JP2924111B2 - エレクトロクロミック表示素子及びその製造方法 - Google Patents
エレクトロクロミック表示素子及びその製造方法Info
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- JP2924111B2 JP2924111B2 JP2183426A JP18342690A JP2924111B2 JP 2924111 B2 JP2924111 B2 JP 2924111B2 JP 2183426 A JP2183426 A JP 2183426A JP 18342690 A JP18342690 A JP 18342690A JP 2924111 B2 JP2924111 B2 JP 2924111B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、描画性を有するエレクトロクロミック表示
素子及びその製造方法に関する。
素子及びその製造方法に関する。
[従来の技術] エレクトロクロミック表示素子(以下ECDと略す)
は、電圧を印加することにより可視光の吸収スペクトル
が可逆的に変化し、着色または消色を起こすエレクトロ
クロミック(以下ECと略す)現象を利用した非発光型の
表示素子である。非発光型であるために、エレクトロル
ミネッセンス表示素子、プラズマディスプレイ、CRTと
いった発光型のものと比べて、目が疲れないという特徴
を持ち、また、他の非発光型表示素子である液晶と比較
しても、視野角依存性がない、素子自身で多色化が可能
である、大面積化が可能であるという優れた性能を持つ
表示素子である。
は、電圧を印加することにより可視光の吸収スペクトル
が可逆的に変化し、着色または消色を起こすエレクトロ
クロミック(以下ECと略す)現象を利用した非発光型の
表示素子である。非発光型であるために、エレクトロル
ミネッセンス表示素子、プラズマディスプレイ、CRTと
いった発光型のものと比べて、目が疲れないという特徴
を持ち、また、他の非発光型表示素子である液晶と比較
しても、視野角依存性がない、素子自身で多色化が可能
である、大面積化が可能であるという優れた性能を持つ
表示素子である。
このようなEC物質としては、現在のところ、電圧印加
により、イオンと電子が流入することによる酸化還元反
応に伴って、着消色反応を起こす、繊維金属の酸化物が
用いられることが多い。このため、ECDは、一般に透明
である表示電極と対向電極の間に、1種または2種以上
のEC物質層と、EC物質層にイオンを供給する電解質層を
挟んだ構成となっている。
により、イオンと電子が流入することによる酸化還元反
応に伴って、着消色反応を起こす、繊維金属の酸化物が
用いられることが多い。このため、ECDは、一般に透明
である表示電極と対向電極の間に、1種または2種以上
のEC物質層と、EC物質層にイオンを供給する電解質層を
挟んだ構成となっている。
例えば、特開昭60−238818号公報においては、EC物質
として酸化タングステンを用い、その製造方法としてア
ルゴンを導入ガスとして真空蒸着する方法が開示されて
いる。
として酸化タングステンを用い、その製造方法としてア
ルゴンを導入ガスとして真空蒸着する方法が開示されて
いる。
ところで、このECDに、描画性をもたせることによ
り、ECDを文字や図形などの書き込み可能な表示素子と
して利用する試みが以前からなされている。
り、ECDを文字や図形などの書き込み可能な表示素子と
して利用する試みが以前からなされている。
ここで云う「描画」とは、ECDセルにおいて、意図し
た部分にのみ着色反応を起こすことである。さらに「描
画可能」とは、描画電極をECDの表示電極の表面に接触
させて、通常の筆記速度、筆圧で書き込みを行った場
合、着色した部分が、拡がりすぎてぼやけてしまった
り、または、細すぎて視認できないことがないという状
態であり、意図して書き込まれた任意の文字や図形など
が肉眼で、はっきり判別できることをいう。液晶表示素
子やCRTなどの従来の表示素子では、静電誘導方式によ
る位置検出機能を合わせ持つことにより、表面書き込み
型で描画可能な素子として開発されている。
た部分にのみ着色反応を起こすことである。さらに「描
画可能」とは、描画電極をECDの表示電極の表面に接触
させて、通常の筆記速度、筆圧で書き込みを行った場
合、着色した部分が、拡がりすぎてぼやけてしまった
り、または、細すぎて視認できないことがないという状
態であり、意図して書き込まれた任意の文字や図形など
が肉眼で、はっきり判別できることをいう。液晶表示素
子やCRTなどの従来の表示素子では、静電誘導方式によ
る位置検出機能を合わせ持つことにより、表面書き込み
型で描画可能な素子として開発されている。
描画性を持ったECDの試みとしては、以下のいくつか
が挙げられる。たとえば、特公昭52−46098号公報で
は、EC層をむき出しにして、直接描画電極をEC層と接触
させることにより描画する方法がとられている。また、
特開昭62−255920号公報,特開昭62−267727号公報,特
開昭62−267728号公報,特開昭62−286024号公報などで
は、電極、EC物質層、電解質層の少なくとも1つを、微
少な画素に分割し、着色領域が拡がりすぎるのを防ぐこ
とにより、描画性をもたせる方法がとられている。ま
た、特開昭62−156720号公報では、着色閾値未満の電圧
を予め印加しておき、ペンで加圧することにより、閾値
を越えた電圧を印加して着色させペン入力による描画性
をもたせた方法がとられている。
が挙げられる。たとえば、特公昭52−46098号公報で
は、EC層をむき出しにして、直接描画電極をEC層と接触
させることにより描画する方法がとられている。また、
特開昭62−255920号公報,特開昭62−267727号公報,特
開昭62−267728号公報,特開昭62−286024号公報などで
は、電極、EC物質層、電解質層の少なくとも1つを、微
少な画素に分割し、着色領域が拡がりすぎるのを防ぐこ
とにより、描画性をもたせる方法がとられている。ま
た、特開昭62−156720号公報では、着色閾値未満の電圧
を予め印加しておき、ペンで加圧することにより、閾値
を越えた電圧を印加して着色させペン入力による描画性
をもたせた方法がとられている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の技術には、それぞれに欠点
があった。たとえば、特公昭52−46098号公報の方法で
は、着色領域が拡がり過ぎて判読しにくく、そのうえEC
層の劣化が激しく、多数回の使用に耐えないなどといっ
た問題点があった。また特開昭62−255920号公報等の方
法では、分割するためのパターニング処理が煩雑であ
る。さらに、特開昭62−156720号公報の方法では、ECD
セルの構成や回路が複雑になるうえに、固体電解質で行
うことが難しい。
があった。たとえば、特公昭52−46098号公報の方法で
は、着色領域が拡がり過ぎて判読しにくく、そのうえEC
層の劣化が激しく、多数回の使用に耐えないなどといっ
た問題点があった。また特開昭62−255920号公報等の方
法では、分割するためのパターニング処理が煩雑であ
る。さらに、特開昭62−156720号公報の方法では、ECD
セルの構成や回路が複雑になるうえに、固体電解質で行
うことが難しい。
また、特開昭60−238818号公報においては、描画不可
能である。
能である。
本発明は、かくる従来技術の欠点を解消しようとする
ものであり、描画可能であり、かつ優れた耐久性を有す
る全固体型ECDに用いられるEC物質として、酸化タング
ステン、さらにはその製造方法を提供することを目的と
する。
ものであり、描画可能であり、かつ優れた耐久性を有す
る全固体型ECDに用いられるEC物質として、酸化タング
ステン、さらにはその製造方法を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために下記の構成を有
する。
する。
「(1) 表示電極と対向電極の間に、酸化タングステ
ンからなるエレクトロクロミック物質層と、固体電解質
層とを少なくとも設けてなる全固体型エレクトロクロミ
ック表示素子において、該酸化タングステンの、FT−IR
での透過スペクトルが、1400cm-1の吸光度をA1400、180
0cm-1の吸光度をA1800、1600cm-1から1650cm-1で最も吸
光度の大きい値をA*、2500cm-1の吸光度をA2500、400
0cm-1の吸光度をA4000、3400cm-1の吸光度をA3400とし
た場合に、下記(A)式かつ(B)式を満たすことを特
徴とするエレクトロクロミック表示素子。
ンからなるエレクトロクロミック物質層と、固体電解質
層とを少なくとも設けてなる全固体型エレクトロクロミ
ック表示素子において、該酸化タングステンの、FT−IR
での透過スペクトルが、1400cm-1の吸光度をA1400、180
0cm-1の吸光度をA1800、1600cm-1から1650cm-1で最も吸
光度の大きい値をA*、2500cm-1の吸光度をA2500、400
0cm-1の吸光度をA4000、3400cm-1の吸光度をA3400とし
た場合に、下記(A)式かつ(B)式を満たすことを特
徴とするエレクトロクロミック表示素子。
(2) 表示電極と対向電極の間に、酸化タングステン
からなるエレクトロクロミック物質層と、固体電解質層
とを少なくとも設けてなる全固体型エレクトロクロミッ
ク表示素子の製造方法において、該酸化タングステン
が、 該表示電極あるいは該対向電極を基板として、その基
板表面温度が20℃以上、180℃以下、かつ、 導入ガスとして酸素を用い、真空度が2×10-5torr以
上、1×10-3torr以下、かつ、 成膜速度が0.1nm/秒以上、0.4nm/秒以下 の条件下で、真空蒸着法により設けられてなることを特
徴とするエレクトロクロミック表示素子の製造方法。」 すなわち本発明は、酸化タングステンからなるEC物質
層を、真空蒸着法により設けてなるECDの製造方法にお
いて、基板温度、導入ガスと真空度、成膜速度をある条
件に限定することにより、前記FT−IRでの吸収スペクト
ルにおける式を満たす、描画可能なECDおよびその簡単
な製造方法を提供するものである。
からなるエレクトロクロミック物質層と、固体電解質層
とを少なくとも設けてなる全固体型エレクトロクロミッ
ク表示素子の製造方法において、該酸化タングステン
が、 該表示電極あるいは該対向電極を基板として、その基
板表面温度が20℃以上、180℃以下、かつ、 導入ガスとして酸素を用い、真空度が2×10-5torr以
上、1×10-3torr以下、かつ、 成膜速度が0.1nm/秒以上、0.4nm/秒以下 の条件下で、真空蒸着法により設けられてなることを特
徴とするエレクトロクロミック表示素子の製造方法。」 すなわち本発明は、酸化タングステンからなるEC物質
層を、真空蒸着法により設けてなるECDの製造方法にお
いて、基板温度、導入ガスと真空度、成膜速度をある条
件に限定することにより、前記FT−IRでの吸収スペクト
ルにおける式を満たす、描画可能なECDおよびその簡単
な製造方法を提供するものである。
本発明において、FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度
計)の測定は、市販の装置を用いて行うことができるも
のである。また、透過スペクトルは、酸化タングステン
を基板の上に設けて透過スペクトルを測定し、基板の吸
収を差し引くことによって、酸化タングステンの透過ス
ペクトルを得ることができる。
計)の測定は、市販の装置を用いて行うことができるも
のである。また、透過スペクトルは、酸化タングステン
を基板の上に設けて透過スペクトルを測定し、基板の吸
収を差し引くことによって、酸化タングステンの透過ス
ペクトルを得ることができる。
FT−IR測定において、酸化タングステンを基板に設け
る方法は、ECDを製造する際に酸化タングステンを設け
る方法と、同一方法、同一条件のもとに、基板上に設け
て、測定することが必要である。しかしながら、基板
は、ECD製造の際に酸化タングステンを設ける基板と同
一である必要はなく、FT−IR測定に好適な基板を用いて
もよい。このような基板としては、シリコンウエハなど
が好ましい。
る方法は、ECDを製造する際に酸化タングステンを設け
る方法と、同一方法、同一条件のもとに、基板上に設け
て、測定することが必要である。しかしながら、基板
は、ECD製造の際に酸化タングステンを設ける基板と同
一である必要はなく、FT−IR測定に好適な基板を用いて
もよい。このような基板としては、シリコンウエハなど
が好ましい。
ここで、本発明における、上記(A)式および(B)
式の意味を説明する。
式の意味を説明する。
FT−IRにおいて、1600cm-1から1650cm-1の吸収帯は、
水酸基の変角振動に帰属できるものであり、3400cm-1付
近の吸収帯は、水酸基の伸縮振動に帰属できるものであ
る。上記(A)式および(B)式は、これら水酸基の吸
収帯での吸光度が、その周囲の吸光度に比べて、特に大
きいことを意味し、酸化タングステン中の水酸基量が多
いことを示している。なお、酸化タングステンの、FT−
IRでの透過スペクトルにおいて、1400cm-1、1800cm-1、
2500cm-1、4000cm-1は、他の特性スペクトルの吸収帯と
ならないために、上記(A)式、(B)式のうえで基準
として用いることができる。
水酸基の変角振動に帰属できるものであり、3400cm-1付
近の吸収帯は、水酸基の伸縮振動に帰属できるものであ
る。上記(A)式および(B)式は、これら水酸基の吸
収帯での吸光度が、その周囲の吸光度に比べて、特に大
きいことを意味し、酸化タングステン中の水酸基量が多
いことを示している。なお、酸化タングステンの、FT−
IRでの透過スペクトルにおいて、1400cm-1、1800cm-1、
2500cm-1、4000cm-1は、他の特性スペクトルの吸収帯と
ならないために、上記(A)式、(B)式のうえで基準
として用いることができる。
本発明における特徴を有する酸化タングステンを製造
する方法を以下に述べる。
する方法を以下に述べる。
本発明の製造方法に於て、酸化タングステンからなる
エレクトロクロミック物質層を真空蒸着法によって設け
る際には、表示電極、対向電極、あるいは該電極上に設
けられた固体電解質や他のEC物質層からなる被蒸着面の
いずれかを基板面とし、その基板表面温度が、20℃以
上、180℃以下であることが必要である。室温である20
℃未満の場合には、冷却装置に多額の設備投資を必要と
し、そのために非常に高いコストとなるため、現実的に
は真空蒸着は不可能である。また、基板表面温度が180
℃を越えると、EC層は、描画性をもたず、EC面の全面に
わたる着色となったり、着色域が拡がり描画した文字が
判別困難となる。
エレクトロクロミック物質層を真空蒸着法によって設け
る際には、表示電極、対向電極、あるいは該電極上に設
けられた固体電解質や他のEC物質層からなる被蒸着面の
いずれかを基板面とし、その基板表面温度が、20℃以
上、180℃以下であることが必要である。室温である20
℃未満の場合には、冷却装置に多額の設備投資を必要と
し、そのために非常に高いコストとなるため、現実的に
は真空蒸着は不可能である。また、基板表面温度が180
℃を越えると、EC層は、描画性をもたず、EC面の全面に
わたる着色となったり、着色域が拡がり描画した文字が
判別困難となる。
また、酸化タングステンからなるエレクトロクロミッ
ク物質層を真空蒸着法によって設ける際には、酸素ガス
を導入ガスとし、真空度が2×10-5torr以上、1×10-3
torr以下であることが必要であり、真空度が2×10-5to
rr未満であると、EC層は描画性をもたず、EC層の全面に
わたる着色となったり、着色域が拡がり描画した文字が
判別困難となる。また、1×10-3torrを越えると、真空
蒸着による成膜に要する時間がかかりすぎて、生産性を
欠く。
ク物質層を真空蒸着法によって設ける際には、酸素ガス
を導入ガスとし、真空度が2×10-5torr以上、1×10-3
torr以下であることが必要であり、真空度が2×10-5to
rr未満であると、EC層は描画性をもたず、EC層の全面に
わたる着色となったり、着色域が拡がり描画した文字が
判別困難となる。また、1×10-3torrを越えると、真空
蒸着による成膜に要する時間がかかりすぎて、生産性を
欠く。
本発明の特徴を有する酸化タングステンを真空蒸着法
によって設ける際の成膜速度としては、0.1nm/秒以上、
0.4nm/秒以下であることが必要であり、0.1nm/秒未満で
あると、真空蒸着による成膜に要する時間がかかりすぎ
て、生産性を欠く。また0.4nm/秒を越えると、EC層は、
描画性をもたず、EC層の全面にわたる着色となったり、
着色域が拡がり描画した文字が判別困難となる。
によって設ける際の成膜速度としては、0.1nm/秒以上、
0.4nm/秒以下であることが必要であり、0.1nm/秒未満で
あると、真空蒸着による成膜に要する時間がかかりすぎ
て、生産性を欠く。また0.4nm/秒を越えると、EC層は、
描画性をもたず、EC層の全面にわたる着色となったり、
着色域が拡がり描画した文字が判別困難となる。
本発明によっては、酸化タングステンをEC層とする、
全固体ECDが得られるが、ここで用いられる表示電極お
よび対向電極は、通常のECDにおいて用いられている電
極を特に限定されることなく用いることができる。たと
えば金、銀、アルミニウムなどの金属や、酸化インジウ
ム,酸化スズ,酸化アンチモンなどの金属酸化物、及び
上記金属や金属酸化物の2種以上の混合物でもよいが、
表示を確認する上で少なくとも一方は透明な電極である
ことが好ましい。
全固体ECDが得られるが、ここで用いられる表示電極お
よび対向電極は、通常のECDにおいて用いられている電
極を特に限定されることなく用いることができる。たと
えば金、銀、アルミニウムなどの金属や、酸化インジウ
ム,酸化スズ,酸化アンチモンなどの金属酸化物、及び
上記金属や金属酸化物の2種以上の混合物でもよいが、
表示を確認する上で少なくとも一方は透明な電極である
ことが好ましい。
さらに、本発明で用いられる固体電解質層は、特に限
定されるものではなく、通常のECDにおいて用いられる
電解質を用いることができる。たとえば、酸化タンタ
ル、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化チタン、
酸化アンチモンなどの金属酸化物や、フッ化マグネシウ
ム、フッ化リチウムなどの金属フッ化物の誘導体物質、
リチウムやナトリウムなどの金属塩を添加したポリアル
キレンオキシドからなる高分子固体電解質、イオン交換
樹脂など、いずれであっても構わない。特に透明性が良
好である、真空蒸着が可能でありEC物質層が真空蒸着法
を用いる点から製造工程上好ましい(勿論、固体電解質
層においてはEC物質層における本発明の製造条件を満た
す必要はない)などの点から、金属酸化物や金属フッ化
物が好ましく、さらにはより拡がりの小さい描画性を付
与可能であるという意味から、酸化タンタルがもっとも
好ましい。
定されるものではなく、通常のECDにおいて用いられる
電解質を用いることができる。たとえば、酸化タンタ
ル、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化チタン、
酸化アンチモンなどの金属酸化物や、フッ化マグネシウ
ム、フッ化リチウムなどの金属フッ化物の誘導体物質、
リチウムやナトリウムなどの金属塩を添加したポリアル
キレンオキシドからなる高分子固体電解質、イオン交換
樹脂など、いずれであっても構わない。特に透明性が良
好である、真空蒸着が可能でありEC物質層が真空蒸着法
を用いる点から製造工程上好ましい(勿論、固体電解質
層においてはEC物質層における本発明の製造条件を満た
す必要はない)などの点から、金属酸化物や金属フッ化
物が好ましく、さらにはより拡がりの小さい描画性を付
与可能であるという意味から、酸化タンタルがもっとも
好ましい。
また、固体電解質の成膜方法としては、その固体電解
質の性質に合わせて選択すればよく、本発明において
は、特に限定されるものではない。とくに、固体電解質
として酸化タンタルを用いる場合には、真空蒸着法を用
いることが好ましい。
質の性質に合わせて選択すればよく、本発明において
は、特に限定されるものではない。とくに、固体電解質
として酸化タンタルを用いる場合には、真空蒸着法を用
いることが好ましい。
本発明の全固体ECDに、表面書き込みにより描画する
際には、描画電極を用いるが、これは金属、金属酸化
物、及び炭素などの導電性を有するものであれば、いか
なるものであってもよい。また、その形状は描画のしや
すいもので、被描画面を損傷させないような構造を有し
ていることが好ましく、具体的には棒状物の先を丸めた
ものや、印字状のもので押圧により描画することも、一
度に描画可能なことから好ましいものである。
際には、描画電極を用いるが、これは金属、金属酸化
物、及び炭素などの導電性を有するものであれば、いか
なるものであってもよい。また、その形状は描画のしや
すいもので、被描画面を損傷させないような構造を有し
ていることが好ましく、具体的には棒状物の先を丸めた
ものや、印字状のもので押圧により描画することも、一
度に描画可能なことから好ましいものである。
本発明におけるECDの構成は、少なくとも、前記のEC
物質層と、固体電解質層とを、表示電極と対向電極で挟
んだ構造をとり、その積層順序としては特に限定される
ものではないが、対向電極上に固体電解質層、EC物質
層、表示電極の順序で設けることが、描画性を向上させ
る点で好ましい。
物質層と、固体電解質層とを、表示電極と対向電極で挟
んだ構造をとり、その積層順序としては特に限定される
ものではないが、対向電極上に固体電解質層、EC物質
層、表示電極の順序で設けることが、描画性を向上させ
る点で好ましい。
本発明における酸化タングステンよりなる還元型EC物
質層とともに、酸化反応により無色から着色状態になる
酸化型EC物質層をさらに設けてもよく、その成分として
は、例えば酸化インジウムや酸化ニッケルなどを単独、
あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。こ
の場合は、固体電解質の両側を酸化型EC物質層と還元型
EC物質層とで挟み、さらにそれを表示電極と対向電極で
挟む構造をもった、いわゆる相補型ECDとなる。
質層とともに、酸化反応により無色から着色状態になる
酸化型EC物質層をさらに設けてもよく、その成分として
は、例えば酸化インジウムや酸化ニッケルなどを単独、
あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。こ
の場合は、固体電解質の両側を酸化型EC物質層と還元型
EC物質層とで挟み、さらにそれを表示電極と対向電極で
挟む構造をもった、いわゆる相補型ECDとなる。
本発明において、ECDの駆動回路その他について、特
に限定されるものではなく、電極、電解質層などを修飾
してあるものであっても構わない。これらの個々の物質
あるいは駆動回路、あるいは用途などECDの概要につい
ては、「最新プロセス技術」(広信社,1987年出版)等
に詳しく述べられており本発明においても適用可能であ
る。
に限定されるものではなく、電極、電解質層などを修飾
してあるものであっても構わない。これらの個々の物質
あるいは駆動回路、あるいは用途などECDの概要につい
ては、「最新プロセス技術」(広信社,1987年出版)等
に詳しく述べられており本発明においても適用可能であ
る。
本発明の特徴を有する酸化タングステンをEC層とす
る、全固体ECDの用途としては、手書き入力表示素子の
ほかに、タッチパネル等の位置検出素子と組み合わせた
素子や、手書き表示機能を付与したカード等にも適用で
きるものである。
る、全固体ECDの用途としては、手書き入力表示素子の
ほかに、タッチパネル等の位置検出素子と組み合わせた
素子や、手書き表示機能を付与したカード等にも適用で
きるものである。
[実施例] 本発明の実施例について、以下に詳述するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
はこれらに限定されるものではない。
実施例1 (1) 対向電極として市販のインジウム・スズ混合金
属酸化物膜(以下、ITOと略す)を有するガラス基板を
用い、基板表面温度を100℃に保った状態で、第1層
に、固体電解質層として酸化タンタルを酸素ガス導入
下、真空度2×10-4torrで、第2層にEC物質層として酸
化タングステンを酸素ガス導入下、酸素圧5×10-5torr
で、0.2nm/秒の成膜速度条件のもとに、真空蒸着法によ
り成膜した。さらに引き続き、第3層に表示電極として
ITOを酸素ガス導入下、酸素圧1×10-4torrの条件のも
とに、高周波イオンプレーティング法により成膜した。
このECDの断面図を第1図に示す。第1図中の1はECD、
2は描画電極、3は直流電源、4は表示電極、5はEC物
質層、6は固体電解質層、7は対向電極を示す。
属酸化物膜(以下、ITOと略す)を有するガラス基板を
用い、基板表面温度を100℃に保った状態で、第1層
に、固体電解質層として酸化タンタルを酸素ガス導入
下、真空度2×10-4torrで、第2層にEC物質層として酸
化タングステンを酸素ガス導入下、酸素圧5×10-5torr
で、0.2nm/秒の成膜速度条件のもとに、真空蒸着法によ
り成膜した。さらに引き続き、第3層に表示電極として
ITOを酸素ガス導入下、酸素圧1×10-4torrの条件のも
とに、高周波イオンプレーティング法により成膜した。
このECDの断面図を第1図に示す。第1図中の1はECD、
2は描画電極、3は直流電源、4は表示電極、5はEC物
質層、6は固体電解質層、7は対向電極を示す。
このECDは、第1図のように、ITOガラス基板を正極
に、描画電極を負極に接続して、電圧を印加した状態
で、描画電極を表示電極である蒸着ITO面に接触させ、
通常の筆記速度、筆圧で書き込むことにより、描画電極
が触れた部分にのみ着色反応が起き、第1図に示すよう
に描画することができた。描画電極としては、先端の太
さが1mmであるアルミニウム棒を用いたが、描画された
文字は、着色領域が拡がり過ぎたり、細すぎたりするこ
となく、約1mmの太さであり、はっきりと判読すること
ができた。さらに、文字を書いたまま、ITOガラスを負
極に、描画電極を正極に接続して電圧を印加した状態
で、描画電極を表示電極のITO面の着色した部分に接触
させると、書き込まれた文字を消去することができた。
に、描画電極を負極に接続して、電圧を印加した状態
で、描画電極を表示電極である蒸着ITO面に接触させ、
通常の筆記速度、筆圧で書き込むことにより、描画電極
が触れた部分にのみ着色反応が起き、第1図に示すよう
に描画することができた。描画電極としては、先端の太
さが1mmであるアルミニウム棒を用いたが、描画された
文字は、着色領域が拡がり過ぎたり、細すぎたりするこ
となく、約1mmの太さであり、はっきりと判読すること
ができた。さらに、文字を書いたまま、ITOガラスを負
極に、描画電極を正極に接続して電圧を印加した状態
で、描画電極を表示電極のITO面の着色した部分に接触
させると、書き込まれた文字を消去することができた。
(2) シリコンウエハを基板として、基板表面温度を
100℃に保った状態で、酸素ガス導入下、酸素圧5×10
-5torrで、0.2nm/秒の成膜速度のもとに、前記(1)項
と同一条件で酸化タングステンを真空蒸着法により成膜
した。この酸化タングステンの、FT−IR(IFS−113V,Br
ucker製)での透過スペクトルを第2図に示した。第2
図は、基板のシリコンウエハの吸収を差し引いたもので
ある。1630cm-1付近に、水酸基の変角振動に帰属できる
ピークがあり、3400cm-1付近に、水酸基の伸縮振動に帰
属できるピークがあることがわかる。このスペクトルよ
り得られた各ピークの吸光度を、前述の(A)、(B)
式にそれぞれ当てはめると、(A)式による値が2.86、
(B)式による値が2.02となり条件を満たしていた。
100℃に保った状態で、酸素ガス導入下、酸素圧5×10
-5torrで、0.2nm/秒の成膜速度のもとに、前記(1)項
と同一条件で酸化タングステンを真空蒸着法により成膜
した。この酸化タングステンの、FT−IR(IFS−113V,Br
ucker製)での透過スペクトルを第2図に示した。第2
図は、基板のシリコンウエハの吸収を差し引いたもので
ある。1630cm-1付近に、水酸基の変角振動に帰属できる
ピークがあり、3400cm-1付近に、水酸基の伸縮振動に帰
属できるピークがあることがわかる。このスペクトルよ
り得られた各ピークの吸光度を、前述の(A)、(B)
式にそれぞれ当てはめると、(A)式による値が2.86、
(B)式による値が2.02となり条件を満たしていた。
比較例1 (1) 対向電極として市販のITOを有するガラス基板
を用い、基板表面温度を280℃に保った状態で、第1層
に、固体電解質層として酸化タンタルを酸素ガス導入
下、真空度2×10-4torrで、第2層にEC物質層として酸
化タングステンを酸素ガス導入下、酸素圧1×10-5torr
で、0.2nm/秒の成膜速度条件のもとに、真空蒸着法によ
り成膜した。さらに引き続き、第3層に表示電極として
ITOを酸素ガス導入下、酸素圧1×10-4torrの条件のも
とに、高周波イオンプレーティング法により成膜した。
このECDは、実施例1と同様に、ITOガラス基板を正極
に、描画電極を負極に接続して、電圧を印加した状態
で、描画電極を表示電極である蒸着ITO面に接触させ、
通常の筆記速度、筆圧で書き込むと、表示電極であるIT
O面全体にわたり着色され、書き込んだ文字を読みとる
ことができなかった。
を用い、基板表面温度を280℃に保った状態で、第1層
に、固体電解質層として酸化タンタルを酸素ガス導入
下、真空度2×10-4torrで、第2層にEC物質層として酸
化タングステンを酸素ガス導入下、酸素圧1×10-5torr
で、0.2nm/秒の成膜速度条件のもとに、真空蒸着法によ
り成膜した。さらに引き続き、第3層に表示電極として
ITOを酸素ガス導入下、酸素圧1×10-4torrの条件のも
とに、高周波イオンプレーティング法により成膜した。
このECDは、実施例1と同様に、ITOガラス基板を正極
に、描画電極を負極に接続して、電圧を印加した状態
で、描画電極を表示電極である蒸着ITO面に接触させ、
通常の筆記速度、筆圧で書き込むと、表示電極であるIT
O面全体にわたり着色され、書き込んだ文字を読みとる
ことができなかった。
(2) シリコンウエハを基板として、基板表面温度を
280℃に保った状態で、酸素ガス導入下、酸素圧1×10
-5torrで、0.2nm/秒の成膜速度のもとに、前記(1)項
と同一条件で酸化タングステンを真空蒸着法により成膜
した。この酸化タングステンの、FT−IRでの透過スペク
トルを第3図に示した。1630cm-1付近の水酸基の変角振
動に帰属できるピークは小さく、3400cm-1付近の水酸基
の伸縮振動に帰属できるピークも僅かであった。このス
ペクトルより得られた各ピークの吸広度を、上述の
(A)、(B)式に当てはめると、(A)式における値
が1.67、(B)式における値が、1.30であり、条件を満
たしていなかった。
280℃に保った状態で、酸素ガス導入下、酸素圧1×10
-5torrで、0.2nm/秒の成膜速度のもとに、前記(1)項
と同一条件で酸化タングステンを真空蒸着法により成膜
した。この酸化タングステンの、FT−IRでの透過スペク
トルを第3図に示した。1630cm-1付近の水酸基の変角振
動に帰属できるピークは小さく、3400cm-1付近の水酸基
の伸縮振動に帰属できるピークも僅かであった。このス
ペクトルより得られた各ピークの吸広度を、上述の
(A)、(B)式に当てはめると、(A)式における値
が1.67、(B)式における値が、1.30であり、条件を満
たしていなかった。
比較例2 実施例1において、基板温度を300℃に保った以外
は、実施例1と同様にして、ECDを作成した。このECD
を、実施例1と同様に、ITOガラスを正極に、描画電極
を負極に接続して、電圧を印可した状態で、描画電極を
表示電極である蒸着ITO面に接触させ、通常の筆記速
度、筆圧で書き込むと、表示電極であるITO面全体にわ
たり着色され、書き込んだ文字を読みとることができな
かった。
は、実施例1と同様にして、ECDを作成した。このECD
を、実施例1と同様に、ITOガラスを正極に、描画電極
を負極に接続して、電圧を印可した状態で、描画電極を
表示電極である蒸着ITO面に接触させ、通常の筆記速
度、筆圧で書き込むと、表示電極であるITO面全体にわ
たり着色され、書き込んだ文字を読みとることができな
かった。
比較例3 酸化タングステン層を蒸着する際の酸素圧を1×10-5
torrとする他は、実施例1と同じ条件ECDを作成した。
このECDを、実施例1と同様にして、ITOガラスを正極
に、描画電極を負極に接続して、電圧を印可した状態
で、描画電極を表示電極である蒸着ITO面に接触させ、
通常の筆記速度、筆圧で書き込むと、表示電極であるIT
O面全体にわたる着色はなかったが、描画電極を接触さ
せた部分以外へ着色が拡がり、書き込んだ文字の判別が
困難であった。
torrとする他は、実施例1と同じ条件ECDを作成した。
このECDを、実施例1と同様にして、ITOガラスを正極
に、描画電極を負極に接続して、電圧を印可した状態
で、描画電極を表示電極である蒸着ITO面に接触させ、
通常の筆記速度、筆圧で書き込むと、表示電極であるIT
O面全体にわたる着色はなかったが、描画電極を接触さ
せた部分以外へ着色が拡がり、書き込んだ文字の判別が
困難であった。
比較例4 酸化タングステン成膜速度を0.87nm/秒とする他は、
実施例1と同じ条件でECDを作成した。このECDを、実施
例1と同様に、ITOガラスを正極に、描画電極を負極に
接続して、電圧を印可した状態で、描画電極を表示電極
である蒸着ITO面に接触させ、通常の筆記速度、筆圧で
書き込むと表示電極であるITO面全体にわたる着色はな
かったが、描画電極を接触させた部分以外へ着色が拡が
り、書き込んだ文字の判別が困難であった。
実施例1と同じ条件でECDを作成した。このECDを、実施
例1と同様に、ITOガラスを正極に、描画電極を負極に
接続して、電圧を印可した状態で、描画電極を表示電極
である蒸着ITO面に接触させ、通常の筆記速度、筆圧で
書き込むと表示電極であるITO面全体にわたる着色はな
かったが、描画電極を接触させた部分以外へ着色が拡が
り、書き込んだ文字の判別が困難であった。
比較例5 酸化タングステン蒸着時の導入ガスをアルゴンガスと
する他は、実施例1と同様にして、ECDを作成した。こ
のECDを、実施例1と同様に、ITOガラスを正極に、描画
電極を負極に接続して、電圧を印可した状態で、描画電
極を表示電極である蒸着ITO面に接触させ、通常の筆記
速度、筆圧で書き込むと、表示電極であるITO面全体に
わたる着色はなかったが、描画電極を接触させた部分以
外へ着色が拡がり、書き込んだ文字の判別が困難であっ
た。
する他は、実施例1と同様にして、ECDを作成した。こ
のECDを、実施例1と同様に、ITOガラスを正極に、描画
電極を負極に接続して、電圧を印可した状態で、描画電
極を表示電極である蒸着ITO面に接触させ、通常の筆記
速度、筆圧で書き込むと、表示電極であるITO面全体に
わたる着色はなかったが、描画電極を接触させた部分以
外へ着色が拡がり、書き込んだ文字の判別が困難であっ
た。
実施例2 対向電極として市販のITOガラス基板を用い、基板表
面温度を100℃に保ち、酸化型EC物質層として酸化ニッ
ケルを蒸着した後、実施例1と同様に酸化タンタル、酸
化タングステン、ITOを成膜して相補型ECDを作成した。
このECDは、実施例1と同様に、描画可能であり、描画
された文字を消去することもできた。
面温度を100℃に保ち、酸化型EC物質層として酸化ニッ
ケルを蒸着した後、実施例1と同様に酸化タンタル、酸
化タングステン、ITOを成膜して相補型ECDを作成した。
このECDは、実施例1と同様に、描画可能であり、描画
された文字を消去することもできた。
この酸化タングステンの、FT−IR(IFS−113V,Brucke
r製)での透過スペクトルを第3図に示した。第3図
は、基板のシリコンウエハの吸収を差し引いたものであ
る。1630cm-1付近に、水酸基の変角振動に帰属できるピ
ークがあり、3400cm-1付近に、水酸基の伸縮振動に帰属
できるピークがあることがわかる。このスペクトルより
得られた各ピークの吸光度を、前述の(A)、(B)式
にそれぞれ当てはめると、(A)式による値が2.86、
(B)式による値が2.02となり条件を満たしていた。
r製)での透過スペクトルを第3図に示した。第3図
は、基板のシリコンウエハの吸収を差し引いたものであ
る。1630cm-1付近に、水酸基の変角振動に帰属できるピ
ークがあり、3400cm-1付近に、水酸基の伸縮振動に帰属
できるピークがあることがわかる。このスペクトルより
得られた各ピークの吸光度を、前述の(A)、(B)式
にそれぞれ当てはめると、(A)式による値が2.86、
(B)式による値が2.02となり条件を満たしていた。
比較例6 基板表面温度を200℃に保った以外は、実施例2と同
様にして相補型ECDを作成した。このECDは、比較例1と
同様に、全面にわたって着色されて、書き込まれた文字
を判読することは不可能であった。
様にして相補型ECDを作成した。このECDは、比較例1と
同様に、全面にわたって着色されて、書き込まれた文字
を判読することは不可能であった。
[発明の効果] 本発明により、描画可能であり、かつ優れた耐久性を
有する全固体型ECDを提供することができる。
有する全固体型ECDを提供することができる。
第1図は、本発明実施例1のECDの断面図である 第2図は、本発明実施例1の酸化タングステンのFT−IR
での透過スペクトルである。 第3図は、本発明比較例1の酸化タングステンのFT−IR
での透過スペクトルである。 1:ECD、2:描画電極、3:直流電源、 4:表示電極、5:EC物質層、6:固体電解質層 7:対向電極
での透過スペクトルである。 第3図は、本発明比較例1の酸化タングステンのFT−IR
での透過スペクトルである。 1:ECD、2:描画電極、3:直流電源、 4:表示電極、5:EC物質層、6:固体電解質層 7:対向電極
Claims (2)
- 【請求項1】表示電極と対向電極の間に、酸化タングス
テンからなるエレクトロクロミック物質層と、固体電解
質層とを少なくとも設けてなる全固体型エレクトロクロ
ミック表示素子において、該酸化タングステンの、FT−
IRでの透過スペクトルが、1400cm-1の吸光度をA1400、1
800cm-1の吸光度をA1800、1600cm-1から1650cm-1で最も
吸光度の大きい値をA*、2500cm-1の吸光度をA2500、4
000cm-1の吸光度をA4000、3400cm-1の吸光度をA3400と
した場合に、下記(A)式かつ(B)式を満たすことを
特徴とするエレクトロクロミック表示素子。 - 【請求項2】表示電極と対向電極の間に、酸化タングス
テンからなるエレクトロクロミック物質層と、固体電解
質層とを少なくとも設けてなる全固体型エレクトロクロ
ミック表示素子の製造方法において、該酸化タングステ
ンが、 該表示電極あるいは該対向電極を基板として、その基板
表面温度が20℃以上、180℃以下、かつ、 導入ガスとして酸素を用い、真空度が2×10-5torr以
上、1×10-3torr以下、かつ、 成膜速度が0.1nm/秒以上、0.4nm/秒以下 の条件下で、真空蒸着法により設けられてなることを特
徴とするエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US07/637,305 US5157540A (en) | 1990-07-11 | 1991-01-03 | Electrochromic display device with improved absorption spectrum and method of producing it |
EP91300220A EP0466293B1 (en) | 1990-07-11 | 1991-01-11 | Electrochromic display device and method for its production |
CA002034056A CA2034056A1 (en) | 1990-07-11 | 1991-01-11 | Electrochromic display device and method of producing it |
DE69104785T DE69104785T2 (de) | 1990-07-11 | 1991-01-11 | Elektrochrome Anzeigevorrichtung und Methode zu ihrer Herstellung. |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18326189 | 1989-07-14 | ||
JP1-183261 | 1989-07-14 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03121424A JPH03121424A (ja) | 1991-05-23 |
JP2924111B2 true JP2924111B2 (ja) | 1999-07-26 |
Family
ID=16132573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2183426A Expired - Fee Related JP2924111B2 (ja) | 1989-07-14 | 1990-07-11 | エレクトロクロミック表示素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2924111B2 (ja) |
-
1990
- 1990-07-11 JP JP2183426A patent/JP2924111B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03121424A (ja) | 1991-05-23 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |