカラムから
上記成長因子を溶出することを特徴とする高分子型ヒト
上皮細胞成長因子の製造法;および高分子ヒト上皮細胞
成長因子を抗原として免疫されたホ乳動物の細胞とミエ
ローマ細胞のハイブリドーマである前記のモノクロナー
ル抗体を産生する株である。
本発明のモノクロナール抗体やハイブリドーマの製造
に必要なHMW−hEGFは既知の方法で得られるが、本発明
者らはヒト尿を硫安塩析した後アンバーライトIRA−9
3、DEAE−セファデックスA−25、のイオン交換クロマ
トを行なった後Bio−Gelp−10のゲル過、抗EGF−セフ
ァロースを用いたアフイニティクロマトグラフ、セファ
デックスG−100のゲル過を行なって約7%の収率でH
MW−hEGFを得た。(原料尿中のh−EGF+HMW−hEGFを10
0%として) 次に上に得たHMW−hEGFを用いて、たとえば、Balb/C
マウスのような動物を常法で免疫し、その脾臓を摘出
し、その中のリンパ球を精製した後、予め培養したミエ
ローマ細胞と融合させることによりHMW−hEGFに対する
モノクロナール抗体を産生するハイブリドーマが得られ
る。融合はポリエチレングリコールやエレクトロポレー
ション等を用いて行うことができる。ハイブリドーマ細
胞の選択はアミノプテリン耐性を利用したHAT培地を用
いて行なうことができる。抗体産生能を有するバイブリ
ドーマのスクリーニングはヒト尿から得たHMW−hEGFを
用いた酵素免疫側法で行なうことができる。このような
スクリーニングには他の免疫学的方法、即ちラジオイム
ノアツセイ、ラジオレセプタ−アツセイ、ラジオイムノ
プレシピーテーション、ウエスタンブロテイング等の方
法も用いられる。
に必要なHMW−hEGFは既知の方法で得られるが、本発明
者らはヒト尿を硫安塩析した後アンバーライトIRA−9
3、DEAE−セファデックスA−25、のイオン交換クロマ
トを行なった後Bio−Gelp−10のゲル過、抗EGF−セフ
ァロースを用いたアフイニティクロマトグラフ、セファ
デックスG−100のゲル過を行なって約7%の収率でH
MW−hEGFを得た。(原料尿中のh−EGF+HMW−hEGFを10
0%として) 次に上に得たHMW−hEGFを用いて、たとえば、Balb/C
マウスのような動物を常法で免疫し、その脾臓を摘出
し、その中のリンパ球を精製した後、予め培養したミエ
ローマ細胞と融合させることによりHMW−hEGFに対する
モノクロナール抗体を産生するハイブリドーマが得られ
る。融合はポリエチレングリコールやエレクトロポレー
ション等を用いて行うことができる。ハイブリドーマ細
胞の選択はアミノプテリン耐性を利用したHAT培地を用
いて行なうことができる。抗体産生能を有するバイブリ
ドーマのスクリーニングはヒト尿から得たHMW−hEGFを
用いた酵素免疫側法で行なうことができる。このような
スクリーニングには他の免疫学的方法、即ちラジオイム
ノアツセイ、ラジオレセプタ−アツセイ、ラジオイムノ
プレシピーテーション、ウエスタンブロテイング等の方
法も用いられる。
本発明者らは以上述べたスクリーニングで約1000株の
中から4株のHMW−hEGF特異モノクロナール抗体産生株
を確立した。その1株は工業技術院微生物工業技術研究
所にFERM P−10249号として寄託された。更にHMW−hEGF
及びhEGFを認識する抗体産生株2株を得た。上記6種の
株は何れもマウス腹腔内でもよく生育し容易に大量の抗
体を得ることができる。
中から4株のHMW−hEGF特異モノクロナール抗体産生株
を確立した。その1株は工業技術院微生物工業技術研究
所にFERM P−10249号として寄託された。更にHMW−hEGF
及びhEGFを認識する抗体産生株2株を得た。上記6種の
株は何れもマウス腹腔内でもよく生育し容易に大量の抗
体を得ることができる。
これらの抗体はよく知られた精製法、例えば塩析、イ
オン交換、プロテインAを用いたアフィニティクロマト
グラフ、ハイドロキシアパタイトを用いたクロマトグラ
フ等で高純度に精製される。更にそれらの抗体或いは抗
体をペプシンで消化することにより得られるFab′を用
いてELISHの系を組むことができる。その際抗体に直接
アルカリフオスフアターゼやペルオキシダーゼを結合さ
せて得られる酵素標識抗体を用いてもよく、或いは抗マ
ウスIgGなどを酵素標識したものを二次抗体として用い
てもよい。このような方法を組合せることにより、前記
HMW−hEGF特異モノクロナール抗体生産株の培養上清か
ら得られたモノクロナール抗体を利用して体液中のHMW
−hEGFをh−EGFの交差なしに特異的に測定することが
できる。なお上記モノクロナール抗体を用いて、ウエス
タン、ブロット法(Harry Towbin,et al.,Proc.Na+1.A
cad.Sci.USA76,4350〜4354(1979)を利用する測定法を
設定することができる。このHMW−hEGFの測定法は臨床
診断へのもう一つの応用法として非常に有用である。
オン交換、プロテインAを用いたアフィニティクロマト
グラフ、ハイドロキシアパタイトを用いたクロマトグラ
フ等で高純度に精製される。更にそれらの抗体或いは抗
体をペプシンで消化することにより得られるFab′を用
いてELISHの系を組むことができる。その際抗体に直接
アルカリフオスフアターゼやペルオキシダーゼを結合さ
せて得られる酵素標識抗体を用いてもよく、或いは抗マ
ウスIgGなどを酵素標識したものを二次抗体として用い
てもよい。このような方法を組合せることにより、前記
HMW−hEGF特異モノクロナール抗体生産株の培養上清か
ら得られたモノクロナール抗体を利用して体液中のHMW
−hEGFをh−EGFの交差なしに特異的に測定することが
できる。なお上記モノクロナール抗体を用いて、ウエス
タン、ブロット法(Harry Towbin,et al.,Proc.Na+1.A
cad.Sci.USA76,4350〜4354(1979)を利用する測定法を
設定することができる。このHMW−hEGFの測定法は臨床
診断へのもう一つの応用法として非常に有用である。
即ち患者体液を電気泳動した後、蛋白を適当な支持体
例えばニトロセルローズ膜に熱処理或いは電気的に移行
させ、膜の非吸着部分を脱脂粉乳含有PBS(−)でブロ
ックした後、HMW−hEGF抗体と反応させ、酵素標識した
抗マウスIgG或いは125I標識したプロテインA等を用い
て膜上のHMW−hEGFを検出することができる。
例えばニトロセルローズ膜に熱処理或いは電気的に移行
させ、膜の非吸着部分を脱脂粉乳含有PBS(−)でブロ
ックした後、HMW−hEGF抗体と反応させ、酵素標識した
抗マウスIgG或いは125I標識したプロテインA等を用い
て膜上のHMW−hEGFを検出することができる。
さらに有用な成果は上記モノクロナール抗体をセファ
ロース等の担体に固定化してアフィニティクロマトグラ
フを作製できることである。またこのカラムを利用すれ
ばこれまで繁雑な方法で、しかも極めて低収率でしか得
られなかったヒト尿からHMW−hEGFの分離精製が一工程
でしかも高収率での行うことが可能になったことであ
る。
ロース等の担体に固定化してアフィニティクロマトグラ
フを作製できることである。またこのカラムを利用すれ
ばこれまで繁雑な方法で、しかも極めて低収率でしか得
られなかったヒト尿からHMW−hEGFの分離精製が一工程
でしかも高収率での行うことが可能になったことであ
る。
参考例 HMW−hEGFの抽出、精製は発明者らの昭和61年度日本
生化学会の報告に従って次のように行なった。ヒト新鮮
尿を硫酸アンモニウムで塩析した後、アンバーライトIR
A−93(オルガノ社製、東京)、DEAE−セファデックス
(ファルマシア、ジャパン社製、東京)のイオン交換樹
脂で精製、さらにBio Gel P−10(バイオラッド社製、
米国)でゲル過し、EGF活性の検出できる画分をポリ
クロナール抗体*を固定したセファロース4B(ファルマ
シア、ジャパン製、東京)を用いてアフイニティクロマ
トグラフによって精製した。溶出液をセファデックスG
−100(ファルマシア、ジャパン社製、東京)でゲル
過し、高分子領域でhEGF活性を示す画分を得た。hEGF活
性はHela細胞を用いてラジオレセプターアッセイで測定
した。尿中のhEGF活性を100%としたとき、高分子分画
として回収されるhEGF活性は6〜8%であった。本画分
をSDS−電気泳動で分析すると、HMW−hEGFの純度は90%
以上であった。
生化学会の報告に従って次のように行なった。ヒト新鮮
尿を硫酸アンモニウムで塩析した後、アンバーライトIR
A−93(オルガノ社製、東京)、DEAE−セファデックス
(ファルマシア、ジャパン社製、東京)のイオン交換樹
脂で精製、さらにBio Gel P−10(バイオラッド社製、
米国)でゲル過し、EGF活性の検出できる画分をポリ
クロナール抗体*を固定したセファロース4B(ファルマ
シア、ジャパン製、東京)を用いてアフイニティクロマ
トグラフによって精製した。溶出液をセファデックスG
−100(ファルマシア、ジャパン社製、東京)でゲル
過し、高分子領域でhEGF活性を示す画分を得た。hEGF活
性はHela細胞を用いてラジオレセプターアッセイで測定
した。尿中のhEGF活性を100%としたとき、高分子分画
として回収されるhEGF活性は6〜8%であった。本画分
をSDS−電気泳動で分析すると、HMW−hEGFの純度は90%
以上であった。
* hEGFを抗原として家兎に免疫して得られた抗EGF血
清をプロテインA−セフアロース(ファルマシア、ジャ
パン社製、東京)を用いて精製した上で固定化した。
清をプロテインA−セフアロース(ファルマシア、ジャ
パン社製、東京)を用いて精製した上で固定化した。
実施例1 ハイブリドーマの作製 Balb/Cマウス(静岡実験動物社から入手、静岡)に参
考例で得たHMW−hEGF17.5μgをフロイント完全アジユ
バンド(デイスコ社製、米国)で乳化した上で皮下に投
与した。2週間後及び4週間後にフロイント不完全アジ
ユバンド(デイスコ社製、米国)で乳化した同量のHMW
−hEGFを静脈内投与した。さらに2週間後にアジユバン
ドなしに同様に投与し、3日後に脾臓を摘出した。脾臓
を2価のイオンを含まないダルベッコ処方のリン酸食塩
緩衝液(以下PBS(−)と略す)で洗浄した後、すりつ
ぶし脾細胞の懸濁液を得た。一方本脾細胞と融合させる
マウスミエローマP3×63Ag8655株はアラバマ大学カーニ
ー博士(Dr.J.F.Kearney)から供与を受けた。本株はBa
lb/Cマウス由来で、抗体関連蛋白の合成能を全く失った
免疫グロブリン非分泌性細胞であり、融合することによ
ってはじめて抗体の分泌が可能になる。本株は10%の牛
胎児血清(大日本製薬社製、東京)を添加したRPMI−16
40(日水製薬社製、東京)の培地で増殖させた。108個
のミエローマ細胞を1500rpmで5分間遠心分離して回収
した後、2匹のマウスより調製した脾細胞と混和した。
1500rpmで5分間遠心分離した後、PBS(−)で再懸濁し
た。この操作をくり返し洗浄した細胞にPEG−4000(シ
グマ社製、米国)をPBS(−)で2倍に希釈した液を1.5
ml滴下した。1分間放置後、血清を含まないRPMI−1640
液40mlを滴下し、直ちに1500rpmで5分間遠心分離し
た。融合した細胞沈渣をHAT培地*に懸濁した。この懸
濁液を、9枚の96穴マイクロプレート(コーニング社
製、米国)に、各穴100μlずつ滴下した。これを5%
の炭酸ガス濃度に調整した37℃のインキュベータ中で2
〜3週間培養した。HAT培地中で増殖可能となる脾細胞
−ミエローマの融合細胞を選択した。
考例で得たHMW−hEGF17.5μgをフロイント完全アジユ
バンド(デイスコ社製、米国)で乳化した上で皮下に投
与した。2週間後及び4週間後にフロイント不完全アジ
ユバンド(デイスコ社製、米国)で乳化した同量のHMW
−hEGFを静脈内投与した。さらに2週間後にアジユバン
ドなしに同様に投与し、3日後に脾臓を摘出した。脾臓
を2価のイオンを含まないダルベッコ処方のリン酸食塩
緩衝液(以下PBS(−)と略す)で洗浄した後、すりつ
ぶし脾細胞の懸濁液を得た。一方本脾細胞と融合させる
マウスミエローマP3×63Ag8655株はアラバマ大学カーニ
ー博士(Dr.J.F.Kearney)から供与を受けた。本株はBa
lb/Cマウス由来で、抗体関連蛋白の合成能を全く失った
免疫グロブリン非分泌性細胞であり、融合することによ
ってはじめて抗体の分泌が可能になる。本株は10%の牛
胎児血清(大日本製薬社製、東京)を添加したRPMI−16
40(日水製薬社製、東京)の培地で増殖させた。108個
のミエローマ細胞を1500rpmで5分間遠心分離して回収
した後、2匹のマウスより調製した脾細胞と混和した。
1500rpmで5分間遠心分離した後、PBS(−)で再懸濁し
た。この操作をくり返し洗浄した細胞にPEG−4000(シ
グマ社製、米国)をPBS(−)で2倍に希釈した液を1.5
ml滴下した。1分間放置後、血清を含まないRPMI−1640
液40mlを滴下し、直ちに1500rpmで5分間遠心分離し
た。融合した細胞沈渣をHAT培地*に懸濁した。この懸
濁液を、9枚の96穴マイクロプレート(コーニング社
製、米国)に、各穴100μlずつ滴下した。これを5%
の炭酸ガス濃度に調整した37℃のインキュベータ中で2
〜3週間培養した。HAT培地中で増殖可能となる脾細胞
−ミエローマの融合細胞を選択した。
* 10%の牛胎児血清を含むRPMI−1640に、100μMの
ヒポキサンチン、0.1μMのアミノプテリン、1.6μMの
チミジン(いずれもシグマ社製、米国)を添加して作っ
た。
ヒポキサンチン、0.1μMのアミノプテリン、1.6μMの
チミジン(いずれもシグマ社製、米国)を添加して作っ
た。
実施例2 抗体産生ハイブリドーマの検索 96穴のマニフォールド(バイオドット;バイオラド社
製、米国)にニトロセルローズ膜(0.45μm、バイラド
社、米国)を固定し各穴の膜上に70ng相当のHMW−hEGF
を吸着させた。吸着はHMW−hEGF溶液を自然落下により
通過させることで行なった。膜の非吸着部をブロックす
るため、1%牛血清アルブミン(シグマ社製、米国)を
含むPBSを250μlずつ、各穴に加えた。各穴を0.05%の
Tween20を含むPBS(−)(TPBS(−))で吸引法により
洗浄した。融合細胞を植え込んだ後HAT培地中で細胞の
増殖が見られる各穴の培養上清を100μlずつマニフォ
ールドの各穴に移し、1時間反応させた。反応後TPBSで
洗浄した後、アリカリフオスファターゼ標識した抗マウ
スIgG(プロメガ社製、米国)を1%牛血清アルブミン
を含むPBS(−)で7000倍に希釈した溶液各100μlと反
応させた。反応後TPBSで洗浄した後、1mM塩化マグネシ
ウム、30mg/dlのニトロブルーテトラゾリウム、15mg/dl
のブロモクロロインドリルリン酸を含むトリス塩酸バッ
フアーpH9の基質溶液各100μlを各穴に滴下し発色させ
た。その結果濃い青色の色素が沈着した穴に対応するハ
イブリドーマを抗体産生陽性株として拾い上げた。この
方法によって約300株の抗体産生陽性株が得られた。
製、米国)にニトロセルローズ膜(0.45μm、バイラド
社、米国)を固定し各穴の膜上に70ng相当のHMW−hEGF
を吸着させた。吸着はHMW−hEGF溶液を自然落下により
通過させることで行なった。膜の非吸着部をブロックす
るため、1%牛血清アルブミン(シグマ社製、米国)を
含むPBSを250μlずつ、各穴に加えた。各穴を0.05%の
Tween20を含むPBS(−)(TPBS(−))で吸引法により
洗浄した。融合細胞を植え込んだ後HAT培地中で細胞の
増殖が見られる各穴の培養上清を100μlずつマニフォ
ールドの各穴に移し、1時間反応させた。反応後TPBSで
洗浄した後、アリカリフオスファターゼ標識した抗マウ
スIgG(プロメガ社製、米国)を1%牛血清アルブミン
を含むPBS(−)で7000倍に希釈した溶液各100μlと反
応させた。反応後TPBSで洗浄した後、1mM塩化マグネシ
ウム、30mg/dlのニトロブルーテトラゾリウム、15mg/dl
のブロモクロロインドリルリン酸を含むトリス塩酸バッ
フアーpH9の基質溶液各100μlを各穴に滴下し発色させ
た。その結果濃い青色の色素が沈着した穴に対応するハ
イブリドーマを抗体産生陽性株として拾い上げた。この
方法によって約300株の抗体産生陽性株が得られた。
実施例3 ハイブリドーマの産生する抗体の特異性の決
定 実施例2に拾い上げた株の産生する抗体の特異性をラ
ジオイムノプレシピテーション法で決定した。従来の方
法で精製したhEGF及びHMW−hEGF 1mg/1mlを0.1Mリン酸
緩衝液pH7.6に十分透析した後、ボルトンハンター試薬
(アマーシャム社製、英国)でヨード化した。本試薬は
極めて温和な条件で蛋白をヨード化することができ、ヨ
ード化後も抗原性がよく維持されることが知られてい
る。ボルトンハンター試薬各250μlをV型底のバイア
ル中で乾燥窒素ガスを用いて乾燥させた。これに5μl
のhEGFあるいはHMW−hEGF溶液を添加した。
定 実施例2に拾い上げた株の産生する抗体の特異性をラ
ジオイムノプレシピテーション法で決定した。従来の方
法で精製したhEGF及びHMW−hEGF 1mg/1mlを0.1Mリン酸
緩衝液pH7.6に十分透析した後、ボルトンハンター試薬
(アマーシャム社製、英国)でヨード化した。本試薬は
極めて温和な条件で蛋白をヨード化することができ、ヨ
ード化後も抗原性がよく維持されることが知られてい
る。ボルトンハンター試薬各250μlをV型底のバイア
ル中で乾燥窒素ガスを用いて乾燥させた。これに5μl
のhEGFあるいはHMW−hEGF溶液を添加した。
4℃で一晩反応した後、セフアデツクスG−25(フア
ルマシア、ジャパン社製、東京)10mlを充填したカラム
を用いてゲル過することにより未反応のボルトンハン
ター試薬や遊離ヨードをヨード化したhEGFから分離し
た。ゲル過に当っては非特異的吸着を避けるため、0.
2%のゼラチンを含むPBS(−)を使用した。上記2種の
ヨード標識hEGFを20,000cpmから200,000cpmずつ混でた
上、実施例2で抗体産生陽性が確認された細胞株の上清
と一夜、4℃で反応させた。反応はエッペンドルフ製の
1.5ml遠心チューブ中で行なった。反応後、5μlのウ
サギ抗マウスIgG(カッペル社製、米国)、50μlのパ
ニソルビン(カルビオケム社製、米国)を加え1時間反
応させた。つぎに微量遠心機を用い遠心して沈澱を得
た。この沈澱を非イオン性界面活性剤、ノニデットP−
40(シグマ社製、米国)を0.1%含有のPBS(−)で4回
洗浄した後、沈澱を2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS;
バイオラド社製、米国)グリセロール、少量のブロムフ
エノールブルー(バイオラド社製、米国)を含む20mMの
トリス塩酸緩衝液pH7.0のローデイング、バッフアーを
用いてパニソルビン上に吸着した放射性hEGFを溶出し
た。これを15%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で電気
泳動した。40V、12時間通電した後、ゲルを取出し、X
線フイルム上に露出し、オートラジオグラフを撮った。
放射活性が現われる位置の易動度からHMW−hEGF(33キ
ロダルトン)か、hEGF(6,000ダルトン)かを判断する
ことによって、各々の細胞株が分泌するモノクロナール
抗体の特異性を決定した。以上の方法で、No.16,No.25,
No.57及びNo.112の諸株から得られる抗体がHMW−hEGFに
は反応するが、hEGFには反応しない抗体であることが明
らかになった。それらのイムノグロブリンサブタイプは
ハイクロン社(米国)製タイピングキット用いて決定し
た。すべてIgG1であった。
ルマシア、ジャパン社製、東京)10mlを充填したカラム
を用いてゲル過することにより未反応のボルトンハン
ター試薬や遊離ヨードをヨード化したhEGFから分離し
た。ゲル過に当っては非特異的吸着を避けるため、0.
2%のゼラチンを含むPBS(−)を使用した。上記2種の
ヨード標識hEGFを20,000cpmから200,000cpmずつ混でた
上、実施例2で抗体産生陽性が確認された細胞株の上清
と一夜、4℃で反応させた。反応はエッペンドルフ製の
1.5ml遠心チューブ中で行なった。反応後、5μlのウ
サギ抗マウスIgG(カッペル社製、米国)、50μlのパ
ニソルビン(カルビオケム社製、米国)を加え1時間反
応させた。つぎに微量遠心機を用い遠心して沈澱を得
た。この沈澱を非イオン性界面活性剤、ノニデットP−
40(シグマ社製、米国)を0.1%含有のPBS(−)で4回
洗浄した後、沈澱を2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS;
バイオラド社製、米国)グリセロール、少量のブロムフ
エノールブルー(バイオラド社製、米国)を含む20mMの
トリス塩酸緩衝液pH7.0のローデイング、バッフアーを
用いてパニソルビン上に吸着した放射性hEGFを溶出し
た。これを15%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で電気
泳動した。40V、12時間通電した後、ゲルを取出し、X
線フイルム上に露出し、オートラジオグラフを撮った。
放射活性が現われる位置の易動度からHMW−hEGF(33キ
ロダルトン)か、hEGF(6,000ダルトン)かを判断する
ことによって、各々の細胞株が分泌するモノクロナール
抗体の特異性を決定した。以上の方法で、No.16,No.25,
No.57及びNo.112の諸株から得られる抗体がHMW−hEGFに
は反応するが、hEGFには反応しない抗体であることが明
らかになった。それらのイムノグロブリンサブタイプは
ハイクロン社(米国)製タイピングキット用いて決定し
た。すべてIgG1であった。
更にNo.143及びNo.296株はHMW−EGFとhEGFの両方を認
識する抗体産生株であることが分った。
識する抗体産生株であることが分った。
実施例4 HMW−hEGF定量用酵素免疫測定法(ELISA法) hEGFを用いて常用に従いニュージーランドホワイト種
家兎(静岡実験動物社から入手)を免疫して得た抗hEGF
血清をプロテインA−セフアロース(フアルマシア、ジ
ャパン社製、東京)を用いて精製した。
家兎(静岡実験動物社から入手)を免疫して得た抗hEGF
血清をプロテインA−セフアロース(フアルマシア、ジ
ャパン社製、東京)を用いて精製した。
実施例3で得たNo.25株に由来するHMW−hEGFモノクロ
ーナル抗体及びNo.143株に由来するhEGF及びHMW−hEGF
両方を認識する抗体を精製しIgGを得た。これらのIgGは
いずれもIgG1のサブタイプを有しておりバイオラッド社
製マップスキットを用いてさらに精製した。各々100ml
の培養上清から3mg及び1.2mgの精製IgGが得られた。こ
れらの抗体を用いて回相法のELISA系を確立した。
ーナル抗体及びNo.143株に由来するhEGF及びHMW−hEGF
両方を認識する抗体を精製しIgGを得た。これらのIgGは
いずれもIgG1のサブタイプを有しておりバイオラッド社
製マップスキットを用いてさらに精製した。各々100ml
の培養上清から3mg及び1.2mgの精製IgGが得られた。こ
れらの抗体を用いて回相法のELISA系を確立した。
精製ウサギ抗hEGF抗体をPBS(−)を用いて500μg/ml
に希釈し、これを10μlずつ96穴のELISA用マイクロプ
レート(イムロン社製、米国)に滴下し、1晩4℃に保
存することで抗体を吸着させた。
に希釈し、これを10μlずつ96穴のELISA用マイクロプ
レート(イムロン社製、米国)に滴下し、1晩4℃に保
存することで抗体を吸着させた。
プレート中の未吸着部分を1%牛血清アルブミンを含
むPBS(−)を各穴に200μlずつ滴下し1時間室温でイ
ンキュベートしてブロックした。TPBS(−)でプレート
をよく洗浄した後、既知の濃度のhEGF及びHMW−hEGFを
1%牛血清アルブミンを含むPBS(−)で段階希釈した
ものを試料として加え1時間反応させた。反応後TPBSで
よく洗浄した後、No.25株あるいはNo.143株の培養上清
より精製したIgGを1%牛血清アルブミン含有のPBS
(−)で100μg/mlに希釈して、これを100μlずつ各穴
に滴下した。1時間室温で反応させた後、TPBSで洗浄し
た上で、酵素抗体法用アルカリフォスファターゼ標識抗
マウスIgG(バイオラド社製、米国)の3000倍希釈液を1
00μlずつ各穴に滴下した。抗体の希釈は1%牛血清ア
ルブミン含有PBS(−)を用いた。1時間反応させた
後、TPBSでよく洗浄した。基質溶液はパラニトロフエニ
ールリン酸2錠(バイオラド社製、米国)を10mlジエタ
ノールアミンバッフアー(バイオラド社、米国)に溶か
して調製した。これを100μlずつ、プレートの各穴に
滴下して30分間発色させた。1/2規定のNaOH液100μlず
つ各穴に加え、発色反応を停止した。発色の強度を405n
mのフイルターを装備したタイターテックマルチスキヤ
ン(Titertek Multiskan)(フロー社製、米国)を用い
て測定した。
むPBS(−)を各穴に200μlずつ滴下し1時間室温でイ
ンキュベートしてブロックした。TPBS(−)でプレート
をよく洗浄した後、既知の濃度のhEGF及びHMW−hEGFを
1%牛血清アルブミンを含むPBS(−)で段階希釈した
ものを試料として加え1時間反応させた。反応後TPBSで
よく洗浄した後、No.25株あるいはNo.143株の培養上清
より精製したIgGを1%牛血清アルブミン含有のPBS
(−)で100μg/mlに希釈して、これを100μlずつ各穴
に滴下した。1時間室温で反応させた後、TPBSで洗浄し
た上で、酵素抗体法用アルカリフォスファターゼ標識抗
マウスIgG(バイオラド社製、米国)の3000倍希釈液を1
00μlずつ各穴に滴下した。抗体の希釈は1%牛血清ア
ルブミン含有PBS(−)を用いた。1時間反応させた
後、TPBSでよく洗浄した。基質溶液はパラニトロフエニ
ールリン酸2錠(バイオラド社製、米国)を10mlジエタ
ノールアミンバッフアー(バイオラド社、米国)に溶か
して調製した。これを100μlずつ、プレートの各穴に
滴下して30分間発色させた。1/2規定のNaOH液100μlず
つ各穴に加え、発色反応を停止した。発色の強度を405n
mのフイルターを装備したタイターテックマルチスキヤ
ン(Titertek Multiskan)(フロー社製、米国)を用い
て測定した。
上記方法に於てNo.25株IgGを用いた場合hEGFは1mg/ml
の濃度でも全く検出されなかったが、HMW−hEGFは1mg/m
lまで用量作用的に反応し発色した。No.143株IgGを用い
た場合、hEGFは1μg/mlまで、HMW−hEGFは100ng/mlま
で検出することができた。
の濃度でも全く検出されなかったが、HMW−hEGFは1mg/m
lまで用量作用的に反応し発色した。No.143株IgGを用い
た場合、hEGFは1μg/mlまで、HMW−hEGFは100ng/mlま
で検出することができた。
実施例5 ウエスタンブロッティング法による酵素免疫
測定法 50μg/mlの濃度のHMW−hEGF及びhEGF各5μlをと
り、これにβ−メルカプトエタノールを含むゲルローデ
ィングバッフア(実施例3)を10μl加え、5分間100
℃の水浴中で処理した。これを15%のポリアクリルアミ
ドゲル上で、0.1%SDSの存在下に電気泳動した。
測定法 50μg/mlの濃度のHMW−hEGF及びhEGF各5μlをと
り、これにβ−メルカプトエタノールを含むゲルローデ
ィングバッフア(実施例3)を10μl加え、5分間100
℃の水浴中で処理した。これを15%のポリアクリルアミ
ドゲル上で、0.1%SDSの存在下に電気泳動した。
ゲル上に分離された蛋白質はトランスブロット装置
(バイオラド社、米国)中で電気的にニトロセルローズ
膜に移行させた。
(バイオラド社、米国)中で電気的にニトロセルローズ
膜に移行させた。
本過程は上記装置のセル中で、20%メタノールを含む
トリスグリシンバッフアを用い、200mAで2時間通電す
ることで行った。移行後膜上の検体が遊離するのを防ぐ
ため6.2%のグルタルアルデヒド(和光純薬社製、東
京)中で、1時間処理することにより固定した。膜をPB
S(−)でよく洗った後、5%の脱脂粉乳を含むPBS
(−)中に1時間保持して非吸着部をブロックした。つ
ぎに各モノクロナール抗体あるいは免疫マウス血清(ポ
シテイブ、コントロール)と100μg/mlの濃度で反応さ
せた。各抗体は上述のブロック液で希釈し、反応は室温
で一晩行なった。反応後膜をTPBS(−)でよく洗浄した
後、アルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgGと反応
させ、さらに実施例2に倣いニトロブルーテトラゾリウ
ム、グロモクロロインドクールリン酸含有の基質溶液で
発色させた。No.25株、No.112株、143株、296株の培養
上清及び免疫マウス血清はこの試験で陽性を示した。N
o.25株及びNo.112株の培養上清はHMW−hEGFをのみ認識
したのに対して、その他の培養上清及び血清はhEGF及び
HMW−hEGF両方を認識した。
トリスグリシンバッフアを用い、200mAで2時間通電す
ることで行った。移行後膜上の検体が遊離するのを防ぐ
ため6.2%のグルタルアルデヒド(和光純薬社製、東
京)中で、1時間処理することにより固定した。膜をPB
S(−)でよく洗った後、5%の脱脂粉乳を含むPBS
(−)中に1時間保持して非吸着部をブロックした。つ
ぎに各モノクロナール抗体あるいは免疫マウス血清(ポ
シテイブ、コントロール)と100μg/mlの濃度で反応さ
せた。各抗体は上述のブロック液で希釈し、反応は室温
で一晩行なった。反応後膜をTPBS(−)でよく洗浄した
後、アルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgGと反応
させ、さらに実施例2に倣いニトロブルーテトラゾリウ
ム、グロモクロロインドクールリン酸含有の基質溶液で
発色させた。No.25株、No.112株、143株、296株の培養
上清及び免疫マウス血清はこの試験で陽性を示した。N
o.25株及びNo.112株の培養上清はHMW−hEGFをのみ認識
したのに対して、その他の培養上清及び血清はhEGF及び
HMW−hEGF両方を認識した。
実施例6 HMW−hEGFモノクロナール抗体を利用したア
フィニティクロマトグラフィによるHMW−hEGFの抽出、
精製 バイオラッド社製マップスキットを用いてNo.25株培
養上清からHMW−hEGFモノクロナール抗体を精製した。
得られた精製IgG20mgを100m1のブロモシアン活性化セフ
ァロース(ファルマシア、ジャパン社製、東京)に常法
通りカップリングした。0.1Mのグリシン緩衝液pH8で遊
離のブロモシアン基をブロックした後、このセファロー
スをカラムに詰めPBS(−)でバッファライズした。男
子新鮮尿10lをpH8.5に調整し析出する不溶物を過して
除き、pH7.5に調整して上記のカラムにチャージした。
カラムを100mlのPBS(−)、さらに1M塩化ナトリウムを
含むPBS(−)100mlで洗浄した後、0.1Mクエン酸水溶液
pH2.0で吸着したHMW−hEGFを溶出した。本操作により50
μgのHMW−hEGFが1ステップで得られた。SDS−電気泳
動で純度を検定すると約85%であった。収率を実施例4
のELISA法で検定すると90%であった。
フィニティクロマトグラフィによるHMW−hEGFの抽出、
精製 バイオラッド社製マップスキットを用いてNo.25株培
養上清からHMW−hEGFモノクロナール抗体を精製した。
得られた精製IgG20mgを100m1のブロモシアン活性化セフ
ァロース(ファルマシア、ジャパン社製、東京)に常法
通りカップリングした。0.1Mのグリシン緩衝液pH8で遊
離のブロモシアン基をブロックした後、このセファロー
スをカラムに詰めPBS(−)でバッファライズした。男
子新鮮尿10lをpH8.5に調整し析出する不溶物を過して
除き、pH7.5に調整して上記のカラムにチャージした。
カラムを100mlのPBS(−)、さらに1M塩化ナトリウムを
含むPBS(−)100mlで洗浄した後、0.1Mクエン酸水溶液
pH2.0で吸着したHMW−hEGFを溶出した。本操作により50
μgのHMW−hEGFが1ステップで得られた。SDS−電気泳
動で純度を検定すると約85%であった。収率を実施例4
のELISA法で検定すると90%であった。
上記のクエン酸水溶液の代りにアンモニア水溶液、チ
オシアン酸水溶液のようなカオトロピック(chaotropi
c)イオンを含む水溶液を用いて溶出しても同様の結果
が得られた。
オシアン酸水溶液のようなカオトロピック(chaotropi
c)イオンを含む水溶液を用いて溶出しても同様の結果
が得られた。
本発明により新規なHMW−hEGFモノクロナール抗体を
産生する細胞をつくることができる。それによりHMW−h
EGFモノクロナール抗体を大量生産することが可能にな
った。またこのモノクロナール抗体を用いてヒト尿から
分離の困難なHMW−hEGFを簡便な方法で高収率で得るこ
とができるようになった。更に本抗体はヒト体液中のHM
W−hEGFを特異的に測定するのに極めて有用である。本
抗体を用いた測定法によって脳腫瘍等の癌疾患の迅速な
モニターリングが可能になった。
産生する細胞をつくることができる。それによりHMW−h
EGFモノクロナール抗体を大量生産することが可能にな
った。またこのモノクロナール抗体を用いてヒト尿から
分離の困難なHMW−hEGFを簡便な方法で高収率で得るこ
とができるようになった。更に本抗体はヒト体液中のHM
W−hEGFを特異的に測定するのに極めて有用である。本
抗体を用いた測定法によって脳腫瘍等の癌疾患の迅速な
モニターリングが可能になった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91) (56)参考文献 Biochem.Biophys.R es.Commun.,145,[1], (1987),p.126−133 Cancer.Res.,47, (1987),p.1190−1196
Claims (9)
- 【請求項1】イムノグロブリンIgGに属し、約6,000ダル
トンのヒト上皮細胞成長因子を認識しないが、約33キロ
ダルトンの高分子型ヒト上皮細胞成長因子を認識するモ
ノクロナール抗体。 - 【請求項2】高分子型ヒト上皮細胞成長因子を抗原とし
て免疫されたホ乳動物(ヒトを除く)の細胞とミエロー
マ細胞とのハイブリドーマを培養して得られた培養物か
ら得られた請求項1記載のモノクロナール抗体。 - 【請求項3】約33キロダルトンの高分子型ヒト上皮細胞
成長促進因子を抗原として免疫されたホ乳動物(ヒトを
除く)の細胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマを培
養し、その培養物から抗高分子型ヒト上皮細胞成長因子
モノクロナール抗体を採取することを特徴とする請求項
1もしくは2に記載されたモノクロナール抗体を製造す
る方法。 - 【請求項4】試料中に含有される高分子型を含むヒト上
皮細胞成長促進因子を固定化し、これに請求項1または
2記載の抗高分子型ヒトモノクロナール抗体を作用さ
せ、その作用量を酵素標識法により測定することを特徴
とする高分子型ヒト 上皮細胞成長促進因子の酵素免疫
測定法。 - 【請求項5】モノクロナール抗体を作用させたのち、該
抗体の由来するホ乳動物(ヒトを除く)のイムノグロブ
リンの抗体を酵素標識して作用させ、その作用により結
合する標識酵素を測定する請求項4記載の測定法。 - 【請求項6】モノクロナール抗体を酵素標識して作用さ
せ、その作用により結合する標識酵素を測定する請求項
4記載の測定法。 - 【請求項7】高分子型ヒト上皮細胞成長因子を含む体液
を、請求項1または2記載のモノクロナール抗体を固定
した充填材のカラムに通して上記成長因子を充填材に吸
着させ、次いでカラムから上記成長因子を溶出すること
を特徴とする高分子型ヒト上皮細胞成長因子の製造法。 - 【請求項8】高分子ヒト上皮細胞成長因子を抗原として
免疫されたホ乳動物の細胞とミエローマ細胞のハイブリ
ドーマである請求項1または2記載のモノクロナール抗
体を産生する株。 - 【請求項9】ホ乳動物の細胞が脾細胞であり、ミエロー
マ細胞が免疫グロブリン非分泌性である請求項8記載の
株。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63223053A JP2948594B2 (ja) | 1988-09-06 | 1988-09-06 | モノクローナル抗体 |
EP19890309002 EP0358468B1 (en) | 1988-09-06 | 1989-09-06 | Monoclonal antibody to high molecular weight human epidermal growth factor |
DE1989613872 DE68913872T2 (de) | 1988-09-06 | 1989-09-06 | Monoklonale Antikörper gegen den menschlichen Epidermal-Wachstumsfaktor mit hohem Molekulargewicht. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63223053A JP2948594B2 (ja) | 1988-09-06 | 1988-09-06 | モノクローナル抗体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02174690A JPH02174690A (ja) | 1990-07-06 |
JP2948594B2 true JP2948594B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=16792098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63223053A Expired - Fee Related JP2948594B2 (ja) | 1988-09-06 | 1988-09-06 | モノクローナル抗体 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0358468B1 (ja) |
JP (1) | JP2948594B2 (ja) |
DE (1) | DE68913872T2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114249824B (zh) * | 2021-12-23 | 2023-07-21 | 河北省科学院生物研究所 | 杂交瘤细胞hEGF-3A8及其产生的单克隆抗体和应用 |
-
1988
- 1988-09-06 JP JP63223053A patent/JP2948594B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1989
- 1989-09-06 EP EP19890309002 patent/EP0358468B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1989-09-06 DE DE1989613872 patent/DE68913872T2/de not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Biochem.Biophys.Res.Commun.,145,[1],(1987),p.126−133 |
Cancer.Res.,47,(1987),p.1190−1196 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE68913872D1 (de) | 1994-04-21 |
EP0358468A2 (en) | 1990-03-14 |
JPH02174690A (ja) | 1990-07-06 |
DE68913872T2 (de) | 1994-06-30 |
EP0358468A3 (en) | 1990-05-23 |
EP0358468B1 (en) | 1994-03-16 |
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