JP2947246B2 - レーダシステム - Google Patents

レーダシステム

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JP2947246B2
JP2947246B2 JP9335126A JP33512697A JP2947246B2 JP 2947246 B2 JP2947246 B2 JP 2947246B2 JP 9335126 A JP9335126 A JP 9335126A JP 33512697 A JP33512697 A JP 33512697A JP 2947246 B2 JP2947246 B2 JP 2947246B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの移動
体に搭載され、移動体前方を走行する他の移動体などの
方位を検出するレーダシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の安全性確保や、衝突防
止、あるいは自動運転の観点からレーダ装置、特にミリ
波レーダ装置を用いて前方を走行する他の自動車、障害
物、走行車線などを検出する技術が盛んに研究され、開
発されている。このような用途で自動車に搭載するミリ
波レーダ装置では、100m先の車線識別が可能でなけ
ればならず、したがって放射電波のビーム幅が狭い高指
向性のアンテナが用いられる。この種のアンテナを用い
て自車(レーダ装置を搭載した自動車)の前方を走行す
る前方車の方位を検出する装置の一例が特開平6−24
2230に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高指向性のア
ンテナを用いて前方車の方位を精度よく検出するために
は、アンテナは自動車に対して高精度で取り付ける必要
があり、例えばビーム幅が3度程度のアンテナの場合、
方位方向での取り付け誤差は1度以下にしなければなら
ない。したがって、従来は、アンテナを自動車に取り付
ける際には細心の注意を払う必要があり、取り付け作業
は時間と労力を要する作業となっていた。本発明はこの
ような問題を解決するためになされたもので、その目的
は、移動体への取り付けが極めて容易なレーダシステム
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、移動体前方の標的の方位を、アンテナの正面
方向を基準に検出するレーダ手段と、前記アンテナ正面
方向を基準にした前記移動体の走行方向を検出する走行
方向検出手段と、前記移動体に搭載され、前記アンテナ
を支持し、制御信号にもとづいて前記アンテナを略水平
面内で揺動させる雲台と、前記走行方向検出手段が検出
した前記移動体の前記走行方向にもとづいて前記制御信
号を出力し、前記アンテナ正面方向を前記移動体の前記
走行方向に一致させるべく前記雲台を制御する雲台制御
手段とを備え、前記アンテナは、前記アンテナ正面方向
を基準にして方位が異なる少なくとも第1および第2の
方向に電波を放射して反射波を受信し、前記走行方向検
出手段は、前記アンテナからの受信信号の周波数と、前
記アンテナが放射した前記電波の周波数との差にもとづ
いて前記移動体の走行速度を算出する速度演算手段と、
前記アンテナが前記第1の方向に電波を放射した際の前
記アンテナからの受信信号にもとづいて前記速度演算手
段が算出した第1の走行速度と、前記アンテナが前記第
2の方向に電波を放射した際の前記アンテナからの受信
信号にもとづいて前記速度演算手段が算出した第2の走
行速度とにしたがって前記移動体の走行方向を算出する
走行方向演算手段とを含むことを特徴とする。
【0005】本発明のレーダシステムでは、移動体に搭
載されたレーダ手段は、移動体前方の標的の方位を、ア
ンテナ正面方向を基準に検出し、一方、走行方向検出手
段は、移動体の走行方向を上記アンテナ正面方向を基準
に検出する。そして、雲台制御手段は、走行方向検出手
段が検出した移動体の走行方向にもとづいて制御信号を
出力し、上記アンテナ正面方向を移動体の走行方向に一
致させるべく雲台を制御する。ここで、前方に他の移動
体などの標的が存在しない状態で、レーダ手段はアンテ
ナから、方位が異なる少なくとも第1および第2の方向
に電波を放射し、地面で反射したその電波を受信するこ
とができ、その結果、走行方向検出手段の速度演算手段
は、受信信号の周波数がドップラー効果により変化して
いるため受信信号の周波数と、アンテナが放射した電波
の周波数との差にもとづいて移動体の走行速度を算出す
ることができる。そして、走行方向検出手段の走行方向
演算手段は、アンテナが第1の方向に電波を放射した際
のアンテナからの受信信号にもとづいて速度演算手段が
算出した第1の走行速度と、アンテナが第2の方向に電
波を放射した際のアンテナからの受信信号にもとづいて
速度演算手段が算出した第2の走行速度とにしたがって
移動体の走行方向を算出し、結果を雲台制御手段に供給
する。したがって、本発明のレーダシステムでは、レー
ダ手段が検出した移動体の方位は必ず移動体の走行方向
を基準にしたものとなる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を実施例
にもとづき図面を参照して説明する。図1は本発明によ
るレーダシステムの一例を示すブロック図である。この
レーダシステム2は、移動体としての自動車に搭載さ
れ、ミリ波レーダ部4および演算手段8(CPU)、雲
台70を含んで構成されている。本実施例ではミリ波レ
ーダ部4および演算手段8が本発明に係わるレーダ手段
を構成しており、ミリ波レーダ部4は、後により詳しく
説明するように、時間と共に周波数が変化するミリ波帯
の電波を自車の前方に放射して自車前方を走行する前方
車(標的)からの反射波を受信し、ビート信号を生成し
てその周波数分析結果を表す信号を演算手段8に供給す
る。そして、演算手段8は、ミリ波レーダ部4からの信
号にもとづいて前方車の方位(すなわち方位角)をアン
テナ正面方向を基準に検出する。また、ミリ波レーダ部
4および演算手段8は、本発明に係わる走行方向検出手
段を構成しており、後により詳しく説明するように、演
算手段8はミリ波レーダ部4からの信号にもとづいて自
車の走行方向を算出する。
【0007】ミリ波レーダ部4は、送信部10と受信部
12とを含み、送信部10は、三角波発生器14、発振
器16、分岐器18(H)、切換器20(TXSW)、
アンプ22により構成され、受信部12は、切換器24
(RXSW)、ミキサ26、28、30、セレクタ3
2、A/D変換器34、周波数分析器36(FFT)に
より構成されている。
【0008】送信部10の三角波発生器14はタイミン
グ制御回路38からのタイミング信号にもとづいて三角
波信号を生成し、送信部10の発振器16は、三角波発
生器14が生成した三角波信号にもとづき周期的に時間
と共に周波数がしだいに高くなり、また低くなる送信信
号を生成する。この送信信号は分岐器18により切換器
20、24にそれぞれ出力され、各切換器20、24は
タイミング制御回路38からのタイミング信号により出
力端子40、42、44から順次切り換えて上記送信信
号を出力する。アンプ22はこれらの送信信号を必要な
レベルにまで増幅し、サーキュレータ46を通じてアン
テナ48、50、52に出力する。
【0009】アンテナ48、50、52は、図2に示し
たように、間隔をおき横一列に配列されており、それぞ
れほぼ同一強度の電波を放射する。そして、中央のアン
テナ50は真正面に電波を放射してビーム51を形成
し、両側のアンテナ48、52はそれぞれビーム51か
ら若干離れる向きに電波を放射してそれぞれビーム4
9、53を形成する。図2において、ビーム51の中心
線54はアンテナ48、50、52の配列方向にほぼ直
交しており、また、3つのアンテナによるビーム49、
51、53を合成したビーム(図示せず)の中心線とな
っている。そして、この中心線54の方向がアンテナ正
面方向となっている。アンテナ48、50、52は自車
に搭載された雲台70に取り付けられており、雲台70
はモータを備え、演算手段8からの制御信号にもとづい
てアンテナを略水平面内および略垂直面内で揺動させ
る。
【0011】一方、受信部12の各ミキサ26、28、
30には、それぞれアンテナ48、50、52からの受
信信号がサーキュレータ46を通じて入力され、また、
切換器24の出力端子40、42、44から送信信号が
入力されている。そして、各ミキサ26、28、30
は、それぞれ受信信号と送信信号とを混合してビート信
号を生成し、セレクタ32に供給する。セレクタ32
は、これらのビート信号を演算手段8からのタイミング
信号にもとづいて順次切り換えて選択し、A/D変換器
34に供給する。そして、A/D変換器34はセレクタ
32からのビート信号をデジタル信号に変換して周波数
分析器36に出力し、周波数分析器36は、デジタル化
されたビート信号に対して周波数分析を行い、各信号周
波数ごとの信号振幅を表す信号、および受信強度を表す
信号を生成して演算手段8に出力する。
【0012】演算手段8は、例えばマイクロコンピュー
タにより構成され、後に詳しく説明するように、特に本
発明に係わる動作として自車の走行方向の算出、雲台7
0の制御、自車の走行方向を基準にした前方車の方位の
算出を行う。演算手段8はまた、周波数分析器36から
の信号にもとづき、周波数スペクトルの中心周波数によ
って前方車までの距離を算出し、また、ドップラ効果に
よる周波数の変位量より前方車の走行速度を算出する。
【0013】次に、このように構成されたレーダシステ
ム2の動作について説明する。図3の(A)、(B)は
レーダシステム2の動作を示すタイミングチャート、図
4はレーダシステム2の動作を示すフローチャートであ
る。以下では適宜これらの図面を参照する。まず、上記
アンテナ正面方向を基準にした前方車の方位を検出する
場合の動作について説明する。この場合、演算手段8は
雲台70に制御信号を出力して、ほぼ水平にアンテナ4
8、50、52から電波が放射されるように雲台70の
略垂直面内での雲台70の揺動方向を設定する。タイミ
ング制御回路38は演算手段8からの制御信号にもとづ
いて一定の周期でタイミング信号を三角波発生器14に
出力し、三角波発生器14は、図3の(A)に示したよ
うに、周期がこのタイミング信号の周期に等しく、各周
期における期間Tmで振幅が変化する三角波信号tsを
生成する。そして、発振器16は、三角波発生器14が
生成した三角波信号tsにもとづき周期的に時間と共に
周波数がしだいに高くなり、また低くなる送信信号(F
M変調信号)を生成する。
【0014】この送信信号は分岐器18により切換器2
0に出力され、切換器20は、図3の(A)に示したよ
うに、タイミング制御回路38からのタイミング信号に
より出力端子40、42、44から順次切り換えて上記
送信信号を出力する。アンプ22はこれらの送信信号を
必要なレベルにまで増幅し、サーキュレータ46を通じ
てアンテナ48、50、52に出力する。その結果、ア
ンテナ48、50、52からは順次、図2に示した方向
に電波が放射される。
【0015】自車の前方に他の自動車が存在すると、ア
ンテナ48、50、52が放射した電波はその前方車で
反射し、各アンテナ48、50、52はその反射波をそ
れぞれ受信する。そして、各受信信号はサーキュレータ
46を通じて各ミキサ26、28、30に入力される。
各ミキサ26、28、30には、各受信信号と共に、切
換器24の出力端子40、42、44から送信信号が入
力されている。切換器24は、タイミング制御回路38
からのタイミング信号にもとづいて、切換器20が出力
端子40に送信信号を出力しているときは切換器24の
出力端子40に、切換器20が出力端子42、44に送
信信号を出力しているときはそれぞれ切換器24の出力
端子42、44に送信信号を出力する。その結果、各ミ
キサ26、28、30は、それぞれ受信信号と送信信号
とを混合してビート信号を生成し、図3の(A)に示し
たタイミングでセレクタ32に供給する。セレクタ32
は、これらのビート信号を演算手段8からのタイミング
信号にもとづいて順次切り換えて選択し、A/D変換器
34に供給する。
【0016】そして、A/D変換器34はセレクタ32
からのビート信号をデジタル信号に変換して周波数分析
器36に出力し、周波数分析器36は、デジタル化され
たビート信号に対して周波数分析を行い、各信号周波数
ごとの信号振幅を表す信号、および受信信号強度を表す
信号を生成して演算手段8に出力する。
【0017】上述のように切換器20、24はタイミン
グ制御回路38からのタイミング信号にもとづいて送信
信号を出力する端子を切り換えているので、各アンテナ
48、50、52は順番に電波を放射し、その反射波を
受信する。そして、演算手段8は、各アンテナ48、5
0、52で送受信が行われるごとに、周波数分析器36
が出力する受信強度を表す信号にもとづいて、前方車の
方位を検出する。すなわち、例えば、図2において位置
62に前方車が存在している場合、アンテナ48による
受信信号が最も強く、アンテナ52による受信信号が最
も弱くなる。演算手段8は、このようなアンテナ間の受
信強度の差にもとづいて前方車の方位を検出する。
【0018】なお、演算手段8は、前方車の方位以外に
も、周波数分析器36からの信号にもとづき、周波数ス
ペクトルの中心周波数によって前方車までの距離を算出
し、また、ドップラ効果による周波数の変位量より前方
車の走行速度を算出する。
【0019】次に、自車の走行方向を検出して雲台70
を制御する場合の動作について説明する。図4は自車の
走行方向を検出して雲台70を制御する場合の動作を示
すフローチャートであり、以下ではこの図面を適宜参照
する。自車の走行方向を検出する際には、演算手段8は
雲台70に制御信号を出力して、雲台70をやや下方に
揺動させ(ステップS1)、図5の模式図に示したよう
に、アンテナ48、50、52が地面72に向けて電波
74を放射し、地面72からの反射波を受信できるよう
にする。
【0020】また、演算手段8は、タイミング制御回路
38を通じて三角波発生器14を制御し、その動作を停
止させる。その結果、三角波発生器14からは、図3の
(B)に示したように振幅一定の直流電圧が出力され、
そして発振器16は周波数一定の送信信号を出力する。
このような状態でミリ波レーダ部4の各部は上述のよう
に動作し、発振器16が出力した上記送信信号は分岐器
18により切換器20に出力され、切換器20は、図3
の(B)に示したように、タイミング制御回路38から
のタイミング信号により出力端子40、42、44から
順次切り換えて継続時間がTsの上記送信信号を出力す
る。その結果、アンテナ48、50、52からは順次、
周波数一定の電波74が放射される。アンテナ48、5
0、52が放射した電波74は、アンテナがやや下方を
向いているため、自車前方の地面で反射し、各アンテナ
48、50、52はその反射波をそれぞれ受信する(ス
テップS2)。そして、各受信信号はサーキュレータ4
6を通じて各ミキサ26、28、30に入力され、各ミ
キサ26、28、30は、上述の場合と同様にしてビー
ト信号を生成し、図3の(B)に示したタイミングでセ
レクタ32に供給する。セレクタ32は、これらのビー
ト信号を演算手段8からのタイミング信号にもとづいて
順次切り換えて選択し、A/D変換器34に供給する。
そして、A/D変換器34はセレクタ32からのビート
信号をデジタル信号に変換して周波数分析器36に出力
し、周波数分析器36は、デジタル化されたビート信号
に対して周波数分析を行い結果を演算手段8に出力す
る。
【0021】演算手段8は、ここで本発明に係わる速度
演算手段として動作し、周波数分析器36からの信号に
もとづき、周波数スペクトルの中心周波数を調べ、ドッ
プラ効果による周波数の変位量より自車の走行速度を算
出する(ステップS3)。上述のように切換器20、2
4はタイミング制御回路38からのタイミング信号にも
とづいて送信信号を出力する端子を切り換えているの
で、各アンテナ48、50、52は順番に電波74を放
射し、その反射波を受信する(ステップS4)。そし
て、演算手段8は、各アンテナ48、50、52で送受
信が行われるごとに(ステップS2)、周波数分析器3
6が出力する信号にもとづいて、自車の走行速度を算出
する(ステップS3)。
【0022】ここで、演算手段8が各アンテナで送受信
が行われるごとに算出した自車の走行速度は、実際の自
車の走行速度とは異なったものとなっている。その理由
は、アンテナ48、52の向きがアンテナ正面方向に対
して傾斜しており、また、通常、アンテナ正面方向が走
行方向からずれているため、各アンテナからの電波74
の放射方向が走行方向に一致していないからである。こ
こでは、アンテナ48で送受信を行ったとき演算手段8
が算出した走行速度をV2、アンテナ52で送受信を行
ったとき演算手段8が算出した走行速度をV3とする。
【0023】図6は算出した自車の走行速度にもとづき
自車の走行方向を算出する方法を説明するための模式図
である。この図に示したように、ビーム51の方向とビ
ーム49の方向とが成す角度、およびビーム51の方向
とビーム49の方向とが成す角度をΦ、ビーム51の方
向(アンテナ正面方向)を基準にした走行方向の方位角
をΨ、自車80の実際の走行速度をV0とすると、V2
=V0cos(Φ+Ψ)、V3=V0cos(Φ−Ψ)
となるので、この連立方程式を解くことで、アンテナ正
面方向を基準にした走行方向の方位角Ψを表す次式が得
られる。
【0024】
【数1】Ψ=Arctan[(1−Va/Vb)/{t
anΦa・(1+Va/Vb)}] 演算手段8はここで走行方向演算手段として動作し、こ
の式にもとづいてアンテナ正面方向を基準にした自車の
走行方向の方位角Ψを算出する(ステップS5)。演算
手段8はその後、本発明に係わる雲台制御手段として動
作し、このようにして得られた、アンテナ正面方向を基
準にした自車の走行方向にもとづき、雲台70に制御信
号を出力して、雲台70をΨだけ水平面内で揺動させ
る。その結果、アンテナのアンテナ正面方向は自車の走
行方向に正しく一致した状態となる(ステップS6)。
その後、演算手段8は雲台70を制御してアンテナの向
きをほぼ水平に戻し、そして、この状態で演算手段8が
上述のようにして算出する前方車の方位は、自車の走行
方向を基準にした前方車の方位となる。
【0025】したがって、例えば運転車は、望ましくは
比較的高速で走行していて、かつ前方に他の自動車が自
車に接近して走行していない場合に、レーダシステム2
を操作して一度、上述したアンテナ正面方向を自車の走
行方向に一致させる動作を行わせれば、以降、演算手段
8が算出する前方車の方位角は、常に、自車の走行方向
を基準にした前方車の方位角となる。そのため、本実施
例では、アンテナを自車に取り付ける際には、アンテナ
の向きは従来のように特に高精度で設定する必要はな
く、アンテナの取り付けは極めて容易に、かつ短時間で
行える。
【0026】なお、演算手段8が取得した前方車の方位
角や、上記前方車までの距離および前方車の走行速度
は、例えば、不図示の警報判定ユニットおよび自動運転
制御ユニットに供給して、運転者に対して警報を発した
り、あるいは自動車の操舵機構、アクセル、ブレーキな
どを制御して自動運転を行うために用いることができ
る。
【0027】本実施例では、演算手段8は、算出した、
アンテナ正面方向を基準にした自車の走行方向にもとづ
き、雲台70に制御信号を出力して雲台70をΨだけ水
平面内で揺動させるとしたが、図7のフローチャートに
示したように、雲台70を揺動制御した後(ステップS
6)、再度、アンテナ正面方向を基準にした自車の走行
方向を求め、アンテナ正面方向と走行方向との差(ずれ
量)が許容範囲内となるまで、走行方向の検出と雲台7
0の制御を繰り返す(ステップS7)構成とすることも
有効である。そのような構成では、アンテナ正面方向と
走行方向との差は必ず許容範囲内となるため、前方車の
方向をより正確に検出することが可能となる。なお、図
7において、図4のフローチャートと同一のステップに
は同一の符号が付されている。また、本実施例では、ア
ンテナの総数は3としたが、アンテナの数はこれに限ら
ず、2あるいは4以上とすることも可能である。
【0028】さらに、本実施例では、アンテナを下向き
にして自車の走行速度を測定する際は、周波数一定の電
波を放射するとしたが、前方車の方向を検出するときと
同様、変調波を用いることも可能である。ただし、その
場合には図3の(A)と(B)とを比較して分るように
各周期における送信時間がやや短くなるので(TsがT
mになる)、測定精度を重視する観点からは本実施例の
ように走行速度を測定するときは非変調とする方が望ま
しい。なお、送信周波数をf0、光速をc、走行速度を
Vとすると、ドップラー周波数fdはfd=2V*f0
/cであるため、速度精度δVは、δV=c/(2f0
・Ts)で与えられ、例えば、f0が60GHzの場
合、Tsを10msとすると、速度精度は1Km/hと
なる。また、本実施例では自車の走行方向を検出する際
は、アンテナをやや下向きに切り換えるとしたが、アン
テナの向きは垂直方向で常に一定とすることも可能であ
る。そのような構成でも、アンテナの位置や、アンテナ
の縦方向での向き、あるいはアンテナから放射されるビ
ームの縦方向での広がり幅などによっては地面からの反
射波を検出でき、自車の走行方向を検出することができ
る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明のレーダシス
テムでは、移動体に搭載されたレーダ手段は、移動体前
方の標的の方位を、アンテナ正面方向を基準に検出し、
一方、走行方向検出手段は、移動体の走行方向を上記ア
ンテナ正面方向を基準に検出する。そして、雲台制御手
段は、走行方向検出手段が検出した移動体の走行方向に
もとづいて制御信号を出力し、上記アンテナ正面方向を
移動体の走行方向に一致させるべく雲台を制御する。こ
こで、前方に他の移動体などの標的が存在しない状態
で、レーダ手段はアンテナから、方位が異なる少なくと
も第1および第2の方向に電波を放射し、地面で反射し
たその電波を受信することができ、その結果、走行方向
検出手段の速度演算手段は、受信信号の周波数がドップ
ラー効果により変化しているため受信信号の周波数と、
アンテナが放射した電波の周波数との差にもとづいて移
動体の走行速度を算出することができる。そして、走行
方向検出手段の走行方向演算手段は、アンテナが第1の
方向に電波を放射した際のアンテナからの受信信号にも
とづいて速度演算手段が算出した第1の走行速度と、ア
ンテナが第2の方向に電波を放射した際のアンテナから
の受信信号にもとづいて速度演算手段が算出した第2の
走行速度とにしたがって移動体の走行方向を算出し、結
果を雲台制御手段に供給する。したがって、本発明のレ
ーダシステムでは、レーダ手段が検出した移動体の方位
は必ず移動体の走行方向を基準にしたものとなる。その
ため、アンテナを移動体に取り付ける際には、アンテナ
の向きは従来のように特に高精度で設定する必要はな
く、アンテナの取り付けは極めて容易に、かつ短時間で
行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーダシステムの一例を示すブロ
ック図である。
【図2】図1のレーダシステムを構成するアンテナが放
射する電波のビームパターンを示す模式図である。
【図3】(A)は前方車の走行方向を検出する場合の動
作を示すタイミングチャート、(B)は自車の走行方向
を検出する場合の動作を示すタイミングチャートであ
る。
【図4】自車の走行方向を検出して雲台を制御する場合
の動作を示すフローチャートである。
【図5】自車の走行方向を検出する際に放射される電波
ビームの方向を示す模式図である。
【図6】算出した自車の走行速度にもとづき自車の走行
方向を算出する方法を説明するための模式図である。
【図7】アンテナ正面方向と走行方向との差を許容範囲
内とするための繰り返し制御を行う場合の動作を示すフ
ローチャートである。 〔図面の簡単な説明〕
【符号の説明】
2……レーダシステム、4……ミリ波レーダ部、6……
走行方向検出手段、8……演算手段、14……三角波発
生器、16……発振器、20、24……切換器、26、
28、30……ミキサ、32……セレクタ、34……A
/D変換器、36……周波数分析器、48、50、52
……アンテナ、70……雲台。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/93

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体前方の標的の方位を、アンテナの
    正面方向を基準に検出するレーダ手段と、 前記アンテナ正面方向を基準にした前記移動体の走行方
    向を検出する走行方向検出手段と、 前記移動体に搭載され、前記アンテナを支持し、制御信
    号にもとづいて前記アンテナを略水平面内で揺動させる
    雲台と、 前記走行方向検出手段が検出した前記移動体の前記走行
    方向にもとづいて前記制御信号を出力し、前記アンテナ
    正面方向を前記移動体の前記走行方向に一致させるべく
    前記雲台を制御する雲台制御手段とを備え、 前記アンテナは、前記アンテナ正面方向を基準にして方
    位が異なる少なくとも第1および第2の方向に電波を放
    射して反射波を受信し、 前記走行方向検出手段は、 前記アンテナからの受信信号の周波数と、前記アンテナ
    が放射した前記電波の周波数との差にもとづいて前記移
    動体の走行速度を算出する速度演算手段と、 前記アンテナが前記第1の方向に電波を放射した際の前
    記アンテナからの受信信号にもとづいて前記速度演算手
    段が算出した第1の走行速度と、前記アンテナが前記第
    2の方向に電波を放射した際の前記アンテナからの受信
    信号にもとづいて前記速度演算手段が算出した第2の走
    行速度とにしたがって前記移動体の走行方向を算出する
    走行方向演算手段とを含む、 ことを特徴とするレーダシステム。
  2. 【請求項2】 前記走行方向検出手段および前記雲台制
    御手段は、前記アンテナ正面方向と前記移動体の走行方
    向との差が許容範囲内となるまで、それぞれ繰り返して
    走行方向を検出し、前記雲台を制御する請求項1記載の
    レーダシステム。
  3. 【請求項3】 前記アンテナ正面方向を基準にした前記
    第1および第2の方向の方位角は、符号が異なり絶対値
    はほぼ等しく、 前記方位角の絶対値をΦ、前記第1および第2の走行速
    度をそれぞれVa、Vb、前記移動体の走行方向をΨと
    したとき、前記走行方向演算手段は、数式Ψ=Arct
    an[(1−Va/Vb)/{tanΦ・(1+Va/
    Vb)}]により前記移動体の走行方向を算出する請求
    項1記載のレーダシステム。
  4. 【請求項4】 前記雲台は略垂直面内においても前記ア
    ンテナを揺動させ、前記移動体の走行方向を検出する
    際、前記雲台制御手段は前記制御信号を出力して前記雲
    台をやや下向きに揺動させる請求項1記載のレーダシス
    テム。
  5. 【請求項5】 前記アンテナは、前記第1および第2の
    方向に電波を放射する第1および第2のアンテナを含む
    複数のアンテナを間隔をおき横一列に配置して構成さ
    れ、各アンテナはそれぞれ異なる方位に電波を放射し、
    前記レーダ手段は、各アンテナからほぼ同一強度の電波
    を放射させて各アンテナによる受信反射波の強度の差に
    もとづき前記標的の方位を検出する請求項1記載のレー
    ダシステム。
  6. 【請求項6】 アンテナの総数は3であり、第3のアン
    テナは、前記第1および第2の方向の中間の方位に電波
    を放射する請求項5記載のレーダシステム。
  7. 【請求項7】 前記レーダ手段は、前記第1ないし第3
    のアンテナを順次切り換え前記電波を放射してその反射
    波を受信する請求項6記載のレーダシステム。
  8. 【請求項8】 前記アンテナはミリ波帯の前記電波を放
    射する請求項1記載のレーダシステム。
  9. 【請求項9】 前記レーダ手段は、前記標的の方位を検
    出する際は、所定周期の三角波の振幅変化に応じて周波
    数が変化する前記電波を前記アンテナから放射し、前記
    移動体の走行方向を検出する際は一定周波数の前記電波
    を前記アンテナから放射する請求項1記載のレーダシス
    テム。
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